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JP4956779B2 - 最適化支援装置、最適化支援プログラム、最適化支援表示装置及び最適化支援方法 - Google Patents
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最適化支援装置、最適化支援プログラム、最適化支援表示装置及び最適化支援方法 Download PDF

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本発明は、計算機を使用した最適化支援装置に関する。
従来、最適化を支援するシステムとして特許文献1に記載の技術が開示されている。この公報には、解析計算部とモデリング部との間にインターフェースを設け、解析結果から構造物の設計パラメータの変更と再モデリングを自動的に行い、反復計算の後に設計仕様を満たす最適モデルを出力することで、最適化を支援している。
特開平3−224063号公報。
しかしながら、上記従来技術にあっては、反復計算の後に設計仕様を満たすように修正していくものの、基準となる最初の形状を生成する技術に関しては、何ら言及していない。すなわち、初期設計段階で合理的な形状を簡易かつ迅速に生成することができず、適当に設定した形状から最適化処理を実行するため、非合理的な形状から計算を開始した場合、無駄な計算が増加し、計算時間が長くなるという問題があった。
本発明は、上記課題に基づいて成されたものであり、無駄な計算を抑制し、計算時間を短縮可能な最適化支援装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の最適化支援装置では、複数の制限要素に対応する特性を有するシステムと、該システムの前記制限要素と前記特性との組み合わせであるサンプリングを複数発生させる第1サンプリング発生手段と、前記サンプリングを前記特性の類似度に基づいて階層的にクラスタリングする階層的クラスタリング手段と、前記クラスタリングされた各クラスター内における、前記制限要素の変動と前記特性の変動との相関関係が高い制限要素を、同じ階層間及び/又は異なる階層間で比較する比較手段と、前記比較手段で比較した結果から、前記相関関係が高い制限要素のうち、各クラスター間で共通する制限要素を抽出する抽出手段と、目標特性を設定する目標特性設定手段と、抽出された共通する制限要素を基準としてサンプリングを発生させる第2サンプリング発生手段と、前記第2サンプリング発生手段により発生したサンプリングの特性が前記目標特性を満足する最適サンプリングか否かを判断し、最適と判断したときは該サンプリングを最適サンプリングとして出力するサンプリング評価手段と、を備えたことを特徴とする。

よって、少ないサンプリング数から共通する制限要素を抽出することで、初期設計段階で合理的な形状を生成することが可能となり、この合理的な形状に基づいてサンプリングを発生させることで、効率よく解空間を探索することが可能となり、少ない演算で最適化を図ることができる。
以下、本発明の最適化支援装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
〔実施例1の技術コンセプト〕
まず、「システム」という言葉を定義する。システムとは、ある特定の入力があるときに、ある特定の結果をもたらす入力結果間に存在する処理系あるいは秩序である。ある固有のシステムを、ある値に規定することによって、特定の事象(現象)が実現される(複数の制限要素によって規定されるシステムに相当)。そして、固有のシステムは、あらゆるものの処理、或いは、あらゆるものに秩序を与えるものではなく、数、範囲、性質といった限定された中で機能する。従って、事象の種類が同じものであっても、これら限定が互いに異なる様々なものが存在する場合、それぞれに対応したシステムが存在する。さらに、事象の種類に応じて、これらを統一的に取り扱う上位システムが存在する。
このような特定の事象に関わる層状のシステム構造は、経済、文化、設計、生物などほとんど全ての事象に適用でき、直感的ではあるが何らかの共通性をもとに分類し、最も容易に体系を捕らえやすい分類方法として受け入れられている。
例えば、自動車のサスペンションにおいては、抽象システムはサスペンション、個別システムはマルチリンクやトーションビームなど、具象システムは個別システムが取る具体的なジオメトリの値やブッシュ剛性値などによって決まった特定のマルチリンクやトーションビーム等である。
しかしながらこの分類は、同じ階層のシステム同士や上下のシステムを具体的に理解することは目的としていない。最下層システムが示す事象の解析(理解)が進む(成熟する)に従い、新しい取り組みや発見を行うためには、システム間の関係や全体システムを規定している共通性を正確に理解した上で利用しなければならない。ここで、最上層システムを「抽象システム」、中層システムを「形式システム」、最下位システムを「具象システム」と呼ぶことにする。
本実施例では、全体システムの理解を可能とするために、抽象システムと形式システムの間、具象システムと形式システムの間に、傾向あるいは範囲という限定を加えたシステムとして「傾向システム」を導入することにすること(Clusterによって分類されたシステムのこと)により、全体システムの理解、システム間の特徴の理解、事象のさらなる理解、新しいシステムを作る可能性などを考慮することを可能とした。図1にこれらの関係を示す。
3層のシステム構造では、何らかの共通性をもとに分類されていることを述べた。複雑な事象(現象)は、いくつかの事象(現象)の組み合わせの結果実現されていると考える場合、複雑な事象(現象)の特徴は、構成しているある事象(現象)の特徴、あるいは組み合わせの特徴が影響していると考えられる。このような特徴は、先の共通性にかかわるものであり、現象の実現のためのシステムの「共通概念」と定義することができる。
ある形式システムにおいて、ある具象システムのパラメータを様々に変化させた結果として生じる様々な現象は、その形式システムに特有の共通概念によって支配されており、この概念によって様々な現象の傾向を実現していると考えられる。そして、具象システムが示す現象それぞれの特有な傾向は、共通概念をベースとし、そこから派生する特有の形態を取ることによって実現されている。
ここで、共通概念とは、様々な複雑現象の傾向を最もよく説明できる特定のパラメータの値、特定のパラメータの組合せ、特定のパラメータ間の関係、特定のパラメータの傾向、特定のパラメータの値の範囲のいずれか、或いは、これらの内のいくつかの組合せである。一方、共通概念をベースとしつつ、共通概念以外の特定のパラメータの値、特定のパラメータの組合せ、特定のパラメータ間の関係、特定のパラメータの傾向、特定のパラメータの値の範囲のいずれか、或いは、これらの内のいくつかの組合せは特有な形態と定義できる。
尚、共通概念は、ある一つの現象を実現するために存在する異なるシステム間に存在するものであっても構わない。すなわち、形式システム階層に存在する様々なシステムは、ある特定の現象を実現するために存在しているため、形式システムの上位には、(すなわち抽象システムにおける)共通概念が存在し、これによって全ての現象の傾向を実現している。そして現象特有の傾向は、形式システムあるいは具象システムの特有の形態を共通概念に加えることで実現している。
本実施例1では、複雑な現象を理解するため、以上のようなコンセプトに基づいて構成されている。図2に実施例の共通概念抽出コンセプトを示す。図2中、共通概念0は全ての現象を規定する概念であり、共通概念1はハッチング部分の領域のみの現象を規定する概念であり、共通概念2はハッチング部分の領域のみの現象を規定する概念である。共通概念0には共通概念1,2が含まれ、各共通概念に他の共通概念を重ねると、更に領域を規定することとなる。
尚、抽象システムや形式システムは、あらゆる階層間で上限関係のみ注意しつつ適宜設定すればよい。よって、抽象システムは再上層等に限定されない。また、適宜設定された抽象システム,形式システム及び具象システムの間を繋ぐ秩序が傾向システムとして定義される。
図3に実施例1の最適化支援コンセプトを示す。例えば、階層化によって各階層のシステム(形式システム,傾向システム,具象システム等)に分類した後、例えば既存の傾向システムに存在する共通概念を用いて新たなサンプリングを発生し、このサンプリングから最適なシステムを提供することが実施例1の主な目的である。
〔最適化支援フロー〕
実施例1は、複雑な現象を規定する共通概念の抽出を行った後、共通概念を構成するパラメータとそれ以外のパラメータを様々に変化させ、設計者が求める現象に当てはまる構造を抽出する。この共通概念の抽出には、現象(以下、特性)とそれを実現するあるシステムのとるパラメータ(以下、制限要素)の組合せ(以下、サンプリング)をいくつか準備しておく必要がある。そして、これらの特性をいくつかに分類し、制限要素を比較することによって、全ての現象を最もよく説明できる共通概念を抽出する。
次に、共通概念を構成する制限要素の変更は、共通概念が持つ制限要素同士の傾向を踏襲した上で行う。また、共通概念以外の制限要素の変更は、共通概念を構成する制限要素の変更を行った後、変更された共通概念を基準とし、その他の制限要素を変更する。ここで、求める特性あるいは特性の持つ範囲を予め設計者が決定しておき、該決定された条件に応答が当てはまるか否かを判断する。
ここから、ある特定の特性を実現する構造、あるいはある範囲の間の応答を実現する構造を抽出する。
以上から、実施例1では、図4に示すように、
ステップ〔1〕 サンプリングを準備する部位(第1サンプリング発生手段)
ステップ〔2〕 特性を分類する部位(階層的クラスタリング手段)
ステップ〔3〕 制限要素を比較し共通概念を抽出する部位(比較手段及び抽出手段)
ステップ〔4〕 目標特性を設定する部位(目標特性設定手段)
ステップ〔5〕 共通概念を基準としたサンプリングの発生(第2サンプリング発生手段)
ステップ〔6〕 ステップ〔5〕のサンプリングの可否を判断する部位(サンプリング評価手段)
の6つのステップで構成されている。このように、共通概念を用いて効率よくサンプリングを発生することができるため、効率的で抜け漏れが無く、その結果どのような応答になるのかを予測することが可能である。
(サンプリングの準備)
ステップ〔1〕のサンプリングの準備の段階では、現在までに把握している対象とする現象のサンプリングを用意すればよい。しかしながら、比較の対象となるサンプリングに偏りがある場合、その結果抽出される共通概念は、ある特性に偏ったものとなるため、全ての現象を説明できるとは言えない場合が多い。従って、特性に偏りが生じていないサンプリングを準備する必要がある。これからサンプリングを準備しようとする場合、サンプリングに偏りが生じないように、全通りの制限要素の組合せについて、あるいは直行表などを用いた制限要素の組合せを準備し、これに対する特性の応答を調査すればよい。
ここで、直行表の例を図4に示す。直行表とは、割り付けられたある制限要素の特定水準に着目した場合、他の制限要素の水準が全て、しかも均等に組み合わされるよう作成された表のことである。従って、制限要素を構成する個々の制限要素の最大値と最小値を設定しておき、選択した直行表の水準数に応じて最大値と最小値間をいくつかに分割、直行表に割り付ければよい。
尚、複数の制限要素によって規定されるシステムをシミュレーションし、入力と出力の関係を表す特性を再現するシミュレーターを備えている場合には、そのシミュレータとリンクさせて、効率よく作業を行うようにすることが望ましい。シミュレータは同一の演算装置内にあってもよいし、他の装置とケーブル等で接続するようにしてもよい。
(特性の分類)
ステップ〔2〕の特性を分類する部位では、階層的クラスタリングを利用する。クラスタリングとは、異なる性質のもの同士が混ざり合っている集団の中から、効率的に意味のある体系に組織立てるために、互いに似たものを集めて集落(以下、クラスター)を作るという、対象を分類する方法の総称である。このうち、階層的クラスタリングは、グループが入れ子を構成するように階層を生成していく方法である。本実施例1では、「似たもの」として、「特性の傾向の類似度」を基準にクラスタリングした。
本実施例1において階層的クラスタリングを採用したのは、〔実施例1の技術コンセプト〕で述べたように、もともと我々の対象とするシステムが階層的な分類を基にしていること(すなわち最も理解可能な体系であること)、各階層のシステムの関係を理解するための傾向システムには、予めいくつの階層及びクラスターが存在するかは予め分からないこと、のためである。例えば、非階層的なクラスタリングを行う場合には、予め閾値等を設定し、この閾値以内のものをクラスタリングするといった作業を行うことになり、この閾値は既成概念の導入につながる虞がある。既成概念が導入されると、この既成概念に縛られた結果しか得られず、システムの分類を正確に行えないからである。階層的クラスタリングの方法を以下に述べる。
階層的クラスタリングにおいて、クラスターの生成は、類似度あるいは非類似度を基準として個体を一組づつ結合し、小さなクラスターから次第に大きなクラスターにしていく。従って、クラスター生成の手続きは、類似度(非類似度)の定義とクラスター生成の二つの段階に分けられる。ここで、個体xi(1≦i≦n)で構成される個体全体の集合X={x1,x2,x3,・・・,xn},個体xi,xj間の類似度d(xi,xj)〔1≦xi,xj≦n,xi≠xj,xi,xj∈X〕を定義する。また個体xiをクラスターGiとするとき,全てのクラスターを含むクラスターgをg={G1,G2,・・・,Gn}とする。このとき、階層的クラスタリングのアルゴリズム(Agglomerative Hierarchal Clustering :以下、AHCと記載する)は以下になる。
(I)初期設定n個のクラスター(個体)について以下を定義する。
Figure 0004956779
(II)類似度最大(あるいは類似度最小)のクラスター対を結合する。
Figure 0004956779
ここでGqとGrをgから取り除き、G'=Gq∪Grをgに追加する。この際、クラスター数を一つ減らす。
(III)すべてのGi∈g,Gi≠G'についてクラスター間の類似度d(G',Gi)を再計算する。
(IV)以後(II),(III)をクラスター数が1になるまで繰り返す。
上記AHCの(II)で取り上げる類似度(非類似度)は様々なものが提案されているが、ここでは、Ward法(Ward's Method)を取り上げる。この方法はユークリッド空間の距離(Euclid Distance)による類似度を前提としている。すなわち、個体xiを構成するp個の要素のうちk番目の要素の値をxi kとすると、個体xi−xj間のWard距離は、式(3.4)で表される。ここで要素とは、個体xiに含まれる値である。
Figure 0004956779
このときクラスターGに対する重心M(G)を式(3.5)のようにおくと、その各構成要素は式(3.6)で表される。
Figure 0004956779
Figure 0004956779
ここで、クラスターGにおける重心と各個体との距離の差の二乗和E(G)を式(3.7)のように定義すると、異なる2つのクラスターGi,Gj間の距離の差は式(3.8)のように表せる。従って、AHCの(II)のクラスターの結合則は式(3.9)で表されるように、ΔEが最小となるGq,Grを選択することになる。
Figure 0004956779
Figure 0004956779
Figure 0004956779
一方、AHC(III)の類似度d(G',Gi)の再計算は、結合する前のd(Gq,Gi),d(Gr,Gi)を用いて表せる。d(Gi,Gj)=ΔE(Gi,Gj)と定義すると、初期クラスターGi={xi}に対して、式(3.10)のように表せる。
Figure 0004956779
ここで、G'=Gq∈Grのとき
Figure 0004956779
以上のように,AHCの(III)の再計算は、個体間の類似度を参照することなく、クラスター間の類似度のみを用いて再計算がなされる。図5に以上のアルゴリズムに基づくクラスターの生成方法を、図6に階層的クラスタリングの例を示す。
ここで、上記クラスターの生成方法を図5に基づいてまとめると、以下のようになる。
(A)サンプリングをクラスター化し、クラスターp,q.r・・・を生成する。図5中、小さな円に相当するものである。
(B)各クラスタの重心を計算する。
(C)類似度の小さい(距離の近い)クラスターを結合する。図5中、クラスターpとクラスターqを結合し、新たなクラスターtを生成する。
(D)結合したクラスターtの重心を計算する。
(E)類似度の小さい(距離の近い)クラスターを結合する。
(F)上記(C)〜(E)をクラスターが1つになるまで繰り返す。
尚、上記(A)のステップでは、クラスターでなくとも、クラスタリングする前の点情報でもよく特に限定しない。
〔共通概念の抽出〕
ステップ〔3〕に示す、制限要素を比較し共通概念を抽出する部位では、分類された階層ごとに存在する制限要素間の関係と特性との因果関係を抽出した後、全ての階層に共通する因果関係を見つける。ここで見つかった共通する因果関係を共通概念と呼んでいる。
(分類された階層ごとに存在する制限要素間の関係と特性との因果関係の抽出)
分類された現象階層ごとに存在する制限要素と現象の物理的因果関係を抽出する。現象が示す特徴は、様々な制限要素が関係し合いながら実現されるという獏全とした言い方しかできない。しかしながら、このことは、言い換えると、現象は制限要素同士の関係を変えながら、さまざまな関係形態を経て実現されている。これを、現象の実現に至る制限要素のネットワークとするならば、このネットワークこそが因果関係であると考えることができる。ここで、このネットワークを「因果ネットワーク」と呼ぶことにする。
1つの経路を考えたとき、この経路の形成には他の制限要素の影響を受けている場合があり、また、この影響もその他の制限要素の影響を受けている場合があるかもしれない。このような特徴をもつ経路を見つける場合、他の制限要素の影響を廃した上で純粋なつながりから経路を判断するよりは、他の制限要素の影響を持ったままの制限要素の関係による経路を判断したほうがよい。
すなわち、他の制限要素の影響を廃した純粋なつながりから経路を判断する場合、ある制限要素同士の、或いは、ある制限要素と現象との影響度合いの大きさといった数値の大小による判断が行われることとなる。よって、必ずしも切り捨てが正しいかどうかが分からない状態で、切り捨てられた制限要素と経路との物理的な関係が断ち切られ、全体として因果ネットワークを表しているとは言いがたい。これに対し、他の制限要素の影響を持ったままの経路を判断する場合、既成概念に基づく切り捨て等が成されないため、現象そのものを表記している物理的な全てのつながりを説明できる因果ネットワークを形成していると考えられるからである。
但し、煩雑になりやすいので、制限要素間の経路に数値的な指標を設ける必要がある。ここでは、他の制限要素の影響を持ったままの2つの制限要素間のつながりの強さを測る尺度として、ピアソンの積率相関係数を取り上げた。制限要素が現象に至るまでの因果ネットワークを抽出するために、個々の制限要素と現象は同次元に考える。同次元に置いた個々の制限要素と現象を、因果ネットワークを構成する経路の支点と呼ぶことにする。
1つの支点がもつデータの数をn,1つの支点をx,支点xの平均をx-,他の支点をy,支点yの平均をy-とすると、ある2つの支点x,y間のつながりの強さを表す相関係数r(xy)は、式(5.2)で表される。
Figure 0004956779
式(5.2)を全ての支点間に適用させることにより、現象に至るまでの全ての因果ネットワークを、他の制限要素の影響を含んだつながりの強さと共に抽出することができる(図7参照)。これを、全ての階層の現象クラスターに適用させることで、複雑な現象から徐々に簡単な現象に階層化される現象過程を、因果ネットワークの変化と共に把握することが可能となる。
(共通概念の抽出)
複雑な現象は、物理的特徴を基準としながら徐々に単純な現象に分割されていくという階層構造を成している。従って、これに伴い因果ネットワークも階層を追って変化していくと考えられる。ある階層における単体の現象を決定付ける要因と、その複雑さを決定付ける要因とは、階層をたどることによって、それぞれ全ての階層の単体の現象に共通する因果ネットワークと、対象の現象とその上下階層の現象との間に存在する異質な因果ネットワークであると定義できる。
階層的クラスタリングを応用した複雑な現象の特徴分化を伴う階層化の場合、最下層は1つのサンプルで構成されるクラスターである。最下層に行くほど現象の複雑性を強調する階層となるため、共通性は薄れていってしまうという特徴がある。一方、最上層に行くほど多くのサンプルで構成されるクラスターとなるが、階層に含まれるクラスターの数が少なくなるため、ノイズを含んだ多くの共通性が存在するという特徴がある。
従って、この関係から共通概念を抽出する最も適した階層が存在することが考えられる。ここでは、共通概念を抽出できる階層を特定し、ここから共通概念を抽出する方法を述べる。
まず、共通概念の抽出に適当な階層の特定を行う。ここでは、ある経路pの相関係数の感度SとSN比ηを利用する。対象とする階層をi,階層に含まれるクラスターの数をn,階層に含まれるm番目のクラスターの経路pにおける相関係数をripmとすると、重ね合わせた相関係数rip -は式(5.3)のように表される.
Figure 0004956779
この階層の共通な因果ネットワークの1つが経路pだとすると、その相関係数の感度Sは、式(5.3)から式(5.4)のように表せる.
(5.4)
Figure 0004956779
また、階層iに含まれる各クラスターの経路pにおける相関係数の全変動Stは式(5.5)で表せる。
Figure 0004956779
また、この経路pの相関係数の変動Sβは、各クラスターを分割するユークリッド距離dim,平均ユークリド距離をdi-とすると、式(5.6)で表される。
Figure 0004956779
従って、経路pにおける誤差分散Veは式(5.7)で表せる。
Figure 0004956779
従って、階層iに含まれる各クラスターの経路pにおける相関係数のSN比ηは式(5.8)で表せる。
Figure 0004956779
共通概念は全ての現象を説明できる共通の因果ネットワークであるため、全ての共通の経路において式(5.4)で表される感度Sが大きく、かつ式(5.8)で表されるSN比ηが大きい階層が共通概念の抽出に適した階層となる。ただし、共通概念抽出の階層は、樹形図の最上層から下層に向けて探索したとき、分岐を起こす最大ユークリッド距離以下で構成される階層で検討を行わなければならない。
以上のようにして得られた共通概念抽出に適した階層において、共通概念となる共通の因果ネットワークは、式(5.4)で表される相関係数の感度が大きい経路pがそれに該当する。図8にネットワークの表示方法の一例、及び、これらネットワークに共通する共通概念の表示方法に一例を示す。各クラスターにおいて共通して強い因果関係を表す線が共通概念に相当する。
尚、制限要素の表記方法は、ここで示したように、各制限要素を円周上に配置し、制限要素間を直線で結ぶことで因果ネットワークを表記したが、円周上以外の配置でもよい。また、因果関係の強さを表す手段として線種を変更する方法の他に、線に色をつける方法や、線の太さなどで表記する方法などが考えられる。図8の共通概念、すなわち共通のネットワークは、当然図8の個々のクラスターのネットワーク中に必ず含まれている。また、因果関係が強い制限要素が目視可能に表現されていればよく、立体的形状に表記するようにしてもよい。
(特性の値或いは範囲の設定)
ステップ〔4〕に示す特性の値あるいは範囲の設定では、共通概念を用いて導出される構造が満たすべき特性の値、あるいは満たすべき特性の範囲を設計者が予め決定しておく。ここで、特性は1つ以上であってもよい。この場合、設定された特性に最適な構造の抽出となる。後者の場合、特性の範囲あるいはその組み合わせに対して、個々の制限要素がある範囲を持った形で構造が抽出される。この場合、構造が存在する設計空間の抽出となるが、この後、特性が最適になる構造を導き出す最適化を行う。但し、ここでは、設計者の目的に応じて適宜設定可能であり、最適化以外にも適用可能である。
(共通概念を基準としたサンプリングの発生)
ステップ〔5〕に示す共通概念を基準としたサンプリングの発生では、共通概念に基づく構造のサンプリングを求める部位である。まず、共通概念を構成する制限要素の変更を行う。ここでは、抽出された共通概念の持つ制限要素の値、あるいは範囲、制限要素同士の関係の傾向など、共通概念の因果関係を踏襲した上で、制限要素の変更を行う。これにより、結果として得られるシステムの特性の性質(傾向)が補償される。
次に、共通概念以外の制限要素の変更を行う。ここでは、共通概念以外の制限要素にあらゆる変更を加えてよい。ここで得られた共通概念及びそれ以外の制限要素の組み合わせに基づき計算を行い、この構造の特性を求める。すなわち、サンプリングを行う。ここでは、変更された制限要素の基準とした距離モデルによる生成が効率的である。また、共通概念以外の制限要素の変更は、直交表あるいは乱数等、一般的なモデル生成方法でよい。尚、上述したように、共通概念以外の制限要素は、その制限要素の数自体を増減させることで、新たな制限要素の導出を試みてもよい。
(距離モデル生成方法)
抽出された共通概念は、特性に対する因果関係を表す制限要素の値の組み合わせ、或いは範囲の組み合わせ、制限要素同士の関係の傾向、及びこれらの組み合わせなどで表されている。共通概念が制限要素の値のみによる組み合わせの場合、これを変更することはできない。また、共通概念が制限要素の範囲で表現されている場合、この範囲内で例えば直交表や乱数を用いてモデル生成を行えばよい。
一方、これ以外の表現による共通概念の場合、共通概念を踏襲した制限要素の変更が必要になる。ここでは、効率的に共通概念を踏襲したモデルを生成するために、距離モデル生成法を提案する。
距離モデル生成法は、共通概念を構成する制限要素に似たモデルを新しく生成する方法である。この方法では、クラスタリングのグループ化のアルゴリズムに用いられている個体間の尺度を利用している。クラスタリングのグループ化のアルゴリズムにおいて、個体間の距離とは個体間の類似度(非類似度)を図る尺度として用いられている。このような尺度は、様々なものが提案されているが、ここでは個体間の類似度の想像が容易で、取り扱いやすいユークリッド距離を取り上げた。
ユークリッド距離は、個体xiを構成するp個の要素のうちk番目の要素の値をxi kとすると、個体(xi−xj)間の距離dを式(4.1)のように定義する。ここで要素とは、個体xiに含まれる値である。
Figure 0004956779
モデルの生成は一様乱数を用いて行う。従って、一様乱数によって生成したモデルをdrand、共通概念を構成する制限要素で表現されたモデルをxc、閾値を満たさないモデルをxoとすると、新しく生成したモデルとこれらの距離は式(4.2)で表される。
Figure 0004956779
次に、共通概念を構成する制限要素のモデルxcに極端に似たモデルを採用しない制限則を適用させる。例えば、ユークリッド距離が0.01以下のとき、2つの個体はほぼ同一であるという認識をさせたい場合、共通概念モデルxc対し、新しく生成されたモデルxrandは式(4.3)の制限則に従うものを採用する。ここで採用する新しいモデルは、式(4.3)を満たす最小距離のモデルを1つ採用する。尚、制限則の値を変更することで、モデルの生成を大きく変更することができるため、目的に応じて設計者が決定することができる。また、共通概念モデルがいくつかある場合、同じモデルの生成を防ぐために、その他の共通概念モデルと生成されたモデルを用い、式(4.3)を計算し、適合しない場合は採用しない。
Figure 0004956779
以下に、モデル生成のアルゴリズムを説明する。また、モデル生成のイメージ図を図9に示す。
(i)共通概念を構成する制限要素のモデルを用意する。
(ii)乱数を用いてモデルを生成させ、式(4.2)で距離を計算し、式(4.3)を満たすモデルを選択する。またこのとき生成されたモデルと共通概念モデルとの距離を記憶しておく。
(iii)再度、共通概念を基準に乱数を用いてモデル生成させ、式(4.2)で距離を計算する。式(4.3)の制限則とする最小距離を(ii)の距離に置き換え、これを満たすモデルを選択する。ここで、選択されたモデルと共通概念モデルとの距離を記憶しておく。
(iv)以後、上記(i)〜(iii)を繰り返す。
(構造の可否判断)
ステップ〔6〕に示す構造の可否判断では、ステップ〔4〕で設定した特性の値に一致しているかどうか、すなわち、目標とする最適値か否かを判断する。ここで、最適値となっている場合はその構造を採用し、最適値以外のときは再度ステップ〔5〕を繰り返す。
(具体例)
以下、上記実施例1に基づいて、具体的な態様に適用した例を示す。ここでは、壁面から複数の梁を設けて軽量、かつ、先端の変位量が少ない構造を最適化する梁問題を取り上げる。図9に梁の構造の一例を示す。ここで、取り扱う特性とは、先端P5に荷重が作用した際における、先端P5の荷重方向への変位量であり、制限要素とは、節点P1〜P9の間に設けた梁の太さである。
(サンプリングの準備)
図10に示した節点P1〜P9の間に設ける梁構造は、図11に示す組み合わせの中から有無を含めた太さが適宜選択されることとなる。よって、制限要素は、節点間に設けられる梁B1〜B29となり、その制限要素の値は0からある太さまでの間(範囲)で設定される。ここで、太さについては直交表等を用いて均等に割り付けた値を選択し、これらの制限要素の全ての組み合わせのうち、均等に抽出した組み合わせに従って機構計算を行い、先端P5に荷重が作用したときの変位量を算出し、サンプリングを用意する。図12は制限要素の距離モデルを表す概略図、図13に上記サンプリングの全ての変位量と重量との関係を表す特性を示す。
(特性の分類)
上記(サンプリングの準備)において用意したサンプリングを特性、すなわち重量と変位の関係で分類する。図14に、分類の結果得られる特性の樹形図を示す。また、図15に、分類されたある階層におけるグループ(以下、クラスター)の特性を示す。
(共通概念の抽出)
上記(特性の分類)で得られた分類結果から、上述の共通概念の抽出の方法に従い、共通概念を抽出する階層を特定する。特定された階層に存在するそれぞれのクラスターの制限要素同士の因果ネットワークを上述の共通概念の抽出の方法に従い抽出する。この結果得られた制限要素同士の因果ネットワークを、制限要素表記手段を用い表記する。
図16に制限要素同士の因果ネットワークのいくつかの例を示す。この表記方法では、そのクラスターが示す特性の特徴を実現するのに非常に影響力の高い制限要素が実線で示してあり、点線は、次に影響力の高い制限要素を示している。ここで、共通概念はすべてのクラスターに存在する共通の制限要素同士の因果ネットワークである。従って、共通概念の抽出とは、ここで得られたクラスターの制限要素の表記を比較し、共通する因果ネットワークを見つけることが、それにあたる。図17に得られた共通概念の表記を示す。
ここで得られた共通概念は、梁の太さの先端P5の変位の関係を決める要素である。すなわち、所望の重量と変位量を実現するためには、共通概念となる梁の関係(傾向)を重視し設計することで、最低限保障できる。
(特性の値の設定)
目指す重量と変位量の関係を図18に示すように設定した。上記共通概念の抽出で説明したように、図18に示す特性は図15に示すクラスタ2の特性と類似した範囲となる。よって、図18に示す特性の傾向を達成するための共通概念を構成する制限要素の関係は、図16のクラスタ2に示すように、太い梁の間に細い梁を設ける関係を踏襲すればよいこととなる。
(共通概念とそれ以外の制限要素の変更とそのシステム特性の抽出)
図19に共通概念を基準とした距離モデルの一例を示す。ここでは、実線が共通概念である梁の太さの関係を示し、点線が距離モデル生成方法を用いて生成された距離モデルである。
(構造の可否判断)
上記距離モデルに、上記特性の値の設定において設定した図18の値に一致しする梁構造を抽出した。抽出した構造を図20に示す。このように、全ての梁の太さの関係に基づいて最適化演算する場合に比べて、共通概念に基づくサンプリングのみ発生させることで効率よく最適化を図ることができる。この方法によれば、従来の計算時間の1/3以下の計算時間で最適値の演算が可能になった。
以上説明したように、上記実施例1にあっては、下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(1)複数の制限要素に対応する特性を有するシステムと、該システムの前記制限要素と前記特性との組み合わせであるサンプリングを複数発生させる第1サンプリング発生手段と、前記サンプリングを前記特性の類似度に基づいて階層的にクラスタリングする階層的クラスタリング手段と、前記クラスタリングされた各クラスターの制限要素を、同じ階層間及び/又は異なる階層間で比較する比較手段と、前記比較手段で比較した結果から、前記制限要素のうち、各クラスター間で共通する制限要素を抽出する抽出手段と、目標特性を設定する目標特性設定手段と、抽出された共通する制限要素を基準としてサンプリングを発生させる第2サンプリング発生手段と、前記第2サンプリング発生手段により発生したサンプリングの特性が前記目標特性を満足する最適サンプリングか否かを判断し、最適と判断したときは該サンプリングを最適サンプリングとして出力するサンプリング評価手段と、を備えた。
よって、少ないサンプリング数から共通する制限要素を抽出することで、初期設計段階で合理的な形状を生成することが可能となり、この合理的な形状に基づいてサンプリングを発生させることで、効率よく解空間を探索することが可能となり、少ない演算で最適化を図ることができる。
(2)共通する制限要素を共通範囲内で変更することとした。これにより、新たなサンプリングの持つ傾向や特性は、既存のサンプリングの持つ傾向や特性を踏襲することが可能となり、新たなサンプリングでありながら、既存の特性を補償することができる。尚、新たなサンプリングを発生する際、共通する制限要素の傾向を維持して変更するようにしても、同様の作用効果を得ることができる。
(3)抽出された共通する制限要素以外の制限要素の値を任意に変更し、新たなサンプリングを発生させることとした。具体的には、距離モデル生成によって共通概念を踏襲したサンプリングを発生することとした。
よって、共通概念を踏襲した新たなサンプリングを容易に発生させることができる。
尚、上記した作用は、全て演算装置が読み込み可能なプログラム等に記載した状態で提供してもよい。具体的には、複数の制限要素に対応する特性を有するシステムの前記制限要素と前記特性との組み合わせであるサンプリングを複数発生させる指令を出力するサンプリング発生指令部と、前記サンプリングを前記特性の類似度に基づいて階層的にクラスタリングする指令を出力する階層的クラスタリング指令部と、前記クラスタリングされた各クラスターの制限要素を、同じ階層間及び/又は異なる階層間で比較する指令を出力する比較指令部と、前記比較手段で比較した結果から、前記制限要素のうち、各クラスター間で共通する制限要素を抽出する抽出部と、目標特性の設定を要求する目標特性設定部と、抽出された共通する制限要素を基準としてサンプリングを発生させる指令を出力する第2サンプリング発生部と、前記第2サンプリング発生部により発生したサンプリングの特性が前記目標特性を満足する最適サンプリングか否かを判断し、最適と判断したときは該サンプリングを最適サンプリングとして出力するサンプリング評価部と、を備えたことを特徴とする最適化支援プログラムが記録された媒体とすることで、頒布性の向上を図ることができる。
また、上記最適化支援を実行する際には、設計者に対する表示手段として、複数の制限要素に対応する特性を有するシステムの前記制限要素と前記特性との組み合わせであるサンプリングを前記特性の類似度に基づいて階層的にクラスタリングした結果を表示する階層的クラスタリング表示手段と、前記クラスタリングされた各クラスターの制限要素を、同じ階層間及び/又は異なる階層間で比較可能に表示する比較表示手段と、前記比較表示手段で比較した結果から、前記制限要素のうち、各クラスター間で共通する制限要素を抽出した結果を表示する抽出結果表示手段と、目標特性を入力可能な目標特性設定表示手段と、抽出された共通する制限要素を基準として発生したサンプリングの特性が前記目標特性を満足する最適サンプリングか否かを判断し、最適と判断したときは該サンプリングを最適サンプリングとして表示するサンプリング評価結果表示手段と、を備えたことを特徴とする最適化支援表示装置を提供することで、設計者の設計容易性を更に向上することができる。
以下、上記実施例から把握しうる技術的思想について列挙する。
(4)複数の制限要素によって規定されるシステムに対し、入力と出力の関係を表す特性の集合があるとき、前記集合を特性の傾向に基づいて分類し、分類された特性に対応する制限要素を表記し、表記されたある分類に対する制限要素を、表記された他の分類に対する制限要素と比較することとした。すなわち、傾向に基づいて分類された特性を、この特性を規定する制限要素間で比較することで、傾向を規定する制限要素を把握することが可能となり、分類の技術的意味を把握することができる。
(5)各分類間で共通する制限要素に基づいて共通概念を抽出することとした。よって、複雑現象から共通概念を抽出することができる。
(6)傾向に基づいて階層的にクラスタリングする階層的クラスタリング手法を用いた。すなわち、もともと我々の対象とするシステムが階層的な分類を基にしていることを考慮すると、階層的にクラスタリングすることで最も理解可能な体系を得ることができる。また、システムには予めいくつの階層が存在するかは予め分からないことを考慮すると、予め閾値等を設定する必要が無く、既成概念に縛られない結果を得ることができる。
(7)各階層の間で共通する制限要素に基づいて共通概念を抽出することとした。よって、階層間を規定する共通概念を抽出することができる。
(8)ある階層のみに共通する制限要素に基づいて共通概念を抽出することとした。よって、ある階層を規定する共通概念を抽出することができる。
(9)システムのサンプリングを行う際、制限要素の組み合わせに偏り無くサンプリングすることとした。よって、特性に偏りを生じることなく制限要素を比較することができる。また、特性に偏りを生じることなく共通概念を抽出することができる。
(10)サンプリングを行う際、直交表を用いることとした。よって、割り付けられたある制限要素の特定水準に着目した場合、他の制限要素の水準が全て、しかも均等に組み合わされるよう作成されるため、特性に偏りを生じることなく制限要素を比較することができる。また、特性に偏りを生じることなく共通概念を抽出することができる。
(11)特性をユークリッド空間の距離による類似度に基づいて分類することとした。よって、多次元の制限要素を類似度に基づいて直交座標系に表現することが可能となり、人間が理解可能な形で容易に比較することができる。
(12)ある分類の重心と各特性との距離による類似度に基づいて分類することとした。よって、複雑現象を距離という尺度で観察することが可能となり、より人間が理解可能な形で比較することができる。
(13)制限要素表記手段は、制限要素を2次元平面上に配置することとした。よって、より人間が理解可能な形で容易に比較することができる。
(14)制限要素表記手段は、各制限要素を多角形上に配置することとした。よって、制限要素間を因果ネットワークで接続する際、直線で接続することが可能となり、因果ネットワークを容易に理解することができる。
(15)制限要素表記手段は、全ての制限要素を表記することとした。よって、既成概念に基づく切り捨て等が成されないため、現象そのものを表記している物理的つながりを正確に説明することができる。
(16)制限要素表記手段は、制限要素と特性とを同次元に配置し、制限要素と特性とのつながりを表す因果ネットワークを構成することとした。よって、制限要素と特性との物理的つながりを人間が理解可能な形で表現することができる。
(17)因果ネットワーク上の制限要素及び特性を支点と定義したとき、各支点間のつながりの強さを表す相関係数を全ての支点間で算出し、この相関係数の大きな因果ネットワークを抽出することとした。よって、複雑な現象から徐々に簡単な現象に階層化される現象過程を、因果ネットワークの変化と共に把握することができる。
(18)因果ネットワークの分散領域の大きさを表す誤差分散を算出し、相関係数が大きく、かつ、誤差分散が小さい階層において共通概念を抽出することとした。よって、制限要素間の経路に数値的な指標を設けることが可能となり、全ての制限要素を比較したとしても、煩雑になることなく容易に因果ネットワークを形成することができる。
また、上記実施例1では具体的に示さなかったが、上記論理構成に基づく情報処理技術を、コンピュータ等による処理が可能なようにプログラム媒体としておくことは産業上有効である。このプログラム媒体には、CDや、DVDといった媒体でもよいし、サーバー等にプログラムを保存し、適宜ダウンロードすることで処理する構成としてもよい。また、予めFlashメモリやROMの中に書き込んだ装置を提供するようにしてもよい。
実施例1の抽象システムと形式システムの間、具象システムと形式システムの間に、傾向あるいは範囲という限定を加えた傾向システムを導入する概念を表す図である。 実施例1のクラスターと共通概念との関係を表す概念図である。 実施例1の最適化支援フローを表す図である。 実施例1のサンプリングを準備する直行表の例を表す図である。 実施例1のクラスタリングの具体例を表す図である。 実施例1の階層的クラスタリングの具体例を表す図である。 実施例1の因果ネットワークを表す図である。 実施例1の因果ネットワークに共通する共通概念の表示方法に一例を示す。 実施例1の距離モデル生成のイメージを表す概略図である。 具体例における梁の構造を示す図である。 具体例における梁(制限要素)を節点との関係で表す図である。 具体例における梁と梁の太さの関係を表すサンプリングである。 具体例における梁の太さを直行表に従って作成した全てのサンプリングの特性を表す図である。 具体例におけるクラスタリングの結果得られる特性の樹形図を表す図である。 分類されたある階層におけるクラスターの特性を表す図である。 具体例におけるあるクラスタにおける制限要素の因果ネットワークのいくつかの例を表す図である。 具体例における共通する因果ネットワークにおける共通概念を表す図である。 具体例の目標特性を表す図である。 具体例の共通概念を基準とした距離モデルを表す図である。 具体例の最適梁構造を表す図である。
符号の説明
p,q,r クラスター
t クラスター(クラスターp+クラスターq)

Claims (6)

  1. 複数の制限要素に対応する特性を有するシステムと、
    該システムの前記制限要素と前記特性との組み合わせであるサンプリングを複数発生させる第1サンプリング発生手段と、
    前記サンプリングを前記特性の類似度に基づいて階層的にクラスタリングする階層的クラスタリング手段と、
    前記クラスタリングされた各クラスター内における、前記制限要素の変動と前記特性の変動との相関関係が高い制限要素を、同じ階層間及び/又は異なる階層間で比較する比較手段と、
    前記比較手段で比較した結果から、前記相関関係が高い制限要素のうち、各クラスター間で共通する制限要素を抽出する抽出手段と、
    目標特性を設定する目標特性設定手段と、
    抽出された共通する制限要素を基準としてサンプリングを発生させる第2サンプリング発生手段と、
    前記第2サンプリング発生手段により発生したサンプリングの特性が前記目標特性を満足する最適サンプリングか否かを判断し、最適と判断したときは該サンプリングを最適サンプリングとして出力するサンプリング評価手段と、
    を備えたことを特徴とする最適化支援装置。
  2. 請求項1に記載の最適化支援装置において、
    前記第2サンプリング発生手段は、前記共通する制限要素を共通範囲内で変更することを特徴とする最適化支援装置。
  3. 請求項1または2に記載の最適化支援装置において、
    前記第2サンプリング発生手段は、前記共通する制限要素の傾向を維持して変更することを特徴とする最適化支援装置。
  4. 複数の制限要素に対応する特性を有するシステムがあるとき、
    コンピュータを、
    前記制限要素と前記特性との組み合わせであるサンプリングを複数発生させるサンプリング発生部と、
    前記サンプリングを前記特性の類似度に基づいて階層的にクラスタリングする階層的クラスタリング部と、
    前記クラスタリングされた各クラスター内における、前記制限要素の変動と前記特性の変動との相関関係が高い制限要素を、同じ階層間及び/又は異なる階層間で比較する比較部と、
    前記比較で比較した結果から、前記相関関係が高い制限要素のうち、各クラスター間で共通する制限要素を抽出する抽出部と、
    目標特性の設定する目標特性設定部と、
    抽出された共通する制限要素を基準としてサンプリングを発生させる第2サンプリング発生部と、
    前記第2サンプリング発生部により発生したサンプリングの特性が前記目標特性を満足する最適サンプリングか否かを判断し、最適と判断したときは該サンプリングを最適サンプリングとして出力するサンプリング評価部と、
    として機能させることを特徴とする最適化支援プログラム。
  5. 複数の制限要素に対応する特性を有するシステムの前記制限要素と前記特性との組み合わせであるサンプリングを前記特性の類似度に基づいて階層的にクラスタリングした結果を表示する階層的クラスタリング表示手段と、
    前記クラスタリングされた各クラスター内における、前記制限要素の変動と前記特性の変動との相関関係が高い制限要素を、同じ階層間及び/又は異なる階層間で比較可能に表示する比較表示手段と、
    前記比較表示手段で比較した結果から、前記相関関係が高い制限要素のうち、各クラスター間で共通する制限要素を抽出した結果を表示する抽出結果表示手段と、
    目標特性を入力可能な目標特性設定表示手段と、
    抽出された共通する制限要素を基準として発生したサンプリングの特性が前記目標特性を満足する最適サンプリングか否かを判断し、最適と判断したときは該サンプリングを最適サンプリングとして表示するサンプリング評価結果表示手段と、
    を備えたことを特徴とする最適化支援表示装置。
  6. 複数の制限要素に対応する特性を有するシステムがあるとき、
    コンピュータが、
    前記制限要素と前記特性との組み合わせであるサンプリングを複数発生るステップと、
    前記サンプリングを前記特性の類似度に基づいて階層的にクラスタリングするステップと、
    前記クラスタリングされた各クラスター内における、前記制限要素の変動と前記特性の変動との相関関係が高い制限要素を、同じ階層間及び/又は異なる階層間で比較するステップと、
    前記比較手段で比較した結果から、前記相関関係が高い制限要素のうち、各クラスター間で共通する制限要素を抽出するステップと、
    目標特性を設定するステップと、
    抽出された共通する制限要素を基準としてサンプリングを発生るステップと、
    前記抽出された共通する制限要素を基準として発生たサンプリングの特性が前記目標特性を満足する最適サンプリングか否かを判断し、最適と判断したときは該サンプリングを最適サンプリングとして出力するステップと、
    を実行することを特徴とする最適化支援方法。
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