以下、本発明のパンツ型使い捨ておむつを、その好ましい一実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本実施形態の使い捨ておむつ1は、図1〜図4に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性又は撥水性の裏面シート3及び両シート2、3間に介在配置された液保持性の吸収性コア4を有する実質的に縦長の吸収性本体10と、吸収性本体10の裏面シート3側(非肌当接面側)に接合された外包材11とを備えている。
おむつ1の展開状態において、外包材11は、吸収性本体10における長手方向の一方の端部側に位置する腹側部Aに配置された腹側外包材11Aと、長手方向の他方の端部側に位置する背側部Bに配置された背側外包材11Bとの二部材からなる。腹側外包材11A及び背側外包材11Bは、パンツの前身頃及び後身頃に略対応する形状をしている。吸収性本体10における腹側部Aと背側部Bとの間、即ち長手方向中央部には股下部Cが位置している。腹側外包材11Aの両側縁部A1,A2と、背側外包材11B両側縁部B1,B2とは互いに接合され、使い捨ておむつ1にはウエスト開口部5及び一対のレッグ開口部6が形成されている。この接合によって、使い捨ておむつ1の左右両側縁には一対のサイドシール部S,Sが形成され、パンツ型を形成している。これらの接合には、例えばヒートシール、高周波シール、超音波シール等が用いられる。
このように、本実施形態のおむつ1においては、外包材は腹側部A及び背側部Bにのみ配されており、股下部Cには外包材が存在していない。おむつ1がこのような構造になっていることによって、外包材としてのシート状不織布等の材やその材を接合するための接着材が股下部Cに介在しないことになり、通気性や透湿性に関して有利な効果が奏される。
また本実施形態のおむつ1の股下部Cにおいては、着用者がおむつ1のレッグ開口部6に足を入れる際にレッグ開口部6が拡げられて、レッグ部弾性部材61a,61bが伸長される場合、側方カフス弾性部材81はおむつ幅方向に拡げられない。レッグ部弾性部材61a,61bと側方カフス弾性部材81とが、別部材として配されているからである。その結果、股下部Cの幅を狭くさせたままでレッグ開口部6を大きく拡げることができ、おむつ1が着用者の足や脚の一部に引っかかりにくくなるという有利な効果が奏される。更に、足を入れた後におむつ1を引き上げる際に、おむつ1が着用者の足や身体の一部に引っかかりにくくなるという有利な効果も奏される。つまり、おむつ1をはかせやすくなるという有利な効果が奏される。
表面シート2、裏面シート3及び吸収性コア4はそれぞれ矩形状であり、一体化されて縦長の吸収性本体10を形成している。表面シート2、裏面シート3及び吸収性コア4としては、それぞれ、従来この種のおむつに用いられているものと同様のものを用いることができる。例えば、吸収性コア4としては、高吸収性ポリマーの粒子及び繊維材料から構成され、ティッシュペーパ(図示せず)によって被覆されているものを用いることができる。
本実施形態における吸収性コア4は、図5に示すように、砂時計型の中央吸収体41と中央吸収体41の両側方に対称的に設けられた一対のサイド吸収体42,42とを具備している。中央吸収体41と一対のサイド吸収体42,42とはそれぞれ少なくとも股下部において分離している。サイド吸収体42の長手方向一方部及び長手方向他方部は、それぞれ、中央吸収体41の長手方向一方部(腹側部)及び長手方向他方部(背側部)で連設している。従って、中央吸収体41と一対のサイド吸収体42,42との間には、それぞれ、刳り貫かれた形状の切離部43,43が形成されている。長手方向一方部、長手方向中央部、長手方向他方部は、吸収性コア4を長手方向に略3等分するように3領域に区分したときの各領域である。吸収性コア4が切離部43を有していると、吸収性コア4の両側縁部が起立し易い。また、吸収性コア4が幅方向に押圧されると、吸収性コア4全体の幅が狭くなるため、外包材11の幅方向の収縮が阻害され難い。吸収性コア4の両側縁部が起立すると、おむつ1のウエスト開口部5を広げた状態でおむつ1を肌当接面側からみた場合の吸収性本体10の幅が小さくなる。このことによって更に足を通しやすくなる。
なお吸収性コア4の平面視形状は、図5に示す形状に制限されず、例えば、サイド吸収体42が長手方向一方部又は長手方向他方部の一方のみで中央吸収体41に連接している形状、サイド吸収体42が中央吸収体41に連接していない(分離している)形状、切離部43を有していない形状でもよい(何れも図示せず)。
吸収性本体10の長手方向の左右両側には、図2及び図4に示すように、液抵抗性ないし撥水性で且つ通気性の素材から構成された側方カフス8,8が形成されている。各側方カフス8の自由端部の近傍には、側方カフス弾性部材81が伸長状態で配されている。これにより、図1のように組み立てられた使い捨ておむつ1を着用させる際に、側方カフス弾性部材81が収縮することにより側方カフス8が起立して、吸収性本体10の幅方向への液の流出が阻止される。図3及び図4に示すように、側方カフス8、8の形成用のシート材82は、吸収性本体10の幅方向外側の所定幅の部分82Sが、裏面シート3の肌当接面側に巻き下げられ、吸収性コア4と裏面シート3との間に固定されている。
腹側外包材11A及び背側外包材11Bは何れも、伸縮性シートからなる外層シート12と非伸縮性シートからなる内層シート13とが積層された構造を有している。外層シート12はおむつの外面をなしている。一方、内層シート13は外層シート12の内面側に配されている。外層シート12を形成する伸縮性シートは、おむつを展開状態としたときに、少なくともおむつ幅方向(図2の左右方向)に伸縮性を有していればよい。内層シート13を形成する非伸縮性シートは、おむつを展開状態としたときに、少なくともおむつ幅方向に伸縮性を有していない。外層シート12及び内層シート13の詳細については後述する。
本実施形態の使い捨ておむつ1においては、図3及び図4に示すように、腹側外包材11A及び背側外包材11Bそれぞれにおける外層シート12と内層シート13との間は、サイドシール部A1,A2,B1,B2においては、ヒートシール、高周波シール又は超音波シールにより互いに接合されており、ウエスト開口部5の周縁部50及び一対のレッグ開口部6それぞれの周縁部60においては、ホットメルト型接着剤等の接着剤52,62により互いに接合されている。そして、腹側外包材11A及び背側外包材11Bそれぞれにおける外層シート12と内層シート13との間は、これらの部分を除く部分の大部分において接合されていない。
具体的には、外層シート12と内層シート13との間は、サイドシール部A1,A2,B1,B2、ウエスト開口部5の周縁部50、一対のレッグ開口部6それぞれの周縁部60に加えて、腹側外包材11A及び背側外包材11Bそれぞれのおむつ幅方向中央部において接合されており、それら以外の部分においては接合されていない。
このように、腹側外包材11A及び背側外包材11Bにおける広い範囲において、外層シート12と内層シート13との間を接合しない構成とすることにより、これらの外包材11A,11Bが接着剤で硬くなる部分を最小限に抑えることができる。その結果、おむつの外面や、外包材11A,11Bの内面における吸収性本体10に覆われていない部分を、柔らかで肌触りの良いものとすることができる。また、外層シート12及び内層シート13として通気性シートを用いる場合には、その通気性が良好に維持されるので、ムレにくいおむつを提供することができる。更に、ウエスト開口部5及び一対のレッグ開口部6それぞれの周縁部50,60において、外層シート12と内層シート13との間を接合した構成としたため、胴回り部においては、伸縮性の外包材11A,11Bにより適度なフィット性を得ることができる。
腹側外包材11A及び背側外包材11Bそれぞれにおける、ウエスト開口部5の周縁部50には、ウエスト開口部5の開口周縁端に沿って、複数のウエスト部弾性部材51,51が配されている。これらのウエスト部弾性部材51,51は、接着剤52を介して外層シート12と内層シート13との間に伸長状態で固定されている。
また、腹側外包材11A及び背側外包材11Bにおけるレッグ開口部6の周縁部60,60には、該レッグ開口部6の周縁端に沿って、レッグ部弾性部材61a,61bが配されている。これらのレッグ部弾性部材61a,61bは、接着剤62を介して外層シート12と内層シート13との間に伸長状態で固定されている。ウエスト部弾性部材51及びレッグ部弾性部材61a,61bとしては、それぞれ、天然ゴム、ポリウレタン系樹脂、発泡ウレタン系樹脂、ホットメルト系伸縮部材等の伸縮性素材を糸状(糸ゴム)又は帯状(平ゴム)に形成したものが好ましく用いられる。
このように、ウエスト開口部5及び一対のレッグ開口部6それぞれの周縁部50,60に、糸状又は帯状の弾性部材51,61a,61bを、外層シート12と内層シート13との間に挟んだ状態で固定することにより、これらの部位のフィット性を外包材11A,11Bの伸縮特性の制約を受けることなく高めることができる。また、糸状又は帯状の弾性部材51,61a,61bを外層シート12と内層シート13との間に挟んだ状態で固定できるので、このような弾性部材を、一枚のシートからなる外包材に固定する場合に比べて、弾性部材が着用者に違和感を与えることを防止でき、またおむつの外観を悪化させることも防止できる。
特に、レッグ開口部6に配されている弾性部材61a,61bに関しては、レッグ開口部6に弾性部材61a,61bが存在することでフィット性が良好になり、おむつ1のずれ落ちを防止することができる。また、股下部Cにレッグ弾性部材が存在しないことで、おむつ1を一層はかせやすくなり、弾性部材61a,61bによるゴム跡がつきにくくなる。
更にレッグ開口部6に配されている弾性部材61a,61bに関しては、その最も股下部寄りに位置する部位が実質的に伸縮性を有しないようにすることで、股下部において吸収性本体10の幅が狭くなることが防止されて、液漏れが防止される。当該部位は、弾性部材61a,61bのうち、少なくとも吸収性本体10と重なり合う部位を含んでいることが好ましい。弾性部材61a,61bが実質的に伸縮性を有しないようにするためには、例えば外層シート12及び内層シート13に伸長状態で挟持固定された弾性部材61a,61bのうち、吸収性本体10と重なり合う部位を、多数の切断部によって切断することにより、当該部位において伸縮性が発現しないようにすればよい。
上述の効果を一層顕著なものとする観点から、レッグ部弾性部材61a,61bのうち、最も股下部寄りに位置する、実質的に伸縮性を有していない部位の幅W3(図2参照)を、腹側外包材11A及び背側外包材11Bと吸収性本体10とが接合している接合部の幅(後述する本体接合部15の幅W2、図4参照)と等しく設定するか、又はそれよりも大きく設定することが好ましい。
本実施形態の使い捨ておむつ1において、ウエスト開口部5の周縁部50に存する外層シート12と内層シート13との間が接合されている領域の幅は、腹側外包材11A及び背側外包材11Bそれぞれについて、ウエスト開口部の周縁端5a,5bから70mm以内であることが好ましく、60mm以内であることが更に好ましい。レッグ開口部6の周縁部60に存する外層シート12と内層シート13との間が接合されている領域の幅は、腹側外包材11A及び背側外包材11Bの各部において、レッグ開口部6の周縁端から50mm以内であることが好ましく、30mm以内であることが更に好ましい。
また、腹側外包材11A及び背側外包材11Bそれぞれにおけるおむつ幅方向において、外層シート12と内層シート13との間が接合されていない部分の合計長さ(L1+L2)は、左右のサイドシール部A1,A2間の長さLa(Lb)に対して、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、75%以上であることが更に好ましい。
腹側外包材11A及び背側外包材11Bそれぞれにおける外層シート12と内層シート13との間が接合されていない部分の面積は、腹側部A及び背側部Bそれぞれの面積に対して、60〜100%であることが好ましく、70〜100%であることがより好ましい。この数値を満たすものを「全域又は大部分」というものとする。
本明細書に記載の各部の寸法や比等は、図2に示すようにおむつを展開状態とし、ウエスト開口部及びレッグ開口部の弾性部材による収縮力を解除した自然状態(張力等の外力を作用させない状態)において測定した値又はそれに基づくものである。なお各々の測定値は、自然状態における外層シートの寸法を基に測定したものである。
本実施形態の使い捨ておむつ1においては、腹側外包材11A及び背側外包材11Bそれぞれのおむつ幅方向中央部において、外層シート12と内層シート13との間が接合されている。両シート12,13は、おむつの長手方向に延びる所定幅の接合部14において接合されている。両シート12,13が接合部14において接合されていることで、おむつの装着前並びに装着中の外観を一層良好にすることができる。また、腹側外包材11A又は背側外包材11Bの外面に廃棄用テープ(図示せず)を設ける場合に、廃棄用テープをおむつ幅方向中央部に固定することで、廃棄用テープを強固に固定することができる。廃棄用テープは、おむつを丸めた状態を保持するテープであり、従来公知の各種のものを用いることができる。
腹側外包材11A及び背側外包材11Bが接合部14において接合されていることに起因して、裏面シート3に、模様や文字、その他の記号等の図柄を設けた場合に、おむつ外面側からその図柄を明瞭に視認できるという利点もある。腹側外包材11A及び背側外包材11Bのおむつ幅方向中央部における外層シート12と内層シート13との間の接合部14の幅W1は、吸収性本体10の幅Wの0〜40%であることが好ましく、0〜30%であることがより好ましい。接合部14の幅W1が吸収性本体10の幅Wの40%以内であれば、伸縮性の阻害が生じにくくなる。
吸収性本体10は、その長手方向両端部を除く部分においては、図3及び図4に示すように、幅方向中央部のみが本体接合部15により腹側外包材11A及び背側外包材11Bそれぞれの内層シート13に接合されている。腹側外包材11Aが収縮した状態において、吸収性本体10における腹側外包材11Aとの対向面の面積T1に対する、吸収性本体10と腹側外包材11Aとの接合部との総面積T2の比T2/T1は0.6以上、特に0.65以上であることが好ましい。同様に、背側外包材11Bが収縮した状態において、吸収性本体10における背側外包材11Bとの対向面の面積T1’に対する、吸収性本体10と背側外包材11Bとの接合部との総面積T2’の比T2’/T1’は0.6以上、特に0.65以上であることが好ましい。このようにすることで、おむつ1の装着中における吸収性本体10の剥がれや破壊等が生じ難くなる。T2/T1とT2’/T1’は同じでもよく、或いは異なっていてもよい。T2/T1及びT2’/T1’の上限値は1であることが最も好ましい。
腹側外包材11A及び背側外包材11Bそれぞれのおむつ幅方向中央部における外層シート12と内層シート13との間の接合部14の幅W1は、吸収性本体10の幅Wの0〜40%であることが好ましく、0〜30%であることがより好ましい。この範囲内とすることで伸縮性が阻害されにくくなる。
本体接合部15は、長手方向に延びる帯状で、おむつ幅方向中央部に1本設けられている。本体接合部15の幅W2は、腹側部A及び背側部Bのそれぞれにおいて、吸収性本体10の非肌当接面側の幅Wの70%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましい。このようにすることで、おむつ1の装着中における吸収性本体10の剥がれや破壊等が生じ難くなる。
本発明においては、サイドシール部Sが分離され且つ腹側外包材11A及び背側外包材11Bが展開された状態において、内層シート13の実質的な幅は、収縮した状態の外層シート12の幅よりも広くなっている。即ち、腹側外包材11A及び背側外包材11Bが展開された状態において、外層シート12はその収縮力により収縮した状態になっているが、内層シート13は非伸縮性シートからなるため幅がほとんど狭くならない。そのため、内層シート13は外層シート12に対して幅方向に弛んだ状態になる。このような弛んだ内層シート13を仮想的に外層シート12から分離し、内層シート13の弛みを解消したときの内層シート13の幅を「内層シート13の実質的な幅」とする。
内層シート13の実質的な幅は、収縮した状態の外層シート12の幅の1.3〜4.0倍であることが好ましく、1.5〜3.0倍であることが更に好ましい。このような構成の腹側外包材11A及び背側外包材11Bは、例えば後述する製造方法により製造することができる。
このように構成された本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1においては、サイドシール部Sが分離され且つ腹側外包材11A及び背側外包材11Bが展開された状態において、内層シート13の実質的な幅は、収縮した状態の外層シート12の幅よりも広くなっている。このことと、外包材11A,11Bの外層シート12が伸縮性シートから形成されていることに起因して、装着時のおむつの外観やフィット感が良好になる。また、腹側外包材11A及び背側外包材11Bの内層シート13が非伸縮性シートから形成されているので、使用時に腹側外包材11A及び背側外包材11Bが幅方向に伸長しても、内層シート13が弛み、腹側外包材11A及び背側外包材11Bからの吸収性本体10の剥がれ、腹側外包材11A及び背側外包材11Bの破れ等の問題が生じ難い。また、腹側外包材11A及び背側外包材11Bの肌当接面側は、触感及び風合いが良好で、柔らかさに優れている。
腹側外包材11A及び背側外包材11Bにおいては、伸縮性シートからなる外層シート12と非伸縮性シートからなる内層シート13とがほとんど接着されていないので、非伸縮性の吸収性本体10の影響が少なく、それによって腹側外包材11A及び背側外包材11Bの伸縮性は良好である。更に、腹側外包材11A及び背側外包材11Bの外層シート12が伸長状態から解放された場合、吸収性本体10はそれに連れて収縮することがないので、おむつはその外観に優れたものになる。且つ吸収性本体10の吸収性能が維持できる。そのため、本体接合部15の幅W2を広く設定しても、腹側外包材11A及び背側外包材11Bの幅方向の伸縮性は阻害されない。
次に、本実施形態のおむつ1の腹側外包材11A及び背側外包材11Bに用いられる外層シート12及び内層シート13について説明する。外層シート12は、先に述べた通り伸縮性を有している。「伸縮性」とは、少なくとも1方向の最大伸度が100%以上である伸長性シート(長さが2倍以上に伸びるシート)を、最大伸度が100%以上である1方向に伸度100%迄伸長させた後、収縮させたときの伸長回復率(100%伸長時の伸長回復率)が、少なくとも70%以上であることを意味する。最大伸度が100%以上である方向を複数有する伸縮性シートの場合、そのうちの何れか1方向のみにおいて伸長回復率が70%以上であればよい。
外層シート12は、おむつ幅方向において、おむつ長手方向(図2の上下方向)よりも大きく伸長可能である。より具体的には、おむつ幅方向においては、大きく伸長し且つ伸長後に収縮する(最大伸度100%以上且つ伸長回復率70%以上)が、おむつ長手方向においては、わずかにしか伸長しない(例えば、最大伸度50%以下)。
伸縮性シートの伸長回復率は、以下の測定方法により測定される。
〔伸長回復率の測定方法〕
長さ50mm、幅25mmの伸縮性シートのサンプル片を用意し、引っ張り試験機(株式会社オリエンテックの「テンシロン」RTC-1150A)を用いて、チャック間隔K0にサンプル片を固定し、300mm/minの速度で100%伸長時の長さK2(K2=K0×2)まで伸長させた後、引張速度と同様の速度で戻し始めて応力が0になった時におけるサンプル片の長さを伸長回復後の長さK1とする。次式から100%伸長時の伸長回復率を算出する。
100%伸長時の伸長回復率(%)=〔(K2−K1)/(K2−K0)〕×100
外層シート12を形成する伸縮性シートとしては、伸縮性を有する各種のシートを用いることができる。例えば、外層シート12は、通気性を良好にする観点から、熱可塑性繊維からなる不織布から形成されているものが好ましい。また、外層シート12は、風合いを良好にする観点から、積層シートからなり、少なくともその非肌当接面側の層がエアスルー不織布から形成されているものも好ましい。伸縮性を有する弾性繊維(エラストマー)からなる伸縮性シートは、一般的に触ったときにぬめり感を与えるため、風合いの観点からは好ましくない。
更に具体的に説明すると、外層シート12を形成する伸縮性シートとしては、例えば(1)弾性繊維層の両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されているシート、(2)ネット状の弾性シートの両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されているシート、(3)弾性フィルムからなる弾性シートの両面又は片面に伸張可能な繊維層が一体化されているシートを好ましく用いることができる。弾性繊維層と伸長可能な繊維層との一体化の方法としては、例えば、これらを積層して水流交絡したり、エアスルー等により繊維を交絡させる方法、ヒートエンボス、接着剤、超音波等によって接合させる方法が挙げられる。
前記(1)のシートとしては、例えば(a)弾性繊維層の少なくとも一面に、実質的に非弾性の非弾性繊維層が配され、両繊維層は、弾性繊維層の構成繊維が繊維形態を保った状態で、繊維交点の熱融着によって全面接合されており、非弾性繊維層の構成繊維の一部が弾性繊維層に入り込んだ状態、及び/又は弾性繊維層の構成繊維の一部が非弾性繊維層に入り込んだ状態になっている伸縮性不織布が挙げられる。また、前記(1)〜(3)のシートとしては、(b)弾性伸縮性を有する弾性層と実質的に非弾性の非弾性繊維層とを有し、前記両層が厚み方向に積層されて部分的に接合された積層シートを延伸させてなる伸縮性シート等を好ましく用いることができる。
前記(a)の伸縮性不織布について説明する。弾性繊維層と非弾性繊維層との界面及びその近傍においては、弾性繊維層の構成繊維と非弾性繊維層の構成繊維との交点が熱融着しており、実質的に全面で均一に接合されている。全面で接合されていることによって、両層が離間して空間が形成されることが防止され、あたかも一層の不織布ごとき一体感のある多層構造の伸縮性不織布となる。「弾性繊維層の構成繊維が繊維形態を保った状態」とは、弾性繊維層の構成繊維のほとんどが、熱や圧力等を付与された場合であっても、フィルム状又はフィルム−繊維構造に変形していない状態をいう。また、弾性繊維層は、その層内において構成繊維の交点が熱融着している。同様に、非弾性繊維層も、その層内において構成繊維の交点が熱融着している。
弾性繊維層の両面に非弾性繊維層が配されている場合、少なくとも何れか一方においては、その構成繊維の一部が弾性繊維層に入り込んだ状態、及び/又は弾性繊維層の構成繊維の一部が少なくとも一方の非弾性繊維層に入り込んだ状態になっている。非弾性繊維層の構成繊維を弾性繊維層に入り込ませる、及び/又は弾性繊維層の構成繊維を非弾性繊維層に入り込ませるには、弾性繊維層の構成繊維と非弾性繊維層の構成繊維を熱融着させる処理前において非弾性繊維又は弾性繊維の少なくともどちらかがウエブ状態(熱融着していない状態)であることが好ましい。構成繊維を他の層に入り込ませる観点から、ウエブ状態である繊維層は、短繊維の方が長繊維に比べ自由度が高いことから好ましい。
また、非弾性繊維層の構成繊維を弾性繊維層に入り込ませる、及び/又は弾性繊維層の構成繊維を非弾性繊維層に入り込ませるには、エアスルー法を用いることが好ましい。エアスルー法を用いることで、相対する繊維層に構成繊維を入り込ませ、また、相対する繊維層から構成繊維を入り込ませることが容易となる。またエアスルー法を用いることで、非弾性繊維層の嵩高さを維持しつつ、非弾性繊維層の構成繊維を弾性繊維層に入り込ませることが容易となる。特に、非弾性繊維層の構成繊維が弾性繊維層の構成繊維と交絡している場合には、エアスルー法のみによって交絡していることが好ましい。エアスルー法によって繊維を交絡させるためには、気体の吹き付け圧、吹き付け速度、繊維層の坪量や厚み、繊維層の搬送速度等を適切に調整すればよいが、特定の条件下でエアスルー法を行うことが好ましい。
熱風処理(特にエアスルー法)においては、非弾性繊維ウエブの構成繊維の一部が、弾性繊維ウエブに入り込むのと同時に、非弾性繊維ウエブの構成繊維及び/又は非弾性繊維ウエブの構成繊維と弾性繊維ウエブの構成繊維とが、それらの交点で熱融着する。この場合、熱風処理によって弾性繊維ウエブの構成繊維がフィルム状又はフィルム−繊維構造にならないように注意する。
弾性繊維層は、伸長させることができ且つ張力を解放したときに収縮する性質を有するものである。弾性繊維層は、少なくとも面と平行な一方向において、100%伸長後に収縮させたときの残留歪みが20%以下、特に10%以下であることが好ましい。この残留歪みの値は、少なくともおむつ幅方向において満足することが好ましく、おむつ幅方向及びおむつ長手方向の両方向において満足することがより好ましい。
弾性繊維層は、弾性を有する繊維の集合体である。弾性を有する繊維の成形方法としては、例えば、溶融した樹脂をノズル孔より押し出し、この押し出された溶融状態の樹脂を熱風により伸長させることによって繊維を細くするメルトブローン方法、半溶融状態の樹脂を冷風や機械的ドロー比によって延伸するスパンボンド法がある。また、メルトブローン法の特殊な方法として、メルトブローン法にスパンボンド法を組み合わせたスピニングブローン法がある。
また、弾性繊維層は、弾性を有する繊維からなるウエブや不織布の形態であり得る。例えば、スピニングブローン法、スパンボンド法、メルトブローン法等によって形成されたウエブや不織布であり得る。弾性繊維層の構成繊維としては、例えば熱可塑性エラストマー、ゴムなどを原料とする繊維を用いることができる。特に熱可塑性エラストマーを原料とする繊維は、通常の熱可塑性樹脂と同様に押出機を用いた溶融紡糸が可能であり、またそのようにして得られた繊維は熱融着させやすいので、エアスルー不織布を基本構成とする伸縮性不織布に好適である。
熱可塑性エラストマーとしては、例えばSBS、SIS、SEBS、SEPS等のスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーを挙げることができる。これらは一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
非弾性繊維層は、伸長性を有するが、実質的に非弾性のものである。ここでいう、伸長性は、構成繊維自体が伸長する場合と、構成繊維自体は伸長しなくても繊維同士の交点において熱融着していた両繊維同士が離れたり、繊維同士の熱融着等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたりして、繊維層全体として伸長する場合の何れであってもよい。
非弾性繊維層を構成する繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル(PETやPBT)、ポリアミド等からなる繊維が挙げられる。非弾性繊維層を構成する繊維は、短繊維でも長繊維でもよく、親水性でも撥水性でもよい。また、芯鞘型又はサイド・バイ・サイドの複合繊維、分割繊維、異形断面繊維、捲縮繊維、熱収縮繊維等を用いることもできる。これらの繊維は一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。非弾性繊維層は、連続フィラメント又は短繊維のウエブ又は不織布であり得る。
前記(b)の伸縮性シートについて説明する。この伸縮性シートは、弾性伸縮性を有する弾性層の両面又は片面に実質的に非弾性の非弾性繊維層が積層され、これらが規則的なパターンで部分的に接合されている積層シートに対して延伸加工を施すことにより得られる。
この積層シートは、例えば、以下のように製造される。カード機から供給される繊維ウエブ(第1の非弾性繊維層)上に、弾性繊維を供給して弾性層を形成し、更にその上に、他のカード機か繊維ウエブ(第2の非弾性繊維層)を供給する。得られた3層構造の積層シートに対して、エアスルー方式のドライヤーにより熱風処理を施す。熱風処理後の積層シートに対して、周面にエンボス用凸部が規則的に配置されたエンボスロール及びそれに対向配置されたアンビルロールを備えたエンボス装置により熱エンボス加工を施す。尚、弾性繊維と非弾性繊維との熱融着や繊維の入り込みを目的としてドライヤーによる熱風処理を行っているが、かかる熱風処理は省略することもできる。
弾性層は、弾性材料からなる弾性繊維を含むものが好ましい。弾性材料としては、熱可塑性エラストマー、ゴム、エチレン・プロピレン共重合体等が挙げられ、これらの中でも、比較的容易に繊維状の弾性体が成形できる点から、熱可塑性エラストマーが好ましい。熱可塑性エラストマーとしては、ポリウレタン、スチレン系(SBS,SIS,SEBS,SEPS等)、オレフィン系(エチレン、プロピレン、ブテン等の共重合体等)、塩化ビニル系、ポリエステル系等を挙げることができる。これらは一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。弾性層中の、弾性材料からなる弾性繊維の含有率は、50〜100重量%、特に75〜100重量%であることが好ましい。弾性層としては、繊維層からなるものに代えて、フィルム状のもの、ネット状のもの等を用いることもできる。フィルムやネットの形成材料としては、上記各種の弾性材料を用いることができる。
次に、内層シート13を形成する非伸縮性シートについて説明する。非伸縮性シートとは、前記〔伸長回復率の測定方法〕により測定した伸長回復率(%)が20%以下のシート、もしくは100%伸長する前に破断するシートをいう。非伸縮性シートは、伸長性を有しても有していなくてもよいが、最大伸度が90%以下であることが好ましい。
非伸縮性シートとしては、不織布、不織布と樹脂フィルムとの積層材、多孔性フィルム等が好ましい。非伸縮性シートは、通気性、風合いを良好にする観点から、熱可塑性繊維からなる不織布から形成されているものが好ましく、また、排泄物の漏れ防止の観点から、撥水性の不織布から形成されているものが好ましい。
更に述べた通り、外層シート12は内層シート13に比較して一般的にシート強度が低いため、使用時において腹側外包材11A及び背側外包材11Bが破れたり、おむつを装着する際に誤って指で外包材11を突き破ってしまう等の恐れがある。これらを防止するため、内層シート13のシート強度は、高い方が好ましく、おむつ幅方向及びおむつ長手方向における破断強度がともに5N/25mm以上であることが望ましい。前記破断強度は、以下の測定方法により測定される。
〔破断強度の測定方法〕
長さ50mm、幅25mmのサンプルを用意し、チャック間30mmにてサンプルをセットし、試験速度300mm/minにて引っ張り試験を行い、そのときに得られる最大点荷重をもっておむつ幅方向およびおむつ長さ方向の破断強度とする。測定はおむつ幅方向及び長さ方向の各々について5枚のサンプルで行い、最大点荷重の平均値をもって破断強度とする。
破断強度、通気性、接着剤の染み出し防止性の観点からは、内層シート13としてスパンボンド、ヒートロール等の製法から得られる不織布を用いることが好ましい。
次に、前記実施形態のパンツ型使い捨ておむつの好適な製造方法について説明する。本製造方法は、前記実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1を連続的に製造する方法である。本製造方法は、図6に示すように、幅方向に展開した状態の内層シート13に、幅方向に伸長した状態の外層シート12を接合して腹側外包材及び背側外包材を形成し、次いでこれらの外包材における外層シート12の伸長状態を維持したままこれらの外包材における内層シート13と吸収性本体10とを本体接合部(図示せず)により接合し、その後に、これらの外包材における外層シート12への伸長力を開放し、外層シート12をその収縮力により収縮させるパンツ型使い捨ておむつの製造方法である。
本製造方法について詳述する。外層シート12の原反として第1帯状シート120A,120Bを使用し、内層シート13の原反として第2帯状シート130A,130Bを使用する。第1帯状シート120A,120Bは、その長手方向に伸縮性を有する帯状の伸縮性シートである。第2帯状シート130A,130Bは、その長手方向に実質的に伸長しない帯状の非伸縮性シートである。
第1帯状シート120A,120Bとしては、おむつの製造ラインの外で、予め長手方向に伸縮性を有する帯状シートとして製造されたシートを用いることもできるが、本製造方法では、図6に示すように、第1帯状シート120A,120Bを長手方向に伸長させる工程の前に、非伸縮性の帯状シート120A’,120B’に加工を施して伸縮性が発現した第1帯状シート120A,120Bを得るか又は低伸縮性の帯状シート120A’,120B’に加工を施して伸縮性が向上した第1帯状シート120A,120Bを得る工程を具備し、そのようにして得られた第1帯状シート120A,120Bを伸長させている。
本製造方法において、伸縮性を発現させる加工又は伸縮性を向上させる加工は、図6に示すように、歯と溝とが噛み合う一対の歯溝ロール71,71によるインライン加工である。より具体的には、弾性繊維層、ネット状の弾性シート又は弾性フィルム等からなる弾性層の両面又は片面に非弾性繊維層が一体化された帯状シート120A’,120B’を、一対の歯溝ロール71,71に噛み込ませ、それにより、非弾性繊維層を分断したり、構成繊維を伸長したり、繊維同士の熱融着点を破壊したりして、弾性層の伸縮を阻害しにくい構造に変化させている。非弾性繊維層が弾性層の伸縮を阻害しにくい構造に変化することで、伸縮性が発現又は向上した第1帯状シート120A,120Bが得られる。
このように、第1帯状シート120A,120Bを長手方向に伸長させる工程の前に、非伸縮性又は低伸縮性の帯状シート120A’,120B’にインラインで加工を施し、伸縮性を発現させるか又は伸縮性を高める工程を具備することにより、おむつの製造ラインの外で、予め長手方向に伸縮性を有する帯状シートとして製造されたシートと同等の伸縮性が得られる。非伸縮性又は低伸縮性の帯状シート120A’,120B’の幅は、インラインで加工するときの幅の縮みを考慮して、第1帯状シート120A,120Bの幅の100〜180%に設定することが好ましく、120〜160%に設定することがより好ましい。
本製造方法においては、上述のようにして得られた第1帯状シート120A,120Bを連続搬送しながら、これらを第1ニップロール72と第2ニップロール73との間で伸長させる。第1ニップロール72及び第2ニップロール73は、それぞれ一対のロールからなり、第1ニップロール72を構成する一対のロールよりも、第2ニップロール73を構成する一対のロールの回転速度(周速度、シートの送り速度)が速くなるように駆動される。一対の転回ロール75a,75aは、伸長された第1帯状シート120A、120Bを、第2帯状シート130A,130Bに合流するように方向転回する。
次に、幅方向に展開した状態の第2帯状シート130A,130B(内層シート13)と、幅方向に伸長した状態の第1帯状シート120A,120B(外層シート12)とを貼り合わせて接合する。第2帯状シート130A,130Bは非伸縮性シートであり、第1帯状シート120A,120Bは伸縮性シートであるため、実質的に非伸長状態の第2帯状シート130A,130Bと、幅方向への収縮性を発現した状態の第1帯状シート120A,120Bとが貼り合わされることになる。
本製造方法においては、第1帯状シート120A,120Bと第2帯状シート130A,130Bとの貼り合わせは、図6に示すように、第1帯状シート120Aと第2帯状シート130Aとの間に、レッグ部弾性部材61a及びウエスト部弾性部材51を挟みこみ、また第1帯状シート120Bと第2帯状シート130Bとの間に、レッグ部弾性部材61b及びウエスト部弾性部材51を挟みこんだ状態で行う。具体的には、第1帯状シート120Aと第2帯状シート130Aとを重ね合わせる前に、第1帯状シート120A及び第2帯状シート130Aの何れか一方又は両方の相対向する面における所定の部位に、弾性部材固定用の接着剤52,62を塗工しておき、弾性部材61a,51を伸長状態で挟んだ状態で、第1帯状シート120A及び第2帯状シート130Aを、一対のニップロール74,74で挟圧して、弾性部材61a,51を固定すると共に第1帯状シート120A及び第2帯状シート130A間を接合する。第1帯状シート120Bと第2帯状シート130Bとの接合に関しても同様である。
レッグ部弾性部材61a,61bは、帯状シート120A,120B,130A,130Bの流れ方向に直交する方向に公知の揺動ガイドで揺動させながら、両帯状シート120A,130A間および120B,130B間に導入する。転回ロール75bは、帯状シート130A,130Bの搬送方向を所定方向に転回している。第1帯状シート120A,120Bと第2帯状シート130A,130Bとの貼り合わせにより、長手方向に伸長する程度が制限された腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110Bが得られる。一対の転回ロール75c,75cは、腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110Bの搬送方向を所定方向に転回している。
本製造方法においては、第1帯状シート120A,120Bを長手方向に伸長させた状態で、第2帯状シート130A,130Bに貼り合わせており、第1帯状シート120A,120Bは、その伸長により、幅が小さくなった状態(いわゆる幅縮みした状態)で第2帯状シート130A,130Bに接合される。そのため、外層シート12の原反として用いる第1帯状シート120A,120Bは、伸長による幅縮みを考慮し、長手方向に伸長させる前の幅(非伸長状態の幅に同じ)が、第2帯状シート130A,130Bと接合した後の第1帯状シート120A,120Bの幅の100〜140%のものを用いることが、伸長による幅縮みによって、長手方向に伸長させた状態での第1帯状シート120A,120Bの幅が第2帯状シート130A,130Bの幅よりも小さくならないようにする観点から好ましく、110〜130%のものを用いることがより好ましい。第2帯状シート130A,130Bと接合させる際の第1帯状シート120A,120Bの伸長率は、例えば1.3〜4.0倍であり、より好ましくは1.5〜3.0倍である
前記実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1は、上述のようにして得られた腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110Bを用いる以外は、従来のいわゆる横流れ方式のパンツ型使い捨ておむつの製造方法と同様にして製造することができる。例えば、図6に示すように、腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110B上に、吸収性本体連続体101を切断して得た吸収性本体10を、それぞれ流れ方向に対して90度回転させた後、間欠的に接着固定する。また、ロータリーカッター、レーザーカッター等により、レッグ開口部形成用の半円形のトリム111を除去して、おむつ連続体100を得る。
腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110Bの吸収性本体10への固定は、第1帯状シート120A,120Bの伸長状態を維持したままで行う。換言すれば、腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110Bが第1帯状シート120A,120Bの収縮力により縮まないように維持しながら、吸収性本体10を固定する。次いで、おむつ連続体100における腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110Bの各側部12a,12bを、吸収性本体10の両端部を覆うように折り返して、吸収性本体10の両端部に腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110Bの各側部12a,12bを固定した後、おむつ連続体100を2つ折りする。次いで、サイドシール部S,Sを、ヒートシール、超音波シール、高周波シール等により形成した後、又はサイドシール部S,Sを形成すると同時に、個々のおむつに切断することにより、パンツ型使い捨ておむつ1を得ることができる。
吸収性本体10を90度回転させて、腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110B上に間欠固定する方法としては、例えば、特開平4−166150号公報記載の方法を用いることができる。また、吸収性本体10を腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110Bに固定する本体接合部(図示せず)は、吸収性本体10並びに腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110Bの何れか一方又は両方に塗工しておくことができる。
本実施態様によれば、このようにして、長手方向に伸縮性を有する帯状シート(第1帯状シート120A,120B)を用いて、おむつ幅方向(図2の左右方向)に良好な伸縮性を有する、仕上がり精度が高いパンツ型使い捨ておむつを安定して連続的に生産することができる。
即ち、第1帯状シート120A,120Bがその長手方向に優れた伸縮性を有するシートであっても、それを伸長状態で、実質的に伸長しない第2帯状シート130A,130Bと貼り合わせることによって得られる腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110Bは、それ以上はほとんど伸びないか、あるいは僅かに伸びたところでそれ以上の伸びが急激に抑制される(いわゆる伸びどまり)。そのため、腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110Bにある程度以上の張力を加えて搬送すれば、搬送中に腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110Bに加わる張力が変動しても、腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110Bの伸び量(伸長率)には変動が生じにくい。
そのため、例えば、(イ)腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110Bからトリム111A,111Bを切り出す位置、(ロ)腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110Bに対して吸収性本体10を接合する際の接合位置、(ハ)おむつ連続体100を2つ折りする際の折り曲げ位置、(ニ)吸収性本体10に固定された腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110Bの所定箇所をシールしてサイドシールSを形成する際のシール位置、(ホ)おむつ連続体100を個々のおむつに切断分割する際の切断位置等にずれが生じることが防止され、仕上がり精度の高いパンツ型使い捨ておむつを安定して製造することができる。
また、第1帯状シート120A,120Bと第2帯状シート130A,130Bとを部分的に接合することによって、第1帯状シート120A,120Bの伸縮性に由来する腹側外包材連続体110A及び背側外包材連続体110Bの伸縮性が接着剤によって損なわれないか、又は損なわれたとしてもその程度が僅かであるため、得られた使い捨ておむつ1は、第1帯状シート120A,120Bの伸縮性に由来して腹側外包材11A及び背側外包材11Bがおむつ幅方向(図2の左右方向)に良好に伸縮し、着用者の胴回りに対して良好なフィット性を示し、装着感や漏れ防止性に優れたものとなる。
図6に示す実施態様においては、外層シート12の原反である第1帯状シート120A,120Bをその長手方向に伸縮性を付与してから、長尺状のまま内層シート13の原反である第2帯状シート130A,130Bに接合しているが、これ以外の方法を採用することもできる。例えば、第1帯状シート120A,120Bをその幅方向に伸縮性を付与し、間欠的に切断してから、その間欠的な切断により順次生じる短尺物を90度回転させた後に連結して、長手方向(流れ方向)に伸縮性を有する長尺シートとしてから、第2帯状シート130A,130Bに接合することができる。短尺物を90度回転させる方法(又は機構)としては、公知の方法(又は機構)を用いることができる。短尺物同士の連結は、相隣接する短尺物を、流れ方向の端部同士を重ね合わせるようにして配置し、その重ね合わせた部分に、ヒートシール、超音波シール、高周波シール等の加工を施すことにより行うことができる。
このような実施態様においても、第1帯状シートを、第1ニップロール72と第2ニップロール73との間で伸長させ、その状態で、第2帯状シートと貼り合わせて接合する。そして、そのようにして得た腹側外包材連続体及び背側外包材連続体を用いることで、図6に示す実施形態と同様に、パンツ型使い捨ておむつを安定して連続生産することができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されるものではない。例えば前記実施形態においては、吸収性本体の非肌当接面側に接合された外包材は、腹側外包材及び背側外包材の二部材から構成されていたが、これに代えて、収性本体における腹側部と背側部との間に位置する股下部に、更に股下部外包材が配置してもよい。この場合、股下部外包材は、腹側外包材及び背側外包材と接合して一体になっていてもよい。
また、外層シート12と内層シート13とを、サイドシール部S並びにウエスト開口部5及びレッグ開口部6それぞれの周縁部50,60を除く部分において接合する接合部14の塗工形状は、前記実施形態における塗工形状(幅方向中央部に長手方向全域に亘る塗工形状)に制限されない。例えば、接合部14の塗工形状は、幅方向に非連続的な(間欠的な)塗工形状でもよい。このような塗工形状としては、図7(a)に示すように、長手方向に延びる複数本の帯状の接合部14が幅方向に所定間隔をあけて配列した塗工形状が挙げられる。また、接合部14の塗工形状は、長手方向に非連続的な(間欠的な)塗工形状でもよい。このような塗工形状としては、図7(b)に示すように、幅方向に延びる複数本の帯状の接合部14が長手方向に所定間隔をあけて配列した塗工形状が挙げられる。幅方向に延びる帯状の接合部14は、長手方向中央部のみ又は長手方向両端部のみに設けることもできる。更に、接合部14は設けられていなくてもよい。
接合部14の塗工形状は、図8(a)に示すように、螺旋状(スパイラル)の塗工形状でもよく、その他の帯状以外の塗工形状(図示せず)でもよい。このような帯状以外の塗工形状の接合部14においては、図8(b)に示すように、接合部14を含む得る最小面積の帯状領域を仮想的に形成したときにおける該帯状領域の面積を、接合部の接合面積とする。帯状以外の塗工形状の接合部14においても、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける外層シート12と内層シート13との間が接合されていない部分の面積は、腹側部A及び背側部Bそれぞれの面積に対して、60〜100%であることが好ましく、70〜100%であることがより好ましい。
本体接合部15の塗工形状は、前記実施形態における塗工形状に制限されない。図9(a)及び図9(b)は、本体接合部15の別の塗工形状を、吸収性本体10における外包材11との対向面側から視た底面図である。本体接合部15の塗工形状は、図9(a)に示すように、おむつ幅方向中央部に配された長手方向に延びる1本の帯状塗工と、吸収性本体10の長手方向前後端部にそれぞれ配された幅方向に延びる2本の帯状塗工との集合体からなる形状とすることができる。つまり、図9(a)に示す本体接合部15の塗工形状は、アルファベットの大文字の「I」と似た形状である。また、本体接合部15の塗工形状は、おむつ幅方向に離間した形状でもよく、例えば、図9(b)に示すように、長手方向に並列して延びる2本の帯状塗工の集合体からなる形状とすることができる。
本体接合部15の塗工形状は、図10(a)に示すように、螺旋状(スパイラル)の塗工形状でもよく、その他の帯状以外の塗工形状(図示せず)でもよい。このような帯状以外の塗工形状の本体接合部15においては、図10(b)に示すように、本体接合部15を含み得る最小面積の帯状領域を仮想的に形成したときにおける該帯状領域の面積を、本体接合部の接合面積とする。帯状以外の塗工形状の本体接合部15においても、腹側外包材11Aが収縮した状態において、吸収性本体10における腹側外包材11Aとの対向面の面積T1に対する、吸収性本体10と腹側外包材11Aとの接合部との総面積T2の比T2/T1は0.6以上、特に0.65以上であることが好ましい。同様に、背側外包材11Bが収縮した状態において、吸収性本体10における背側外包材11Bとの対向面の面積T1’に対する、吸収性本体10と背側外包材11Bとの接合部との総面積T2’の比T2’/T1’は0.6以上、特に0.65以上であることが好ましい。
また外層シート12と内層シート13との接合部14による接合及び吸収性本体10と外包材11との本体接合部15による接合は、接着剤を用いた接合に限定されず、熱による一般的な接合(エンボス、超音波シール等)によっても達成可能である。
また、腹側外包材11Aの両側縁A1,A2と背側外包材11Bの両側縁B1,B2との接合又は係合位置は、身体の真横の位置に限られず、身体のやや前寄り又は後寄りの位置であってもよい。
また、上述した使い捨ておむつ1の腹側外包材11A又は背側外包材11Bの非肌当接面側(外層シート12側)においては、ホットメルト粘着剤等の接合部14と重なる位置に廃棄用テープを固定することにより、使い捨ておむつ1の伸縮性を維持しながらコンパクトに廃棄可能な使い捨ておむつ1とすることもできる。
更に、腹側部と背側部との間に位置する股下部に股下部外包材が配置されている場合には、該股下部外包材の左右両側部に伸長状態でレッグ部弾性部材を配し、該両側部を折り返して該レッグ部弾性部材を固定することで、レッグギャザーを形成してもよい。或いは、股下部外包材の左右両側部に、立体ギャザーを配置してもよい。