以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例である複合機の内部構成を概略的に示す側面図である。複合機1は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能等の機能を兼ね備えたものである。この複合機1は、本体部2と、本体部2の左方に配設されたスタックトレイ3と、本体部2の上部に配設された原稿読取部5と、原稿読取部5の上方に配設された原稿給送部6とを有している。
また、複合機1のフロント部には、操作部47が設けられている。この操作部47には、ユーザが印刷実行指示を入力するためのスタートキー471と、印刷部数等を入力するためのテンキー472と、各種複写動作の操作ガイド情報等を表示し、これら各種設定入力用にタッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等からなる表示部473と、表示部473で設定された設定内容等をリセットするリセットキー474と、実行中の印刷(画像形成)動作を停止させるためのストップキー475と、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能を切り換えるための機能切換キー477が備えられている。
原稿読取部5は、CCD(Charge Coupled Device)センサ及び露光ランプ等からなるスキャナ部51と、ガラス等の透明部材により構成された原稿台52及び原稿読取スリット53とを備える。スキャナ部51は、図略の駆動部によって移動可能に構成され、原稿台52に載置された原稿を読み取るときは、原稿台52に対向する位置で原稿面に沿って移動され、原稿画像を走査しつつ取得した画像データを図略の画像処理部へ出力する。また、原稿給送部6により給送された原稿を読み取るときは、原稿読取スリット53と対向する位置に移動され、原稿読取スリット53を介して原稿給送部6による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得し、その画像データを上記画像処理部へ出力する。
原稿給送部6は、原稿を載置するための原稿載置部61と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部62と、原稿載置部61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿排出部62へ排出するための給紙ローラ(図略)、搬送ローラ(図略)等からなる原稿搬送機構63を備える。原稿搬送機構63は、さらに原稿を表裏反転させて原稿読取スリット53と対向する位置へ再搬送する用紙反転機構(図略)を備え、原稿の両面の画像を原稿読取スリット53を介してスキャナ部51から読取可能にしている。
また、原稿給送部6は、その前面側が上方に移動可能となるように本体部2に対して回動自在に設けられている。原稿給送部6の前面側を上方に移動させて原稿台52上面を開放することにより、原稿台52の上面に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等を操作者が載置できるようになっている。
本体部2は、複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から記録紙を1枚ずつ繰り出して記録部40へ搬送する給紙ローラ462と、給紙カセット461から搬送されてきた記録紙に画像を形成する記録部40とを備える。
記録部40は、スキャナ部51等で取得された画像データに基づきレーザ等を出力して感光体ドラム43を露光する光走査装置49と、感光体ドラム43上にトナー像を形成する現像部44と、感光体ドラム43上のトナー像を記録紙に転写する転写部41と、トナー像が転写された記録紙を加熱してトナー像を記録紙に定着させる定着部45と、記録部40内の用紙搬送路中に設けられ、記録紙をスタックトレイ3又は排出トレイ48まで搬送する搬送ローラ463,464等とを備える。
また、記録紙の両面に画像を形成する場合は、記録部40で記録紙の一方の面に画像を形成した後、この記録紙を排出トレイ48側の搬送ローラ463にニップされた状態とする。この状態で搬送ローラ463を反転させて記録紙をスイッチバックさせ、記録紙を用紙搬送路Lに送って記録部40の上流域に再度搬送し、記録部40により他方の面に画像を形成した後、記録紙をスタックトレイ3又は排出トレイ48に排出する。
図2は、光走査装置49の構成図である。図2に示すように、本発明に係る光走査装置49は、レーザ照射部491、コリメータレンズ492、プリズム493、ポリゴンミラー(回転多面鏡)494、f−θレンズ495及びビームディテク卜センサ(以下、BDセンサという)496を備えている。
レーザ照射部491は、複数のレーザ光源(LD)を備える。各レーザ光源から出力される複数のレーザ光は、コリメータレンズ492及びプリズム493等によりそれぞれ平行光に変換される。この平行光は、図略の反射ミラーによってポリゴンミラー494に向けて反射され、回転しているポリゴンミラー494に入射する。ポリゴンミラー494は、レーザ照射部491から出力されるレーザ光を感光体ドラム43に向けて反射させる反射面を複数有する。レーザ照射部491からは複数のレーザ光が照射され、この複数のレーザ光が、それぞれポリゴンミラー494の異なる反射面により感光体ドラム43に向けて反射される。ポリゴンミラー494は、例えば図2の矢印方向に回転することで、各レーザ光を順次別々の反射面で反射させ、各レーザ光を感光体ドラム43の回転軸方向(主走査方向)に走査させる。ポリゴンミラー494に入射して感光体ドラム43に向けて反射されたレーザ光は、f−θレンズ495によって感光体ドラム43の表面上に、所定の径を有するスポット状に結像される。ポリゴンミラー494は一定速度で回転しているため、感光体ドラム43の表面上に照射されるレーザは、一定速度で感光体ドラム43の表面上を走査され、感光体ドラム43表面上の電荷を除去する。
BD(Beam Detect)センサ496は、フォトダイオードを用いて構成されており、感光体ドラム43に対して画像データの書き出しを行うタイミングを調整するために用いられるものである。図2に示す矢印方向に回転するポリゴンミラー494によって反射されたレーザが、f−θレンズ495を透過してBDセンサ496に入射すると、BDセンサ496から検出信号が出力される。このBDセンサ496の検出信号(BD信号)は、BD信号変換部102に入力された後に画像書き出しタイミング調整部104に入力されて、感光体ドラム43表面上で走査されるレーザの書き出しタイミングの調整に用いられる。
前記各レーザ光源から出力される各光線は、図12に示すように、感光体ドラム43の表面上やBDセンサ497の受光面上で、主走査方向及び副走査方向にそれぞれ異なる位置に結像される。したがって、各光線は、BDセンサ497の受光面上を或る時間差を介してそれぞれ通過するため、全ての光源が正常に動作している場合、前記各光線の走査によって前記BDセンサ497から出力される各BD信号は、前記時間差だけずれた状態で出力される。
ここで、1つのレーザ光源から光線を或る時間だけ出力させた場合、BDセンサ496から出力されるBD信号は、BDセンサ496の出力信号が略0から最大(信号レベルの変化量が最大)の信号レベルに達するまで、及び、前記最大の信号レベルから略0となるまでにそれぞれ一定の時間を要し、前記BDセンサ496の出力信号の波形は、立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを有する台形状の信号波形となる(例えば図5参照)。そして、前記時間差は、高解像度化のため、例えば工場出荷時など基準となる環境条件において各レーザ光源の光線を主走査方向に走査させた場合に、BDセンサ497の受光面上で隣接する一対のスポット光に着目したとき、これらのスポット光により生成されるBDセンサ496の各出力波形が、一方の波形の立ち上がりエッジと他方の波形の立ち下がりエッジとで交差するような時間差に設定されている。
光走査装置49は、基準発振器8と、画像書き出しタイミング調整部104を備えるLD駆動制御回路10とを備えている。基準発振器8は、基準クロック信号を出力する。LD駆動制御回路10は、この基準クロック信号に基づいた調整を行って、画像メモリ9から出力される書込対象画像の画像信号に基づいて、レーザ照射部491を駆動制御する。
LD駆動制御回路10は、LD駆動部101と、描画部103と、画像書き出しタイミング調整部104と、異常検出処理部105とを備える。
画像書き出しタイミング調整部104は、BD信号変換部102から入力されたBD信号に基づいて、感光体ドラム43表面上を走査させる画像書き出しタイミングを調整し、描画部103に出力するものである。すなわち、画像書き出しタイミング調整部104は、後述するBD信号を検出してから、所定の基準クロックカウント後に画像の書き出し信号を描画部103に出力する。所定の基準クロックカウント数は機械製造時の調整時に機械毎に決定される。
描画部103は、上記画像書き出し信号により、画像メモリ9から出力される書込対象画像の画像信号に基づいて、LD駆動部101の駆動を開始させるものである。LD駆動部101は、描画部103からの指示に基づいて、レーザ照射部491を駆動制御するものである。BD信号変換部102は、BDセンサ496から出力されるBD信号を画像書き出しタイミング調整部104に出力するものである。
異常検出処理部105は、各レーザ光源やLD駆動制御回路10の故障等の異常の有無を検出するものである。各レーザ光源やLD駆動制御回路10の故障等の異常が発生していると、異常が生じているレーザ光源からはレーザ光が出力されず、BDセンサ496の受光面上にスポット光が結像されなくなり、そのレーザ光源からはBD信号が得られなくなる。なお、以下の説明においては、レーザ光源自体が故障している場合のみならず、LD駆動制御回路10のうちレーザ光源を駆動する回路部分が故障している場合も、当該レーザ光源の異常と表現する。
従来では、各レーザ光源に異常が発生しているとそのレーザ光源からBD信号が得られないことを利用して、レーザ光源に対して点灯指示を出力してポリゴンミラー494に回転動作(主走査方向に1ライン分の画像を感光体ドラム43に形成するために行われる回転動作と略同等の回転動作)を行わせる処理を光源単位で(個別に)行い、BD信号が得られなかったレーザ光源に異常が発生していると判断するようにしていたが、この方法では異常検出処理に非常に時間がかかる。
また、本実施形態のように、前記各レーザ光源から出力される各光線が、感光体ドラム43の表面上やBDセンサ497の受光面上で、主走査方向及び副走査方向にそれぞれ異なる位置に結像されるように構成されるものにあっては、レーザ照射部491や感光体ドラム43の温度を始めとする複合機1の環境温度が変化した場合、該環境温度の変化によるレーザ照射部491等における各種部材の変形等の要因によりスポット光間のピッチ(距離)が変化し、各レーザ光源に対応するBD信号の波形の交差状態や重なり状態が変化する。特に、隣接するスポット光間のピッチが適正値より非常に小さくなった場合には、後述するように、この時点でBDセンサ496から得られるBD信号に基づいて、レーザレーザ光が正常に出力されているのか否かを判別することができないレーザ光源が生じる。
例えば、レーザ照射部491に4つのレーザ光源1〜4が設けられているものとし、図12に示すように、各レーザ光源1〜4のレーザ光線によるスポット光をスポット光1〜4と表現する。そして、スポット光1とスポット光2とが隣接し、スポット光2とスポット光3とが隣接し、スポット光3とスポット光4とが隣接しているものとする。
この場合において、各レーザ光源1〜4の光線を主走査方向に走査させた場合に、隣接するスポット光間のピッチが適正値より非常に小さくなることにより、図3に示すように各レーザ光源1〜4から出力される各レーザ光に対応する各BD信号が互いに大部分で重なっていると、図4(a)の実線で示すように、BDセンサ496から実際に出力されるBD信号の信号波形は、1番目(最初)及び4番目(最後)にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光1,4の受光タイミングで決定することとなり、2番目及び3番目にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光2,3は、BDセンサ496から出力されるBD信号に何ら影響を与えない。すなわち、BDセンサ496から実際に出力されるBD信号の信号波形は、2番目及び3番目にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光2,3を生成するレーザ光源に異常が発生していたとしても、そのレーザ光源2,3に異常が発生していない場合と同一となり、この場合、BDセンサ496から実際に出力されるBD信号の信号波形からは、2番目及び3番目にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光2,3を生成するレーザ光源2,3に異常が発生しているのか否かを区別することができない。
そこで、本実施形態では、次のような異常検出方法により、異常検出時間の短縮化を図りつつ、スポット光間のピッチが変化した場合でも、異常が発生しているレーザ光源を特定できるようにしている。なお、以下の説明においては、レーザ光源に対して点灯指示を出力してポリゴンミラー494に回転動作を行わせる処理を光源単位で行ったものと仮定した場合に、各レーザ光源から出力される光線に対応して得られるBD信号を個別BD信号といい、各個別BD信号の波形が交差したり、スポット光間のピッチが狭くなることによって重なり合ったりする場合に、BDセンサ496から実際に出力される、各個別BD信号が合成されたBD信号を合成BD信号というものとする。
図5に示すように、時間的に連続する2つの個別BD信号(BDセンサ497の受光面上で隣接するスポット光により生成される個別BD信号)が、一方のBD信号の立ち上がりエッジと他方のBD信号の立ち下がりエッジとで交差する場合には、図6(a)に示すように、BDセンサ496から出力される合成BD信号の出力波形は、局部的に突出した突出部Pを一定の時間間隔で有する波形となる。
異常検出処理部105は、各レーザ光源に点灯の指示を行った上で、主走査方向における走査を行わせ、この走査により得られた合成BD信号と予め定められた閾値とを用いて、レーザ光源1〜4の異常の有無を検出するための矩形波信号を生成する。すなわち、異常検出処理部105は、合成BD信号の信号レベルと予め定められた閾値との大小を比較し、閾値の方が大きい場合に、H(ハイ)信号を出力する。
ここで、図6(a)に示すように、予め定められた閾値が閾値1の場合、この閾値1は前記突出部Pのレベルより高いため、図6(b)に示すように、ビーム光1に対応する個別BD信号の立ち下がりと閾値1とが交差するタイミング(点A)から、ビーム光4に対応する個別BD信号の立ち上がりと閾値1とが交差するタイミング(点B)までの間、H(ハイ)の矩形波信号となる。この場合、2番目及び3番目にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光2,3による個別BD信号はマスクされ、各レーザ光源1〜4における異常の有無を検出することができない。
一方、図6(a)に示すように、前記予め定められた閾値が、前記突出部Pの信号レベルより低い例えば閾値3である場合、図6(c)に示すように、前記突出部Pのうち前記閾値3を超える期間にL(ロー)となる結果、レーザ光源の数と同数の矩形波信号が得られる。これにより、各矩形波信号の存在によってレーザ光源1〜4からビーム光が正常に出力されたことを検出することができ、レーザ光源1〜4が正常に動作していることを検出することができる。
また、図3、図4(a)に示すように、ビーム光のピッチが比較的狭い場合には、各ビーム光による合成BD信号に前述のような突出部Pが現れない。したがって、前記閾値を変化させても、一時的にL(ロー)となる期間は発生せず、各レーザ光源の異常を検出することはできない。
このように、図5に示すように、時間的に連続して出力された2つの個別BD信号が、一方のBD信号の立ち上がりエッジと他方のBD信号の立ち下がりエッジとで交差する場合において、予め定められている閾値が前記突出部Pの信号レベルより低いときには、レーザ光源の数と同数の矩形波信号が得られ、それ以外の場合には、得られる矩形波信号の数とレーザ光源の数とは一致しない。
異常検出処理部105は、得られた矩形波信号の数がレーザ光源の数と一致した場合には、各レーザ光源は正常であると判断する一方、得られた矩形波信号の数がレーザ光源の数と不一致の場合(予め定められている閾値が前記突出部Pの信号レベルより高いときやビーム光のピッチが比較的狭い場合)には、レーザ光源の中に異常が発生しているレーザ光源が存在する可能性があると判断し、次の処理を行う。
最初にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光を生成するレーザ光源(ここではレーザ光源1)及び最後にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光を生成するレーザ光源(ここではレーザ光源4)が正常であれば、矩形波信号のH(ハイ)の継続時間が一定である一方、前記両レーザ光源のうち少なくとも一方に異常が発生している場合には、他のレーザ光源が出力するスポット光による個別BD信号の信号レベルと前記閾値との大小関係が、矩形波信号の立ち上がりタイミング又は立ち下がりタイミングを決定することとなり、その結果、矩形波信号のH(ハイ)の継続時間が変化する。
例えば、前記閾値を図4(a)に示す閾値1としたとき、レーザ光源1,4が正常である場合には、前記矩形波信号の立ち上がりタイミングが、閾値1とスポット光1,4に対応する個別BD信号の立ち下がり及び立ち下がりとが交差するタイミング(点C,D)となり、矩形波信号のH(ハイ)の継続時間Tは、図4(b)に示すように、前記点C,Dで決定する時間となる。
しかし、レーザ光源1に異常が発生した場合には、レーザ光源1からビーム光が出力されず、レーザ光源1の次にBDセンサ496の受光面上を通過するレーザ光源2のスポット光2による個別BD信号の立ち下がりL1と閾値1とが交差するタイミング(点E)が、生成される矩形波信号の立ち上がりタイミングとなる。その結果、図4(c)に示すように、矩形波信号のH(ハイ)の継続時間が、前記継続時間Tから継続時間T1に変化する。
また、レーザ光源4に異常が発生した場合には、レーザ光源4からビーム光が出力されず、レーザ光源4の前にBDセンサ496の受光面上を通過するレーザ光源3のスポット光3による個別BD信号の立ち上がりL2と閾値1とが交差するタイミング(点F)が、生成される矩形波信号の立ち下がりタイミングとなる。その結果、図4(c)に示すように、矩形波信号のH(ハイ)の継続時間が、前記継続時間Tから継続時間T2に変化する。
本実施形態では、このことを利用して、まず、最初にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光を生成するレーザ光源と、最後にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光を生成するレーザ光源とに異常が発生しているか否かを検出する。
すなわち、各レーザ光源1〜4が全て正常である場合の矩形波信号のH(ハイ)の継続時間(以下、適正値Tという)を予め調べておき、異常検出処理部105は、この適正値Tと、実際に得られた矩形波信号のH(ハイ)の継続時間とを比較して、両者が一致する場合には、最初にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光を生成するレーザ光源と、最後にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光を生成するレーザ光源とに異常が発生していないと判断する一方、両者が不一致の場合、例えば、得られた矩形波信号におけるH(ハイ)の継続時間が前記継続時間T1とかT2であった場合には、最初にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光を生成するレーザ光源と、最後にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光を生成するレーザ光源との少なくとも一方に異常が発生しているものと判断する。以下、ここまでの異常検出処理を異常検出処理1という。
前記異常検出処理1において、異常検出処理部105は、最初にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光を生成するレーザ光源と、最後にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光を生成するレーザ光源との少なくとも一方に異常が発生しているものと判断した場合、次に実行する処理として、BDセンサ496の受光面上におけるスポット光が隣り合う2つのビーム光を出力するレーザ光源を1組として、組単位で、当該組に属する2つのレーザ光源に点灯指示を出力した上でポリゴンミラー494に回転動作を行わせる。
例えば、レーザ光源1,2に点灯指示を出力した上でポリゴンミラー494に回転動作を行わせ、その後、レーザ光源3,4に点灯指示を出力した上でポリゴンミラー494に回転動作を行わせる。
図7(a)は、レーザ光源1〜4が正常である場合に、前述のような処理によってレーザ光源1〜4が生成するスポット光により得られる個別BD信号(上段)と、この個別BD信号から得られる矩形波信号(下段)を示す。
前記異常検出処理1と同様の考え方を用いて、レーザ光源1〜4が正常な場合には、組毎に得られた各矩形波信号のH(ハイ)の継続時間が適正値Tαと一致する一方、レーザ光源1〜4のうちいずれかに異常が発生している場合には、H(ハイ)の継続時間が適正値Tαと一致しない矩形波信号が存在することに基づき、レーザ光源1〜4の異常の有無を検出する動作を行う。
図7(a)に示すように、例えばレーザ光源1,2が正常である場合には、ビーム光1によるBD信号の立ち下がりと閾値とが交差するタイミング(点X1に対応するタイミング)で矩形波信号が立ち上がり、ビーム光2による個別BD信号の立ち上がりと前記閾値とが交差するタイミング(点X2に対応するタイミング)で矩形波信号が立ち下がる。このとき、生成される矩形波信号におけるH(ハイ)の継続時間を時間T12という。
また、図7(a)に示すように、レーザ光源3,4が正常である場合には、ビーム光3による個別BD信号の立ち下がりと閾値とが交差するタイミング(点X3に対応するタイミング)で矩形波信号が立ち上がり、ビーム光4による個別BD信号の立ち上がりと前記閾値とが交差するタイミング(点X4に対応するタイミング)で矩形波信号が立ち下がる。このとき、生成される矩形波信号におけるH(ハイ)の継続時間を時間T34という。
レーザ光源1〜4が正常である場合、これらの継続時間T12,T34は、T12=T34=Tαとなる。
ところが、例えばレーザ光源3に異常が発生していると、レーザ光源3,4に点灯指示を出力してもビーム光3が出力されなくなるから、得られる矩形波信号は、ビーム光4による個別BD信号の立ち下がりと閾値とが交差するタイミング(図7(b)に示す点X5に対応するタイミング)で立ち上がることとなり、その結果、矩形波信号におけるH(ハイ)の継続時間T34’は、前記継続時間T34より短くなる(T12=Tα、T34<Tα)。以下、前記異常検出処理1の終了後からこれまでの異常検出処理を異常検出処理2という。
なお、ここでは、レーザ照射部491に4つのレーザ光源1〜4が搭載されていることを前提として説明したが、レーザ照射部491に搭載されているレーザ光源の数を一般的にnと表した場合、この異常検出処理2では、nが偶数のときには、(n/2)回だけポリゴンミラー494の回転動作(主走査方向に1ライン分の画像を感光体ドラム43に形成するために行われる回転動作と略同等の回転動作)を、nが奇数のときには、{(n−1)/2+1}回だけ前記ポリゴンミラー494の回転動作をそれぞれ実行するだけで済む。また、nが偶数のときには、(n/2)個の矩形波信号についてH(ハイ)の継続時間を、また、nが奇数のときには、{(n−1)/2+1}個の矩形波信号についてH(ハイ)の継続時間をそれぞれ調べるだけで済む。よって、n個の矩形波信号についてH(ハイ)の継続時間を調べる従来技術に比して、ポリゴンミラー494の回転動作回数やH(ハイ)の継続時間を調べる矩形波信号の数を略半分に低減することができる。
その後、異常検出処理部105は、H(ハイ)の継続時間が適正値より短くなった矩形波信号が存在した場合には、その矩形波信号に対応する組に属する2つのレーザ光源について、点灯指示を出力して前記ポリゴンミラー494に回転動作を行わせる処理を光源単位で(個別に)行う。そして、異常検出処理部105は、各々のレーザ光源から出力された各ビーム光に対する個別BD信号を得て、さらにこの個別BD信号から矩形波信号を生成し、該矩形波信号におけるH(ハイ)の継続時間が、レーザ光源を個別に点灯した場合の適正値と一致するか否かを判断して、一致する場合には、その矩形波信号に対応するレーザ光源は正常であると判断する一方、不一致の場合には、前記矩形波信号に対応するレーザ光源に異常が発生していると判断する。これにより、各組において、どちらのレーザ光源に異常が発生しているかを検出することができる。
なお、レーザ光源に対して点灯指示を出力して前記ポリゴンミラー494に回転動作を行わせる処理を光源単位で行った場合、異常が発生しているレーザ光源に対応するBD信号は欠落することから、矩形波信号を生成することなく、対象の組において得られたBD信号の数が、当該組に属するレーザ光源の数と一致するか否かに基づいて、異常が発生しているレーザ光源の有無を調べるという方法でもよい。
図8,図9は、異常検出処理を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、前述の例と同様、レーザ照射部491にレーザ光源が4つ設けられているものとする。
図8、図9に示すように、異常検出処理部105は、各レーザ光源に点灯の指示を行った上でポリゴンミラー494の回転動作(主走査方向に1ライン分の画像を感光体ドラム43に形成するために行われる回転動作と略同等の回転動作)を行わせ、(ステップ♯1)、BDセンサ496から出力されたBD信号に基づいて矩形波信号を生成する(ステップ♯2)。
次に、異常検出処理部105は、ステップ♯2で生成した矩形波信号がレーザ光源の数と同数(ここでは4つ)存在するか否かを判断し(ステップ♯3)、存在する場合には(ステップ♯3でYES)、レーザ光源1〜4は全て正常であると判断する一方(ステップ♯4)、存在しない場合には(ステップ♯3でNO)、生成した矩形波信号におけるH(ハイ)の継続時間を算出する(ステップ♯5)。
異常検出処理部105は、ステップ♯5で算出した継続時間が予め求められた適正値と一致するか否かを判断し(ステップ♯6)、一致する場合には(ステップ♯6でYES)、最初にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光を生成するレーザ光源(ここではレーザ光源1)及び最後にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光を生成するレーザ光源(ここではレーザ光源4)は正常であると判断する一方(ステップ♯7)、不一致の場合には(ステップ♯6でNO)、前記両レーザ光源(ここではレーザ光源1,4)のうち少なくとも一方に異常が発生しているものと判断する(ステップ♯8)。
異常検出処理部105は、ステップ♯7又は♯8の処理後、各レーザ光源を、BDセンサ496の受光面上におけるスポット光が隣り合う2つのビーム光を出力するレーザ光源を1組として、2つのレーザ光源に点灯の指示を行った上で前記ポリゴンミラー494の回転動作(主走査方向に1ライン分の画像を感光体ドラム43に形成するために行われる回転動作と略同等の回転動作)を組単位で行わせ(ステップ♯9〜♯12)、BDセンサ496から出力されるBD信号に基づいて矩形波信号を生成する(ステップ♯13,♯14)。そして、異常検出処理部105は、ステップ♯13,♯14で生成した矩形波信号におけるH(ハイ)の継続時間を算出する(ステップ♯15,♯16)。
異常検出処理部105は、ステップ♯15の処理後は、全ての矩形波信号についてH(ハイ)の継続時間が適正値と一致するか否かを判断し(ステップ♯17)、全一致する場合には(ステップ♯17でYES)、レーザ光源1〜4は全て正常であると判断する一方(ステップ♯18)、全一致しない場合には(ステップ♯17でNO)、適正値とならなかった矩形波信号に対応する組の各レーザ光源に対して点灯指示を出力して前記ポリゴンミラー494に回転動作を行わせる処理を光源単位で行う(ステップ♯19)。
また、異常検出処理部105は、ステップ♯16の処理後は、H(ハイ)の継続時間が適正値と一致しない矩形波信号を検出し(ステップ♯20)、ステップ♯19の処理を実行する。そして、異常検出処理部105は、ステップ♯19の処理後、矩形波信号が得られなかったレーザ光源に異常が発生しているものと判断する(ステップ♯21)。
以上のように、各レーザ光源に点灯の指示を行った上でポリゴンミラー494の回転動作を行わせ、BDセンサ496から出力されたBD信号に基づいて矩形波信号を生成し、矩形波信号の数を調べるようにしたので、得られた矩形波信号の数がレーザ光源の数と一致する場合、すなわち各レーザ光源が正常である場合には、前記ポリゴンミラー494の動作回数や矩形波信号を調べる回数が1回で済む。その結果、従来技術に比してそれらの回数を大幅に低減することができるため、光源の異常検出に要する時間を短縮化することができる。
また、この処理によって矩形波信号の数とレーザ光源の数とが一致しない場合には、BDセンサ496の受光面上におけるスポット光が隣り合う2つのビーム光を出力するレーザ光源を1組として、組単位で、当該組に属する2つのレーザ光源に点灯指示を出力した上でポリゴンミラー494に回転動作を行わせるようにしたので、レーザ光源に異常が発生していない組については、前記ポリゴンミラー494の動作回数や矩形波信号を調べる回数が1回で済む。その結果、従来技術に比してそれらの回数を低減することができるため、光源の異常検出に要する時間を短縮化することができる。
なお、本件は、前記実施形態に代えて、又は前記実施形態に加えて、次の様な形態も含むものである。
(1)前記実施形態では、予め定められた閾値を用いて矩形波信号を生成した場合において、該矩形波信号の数がレーザ光源の数と一致しなかった場合には、前記異常検出処理1を実行するようにしたが、これに限らず、閾値を例えば図6(a)に示す閾値1から閾値3に変更し、この変更後の閾値を用いて再度矩形波信号を生成し、該矩形波信号の数とレーザ光源の数との一致・不一致を調べるという処理を繰り返し実行し、矩形波信号の数とレーザ光源の数とが不一致で、変更できる閾値が尽きたときに、前記異常検出処理1を実行するようにしてもよい。
(2)矩形波信号の数がレーザ光源の数と一致しなかった場合に行う処理としては、図4や図7に示す処理以外に、従来のように、レーザ光源に対して点灯指示を出力して前記ポリゴンミラー494に回転動作を行わせる処理を光源単位で行うようにしてもよい。図10(a)は、レーザ光源に対して点灯指示を出力して前記ポリゴンミラー494に回転動作を行わせる処理を光源単位で行う場合に、各レーザ光源から出力されたビーム光にそれぞれ対応して得られた個別BD信号を示し、図10(b)は、図10(a)に示すBD信号に基づいて生成された矩形波信号を示す図であり、この場合、各レーザ光源が正常であると判断される。
また、図10(c)は、レーザ光源に対して点灯指示を出力して前記ポリゴンミラー494に回転動作を行わせる処理を光源単位で行う場合に、或るレーザ光源についてはBD信号が得られなかった状態(点線で表している)を示し、図10(d)は、これに対応して矩形波信号が生成されなかった状態を示しており、この矩形波信号が生成されなかったレーザ光源に異常が発生していると検出される。
(3)前記実施形態では、最初にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光を生成するレーザ光源と、最後にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光を生成するレーザ光源とに異常が発生しているか否かを検出した後に、前記異常検出処理2を行うようにしたが、これに限らず、最初にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光を生成するレーザ光源と、最後にBDセンサ496の受光面を通過するスポット光を生成するレーザ光源とに異常が発生しているか否かを検出することなく、前記異常検出処理2を行うようにしてもよい。
(4)図5に示すように、時間的に連続する2つの個別BD信号(BDセンサ497の受光面上で隣接するスポット光により生成される個別BD信号)が、一方のBD信号の立ち上がりエッジと他方のBD信号の立ち下がりエッジとで交差するような状態の場合には、次のような方法によって異常検出を行うこともできる。
すなわち、BDセンサ496の受光面上において隣接しないスポット光を生成するレーザ光源同士で組を生成して各レーザ光源を組分け(組数は2組に限られない)し、レーザ光源に対して点灯指示を出力して前記ポリゴンミラー494に回転動作を組単位で行わせるようにしてもよい。
例えば図11に示すように、異常検出処理部105は、レーザ光源1〜4をレーザ光源1,3の組(以下、第1の組という)とレーザ光源2,4の組(以下、第2の組という)に組分けし、まず、第1の組において、レーザ光源1,3に点灯指示を出力して前記ポリゴンミラー494に回転動作を組単位で行わせ、その後、第2の組において、レーザ光源2,4に点灯の指示を出力して前記ポリゴンミラー494に回転動作を組単位で行わせる。
図11(a)は、レーザ光源1,3が正常である場合に、レーザ光源1,3のレーザ光を主走査方向における走査を行わせたときに得られるBD信号を示し、図11(b)は、レーザ光源2,4が正常である場合に、レーザ光源2,4のレーザ光を主走査方向における走査を行わせたときに得られるBD信号を示す。
各組において、当該組に属するレーザ光源が正常である場合には、当該組に属するレーザ光源の数とBD信号との数とが一致する。一方、いずれかのレーザ光源に異常が発生している場合、図11(a),(b)に示すBD信号のうち、異常が発生しているレーザ光源に対応するBD信号が欠落する。図11(c)は、レーザ光源3又はレーザ光源4に異常が発生した場合のBD信号の波形を示す図である。このことから、矩形波信号を生成することなく、組ごとに得られたBD信号の数が、当該組に属するレーザ光源の数と一致するか否かに基づいて、異常が発生しているレーザ光源の有無を組毎に調べることができる。
なお、ここでは、レーザ光源の数を4つとしたが、レーザ光源の数は限定されるものではない。また、レーザ光源の組分け方法の他の例としては、例えば、BDセンサ496の受光面上におけるスポット光の並び方向に番号を付した場合に、奇数番号が割り当てられたスポット光に対応するレーザ光源の組と、偶数番号が割り当てられたスポット光に対応するレーザ光源との組とに組分けするようにしてもよいし、或いは、例えば3n(nは整数)で表される番号が割り当てられたスポット光に対応するレーザ光源の組と、3n+1で表される番号が割り当てられたスポット光に対応するレーザ光源の組と、3n+2で表される番号が割り当てられたスポット光に対応するレーザ光源の組とに組分けする方法が想定される。
また、この処理によって、異常が発生しているレーザ光源が存在する可能性があると判断した組については、該組のレーザ光源について、点灯指示を出力して前記ポリゴンミラー494に回転動作を行わせる処理を光源単位で行って、当該組において得られたBD信号の数が、当該組に属するレーザ光源の数と一致するか否かに基づいて、異常が発生しているレーザ光源の有無を調べるとよい。