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JP5015609B2 - 同位体濃縮のボラン類及びそれらの製造方法 - Google Patents
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JP5015609B2 - 同位体濃縮のボラン類及びそれらの製造方法 - Google Patents

同位体濃縮のボラン類及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、約5〜約96個のホウ素原子又はさらに好ましくは約5〜約36個のホウ素原子を含有するボラン化合物を合成する方法を提供する。本発明は、さらに当該の方法によって製造された同位体濃縮のボラン類を提供する。ある様態に於いて、本発明は、10B及び11Bを濃縮したB1822を含む、B1822及びそれを製造する方法に関する。
大きな水素化ホウ素の化合物は、半導体の製造に於いて、ホウ素でドープしたP型の半導体の不純物領域に於ける重要な原料となってきた。さらに具体的には、高分子量の水素化ホウ素化合物、例えば少なくとも5個のホウ素原子クラスターを含有する水素化ホウ素化合物は、ホウ素原子注入用の好ましいホウ素原子供給原料である。
最新の半導体技術に於いては、より微細で、より高速な素子の絶えまない開発が重要となっている。この過程をスケーリングと呼び、リソグラフ処理方法の絶えまない進歩によって推進されており、集積回路を有する半導体基板に於ける造作が更なる微細化に向けてその定義が塗り替えられている。一般に受け入れられているスケーリング理論は、半導体素子製造業者に同時に(即ち、各技術又はスケーリングの節目に)半導体素子設計全般に係る適切なサイズ変更を導入させることにより、普及してきた。イオン注入方法に最も影響するスケーリングとは、接合部の厚み(depth)のスケーリングであり、素子の寸法が小さくなればなるほど、接合部のより浅いものが必要とされようになる。集積回路技術のスケールとして、ますます浅い接合部の必要性は、換言すると「イオン注入エネルギーは、スケーリングの段階毎に減少しなければならない」ということになる。最新の0.13ミクロン以下の素子に要求される極めて浅い接合部は、「超浅接合部」又はUSJsと称される。
ホウ素でドープしたP型接合部を製造する方法は、ホウ素を使用するイオン注入方法の困難さにより阻まれてきた。ホウ素原子は、軽い(分子量=10.8)ので、シリコン基板により深く浸透し、アニーリング又は他の高温工程に於いて基板格子間に迅速に拡散できる。
ホウ素クラスター又はケージといったボラン類は、軽減した浸透性でホウ素を半導体基板に送達するための供給原料として研究されてきた。例えば、同一出願人による2003年6月26日に出願された国際特許出願PCT/US03/20197号に挙げられている様に、式:B(式中、100>n>5、及びm≦n+8である)で表される水素化ホウ素分子をイオン化してホウ素イオンを基板に注入してもよいし、また、前述の注入方法に用いられるイオン源によって基板に注入してもよい。ホウ素イオンの注入法に於いて使用される好ましい化合物には、デカボラン(B1014)及びオクタデカボラン(B1822)が含まれる。
大きな水素化ホウ素の化合物、即ち5〜約100個のホウ素原子(さらに一般的には、10〜約100個又は5〜約25個のホウ素原子)を有するホウ素化合物は、半導体基板にホウ素原子を送達する分子イオン注入法に用いるのに好ましい。一般に、大きな水素化ホウ素の化合物には、2つ又はそれ以上の構造異性体、例えば、同じ化学式で表されるがケージ構造に於いてホウ素原子の構造配置が異なる2つ又はそれ以上の化合物、が存在する。さらに、ホウ素原子の数は同じであるが、水素原子の数が異なる2つ又はそれ以上の構造的に関連性のある水素化ホウ素化合物が、種々のサイズのホウ素クラスターとして単離されている。このような化合物は、通常、クロソ(closo)(B)、ニド(nido)(Bn+2)、アラクノ(arachno)(Bn+4)、ハイフォ(hypho)(Bn+6)、コンジャンクト(conjuncto)(Bn+8)等と言われている。このように、構造異性体及び水素の量が異なっている化合物を含む複数の異種水素化ホウ素が、n個のホウ素分子を有する水素化ホウ素としてよく知られている。種々の巨大多面体のボラン類、並びにn個のホウ素原子及び異なった数の水素を有する公知の化合物についての概説を提供している、例えば、JemmisらのJ. Am.Chem.Soc.、v.123、4313−4323(2001)を参照されたい。
n個のホウ素原子を含む水素化ホウ素の混合物及び構造異性体の混合物は、注入法に使用するのに適している。その理由の一つは、水素化ホウ素混合物のイオン化工程によって生成される分子状イオンが、均一で狭い重量分布を有するからである。
大きな水素化ホウ素の化合物、例えば12個を超えるホウ素原子を有する水素化ホウ素分子を製造する合成技術の現状は、合成方法が複雑で、単離収率が低く、そして/又は再現性に一貫性のないことで、厄介な場合が多い。
KaczmarcyzkのJ.Am.Chem.Soc.v.96、5953−5954(1974)及びGrahamの米国特許第3,350,324号には、陰イオン性のドデカボランの多面体のケージを溶融して巨大多面体のクラスターを生成する方法が記載されているが、例えば、Kaczmarcyzkには、ドデカボラン陰イオンの共役酸を水中で分解し、次いで水酸化テトラメチルアンモニウムを添加して[MeN]4845及び[MeN]2423を生成させることが記載されている。Grahamにも同様の手法が記載されている。
例えば、[B20182−の共役酸の分解によってB1822を製造する方法に関して、1960年代の中頃に幾例かの報告がなされている。しかしながら、これらの文献に開示された合成手法の各々は、再現性がない、又は最終生成物の収率が受け容れられないほど低いものである。
Olsenは、B1822の生成及び探索的な化学反応を「The Journal of the American Chemical Society (J. Am. Chem. Soc. v. 90, 2946-2952 (1968))」で刊行された論文中に記載している。Olsenは、B1822を合成する方法を挙げているが、この方法では、90%の無水エタノールと10%のアセトニトリルの混合溶媒中に溶解された[B20182−陰イオンの塩を、酸性イオン交換カラム中を通過させて、B2018陰イオンの水和共役酸の黄色溶液、例えばH[B2018]・xHOを生成する。溶液は、真空下で濃縮され、最後に残った微量の揮発性溶媒が除去されると、黄色溶液はかなりの量の水素ガスを放出する発熱反応を開始する。約20分後、ガスの放出は止まり、黄色の油状物を得る。真空ライン中でさらに12時間処理した後、黄色の油状物をシクロヘキサンと水の混合物を用いて抽出を実施する。シクロヘキサン層は分液漏斗を使用して水から分離する。シクロヘキサンを除去すると、2種の異性体の混合物であるB1822が得られる。Olsenは、53%の単離収率を報告している。
予備の開示に於いて、Hawthorneは、最初に用いる溶媒と抽出条件を修正した、Olsenの合成の手順と同様の手法を報告している(J. Am. Chem. Soc. 87, 1893 (1965))。即ち共役酸の残留物は、濃縮後、エーテルで抽出され、続く水の添加で沸騰が引き起こされる。Hawthorneは、分別結晶及び昇華による精製後で、B1822の単離収率60%を報告している。
Hawthorneの刊行資料は、さらに[B20182−陰イオンを含む塩の合成のいくつかの方法を報告している。
Chamberlandは、[B20182−陰イオンの塩を酸性イオン交換樹脂中に通すことによる(HO)2B2018・3.5HOの生成に言及している(Inorganic Chemistry v. 3, 1450-1456 (1964))。Chamberlandは、[B20182−陰イオンの共役酸は不安定であり、徐々に分解してB1822及びホウ酸を生成することを教示している。しかしChamberlandは、この手法の収率又は転化率を報告できていない。
Cowenらの米国特許第6,086,837号は、同位体濃縮のデカボランの多段階の合成方法に関するが、その方法は、広範囲の精製工程及びホウ素の中性子捕捉治療薬に於ける濃縮のデカボランの使用を含んでいる。
大きなボランの製造に関して、文献にはいくつかの合成経路が報告されているが、それらは冗長であり、しばしば極めて低い収率での化合物生成となる。かくして水素化ホウ素化合物を合成する新しい方法が望まれている。特に、B化合物(式中、nは5〜48であり、m≦n+8である)、そしてさらに好ましくはB1822、B2024及び関連する大きな水素化ホウ素クラスター分子を合成する新しい方法が望まれている。
(発明の要約)
注目すべきことに、本発明者らは、同位体濃縮の水素化ホウ素化合物を含めた、5〜96のホウ素原子を有する水素化ホウ素の製造方法、さらに好ましくは10〜48のホウ素原子を有する水素化ホウ素の製造の新しい方法を見出した。本発明は、B1822又はB2024及びその同位体濃縮体の合成に特に有用である。本発明は、ホウ素同位元素の比がホウ素の天然存在比からシフトした同位体濃縮のB1822、例えば10B対11Bが19.9:81.1からシフトしたB1822に関する。さらに好ましくは、本発明は、ホウ素原子の少なくとも50%が10Bである、又はホウ素原子の少なくとも90%が11Bである、同位体濃縮のB1822を提供する。
1822の一般的な分子状イオンビームは、2つの天然の同位元素によって変化する質量と共に、分子状イオンから失われる水素の数によって、広い範囲の質量のイオンを含む。半導体製造で使用されるイオン注入装置では、質量選択が可能となるので、B1822に於ける同位体濃縮のホウ素の使用は、質量の広がりを大きく減少させ、それによって望ましい注入種のビーム流を増加させることになる。従って、11B及び10B同位体濃縮のB1822も、大いに関心が持たれている。
本発明によって提供される好ましい合成方法は、各ボランがn個のホウ素原子(5<n<100)を含む中性のボラン又はボラン混合物を生成する。好ましい合成方法は、実質的に均一な化学組成を有する生成混合物を生成する、例えば好ましい合成方法は、一つ又はそれ以上の構造異性体として存在する、式:Bの化合物を提供する。いくつかの他の態様では、その各々がn個のホウ素原子及び異なった数の水素原子を含むボランの混合物を提供する合成方法も、本発明では考慮されている。というのは、そのような種々のn個のホウ素原子のボランの混合物は、注入工程でのイオン化の時に、式:Bの単一のボランを含むボラン組成物と実質的に同一の分子状イオン混合物を生成するからである。このように、B、B等(式中、m≠pであるが、好ましくはm及びpの絶対値差が約8未満である。)のような2つ又はそれ以上のボラン化合物を提供する方法も、本発明では考慮されている。
合成方法は、式:M[B](式中、10≦a≦100であり、cは正の整数で、一般的にcは1〜約6である)の巨大多面体のボラン塩の共役酸の分解によるボラン及びボラン混合物の製造を意図する。少なくとも5個のホウ素原子を有する少なくとも1価の負に荷電した水素化ホウ素種を含むいかなる陰イオン性の水素化ホウ素塩も、本発明の合成方法に於ける出発物質として用いるのに適している。式:M[B]の好ましいボラン種としては、cが1〜5又はそれ以上、好ましくはcが1、2、又は3であり、そして10≦a≦100であるボラン種が挙げられる。
ある様態において、本発明は、各ボランがn個のホウ素原子を有する、ボラン又はボランの混合物を合成する方法であって、その方法が
(a)式:[Bc−のボラン陰イオンと少なくとも1つの溶媒の混合物を、酸性イオン交換樹脂に接触させて、H[B]又はその水和物を生成する、
(b)H[B]又はその水和物を含む混合物を減圧下で濃縮することによって、少なくともH[B]又はその水和物の一部を分解して、式:Bの少なくとも1つのボランを生成する、
(c)生成物のボランBから残留ボラン陰イオンを分離する、
(d)工程(c)で回収された残留ボラン陰イオンに対して、工程(a)〜(d)を繰り返す、(上記式中、nは5〜96の整数、a>n、b≦a+8、cは1〜8の整数、そしてm≦n+8である)
工程を含む方法を提供する。
n個のホウ素原子及びm個の水素原子を有するボラン又はその各々がn個のホウ素原子を含むボランの混合物を合成する、いくつかの好ましい方法が、図1のフローチャートに模式的に表わされている。式中、n<a、b≦a+8、m≦n+8、1≦c≦6であり、そしてMは1価又は2価の陽イオンである。
本発明の好ましい方法は、異性体として実質的に純粋なBボラン、Bボランの構造異性体の混合物、及び各々Bボランは、さらに構造異性体の混合物からなるn個のホウ素原子及び異なった数の水素原子を有するボランの混合物、を製造するのに適している。即ち、本発明の方法は、生成物Bボラン及び[Bc−陰イオン塩の中の、ホウ素原子の数によって、その混合物が、狭い質量分布を有する分子状イオンビームを生成することができる、n個のホウ素原子を有するボラン種の混合物を提供する。
特に、本発明の好ましい方法は、(a)式:[Bc−の水素化ホウ素陰イオンのヒドロニウムイオン塩を生成すること;(b)そのヒドロニウムイオン塩又はその水和物(例えば、H[B]・xHO)の少なくとも一部を、ヒドロニウムイオン塩の乾燥及び/又は脱水を導く条件下(例えば、減圧雰囲気への露出、乾燥剤への暴露、又は乾燥ガス流への露出、など)で分解して、中性の水素化ホウ素(B)を生成すること;(c)残留水素化ホウ素陰イオン[Bc−から生成物の中性の水素化ホウ素Bを分離すること;及び(d)工程(c)で分離され、回収された水素化ホウ素陰イオン[Bc−に対して、工程(a)〜(c)を繰り返すことを含む。
上記工程(b)に用いる適切な好ましい分解条件は、特に限定されない。理論により束縛されたくはないが、水和されたヒドロニウムイオン塩(H[B]・xHO)(ここでxは正の実数)から水又は他の溶媒の除去を導く条件は、ヒドロニウムイオンの少なくとも一部の分解を促すのにも適している。一般的に好ましい分解条件は、水和ヒドロニウムイオン塩(H[B]・xHO)を、減圧雰囲気下、乾燥ガス流下、又は例えばモレキュラーシーブ、五酸化リン、アルミナ、シリカ、珪酸塩などの1つ又はそれ以上の乾燥剤、又はそれらの組合せの乾燥剤下に、保持することを含む。特に好ましい合成方法は、水和ヒドロニウムイオン塩(H[B]・xHO)を減圧雰囲気下で、少なくとも約0℃の温度(又はさらに好ましくは約20℃〜約150℃、又は約20℃〜約100℃の温度)で保持する工程(b)の分解条件を含む。
本発明の好ましい様態に於いて、水素化ホウ素陰イオン[Bn+2mー42−のアンモニウム塩の溶液が酸性イオン交換樹脂に接触して、それに相当するヒドロニウム塩(H[Bn+2mー4])又はヒドロニウム塩水和物(H[Bn+2mー4]・xHO)を生成する。ヒドロニウム塩を含む溶液は、減圧下に濃縮されて、溶媒を除去し、少なくとも一部のヒドロニウム塩を分解し、それにより水素ガス、ホウ酸、及び中性の水素化ホウ素(B)を生成する。中性の水素化ホウ素(B)及び残留の水素化ホウ素陰イオン[Bn+2mー42−は、二相抽出によって分離される。残留の水素化ホウ素陰イオン[Bn+2mー42−は、分離の水相から回収され、酸性イオン交換樹脂に再度通して、更なる中性の水素化ホウ素(B)を生成する。特に好ましい合成は、[B20182−からB1822、又は[B22202−からB2024を提供する。
本発明の好ましい様態に於いて、水素化ホウ素陰イオン[Bn+2mー42−のアンモニウム塩の溶液が酸性イオン交換樹脂に接触して、それに相当するヒドロニウム塩(H[Bn+2mー4])又はヒドロニウム塩水和物(H[Bn+2mー4]・xHO)を生成する。ヒドロニウム塩を含む溶液は、減圧下に濃縮されて、溶媒を除去し、少なくとも一部のヒドロニウム塩を分解し、それにより水素ガス、ホウ酸、及び中性の水素化ホウ素(B)を生成する。中性の水素化ホウ素(B)及び残留の水素化ホウ素陰イオン[Bn+2mー42−は、残留物を炭化水素溶媒で抽出し、濾過することによって分離される。残留水素化ホウ素陰イオン[Bn+2mー42−は、アセトニトリルへの溶解によって残りの残留物から回収され、酸性イオン交換樹脂に再度通して、更なる中性の水素化ホウ素(B)を生成する。特に好ましい合成は、[B20182−からB1822、又は[B22202−からB2024を提供する。
本発明によって提供される他の好ましい合成方法は、10〜96個のホウ素原子を有する陰イオン性ボランを含む少なくとも1つの塩を用いる合成方法を含む。適したボラン塩のいくつかの非制限的な例は、例えば、Kaczmarczykの「J. Am. Chem. Soc., v. 96, 5953 (1974)」、Jemmisらの「J. Am. Chem. Soc., v. 123, 4313-4323 (2001)」、Spielvogelの「米国特許第6,525,224号」、Wieremaらの「Inorganic Chemistry, v. 8, 2024 (1969)」、Grahamの「米国特許第3,350,324号」、及びN.N.Greenwood及びA.Earnshawの「Chemistry of the Elements, Chapter 6, Butterworth and Heinemann (1986)」に開示されており、その各々は、10〜48個のホウ素原子を有するボラン陰イオンを含む少なくとも1つの塩を列挙している。
水素化ホウ素化合物Bを、高単離収率(>50%)及び少ない合成手順で提供する合成の方法は、同位体濃縮の化合物、例えば10Bの同位元素濃度が50%若しくはそれ以上又は11Bの同位元素濃度が90%若しくはそれ以上である化合物、の製造に用いるのに適している。同位体として実質的に純粋な又は同位体濃縮の10B又は11Bを含む水素化ホウ素化合物の製造に於いて、ある部分、合成の工程数が限られている、効率的に同位体含量が維持されている(mass efficiency)、そして合成の総合収率が高い、ことで本発明の合成方法が実用的なものとなっている。
本発明はさらに、同位体濃縮のオクタデカボラン化合物(B1822)、及び本発明の方法によって製造された他の大きな水素化ホウ素の化合物を提供する。さらに詳しくは、本発明は、オクタデカボラン化合物(B1822)、及びホウ素原子の少なくとも50%が10Bである他の大きな水素化ホウ素の化合物又はホウ素原子の少なくとも90%が11Bである化合物、を提供する。
本発明の他の様態は、下記で議論される。
(発明の詳細な説明)
注目すべきことに、我々は、分子状イオンの注入によって基板にホウ素原子を注入する方法の原料として有用である、B1822及び関連する大きな水素化ホウ素の化合物を含む、水素化ホウ素の製造の新しい方法を見出した。
一つの好ましい様態に於いて、本発明は、n個のホウ素原子及びm個の水素原子を有するボランを合成する方法であって、その方法が、
(a)式:[Bn+2mー42−のボラン陰イオンと少なくとも1つの溶媒の混合物を、酸性イオン交換樹脂に接触させて、H[Bn+2mー4]を生成する、
(b)H[Bn+2mー4]・xHOを含む混合物を濃縮し、乾燥することによって、少なくともH[Bn+2mー4]・xHOの一部を分解して、Bを生成する、
(c)生成物のボランBから残留のボラン陰イオンを分離する、
(d)工程(c)で回収された残留ボラン陰イオンに対して、工程(a)〜(c)を繰り返す、(上記式中、nは5〜48の整数、m≦n+8、そしてxは負でない実数である)
工程を含む方法を提供する。
n個のホウ素原子及びm個の水素原子を有するボランを合成する、ある好ましい方法が、図2のフローチャートに模式的に表わされる。
本発明の好ましい方法は、12〜36個、12〜24個、14〜約22個、さらに好ましくは16、18、20又は22のホウ素原子を有する水素化ボランの合成の方法を提供する。本発明によって提供される合成の特に好ましい方法は、式:[Bn+2mー42−のボラン陰イオンが[B20182−であり、また式:Bの水素化ホウ素がB1822であるか、又は式[Bn+2mー42−のボラン陰イオンが[B22202−であり、また式:Bの水素化ホウ素がB2024であるものを含む。
他の好ましい様態に於いて、本発明は、同位体濃縮のB(式中、5≦n≦48であり、m≦n+8である)を含む、同位体濃縮の水素化ホウ素化合物の合成方法を提供する。従って、本発明は、B中に存在するホウ素原子の少なくとも約50%が10Bである、B中に存在するホウ素原子の少なくとも約80%が10Bである、B中に存在すホウ素原子の少なくとも約90%が10Bである、B中に存在するホウ素原子の少なくとも約95%が10Bである、又はさらに好ましくはB中に存在するホウ素原子の少なくとも約99%が10Bである、同位体濃縮のBの製造方法を提供する。さらに本発明は、B中に存在すホウ素原子の少なくとも約90%が11Bである、B中に存在するホウ素原子の少なくとも約95%が11Bである、又はさらに好ましくはB中に存在するホウ素原子の少なくとも約99%が11Bである、同位体濃縮のBの製造方法を提供する。
n個のホウ素原子及びm個の水素原子を有するボランを合成する好ましい方法は、工程(a)〜(c)が少なくとも1回繰り返される方法を含む。さらに好ましくは、工程(a)〜(c)が約2回〜約20回繰り返され、約3回〜約12回繰り返される、又は工程(a)〜(c)が4、5、6、7、8、9又は10回繰り返される。
本発明の方法に適した[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの塩を溶解するのに好ましい溶媒として、[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの塩及びそれらの共役酸を溶解できる溶媒又はその混合物が挙げられる。特に、本発明の方法に適したいくつかの好ましい溶媒として、アルコール類、ニトリル類、オキシラン類、エーテル類、エステルホルアミド類、アセトアミド類、スルホン類及びそれらの混合物が挙げられる。さらに好ましくは、溶媒は、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等の1〜6炭素原子を有するアルコール)、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン若しくはそれらの混合物、又はさらに好ましくは、メタノール、エタノール若しくはアセトニトリルの混合物である。[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの塩を溶解する特に好ましい溶媒は、メタノール、エタノール(無水エタノール及びエタノールの水かベンゼンとの共沸混合物を含む)、テトラヒドロフラン、アセトニトリル(若しくはアセトニトリル/水の溶液)、及び無水又は微量若しくは残留水を含んでいてもよいそれらの混合物である。いくつかの好ましい溶媒として、約50容積%〜約99容積%のエタノールと約50容積%〜約1容積%のアセトニトリルを含むエタノール/アセトニトリル混合物、又はさらに好ましくは、約80容積%〜約95容積%のアセトニトリルと約20容積%〜約5容積%のアセトニトリルを含むエタノール/アセトニトリル混合物が挙げられる。
本発明の方法に用いる適切な[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオン塩の溶液濃度は、特に限定されない。従って、塩の溶液の好ましい濃度は、[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの塩、中間ヒドロニウム塩(H[B]又はH[Bn+2mー4]及びその水和物)、及び生成物Bボランが溶解できる濃度を包む。特に、[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの塩の溶液の濃度は、約0.0001M〜飽和溶液、さらに好ましくは、約0.001M〜約0.5M又は約0.005M〜約0.1Mの濃度である。
ボラン陰イオンの陽イオンをプロトンに交換することが可能な酸性イオン交換樹脂はいずれも、本発明によって提供されるn個のホウ素原子及びm個の水素原子を有するボランを合成する方法に用いるのに適している。好ましい酸性イオン交換樹脂として、ボラン塩の陽イオンをプロトンに交換することの可能な多数の酸性官能基を有する架橋された、溶媒に不溶の樹脂を含む。いくつかの好ましい酸性イオン交換樹脂は、多数のスルホン酸残基を含有する芳香族又は一部に芳香族のあるポリマーを含み、さらに好ましくは、架橋した、芳香族又は一部に芳香族のあるポリマーを含む。特に好ましい酸性イオン交換樹脂は、種々の市販の、例えばアンバーライトなどの、架橋スルホン化ポリスチレン樹脂を含む。
本発明の他の様態に於いて、酸性イオン交換樹脂は、非ポリマー酸によって置換されていてもよい。特に、酸性イオン交換樹脂は、約2未満のpKaを有する非ポリマー酸によって置換されていてもよい、さらに好ましくは、酸性イオン交換樹脂は、約1未満又は約0よりも小さいpKaを有する非ポリマー酸によって置換されている。いくつかの好ましい2未満のpKaを有する非ポリマー酸は、鉱酸、硫酸、リン酸、式:RSOH(但し、Rはアルキル、ハロアルキル、アリール、又はアラルキル)のスルホン酸、及びそれらの混合物を含む。特に好ましい2未満のpKaを有する非ポリマー酸として、塩酸、臭酸、ヨウ酸、フッ酸、過塩素酸、硫酸、リン酸、トルエンスルホン酸(パラ−トルエンスルホン酸、メタ−トルエンスルホン酸、オルソ−トルエンスルホン酸、及びそれらの混合物を含む)、トリフルオロメタンスルホン酸(triflic acid)、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸等が挙げられる。
好ましくは、[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの塩溶液は、少なくとも1当量の酸、さらに好ましくは、2又はそれ以上のモル当量の酸と接触させる。即ち、[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの塩溶液を、十分な量の酸性イオン交換樹脂と接触させ、[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの中性のヒドロニウム塩を生成する。さらに好ましくは、[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの塩溶液は、約2〜約10モル当量の酸、又は約2〜約9、8、7、又は6モル当量の酸と接触させ、さらに好ましくは、[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの塩の溶液は、約2〜約5モル当量の酸と接触させる。
本発明の方法の合成工程が実施される温度は、一般的には、各合成工程の溶媒又は溶媒混合物の凝固点及び沸点の範囲以内である。従って例えば、[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの塩溶液が、酸性イオン交換樹脂と接触する温度は、一般的には、溶媒(類)の凝固点及び沸点によって規定される温度範囲内である。工程(a)の好ましい温度は、[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの塩及びそれらのヒドロニウム塩(例えばH[B]又はH[Bn+2mー4]及びそれらの水和物)が溶解する温度を含み、好ましくは、約−20℃〜約100℃の温度を含む。工程(a)のさらに好ましい温度は、約−10℃〜約80℃、約0℃〜約70℃、又は室温若しくはそれに近い温度範囲(例えば約15℃〜約25℃)である。
[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの塩溶液とイオン交換樹脂の接触は、(例えば塩溶液が酸性イオン交換樹脂で充填されたカラムを通過するような)連続的なフロー配置、又は(例えば[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの塩溶液と酸性イオン交換樹脂の混合物が容器中で混合されるような)バッチ式工程で、実施できる。十分な接触時間の後、樹脂は塩溶液から分離される。
連続的なフロー配置は、一般的に、デザインの簡潔さ、分離の容易さ、及びイオン交換再生の容易さによって、好ましい。一般的には、塩溶液は、酸性イオン交換樹脂で充填されたカラムを、塩溶液の各部分が樹脂と接触し、例えば溶液が、規定された時間の間カラム中に「滞留」する様に、通過する。好ましくは、カラム中の溶液の滞留時間は、約1秒〜約24時間である。さらに好ましくは、溶液の滞留時間は、約5秒〜約12時間、約15秒〜約8時間、約30秒〜約4時間、又は約1分〜約2時間である。
[B]・xHO、又はH[Bn+2mー4]・xHO(式中、xは負でない数である)のヒドロニウム塩の分解は、酸又は酸性イオン交換カラムと接触した混合物からの、実質的に全ての溶媒(類)及び水和水(例えばx当量の水)の除去後に起こる。溶媒の除去後に、残留物が減圧下に少なくとも約30分間維持され、その間にヒドロニウム塩の分解が、水素ガスの放出と共に起こる。一般的には、残留物が減圧下に少なくとも1時間維持され、さらに好ましくは残留物が減圧下に約1時間〜約48時間、さらに好ましくは残留物が減圧下に約2時間〜約36間時間維持される。分解時の温度は特に限定されないが、本発明の方法では、分解が約0℃〜約200℃、約10℃〜約150℃、又はさらに好ましくは約15℃〜約100℃の温度で実施されるのが好ましい。
ここで使用される「真空中(in vacuo)」、「減圧下で(under reduced pressure)」又は「減圧」という語は、反応器又は容器内の圧力を大気圧よりも低くすることを言う。一般的には、好ましい圧力は、約500mmHg又はそれ以下、さらに好ましくは約250mmHg未満、約100mmHg未満、約50mmHg未満、約10mmHg未満、約1mmHg未満、約0.1mmHg未満、約0.01mmHg未満(即ち、約10ミリトール未満)、約1ミリトール未満、又は約0.1ミリトール未満を含む。「真空中」という用語によって意図される一般的に好ましい圧力は、1mmHg未満の圧力、及び約1ミリトール未満の圧力を含む。
残留の[Bn+2mー42−陰イオンの少なくとも1つの塩からの生成物ボラン(B)の分離は、合成有機化学又は無機化学で使用される標準的な分離技術によって効果的に実施され、抽出、部分晶析、クロマトグラフィー、昇華、又はそれらの組合せを含む。本発明の合成方法に用いるのに適した、好ましい分離方法として、二相流体を使用する抽出がある。即ち、ヒドロニウム塩H[Bn+2mー4]又はH[Bn+2mー4]・xHOの部分的又は完全な分解後の残留物は、残留の[Bn+2mー42−陰イオンの塩が水相に溶解され、そして生成物のボラン(B)が有機相に溶解されて、水相及び有機相を含む二相混合物中に溶解される。次いで有機及び水相が分離される。本発明の合成方法に用いるのに適した他の好ましい分離方法として、炭化水素溶媒を使用して残留物を抽出して、そしてスラリーを濾過する方法がある。即ち、ヒドロニウム塩H[Bn+2mー4]又はH[Bn+2mー4]・xHOの部分的又は完全な分解後の残留物は、スラリーの沈殿物を含んでおり、生成物ボランBは炭化水素相に溶解される。有機相は濃縮されて、生成物ボランBが得られる。
分離工程に用いるのに適した好ましい有機流体は、直線状、分岐状、及び環状炭化水素類、アルキルエーテル類、ハロアルカン類、エステル類、並びにそれらの混合物を含む。さらに好ましくは、適した有機流体は、直線状及び分岐状C−C16アルカン類、石油エーテル、0〜3個のアルキル基で置換されていても良いC−Cシクロアルカン類、C−Cアルキルエーテル類、C−Cアルキル酢酸エステル類、並びにそれらの混合物からなる群より選ばれる。他の好ましい有機流体は、ペンタン、ヘキサン、ヘキサン類、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジエチルエーテル、石油エーテル、及びそれらの混合物から選ばれる。ハロゲン含有流体は、本発明の方法に用いるように意図されるが、ボラン及びハロゲン化溶媒の混合物が衝撃感受性の化合物を潜在的に生成する態様では、一般に使用されない。
二相分離の水相からの残留ボラン[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの回収は、好ましくは、ヒドロニウム塩H[B]・xHO又はH[Bn+2mー4]・xHOの、水に不溶又は僅かに可溶性の塩形体への転化によって起こる。[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの好ましい水に不溶又は僅かに可溶性の塩は、式:[NR[B]又は[NR[Bn+2mー4]のアンモニウム塩(式中、R、R、及びRは、アルキル及びアラルキルからなる群よりそれぞれ独立して選ばれ、Rは、水素、アルキル、又はアラルキルから選ばれる)を含む。
好ましい態様に於いて、ヒドロニウム塩H[B]又はH[Bn+2mー4](又はその水和物)をアンモニウム塩に転化するに十分な量のNR又は[NR]X(式中、Xは陰イオンである)が、水層に添加される。得られるアンモニウム塩は、ヒドロニウム塩より溶解性が小さく、沈殿する。回収された[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンのアンモニウム塩は、本発明の方法の工程(a)〜(c)に供して再度処理できる。
ある態様に於いて、第3級アミンは、(NR)(式中、R、R及びRは、C1−20アルキル、C6−10アリール、C7−10アラルキルからなる群よりそれぞれ独立して選ばれる、あるいはR、R又はRの何れか2つが結合して複素環を形成する)によって表わされる。
ある好ましい態様に於いて、第4級アンモニウム塩は、[NR]X(式中、R、R及びRは、C1−20アルキル、C6−10アリール、C7−10アラルキルからなる群よりそれぞれ独立して選ばれる、あるいはR、R又はRの何れか2つが結合して複素環を形成し;Rは、水素、C1−20アルキル又はC6−10アリールから選ばれ;そして、Xは陰イオンである)によって表わされる。
残留[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの回収に適した、好ましい第3級アミンは、式:NRの化合物(式中、R、R及びRは、C1−6アルキル基からなる群よりそれぞれ独立して選ばれる、あるいはR、R又はRの何れか2つが結合して複素環を形成する)を含む。
[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの回収に好ましいアンモニウム塩が、式:[NR]Xの化合物(式中、R、R及びRは、C1−6アルキル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、あるいはR、R又はRの何れか2つが結合して複素環を形成し;
は、水素、C1−6アルキルからなる群から選ばれ;そして、Xは、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素、サルフェート、ビサルフェート、ホスフェイト(ハイドロジェンホスフェイト、ジハイドロジェンホスフェイトを含む)、ヘキサフルオロホスフェイト、テトラフルオロボレイト、テトラアリールボレイト(好ましくは、テトラフェニルボレイト、テトラ(4−トリフルオロメチルフェニル)ボレイト、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレイト等)、アリールスルホネート(好ましくは、ベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸等)、又はカルボネートを含む。
好ましいリサイクル工程は、残留ボラン[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの少なくとも約80%の回収を提供する。さらに好ましくは、残留ボラン[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの少なくとも約85%又は約90%の回収となる。好ましくは、アミン又はアミン塩は、水に不溶又は僅かに可溶である塩を与える様に選択される。ある好ましい態様に於いて、過剰の塩化トリエチルアンモニウムは、残留ボラン[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの約90%の回収を提供する。
さらに本発明は、B1822を合成する方法を提供し、その方法は、
(a)[B20182−塩と少なくとも1つの溶媒の混合物を酸性イオン交換樹脂に接触させて、H[B2018]、H[B2018]・xHO又はそれらの混合物を生成する、
(b)H[B2018]・xHOを含む混合物を減圧下で濃縮し、乾燥することによって、少なくとも一部のH[B2018]、H[B2018]・xHO又はそれらの混合物を分解して、B1822を含む残留物を生成する、
(c)残留物を、水及び少なくとも1つの水と非混和性の流体で抽出して、水溶液及び水に非混和性の溶液を生成する、
(d)水溶液を、アルキルアミン又はアルキルアンモニウム塩に接触させて、(B20182−塩を沈殿させる、そして
(e)工程(a)〜(d)を少なくとも1回繰り返す、
工程を含む。
1822を合成する好ましい方法は、工程(a)〜(d)が少なくとも1回繰り返される方法を含む。さらに好ましくは、工程(a)〜(d)が約2回〜約20回、約3回〜約12回繰り返され、又は工程(a)〜(d)が約4、5、6、7、8、9、又は10回繰り返される。
1822を合成するある好ましい方法は、
(a)(B20182−の塩を供給する、
(b)(B20182−塩を、少なくとも1つの非水溶媒に於けるスラリー、水溶液、又は少なくとも1つの非水溶媒中の溶液のような、自由な形態で、(B20182−塩の共役酸の生成を導く条件下で酸に接触させる、
(c)(B20182−塩の共役酸の少なくとも一部の分解を導く条件下で、(B20182−塩の共役酸を含む溶液の揮発性成分を除去する、
(d)残留物を、水及び少なくとも1つの水と非混和性の流体で抽出して、水溶液及び水と非混和性の溶液を生成する、
(e)水溶液を、アミン又はアンモニウム塩に接触させて、(B20182−塩を沈殿させる、
(f)工程(b)〜(e)を少なくとも1回繰り返す、そして
(g)非水溶液を合わせて濃縮し、B1822塩を産出する、
工程を含む。
1822を合成する好ましい方法は、工程(b)〜(e)が少なくとも1回繰り返される方法を含む。さらに好ましくは、工程(b)〜(e)が約2回〜約20回、約3回〜約12回繰り返され、又は工程(b)〜(e)が約4、5、6、7、8、9、又は10回繰り返される。
1822を合成するある好ましい方法は、
(a)(B20182−の塩を供給する、
(b)(B20182−塩を、少なくとも1つの非水溶媒に於けるスラリー、水溶液、又は少なくとも1つの非水溶媒中の溶液のような、自由な形態で、(B20182−塩の共役酸の生成を導く条件下で酸に接触させる、
(c)(B20182−塩の共役酸の少なくとも一部の分解を導く条件下で、(B20182−塩の共役酸を含む溶液の揮発性成分を除去する、
(d)残留物を、ヘキサン類、又はホウ酸の副生成物が不溶である他の適した炭化水素溶媒で抽出する、
(e)さらにB1822が生成されなくなる迄、工程(c)及び(d)を繰り返す、
(f)残留物を、アセトニトリルに接触させて、B2018 2−含有塩を溶解する、
(g)工程(b)〜(f)を少なくとも1回繰り返す、そして
(h)炭化水素溶液を合わせて濃縮し、B1822を産出する、
工程を含む。
1822を合成する好ましい方法は、工程(b)〜(f)が少なくとも1回繰り返される方法を含む。さらに好ましくは、工程(b)〜(f)が約2回〜約20回、約3回〜約12回繰り返され、又は工程(b)〜(f)が約4、5、6、7、8、9、又は10回繰り返される。
本発明は、さらに同位体濃縮のホウ素を含むB1822を提供する。同位体濃縮のB1822を含む同位体濃縮の水素化ホウ素は、同位元素濃縮された化合物が、より狭い質量分布を有しているので、イオン注入工程のための好ましい原料である。従って本発明は、B1822中に存在するホウ素原子の少なくとも約50%が10Bである、B1822中に存在するホウ素原子の少なくとも約80%が10Bである、B1822中に存在するホウ素原子の少なくとも約90%が10Bである、B1822中に存在するホウ素原子の少なくとも約95%が10Bである、又はさらに好ましくは、B1822中に存在するホウ素原子の少なくとも約99%が10Bである、同位体濃縮のB1822を提供する。本発明は、さらにB1822中に存在するホウ素原子の少なくとも約90%が11Bである、B1822中に存在するホウ素原子の少なくとも約95%が11Bである、又はさらに好ましくは、B1822中に存在するホウ素原子の少なくとも約99%が11Bである、同位体濃縮のB1822を提供する。
残留の[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンを回収できる、いかなる方法も、本発明の方法に用いるのに適している。しかしながら、二相抽出の時に生成された水溶液に、過剰のトリアルキルアミン、ハロゲン化トリアルキルアンモニウム又はハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを添加することによって、[Bc−又は[Bn+2mー42−陰イオンの塩の沈殿を促すことは、好ましい回収方法である。
本発明の好ましい合成は、[B20182−のアンモニウム塩から、単一の異性体又は構造異性体の混合物として生成される、中性のB1822の製造を含む。一般的には、[B20182−のトリエチルアンモニウム塩又はテトラアルキルアンモニウム塩及び少なくとも1つの有機溶媒の溶液を、酸性イオン交換樹脂に接触させて、共役酸H[B2018]・xHO、例えば[B20182−のヒドロニウム塩を生成する。溶媒の除去及びH[B2018]・xHOの分解は、B1822及びH[B2018]・xHOの混合物を産出し、それらは水/炭化水素抽出によって分離された。水素化ホウ素B1822は有機相から回収された。残留する[B20182−陰イオンは、アンモニウム塩への転化により最小の質量ロスで回収され、続いてそれを酸性イオン交換樹脂に再度接触させて、減圧下で分解した。反復操作を多数繰り返して、中程度から高い収率で実質的に純粋のB1822が得られた。
好ましい方法に於いて、固体の残留物は、水相を除いた炭化水素系の溶媒のみを使用して、抽出することができる。予備抽出の後、残留物は、更にある時間真空に保持して、更に生成物が抽出される。もはやB1822が生成されなくなると、残留物は、アセトニトリルに溶解され、酸性イオン交換樹脂で処理し、望ましい収率に達する迄、その工程が繰り返される。この方法では、しばしば「油状」になり、単離することが困難となるアンモニウム塩を沈殿させることが必要でなくなる。
本明細書で使用されている、「ボラン」又は「水素化ホウ素」は、ホウ素及び水素を含有している化合物を言う。更に詳細には、ボラン又は水素化ホウ素は、式:B(式中、5≦n≦100及びm≦n+8であり、m及びnは巨大多面体のボラン類の電子価数規則(the electron counting rules)を満たしている)の水素化ホウ素化合物を意味するよう意図される。ある態様に於いて、追加の元素が、水素化ホウ素化合物中に存在し得るが、一般的に中性の水素化ホウ素化合物は、本質的にホウ素及び水素からなる。ボラン及び水素化ホウ素という用語は、式:Bの化合物の、異性体として実質的に純粋なボラン、立体異性体の混合物、ジアステレオマー及び構造異性体、並びに式:B(m)i(式中、iは異なるボラン類に対応する数であり、そして(m)iは、iボラン化合物の各々に於ける、同一でも異なっても良い水素原子の数である)のボラン類の混合物を包含するように意図されている。水素化ホウ素陰イオンを含む塩は、安定な遊離塩を形成することができる陽イオン種から選ばれる陽イオンを含む。好ましい陽イオンは、1価及び2価の陽イオンを含み、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、及びトリアルキルアンモニウム及びテトラアルキルアンモニウム陽イオンなどのアンモニウム陽イオンが挙げられる。
本明細書で使用される様な、「アルキル」という用語は、好ましくは1〜20の炭素原子、最も好ましくは1〜10の炭素原子(「低級アルキル」)、を有する1価の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基を示す。この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ヘキシル、2−メチルプロピル、3−メチルブチル等の基によって例示される。
本明細書で使用される様な、「シクロアルカン」という用語は、3〜約10個の環状炭素原子、又はさらに好ましくは5〜8個の、又は5〜7個の、環状炭素原子を有する環状脂肪族炭化水素を言う。シクロアルカンは、1つ又はそれ以上のアルキル基の置換基で置換されても良い。この用語は、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の化合物によって例示される。
本明細書で使用される様な、「アラルキル」という用語は、少なくとも一つのアリール基で置換された1価の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基を言う(式中、「アリール」という用語は、フェニル、ビフェニル、1−ナフチル及び2−ナフチルのような芳香族環中に炭素のみを含有する芳香基を表わす)。具体的には、好ましいアラルキル基は、ベンジル、ナフチルメチル、フェネチル、2−フェニルエチル等を含む。
本明細書で使用される様な、「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを言う。
1つ又はそれ以上の置換基を含有する上記の基のいずれに関しても、このような基は、立体的に実現可能でない、又は合成上実用的でない置換基又は置換の様式を含まないことが、当業者によって理解される。
1822を製造するOlson及びHawthorneによって報告された手法は、[B20182−陰イオンのアンモニウム塩(一般的には、トリアルキルアンモニウム又はテトラアルキルアンモニウム塩)を無水エタノール又は無水エタノールとアセトニトリルの90:10混合物に溶解し、溶液を酸性イオン交換カラムに通過させ、プロトン化した[B20182−陰イオンを分解すること、を含む。文献の合成手法は、B1822の単離収率として53%及び60%を列挙している。しかし、本出願人は報告された単離収率を再現することができず、ほんの少量の所望の生成物を得たのみである。無水溶媒の使用、イオン交換カラムの乾燥、溶媒−水の組合せ等を含めて、文献の多数の変動させた条件を検討したが、単離されたB1822の収率に何ら改善がなかった(一般的には、理論収率の約12%)。非常に大きなカラムにより大量の塩溶液を通過させたが、常に低い収率であった。文献に記された手法は、報告された収率ではボランを製造しないと、我々は結論付けた。具体的に言うならば、これらの手法は、ボランの50%以上の収率を一貫して得る方法を教示していない。
驚くべきことには、有機溶媒の分離後の水溶液を、(トリエチルアミンのような)塩基で中和する、又は追加の塩化トリエチルアンモニウムを添加すると、水溶液から[B20182−陰イオンの塩が沈殿することが見出された。この塩は、最初の溶媒(無水エタノールとアセトニトリルの90:10混合物)に再溶解させ、酸性イオン交換カラムに通過させ、最初の抽出と同じ手法により処理すると、B1822生成物の次のバッチを提供する。この水溶液のリサイクリングは、残留出発物質が消費尽くされる迄繰り返すことができる。B1822の50%を超える総合収率が、この新規な方法により得られる。
好ましい方法に於いて、固体の残留物は、水相を除いた炭化水素系の溶媒のみを使用して、抽出される。予備抽出の後、残留物は、更にある時間真空に保持して、更に生成物が抽出される。もはやB1822が生成されなくなると、残留物は、アセトニトリルに溶解され、酸性イオン交換樹脂で処理し、望ましい収率に達する迄、その工程が繰り返される。この方法では、しばしば「油状」になり、単離することが困難となるアンモニウム塩を、沈殿させることが必要でなくなる。
本発明は、現に一般的に記載されており、次の実施例を参照することによってさらに容易に理解されるであろうが、それらは、本発明のいくつかの態様及び実施態様の例示の目的のためにのみ含まれるのであり、本発明を限定すべく意図されるのではない。
(EtNH)[B2018](33g、75.3mmol)の1500mLの無水エタノールとアセトニトリル(容積比は90:10)溶液を調整し、次いでOlsen(J. Am. Chem. Soc., v. 90, 3946-3952 (1968))に記載されている様に、500gの酸性イオン交換カラム中を通過させた。Olsenにより提供された手法に従って、2.07g(9.58mmol)のB1822が、粘性の黄色油状物のシクロヘキサン−水抽出液のシクロヘキサン部分から得られた。水溶液及び残留物を、過剰の塩化トリエチルアンモニウムで処理すると、再生した(EtNH)[B2018](26.5g、60.5mmol)の多量の沈殿が生じた。このようにして、酸性イオン交換(カラム)の最初の通過で、目的の水素化ホウ素化合物B1822(12.7%収率)及び出発物の塩(EtNH)[B2018](80.3%回収)が得られた(出発物質の7.6%損失に相当する)。回収された(EtNH)[B2018]を無水エタノールとアセトニトリル(容積比は90:10)混合物へ再溶解し、そして再生の酸性イオン交換カラムを通過させると、新たな生成物(計算値7.5mmol)が得られた。引き続いてリサイクルされた(EtNH)[B2018]の、再生された酸性イオン交換カラムの通過により、リサイクルの出発物質の減少及びそれに相当する生成物を得た。6回の繰り返しの後、合わせて50%収率のB1822が単離された。
理論により束縛されたくないが、得られたデータは、規定の能力の酸性イオン交換カラムによる最大生産効率のためには、カラム中の各通過は、最大量の出発物質により行なわれるのが良い、ことを示している。
(EtNH)[B2018](52.7g、120.1mmol)を320mLの混合液(15:1のアセトニトリルと水の混合物)に溶解した溶液を、300gの酸(イオン)交換樹脂と共に1時間攪拌した。樹脂は、黄色の溶液からろ過して除き、洗浄液が透明になる迄、アセトニトリルで洗浄した。溶液を回転蒸発器で約300mLに迄濃縮し、300gの酸性交換樹脂を含むカラムにセットした。溶液をアセトニトリルで溶出させ、その後揮発分を、粘性の黄色油状物が得られる迄除去した。しかし、粘性の黄色油状物を継続して真空下に保持すると、黄色の、軟らかい、粘着性の固体を生成した(約48時間)。4.6g(21.2mmol)のB1822が、粘着性の黄色固体をシクロヘキサン−水で抽出したシクロヘキサン部分から得られた。残留の[B20182−は、実施例1のように、NEtの添加によりリサイクルした。回収された[B20182−を320mLの15:1のアセトニトリルと水の混合物に溶解し、酸性交換樹脂上で20時間攪拌した。樹脂は、黄色の溶液からろ過して除き、洗浄液が透明になる迄、アセトニトリルで洗浄した。溶液を回転蒸発器で約300mLに迄濃縮し、300gの酸性交換樹脂を含むカラムにセットした。溶液をアセトニトリルで溶出させ、その後揮発分を、粘性の黄色油状物が得られる迄除去した。溶媒を除去した後の黄色の粘着性残渣を、淡い黄色の硬い固体が得られるまで高真空下で処理した(約48時間)。7.4g(34.1mmol)のB1822が、シクロヘキサン−水抽出液のシクロヘキサン部分から得られた。B1822の全収率は、12.0g、55.3mmol、46.1%であった。
25mLの水を、(EtNH)2018(282.3g、643.4mmol)の500mLのアセトニトリル溶液に添加した。溶液を、2kgの酸性交換樹脂を含むカラムにセットして、18時間放置した。黄色溶液を、アセトニトリルで溶出し、溶出剤が透明になるまで続けた。アセトニトリル溶液を集めて約500mLに迄濃縮し、2kgの酸性交換樹脂を含む第2カラムにセットした。溶液を、ゆっくり2時間かけて溶出し、カラムを、洗浄液が透明になるまでアセトニトリルで溶出した。アセトニトリルを、粘性の黄色油状物が得られるまで除去する。油状物を、水素の発生が始まる迄、高真空下に保持し、硬い固体とした(約10日間)。硬い黄色の固体を750mLのシクロヘキサン及び750mLの水の混合液を用いて抽出した。シクロヘキサン層を水から分離し、シクロヘキサンを除去して淡黄色のB1822(43.7g、201.6mmol)を、31.3%の1パス収率で得た。水層をトリエチルアミンで中和し、残留するB2018 2−を沈殿させた。上記工程を繰り返し、更にB1822(16.6g、76.6mmol)を得て、43.2%の総合収率となる。残留するB2018 2−はトリエチルアミンで沈殿させ、他の(EtNH)2018と合わせた。
25mLの水を、(EtNH)2018(273.7g、624.9mmol)の500mLのアセトニトリル溶液に添加した。溶液を、2kgの酸性交換樹脂を含むカラムにセットして、18時間放置した。黄色溶液を、アセトニトリルで溶出し、溶出剤が透明になるまで続けた。アセトニトリル溶液を集めて約500mLに迄濃縮し、2kgの酸性交換樹脂を含む第2カラムにセットした。溶液を、ゆっくり2時間かけて溶出し、カラムを、洗浄液が透明になるまでアセトニトリルで溶出した。揮発分を除去して、H2018・xHOの明るい黄色結晶を生成した。結晶をろ過して、ろ液を吸引により除去した。同様に濾過により収集した、ろ液を濃縮して、更なる量の遊離酸を更に製造した。この工程を結晶が生成されなくなる迄繰り返した。湿った黄色の結晶状物質を、水素の発生が始まる迄、高真空下に保持し、硬い固体とした(約5日間)。硬い固体を細分し、B1822を500mLのヘキサンで抽出した。ヘキサンを黄色固体から濾過し、ヘキサンを除去して淡黄色のB1822(8.0g、36.9mmol)を得た。真空下での保持及びヘキサン抽出工程を、B1822が生成されなくなる迄、繰り返した。残留する黄色固体を500mLのアセトニトリルに添加し、不溶物質を濾過し、ろ液を酸性交換樹脂の2個のカラムに通し、アセトニトリルを前と同様に除去した。黄色の残留物を、さらなるB1822が生成されなくなる迄、真空下に保持し、ヘキサンで抽出した。収率:54.5g、251.1mmol、40.1%。
(NEt2018(10.8g、21.8mmol)を40mLのアセトニトリルと5mLの水を含む溶液に溶解し、次いで54.0gの酸性交換樹脂上で24時間攪拌した。樹脂をろ過して、アセトニトリルで完全に洗浄した。ろ液及び洗浄液を合わせ、濃縮し、黄色油状物を得た。油状物を、真空下に保持し、硬い固体を生成させ(約5日間)、その後100mLのヘキサンを用いて抽出した。ヘキサンの除去により、淡黄色のB1822(2.0g、0.92mmol)を得た。ヘキサン抽出から残された残留物を真空下に保持し、第2回目の抽出を行ない、さらなるB1822を回収した。全収率:2.8g、12.9mmol、59.2%。
11B濃縮の(EtNH)2018(17.4g、35.2mmol)を、50mLのアセトニトリルと5mLの水に溶解した。溶液を、500gの酸性交換樹脂を含むカラムにセットし、18時間放置した。溶液をカラムから溶出し、樹脂をアセトニトリルで徹底的に洗浄した。溶出液及び洗浄液を合わせ、第2カラムを2時間かけて通過させた。アセトニトリルを除去し、H2018・xHOの黄色結晶を含む濃厚なスラリーを生成した。スラリーを10日間かけて真空下に保持し、硬い淡黄色の固体を得た。その固体に100mLのHO及び100mLのヘキサンを添加し、混合物を3時間攪拌した。ヘキサン層を水層から分離し、KCOで乾燥し、濾過した。ヘキサンの除去後、11B濃縮のB1822が淡黄色の粉末(3.5g、16.1mmol、45.9%)として残った。11B濃縮物は、出発のB2018 2−からの物であることが測定された(>98.6%の11B同位体濃縮物)。
本発明は、その好ましい態様に関して詳細に記載するものであるが、当業者であればこの開示を考慮して本発明の精神及び範囲を逸脱することなく修正及び改良を行なうことができるのは当然のことである。
本明細書で引用された特許及び刊行物はその全てを参照して本明細書に取り込む。
当業者であれば、本明細書に記載されている発明の特定の態様に対する多くの均等物を認識、又は通常の実験により確認することができる。その様な均等物は、添付の特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明者らは、本発明の好ましい態様に於ける図面について簡単に説明する。
図1は、n個のホウ素原子及びm個の水素原子を有するボラン、又は各々がn個のホウ素原子を含むボランの混合物、を合成する方法のフローチャートである(式中、n<a、b≦a+8、m≦n+8、1≦c≦6、及びMは1価又は2価の陽イオンである)。 図2は、n個のホウ素原子及びm個の水素原子を有するボランを合成する方法のフローチャートである(式中、nは5〜48の整数であり、m≦n+8である)。

Claims (22)

  1. (a)式:[B2018c−のボラン陰イオン及び少なくとも1つの溶媒の混合物を、酸性イオン交換樹脂に接触させて、H[B2018]又はその水和物を生成する、
    (b)H[B2018]又はその水和物を含む混合物を減圧下で濃縮することによって、H[B2018]又はその水和物の少なくとも一部を分解して、式:B1822で表される少なくなくとも1つのボランを生成する、
    (c)生成物のボランB1822から残留しているボラン陰イオンを分離する、
    (d)工程(c)で回収された残留ボラン陰イオンに対して、工程(a)〜(c)を繰り返す、(上記式中、cは1〜8の整数である)
    工程を含む、B1822を合成する方法。
  2. 分解工程が、減圧下で、乾燥ガス流下で、又は少なくとも1つの乾燥剤の存在下で実施される、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(a)〜(c)が少なくとも1回繰り返される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 酸性イオン交換樹脂が、複数のスルホン酸残基を含む、芳香族又は一部に芳香族のあるポリマーである、請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
  5. (a)[B20182−塩及び少なくとも1つの溶媒の混合物を、酸性イオン交換樹脂に接触させて、H[B2018]・xHOを生成する、
    (b)H[B2018]・xHOを含む混合物を濃縮し、乾燥することによって、H[B2018]・xHOの少なくとも一部を分解してB1822を生成する、
    (c)残留物を、水及び少なくとも1つの水と非混和性の溶媒で抽出する、
    (d)水溶液を、アルキルアミン又はアルキルアンモニウム塩と接触させて、(B20182−塩を沈殿させる、そして
    (e)工程(a)〜(d)を少なくとも1回繰り返す、(上記式中、xは負でない実数である)
    工程を含む、B1822を合成する方法。
  6. (a)[B20182−塩及び少なくとも1つの溶媒の混合物を、酸性イオン交換樹脂に接触させて、H[B2018]・xHOを生成する、
    (b)H[B2018]・xHOを含む混合物を濃縮し、乾燥することによって、H[B2018]・xHOの少なくとも一部を分解して、B1822を生成する、
    (c)残留物を、炭化水素溶媒で抽出する、
    (d)残留物をアセトニトリルに接触させて、B2018 2−塩を溶解する、そして
    (e)工程(a)〜(d)を少なくとも1回繰り返す、(上記式中、xは負でない実数である)
    工程を含む、B1822を合成する方法。
  7. (a)(B20182−の塩を供給する、
    (b)(B20182−塩を、少なくとも1つの非水溶媒を含む流体に溶解する、
    (c)(B20182−塩溶液を、酸に接触させて、(B20182−のヒドロニウム塩を生成する、
    (d)(B20182−のヒドロニウム塩の少なくとも一部を分解することによって、B1822の生成を導く条件下、溶液の揮発性成分を真空中で除去する、
    (e)残留物を、水及び少なくとも1つの水と非混和性の溶媒で抽出する、
    (f)水溶液を、アルキルアミン又はアルキルアンモニウム塩と接触させて、(B20182−塩を沈殿させる、
    (g)工程(b)〜(f)を少なくとも1回繰り返す、そして
    (h)工程(e)で生成した非水溶液を合わせて濃縮しB1822を得る、
    工程を含むB1822を合成する方法。
  8. (a)(B20182−の塩を供給する、
    (b)(B20182−塩を、少なくとも1つの非水溶媒を含む流体中に溶解する、
    (c)(B20182−塩溶液を、酸に接触させて、(B20182−のヒドロニウム塩を生成する、
    (d)(B20182−のヒドロニウム塩の少なくとも一部を分解することによって、B1822の形成を導く条件下、溶液の揮発性成分を真空中で除去する、
    (e)残留物を、炭化水素溶媒で抽出する、
    (f)残存する残留物を、アセトニトリルに接触させて、(B20182−塩を溶解する、
    (g)工程(b)〜(f)を少なくとも1回繰り返す、そして
    (h)工程(e)で生成した非水溶液を合わせて濃縮しB1822を得る、
    工程を含むB1822を合成する方法。
  9. 酸が、酸性イオン交換樹脂である、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 酸が、2未満のpKa値を有する有機酸又は無機酸である、請求項7又は8に記載の方法。
  11. 非水溶媒が、アルコール類、ニトリル類、エーテル類、及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項7又は8に記載の方法。
  12. 非水溶媒が、50容積%〜99容積%のエタノールと50容積%〜1容積%のアセトニトリルを含む、又は非水溶媒が、90容積%〜100容積%のアセトニトリルと0容積%〜10容積%の水を含むものである、請求項11に記載の方法。
  13. 工程(g)が、工程(b)〜(f)を1〜20回繰り返すことを含む、請求項7に記載の方法。
  14. (B20182−塩を、少なくとも2モル当量の酸に接触させる、請求項5〜8の何れか一項に記載の方法。
  15. 生成物B1822中に存在するホウ素原子の少なくとも80%が10Bである、請求項5〜8の何れか一項に記載の方法。
  16. 生成物B1822中に存在するホウ素原子の少なくとも95%が10Bである、請求項5〜8の何れか一項に記載の方法。
  17. 生成物B1822中に存在するホウ素原子の少なくとも95%が11Bである、請求項5〜8の何れか一項に記載の方法。
  18. アルキルアミン又はアルキルアンモニウム塩が、式:NRで表される化合物及び式:[NR]Xで表されるアンモニウム塩、
    (上記式中、R、R及びRは、C1−20アルキル、C6−10アリール、C7−10アラルキルからなる群よりそれぞれ独立して選ばれるか、又はR、R若しくはRの何れか2つが結合して複素環を形成し、Rは、水素、C1−20アルキル又はC6−10アリールから選ばれ、そしてXは陰イオンである)
    から選ばれる、請求項5又は7に記載の方法。
  19. ホウ素原子の少なくとも50%が10Bである、同位体濃縮のB1822
  20. ホウ素原子の少なくとも80%が10Bである、請求項19に記載の同位体濃縮のB1822
  21. ホウ素原子の少なくとも95%が10Bである、請求項19に記載の同位体濃縮のB1822
  22. ホウ素原子の少なくとも95%が11Bである同位体濃縮のB1822
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