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JP5018384B2 - ボイド検査方法 - Google Patents
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Description

本発明は,半田接合部を検査する方法に関する。さらに詳細には,半田接合部の接合欠陥である空孔(以下,ボイドという)の有無の,X線を用いた検査方法に関するものである。
半導体素子は使用時の発熱が大きく,誤動作や破損を防止するために基板を介して放熱している。半導体素子と基板とは半田接合されており,この半田接合部ではボイドが発生することがある。しかし,半田接合部にボイドが発生した場合,半導体素子から基板への放熱効果が減少する。また,半導体素子の発熱によりボイド内の空気が膨張し,接合部の剥離や半導体素子の破損が生ずることがある。
このような半田接合部におけるボイドの発生を検査するため,半田接合部のX線による検査方法が用いられることがある。X線源から放射されたX線は同じ物質を同じ距離だけ透過した場合に,同じ強度で検出されるはずである。このため,平坦で同じ厚みを持つような形状をもった検査対象物に適している。同じ材質であれば,X線の吸収がどこにおいても一様であるため,ボイドのある場所で検出されるX線の強度が異なり,ボイドの識別が容易であるからである。
しかし,検査対象物の厚みが一様でない場合,または内部に空隙を有しているような場合には,X線の透過距離が検査対象物の箇所によって異なるため,ボイドの識別が困難となる。このため,特許文献1では球状の半田バンプにおけるボイドの画像処理による検査方法が開示されている。
特開2002−280727
しかし,検査対象物には半導体素子を図1〜3のような放熱構造を持つ冷却部材に半田接合したものがある。この冷却部材は,全体としては板状であるが,放熱のため内側に空隙を設けて外気等の冷却媒体との接触面積を大きくしている。このような検査対象物をX線の透過により検査する場合,検査対象物の箇所によってX線の透過距離が大きく異なる。
このため,冷却部材の放熱構造がX線画像に反映し,大きな明暗差となって現れる。冷却部材の厚いところはX線の吸収が大きく,空隙のため薄いところはX線の吸収が小さいからである。ゆえに,この大きな明暗差の中にボイドの像が埋没し,識別が困難となるのである。また,冷却部材の冷却フィン又はリブ部では,X線の透過距離が大きいため,X線の吸収量が大きい。つまり,X線画像に非常に暗く表示される。このため,その場所にボイドがあったとしても,そのことによる差がほとんど現れない。ゆえに,ボイドの識別がより困難となっている。
このような,バックグラウンドのコントラストの下では,検出すべきボイドの情報がバックグラウンドに埋もれてしまう。このため,ボイドを識別するための閾値を設定できない。したがって,特許文献1のような画像処理方法で解決するのは困難である。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,冷却部材を透過するX線の透過距離の差により生じる,X線画像の明暗のコントラストを小さくし,ボイドの有無を識別できるようにしたボイド検査方法を提供することである。
この課題の解決を目的としてなされた本発明のボイド検査方法は,X線源から発生したX線を,板状の検査対象物に照射し,前記検査対象物を透過したX線を前記X線源から見て検査対象物の向こう側に配置したX線検出装置で検出し,検出したX線の強度分布により前記検査対象物におけるボイドの有無を検査するボイド検査方法であって,前記検査対象物はX線が板面に対して垂直方向に透過する場合に吸収が大きい場所と小さい場所を含む構造のものであり,前記X線の照射方向を板面に対する垂直方向から傾斜した方向とすることを特徴とするものである。
上記において,前記検査対象物は,X線が板面に対して垂直方向に透過する場合に吸収が大きい場所と小さい場所を含む周期的構造を有する冷却部材と,半導体素子とを半田により接合したものであり,前記検査対象物を透過したX線の強度における前記周期的構造による最大値より大きい値に設定した閾値により前記半田の内部のボイドの有無を検査する。冷却部材のリブ部によるX線画像の明暗差がより少ない状態で,半田接合部内のボイドの検査を行えるからである。
ここで,X線の照射方向は照射するX線の中心の方向のことである。かかるボイド検査方法は,検査対象物の空隙によるX線の透過距離の差を小さくすることができる。このため,画像の明暗差を抑えることができる。
上記において,前記X線の照射方向と前記検査対象物とがなす角を変化させて,前記検査対象物の構造によるX線の明暗差が極小となる角度を選び,その角度で検査を行うとよい。画像の明暗差をより抑えることができるからである。
本発明によれば,冷却部材を透過するX線の透過距離の差により生じる,X線画像の明暗のコントラストを小さくし,ボイドの有無を識別できるようにしたボイド検査方法が提供されている。
[第1の形態]
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,半田接合部のボイドに対するX線を用いた検査方法について,本発明を具体化したものである。
本形態に係るボイド検査方法は,図4のような構成の下で行われる。ボイド検査装置100は,X線源20と,X線カメラ30と,画像処理部40と,ディスプレイ41とを有している。X線源20はX線10を発生するものである。X線カメラ30はX線源20より照射され,検査対象物を透過した後のX線10を検出し撮像するものである。画像処理部40はX線カメラ30により検出された各位置でのX線10の強度を,画像の濃淡として出力するものである。この出力により,ディスプレイ41は画像を表示するものである。
ここで,X線カメラ30は,X線源20と対向している。また,X線源20からX線カメラ30に向けて照射されるX線10は,X線10の中心の照射方向11(図4中では一点鎖線)から角度φだけ広がりをもって照射される。また,X線源20及びX線カメラ30は,鉛直方向12と照射方向11とが撮像角θをなすように傾斜して配置してある。ここで,撮像角θが広がりφより大きくなるように傾ける(θ−φ>0)。
次に,検査方法の手順を図5により説明する。ここで用いる検査対象物は,冷却部材50と半導体素子60とが半田接合部70により接合されたものである。冷却部材50は図1のような構造をもつものである。
まず,X線源20によりX線10を発生させる。このX線10は,検査対象物に照射され,検査対象物を透過した後X線カメラ30に入射する。これにより,検査対象物が撮像される。
X線10が検査対象物を透過する際,X線10は透過した検査対象物に吸収される。この吸収量は,透過した物質の種類とその物質内を透過した距離に依存する。このように物質に吸収された後のX線10がX線カメラ30により検出される。この後,X線カメラ30により検出されたX線の強度が画像処理部40に出力される。
この後,画像処理部40により種々の画像処理が行われる。その際にボイド80の有無を判断するのである。この画像は,ディスプレイ41により見ることができる。ディスプレイ41では,検査対象物におけるX線10の吸収が少ないところは輝度が明るく,吸収が多いところは暗く表示される。
次に,本形態に係るボイド80の識別方法について説明する。X線10は冷却部材50と半導体素子60と半田接合部70とに吸収される。ただし,半導体素子60の主要部はウェハーであり薄いためX線10をほとんど吸収しない。このため,X線カメラ30で検出されるX線10は,主に冷却部材50と半田接合部70に吸収されることになる。
ここで,X線10の照射方向11は鉛直方向12と撮像角θをなしている。ゆえに,X線10は板面の垂直方向とθに近い角度で入射する。この入射角の最大値はθ+φで最小値はθ−φである。このとき,X線10が板面に垂直(θ−φ=0)に入射する箇所はない。このときのX線10の冷却部材50内での透過距離を図6に示す。aはリブ部51がない箇所の冷却部材50の厚さ,bはリブ部51がある箇所の冷却部材50の厚さである。
c1,c2,c3はX線10が透過経路Cを透過した場合に,X線10が冷却部材50を透過する部分の距離である。d1,d2はX線10が透過経路Dを透過した場合に,X線10が冷却部材50を透過する部分の距離である。e1,e2はX線10が透過経路Eを透過した場合に,X線10が冷却部材50を透過する部分の距離である。
このとき,X線10の透過経路Cの透過距離c1+c2+c3は,a+aより大きく,bより小さい。同様に,X線10の透過経路Dの透過距離d1+d2,及びX線10の透過経路Eの透過距離e1+e2もa+aより大きく,bより小さい。つまり,傾斜のない場合に比べて透過経路による透過距離の最大値と最小値の差が小さいのである。このため,冷却部材50によるX線画像における明度差は大きくない。
このときディスプレイ41に表示される画像の一部を図7の上側に示す。この画像にかすかに表れている濃淡の繰り返しは,冷却部材50におけるリブ部が繰り返し存在していることによる。図7の下側は,上側の一点鎖線上におけるX線の強度を示している。
ここで,半田接合部70にボイド80がある場合,該当箇所におけるX線10の吸収がボイド80のないところに比べて減少する。これがX線画像に顕著な明度の差となって現れるのである。ゆえに,閾値を設定してボイド80を識別することができるのである。
ここで,ボイド80の識別方法について説明する。図7中のFはボイド80がある場所におけるX線強度である。G1はボイド80がない場所におけるX線強度の最大値であり,G2はボイド80がない場所におけるX線強度の最小値である。冷却部材50が周期的構造を有するものであるため,X線強度がG1及びG2の値をとる箇所が周期的に現れている。ゆえに,G1を特定することができる。このため,G1より上側でFより下側に閾値を設定することにより,ボイド80の有無を判別することができるのである。
このように,冷却部材50の画像への影響が小さい条件で検査しているので,半田接合部70の半田の状態の検査ができる。
ここで,本形態との比較のために撮像角θが0である場合を図8および図9により説明する。このとき,X線10は図8のように検査対象物の板面にほぼ垂直に入射する。冷却部材50を透過する透過経路Aの透過距離はa+aであり,透過経路Bの透過距離はbである。
図8から明らかなように,X線10の透過距離はa+a又はbのどちらかにほぼ等しい。これが交互にあらわれるため,X線画像は図9の上側のように図7に比べてコントラストの強い縞模様となる。透過距離がbである箇所ではX線の吸収が強いため,ディスプレイ41上で暗くなる。このように透過距離bを透過する箇所では,X線の吸収が強すぎるため,ボイド80が存在していても検出されないことがある。
一方,バックグラウンドのコントラストも強いため,図9下側のようにバックグラウンドに埋もれてしまうことがある。このため,閾値を設定することができなくなり,ボイド80の有無を判定することが困難となる。
このように,本発明において設けた撮像角θにより,最大透過距離を小さくすることができる。このため,X線画像におけるボイド80の像が消失することがない。さらに,撮像角θにより,透過箇所間の透過距離の差を小さくすることができる。このため,ボイド80の像がバックグラウンドの強いコントラストにより埋没することを防ぐことができるのである。
[第2の形態]
第2の形態を図10により説明する。本形態に係る検査装置は,第1の形態と同様,X線源20と,X線カメラ30と,画像処理部40と,ディスプレイ41とを有している。また,X線カメラ30とX線源20が対向していることも第1の形態と同様である。検査対象物も第1の形態と同様,冷却部材50と半導体素子60とが半田接合部70により接合されたものである。
第1の形態と異なる点は,X線源20及びX線カメラ30をX線10が垂直方向に照射されるように固定して配置した点である。その代わりに,検査対象物を撮像角θで傾斜させるのである。これにより,第1の形態と同様の効果が得られる。
[第3の形態]
第3の形態を図11により説明する。本形態に係る検査装置は,X線源20と,X線カメラ30と,画像処理部40と,ディスプレイ41とを有する。これらの各部の働きは第1の形態と同様である。また,X線カメラ30とX線源20が対向していることも第1の形態と同様である。検査対象物も第1の形態および第2の形態と同様,冷却部材50と半導体素子60とが半田接合部70により接合されたものである。
第1の形態および第2の形態と異なる点は,本形態に係る検査装置が上記に加えてモータ90と,モータ制御部91とを有していることである。モータ90は撮像角θを変化させるものである。モータ制御部91はモータ90を制御し,撮像角θを調整するものである。これにより,任意の撮像角θの下で検査を行うことができる。
ここで,θを回転させる場合に,検査対象物を中心に,X線源20とX線カメラ30とをセットで回転させてもよい。また,X線源20とX線カメラ30を固定したまま,検査対象物のほうを回転させても構わない。撮像角θを設定することに変わりはないからである。
図12は傾斜角度と,X線10が透過する検査対象物の透過距離の最大値と最小値の差との関係を例示したものである。このとき,傾斜角度が22°近傍で透過距離の差が極小となっている。ゆえに,この撮像角θ=22°を採用することにより,冷却部材50のコントラストによる影響を限りなく小さくしてボイド80の識別を行うことができる。これにより,ボイド80の有無をより確実に判別することができる。
また,撮像角θの変化に対するX線画像の明暗差をモータ制御部91にフィードバックすることにより,撮像角θを自動調整することもできる。これにより,ボイド80の有無をさらに確実に判別することができる。
本形態は第1の形態および第2の形態と同様の効果を得ることができる。さらに,最適傾斜角度の採用により,ボイド80の有無をより確実に判断することができる。また,撮像角θの自動補正により,検査対象物の個体差にも応じた最適な撮像角θを選択することができる。
以上,詳細に説明したように,本実施の形態に係るボイド検査方法は,検査対象物の板面とX線とを垂直方向から傾斜するようにしたので,冷却部材の箇所の違いによるX線の透過距離の差が小さくなった。このため,X線画像における冷却部材の影響を小さくし,ボイドを識別するための閾値を設定できるようになった。これにより,ボイドの有無をより確実に判断できるボイド検査方法が実現されている。
ここで,検査対象物は冷却部材に半導体素子を半田接合したものに限らない。図1〜3のような形状によるバックグラウンドの影響を小さくできるものであれば,本発明による効果は得られるからである。また,冷却部材の半導体素子との半田接合面側に一様な厚さの絶縁基板等の部材がある場合にも,同様である。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,X線検出装置として,2次元でX線を検出するX線カメラでなく,ポイントで検出するものや,ラインカウンタでも構わない。
また,撮像角θの回転に用いるものはモータ90に限らない。例えば,手動でも構わない。撮像角θを連続的に変化させることができるものであれば,その効果は同じだからである。
また,ディスプレイ41に表示される画像は,X線カメラ30で検出されるX線の強度が大きいところを明,小さいところを暗としたが,明暗を逆にしても構わない。閾値の設定によりボイド80を検出できることに変わりはないからである。
また,冷却部材50におけるリブ部51は周期的に配置していなくてもよい。閾値の設定によりボイド80を検出できることに変わりはないからである。
また,撮像角θについて複数の角度を採用して撮像し,ボイド80の識別を行ってもよい。特に,図12のように撮像角θを変化させたときの透過距離の差が複数の極小値をもつ場合に有効である。さらに,ボイド80の有無の判断を再度確認することにもなり,検査の精度をより高めることができる。
また,得られたX線画像に種々の画像処理を施すことができる。例えば以下のようなものである。まず,冷却部材50のみをボイド検査装置100に搬入する。次に,モータ90により撮像角θを回転させながら,撮像角θにおけるX線の透過距離のデータを取得する。このとき,X線画像の明暗差が最も小さくなる角度を選択する。次に,選択した傾斜角θにおけるX線強度のX線画像を記憶させ,記憶したパターンを差し引くことによって半導体素子60と半田接合部70のみからなるX線画像を形成することもできる。これにより,ボイド80を識別するための閾値の設定が容易になり,ボイド80の大きさ,範囲の特定が容易になる。
冷却部材の構造例を示す図(その1)である。 冷却部材の構造例を示す図(その2)である。 冷却部材の構造例を示す図(その3)である。 第1の形態に係る検査方法を実施するためのブロック図(その1)である。 第1の形態に係る検査方法を実施するためのブロック図(その2)である。 傾斜がある場合に冷却部材を透過するX線の透過距離を説明する図である。 傾斜がある場合に検査対象物を透過したX線のX線画像とX線強度を説明する図である。 傾斜がない場合に冷却部材を透過するX線の透過距離を説明する図である。 傾斜がない場合に検査対象物を透過したX線のX線画像とX線強度を説明する図である。 第2の形態に係る検査方法を実施するためのブロック図である。 第3の形態に係る検査方法を実施するためのブロック図である。 傾斜角度とX線の透過距離との関係を例示する図である。
符号の説明
10…X線
20…X線源
30…X線カメラ
50…冷却部材
60…半導体素子
70…半田接合部
80…ボイド
100…ボイド検査装置
θ…撮像角

Claims (2)

  1. X線源から発生したX線を,板状の検査対象物に照射し,
    前記検査対象物を透過したX線を前記X線源から見て検査対象物の向こう側に配置したX線検出装置で検出し,
    検出したX線の強度分布により前記検査対象物におけるボイドの有無を検査するボイド検査方法であって,
    前記検査対象物は,X線が板面に対して垂直方向に透過する場合にX線の吸収が大きい場所とX線の吸収が小さい場所とを含む周期的構造を有する冷却部材と,半導体素子とを半田により接合したものであり,
    前記X線の照射方向を板面に対する垂直方向から傾斜した方向とし,
    前記検査対象物を透過したX線の強度における前記周期的構造による最大値より大きい値に設定した閾値により前記半田の内部のボイドの有無を判別することを特徴とするボイド検査方法。
  2. 請求項1に記載のボイド検査方法であって,
    前記X線の照射方向と前記検査対象物とがなす角を変化させて,前記検査対象物の構造によるX線強度の明暗差が極小となる角度を選び,その角度で検査を行うことを特徴とするボイド検査方法。
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