JP5018789B2 - Euvリソグラフィ用反射型マスクブランク - Google Patents
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Description
また、特許文献1,2には、吸収体層表面を平滑性に優れた面にするためには、吸収体層の結晶状態がアモルファスであることが好ましいとされており、TaBN膜、TaBO膜およびTaBNO膜の結晶状態をアモルファスとするためには、これらの膜におけるBの含有率が5〜25at%であることが好ましいとされている。
一方、吸収体層をTaBN膜とした場合、電子線描画時にチャージアップが発生するおそれはほとんどない。
一方、TaB化合物ターゲットを用いた手法において、例えばBを20at%、Taを80at%含む化合物ターゲットを使用した場合、実際に膜中に添加されるBの最大含有率は6at%程度であり、膜のBの含有率を5at%以上に制御するのは難しい。更に、Nを添加すると、膜のBの含有率は4at%以下になり、膜の結晶状態をアモルファスにすることができない。
この問題を解決するため、TaB化合物ターゲット中のB含有量を更に増やすこと(例えばBを50at%、Taを50at%)によって、膜のBの含有率の増加が期待されるが、TaBターゲット中のBの含有量が増すにつれて、ターゲットの密度が低くなることにより、加工性が悪くなる。さらに、TaBターゲットの抵抗値が大きくなり、放電が不安定になるとともに、成膜速度が遅くなる。放電が不安定になることによって、膜の組成や膜厚にばらつきが生じたり、場合によっては成膜不能となるおそれがある。
前記吸収体層が、タンタル(Ta)およびハフニウム(Hf)を含有し、
前記吸収体層における、Hfの含有率が20〜60at%であり、Taの含有率が40〜80at%であることを特徴とするEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク(以下、「本発明のEUVマスクブランク」という。)を提供する。
本発明のEUVマスクブランクにおいて、前記吸収体層は、TaとHfの組成比がTa:Hf=7:3〜4:6であることが好ましい。
本発明のEUVマスクブランクにおいて、前記吸収体層は、B、SiおよびGeの合計含有率が5at%以下であることが好ましい。
本発明のEUVマスクブランクにおいて、前記吸収体層が、Zrを0.1〜1.0at%含有してもよい。
本発明のEUVマスクブランクにおいて、前記吸収体層の結晶状態が、アモルファスであることが好ましい。
また、本発明のEUVマスクブランクにおいて、前記吸収体層表面の表面粗さ(rms)が0.5nm以下であることが好ましい。
また、本発明のEUVマスクブランクにおいて、前記吸収体層の膜厚が、50〜200nmであることが好ましい。
また、本発明のEUVマスクブランクにおいて、前記反射層と前記吸収体層との間に保護層を有し、かつ前記保護層がRu及びRu化合物であることが好ましい。
前記低反射層が、タンタル(Ta)、ハフニウム(Hf)および酸素(O)を含有し、 前記低反射層において、TaおよびHfの合計含有率が30〜80at%であり、TaとHfの組成比がTa:Hf=8:2〜4:6であり、Oの含有率が20〜70at%であることが好ましい。
前記低反射層において、TaとHfの組成比がTa:Hf=7:3〜4:6であることが好ましい。
前記低反射層が、タンタル(Ta)、ハフニウム(Hf)、酸素(O)および窒素(N)を含有し、
前記低反射層において、TaおよびHfの合計含有率が30〜80at%であり、TaとHfの組成比がTa:Hf=8:2〜4:6であり、NおよびOの合計含有率が20〜70at%であり、NとOの組成比がN:O=9:1〜1:9であることが好ましい。
前記低反射層において、TaとHfの組成比が7:3〜4:6であることが好ましい。
また、吸収体層上に低反射層が形成されている場合、前記低反射層表面の表面粗さ(rms)が0.5nm以下であることが好ましい。
また、吸収体層上に低反射層が形成されている場合、前記低反射層の膜厚が5〜30nmであることが好ましい。
吸収体層に形成されるパターンの検査に用いられる光の波長に対する前記保護層表面での反射光と、前記低反射層表面での反射光と、のコントラストが、30%以上であることが好ましい。
前記吸収体層は、窒素原子を含有するガス(例えば、N2、NO等)が実質的に存在しない環境、具体的には、窒素原子を含有するガスの合計分圧が1×10-4Pa以下の環境で、TaHf化合物ターゲットを用いたスパッタリング法を行うことにより形成されることが好ましい。
ここで、前記TaHf化合物ターゲットの組成が、Ta=30〜70at%、Hf=70〜30at%であることが好ましい。
また、前記TaHf化合物ターゲットが、Zrを0.1〜5.0at%含有してもよい。
また、吸収層上にタンタル(Ta)、ハフニウム(Hf)、酸素(O)および窒素(N)を含有する低反射層が形成される場合、前記低反射層が、窒素および酸素を含む雰囲気中でTaHf化合物ターゲットを用いたスパッタリング法を行うことにより形成されることが好ましい。
ここで、前記TaHf化合物ターゲットの組成が、Ta=30〜70at%、Hf=70〜30at%であることが好ましい。
また、前記TaHf化合物ターゲットが、Zrを0.1〜5.0at%含有してもよい。
また、吸収体層が、EUV光の光線反射率、およびパターン検査光の波長域の光線反射率が低い等、EUVマスクブランクとして優れた特性を有している。
また、TaおよびHfを含有する吸収体層は、TaBN膜に比べてエッチング速度が高いことから、エッチング時におけるレジストのダメージを低減する効果が期待される。
また、レジストのダメージ低減により、レジストの薄膜化が期待される。
11:基板
12:反射層(多層反射膜)
13:保護層
14:吸収体層
15:低反射層
図1は、本発明のEUVマスクブランクの1実施形態を示す概略断面図である。図1に示すマスクブランク1は、基板11上にEUV光を反射する反射層12と、EUV光を吸収する吸収体層14とがこの順に形成されている。反射層12と吸収体層14との間には、吸収体層14へのパターン形成時に反射層12を保護するための保護層13が形成されている。吸収体層14上には、マスクパターンの検査に使用する検査光における低反射層15が形成されている。但し、本発明のEUVマスクブランク1において、図1に示す構成中、基板11、反射層12および吸収体層14のみが必須であり、保護層13および低反射層15は任意の構成要素である。
以下、マスクブランク1の個々の構成要素について説明する。
基板11は、表面粗さ(rms)0.15nm以下の平滑な表面と100nm以下の平坦度を有していることがパターン形成後のフォトマスクにおいて高反射率および転写精度が得られるために好ましい。
基板11の大きさや厚みなどはマスクの設計値等により適宜決定されるものである。後で示す実施例では外形6インチ(152mm)角で、厚さ0.25インチ(6.3mm)のSiO2−TiO2系ガラスを用いた。
基板11の反射層12が形成される側の表面には欠点が存在しないことが好ましい。しかし、存在している場合であっても、凹状欠点および/または凸状欠点によって位相欠点が生じないように、凹状欠点の深さおよび凸状欠点の高さが2nm以下であり、かつこれら凹状欠点および凸状欠点の半値幅が60nm以下であることが好ましい。
保護層13の厚さは1〜60nmであることが好ましい。
上記の特性を達成するため、EUV光の吸収係数が高い材料で構成されることが好ましい。
本発明のEUVマスクブランク1の吸収体層14は、タンタル(Ta)およびハフニウム(Hf)を以下に述べる特定の比率で含有することで上記の特性を達成する。
本発明のEUVマスクブランクは、吸収体層14のHf含有率が上記範囲であることにより、吸収体層の結晶状態がアモルファスとなりやすく、吸収体表面が平滑性に優れている。また、吸収体層14が、EUV光の光線反射率、およびパターン検査光の波長域の光線反射率が低い等、EUVマスクブランクとして優れた特性を有している。
吸収体層14のHfの含有率は、30〜50at%であることがより好ましく、30〜45at%であることがさらに好ましい。
なお、BやSiなどの元素を混合することで、金属結晶をアモルファス化できることは広く知られており、特許文献1ではそれを使用して吸収体層をアモルファス化することで表面を平滑化している。しかし、TaとHfという2つの金属元素を同時に含有する膜がアモルファス化することは知られておらず、特許文献1においても、TaおよびHfは吸収体層に含有可能な数多くの金属元素の一例として挙げられているにすぎない。
したがって、吸収体層14は、これら元素を実質的に含有しないことが好ましく、これらの元素の合計含有率が5at%以下であることが好ましい。これらの元素の合計含有率は4at%以下であることがより好ましく、3at%以下であることがさらに好ましい。
ただし、吸収体層14中には、窒素(N)を含まないことが好ましい。具体的には、吸収体層14中の窒素の含有率が35at%以下であることが、吸収体層14の結晶状態がアモルファスとなりやすい、パターン検査光の波長域の光線反射率を低くできる、エッチング速度を高くできる、および電気抵抗率の増大を抑制できるという点でより好ましい。吸収体層14中の窒素の含有率が、10at%以下であることがより好ましく、5at%以下であることがさらに好ましく、1at%以下であることがさらに好ましく、0.5at%以下であることがさらに好ましく、0.05at%以下であることが特に好ましい。
本発明のEUVマスクブランク1では、吸収体層14がアモルファス構造の膜または微結晶構造の膜であることにより、吸収体層14表面の表面粗さ(rms)が0.5nm以下であることが好ましい。ここで、吸収体層14表面の表面粗さは原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope)を用いて測定することができる。吸収体層14表面の表面粗さが大きいと、吸収体層14に形成されるパターンのエッジラフネスが大きくなり、パターンの寸法精度が悪くなる。パターンが微細になるに従いエッジラフネスの影響が顕著になるため、吸収体層14表面は平滑であることが要求される。
吸収体層14表面の表面粗さ(rms)が0.5nm以下であれば、吸収体層14表面が十分平滑であるため、エッジラフネスの影響によってパターンの寸法精度が悪化するおそれがない。吸収体層14表面の表面粗さ(rms)は0.4nm以下であることがより好ましく、0.3nm以下であることがさらに好ましい。
エッチング選択比
=(吸収体層14のエッチング速度)/(保護層13のエッチング速度)
エッチング選択比は、10以上が好ましく、11以上であることがさらに好ましく、12以上であることがさらに好ましい。
ここで、窒素原子を含有するガス(例えば、N2、NO等)が実質的に存在しない環境、具体的には、窒素原子を含有するガスの合計分圧が1×10-4Pa以下の環境、例えば、アルゴン(Ar)雰囲気中のような不活性ガス雰囲気中でTaHf化合物ターゲットを放電することにより吸収体層14を形成することが好ましい。
TaHf化合物ターゲットは、その組成がTa=30〜70at%、Hf=70〜30at%であることが、所望の組成の吸収体層を得ることができ、かつ膜の組成や膜厚のばらつきを回避できる点で好ましい。TaHf化合物ターゲットは、Zrを0.1〜5.0at%含有してもよい。
なお、電気抵抗率が低いHfを含有するTaHf化合物ターゲットを使用するため、電気抵抗率が高く絶縁性のBを含有するTaB化合物ターゲットを使用した場合と違い、成膜が非常に安定しており、膜組成や膜厚の制御を容易に行うことが可能である。
スパッタガス:Arガス(ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa)
成膜前真空度:1×10-4Pa以下、好ましくは1×10-5Pa以下、より好ましくは10-6Pa以下
投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:2.0〜60nm/min、好ましくは3.5〜45nm/min、より好ましくは5〜30nm/min
低反射層15における検査光の波長の光線反射率が15%以下であれば、該検査時のコントラストが良好である。具体的には、保護層13表面における検査光の波長の反射光と、低反射層15表面における検査光の波長の反射光と、のコントラストが、30%以上となる。
コントラスト(%)=((R2−R1)/(R2+R1))×100 (1)
ここで、検査光の波長におけるR2は保護層13表面での反射率であり、R1は低反射層15表面での反射率である。なお、上記R1およびR2は、図2に示すように、図1に示すEUVマスクブランク1の吸収体層14(および低反射層15)にパターンを形成した状態で測定する。上記R2は、図2中、パターン形成によって吸収体層14および低反射層15が除去され、外部に露出した反射層12表面または保護層13表面で測定した値であり、R1はパターン形成によって除去されずに残った低反射層15表面で測定した値である。
本発明において、上記式で表されるコントラストが45%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましく、80%以上であることが特に好ましい。
本発明のEUVマスクブランク1の低反射層15では、Ta、Hfおよび酸素(O)を以下に述べる特定の比率で含有することで上記の特性を達成する。
低反射層15に含めることができる元素の一例として、窒素(N)が挙げられる。低反射層15がNを含有することにより、低反射層15表面の平滑性が向上すると考えられる。
上記したように、エッジラフネスの影響によってパターンの寸法精度の悪化が防止するため、吸収体層14表面は平滑であることが要求される。低反射層15は、吸収体層14上に形成されるため、同様の理由から、その表面は平滑であることが要求される。
低反射層15表面の表面粗さ(rms)が0.5nm以下であれば、低反射層15表面が十分平滑であるため、エッジラフネスの影響によってパターンの寸法精度が悪化するおそれがない。低反射層15表面の表面粗さ(rms)は0.4nm以下であることがより好ましく、0.3nm以下であることがさらに好ましい。
なお、低反射層15がNを含有しない場合、すなわち、Ta、HfおよびOを含有する場合、不活性ガス、例えばアルゴン、で希釈した酸素(O2)雰囲気中でTaHf化合物ターゲットを放電させることによって低反射層15を形成する。または、不活性ガス雰囲気中でTaHf化合物ターゲットを放電させてTaおよびHfを含有する膜を形成した後、例えば酸素プラズマ中にさらしたり、酸素を用いたイオンビームを照射することによって、形成された膜を酸化することにより、Ta、HfおよびOを含有する低反射層15としてもよい。
一方、低反射層15がNを含有する場合、すなわち、Ta、Hf、OおよびNを含有する場合、アルゴンで希釈した酸素(O2)・窒素(N2)混合ガス雰囲気中でTaHf化合物ターゲットを放電させることによって低反射層15を形成する。または、アルゴンで希釈した窒素(N2)雰囲気中でTaHf化合物ターゲットを放電させることによってTa、HfおよびNを含有する膜を形成した後、例えば酸素プラズマ中にさらしたり、酸素を用いたイオンビームを照射することによって、形成された膜を酸化することにより、Ta、Hf、OおよびNを含有する低反射層15としてもよい。
TaHf化合物ターゲットは、その組成がTa=30〜70at%、Hf=70〜30at%であることが、所望の組成の低反射層を得ることができ、かつ膜の組成や膜厚のばらつきを回避できる点で好ましい。TaHf化合物ターゲットは、Zrを0.1〜5.0at%含有してもよい。
低反射層(Nを含有しない)を形成する場合
スパッタガス:ArとO2の混合ガス(O2ガス濃度3〜80vol%、好ましくは5〜60vol%、より好ましくは10〜40vol%;ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa)
投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:2.0〜60nm/min、好ましくは3.5〜45nm/min、より好ましくは5〜30nm/min
低反射層(Nを含有する)を形成する場合
スパッタガス:ArとO2とN2の混合ガス(O2ガス濃度5〜40vol%、N2ガス濃度5〜40vol%、好ましくはO2ガス濃度6〜35vol%、N2ガス濃度6〜35vol%、より好ましくはO2ガス濃度10〜30vol%、N2ガス濃度10〜30vol%;ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa)
投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:2.0〜60nm/min、好ましくは3.5〜45nm/min、より好ましくは5〜30nm/min
高誘電性コーティングは、公知の成膜方法、例えば、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法といったスパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、電解メッキ法を用いて形成することができる。
実施例1
本実施例では、図1に示すEUVマスクブランク1を作製した。但し、実施例1のEUVマスクブランク1では、吸収体層14上に低反射層15を形成しなかった。
成膜用の基板11として、SiO2−TiO2系のガラス基板(外形6インチ(152mm)角、厚さが6.3mm)を使用した。このガラス基板の熱膨張率は0.2×10-7/℃、ヤング率は67GPa、ポアソン比は0.17、比剛性は3.07×107m2/s2である。このガラス基板を研磨により、表面粗さ(rms)が0.15nm以下の平滑な表面と100nm以下の平坦度に形成した。
平板形状をした通常の静電チャックに、形成したCr膜を用いて基板11(外形6インチ(152mm)角、厚さ6.3mm)を固定して、該基板11の表面上にイオンビームスパッタリング法を用いてSi膜およびMo膜を交互に成膜することを40周期繰り返すことにより、合計膜厚272nm((4.5nm+2.3nm)×40)のSi/Mo多層反射膜(反射層12)を形成した。
さらに、Si/Mo多層反射膜(反射層12)上に、イオンビームスパッタリング法を用いてRu膜(膜厚2.5nm)を成膜することにより、保護層13を形成した。
Si膜の成膜条件
ターゲット:Siターゲット(ホウ素ドープ)
スパッタガス:Arガス(ガス圧0.02Pa)
電圧:700V
成膜速度:0.077nm/sec
膜厚:4.5nm
Mo膜の成膜条件
ターゲット:Moターゲット
スパッタガス:Arガス(ガス圧0.02Pa)
電圧:700V
成膜速度:0.064nm/sec
膜厚:2.3nm
Ru膜の成膜条件
ターゲット:Ruターゲット
スパッタガス:Arガス(ガス圧0.02Pa)
電圧:500V
成膜速度:0.023nm/sec
膜厚:2.5nm
吸収体層14の成膜条件は以下の通りである。
吸収体層14(TaHf膜)の成膜条件
ターゲット:TaHf化合物ターゲット(組成比:Ta55at%、Hf45at%)
スパッタガス:Arガス(ガス圧:0.3Pa)
投入電力:150W
成膜速度:0.29nm/sec
膜厚:60nm
成膜前真空度:4×10-6Pa
(1)膜組成
吸収体層14(TaHf膜)の組成を、X線光電子分光装置(X−ray Photoelectron Spectrometer)(PERKIN ELEMER−PHI社製:番号5500)を用いて測定した。吸収体層14(TaHf膜)の組成比(at%)は、Ta:Hf=55:45(Taの含有率が55at%、Hfの含有率が45at%)である。吸収体層におけるNの含有率は0.05at%以下である。吸収体層におけるZrの含有率は0.3〜0.7at%である。
吸収体層14(TaHf膜)の結晶状態を、X線回折装置(X−Ray Diffractmeter)(RIGAKU社製)で確認した。得られる回折ピークにはシャープなピークが見られないことから、吸収体層14(TaHf膜)の結晶状態がアモルファス構造または微結晶構造であることを確認した。
吸収体層14(TaHf膜)の表面粗さは、原子間力顕微鏡(SII社製、SPI−3800)を用いて、dynamic force modeで測定した。表面粗さの測定領域は1μm×1μmであり、カンチレバーには、SI−DF40(SII社製)を用いた。吸収体層の表面粗さ(rms)は0.10nmであった。
吸収体層14(TaHf膜)の抵抗値を四探針測定器(三菱油化社製:LorestaAP MCP−T400)を用いて測定したところ1.8×10-4Ω・cmであった。
本実施例では、吸収体層14上にTa、Hf、OおよびNを含有する低反射層15(TaHfON膜)が形成されたEUVマスクブランク1を作製した。
本実施例において、保護層13上に吸収体層14を形成する手順までは実施例1と同様に実施した。吸収体層14上に、波長257nmの検査光に対する低反射層15としてTa、Hf、OおよびNを含有する低反射層(TaHfON膜)を、マグネトロンスパッタリング法を用いて形成した。低反射層の組成比(at%)は、実施例1と同様の方法で測定した結果、Ta:Hf:N:O=35:15:15:35である。
低反射層15(TaHfON膜)の成膜条件は以下の通りである。
低反射層15(TaHfON膜)の成膜条件
ターゲット:TaHf化合物ターゲット(組成比:Ta55at%、Hf45at%)
スパッタガス:ArとN2とO2の混合ガス(Ar:45体積%、N2:23体積%、O2:32体積%、ガス圧:0.3Pa)
投入電力:150W
成膜速度:0.13nm/sec
膜厚:10nm
(5)反射特性(コントラスト評価)
実施例1において、保護層13(Ru膜)まで形成した段階で、該保護層13表面におけるパターン検査光(波長257nm)の反射率を分光光度計を用いて測定した。また、実施例2で低反射層15(TaHfON膜)を形成した後、該低反射層表面におけるパターン検査光の反射率を測定した。その結果、保護層13層表面での反射率は60.0%であり、低反射層15(TaHfON膜)表面の反射率は1.8%であった。これらの結果と前記した式(1)を用いてコントラストを求めたところ94.1%であった。
得られたEUVマスクブランク1について、低反射層15(TaHfON膜)表面にEUV光(波長13.5nm)を照射してEUV光の反射率を測定した。その結果、EUV光の反射率は0.4%であり、EUV吸収特性に優れていることが確認された。
(6)エッチング特性
エッチング特性については、上記手順で作製されたEUVマスクブランクを用いて評価する代わりに以下の方法で評価した。
RFプラズマエッチング装置の試料台(4インチ石英基板)上に、試料として下記に記載の方法でRu膜またはTaHf膜が各々成膜されたSiチップ(10mm×30mm)を設置した。この状態で試料台に設置されたSiチップのRu膜またはTaHf膜を以下の条件でプラズマRFエッチングした。
バイアスRF:50W
エッチング時間:120sec
トリガー圧力:3Pa
エッチング圧力:1Pa
エッチングガス:Cl2/Ar
ガス流量(Cl2/Ar):20/80sccm
電極基板間距離:55mm
Ru膜の成膜条件
ターゲット:Ruターゲット
スパッタガス:Arガス(ガス圧:0.3Pa)
出力:150W
成膜速度:0.25nm/sec
膜厚:2.5nm
TaHf膜の成膜条件(1)
ターゲット:TaHf化合物ターゲット(組成比:Ta55at%、Hf45at%)
スパッタガス:Arガス(ガス圧:0.3Pa)
投入電力:150W
成膜速度:0.29nm/sec
膜厚:60nm
成膜前真空度:4×10-6Pa
TaHf膜の成膜条件(2)
ターゲット:TaHf化合物ターゲット(組成比:Ta45at%、Hf55at%)
スパッタガス:Arガス(ガス圧:0.3Pa)
投入電力:150W
成膜速度:0.35nm/sec
膜厚:60nm
成膜前真空度:4×10-6Pa
エッチング選択比
=(TaHf膜のエッチング速度)/(Ru膜のエッチング速度)
TaHf膜(1),(2)のエッチング選択比は以下の通りである。
TaHf膜(1)
TaHf膜のエッチング速度:19.8(nm/min)
Ru膜のエッチング速度:1.48(nm/min)
エッチング選択比:13.3
TaHf膜(2)
TaHf膜のエッチング速度:19.0(nm/min)
Ru膜のエッチング速度:1.48(nm/min)
エッチング選択比:12.8
保護層13とのエッチング選択比は10以上が望ましいが、TaHf膜(1),(2)はいずれも十分なエッチング選択比を有していた。また、TaHf膜(1),(2)はエッチング速度が、後述する比較例1のTaBN膜に比べて高いことから、エッチング時におけるレジストのダメージを低減する効果が期待される。また、レジストのダメージ低減により、レジストの薄膜化が期待される。
本実施例では、吸収体14上にTa、HfおよびOを含有する低反射層15(TaHfO膜)が形成されたEUVマスクブランク1を作製した。
本実施例において、保護層13上に吸収体層14を形成する手順までは実施例1と同様に実施した。吸収体層14上に、波長257nmの検査光に対する低反射層15としてTa、HfおよびOを含有する低反射層(TaHfO膜)を、マグネトロンスパッタリング法を用いて形成した。低反射層の組成比(at%)は、実施例1と同様の方法で測定した結果、Ta:Hf:O=40:20:40である。
低反射層15(TaHfO膜)の成膜条件は以下の通りである。
低反射層15(TaHfO膜)の成膜条件
ターゲット:TaHf化合物ターゲット(Ta55at%、Hf45at%)
スパッタガス:ArとO2の混合ガス(Ar:70vol%、O2:30vol%、ガス圧:0.3Pa)
投入電力:150W
成膜速度:0.43nm/sec
膜厚:10nm
得られた低反射層15(TaHfO膜)のコントラスト評価を実施例2と同様の手順で実施した。その結果、保護層13層表面での反射率は60.0%であり、低反射層15(TaHfO膜)表面の反射率は2.6%であった。これらの結果と上記した式を用いてコントラストを求めたところ91.7%であった。
また、低反射層15(TaHfO膜)表面のEUV光の反射率を測定した。その結果、EUV光の反射率は0.4%であり、EUV吸収特性に優れていることが確認された。
比較例1は、吸収体層がタンタルハフニウム合金の窒化物(TaHfN)膜であること以外は、実施例1と同様の手順で実施した。TaHfN膜は、TaHfターゲット(Ta:Hf=55at%:45at%)を用いて以下の条件で作製した。
TaHfNの成膜条件
ターゲット:TaHfターゲット(Ta:Hf=55at%:45at%)
スパッタガス:Arガス、N2ガス(Ar:75体積%、N2:25体積%、ガス圧:0.3Pa)、N2ガスの分圧:0.075Pa
投入電力:150W
成膜速度:0.36nm/sec
膜厚:60nm
得られる吸収体層(TaHfN膜)の結晶状態をX線回折装置を用いて確認すると、得られる回折ピークにシャープなピークが見られることから、吸収体層(TaHfN膜)が結晶質であることが確認される。また、表面粗さ(rms)は0.6nmである。
比較例2は、吸収体層がタンタルハフニウム合金の窒化物(TaHfN)膜であること以外は、実施例1と同様の手順で実施した。TaHfN膜は、TaHfターゲット(Ta:Hf=55at%:45at%)を用いて以下の条件で作製した。
TaHfNの成膜条件
ターゲット:TaHfターゲット(Ta:Hf=55at%:45at%)
スパッタガス:Arガス、N2ガス(Ar:37体積%、N2:63体積%、ガス圧:0.3Pa)、N2ガスの分圧:0.19Pa
投入電力:150W
成膜速度:0.08nm/sec
膜厚:60nm
得られた吸収体層(TaHfN膜)の結晶状態をX線回折装置を用いて確認すると、得られる回折ピークにシャープなピークが見られないことから、吸収体層(TaHfN膜)の結晶状態がアモルファス構造または微結晶構造であることを確認した。また、表面粗さ(rms)は0.3nmである。
得られた吸収体層(TaHfN膜)の抵抗値を実施例1と同様に測定したところ、1.629Ω・cmであり、実施例1のTaHfと比較して、抵抗値は大きかった。さらに、実施例2と同様に、低反射層15としてTaHfONを成膜し、パターン検査光(波長257nm)の反射率を評価したところ、低反射層15表面の反射率は10%であり、保護層13表面とのコントラストは72%であった。
得られた吸収体層(TaHfN膜)のエッチング速度を実施例2と同様に評価したところ、エッチング速度は20nm/minであり、保護層(Ru膜)とのエッチング選択比は13.5であった。
比較例3は、吸収体層がタンタルハフニウム合金の窒化物(TaHfN)膜であること以外は、実施例1と同様の手順で実施した。TaHfN膜は、TaHfターゲット(Ta:Hf=55at%:45at%)を用いて以下の条件で作製した。
TaHfNの成膜条件
ターゲット:TaHfターゲット(Ta:Hf=55at%:45at%)
スパッタガス:Arガス、N2ガス(Ar:25体積%、N2:75体積%、ガス圧:0.3Pa)、N2ガスの分圧:0.23Pa
投入電力:150W
成膜速度:0.06nm/sec
膜厚:60nm
得られた吸収体層(TaHfN膜)の結晶状態をX線回折装置を用いて確認すると、得られる回折ピークにシャープなピークが見られないことから、吸収体層(TaHfN膜)の結晶状態がアモルファス構造または微結晶構造であることを確認した。また、表面粗さ(rms)は0.3nmであった。
得られた吸収体層(TaHfN膜)の抵抗値を実施例1と同様に測定したところ、レンジオーバー(>1.9E+7Ω)となり、絶縁性を示した。
なお、2007年1月31日に出願された日本特許出願2007−021092号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (20)
- 基板上に、EUV光を反射する反射層と、EUV光を吸収する吸収体層と、マスクパターンの検査に使用する検査光における低反射層と、がこの順に形成されたEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクであって、
前記吸収体層が、タンタル(Ta)およびハフニウム(Hf)を含有し、
前記吸収体層における、Hfの含有率が20〜60at%であり、Taの含有率が40〜80at%であり、
前記低反射層が、タンタル(Ta)、ハフニウム(Hf)および酸素(O)を含有し、
前記低反射層において、TaおよびHfの合計含有率が30〜80at%であり、TaとHfの組成比が8:2〜4:6であり、Oの含有率が20〜70at%であることを特徴とするEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。 - 基板上に、EUV光を反射する反射層と、EUV光を吸収する吸収体層と、マスクパターンの検査に使用する検査光における低反射層と、がこの順に形成されたEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクであって、
前記吸収体層が、タンタル(Ta)およびハフニウム(Hf)を含有し、
前記吸収体層における、Hfの含有率が20〜60at%であり、Taの含有率が40〜80at%であり、
前記低反射層が、タンタル(Ta)、ハフニウム(Hf)、酸素(O)および窒素(N)を含有し、
前記低反射層において、TaおよびHfの合計含有率が30〜80at%であり、TaとHfの組成比がTa:Hf=8:2〜4:6であり、NおよびOの合計含有率が20〜70at%であり、NとOの組成比がN:O=9:1〜1:9であることを特徴とするEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。 - 前記吸収層は、窒素(N)の含有率が35at%以下である請求項1または2に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記吸収体層において、TaとHfの組成比がTa:Hf=7:3〜4:6であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記吸収体層は、B、SiおよびGeの合計含有率が5at%以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記吸収体層が、Zrを0.1〜1.0at%含有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記吸収体層の結晶状態が、アモルファスであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記吸収体層表面の表面粗さ(rms)が、0.5nm以下であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記吸収体層の膜厚が、50〜200nmであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記反射層と前記吸収体層との間に保護層を有し、かつ前記保護層がRuまたはRu化合物である請求項1ないし9のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記低反射層において、TaとHfの組成比がTa:Hf=7:3〜4:6であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記低反射層が、Zrを0.1〜1.0at%含有することを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記低反射層表面の表面粗さ(rms)が、0.5nm以下であることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記低反射層の膜厚が、5〜30nmであることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記反射層と前記吸収体層との間に、前記吸収体層へのパターン形成時に前記反射層を保護するための保護層が形成されており、
吸収体層に形成されるパターンの検査に用いられる光の波長に対する前記保護層表面での反射光と、前記低反射層表面での反射光と、のコントラストが、30%以上であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。 - 前記保護層が、Ru、Ru化合物、SiO 2 およびCrNからなる群から選ばれるいずれか1つで形成されることを特徴とする、請求項15に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記吸収体層に形成されるパターンの検査に用いられる光の波長に対する、前記低反射層表面の反射率が15%以下であることを特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記吸収体層が、TaHf化合物ターゲットを用いたスパッタリング法を行うことにより形成されることを特徴とする請求項1に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記低反射層が、酸素を含む雰囲気中でTaHf化合物ターゲットを用いたスパッタリング法を行うことにより形成されることを特徴とする請求項1に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
- 前記低反射層が、窒素及び酸素を含む雰囲気中でTaHf化合物ターゲットを用いたスパッタリング法を行うことにより形成されることを特徴とする請求項2に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
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