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JP5034306B2 - 周波数変調回路及びfm−cwレーダ装置並びに通信統合レーダ装置 - Google Patents
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JP5034306B2 - 周波数変調回路及びfm−cwレーダ装置並びに通信統合レーダ装置 - Google Patents

周波数変調回路及びfm−cwレーダ装置並びに通信統合レーダ装置 Download PDF

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Description

本発明は周波数変調回路及びFM−CWレーダ装置並びに通信統合レーダ装置に関し、特に電圧制御発振器の温度特性や周波数非直線性を随時補正してレーダ機能時の相対距離及び相対速度誤差の低減、装置の調整工数低減、更には無線通信機能時の周波数精度の安定化に有効な技術に関する。
従来、目標物との相対距離及び速度を検出する手段の1つとして、FM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式レーダがある。FM−CWレーダは、ミリ波帯の送信信号に三角状の周波数変調(FM変調)を施して目標物に送信信号を放射し、目標物からの反射信号と送信波の一部をミキシングしてビート信号周波数を検出して目標物までの相対距離及び相対速度を算出するものである(例えば非特許文献1参照)。
図16は従来のFM−CWレーダの概略構成図であり、161は周期的に三角状に変化するFM変調電圧を生成するFM変調電圧発生部、162はFM変調電圧発生部161から供給される電圧に応じて発振周波数を変化させて三角状FM−CW波を出力する電圧制御発振器、163は前記三角状FM−CW波を後述の送信アンテナ164と後述のミキサ166に分配して供給する分配回路、164は前記三角状FM−CW波を目標物に向けて放射する送信アンテナ、165は目標物から反射して戻ってきた反射信号を受信する受信アンテナ、166は受信した反射信号と三角状FM−CW波の一部をミキシング(混合)して両信号間のビート信号を出力するミキサ、167はビート信号周波数を検出して目標物までの距離及び相対速度を計算する信号処理部である。ここで、ビート信号周波数には、対象物までの距離と相対速度の信号成分が含まれているため、アップビート周波数とダウンビート周波数を加算することにより距離が得られ、アップビート周波数とダウンビート周波数の差をとることにより相対速度を求めることができる。
ここで、電圧制御発振器162は、構成する素子の特性によって一般に制御電圧対発振周波数特性は非直線となる。また、温度変動や経年変化により制御電圧対発振周波数特性に変化が生じる。図17に電圧制御発振器の制御電圧対発振周波数特性を示す。横軸は制御電圧、縦軸は周波数である。図17から、電圧制御発振器162の制御電圧は、最大発振周波数FMAXを得る場合、常温時はVMAX(M)であるが、高温時はVMAX(H)となり、また最小発振周波数FMINを得る場合、常温時はVMIN(M)であるが、高温時はVMIN(H)となる。
また、制御電圧対発振周波数の特性カーブ自体が変動することから、電圧制御発振器162の制御電圧対発振周波数特性の非直線性や温度変化による変動により、FM−CW信号の周波数直線性や周波数変調幅が一定とならない。これにより、信号処理部167で計算される目標物までの相対距離及び相対速度に誤差が発生することで目標物の正確な検出が不可能となってしまう。このため、FM変調電圧生成部161において、電圧制御発振器162の制御電圧対発振周波数の非直線性、及び温度変動や経年変化による変動を補正する手段が必要である。
上述した電圧制御発振器162における制御電圧対周波数特性の非直線性及び温度等による周波数変動を補正する方法として、補正データを記憶する手段と温度を検出する手段を備えて、予め記憶した非直線性補正値及び温度補正値を用いてFM変調電圧を制御する方法(例えば特許文献1、特許文献2参照)がある。
また、目標物までの相対距離及び相対速度の検出誤差を抑えるために、位相同期ループ(以下PLLという)を用いてIF帯局部発振源の安定化を図り受信波のローカル信号とする方法(例えば特許文献3参照)がある。更に、レーダ機能と通信機能を有する装置として、自励通信装置とトランスポンダとからなる通信システムにおいて自励通信装置にFM−CW方式のレーダ機能を付加した通信装置(例えば特許文献4参照)がある。
「ミリ波技術の基礎と応用」,第2部第2章4.5.2FMCW方式,発行所 リアライズ社,1998 pp.233−234 特開平10−197625号公報(段落0013〜0022、図1、図2) 特開平8−146125号公報(段落0014〜0019、図2、図3、図4) 特開平8−338868号公報(段落0009〜0014、図1) 特開2005−109759号公報(段落0019〜0026、図1)
以上、FM−CWレーダ装置におけるFM−CW信号の周波数直線性や周波数変調幅を補正する従来の方法、レーダ装置に供する周波数の安定化の方法、及びFM−CW方式レーダに無線通信機能を備えたレーダ装置について述べたが、上述の各方法、及び装置には以下のような問題がある。
特許文献1及び特許文献2の温度検出手段により得られた温度情報を基に予め記憶した周波数非直線性補正値及び温度補正値を用いてFM変調電圧を制御する方法では、電圧制御発振器の個体差があるため、全ての装置で周波数非直線性補正データを補正する温度毎に取得する必要が生じ、調整工数が多大となり製造時の調整コスト面で不利である。
更に、温度毎に取得した周波数非直線性補正データを記憶する必要があるため、記憶容量が膨大となり回路規模の増大を招いてしまう。特許文献3のPLLを用いてIF帯局部発振源の安定化を図り受信波のローカル信号とする方法は、パルス方式のレーダ装置には効果的であるが、FM−CW方式のレーダ装置に適用する場合のFM−CW信号の周波数直線性や周波数変調幅を一定に保つ方法については言及していない。また、ミリ波帯で数十〜数百MHz程度の周波数幅を有する周波数変調入力が必要となり、回路規模の増加及びコストの増大を招く。
特許文献4の自励通信装置にFM−CW方式のレーダ機能を付加した通信装置は、FM−CW波生成における温度変動や経年変化による周波数変調幅や周波数直線性の変動に対する補正については言及しておらず、相対距離及び相対速度等レーダ性能の確保が困難である。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、第1にFM−CW波を送信して目標物からの反射信号を受信し目標物との相対距離及び相対速度を検出するレーダ装置において、回路規模の増大及び装置製造時の調整工数を含めたコストの増大を招くことなく、一定の周波数変調幅及び周波数直線性が確保されたFM−CW波を生成する周波数変調回路、及び該周波数変調回路を用いることにより目標物との相対距離及び相対速度の検出精度が高いFM−CWレーダ装置を提供することを目的としている。
また、第2にレーダ機能と無線通信機能を統合した通信統合レーダ装置において、回路規模の増加を最小限に抑え、かつ高価格化を招くことなく、目標物との相対距離及び相対速度の検出精度が高いレーダ機能と、周波数精度が高く安定した無線通信を行なえる無線通信機能とを備えた通信統合レーダ装置を提供することを目的としている。
本発明は、前記課題を達成するために、一定周期で動作する周波数計測モードで周波数補正のための無変調波制御電圧データ及び制御ステップ値を生成記憶し、レーダモード若しくはレーダ/通信モードにおいて記憶した無変調波制御電圧データ及び制御ステップ値とからFM−CW波若しくは無変調周波数を生成出力することを特徴とする。
本発明の第1の態様は、FM−CWレーダ装置又は通信統合レーダ装置の周波数変調回路において、周波数計測モードではPLL処理により周波数間隔が一定の複数の無変調周波数を生成して得られる無変調波制御電圧データ及び制御ステップ値を記憶し、該無変調波制御電圧データ及び制御ステップ値を基に、FM−CW波出力スロットでは電圧制御発振器の非線形である制御電圧対発振周波数特性が補正されたFM−CW波を、無線通信スロットでは無変調周波数を出力し、また周波数計測モードが一定周期で動作することで無変調波制御電圧データ及び制御ステップ値が更新記憶されて電圧制御発振器における温度変動や経年変化等の影響による周波数変動を抑えるように随時補正されることを特徴とする。
本発明の第2の態様は、FM−CWレーダ装置又は通信統合レーダ装置の周波数変調回路において、起動直後の最初の周波数計測モードでは計測する無変調周波数毎に順次得られる無変調波制御電圧データを記憶し、以降の周波数計測モードでは計測する無変調周波数毎に記憶された無変調波制御電圧データをPLL初期設定電圧としてPLL処理を行ない、かつPLL動作引き込み後の無変調波制御電圧データを次のフレームのPLL初期設定電圧として更新記憶することにより、直前の周波数計測モードに記憶した無変調波制御電圧データに対して温度変動分のみを補正することでPLL動作の引き込み時間を高速化して短時間で周波数計測モードを実行することを特徴とする。
本発明の第3の態様は、FM−CWレーダ装置又は通信統合レーダ装置の周波数変調回路において、基準発振手段を数値制御発振手段で実現し、またPLL処理における無変調周波数の分周を固定分周とすることで、基準周波数が可変されてPLL処理を行なうことによりFM−CW波の周波数変調幅の分割数を自由に設定することが可能であると共に、比較周波数を高速に設定することでPLL引き込み時間を高速化して短時間で周波数計測モードを実行することを特徴とする。
本発明の第4の態様は、FM−CW波を送信してFM−CW反射波を受信するFM−CWレーダ装置において、レーダモードに対して周波数計測モードを一定周期で動作させることで、電圧制御発振器における温度変動等の影響を抑えて一定の周波数変調幅及び周波数直線性を確保したFM−CW波を出力し、目標物の相対距離及び相対速度の検出誤差を抑えることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、FM−CW波と無線通信用送信波を時分割で送信し、FM−CW反射波及び子局無線通信装置の送信波を受信する通信統合レーダ装置において、レーダ/通信モードに対して周波数計測モードを一定周期で動作させて電圧制御発振器における温度変動等の影響を抑えて一定の周波数変調幅及び周波数直線性を確保したFM−CW波及び周波数精度の高い無線通信用送信波を出力し、レーダ/通信モードがFM−CW波出力スロットと無線通信スロットを交互に動作することでレーダ機能における精度の高い測距データの抽出と通信機能における安定した無線通信を時分割で行なうことを特徴とする。
本発明の第6の態様は、FM−CW波とデータ通信用送信波を時分割で送信しFM−CW反射波及び子局無線通信装置の送信波を受信する通信統合レーダ装置において、レーダ/通信モードに対して周波数計測モードを一定周期で動作させて電圧制御発振器における温度変動等の影響を抑えて一定の周波数変調幅及び周波数直線性を確保したFM−CW波及び周波数精度の高い無線通信用送信波を出力し、レーダ/通信モードは子局無線通信装置の有無によって複数のFM−CW波出力スロットと1つの無線通信スロットで構成されるレーダ優先モードとFM−CW波出力スロットと無線通信スロットが交互に出力される通信優先モードとを切り替え、子局無線通信装置が存在しない場合はレーダ優先モードでレーダ機能を中心に動作し、子局無線通信装置が存在する場合は通信優先モードでレーダ機能と通信機能を交互に動作することを特徴とする。
上記第1の態様によれば、周波数計測モードにおいて、PLL処理により得られる周波数制御データを記憶することで、FM−CW波出力スロットにおけるFM−CW波出力の周波数変調幅を一定に保ち、かつ周波数直線性を確保でき、無線通信スロットにおける無変調周波数出力の周波数精度を高めることができる。また、周波数計測モードを一定周期で繰り返すことで、随時周波数制御データを更新して電圧制御発振器の温度変動による周波数変動を排除することができる。
上記第2の態様によれば、周波数計測モードのPLL処理において、直前フレームで記憶された周波数制御データを用いることでPLL処理の高速化による周波数計測モード実行時間の短縮化を図ることにより、1フレーム周期内のレーダモード又はレーダ/通信モードの動作時間比率を高めることができる。
上記第3の態様によれば、周波数計測モードのPLL処理において、基準周波数の分周数を可変として比較周波数を高速に設定することでPLL処理の高速化による周波数計測モード実行時間の短縮化を図ることにより、1フレーム周期内のレーダモード又はレーダ/通信モードの動作時間比率を高めることができる。また、周波数変調幅の分割数を自由に設定できるため、より細やかな周波数非直線性の補正ができる。
上記第4の態様によれば、FM−CWレーダ装置に上記第1〜第3の態様の何れかの周波数変調回路を用いることで、周波数変調幅が一定に保たれ、かつ周波数直線性が確保されたFM−CW波を出力することができるので、測距データの測定精度が高く、正確な目標物の相対速度及び相対距離を得ることができる。
上記第5の態様によれば、通信統合レーダ装置に上記第1〜第3の態様の何れかの周波数変調回路を用いることで、レーダ/通信モードにおいて、周波数変調幅が一定に保たれ、かつ周波数直線性が確保されたFM−CW波を出力するFM−CW波出力スロットと、周波数精度が高い送信波を出力する無線通信スロットとを時分割で交互に行なうことで、子局無線通信装置との安定した無線通信を行ないながら時々刻々と変化する子局無線通信装置を搭載した目標物の正確な測距データを抽出することができる。また、抽出した測距データ及び子局無線通信装置からの受信データを関連付けて処理できるので、多様なアプリケーションへ適用することができる。
上記第6の態様によれば、通信統合レーダ装置のレーダ/通信モードにおいて、子局無線通信装置を搭載した目標物の有無によりFM−CW波出力スロットの割合を大きくしたレーダ優先モードとFM−CW波出力スロットと無線通信スロットを時分割で交互に行なう通信優先モードを切り替えて動作させることで、子局無線通信装置が存在しない場合は一定の割合で無線通信に用いる回路及び処理を停止できるため、回路の消費電力を抑えることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明における第1の周波数変調回路の構成図である。図において、1は電圧制御発振器、2は分配回路、3はPLL処理部、31及び32は分周回路、33は位相比較回路、34はロック検出回路、35はフィルタ回路、4は基準発振回路、5はA/D変換器、6は制御電圧データ生成部、61は制御ステップ値生成回路、62は記憶回路、63は積算回路、64は加算回路、7はD/A変換器、8はローパスフィルタ(LPF)、9はスイッチ(SW)回路、10は周波数変調処理制御部、FOUTは電圧制御発振器1の発振周波数、FRは基準発振出力、MKは分周回路31に設定される周波数番号Kに対応した可変分周数(比較分周数)、R1は分周回路32に設定される固定分周数(基準分周数)、LDはPLL処理部3の位相同期状態を表すロック検出信号、VK(J)はPLL処理部3から出力されるJ番目のフレームにおける周波数番号Kの無変調波制御電圧、VDK(J)はJ番目のフレームにおける無変調波制御電圧VK(J)をディジタル値に変換した無変調波制御電圧データ、(ΔVDK(J)/Q)はJ番目のフレームにおける周波数番号(K−1)〜Kの区間の制御ステップ値を示している。
図2は本発明における電圧制御発振器の制御電圧対発振周波数特性の周波数分割例を示す図である。図3は周波数変調回路の動作フローチャートである。図4は無変調波周波数を生成して無変調波制御電圧データを保持する手順を示す第1の周波数計測モードのフローチャートである。図5は三角波変調波形データを生成して出力する手順を示すレーダモード又はレーダ/通信モードにおけるFM−CW波出力スロット処理のフローチャートである。図6は本発明における第1の周波数変調回路の周波数出力タイミングチャート例であり、周波数計測モードとFM−CW波出力スロットのみで構成されるレーダモードを実行する場合を示している。図6のタイミングチャート例において、TPKは第1の周波数計測モードにおける周波数番号Kの無変調周波数のPLL引き込み時間、TMは第1の周波数計測モード時間、TTR1はFM−CW波出力スロット時間、TRはレーダモード時間である。
以下、第1の実施の形態に係る周波数変調回路の動作について説明する。
図1に示した第1の周波数変調回路は、図3に示したフローチャートに従って動作し、先ず初めに周波数計測モード301を実行する。次に、カウンタ初期化処理302で出力スロット数カウンタCNTを初期化する。本周波数変調回路が周波数計測モードとレーダモードで動作する場合は、出力スロット判定処理303においてFM−CW波出力スロット処理304のみが選択されるように制御され、FM−CW波出力スロット処理304が実行される毎にカウンタ加算処理306で出力スロット数カウンタCNTに1を加えて、カウンタ値判定処理307で設定されたスロット実行回数Sに達するまでFM−CW波出力スロット処理304を繰り返す。
また、周波数計測モードとレーダ/通信モードで動作する場合は出力スロット判定処理303において、FM−CW波出力スロット処理304又は無線通信スロット処理305が選択制御され、FM−CW波出力スロット処理304又は無線通信スロット処理305が実行される毎にカウンタ加算処理306で出力スロット数カウンタCNTに1を加えて、カウンタ値判定処理307で設定されたスロット実行回数Sに達するまでFM−CW波出力スロット処理304又は無線通信スロット処理305を実行する。
本周波数変調回路は、上記一連の処理を1フレーム周期として動作し、カウンタ値判定処理307でスロット実行回数Sに達した場合、周波数計測モード301に戻り次のフレーム動作を開始する。
第1の周波数計測モードにおいて、図2に示すように最小発振周波数FMINから最大発振周波数FMAXまでの周波数幅を均等にN分割(N=2n)されたF0(=FMIN)〜FN(=FMAX)までの(N+1)個の無変調周波数FK(K=0〜N)を、図6に示すように周波数番号K=0〜Nまで(N+1)回、順次繰り返し生成して無変調周波数FKの制御電圧VKを得る。
制御電圧VKはディジタル値に変換され、無変調波制御電圧データVDKとして保持される。また、無変調波制御電圧データVDK及びVDK-1の差分ΔVDKを、制御ステップ値積算回数Q(Q=2q)で除した(ΔVDK/Q)を制御ステップ値として保持する。その後、レーダモード又はレーダ/通信モードに遷移して、FM−CW波出力スロット処理においては第1の周波数計測モードで記憶された制御ステップ値(ΔVDK/Q)、無変調波制御電圧データVDKを基に三角波変調波形データを生成する。
該三角波変調波形データは三角波変調制御電圧に変換され、該三角波変調制御電圧によって電圧制御発振器1が制御され発振周波数FOUTは三角状のFM−CW波となる。また、無線通信スロット処理においては第1の周波数計測モードで記憶された無変調波制御電圧データVDKが無変調波制御電圧に変換され、発振周波数FOUTは無変調周波数FKとなる。
次に、第1の周波数計測モード及びFM−CW波出力スロット処理の動作について、図4及び図5を用いて詳細に説明する。
図4において、第1の周波数計測モードを開始すると、先ず、初期設定処理401において、SW回路9の入力をフィルタ回路35側に接続し電圧制御発振器1がPLL処理部3の無変調波制御電圧で制御されるように周波数変調処理制御部10から設定されるモード切り替え信号に従って設定され、分周回路32に対して固定値である基準分周数Rが周波数変調処理制御部10から設定され、周波数番号Kに初期値0を設定する。ここで、周波数Kの最大値はNである。
次に、比較分周数設定処理402において、周波数変調処理制御部10は周波数番号K=0に対応する比較分周数M0を分周回路31に設定する。PLL処理403において、無変調周波数F0を得るためにPLL処理部3を動作させ、電圧制御発振器1の出力FOUTを分周回路31により分周して得られる比較周波数(FOUT/M0)と基準発振出力FRを分周回路32により分周して得られる基準周波数(FR/R1)とが位相比較回路33に入力され、位相差信号が抽出される。
該位相差信号はフィルタ回路35で平滑化され、SW回路9を経て電圧制御発振器1に入力され、発振周波数FOUTが制御される。上記の動作は閉ループ制御処理となっており、最終的にFOUT=F0となりロック検出回路34はロック検出信号LDを“0”から“1”(“0”はアンロック状態、“1”はロック状態)にする。周波数変調処理制御部10は、ロック検出信号LDの状態によりPLL処理部3がロック状態であると判定した後、A/Dデータ取り込み処理404において制御電圧データ生成部6は、無変調周波数F0における無変調波制御電圧V0(1)がA/D変換器5によりディジタル値に変換された無変調波制御電圧データVD0(1)を取り込み、無変調波制御電圧データ格納処理405において、無変調波制御電圧データVD0(1)を記憶回路62に格納する。
周波数番号最小値判定処理406において、周波数番号Kが最小値0かどうかを判定し、K=0の場合には周波数番号最大値判定処理408に遷移する。ここで、K≠0の場合は、制御ステップ値算出・格納処理407において、制御ステップ値生成回路61により無変調波制御電圧データVDK(1)及びVDK-1(1)の差分ΔVDK(1)を算出し、制御ステップ値積算回数Q(Q=2q)で除した(ΔVDK(1)/Q)を制御ステップ値として記憶回路62に格納して周波数番号最大値判定処理408に遷移する。
周波数番号最大値判定処理408において、周波数番号Kが最大値Nかどうかを判定し、最大値Nに達していない場合は、周波数番号設定処理409において周波数番号Kの値に1を加えて更新し、比較分周数設定処理402に戻る。以後、比較分周数設定処理402〜周波数番号最大値判定処理408を繰り返し、無変調周波数F1,F2,…FNと順次生成して無変調周波数FKに対応する無変調波制御電圧データΔVDK(1)及び制御ステップ値(ΔVDK(1)/Q)を記憶し、周波数番号最大値判定処理408において周波数番号KがNに達した場合、即ち無変調波制御電圧データVDN(1)及び制御ステップ値(ΔVDN(1)/Q)を記憶した後に第1の周波数計測モードを終了させる。
上記処理により、第1の周波数計測モードにおいて無変調周波数F0〜FNに対応する無変調波制御電圧データVD0(1)〜VDN(1)及び制御ステップ値(ΔVD1(1)/Q)〜(ΔVDN(1)/Q)が記憶回路62に順次格納される。第1の周波数計測モードが終了すると、レーダモード又はレーダ/通信モードに移行し、レーダモードにおいてはFM−CW波出力スロットのみ、レーダ/通信モードにおいてはFM−CW波出力スロット又は無線通信スロットを実行する。
図5のFM−CW波出力スロット処理において、初期設定処理501ではSW回路9の入力をLPF8側に接続し、制御電圧データ生成部6が出力する制御電圧で電圧制御発振器1が制御されるように設定し、制御ステップ値積算カウンタL(Lの最大値はQ−1であってQ=2q)に初期値0を、周波数番号Kに初期値1を設定する。また、加算回路64の一方の入力に無変調波制御電圧データVD0(1)を制御電圧オフセットデータとして設定し、VD0(1)を初期値として三角波変調波形データVDTR1(1)を保持し、制御電圧データ生成部8から出力する。
三角波変調波形データVDTR1は、D/A出力処理502によりD/A変換器7においてアナログ値に変換出力される。その後、上り三角波変調波形データ生成処理503において、積算回路63に制御ステップ値(ΔVD1(1)/Q)を設定し、制御ステップ積算値を生成して制御電圧オフセットデータVD0(1)に加算して三角波変調波形データVDTR1を更新して保持し出力する。
制御ステップ積算値が加算された三角波変調波形データVDTR1(1)は、D/A出力処理504によりD/A変換器7においてアナログ値に変換出力される。積算回数判定処理505において、積算回数Lが最大値Q−1かどうか判定し、積算回数Lが最大値Q−1に達していない場合は積算回数加算処理506において、積算回数Lの値に1を加えて更新し、再度上り三角波変調波形データ生成処理503及びD/A出力処理504を実行し、三角波変調波形データVDTR1(1)の生成、更新及び出力を行なう。
積算回数Lが最大値Q−1に達した場合、制御電圧データ生成部8は周波数番号0から周波数番号1までの区間の三角波変調波形データVDTR1(1)を出力したことになる。その後、積算回数初期化処理507で積算回数Lに初期値0を設定し、周波数番号判定処理508において周波数番号Kが最大値Nかどうか判定し周波数番号Kが最大値Nに達していない場合は周波数番号設定処理509で周波数番号Kの値に1を加えて更新し、周波数番号Kが最大値Nに達するまで上り三角波変調波形データ生成処理503から一連の処理を実行することで、積算回路63に周波数番号Kの値に対応する制御ステップ値(ΔVD2(1)/Q)〜(ΔVDN(1)/Q)を順次設定して積算処理が行われ、無変調波制御電圧データVD0(1)→VD1(1)→VD1(2)→…→VDN(1)と遷移する上り三角波変調波形データ生成区間の制御電圧データが生成される。
周波数番号K=Nとなった後は、下り三角波変調波形データ生成処理510において、積算回路63に制御ステップ値(ΔVDN(1)/Q)が設定されて制御ステップ値積算値が生成され、該制御ステップ積算値を上り三角波変調波形データ生成区間の最後に保持された三角波変調波形データVDTR1(1)、即ちVDN(1)から減算し、三角波変調波形データVDTR1(1)を更新して出力する。D/A出力処理511において更新された三角波変調波形データVDTR1はD/A変換器7においてアナログ値に変換出力される。
積算回数判定処理512において積算回数Lが最大値Q−1かどうか判定し、最大値Q−1に達していない場合は積算回数加算処理513において積算回数Lの値に1を加えて更新し、再度下り三角波変調波形データ生成処理510及びD/A出力処理511を実行し、三角波変調波形データVDTR1(1)の生成、更新及び出力を行なう。
積算回数Lが最大値Q−1に達した場合、制御電圧データ生成部8は周波数番号N〜(N−1)までの区間の三角波変調波形データVDTR1(1)を出力したことになる。その後、積算回数初期化処理514で積算回数Lに初期値0を設定し、周波数番号判定処理515において周波数番号Kが最小値1かどうか判定する。周波数番号Kが最小値1に達していない場合は、周波数番号減算処理516で周波数番号Kの値から1を減じて更新し、周波数番号Kが最小値1に達するまで下り三角波変調波形データ生成処理510から一連の処理を実行することで、積算回路63に周波数番号Kの値に対応する制御ステップ値(ΔVDN-1(1)/Q)、(ΔVDN-2(1)/Q)、…、(ΔVD1(1)/Q)を順次設定して積算処理が行われ、無変調波制御電圧データVDN(1)→VDN-1(1)→…→VD0(1)と遷移する下り三角波変調波形データ生成区間の制御電圧が生成される。
上記一連の処理により、FM−CW波出力スロットの1周期分の三角波変調波形データVDTR1(1)が出力される。該三角波変調波形データVDTR1(1)は逐次一定のタイミングでD/A変換器7でアナログ値に変換され、LPF8でD/A変換器7のサンプリングクロックを含む高調波成分が除去されてSW回路9を経由して電圧制御発振器1に供され、電圧制御発振器1は、周波数変調幅が一定になり、かつ電圧制御発振器1の制御電圧対発振周波数特性における非線形性が補正されるように生成された三角波変調波形データVDTR1(1)に従ったFM−CW波を出力する。
第1の周波数変調回路がレーダモードで動作する場合、図3に示した周波数変調回路の動作フローチャートの説明で述べたように、図4に示した第1の周波数計測モードと図5に示したFM−CW波出力スロット処理をSスロット分実行して1フレーム周期としている。ここで、FM−CW波出力スロット処理の実行回数Sは、電圧制御発振器1の発振周波数FOUTの時間変化による温度変動分が許容偏差以内に十分収まるように設定すればよい。
1フレーム目の動作終了後、2フレーム目に遷移し、第1の周波数計測モードを実行して時間変化による電圧制御発振器1の発振周波数FOUTの温度変動分を補正するため無変調波制御データVDK(2)及び制御ステップ値(ΔVDK(2)/Q)を生成して記憶回路62を更新し、レーダモードのFM−CW波出力スロット処理で制御ステップ値(ΔVDK(2)/Q)により生成される三角波変調波形データVDTR1(2)に従ったFM−CW波を出力する。以降、第1の周波数計測モードとS回実行されるFM−CW波出力スロットで構成されるレーダモードを繰り返すことで、制御ステップ値(ΔVDK(J)/Q)を生成更新して三角波変調波形データVDTR1(J)に従ったFM−CW波を出力し、電圧制御発振器1の発振周波数FOUTの温度変動分は随時補正される。
図6は、第1の周波数変調回路が周波数計測モードとレーダモードを実行する場合における周波数出力タイミングチャート例であるが、図6を用いて、第1の周波数計測モード時間TMとレーダモード時間TRの関係について述べる。
第1の周波数計測モード時間TM、レーダモード時間TR及びフレーム周期時間TFは、図6に示すように(1)式,(2)式及び(3)で求められる。
Figure 0005034306
TR=TTR1×S(秒) (2)
TF=TM+TR
=TPK×(N+1)+TTR1×S(秒) (3)
また、1フレーム周期時間における周波数計測モード実行比率ΔTMは(4)式で求められる。
ΔTM=(TM/TF)×100(%) (4)
ここで、第1の周波数計測モードにおける周波数番号Kの無変調周波数のPLL引き込み時間TPKは、周波数分割数N、最大発振周波数FMAX、最小発振周波数FMIN、基準発振出力FR及び基準分周数Rをパラメータとして設計されるフィルタ回路35に依存するが、概ね1ミリ秒程度で実現可能であり、N=8とした場合、TMは10ミリ秒程度以下となる。また、一般的に時間経過に対する装置内部の温度上昇は装置電源投入直後の自己放熱によるものが支配的であり、密閉性が高く、一般的な冷却装置(例えば放熱ファン等)が設置されずに装置筐体の放熱フィンのみが付属する装置の装置内部温度上昇を実験的に測定した結果、1゜C上昇するのに100秒程度を要する。
FM−CW波出力スロット時間TTR1=1ミリ秒として、1゜C以内の変動毎に第1の周波数計測モードを実行するとした場合、十分なマージンを含めてフレーム周期時間TF=50秒とした場合、ΔTM=0.02(%)となり、測距データ抽出回数に大きな影響は生じない。
以上、周波数計測モードとレーダモードを実行する第1の周波数変調回路の動作について詳細に述べたが、次に第1の周波数変調回路が周波数計測モードとレーダ/通信モードを実行する場合について述べる。レーダ/通信モード実行時は、図3に示した周波数変調回路の動作フローチャートの出力スロット判定処理303において、FM−CW波出力スロット処理304又は無線通信スロット処理305が選択実行される。
無線通信スロット処理305では、図1において記憶回路62から無変調周波数FKの無変調波制御データVDKが読み出されて加算回路64に設定され、加算回路64はスロット切り替え信号により無変調波制御電圧データVDKのみが出力されるように制御される。無変調波制御電圧データVDKは、D/A変換器7で無変調波制御電圧VKに変換され、LPF8、SW回路9を経て電圧制御発振器1に入力され、無線通信スロット区間において第1の周波数変調回路は無変調周波数FKを出力する。ここで、無線通信スロット時間とFM−CW波出力スロット時間を同一にすることで、カウンタ加算処理306及びカウンタ値判定処理307が同一のままでレーダモード実行時と同様のフレーム周期時間で動作可能である。
以上、説明したように、第1の実施の形態によれば、FM−CWレーダ装置又は通信統合レーダ装置の周波数変調回路において、一定のフレーム周期で動作する第1の周波数計測モードでPLL処理によって順次生成される無変調波制御電圧データVDK及び無変調波制御電圧データVDKから算出される制御ステップ値(ΔVDK/Q)を記憶し、FM−CW波出力スロットで該制御ステップ値(ΔVDK/Q)から生成される三角波変調波形データVDTR1によりFM−CW波を、無変調波制御電圧データ周波数VDKにより無変調周波数FKを生成出力することで、電圧制御発振器1の温度変動や経年変化による周波数出力変動を随時補正できるため、装置製造時の調整工程で補正データを取得して記憶することなくFM−CW波の周波数変調幅を一定に保ち、かつ周波数直線性を確保し、また無線通信用の無変調周波数を高精度で出力できる。更に、周波数変調回路において、制御電圧データ生成部及び周波数変調処理部はディジタル信号処理で可能である。
(第2の実施の形態)
図7は本発明における第2の周波数変調回路の構成図である。図7の第2の周波数変調回路は、図1に示す第1の周波数変調回路の構成に、加算回路36を加えたものである。その他の構成は、図1と同じである。図8は第2の周波数計測モードのフローチャートである。図8に示したフローチャートは、図4に示したフローチャートの初期設定処理401を初期設定処理801に置き換え、また比較分周数設定処理402の直前に無変調波設定処理802を、周波数番号設定処理409の一方の分岐先に制御電圧データ出力設定処理803を付加したものである。
図9は本発明における第2の周波数変調回路の周波数出力タイミングチャート例であり、周波数計測モードとFM−CW波出力スロットで構成されるレーダモードを実行する場合を示している。図9に示したタイミングチャート例において、TM(J)はJ番目のフレームにおける第2の周波数計測モードに要する時間、TPK(J)はJ番目のフレームにおける周波数番号Kの無変調周波数のPLL引き込み時間である。
図7に示した第2の周波数変調回路は、第1の実施の形態における第1の周波数変調回路と同様に、図3に示したフローチャートに従って動作するが、周波数計測モード301が第2の周波数計測モードで実行される。以下に第2の周波数計測モードの動作について、図7,図8及び図9を用いて説明する。
図8に示した第2の周波数計測モードのフローチャートにおいて、1フレーム目の動作を開始すると、初期設定処理801においては、SW回路9の入力をフィルタ回路34側に接続し電圧制御発振器1がPLL処理部3の無変調波制御電圧で制御されるように設定し、分周回路32に対して固定分周数Rを、周波数番号Kに初期値0を設定する。モード切り替え信号に従って、加算回路64の一方の入力である記憶回路62からの出力のみが出力されるように設定される。
次に、無変調波設定処理802において、記憶回路62から無変調波制御電圧データVD0(0)が読み出され、加算回路64、D/A変換器7及びLPF8を経てアナログ値に変換された無変調波制御電圧V0(0)が電圧制御発振器1に入力される。ここで、第2の周波数計測モードにおける1フレーム目の開始時点において記憶回路62のVDK(0)は“0”(電源投入時の初期値)が格納されているため、V0(0)=0[V]となる。比較分周数設定処理402において、分周数M0を分周回路31に設定し、PLL処理403において、PLL処理部3の動作を開始してLPF8の出力である無変調波制御電圧V0(0)とフィルタ回路35の出力である位相差電圧ΔVφ(1)とを加算した加算回路36の出力V0(1)は、SW回路9を経由して電圧制御発振器1の制御電圧として入力され、閉ループ制御により無変調周波数F0を発振させる。
ここで、V0(0)=0[V]であるため、電圧制御発振器1にはV0(1)=ΔVφ (1)のみが供されるので、図9に示す第2の周波数計測モードにおける1フレーム目の無変調周波数F0のPLL引き込み時間TP0(1)は第1の周波数計測モードのPLL引き込み時間TP0とほぼ同様になり、TP0(1)≒TP0となる。その後、周波数番号判定処理409において、周波数番号Kが最大値Nと判定されるまで無変調波設定処理802において、順次無変調波制御電圧データVDK(0)を設定してPLL処理403以降の処理は第1の周波数計測モードと同様の処理を行ない、無変調波制御電圧データVD0(1)、VD1(1)、VD2(1)、…、VDN(1)及び制御ステップ値(ΔV1(1)/Q)、(ΔVD2(1)/Q)、…、(ΔVDN(1)/Q)を記憶回路62に順次記憶する。
周波数番号判定処理409においてK=Nとなった後、制御電圧データ出力設定処理803において加算回路64が記憶回路62の出力と積算回路63の出力とを加算演算できるように設定して第2の周波数計測モードを終了する。1フレーム目の第2の周波数計測モードが終了するとレーダモード又はレーダ/通信モードに移行し、レーダモードにおいてはFM−CW波出力スロットのみ、レーダ/通信モードにおいてはFM−CW波出力スロット又は無線通信スロットを実行して第1の実施の形態で説明した動作を行ない、電圧制御発振器1は三角波変調波形データVDTR1(1)に従ったFM−CW波又は無変調波制御電圧データVDK(1)による無変調周波数FKを出力する。
その後、第1の実施の形態と同様に、第2の周波数計測モードと、レーダモード又はレーダ/通信モードで構成されるフレーム動作を実行するが、2フレーム目の第2の周波数計測モードにおける無変調波設定処理802には、記憶回路62に1フレーム目に記憶した無変調波制御電圧データVDK(1)が格納されているので、加算回路64からは無変調周波数FKに対応する1フレーム目の無変調波制御電圧データVDK(1)が出力され、PLL処理403において無変調周波数F0を生成する場合、加算回路36の出力V0 (2)は、無変調波制御電圧V0(1)と位相差電圧ΔVφ(2)との和となり、PLL処理部3は無変調波制御電圧V0(1)を初期値として時間経過により生じる電圧制御発振器1の温度変動分のみを位相差電圧ΔVφ(2)として生成すればよいので、PLL引き込み時間TP0(2)は1フレーム目のPLL引き込み時間TP0(1)と比較して格段に短縮され、TP0(2)<<TP0(1)となる。
無変調周波数F2〜FNの生成においても同様であるので、TPK(2)<<TPK(1)となることは明白である。以降のフレームにおいても第2の周波数計測モードを実行することで、1フレーム目を除くJ番目のフレームにおいて、PLL引き込み時間TPK(J)の総和である第2の周波数計測モードを短時間で実現できる。
以上、説明したように、第2の実施の形態によれば、FM−CWレーダ装置又は通信統合レーダ装置の周波数変調回路において、フレーム周期で第2の周波数計測モードを実行することにより電圧制御発振器の温度変動や経年変化による周波数出力変動を随時補正してFM−CW波の周波数変動幅を一定に保ち、かつ周波数直線性を確保でき、また無変調周波数の周波数精度の安定化が図れると共に、2フレーム目以降の第2の周波数計測モードにおいて直前の周波数計測モードで記憶した無変調波制御電圧データを初期値としてPLL動作を行なうことによりPLL引き込み時間の短縮を図ることで第2の周波数計測モードに要する時間を短縮して周波数計測モード実行比率ΔTMを小さく、即ちレーダモード又はレーダ/通信モードの動作時間比率を高めることができる。また、周波数変調回路において制御電圧データ生成部及び周波数変調処理部はディジタル信号処理で可能である。
(第3の実施の形態)
図10は本発明における第3の周波数変調回路の構成図である。図10の第3の周波数変調回路は、図1に示す第1の周波数変調回路における基準発振回路4を、積算回路41、サイン波テーブルROM42、D/A変換器43及びLPF44に置き換えたものである。FRKは周波数番号Kにおける基準発振出力、Mは分周回路31に設定される固定分周数、R2は分周回路32に設定される固定分周数、ΔPKは周波数番号Kに対応する積算回路41に設定される位相データ、FDは積算回路41の積算クロックを示している。
図11は第3の周波数計測モードのフローチャートである。図11に示したフローチャートは、図4に示したフローチャートの初期設定処理401を初期設定処理1101に、比較分周数設定処理402を基準発振出力設定処理1102に置き換えたものである。
図10に示した第3の周波数変調回路は、第1の実施の形態における第1の周波数変調回路と同様に図3に示したフローチャートに従って動作するが、周波数計測モード301が第3の周波数計測モードで実行される。以下に、第3の周波数計測モードの動作について図10及び図11を用いて説明する。
図10において、第3の周波数計測モードを開始すると、先ず初期設定処理1101において、SW回路9の入力をフィルタ回路34側に接続して電圧制御発振器1がPLL処理部3の無変調波制御電圧で制御されるように設定し、分周回路31に対して固定分周数Mを、分周回路32に対して固定分周数Rを設定する。また、周波数番号Kに初期値0を設定する。次に、基準発振出力設定処理1002において、周波数番号Kの値に従って周波数番号K=0に対する位相データΔP0を積算回路41に設定し、位相データ積算値
Σ(ΔP0)を生成出力して、サイン波テーブルROM42から位相データ積算値Σ(Δ
0)に従ったサイン波データを読み出し、該サイン波データはD/A変換器43にてアナログ値に変換され、LPF44にて高調波成分が除去されて基準発振出力FR0が出力される。
その後、PLL処理403においてPLL処理部3の動作を開始し、電圧制御発振器1の出力FOUTを分周回路31により分周して得られる比較周波数(FOUT/M)と基準発振出力FR0を分周回路32により分周して得られる基準周波数(FR0/R2)とが位相比較回路33に入力され、位相差信号が抽出される。該位相差信号は、フィルタ回路35で平滑化され、SW回路9を経て電圧制御発振器1に入力され、電圧制御発振器1の発振周波数を制御する。
上記の動作は閉ループ制御処理となっており、最終的にFOUT=F0となり、ロック検出回路34はロック検出信号LDを“0”から“1”(“0”はアンロック状態、“1”はロック状態)にして出力する。その後、周波数番号判定処理409において周波数番号Kが最大値Nと判定されるまで、基準発振出力設定処理1102において順次位相データΔPKを設定してPLL処理403以降の処理は第1の周波数計測モードと同様の処理を行ない、無変調波制御電圧データVD0(1)、VD1(1)、VD2(1)、…、VDN(1)及び制御ステップ値(ΔVD1(1)/Q)、(ΔVD2(1)/Q)、…、(ΔVDN(1)/Q)を記憶回路62に順次記憶する。周波数番号判定処理409においてK=Nとなった後、第3の周波数計測モードを終了する。
ここで、基準発振出力FRKと無変調周波数FKの関係について説明する。
積算回路41における基準発振出力FRKは、位相データΔPKのビット数をUとすると、位相データΔPKと積算クロックFDを用いて以下の式で表される。
RK=ΔPK×FD/2U (MHz) (5)
また、周波数番号Kの無変調周波数FKは比較分周数M、基準分周数R2及び基準発振出力FRKを用いて以下の式で表される。
K=FRK×M/R2 (MHz) (6)
(5),(6)式より、周波数番号Kの無変調周波数FKは次式で表される。
K=FD×(ΔPK/2U)×(M/R2) (MHz) (7)
(6)式より、比較周波数(FK/M)は基準発振出力FRKに依存することが分かる。また、(5)式より、位相データΔPKのビット数Uを大きくすることで基準発振出力FRKの分解能を高くできることが分かる。従って、位相データΔPKのビット数Uの値により、無変調周波数FKの生成誤差を抑えつつ、比較分周数を可変設定する場合に比べて比較周波数(FK/M)を高く設定することができる。
また、周波数変調幅の分割数Nは、最大発振周波数FMAX、最小発振周波数FMIN及び無変調周波数FK及びFK-1で表わすと次式のようになる。
N=(FMAX−FMIN)/(FK−FK-1) (8)
(7)式により無変調周波数FKは位相データΔPKに依存するので、(8)式より分割数Nも位相データΔPKに依存することが分かる。従って、位相データΔPKのビット数Uの値により、比較分周数を可変設定する場合に比べて分割数Nを自由に設定することができる。
第3の周波数計測モードが終了すると、レーダモード又はレーダ/通信モードに移行し、レーダモードにおいてはFM−CW波出力スロットのみ、レーダ/通信モードにおいてはFM−CW波出力スロット又は無線通信スロットを実行して第1の実施の形態で説明した動作を行ない、電圧制御発振器1は三角波変調波形データVDTR1(1)に従ったFM−CW波又は無変調波制御電圧データVDK(1)による無変調周波数FKを出力する。
1フレーム目のレーダモード又はレーダ/通信モード終了以降、第3の周波数計測モードと、レーダモード又はレーダ/通信モードで構成されるフレームを繰り返し、第3の周波数計測モードにおいて無変調波制御電圧データVDK(J)及び制御ステップ値(ΔVDK(J)/Q)を更新記憶することで、電圧制御発振器1の発振周波数FOUTの温度変動分は随時補正される。
以上、詳細に説明したように、第3の実施の形態によれば、FM−CWレーダ装置又は通信統合レーダ装置の周波数変調回路において、フレーム周期で第3の周波数計測モードを実行することにより電圧制御発振器の温度変動や経年変化による周波数出力変動を随時補正してFM−CW波の周波数変調幅を一定に保ち、かつ周波数直線性を確保でき、また無変調周波数の周波数精度の安定化が図れると共に、PLL処理部3における無変調周波数の分周数と比較周波数の制約条件を回避することでFM−CW波の周波数変調幅の分割数Nを自由に設定できるため、より細やかな周波数非直線性の補正が可能であり、更に比較周波数を高速に設定できるので、PLL引き込み時間の短縮が可能となって第3の周波数計測モードに要する時間を短縮して周波数計測モード実行比率ΔTMを小さく、即ちレーダモード又はレーダ/通信モードの動作時間比率を高めることができる。また、周波数変調回路において、制御電圧データ生成部及び周波数変調処理部はディジタル信号処理で可能である。
(第4の実施の形態)
図12は本発明における、FM−CWレーダ装置の構成図である。図12において、121は制御部、122は周波数変調回路、123は逓倍回路、124は分配回路、125は送信増幅回路、126は送信アンテナ、127は受信アンテナ、128は受信増幅回路、129は周波数変換回路、130は測距データ抽出部、1301はLPF、1302はA/D変換器、1303はFFT処理部である。
以下、本実施の形態に係るFM−CWレーダ装置の動作について説明する。
図12に示す周波数変調回路122は周波数計測モードとレーダモードで動作するものである。第1〜第3の実施の形態で詳細に説明したように、周波数変調回路122は、周波数計測モードにおいては無変調周波数FKを生成出力し、レーダモードにおいては電圧制御発振器の温度変動や経年変化による周波数出力変動がフレーム周期で随時補正されて周波数変調幅が一定に保たれ、かつ周波数直線性が確保されたFM−CW波を出力する。
周波数変調回路122の出力は逓倍回路123に入力されてミリ波帯の周波数に変換され、分配回路124にて送信増幅回路125と周波数変換回路129に出力される。周波数計測モードにおける無変調周波数FKはFM−CWレーダ装置の送信出力としては不要であるため、送信増幅回路125はレーダモードにおいてのみ動作し、FM−CW波を増幅するように制御部121からのモード切り替え信号にて制御される。
送信増幅回路125で増幅されたFM−CW波は送信アンテナ126にて目標物に照射され、FM−CW反射波は受信アンテナ127にて受信される。FM−CW反射波は受信増幅回路128で増幅されて周波数変換回路129に入力され、分配回路124の出力であるFM−CW波と混合されてビート信号が得られる。該ビート信号は、測距データ抽出部130のLPF1301に入力されて不要な高調波成分が除去され、A/D変換器1302でディジタル値に変換される。ディジタル値に変換されたビート信号はFFT処理部1303の演算を経て測距データとして制御部121に入力され目標物との相対距離及び相対速度が算出される。
以上、詳細に説明したように、第4の実施の形態によれば、FM−CWレーダ装置において、レーダモードにおけるFM−CW波は、電圧制御発振器の温度変動や経年変化による周波数出力変動が周波数計測モードにおいてフレーム周期で随時補正されることで周波数変調幅が一定に保たれ、かつ周波数直線性が確保されているので、測距データの測定精度が高く、常時正確な目標物の相対速度及び相対距離を得ることができる。
(第5の実施の形態)
図13は本発明における通信統合レーダ装置の構成図である。図13の通信統合レーダ装置は、図12に示すFM−CWレーダ装置の構成に、送信データ処理回路131、変調回路132、受信復調回路133を加えたものである。図14は本発明における通信統合レーダ装置の第1の動作フレーム構成例を示す図である。
本実施の形態に係る通信統合レーダ装置の第1の動作について説明する。図13に示す周波数変調回路122は、図14に示す動作フレーム構成例のように周波数計測モードと、FM−CW出力スロットと無線通信スロットを交互に繰り返すレーダ/通信モードで動作するものである。
第1〜第3の実施の形態で詳細に説明したように、周波数変調回路122は周波数計測モードにおいて無変調周波数FKを生成出力して電圧制御発振器の温度変動や経年変化による周波数出力変動をフレーム周期で随時補正し、レーダ/通信モードにおいてFM−CW波出力スロットでは周波数変調幅が一定に保たれ、かつ周波数直線性が確保されたFM−CW波を、無線通信スロットでは高精度の無線通信用の無変調周波数FKを出力する。
周波数変調回路122の出力は、逓倍回路123に入力されてミリ波帯の周波数に変換され、分配回路124にて変調回路132とに出力される。変調回路132は、レーダ/通信モードにおける無線通信スロットで無変調周波数FKをローカル信号として送信データ処理回路131で生成される送信データを変調して出力し、FM−CW波出力スロットではFM−CW波をそのまま出力する。
変調回路132の出力は、送信増幅回路125に入力され、周波数計測モードにおける無変調周波数FKは通信統合レーダ装置の送信出力としては不要であるため送信増幅回路125はレーダ/通信モードにおいてのみ動作してミリ波帯のFM−CW波又は無線通信用送信波を増幅するように制御部121からのモード切り替え信号にて制御される。送信増幅回路125で増幅された送信波は送信アンテナ126を経て出力され、FM−CW送信波は目標物に照射され、また無線通信用送信波は子局無線通信装置に向けて発射される。
FM−CW反射波又は子局無線通信装置が前記無線通信用送信波に応答して返信する送信波は受信アンテナ127にて受信され、受信増幅回路128で増幅される。受信増幅回路128の出力は周波数変換回路129に入力され、分配回路124の出力と混合されてFM−CW波のビート信号又は無線通信用受信IF信号が得られる。FM−CW波出力スロットにおいてビート信号は測距データ抽出部130のLPF1301に入力されて不要な高調波成分が除去され、A/D変換器1302でディジタル値に変換される。
ディジタル値に変換されたビート信号は、FFT処理部1303の演算を経て測距データとして制御部121に入力された目標物との相対距離及び相対速度が算出される。また、無線通信スロットにおいて受信IF信号は受信復調回路133に入力され、受信ベースバンド信号が抽出されて制御部121に入力され、子局無線通信装置からのデータを復元する。
以上説明したように、第5の実施の形態によれば、通信統合レーダ装置において、電圧制御発振器の温度変動や経年変化による周波数出力変動が周波数計測モードにおいてフレーム周期で随時補正されることで、レーダ/通信モードのFM−CW波は、周波数変調幅が一定に保たれ、かつ周波数直線性が確保されているので、測距データの測定精度が高く、常時正確な目標物の相対速度及び相対距離を得ることができる。
また、レーダ/通信モードの無線通信用送信波は、周波数精度が高く安定した無変調周波数をローカル信号として生成されるので、子局無線通信装置との安定した無線通信が可能である。更に、レーダ/通信モードは、FM−CW波出力スロットと無線通信スロットが交互に動作するので、子局無線通信装置と時分割で継続的に無線通信を行なうことで、大容量データの送受信を行ないつつ時々刻々と変化する測距データの抽出が可能であり、また、抽出した測距データ及び子局無線通信装置からの受信データを関連付けて処理することができる。
(第6の実施の形態)
図15は本発明における通信統合レーダ装置の第2の動作フレーム構成例を示す図である。本実施の形態に係る通信統合レーダ装置の第2の動作について説明する。
図15に示すように、通信統合レーダ装置の第2の動作は、電圧制御発振器の温度変動や経年変化による周波数出力変動をフレーム周期で随時補正する周波数計測モードと、複数のFM−CW波出力スロットと1つの無線通信スロットで構成されるレーダ優先モードと、FM−CW波出力スロットと無線通信スロットを交互に繰り返す通信優先モードとが制御部121で選択制御されて動作するレーダ/通信モードで構成されるフレームで動作する。
周波数計測モードの動作については、第5の実施の形態で説明した通りである。通信統合レーダ装置の第2の動作において、レーダ/通信モード開始時はレーダ優先モードで動作し、FM−CW波出力スロットによる測距データ抽出を優先し、複数のFM−CW波出力スロット動作後に、無線通信スロットを動作させて子局無線通信装置の存在を認識するためのデータを送信する。子局無線通信装置が存在しない場合、即ち無線通信スロットにおける子局無線通信装置からの応答が無い場合はレーダ優先モードを繰り返す。
子局無線通信装置が存在する場合、即ち無線通信スロットにおける子局無線通信装置からの応答がある場合は、子局無線通信装置の存在を認識して、通信優先モードに移行する。通信優先モードにおいては、FM−CW波出力スロットと無線通信スロットを交互に繰り返し、1スロットおきに動作するFM−CW波出力スロットで測距データの抽出を行ない、また1スロットおきに動作する複数の無線通信スロットを用いて子局無線通信装置と無線通信を行なう。通信優先モードにおいて子局無線通信装置との無線通信が完了したら、通信優先モードの動作を完了させてレーダ優先モードの動作を行なう。
以上、説明したように、第6の実施の形態によれば、通信統合レーダ装置において、第5の実施の形態で説明したように、測距データの測定精度が高く常時正確な目標物の相対速度及び相対距離を得ることができる。また、子局無線通信装置との安定した無線通信が可能であると共に、レーダ優先モードと通信優先モードを選択制御して動作させることで、子局無線通信装置が存在しない場合は、レーダ優先モードでFM−CW波出力スロットの割合を大きくして擬似的にFM−CWレーダ装置として動作させることが可能であり、子局無線通信装置が存在する場合は、通信優先モードにおいてFM−CW波出力スロットと無線通信スロットが交互に動作するので、子局無線通信装置と時分割で継続的に無線通信を行なうことで、大容量データの送受信を行ないつつ時々刻々と変化する測距データの抽出が可能であり、また抽出した測距データ及び子局無線通信装置からの受信データを関連付けて処理することができる。
(付記1)
FM−CWレーダ装置及び通信統合レーダ装置における周波数変調回路であって、
入力される制御電圧に従って周波数を発振する電圧制御発振器と、
該電圧制御発振器の出力を分配して、一方を後述の位相同期ループ処理部に出力し他方を本周波数変調回路の出力とする分配手段と、
該分配手段から出力される無変調周波数を可変分周する第1の分周手段と、後述の基準発振出力を固定分周する第2の分周手段と、前記第1の分周手段の出力と第2の分周手段の出力とを位相比較する位相比較手段と、該位相比較手段の出力から前記第1の分周手段の出力と第2の分周手段の出力との位相同期状態を検出する手段と、前記位相比較手段の出力の高調波成分を除去し平滑化するループフィルタ手段とを備え、前記第1の分周手段に設定される可変分周データに従って一定の周波数間隔で生成される複数の無変調周波数を得るための無変調波制御電圧を生成する位相同期ループ処理部と、
基準発振出力を生成する基準発振手段と、
前記無変調波制御電圧をディジタル値である無変調波制御電圧データに変換するA/D変換器と、
隣接する周波数間隔毎の無変調波制御電圧データの差分を算出して制御ステップ値を生成する手段と、周波数間隔毎の前記無変調波制御電圧データ及び前記制御ステップ値を記憶する手段と、記憶された前記無変調波制御電圧データ及び前記制御ステップ値から三角波変調波形データを生成出力する手段と、記憶された無変調波制御電圧データを出力する手段とを備え、周波数計測モードにおいて制御ステップ値を生成して該制御ステップ値と無変調波制御電圧データを記憶し、FM−CW波出力スロットで構成されるレーダモードにおいては前記制御ステップ値を基に三角波変調波形データを生成出力し、FM−CW波出力スロットと無線通信スロットで構成されるレーダ/通信モードにおいてはFM−CW波出力スロットで前記三角波変調波形データを生成出力し無線通信スロットで前記無変調波制御電圧データを出力する制御電圧データ生成部と、
該制御電圧データ生成部の出力をアナログ値に変換するD/A変換器と、
該D/A変換器出力の高調波成分を除去して平滑化するローパスフィルタと、
周波数計測モードにおいては前記位相同期ループ処理部の出力を、レーダモード若しくはレーダ/通信モードにおいては前記ローパスフィルタの出力を切り替えて出力し前記電圧制御発振器に出力するスイッチ回路と、
本周波数変調回路に係る制御信号、設定データ、その他信号を生成する周波数変調処理制御部と、
を含んで構成され、一定の周波数間隔の複数の無変調波周波数を順次生成して得られる無変調波制御電圧データ及び制御ステップ値を記憶する周波数計測モードと、三角波変調波形データを生成して出力するレーダモード若しくは三角波変調波形データ又は無変調波制御電圧データを生成して出力するレーダ/通信モードとを一定周期で繰り返すことを特徴とする周波数変調回路。
(付記2)
前記位相同期ループ処理部が、前記ループフィルタ手段の後段にループフィルタ手段の出力と制御電圧データ生成部の出力とを加算する手段を備え、制御電圧データ生成部が、周波数計測モードにおいて、位相同期ループ処理部の第1の分周手段に可変分周データが設定されるタイミングで該可変分周データに対応する記憶された無変調波制御電圧データを位相同期ループ初期設定電圧として出力するように制御されることを特徴とする付記1記載の周波数変調回路。
(付記3)
前記基準発振手段が、設定される位相データを積算し、該積算結果を基に予め記憶したサイン波生成データを読み出して任意の基準発振出力をディジタル値で生成出力する数値制御発振手段と、該数値制御発振手段のディジタル出力をアナログ値に変換するD/A変換器と、該D/A変換器出力の高調波成分を除去して平滑化するローパスフィルタとで構成され、また前記位相同期ループ処理部における第1の分周手段には固定分周データを設定し、周波数計測モードにおいて前記数値制御発振手段に設定する位相データを変えることで基準発振出力の周波数を一定間隔で順次可変し、周波数間隔が一定である複数の無変調周波数を順次生成することを特徴とする付記1又は2記載の周波数変調回路。
(付記4)
FM−CW波を送信して目標物からの反射波(以下FM−CW反射波という)を受信するFM−CWレーダ装置であって、
周波数計測モードとレーダモードで動作する周波数変調回路と、
該周波数変調回路の出力を逓倍してミリ波帯FM−CW波を生成する逓倍手段と、
該逓倍手段の出力を分配して、一方を後述の送信手段に出力し他方を後述の周波数変換手段に出力する分配手段と、
該分配手段の出力であるミリ波帯FM−CW波を送信する送信手段と、
該送信手段の出力に対するFM−CW反射波を受信する受信手段と、
該受信手段の出力と前記分配手段の出力とを混合して出力する周波数変換手段と、
該周波数変換手段の出力であるビート信号から測距データを抽出する測距データ抽出手段と、
前記周波数変調回路に供する制御信号を生成し、前記測距データから目標物の相対速度及び相対距離を算出する制御部と、
を含んで構成され、周波数計測モードとレーダモードを一定周期で繰り返し、レーダモードにおけるFM−CW波出力スロットでFM−CW波を出力し、目標物の相対距離及び相対速度を検出することを特徴とするFM−CWレーダ装置。
(付記5)
FM−CW波と無線通信用送信波を時分割で送信し、FM−CW反射波及び目標物に搭載された子局無線通信装置の送信波を受信する通信統合レーダ装置であって、
周波数計測モードとレーダ/通信モードで動作し、該レーダ/通信モードにおけるFM−CW波出力スロットと無線通信スロットが交互に動作するように制御される周波数変調回路と、
該周波数変調回路の出力を逓倍してミリ波帯FM−CW波又はミリ波帯無変調波を生成する逓倍手段と、
該逓倍手段の出力を分配して、一方を後述の送信手段に出力し他方を後述の周波数変換手段に出力する分配手段と、
無線通信スロットにおいて、目標物に搭載された子局無線通信装置に送信するデータを生成する送信データ処理手段と、
無線通信スロットにおいては前記ミリ波帯無変調波をローカル信号として前記送信データ処理手段の送信データから無線通信用送信波を生成して送信し、FM−CW波出力スロットにおいては前記ミリ波帯FM−CW波を送信する送信手段と、
前記子局無線通信装置の送信波若しくはFM−CW反射波を受信し無線通信用受信波若しくはFM−CW受信波を出力する受信手段と、
該受信手段の出力と前記分配手段の出力とを混合して出力する周波数変換手段と、
FM−CW波出力スロットにおいて前記周波数変換手段の出力として得られるビート信号から測距データを抽出する測距データ抽出手段と、
無線通信スロットにおいて前記周波数変換手段又は前記受信手段の出力である無線通信用受信波から受信ベースバンド信号を抽出して処理する受信復調手段と、
前記周波数変調回路に供する制御信号及び前記送信データ処理手段に供する送信データの生成、前記測距データから目標物の相対速度及び相対距離の算出、及び前記受信復調手段の出力を処理する制御部と、
を含んで構成され、周波数計測モードとレーダ/通信モードを一定周期で繰り返し、レーダ/通信モードにおいて目標物の相対距離及び相対速度を検出するFM−CW波出力スロットと子局無線通信装置との無線通信を行なう無線通信スロットが交互に動作することを特徴とする通信統合レーダ装置。
(付記6)
FM−CW波とデータ通信用送信波を時分割で送信し、FM−CW反射波及び子局無線通信装置の送信波を受信する通信統合レーダ装置であって、
前記制御部が周波数変調回路に供する制御信号の他に複数のFM−CW波出力スロットと1つの無線通信スロットで構成されるレーダ優先モードタイミングと、FM−CW波出力スロットと無線通信スロットを交互に繰り返す通信優先モードタイミングを生成出力する制御部であって、
レーダ/通信モードにおいて子局無線通信装置の有無によりレーダ優先モードと通信優先モードとを切り替えて動作することを特徴とする付記5記載の通信統合レーダ装置。
(発明の効果)
以上、説明したように、本発明によれば、周波数変調回路及びそれを備えたFM−CWレーダ装置、通信統合レーダ装置において、周波数計測モードにおいてFM−CW波の所望の周波数変調幅を均等に分割した複数の無変調周波数を時分割でPLL処理による周波数計測を行なって算出した周波数補正データを基に、FM−CW波の周波数変調幅を一定に保ち、かつ周波数非直線性を補正し、更には無線通信用送信波のローカル信号(無変調波)を補正し、周波数計測モードを一定周期で繰り返すことで随時補正データを更新して温度変動による周波数変動を排除することにより、精度の高い測距データの抽出と安定した無線通信が可能である。
そして、従来方法の課題である、周波数非直線性補正データ及び温度補正データを予め記憶することによる回路規模の増大、装置の調整工数の増加を低減し、PLLを用いてIF帯局部発振源の安定化を図る方法をFM−CW方式のレーダ装置に適用する場合のレーダ性能の確保、回路規模及びコストの問題を解決でき、また自励通信装置にFM−CW方式のレーダ機能を付加した通信装置におけるレーダ性能の確保が可能である。
また、通信統合レーダ装置においては、レーダ/通信モードの構成により子局無線通信装置と時分割で継続的に無線通信を行なうことで、大容量データの送受信を行ないつつ、時々刻々と変化する測距データの抽出が可能であり、また抽出した測距データ及び子局無線通信装置からの受信データを関連付けて処理できるので、多様なアプリケーションへの適用が可能である。更には、周波数変調回路のほとんどをディジタル信号処理で実現できるので装置の小型化が可能であり、コストの上昇を抑圧できるという効果がある。
本発明における第1の周波数変調回路の構成図である。 本発明における電圧制御発振器の制御電圧対発振周波数特性の周波数分割例を示す図である。 本発明における周波数変調回路の動作フローチャートである。 本発明における第1の周波数計測モードのフローチャートである。 本発明におけるFM−CW波出力スロット処理のフローチャートである。 本発明における第1の周波数変調回路の周波数出力タイミングチャート例を示す図である。 本発明における第2の周波数変調回路の構成図である。 本発明における第2の周波数計測モードのフローチャートである。 本発明における第2の周波数変調回路の周波数出力タイミングチャート例を示す図である。 本発明における第3の周波数変調回路の構成図である。 本発明における第3の周波数計測モードのフローチャートである。 本発明におけるFM−CWレーダ装置の構成図である。 本発明における通信統合レーダ装置の構成図である。 本発明における通信統合レーダ装置の第1の動作フレーム構成例を示す図である。 本発明における通信統合レーダ装置の第2の動作フレーム構成例を示す図である。 従来のFM−CWレーダの概略構成図である。 電圧制御発振器の制御電圧対発振周波数特性を示す図である。
符号の説明
1 電圧制御発振器
2 分配回路
3 PLL処理部
4 基準発振回路
5 A/D変換器
6 制御電圧データ生成部
7 D/A変換器
8 LPF(ローパスフィルタ)
9 SW(スイッチ)回路
10 周波数変調処理制御部
31 分周回路
32 分周回路
33 位相比較回路
34 ロック検出回路
35 フィルタ回路
61 制御ステップ値生成回路
62 記憶回路
63 積算回路
64 加算回路

Claims (4)

  1. FM−CWレーダ装置及び通信統合レーダ装置における周波数変調回路であって、
    入力される制御電圧に従って周波数を発振する電圧制御発振器と、
    該電圧制御発振器の出力を分配して、一方を後述の位相同期ループ処理部に出力し他方を前記周波数変調回路の出力とする分配手段と、
    該分配手段から出力される無変調周波数を可変分周する第1の分周手段と、基準発振出力を固定分周する第2の分周手段と、前記第1の分周手段の出力と前記第2の分周手段の出力とを位相比較する位相比較手段と、該位相比較手段の出力から前記第1の分周手段の出力と前記第2の分周手段の出力との位相同期状態を検出する手段と、前記位相比較手段の出力の高調波成分を除去し平滑化するループフィルタ手段と、前記ループフィルタ手段の後段に前記ループフィルタ手段の出力と制御電圧データ生成部の出力とを加算する手段とを備え、前記第1の分周手段に設定される可変分周データに従って一定の周波数間隔で生成される複数の無変調周波数を得るための無変調波制御電圧を生成する位相同期ループ処理部と、
    前記基準発振出力を生成する基準発振手段と、
    前記無変調波制御電圧をディジタル値である無変調波制御電圧データに変換するA/D変換器と、
    隣接する周波数間隔毎の前記無変調波制御電圧データの差分を算出して制御ステップ値を生成する手段と、周波数間隔毎の前記無変調波制御電圧データ及び前記制御ステップ値を記憶する手段と、を備え、周波数計測モードにおいて、前記制御ステップ値を生成して該制御ステップ値と前記無変調波制御電圧データを記憶する一方で、前記位相同期ループ処理部の前記第1の分周手段に可変分周データが設定されるタイミングで該可変分周データに対応する記憶された前記無変調波制御電圧データを位相同期ループ初期設定電圧として出力するように制御される制御電圧データ生成部と、
    前記周波数計測モードにおいては前記位相同期ループ処理部の出力を前記電圧制御発振器に出力するスイッチ回路と、
    前記制御電圧データ生成部の出力をアナログ値に変換するD/A変換器と、
    該D/A変換器の出力の高調波成分を除去して平滑化するローパスフィルタと、
    を含んで構成され
    前記制御電圧データ生成部は、記憶された前記無変調波制御電圧データ及び前記制御ステップ値から三角波変調波形データを生成出力する手段と、記憶された前記無変調波制御電圧データを出力する手段と、をさらに備え、FM−CW波出力スロットで構成されるレーダモードにおいては前記制御ステップ値を基に前記三角波変調波形データを生成出力し、前記FM−CW波出力スロットと無線通信スロットで構成されるレーダ/通信モードにおいては前記FM−CW波出力スロットで前記三角波変調波形データを生成出力し前記無線通信スロットで前記無変調波制御電圧データを出力し、
    前記スイッチ回路は、前記周波数計測モードにおいては前記位相同期ループ処理部の出力を、前記レーダモード若しくは前記レーダ/通信モードにおいては前記ローパスフィルタの出力を切り替えて前記電圧制御発振器に出力し、
    一定の周波数間隔の前記複数の無変調周波数を順次生成して得られる前記無変調波制御電圧データ及び前記制御ステップ値を記憶する前記周波数計測モードと、前記三角波変調波形データを生成して出力する前記レーダモード若しくは前記三角波変調波形データ又は前記無変調波制御電圧データを生成して出力する前記レーダ/通信モードとを一定周期で繰り返すことを特徴とする周波数変調回路。
  2. 前記基準発振手段が、設定される位相データを積算し、該積算結果を基に予め記憶したサイン波生成データを読み出して任意の基準発振出力をディジタル値で生成出力する数値制御発振手段と、該数値制御発振手段のディジタル出力をアナログ値に変換するD/A変換器と、該D/A変換器出力の高調波成分を除去して平滑化するローパスフィルタとで構成され、また前記位相同期ループ処理部における第1の分周手段には固定分周データを設定し、周波数計測モードにおいて前記数値制御発振手段に設定する位相データを変えることで基準発振出力の周波数を一定間隔で順次可変し、周波数間隔が一定である複数の無変調周波数を順次生成することを特徴とする請求項1に記載の周波数変調回路。
  3. FM−CW波を送信して目標物からの反射波(以下FM−CW反射波という)を受信するFM−CWレーダ装置であって、
    請求項1または2に記載の周波数変調回路と、
    該周波数変調回路の出力を逓倍してミリ波帯FM−CW波を生成する逓倍手段と、
    該逓倍手段の出力を分配して、一方を後述の送信手段に出力し他方を後述の周波数変換手段に出力する分配手段と、
    該分配手段の出力であるミリ波帯FM−CW波を送信する送信手段と、
    該送信手段の出力に対するFM−CW反射波を受信する受信手段と、
    該受信手段の出力と前記分配手段の出力とを混合して出力する周波数変換手段と、
    該周波数変換手段の出力であるビート信号から測距データを抽出する測距データ抽出手段と、
    前記周波数変調回路に供する制御信号を生成し、前記測距データから目標物の相対速度及び相対距離を算出する制御部と、
    を含んで構成され、周波数計測モードとレーダモードを一定周期で繰り返し、レーダモードにおけるFM−CW波出力スロットでFM−CW波を出力し、目標物の相対距離及び相対速度を検出することを特徴とするFM−CWレーダ装置。
  4. FM−CW波と無線通信用送信波を時分割で送信し、FM−CW反射波及び目標物に搭載された子局無線通信装置の送信波を受信する通信統合レーダ装置であって、
    請求項1または2に記載の周波数変調回路と、
    該周波数変調回路の出力を逓倍してミリ波帯FM−CW波又はミリ波帯無変調波を生成する逓倍手段と、
    該逓倍手段の出力を分配して、一方を後述の送信手段に出力し他方を後述の周波数変換手段に出力する分配手段と、
    無線通信スロットにおいて、目標物に搭載された子局無線通信装置に送信するデータを生成する送信データ処理手段と、
    無線通信スロットにおいては前記ミリ波帯無変調波をローカル信号として前記送信データ処理手段の送信データから無線通信用送信波を生成して送信し、FM−CW波出力スロットにおいては前記ミリ波帯FM−CW波を送信する送信手段と、
    前記子局無線通信装置の送信波若しくはFM−CW反射波を受信し無線通信用受信波若しくはFM−CW受信波を出力する受信手段と、
    該受信手段の出力と前記分配手段の出力とを混合して出力する周波数変換手段と、
    FM−CW波出力スロットにおいて前記周波数変換手段の出力として得られるビート信号から測距データを抽出する測距データ抽出手段と、
    無線通信スロットにおいて前記周波数変換手段又は前記受信手段の出力である無線通信用受信波から受信ベースバンド信号を抽出して処理する受信復調手段と、
    前記周波数変調回路に供する制御信号及び前記送信データ処理手段に供する送信データの生成、前記測距データから目標物の相対速度及び相対距離の算出、及び前記受信復調手段の出力を処理する制御部と、
    を含んで構成され、周波数計測モードとレーダ/通信モードを一定周期で繰り返し、レーダ/通信モードにおいて目標物の相対距離及び相対速度を検出するFM−CW波出力スロットと子局無線通信装置との無線通信を行なう無線通信スロットが交互に動作することを特徴とする通信統合レーダ装置。
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