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JP5037296B2 - ベニヤ単板のリーリング装置に於ける糸の切断機構 - Google Patents
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Description

本発明は、ベニヤ単板のリーリング装置に於ける糸の切断機構に関するものである。
従来、例えば特許文献1・特許文献2に開示される如く、線材と圧縮空気とが円滑に流通する貫通穴(本発明に於ける風送孔に相当)を有する供給ノズル(本発明に於ける風送管に相当)を用いて、始動時に線材の始端を風送し、予め線材の始端を巻取り軸の外周に係合させてから、線材を介して巻取り軸の外周にベニヤ単板を案内し、ベニヤ単板を線材と一緒に巻取り処理するベニヤ単板のリーリング装置が公知であって、既に実用機が斯界で使用されており、また前記線材の具体例としては、ベニヤ単板に対するなじみ性、消耗品としての経済性等からして、化学繊維等から成る糸が最も実用的である。
特開2002−28903号公報 特開2002−187109号公報
而して、この種のリーリング装置に於ては、リーリング処理が終了する都度、線材を切断する必要があり、糸を線材として用いる場合には、前記各特許文献にも開示される如く、糸の供給機構の主要部を構成する供給ノズルの中間部に電熱ヒータを備えて、所望時に、該電熱ヒータを間歇的に加熱することにより、糸を焼切る切断方式が多用されているが、斯様な切断方式は、切断の即応性に欠ける弱点があり、また電熱ヒータ自体や該電熱ヒータの断続に用いる電気機器等の耐久性にも難点がある。
他方、異業種の繊維関係の技術分野に於ては、鋏状の切断器具やナイフを用いて、糸を切断する例も多いが、鋏状の切断器具は、比較的広い設置スペースを必要とするので、前記リーリング装置に於ける糸の切断機構には不向きであり、またナイフは、切断の確実性に欠ける弱点がある。
本発明は、前記既知の切断形態の弱点・難点を払拭する、有効な糸の切断機構を提供すべく開発したものであって、具体的には、述上の如く、ベニヤ単板を糸と一緒に巻取り処理するベニヤ単板のリーリング装置に於ける糸の切断機構であって、糸及び圧縮空気の流通孔と、内刃を摺動可能に収容する摺動穴とを夫々具備し、風送管の風送孔の途中に割込む状態で、風送管の中間部へ固定的に配設した外刃と、糸及び圧縮空気の案内孔を具備し、外刃の内部へ摺動可能に嵌装した内刃と、所望時に、前記内刃を外刃に対して相対的に往復移動させる往復移動部材とを少なくとも有して成り、前記外刃は、風送管の風送孔と同等の太さで成る流通孔を、風送管の風送孔と同方向に具備すると共に、少なくとも案内孔が存在する部分については内刃を隙間無く収容する摺動穴を、風送管の風送孔と交差する方向に具備しており、また前記内刃は、外刃の流通孔と同等の太さで成る案内孔を、外刃の流通孔と同方向に具備しており、更に前記往復移動部材は、内刃の案内孔と外刃の流通孔とが直列状に連なる常態位置から、内刃の案内孔と外刃の流通孔とが全く重なり合わなくなる切断位置までの区間だけ、都度、内刃を往復移動させることを特徴とするベニヤ単板のリーリング装置に於ける糸の切断機構(請求項1)を提案する。
また、より具体的な構造として、外刃の流通孔の入口側に於ける内刃に臨む角部、或は内刃の案内孔に於ける入口側又は出口側の角部、若しくは外刃の流通孔の出口側に於ける内刃に臨む角部、都合四箇所の内のいずれか一箇所の角部に、適宜形状の面取りを施して成ることを特徴とする請求項1に記載のベニヤ単板のリーリング装置に於ける糸の切断機構(請求項2)と、風送管の風送孔、外刃の流通孔、及び内刃の案内孔の断面形状が、いずれも円形である請求項1又は請求項2に記載のベニヤ単板のリーリング装置に於ける糸の切断機構(請求項3)と、外刃の摺動穴及び内刃の外形の断面形状を、いずれも円形として成る請求項1又は請求項2又は請求項3に記載のベニヤ単板のリーリング装置に於ける糸の切断機構(請求項4)と、外刃の摺動穴及び内刃の外形の断面形状を、いずれも矩形として成る請求項1又は請求項2又は請求項3に記載のベニヤ単板のリーリング装置に於ける糸の切断機構(請求項5)とを提案する。
前記請求項1に係る糸の切断機構によれば、外刃の内部に嵌装した内刃を、外刃に対して相対的に往復移動させることによって、素早く適確に糸を切断することが可能であると共に、内刃と外刃が往復摺動するのみであるから、部材の耐久性にも富み、而も比較的狭小の設置スペースを要するのみであるから、前記リーリング装置には好適である。
因に、前記請求項1に係る糸の切断機構によると、内刃の案内孔の入口側と出口側との二箇所に於て糸が切断されて、内刃の案内孔の長さと同じ長さの糸屑が発生することになるが、請求項2に示す如く、外刃の流通孔、或は内刃の案内孔に係る都合四箇所の角部のいずれか一箇所に、適宜形状の面取りを施せば、該面取り部分に於て糸の切断が回避されて、糸屑が発生しなくなるので相応に有効である。
また、糸と圧縮空気を円滑に流通させるには、請求項3に示す如く、風送管の風送孔、外刃の流通孔、内刃の案内孔の断面形状を、いずれも円形とするのが好ましく、加工も容易であるが、各穴の断面形状は、必ずしも円形のみに限定するものではなく、要は、糸と圧縮空気とが円滑に流通し得る孔であれば足りる。
また、外刃の摺動穴及び内刃の外形の断面形状については、請求項4及び請求項5に示す形状が代表的な形状として挙げられ、夫々後述する如き特性を有するが、必ずしも斯様な断面形状に限定するものではなく、要は、少なくとも内刃の案内孔が存在する部分に於て、外刃と内刃が隙間無く係合し合える形状であれば足りる。
以下、本発明を図面に例示した実施の一例に基づいて更に詳述するが、リーリング装置自体の構造は、既に公知であるので、リーリング装置の構造に関する説明は比較的簡略化した。また、既に前に説明した実施例の機構・部材と同じ構造の機構・部材を、後で説明する実施例にも使用した場合には、前に説明した実施例の符号と同じ符号を付して、重複する詳細な説明を省略する。また、図示した糸の切断機構の実施例は、代表的な形態を示したものであって、本発明に係る糸の切断機構の構造は、図面に例示した形態に限るものではなく、必要に応じて、適宜設計変更して差支えない。
図1は、本発明に係る糸の切断機構を有するリーリング装置の側面概略説明図であり、図2は、図1に例示した糸の供給機構の一部破断側面概略説明図であり、図3は、図1に例示した糸の供給機構の一部破断平面概略説明図であり、図4は、図1に例示した糸の供給機構の正面概略説明図であり、図5は、図1に例示した糸の切断機構の一部を構成する外刃及び内刃の斜視説明図である。図中、1は、適宜の間隔を隔てて並設された複数条のベルト1a、該ベルト1aを張架したプーリ1b、該プーリ1bを嵌装した駆動軸1c等を有する搬送コンベヤであって、サーボモータ等の駆動源(図示省略)の駆動作用を得て、例えば前段のベニヤレース(図示省略)に同調する速度で適時駆動され、ベニヤ単板11を図示矢印方向に搬送する
2は、前記搬送コンベヤ1のベルト1aと後述する糸の供給機構4の風送管4aとが夫々別個に(又は少なくとも一部は一緒に)介入可能な、適数条の溝2aを有するタッチロールであって、前記搬送コンベヤ1と同じ駆動源、又は別の駆動源(図示省略)の駆動作用を得て、搬送コンベヤ1に同調する速度で適時回転され、後述する巻取り軸3に直接的(巻取り処理の開始時)又は間接的(開始時以外の時期)に回転を付与する。尚、必要に応じては、図示実施例の如く、タッチロール2の外周部に、ゴム被覆等を施して、弾性の付与及び摩擦力の向上を図るのも有効である。
3は、遊転自在な巻取り軸であって、前記タッチロール2の上方に昇降可能に備えられており、主として前記タッチロール2の回転作用を得て、図示矢印方向へ回転させられ、後述する如く、糸9と共にベニヤ単板11を順次巻き取る。尚、図示は省略したが、軸受箱、昇降ネジ、ネジ駆動源等を有する巻取り軸昇降機構を、前記巻取り軸3に着脱自在に付設して、巻取り処理する際に、タッチロール2に対する当接強さを左右各別に自動的に(又は手動によって)調整できるよう構成すれば、巻玉の巻取り姿勢の良化が図り得るので有効であるが、単に、巻玉の大径化に伴って、追従的に上昇する構成としても差支えない。
4は、風送孔4b、切欠き4c、圧縮空気の供給パイプ4d、外刃の収容溝4e、圧縮空気の供給孔4f、座金の嵌合溝4g等を備えた風送管4aと、後述する糸の切断機構5とを有する糸の供給機構であって、二個以上の適数個が、適宜間隔を隔てて後述する連結杆6に連結され、図1に実線で示した始動位置と点線で示した運転位置との間を間歇的に往復移動可能に備えられており、適時、糸9を巻き取り軸3の周囲へ供給すると共に、所望時(巻取り処理の終了時)に、糸9を切断して供給を中止する。
詳述すると、風送管4aは、略ロケット状の本体の胴体部に、適宜深さの切込み4c、外刃の収容溝4e、及び座金の嵌合溝4gを、また前記タッチロール2の溝2aに介入する先端部から前記切込み4cに至る芯部に、糸9と圧縮空気とが円滑に流通する風送孔4bを、更に供給パイプ4dから前記切込み4cに至る芯部に、圧縮空気の供給孔4fを夫々具備しており、巻取り処理の始動時には、供給パイプ4dを介して供給される圧縮空気を供給孔4fから風送孔4bへ噴射して、切込み4cを介して供給される糸9と一緒に先端部から吐出させると共に、巻取り処理の最中に於ては、圧縮空気の供給を休止して、糸9のみを先端部から引き出させる。
一方、糸の切断機構5は、前記風送管の風送孔4bと同等の太さで成る流通孔12aを、風送管の風送孔4bと同方向に具備すると共に、後述する内刃13を全周に亘って隙間無く収容する断面が円形の摺動穴12bを、風送管の風送孔4bと交差する方向に具備して成り、前記風送管の収容溝4eにぴったり収容される外刃12と、外刃の流通孔12aと同等の太さの案内孔13aを、外刃の流通孔12aと同方向に具備して成り、前記外刃の摺動穴12bに隙間無く摺動可能に嵌装される円柱状の内刃13と、該内刃13を往復移動させる往復移動部材として用いたピストンロッド非回転式の流体シリンダ14と、前記風送管4aと外刃12をぴったり収容する収容孔15aに加えて、前記流体シリンダ14のピストンロッドと内刃13の進入を許容する抜け孔15bを夫々具備すると共に、前記流体シリンダ14の固定を許容する枡状の固定部材15と、前記流体シリンダ14の作動を手動又は自動にて制御する制御部材(図示省略)等によって構成されており、所望時に、流体シリンダ14を介して、内刃13を外刃12に対して相対的に往復移動させることによって、外刃の流通孔12aと内刃の案内孔13aの境界に於て糸9を切断する。尚、12cは、給油孔であって、必要に応じて設ければ足り、たとえ設けなくても、例えば前記抜け孔15bを介して、直に摺動穴12bに潤滑油を供給することができる。
6は、座金6aを介して、前記複数個の糸の供給機構4を並列状に連結する連結杆であって、後記流体シリンダ7及び流体シリンダ10の稼動作用を得て、各糸の供給機構4を、実線で示した待機位置と点線で示した稼動位置との区間だけ一斉に間歇移動させる。
7は、糸の供給機構4を進退させる進退部材として用いた流体シリンダであって、図示しない制御機構の制御に基づき、巻取り処理の始動時には、連結杆6を介して、糸の供給機構4を一斉に前進させると共に、巻取り処理の終了時には、連結杆6を介して、糸の供給機構4を一斉に後退させる。
10は、糸の供給機構4を昇降させる昇降部材として用いた流体シリンダであって、図示しない制御機構の制御に基づき、巻取り処理の開始時には、支持ガイド部材8を介して、糸の供給機構4を、実線で示した待機位置から下方へ一斉に下降させると共に、巻取り処理の終了時には、支持ガイド部材8を介して、実線で示した待機位置の下方から実線で示した待機位置まで一斉に上昇させる。
本発明に係る糸の切断機構を有するリーリング装置は、例えば前記の如く構成するものであって、便宜上、先にリーリング処理の手順について説明すると(図12〜図16に例示したリーリング装置の動作説明図を参照)、リーリング処理を開始するに際しては、図12に示す如く、糸の供給機構4を、図1に実線で示した待機位置に待機させると共に、搬送コンベヤ1及びタッチロール2の駆動を休止した状態に於て、予め糸9の先端部を、少なくとも風送孔4bの入口側に挿入した後に、供給パイプ4dを介して風送管4aに圧縮空気を導入し、風送管4aの先端部から圧縮空気と一緒に糸9を吐出させる。
そして、糸9の先端が必要十分に(例えばタッチロール2の中心より下に至る程度に)吐出されたら、図13に示す如く、圧縮空気の導入を中止して糸9の風送を停止すると共に、流体シリンダ10を介して、糸の供給機構4を、待機位置の下方に下降させ、次いで、図14に示す如く、流体シリンダ7を介して、糸の供給機構4を、図1に点線で示した稼動位置に前進させると共に、搬送コンベヤ1及びタッチロール2の駆動を開始する。搬送コンベヤ1の駆動に伴って、ベニヤ単板11が図示矢印方向に搬送されると、いずれベニヤ単板11の先端が糸9に当接し、糸9の先端側も一緒に図示矢印方向に移送される。
やがて、ベニヤ単板11の先端が、風送管4aの先端部から出ている糸9の部分に到達すると、図15に示す如く、糸9によって巻取り軸3の外周に沿うように案内されると共に、ベニヤ単板11の進行に伴って、糸9も追従的に風送管4aの先端部から順次引き出される。
以下、後続するベニヤ単板11は、図16に示す如く、常に糸9によって先行するベニヤ単板11の外側に倣うよう強制的に案内誘導され、所望太さの巻玉20となるように巻取り処理される。
尚、図示は省略したが、必要に応じて、風送管に導入する前に、適宜の張力付与機構を介して、巻取り処理中の糸に適度の張力を付与することにより、巻取り処理の安定化を図るのが好ましく、また、巻取り処理の終了時には、必要に応じて、巻玉の外周に糸を数周余分に巻きつけることにより、巻玉のほぐれを予防するのが好ましい。
次に、図6に例示した糸の切断機構の動作説明図をも引用しながら、本題である糸の切断機構による糸の切断処理について説明すると、前述の如く構成して成る糸の切断機構5の流体シリンダ14は、図示しない制御部材の制御に基づき、常態に於ては、図3に示す如く、外刃の流通孔12aと内刃の案内孔13aとが直列状に連なる常態位置に、内刃13を位置させるが、所望時(例えば巻取り処理の終了後)には、図6に示す如く、外刃の流通孔12aと内刃の案内孔13aとが全く重なり合わなくなる切断位置まで、内刃13を往動させ、次いで、再び図3に示す常態位置へ復動させる。
図6からも明らかな如く、内刃13が切断位置に至ると、外刃の流通孔12aと内刃の案内孔13aとの境界に於て、糸9が切断されることになり、副次的に、内刃の案内孔13a内に糸屑9aが発生するが、いずれにしても、述上の如き糸の切断機構によれば、内刃を外刃に対して相対的に往復移動させることによって、素早く適確に糸を切断することが可能であると共に、内刃と外刃が往復摺動するのみであるから、部材の耐久性にも富み、而も比較的狭小の設置スペースを要するのみであるから、前記リーリング装置には好適である。
そして、次回の巻取り処理を開始する際には、再び供給パイプ4dを介して風送管4aに圧縮空気を導入するだけで、内刃の案内孔13a内に残された糸屑9aと、風送孔4bの入口側から内刃の案内孔13aの部分に亘って残された糸9の先端部分とが、圧縮空気と一緒に風送管4aの先端部から吐出されるので、先記手順に準ずる手順で(糸の先端部の挿入は不要となる)、容易に巻取り処理を再開することが可能となる。
尚、糸の切断の確実性からすると、切断位置に於ては、外刃の流通孔と内刃の案内孔とが互いに少々余分に、例えば少なくとも糸の太さの数倍、望ましくは少なくとも糸の太さの十数倍程度は余分にズレているのが好ましく、該余分なズレが好ましいことは、次述する改良例の場合に於ても全く同じである。
而して、一度の巻取り処理に用いる糸の長さは、糸の供給機構の一箇所当りにつき十数m〜数十mにも及ぶのに対して、先記糸屑の長さは、せいぜい2cm程度で足りるので、糸屑に拘わるムダは微々たるものではあるが、糸屑が発生しないようにすれば、糸屑の飛散に伴う汚れなども併せて予防できるので相応に有効であることから、一段と好ましい形態として、以下に述べる改良を施した糸の切断機構を更に提案する。
即ち、図7は、改良を施した糸の切断機構を有する糸の供給機構の一部破断側面概略説明図であり、図8は、図7に例示した糸の供給機構の一部破断平面概略説明図である。図中、5Aは、改良を施した糸の切断機構であり、図1〜図5に例示した糸の切断機構5に用いた内刃13に代えて、外刃の流通孔12aと同等の太さの案内孔16aを、外刃の流通孔12aと同方向に具備すると共に、案内孔16aの入口側の角部に、面取り16bを施して成り、外刃の摺動穴12bに隙間無く摺動可能に嵌装される円柱状の内刃16を備えて構成したものである。
述上の如く構成して成る糸の切断機構5Aによれば、該糸の切断機構の動作説明図である図9からも明らかな如く、内刃16を所定の切断位置に応動させた際に、案内孔16aの入口側に於ては、前記面取り16bの部分に糸9が入り込めるから、糸9が切断されずに済み、切断が案内孔16aの出口側のみに限られるので、糸屑の発生が回避される。
図10に例示した実施例は、図1〜図5に例示した糸の切断機構5に用いた外刃12に代えて、風送管の風送孔4bと同等の太さで成る流通孔17aを、風送管の風送孔4bと同方向に具備すると共に、断面が円形で、内刃13を全周に亘って隙間無く収容する摺動穴17bを、風送管の風送孔4bと交差する方向に具備し、更に前記流通孔17aの出口側に於ける内刃13に臨む角部に、面取り17dを施して成り、風送管の収容溝4eにぴったり収容される外刃17を備えて、糸の切断機構5Bを構成したものであって、図からも明らかな如く、内刃13を所定の切断位置に応動させた際に、前記面取り17dの部分に糸9が入り込めるから、やはり糸9が切断されずに済み、切断が流通孔17aの入口側のみに限られるので、前記図7・図8に例示した改良例と同様に、糸屑の発生が回避される。
因に、図示は省略したが、前記両改良例とは逆向きに、外刃の流通孔の入口側に於ける内刃に臨む角部、或は内刃の案内孔に於ける出口側の角部に、面取りを施すよう構成することによって、糸が切断されないように図ることも可能ではあるが、斯様な向きに面取りを施す構成によると、後で糸の風送を再開する際に、圧縮空気に乱流が生じて、糸の風送が些か不安定化し易い傾向があるので、前記両改良例の如く、圧縮空気の流通方向の下手側が狭くなる向きに面取りを施す方が好ましい。
尚、加工の容易性からすると、風送管の風送孔、外刃の流通孔、内刃の案内孔の断面形状は、前記各図示例の如く、全て円形とするのが好ましく、またリーリング処理に適する500〜2000デニール程の太さの糸を風送するのに都合の良い孔の太さとしては、6mm前後(4〜8mm程度)が一応の目安であり、たとえ相互に僅かな寸法誤差があっても、糸が途中で引っ掛からない程度であれば実用的に差支えないが、いずれにせよ、必ずしも各孔の断面形状を円形のみに限定するものではなく、要は糸と圧縮空気とが円滑に流通し得る断面形状の孔であれば足りる。
また、糸の切断を予防する的確性からすると、面取りの寸法は、比較的大きくするのが好ましいものの、必要以上に過大にすると、圧縮空気の乱流が生じ易くなるので無益であり、案内孔(又は流通孔)の片側当り、案内孔(又は流通孔)の太さの1/3〜2/3とするのが一応の目安である。但し、先述の如く、切断位置に於て、外刃の流通孔と内刃の案内孔とが幾分余分にズレるように設定する場合には、該ズレの寸法に糸の太さを加算した寸法を上回るに足るだけの、面取りの寸法が最低限度必要となる。
また、面取り形状は、前記各図示例の如きテーパ状の他に、図示は省略したが、例えばラッパ状・普通のアール状等でも差支えなく、要は糸の切断を予防しつつ、糸を安定的に案内できる形状であれば足りる。
次に、図11に図示した実例は、風送管の風送孔4bと同等の太さで成る流通孔18aを、風送管の風送孔4bと同方向に具備すると共に、後述する内刃19を全周に亘って隙間無く収容する断面が矩形の摺動穴18bを、風送管の風送孔4bと交差する方向に具備し、更に摺動穴18bに達する給油孔18cを具備して成り、風送管の収容溝4eにぴったり収容される外刃18と、外刃の流通孔18aと同等の太さの案内孔19aを、外刃の流通孔18aと同方向に具備して成り、外刃の摺動穴18bに隙間無く摺動可能に嵌装される角柱状の内刃19とを組み合わせて、糸の切断機構の主要部を構成したものである。
述上の如き主要部を有する切断機構によっても、先記図1〜図5に例示した切断機構と同様に、内刃19を外刃18に対して相対的に往復移動させることによって、素早く適確に糸を切断することが可能であると共に、内刃と外刃が往復摺動するのみであるから、部材の耐久性にも富み、而も比較的狭小の設置スペースを要するのみであるから、前記リーリング装置には好適である。
また、必要に応じては、図7及び図8に例示した実施例や、図10に例示した実施例と同様に、案内孔又は流通孔の所望の角部に面取り処理を施すことによって、糸屑の発生を回避することも可能である。
因に、先記図1〜図5、図7及び図8、図10等に例示した糸の切断機構の如く、外刃の摺動穴及び内刃の外形の断面形状を、いずれも円形とすると、部材類の加工が比較的容易であるものの、図示例の如く、内刃を軸芯方向に往復移動させる場合に於ては、内刃の回転を阻止する為に、図示例の如くピストンロッド非回転式の流体シリンダを往復移動部材として用いたり、或は図示は省略したが、例えば外刃の摺動穴と内刃の外周部とにガイド部材を付設するなど、内刃の回り止め処置を別途に施す必要がある特性がある。但し、外刃の摺動穴の断面形状を円形とする場合に限っては、内刃を円周方向に往復移動(円周方向へ交互に片道回動)させることよっても、糸を切断することが可能であり、この場合については、内刃の回り止め処置は無用となる。
他方、図11に図示した実例の如く、外刃の摺動穴及び内刃の外形の断面形状を、いずれも矩形とすると、部材類の加工が些か複雑化するものの、その形状自体が内刃の回転を阻止するので、内刃の回り止め処置を別途に施す必要がなくなる特性がある。但し、外刃の摺動穴及び内刃の外形の断面形状としては、先記各図示例に示す形状に限るものではなく、図示は省略したが、他にも例えば外刃の摺動穴及び内刃の外形の断面形状を、矩形以外の多角形とする形態、或は例えば外刃の摺動穴の断面形状を円形とし、内刃の外形の断面形状を小判状或は蒲鉾状とする組み合わせなど、必ずしも双方の断面形状を同じに揃える必要もなく、要は少なくとも内刃の案内孔が存在する部分について、双方が隙間無く嵌合し合える形状であれば足り、個々の形状について特段の制約はない。
また、往復移動部材の形態についても、図示例に示す形態に限るものではなく、図示は省略したが、例えば内刃を円周方向に往復移動させるのに適したロータリ式の流体シリンダ、或は例えば適宜形状のカムとサーボモータ等から成る駆動源との組み合わせなど、要は所望区間だけ、内刃を往復移動させることができる部材であれば足り、先述の如き形態のリーリング装置に支障なく取り付け得るものであれば、その形態について特段の制約はなく、当然ながら、当該往復移動部材と風送管との係止に用いる固定部材の形態についても、風送管、外刃、往復移動部材等の形態等に応じて適宜設計変更して差支えなく、或は風送管に直接固定することにより、固定部材を省略する設計変更も可能である。
以上明らかな如く、本発明に係る糸の切断機構によれば、素早く適確に糸を切断することが可能であると共に、部材の耐久性にも富み、而も比較的狭小の設置スペースを要するのみであるから、前記リーリング装置に好適であるのは勿論のこと、必要に応じては、同様に糸を扱う異業種への転用も可能性がある。
本発明に係る糸の切断機構を有するリーリング装置の側面概略説明図である。 図1に例示した糸の供給機構の一部破断側面概略説明図である。 図1に例示した糸の供給機構の一部破断平面概略説明図である。 図1に例示した糸の供給機構の正面概略説明図である。 図1に例示した糸の切断機構の一部を構成する外刃及び内刃の斜視説明図である。 図1〜図5に例示した糸の切断機構の動作説明図である。 改良を施した糸の切断機構を有する糸の供給機構の一部破断側面概略説明図である。 図7に例示した糸の供給機構の一部破断平面概略説明図である。 図7及び図8に例示した糸の切断機構の動作説明図である。 改良を施した異なる形態の糸の切断機構を有する糸の供給機構の一部破断側面概略説明図である。 異なる形態の外刃及び内刃の斜視説明図である。 図1〜図5に例示したリーリング装置の動作説明図である。 図1〜図5に例示したリーリング装置の動作説明図である。 図1〜図5に例示したリーリング装置の動作説明図である。 図1〜図5に例示したリーリング装置の動作説明図である。 図1〜図5に例示したリーリング装置の動作説明図である。
符号の説明
1 :搬送コンベヤ
2 :タッチロール
3 :巻取り軸
4 :糸の供給機構
4a :風送管
4b :風送孔
4c :切欠き
4d :圧縮空気の供給パイプ
4e :外刃の収容溝
4f :圧縮空気の供給孔
5、5A、5B :糸の切断機構
6 :連結杆
7、10 :流体シリンダ
9 :糸
11 :ベニヤ単板
12、17,18 :外刃
12a、17a、18a :外刃の流通孔
12b、17b、18b :外刃の摺動穴
13、16、19 :内刃
13a、16a、19a :内刃の案内孔
14 :ピストンロッド非回転式の流体シリンダ
15 :固定部材
16b、17d :面取り

Claims (5)

  1. 糸と圧縮空気とが円滑に流通する風送孔を有する風送管を用いて、始動時に糸の始端を風送し、予め糸の始端を巻取り軸の外周に係合させてから、糸を介して巻取り軸の外周にベニヤ単板を案内し、ベニヤ単板を糸と一緒に巻取り処理するベニヤ単板のリーリング装置に於ける糸の切断機構であって、糸及び圧縮空気の流通孔と、内刃を摺動可能に収容する摺動穴とを夫々具備し、風送管の風送孔の途中に割込む状態で、風送管の中間部へ固定的に配設した外刃と、糸及び圧縮空気の案内孔を具備し、外刃の内部へ摺動可能に嵌装した内刃と、所望時に、前記内刃を外刃に対して相対的に往復移動させる往復移動部材とを少なくとも有して成り、前記外刃は、風送管の風送孔と同等の太さで成る流通孔を、風送管の風送孔と同方向に具備すると共に、少なくとも案内孔が存在する部分については内刃を隙間無く収容する摺動穴を、風送管の風送孔と交差する方向に具備しており、また前記内刃は、外刃の流通孔と同等の太さで成る案内孔を、外刃の流通孔と同方向に具備しており、更に前記往復移動部材は、内刃の案内孔と外刃の流通孔とが直列状に連なる常態位置から、内刃の案内孔と外刃の流通孔とが全く重なり合わなくなる切断位置までの区間だけ、都度、内刃を往復移動させることを特徴とするベニヤ単板のリーリング装置に於ける糸の切断機構。
  2. 外刃の流通孔の入口側に於ける内刃に臨む角部、或は内刃の案内孔に於ける入口側又は出口側の角部、若しくは外刃の流通孔の出口側に於ける内刃に臨む角部、都合四箇所の内のいずれか一箇所の角部に、適宜形状の面取りを施して成ることを特徴とする請求項1に記載のベニヤ単板のリーリング装置に於ける糸の切断機構。
  3. 風送管の風送孔、外刃の流通孔、及び内刃の案内孔の断面形状が、いずれも円形である請求項1又は請求項2に記載のベニヤ単板のリーリング装置に於ける糸の切断機構。
  4. 外刃の摺動穴及び内刃の外形の断面形状を、いずれも円形として成る請求項1又は請求項2又は請求項3に記載のベニヤ単板のリーリング装置に於ける糸の切断機構。
  5. 外刃の摺動穴及び内刃の外形の断面形状を、いずれも矩形として成る請求項1又は請求項2又は請求項3に記載のベニヤ単板のリーリング装置に於ける糸の切断機構。
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