JP5044882B2 - 非水電解液二次電池用正極活物質および非水電解液二次電池 - Google Patents
非水電解液二次電池用正極活物質および非水電解液二次電池Info
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Description
Mgがマンガン酸リチウムに固溶すると高温サイクル特性が向上するものの+3価のマンガンイオンが減少するため充放電容量は低下する。したがって、本発明では、マンガン酸リチウム粒子の表面と内部において、Mgの濃度に傾斜をつけている。
すなわち、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面のMn/Mgモル比を(2−a−b−c)/b未満とすることにより、Mgの固溶による充放電容量の低下を実用レベルの範囲に抑え、Mnイオンの電解液中への溶出を抑制することができる。これにより高温サイクル特性が向上する。
しかしながら、粒子の表面と内部において、Mgの濃度に傾斜をつけただけでは、高温サイクル特性は向上するものの十分な負荷特性、サイクル特性を得ることは難しい。
そこで、本発明では、Tiをマンガン酸リチウムに固溶させている。Tiを固溶させることで、マンガン酸リチウムの格子定数を大きくすることができる。これにより高温サイクル特性の向上を損なうことなく、マンガン酸リチウム結晶中のLiイオンの拡散性が向上するため負荷特性が向上すると考えられる。また、Liイオンの拡散性が向上することは、充放電サイクルによるマンガン酸リチウム結晶の歪みを抑制することになるためサイクル特性も向上すると考えられる。
粒子の表面に存在するマグネシウムの濃度が、粒子の内部に存在するマグネシウムの濃度より大きいことで、充放電容量の低下を実用レベルの範囲に抑え、遷移金属のイオンの電解液中への溶出を抑制させることができると考えられる。これにより、高温サイクル特性が向上する。
粒子の内部に存在するチタンの濃度が、粒子の内部に存在するホウ素の濃度より大きいことで、一次粒子径の成長を損なうことなく、リチウム遷移金属複合酸化物の格子定数を大きくさせることができる。これにより、負荷特性、サイクル特性が向上する。
粒子の内部に存在するマグネシウムの濃度は、粒子の内部に存在するホウ素の濃度より大きいことで、一次粒子径の成長を損なうことなく、遷移金属のイオンの電解液中への溶出を抑制させることができる。これにより極板密度の向上と高温サイクル特性の向上の両立を図ることができる。
また、マグネシウムと、チタンとを有することにより、一次粒子径の成長を損なうことなく、遷移金属のイオンの電解液中への溶出を抑制させ、リチウム遷移金属複合酸化物の格子定数を大きくさせることができる。
これにより、極板密度を向上させ、高温サイクル特性、負荷特性およびサイクル特性を向上させることができる。
図1は、スピネル構造のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造を示す模式図である。図1において、リチウム原子1は8aサイトの四面体サイトを占有し、酸素原子2は32eサイトを占有し、遷移金属原子3(および、場合により過剰のリチウム原子)は16dサイトの八面体サイトを占有している。
また例えば、オージェ電子分光法、誘導結合高周波プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)分光分析法、滴定法を組み合わせることで定量することができる。
ホウ素は、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面にどのような形で存在していても本発明の効果を発揮する。例えば、ホウ素が粒子表面の全体を被覆している場合であっても、ホウ素が粒子表面の一部を被覆している場合であっても、極板密度を向上させることができる。
また、ホウ素は、少なくとも粒子の表面に存在していればよい。したがって、ホウ素の一部が粒子の内部に存在していてもよい。粒子の表面におけるホウ素の存在状態は、特に限定されない。ホウ素化合物の状態で存在していてもよい。ホウ素化合物としては、ホウ酸リチウムが好ましい。
ホウ素が粒子の表面に存在しているかどうかは、種々の方法によって解析することができる。例えば、オージェ電子分光法(AES:Auger Electron Spectroscopy)、X線光電子分光法(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)で解析することができる。
ホウ素の含有量が多すぎると、初期容量が低下する。また、遷移金属のイオンの溶出が増大し、ガス発生を引き起こすため、高温特性が劣化する。ホウ素の含有量が少なすぎると、一次粒子径が成長しないため、粒子の充填性が向上しない。
マグネシウムの含有量が多すぎると、遷移金属のサイトに固溶しきれないマグネシウムが増大するため、初期容量が低下する。マグネシウムの含有量が少なすぎると、遷移金属のイオンの溶出が増大し、ガス発生を引き起こすため、高温特性が劣化する。
チタンの含有量が多すぎると、充放電高率が低下する。チタンの含有量が少なすぎると、十分な負荷特性、サイクル特性が得られない。
aは、0より大きいのが好ましく、また、0.15以下であるのが好ましい。リチウムでマンガンの一部を置換することにより、サイクル特性がさらに向上すると考えられる。
態様(i)において、aは、0より大きいのが好ましい。リチウムでマンガンの一部を置換することにより、サイクル特性が向上すると考えられる。
態様(i)において、bは、0.01以上であるのが好ましく、0.02以上であるのがより好ましく、また、0.08以下であるのが好ましく、0.07以下であるのがより好ましい。bが大きすぎると、+3価のマンガンイオンが減少するため充放電容量は低下する。bが小さすぎると、遷移金属のイオンの溶出が増大し、ガス発生を引き起こすため、高温特性が劣化する。
態様(i)において、cは、0.01以上であるのが好ましく、0.02以上であるのがより好ましく、また、0.08以下であるのが好ましく、0.07以下であるのがより好ましい。cが大きすぎると、充放電高率が低下する。cが小さすぎると、十分な負荷特性、サイクル特性が得られない。
態様(i)において、dは、0.003以上であるのが好ましく、また、0.008以下であるのが好ましい。dが大きすぎると、初期容量が低下する。また、遷移金属のイオンの溶出が増大し、ガス発生を引き起こすため、高温特性が劣化する。dが小さすぎると、一次粒子径が成長しないため、粒子の充填性が向上しない。
硫黄の含有量は、リチウム遷移金属複合酸化物と硫黄の合計に対して、0.03〜0.3重量%であるのが好ましい。0.03重量%より少ないと、電子の移動抵抗が低減しにくい場合がある。0.3重量%より多いと、水分吸着により電池の膨れが生じる場合がある。
硫酸根は、硫酸イオン、硫酸イオンからその電荷を除いた原子の集団およびスルホ基を含む。アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩、有機硫酸塩ならびに有機スルホン酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましい。
中でも、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましく、アルカリ金属の硫酸塩に基づくのがより好ましい。これらは、強酸強塩基の結合からなるため、化学的に安定だからである。
態様(iii)においては、上記各元素を含有することで、各元素の相乗効果により、高い充放電容量を有し、かつ、結着性および表面の平滑性に優れる正極板を得ることができる。
硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面に存在することにより、粒子の周りの電子の移動抵抗が極めて小さくなり、その結果、電子の通りやすさが向上し、サイクル特性および負荷特性が向上すると考えられる。
また、本発明の正極活物質を用いて高電圧電池(例えば、リチウム遷移金属複合酸化物としてLiMn1.5Ni0.5O4を用いた電池)とした場合、従来の高電圧電池において問題であった充電時における電解液の分解が抑制され、その結果、サイクル特性が向上する。電解液の分解反応は、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子と電解液との界面において、リチウム遷移金属複合酸化物が触媒として起こると考えられているが、電解液を分解させる働きのない硫酸根でリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面の全部または一部が被覆されることにより、電解液と触媒との接触面積が減り、上記反応が抑制されると考えられる。
硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面に存在しているかどうかは、種々の方法によって解析することができる。例えば、オージェ電子分光法、X線光電子分光法で解析することができる。
また、硫酸根の定量としては、種々の方法を用いることができる。例えば、ICP発光分光分析法、滴定法で定量することができる。
態様(iv)において、ナトリウムおよび/またはカルシウム以外の元素を含有する理由は、態様(ii)および(iii)と同様である。
したがって、結晶子径が大きいほど、結晶性に優れ、結晶構造の歪みが少ないことになる。なお、本発明に用いられるような、スピネル構造のリチウム遷移金属複合酸化物においては、以下に示す(400)結晶子径により、単位格子の配列の規則性の程度を示すことができる。
後述する化合物を各構成元素が所定の組成比となるように混合して、原料混合物を得る。原料混合物に用いられる化合物は、目的とする組成を構成する元素に応じて選択される。
混合の方法は、特に限定されず、例えば、粉末状の化合物をそのまま混合して原料混合物とする方法;水および/または有機溶媒を用いてスラリー状として混合した後、乾燥させて原料混合物とする方法;上述した化合物の水溶液を混合して沈降させ、得られた沈殿物を乾燥させて原料混合物とする方法;これらを併用する方法が挙げられる。
リチウム化合物は、特に限定されないが、例えば、Li2CO3、LiOH、LiOH・H2O、Li2O、LiCl、LiNO3、Li2SO4、LiHCO3、Li(CH3COO)、フッ化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、過酸化リチウムが挙げられる。中でも、Li2CO3、LiOH、LiOH・H2O、Li2O、LiCl、LiNO3、Li2SO4、LiHCO3、Li(CH3COO)が好ましい。
また、上述した各元素の2種以上を含有する化合物を用いてもよい。
上述したマンガン化合物およびマグネシウム化合物から調製した、所定の組成比のマンガンイオンおよびマグネシウムイオンを含有する水溶液を、攪拌している純水中に滴下する。
ついで、炭酸水素アンモニウム水溶液を滴下し、マンガンおよびマグネシウムを沈殿させ、マンガンおよびマグネシウムの塩を得る。なお、炭酸水素アンモニウム水溶液の代わりに、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等のアルカリ溶液を用いることもできる。
ついで、原料混合物を焼成する。焼成の温度、時間、雰囲気等は、特に限定されず、目的に応じて適宜決定することができる。
焼成温度は、650℃以上であるのが好ましく、700℃以上であるのがより好ましい。焼成温度が低すぎると、未反応の原料が正極活物質に残留し、正極活物質の本来の特徴を生かせない場合がある。また、焼成温度は、1100℃以下であるのが好ましく、950℃以下であるのがより好ましい。焼成温度が高すぎると、正極活物質の粒径が大きくなり過ぎて電池特性が低下する場合がある。また、Li2MnO3、LiMnO2等の副生成物が生成しやすくなり、単位重量あたりの放電容量の低下、サイクル特性の低下、動作電圧の低下を招く場合がある。
焼成時間は、一般に、1〜24時間であるのが好ましく、6〜12時間であるのがより好ましい。焼成時間が短すぎると、原料粒子間の拡散反応が進行しない。焼成時間が長すぎると、拡散反応がほぼ完了した後の焼成が無駄となり、また、焼結による粗大粒子が形成されてしまう場合がある。
即ち、本発明の非水電解液二次電池は、本発明の正極活物質を用いた非水電解液二次電池である。本発明の非水電解液二次電池は、その正極活物質の少なくとも一部として本発明の正極活物質を用いていればよい。
以下、リチウムイオン二次電池を例に挙げて説明する。
溶媒としては、例えば、ジメトキシエタン,ジエトキシエタン,エチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,エチルメチルカーボネート,メチルホルメート,γ−ブチロラクトン,2−メチルテトラヒドロフラン,ジメチルスルホキシド,スルホラン等の有機溶媒が挙げられる。これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
上述した溶媒と電解質とを混合して電解液とする。ここで、ゲル化剤等を添加し、ゲル状として使用してもよい。また、吸液性を有するポリマーに吸収させて使用してもよい。更に、無機系または有機系のリチウムイオンの導電性を有する固体電解質を使用してもよい。
着剤を用いて、定法に従い、リチウムイオン二次電池とすることができる。
これにより従来達成できなかった優れた電池特性が実現できる。
本発明において、「リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面におけるジルコニウムの存在割合」は、以下のようにして求められる。
まず、波長分散型X線分光装置(WDX)を装備した電子線マイクロアナライザ(EPMA)によって、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子群について、粒子の表面のジルコニウムの存在状態を観察する。ついで、観察視野中、単位面積あたりのジルコニウム量が最も多い部分(ジルコニウムのピークが大きい部分)を選択し、この部分を通過する線分(例えば、長さ300μmの線分)に沿ってライン分析を行う。ライン分析において、上記単位面積あたりのジルコニウム量が最も多い部分におけるピークの値を100%としたときのピークが4%以上の部分の長さの合計を、上記線分の長さで除した商を、「リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面におけるジルコニウムの存在割合」とする。なお、ライン分析を複数回(例えば、10回)行うことによって、「リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面におけるジルコニウムの存在割合」の平均値を用いるのが好ましい。
上記方法においては、ジルコニウムのピークが4%未満の部分は、ジルコニウム量が最も多い部分との差が大きいため、ジルコニウムが存在しない部分とみなす。
本発明の正極活物質の粉末に、アセチレンブラック、黒鉛等のカーボン系導電剤、結着剤および結着剤の溶媒または分散媒とを混合することにより正極合剤を調製する。得られた正極合剤をスラリーまたは混練物とし、アルミニウム箔等の集電体に塗布し、または担持させ、プレス圧延して正極活物質層を集電体に形成させる。
図2は、正極の模式的な断面図である。図2に示されているように、正極13は、正極活物質5を結着剤4により集電体12上に保持させてなる。
また、本発明の正極活物質は、結着剤と混練するときも、流動性に優れ、また、結着剤の高分子と絡まりやすく、優れた結着性を有する。
さらに、本発明の正極活物質は、粗大粒子を含まず、球状であるため、作製した正極の塗膜面の表面が平滑性に優れたものになる。このため、正極板の塗膜面は結着性に優れ、剥がれにくくなる。また、表面が平滑で充放電に伴う塗膜面表面のリチウムイオンの出入りが均一に行われるため、サイクル特性において顕著な改善がみられる。
図3は、円筒型電池の模式的な断面図である。図3に示されるように、円筒型電池20においては、集電体12上に正極活物質層を形成させた正極13と、集電体12上に負極活物質層を形成させた負極11とがセパレーター14を介して、繰り返し積層されている。
図4は、コイン型電池の模式的な部分断面図である。図4に示されるように、コイン型電池30においては、集電体12上に正極活物質層を形成させた正極13と、負極11とが、セパレーター14を介して、積層されている。
図5は、角型電池の模式的な斜視図である。図5に示されるように、角型電池40においては、集電体12上に正極活物質層を形成させた正極13と、集電体12上に負極活物質層を形成させた負極11とが、セパレーター14を介して、繰り返し積層されている。
I:本発明に記載の非水電解液二次電池用正極活物質に用いられるリチウム遷移金属複合酸化物と、一般式がLi1+xCoO2(xは−0.5≦x≦0.5を満たす数を表す。)で表されるコバルト酸リチウム及び/又は一般式がLi1+xNiO2(xは−0.5≦x≦0.5を満たす数を表す。)で表されるニッケル酸リチウムを、前記リチウム遷移金属複合酸化物の重量をAとし、前記コバルト酸リチウム及び/又は前記ニッケル酸リチウムの重量をBとした場合に0.2≦B/(A+B)≦0.8の範囲になるように混合する非水電解液二次電池用正極活物質。
II:金属リチウム、リチウム合金およびリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる非水電解液二次電池用負極活物質。
正極活物質は、0.4≦B/(A+B)≦0.6の範囲になるように混合することが好ましい。0.4≦B/(A+B)≦0.6の範囲であれば、極板密度、ドライアウトの防止および過充電特性の向上だけでなく、サイクル充放電特性、負荷特性および出力特性の向上が著しいからである。
リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物としては、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含むスピネル構造からなる一般式がLiaTibO4+c(aは0.8≦a≦1.5を満たす数を表し、bは1.5≦b≦2.2を満たす数を表し、cは−0.5≦c≦0.5を満たす数を表す。)で表される非水電解液二次電池用負極活物質を用いることができる。このときサイクル特性が非常に向上した非水電解液二次電池を得ることができる。
また、照明機器、エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、冷蔵庫、オーブン電子レンジ、食器洗浄器、洗濯機、乾燥器、ゲーム機器、玩具、ロードコンディショナ、医療機器、自動車、電気自動車、ゴルフカート、電動カート、電力貯蔵システム等の電源として用いることができる。
さらに、用途は、民生用に限定されず、軍需用または宇宙用とすることもできる。
〔実施例1〕
マンガンおよびマグネシウムの炭酸塩を水洗し、乾燥させた後、オルトホウ酸、酸化チタンおよび炭酸リチウムと混合させた。酸化チタンは、リチウムマンガン複合酸化物に対して0.01mol%混合させた。得られた混合物を約800℃で約10時間焼成した。粉砕して、正極活物質を得た。
得られた正極活物質の組成は、Li1.04Mn1.92Mg0.05Ti0.01O4であった。
マンガンおよびマグネシウムの炭酸塩を水洗し、乾燥させた後、オルトホウ酸、酸化チタンおよび炭酸リチウムと混合させた。酸化チタンは、リチウムマンガン複合酸化物に対して0.05mol%混合させた。得られた混合物を約800℃で約10時間焼成した。粉砕して、正極活物質を得た。
得られた正極活物質の組成は、Li1.03Mn1.89Mg0.05Ti0.05O4であった。
マンガンおよびマグネシウムの炭酸塩を水洗し、乾燥させた後、オルトホウ酸および炭酸リチウムと混合させた。得られた混合物を約800℃で約10時間焼成した。得られた焼成物を粉砕して、正極活物質を得た。
得られた正極活物質の組成は、Li1.04Mn1.93Mg0.05O4であった。
所定の組成比となるようにマンガンおよびマグネシウムの炭酸塩を水洗し、乾燥させた後、オルトホウ酸および炭酸リチウムと混合させた以外は比較例1と同様の方法により、正極活物質を得た。
得られた正極活物質の組成は、Li1.03Mn1.87Mg0.12O4であった。
(1)正極活物質の格子定数
X線回折装置(Ultima、理学電気社製)を用い、X線源としてCuKα1を用い、管電流200mA、管電圧40kVの条件で15〜70°の範囲の強度を測定して算出した。
得られた正極活物質についてX線回折法を行った。X線回折法は、X線回折装置(Ultima、理学電気社製)を用い、X線源としてCuKα1を用い、管電流100mA、管電圧40kVの条件で行った。X線回折法により得られたX線回折パターンを基に、上記式(1)で表されるシェラーの式から、正極活物質の(400)結晶子径を求めた。
得られた正極活物質を110℃で15時間乾燥させた後、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=3/7の混合溶媒にLiPF6を1mol/Lの濃度で溶解した電解液と混合させて85℃で48時間保存した。これをフィルターろ過により正極活物質を取り除いた後、ICP分光分析法によりMnの溶出量(電解液の重量に対するMn元素の重量)を測定した。Mnの溶出量が少ないほど高温保存時のガス発生の抑制に優れると言える。
第1表から明らかなように、本発明の正極活物質は、比較例1の正極活物質に比べて、Mnの溶出量が低く、高温保存時のガス発生の抑制に優れていた。
実施例1および実施例2で得られた正極活物質についてArビームで一定時間スパッタを行い、各元素の濃度を測定した。リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面から深さ0μm以上0.1μm以下の部分(スパッタ時間1分以内)を「リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面」と定義し、粒子の表面から深さ0.1μmより大きい部分(スパッタ時間1分より20分)を「リチウム遷移金属複合酸化物粒子の内部」と定義する。リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面に存在する各元素の濃度は、スパッタ時間0分と1分の平均値として計算した。リチウム遷移金属複合酸化物粒子の内部に存在する各元素の濃度は、スパッタ時間5分、10分および20分の平均値として計算した。
第2表から明らかなように、本発明の正極活物質は、粒子の表面に存在するホウ素の濃度が粒子の内部に存在するホウ素の濃度より大きいことが分かる。
また、本発明の正極活物質は、粒子の表面に存在するマグネシウムの濃度が粒子の内部に存在するマグネシウムの濃度より大きいことが分かる。
さらに、本発明の正極活物質は、粒子の内部に存在するチタンの濃度が粒子の内部に存在するホウ素の濃度より大きいことが分かる。
さらに、本発明の正極活物質は、粒子の内部に存在するマグネシウムの濃度が粒子の内部に存在するホウ素の濃度より大きいことが分かる。
上記で得られた各正極活物質を用いて、負極がリチウム金属である試験用二次電池および円筒電池を作製して、以下のようにして評価した。
負極がリチウム金属である試験用二次電池は以下のように作製した。
正極活物質の粉末90重量部と、導電剤となる炭素粉末5重量部と、ポリフッ化ビニリデンのノルマルメチルピロリドン溶液(ポリフッ化ビニリデン量として5重量部)とを混練してペーストを調製し、これを正極集電体に塗布し乾燥させて正極板とした。得られた正極板を用い、負極がリチウム金属である試験用二次電池を作製した。
充電電位4.3V、放電電位2.85V、放電負荷0.2C(なお、1Cは、1時間で放電が終了する電流負荷である。以下、同じ。)の条件で、負極がリチウム金属である試験用二次電池を放電させた。このときの放電容量を初期放電容量とした。
円筒電池は以下のように作製した。
負極がリチウム金属である試験用二次電池の場合と同様の方法により、正極板を得た。また、負極活物質として炭素材料を用い、正極板の場合と同様にして負極集電体に塗布し乾燥させて負極板とした。セパレーターには多孔性プロピレンフィルムを用いた。電解液には、エチレンカーボネート/メチルエチルカーボネート=3/7(体積比)の混合溶媒にLiPF6を1mol/Lの濃度になるように溶解させた溶液を用いた。正極板、負極板およびセパレーターを薄いシート状に成形し、これを巻回させて金属円筒形の電池ケースに収納し、電池ケース内に電解液を注入して、リチウムイオン二次電池の円筒電池を得た。
充電電位4.2V、放電電位2.75V、放電負荷2Cの条件で充放電を繰り返し行い、200サイクル後の放電容量を測定した。得られた200サイクル後の放電容量の値を1サイクル後の放電容量の値で除して、放電容量維持率を求め、サイクル特性を評価した。
60℃において、充電電位4.2V、放電電位2.75V、放電負荷2Cの条件で充放電を繰り返し行い、500サイクル後の放電容量を測定した。得られた500サイクル後の放電容量の値を1サイクル後の放電容量の値で除して、高温放電容量維持率を求め、サイクル特性を評価した。
充電電位4.2V、放電電位3.0V、放電負荷0.2Cの条件で、初期放電容量を測定した後、充電電位4.2V、放電電位3.0V、放電負荷3.0Cの条件で、負荷放電容量を測定した。得られた負荷放電容量の値を初期放電容量で除して、負荷容量維持率を求め、負荷特性を評価した。
充電電位4.2V、放電電位2.75V、放電負荷2.0Cの条件で、初期放電容量および電力量を測定した。得られた電力量の値を初期放電容量で除して、初期平均電位を求めた。
次に、充電電位4.2V、放電電位2.75V、放電負荷2.0Cの条件で、200サイクル後の放電容量および電力量を測定した。得られた電力量の値を初期放電容量で除して、200サイクル後の平均電位を求めた。
得られた200サイクル後の平均電位の値を初期平均電位で除して、平均電位維持率を求めた。
60℃において、充電電位4.2V、放電電位2.75V、放電負荷2.0Cの条件で、初期放電容量および電力量を測定した。得られた電力量の値を初期放電容量で除して、初期高温平均電位を求めた。
次に、60℃において、充電電位4.2V、放電電位2.75V、放電負荷2.0Cの条件で、200サイクル後の放電容量および電力量を測定した。得られた電力量の値を初期放電容量で除して、200サイクル後の高温平均電位を求めた。
得られた200サイクル後の高温平均電位の値を初期高温平均電位で除して、高温平均電位維持率を求めた。
第3表から明らかなように、本発明の正極活物質は、サイクル特性、高温サイクル特性および負荷特性に優れていることが分かる。また、初期平均電位、200サイクル後の平均電位、初期高温平均電位および200サイクル後の平均電位が高く、平均電位維持率および高温平均電位維持率が向上していることが分かる。
本発明の非水電解液二次電池は、携帯電話、ノート型パソコン、デジタルカメラ等のモバイル機器および電気自動車用バッテリー等の電源等に利用することができる。
2 32eサイト
3 16dサイト
4 結着剤
5 正極活物質
11 負極
12 集電体
13 正極
14 セパレーター
20 円筒型電池
30 コイン型電池
40 角型電池
Claims (3)
- 少なくともスピネル構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する非水電解液二次電池用正極活物質であって、
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、一般式Li1+aMgbTicMn2−a−b−cO4+e(aは−0.2≦a≦0.2を満たす数を表し、bは0.005≦b≦0.10を満たす数を表し、cは0.005≦c≦0.05を満たす数を表し、eは−0.5≦e≦0.5を満たす数を表す。)で表され、
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、粒子であるとともに、該粒子の表面のMn/Mgモル比が(2−a−b−c)/b未満であり、少なくとも粒子の表面にホウ素を有することを特徴とする非水電解液二次電池用正極活物質。 - 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、ホウ素の含有量はホウ素とチタンとマグネシウムの合計に対して0.4〜55.6重量%であり、マグネシウムの含有量はホウ素とチタンとマグネシウムの合計に対して3.7〜97.0重量%であり、チタンの含有量はホウ素とチタンとマグネシウムの合計に対して2.1〜95.2重量%であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池用正極活物質。
- 請求項1乃至2のいずれか1項に記載の非水電解液二次電池用正極活物質を正極活物質として用いた非水電解液二次電池。
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