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JP5045882B2 - 電解質および電池 - Google Patents
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JP5045882B2 - 電解質および電池 - Google Patents

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Description

本発明は、ハロゲン原子を有する環式炭酸エステル誘導体を含む電解質およびそれを用いた電池に関する。
近年、カメラ一体型VTR(ビデオテープレコーダ),デジタルスチルカメラ,携帯電話,携帯情報端末あるいはノート型コンピュータ等のポータブル電子機器が多く登場し、その小型軽量化が図られている。それに伴い、電子機器のポータブル電源として、電池、特に二次電池について、エネルギー密度を向上させるための研究開発が活発に進められている。中でも、負極に炭素材料を用い、正極にリチウム(Li)と遷移金属との複合材料を用い、電解液に炭酸エステルを用いたリチウムイオン二次電池は、従来の鉛電池およびニッケルカドミウム電池と比較して大きなエネルギー密度が得られるため広く実用化されている。
このようなリチウムイオン二次電池としては、例えば、軽量でエネルギー密度が高いことから、外装部材にラミネートフィルムを用いたものが実用化されており、特に、電解液を高分子化合物に保持させていわゆるゲル状としたものは、外装部材の変形を抑制することができるので、広く普及している。
これらのリチウムイオン二次電池では、サイクル特性などの電池特性を向上させるために、電解質に種々の添加剤を添加することが提案されている。例えば、下記の特許文献1,2では、電解質にトランス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンまたはシス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(以下、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)と総称する)を含有させることにより、高容量であり、かつサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を得るようにしている。
特開2003−168480号公報 特開2004−319317号公報
ところで、上記の電子機器では、電力消費量が増大する傾向にあり、それに伴い発熱量も増加している。ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)を含有した電解質は高温保存時において分解しやすいので、そのような電解質を用いた場合には外装部材の膨れが増大する傾向にある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高温環境下であっても分解反応を抑制可能な電解質、およびそのような電解質を備え、フィルム状の外装部材を用いたとしても膨れを抑制可能な電池を提供することにある。
本発明の電解質は、トランス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(トランス−ジフルオロエチレンカーボネート)およびシス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(シス−ジフルオロエチレンカーボネート)のうちの少なくとも1種からなる環式炭酸エステル誘導体と、1,3−プロパンスルトン、1,3―プロペンスルトン、およびジビニルスルホンのうちの少なくとも1種からなる環状スルホン酸エステルとを含む溶媒と、電解質塩とを含有するようにしたものである。
本発明の電池は、正極および負極と共に、溶媒および電解質塩を含む電解質を備えた電池であり、その溶媒が、トランス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(トランス−ジフルオロエチレンカーボネート)およびシス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(シス−ジフルオロエチレンカーボネート)のうちの少なくとも1種からなる環式炭酸エステル誘導体と、1,3−プロパンスルトン、1,3―プロペンスルトン、およびジビニルスルホンのうちの少なくとも1種からなる環状スルホン酸エステルとを含むようにしたものである。
本発明の電解質およびこれを備えた電池によれば、溶媒が、2以上のハロゲン原子を有する環式炭酸エステル誘導体と、環状結合または炭素−炭素多重結合を有するスルホン構造をなす化合物とを含むようにしたので、高温環境下であっても電解質の分解反応を抑制することができる。したがって、フィルム状の外装部材を用いたとしてもその膨れを抑制することができ、電池としての安全性を担保することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明における一実施の形態としての二次電池を分解して表すものである。この二次電池は、いわゆるラミネートフィルム型といわれるものであり、正極リード11および負極リード12が取り付けられた巻回電極体20をフィルム状の外装部材30の内部に収容したものである。
正極リード11および負極リード12は、それぞれ、外装部材30の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。正極リード11および負極リード12は、例えば、アルミニウム(Al),銅(Cu),ニッケル(Ni)あるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材30は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材30は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体20とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材30と正極リード11および負極リード12との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム31が挿入されている。密着フィルム31は、正極リード11および負極リード12に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材30は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図2は、図1に示した巻回電極体20のII−II線に沿った断面構造を表すものである。巻回電極体20は、正極21と負極22とをセパレータ23および電解質24を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ25により保護されている。
正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aの両面または片面に正極活物質層21Bを設けたものである。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料により構成されている。正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて炭素材料などの導電剤およびポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、あるいはこれらを含む固溶体(Li(NiCoMn)O))(f,gおよびhの値は0<f<1,0<g<1,0<h<1,f+g+h=1である。)、またはマンガンスピネル(LiMn24)あるいはその固溶体(Li(Mn2−zNi)O)(zの値はz<2である。)などのリチウム複合酸化物、またはリン酸鉄リチウム(LiFePO)などのオリビン構造を有するリン酸化合物が好ましい。高いエネルギー密度を得ることができるからである。また、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、酸化チタン,酸化バナジウムあるいは二酸化マンガンなどの酸化物、二硫化鉄,二硫化チタンあるいは硫化モリブデンなどの二硫化物、硫黄、ポリアニリンあるいはポリチオフェンなどの導電性高分子も挙げられる。
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面または片面に負極活物質層22Bが設けられた構造を有している。負極集電体22Aは、例えば、銅,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料により構成されている。
負極活物質層22Bは、例えば、負極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んでいる。リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、炭素材料が挙げられる。このような炭素材料としては、例えば、難黒鉛化炭素,熱分解炭素類,コークス類,黒鉛類,ガラス状炭素繊維,有機高分子化合物焼成体,炭素繊維,活性炭あるいはカーボンブラック類などがある。このうち、コークス類には、ピッチコークス,ニードルコークスあるいは石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などを適当な温度で焼成し、炭素化したものをいう。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、また、リチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料も挙げられる。この負極材料は金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、合金は、2種以上の金属元素からなるものに加え、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを有するものも含む概念とする。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
このような金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、スズ(Sn),鉛(Pb),アルミニウム,インジウム(In),硅素(Si),亜鉛(Zn),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi),ガリウム(Ga),ゲルマニウム(Ge),ヒ素(As),銀(Ag),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr)およびイットリウム(Y)が挙げられる。中でも、長周期型周期表における14族の金属元素あるいは半金属元素が好ましく、特に好ましいのは硅素あるいはスズである。硅素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、硅素,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン(Ti),ゲルマニウム,ビスマス,アンチモンおよびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。硅素の合金としては、例えば、硅素以外の第2の構成元素として、スズ,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン,ゲルマニウム,ビスマス,アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物あるいは硅素の化合物としては、例えば、酸素(O)あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、スズまたは硅素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多硬質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
電解質24は、電解質塩を溶媒に溶解させた電解液を含有するものである。特に、電解質24は、この電解液を高分子化合物に保持させることで、いわゆるゲル状となっていることが望ましい。電解質24をゲル状とすることで、高いイオン伝導率を得ることができると共に電池の漏液を防止することができるからである。
溶媒としては、例えば化1に示したトランス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(トランス−ジフルオロエチレンカーボネート)や化2に示したシス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(シス−ジフルオロエチレンカーボネート)などの、2以上のハロゲン原子を有する環式炭酸エステル誘導体を用いる。このような環式炭酸エステル誘導体は、比誘電率が30以上の高誘電率溶媒と呼ばれる。
Figure 0005045882
Figure 0005045882
溶媒には、高誘電率溶媒として、上記した2以上のハロゲン原子を有する環式炭酸エステル誘導体のほかに、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレンあるいはビニル炭酸エチレンなどの環式炭酸エステル、γ−ブチロラクトンあるいはγ−バレロラクトンなどのラクトン、N−メチル−2−ピロリドンなどのラクタム、N−メチル−2−オキサゾリジノンなどの環式カルバミン酸エステル、テトラメチレンスルホンなどのスルホン化合物をさらに加えるようにしてもよい。
溶媒には、さらに、粘度が1mPa・s以下の低粘度溶媒を加えてもよい。特に、これらの低粘度溶媒を混合して用いた場合に、イオン伝導性が向上することがある。
低粘度溶媒としては、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸メチルプロピルなどの鎖式炭酸エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチルあるいはトリメチル酢酸エチルなどの鎖式カルボン酸エステル、N,N−ジメチルアセトアミドなどの鎖式アミド、N,N−ジエチルカルバミン酸メチルあるいはN,N−ジエチルカルバミン酸エチルなどの鎖式カルバミン酸エステル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランあるいは1,3−ジオキソランなどのエーテルが挙げられる。
溶媒は、添加剤として、環状結合または炭素−炭素多重結合を有するスルホン構造をなす化合物、具体的にはスルトン(環状スルホン酸エステル)をさらに含んでいる。これにより、電極の表面に良好な被膜が形成され、電極におけるイオン伝導性が向上すると共に、高温環境下においても電解質24の分解反応が抑制されるようになっている。
このようなスルトンとしては、例えば、化3〜化6に示した各化合物が挙げられる。
Figure 0005045882
(式中、R1は、C2m−nまたはC2p−q−2を表す。m,n,p,qは、2≦m≦5,0≦n≦2m,2≦p≦5,0≦q≦2p−2の範囲内の整数を表す。)
Figure 0005045882
(式中、R2は、C2r−2s またはC2t−u−2を表す。r,s,t,uは、1≦r≦4,0≦s≦2r,1≦t≦4,0≦u≦2t−2の範囲内の整数を表す。R3,R4,R5およびR6は、水素基,アルキル基,アリール基,ハロゲン基,水酸基またはアミノ基を表す。R3,R4,R5およびR6は、同一のものがあっても、すべてが異なっていてもよい。)
Figure 0005045882
(式中、R7〜R12は、水素基,アルキル基,アリール基,ハロゲン基,水酸基またはアミノ基を表す。これらは、同一のものがあっても、すべてが異なっていてもよい。)
Figure 0005045882
(式中、R13〜R16は、水素基,アルキル基,アリール基,ハロゲン基,水酸基またはアミノ基を表す。これらは、同一のものがあっても、すべてが異なっていてもよい。)
このような化合物について具体的に例を挙げれば、化7(1)に示した1,3−プロパンスルトン(3−ヒドロキシプロパンスルホン酸γ−スルトン),化7(2)に示した1,3−プロペンスルトン(3−ヒドロキシプロペンスルホン酸γ−スルトン)あるいは化7(3)に示したジビニルスルホンなどがある。
Figure 0005045882
この二次電池では、溶媒に、プロトンとして解離し得る水素を有するリン化合物をさらに添加するとよい。こうすることで、より効果的に電解質24の分解反応を抑制することができる。
このようなリン化合物としては、例えば、化8〜化10に示した各化合物が挙げられる。
Figure 0005045882
(式中、R17,R18は、C2v+1またはC2w−7を表す。v,wは、0≦v≦4,6≦w≦11の範囲内の整数を表す。)
Figure 0005045882
(式中、R19,R20は、C2v+1またはC2w−7を表す。v,wは、0≦v≦4,6≦w≦11の範囲内の整数を表す。)
Figure 0005045882
(式中、R21,R22は、C2v+1またはC2w−7を表す。v,wは、0≦v≦4,6≦w≦11の範囲内の整数を表す。)
より具体的には、化11(1)に示した亜リン酸、あるいは化11(2)に示したリン酸ジフェニルなどが挙げられる。このほか、リン酸、フェニルホスホン酸またはフェニルホスフィン酸などを加えるようにしてもよい。
Figure 0005045882
電解質塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF),四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF),六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF),六フッ化アンチモン酸リチウム(LiSbF),過塩素酸リチウム(LiClO),四塩化アルミニウム酸リチウム(LiAlCl)などの無機リチウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CFSOLi),リチウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド((CFSONLi),リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミド((CSONLi),リチウムトリス(トリフルオロメタンスルホン)メチド((CFSOCLi)などのパーフルオロアルカンスルホン酸誘導体のリチウムリチウム塩が挙げられる。電解質塩には1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
電解液を保持する高分子化合物としては、化12した構成単位を含むポリフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ化ビニリデンの重合体が好ましく挙げられる。酸化還元安定性が高いからである。
Figure 0005045882
また、高分子化合物としては、重合性化合物が重合されることにより形成されたものも挙げられる。重合性化合物としては、例えば、ビニル基あるいはその一部の水素をメチル基などの置換基で置換した基を含有するものが挙げられる。具体的には、アクリル酸エステルなどの単官能アクリレート、メタクリル酸エステルなどの単官能メタクリレート、ジアクリル酸エステル,あるいはトリアクリル酸エステルなどの多官能アクリレート、ジメタクリル酸エステルあるいはトリメタクリル酸エステルなどの多官能メタクリレート、アクリロニトリル、またはメタクリロニトリルなどがあり、中でも、アクリレート基あるいはメタクリレート基を有するエステルが好ましい。重合が進行しやすく、重合性化合物の反応率が高いからである。また、重合性化合物としては、エーテル基を含まないものが好ましい。エーテル基が存在するとエーテル基にリチウムイオンが配位し、それによりイオン伝導率が低下してしまうからである。このような高分子化合物としては、例えば、化13した構成単位を含むポリアクリル酸エステルが挙げられる。
Figure 0005045882
(式中、R23は、C2j−1を表す。j,kは、1≦j≦8,0≦k≦4の範囲内の整数である。)
重合性化合物は、いずれか1種を単独で用いてもよいが、単官能体と多官能体とを混合するか、または、多官能体を単独あるいは2種類以上を混合して用いることが望ましい。このように構成することにより、重合して形成された高分子化合物の機械的強度と、電解液保持性とを両立させやすくなるからである。
さらに、高分子化合物としては、ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種を重合した構造を有するものも好ましい。
ポリビニルアセタールは、化14に示したアセタール基を含む構成単位を繰り返し単位に含む化合物である。具体例としては、化14に示したR24が水素であるポリビニルホルマールが挙げられる。
Figure 0005045882
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、正極活物質と結着剤と導電剤とを混合して正極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させることにより正極合剤スラリーを作製する。次いで、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aの両面または片面に塗布し乾燥させ、圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し正極21を作製する。続いて、正極集電体21Aに正極リード11を、超音波溶接やスポット溶接などにより接合する。
一方で、負極活物質と結着剤とを混合して負極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させることにより負極合剤スラリーを作製する。次いで、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aの両面または片面に塗布し乾燥させ、圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製する。続いて、負極集電体22Aに負極リード12を、超音波溶接やスポット溶接などにより接合する。
こののち、正極21と負極22とをセパレータ23を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ25を接着して、巻回電極体20の前駆体である巻回体を形成する。次いで、この巻回体を外装部材30に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、外装部材30の内部に収納する。続いて、電解液を外装部材30の内部に注入したのち、外装部材30の開口部を熱融着して密封する。その際、正極リード11および負極リード12と外装部材30との間には密着フィルム31を挿入する。これにより、図1および図2に示した二次電池が完成する。
また、電解液を高分子化合物に保持させる場合には、以下のように製造するとよい。
まず、上述した方法により形成した巻回電極体20の前駆体を外装部材30に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、外装部材30の内部に収納する。続いて、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、必要に応じて重合開始剤と、重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を用意し、外装部材30の内部に注入したのち、外装部材30の開口部を熱融着して密封する。そののち、必要に応じて熱を加えてモノマーを重合させて高分子化合物とすることによりゲル状の電解質24を形成し、図1および図2に示した二次電池を組み立てる。
なお、巻回体を作製してから電解質用組成物を注入するのではなく、例えば、正極21および負極22の上に電解質用組成物を塗布したのちに巻回し、外装部材30の内部に封入し、さらに必要に応じて加熱して電解質24を形成するようにしてもよい。また、正極21および負極22の上に電解質用組成物を塗布し、必要に応じて加熱して電解質24を形成したのちに巻回し、外装部材30の内部に封入するようにしてもよい。但し、外装部材30の内部に封入したのちに電解質24を形成するようにした方が好ましい。電解質24とセパレータ23との界面接合を十分に向上させることができ、内部抵抗の上昇を抑制することができるからである。
また、モノマーとして、ポリビニルアセタールあるいはその誘導体を用いると、電解質24における電解液の割合を多くすることができ、イオン伝導性を向上させることができるので好ましい。
また、この二次電池は、次のようにして製造してもよい。まず、上述したようにして正極21を作製したのち、正極集電体21Aに正極リード11を接合する。そののち、電解液と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を用意し、正極活物質層21Bの上、すなわち正極21の両面あるいは片面に塗布し、混合溶剤を揮発させて、電解質24を形成する。
一方で、上述したように負極22を作製したのち、負極集電体22Aに負極リード12を接合すると共に、負極活物質層22Bの上、すなわち負極22の両面あるいは片面に、正極21と同様にして電解質24を形成する。
続いて、電解質24が形成された正極21と負極22とをセパレータ23を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ25を接着して巻回電極体20を形成する。そののち、例えば、外装部材30の間に巻回電極体20を挟み込み、外装部材30の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。こうした場合にも、図1,2に示した二次電池を製造することができる。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極21からリチウムイオンが放出され、電解質24を介して負極22に吸蔵される。一方、放電を行うと、負極22からリチウムイオンが放出され、電解質24を介して正極21に吸蔵される。その際、電解質24にスルトンが含まれているので、電極の表面に良好な被膜が形成され、イオン伝導性が向上すると共に、高温環境下においても電解質24の分解反応が抑制される。電解質24が、さらに、亜リン酸やリン酸ジフェニルなどのプロトンとして解離し得る水素を有するリン化合物を含むようにした場合には、より効果的に電解質24の分解反応が抑制されることとなる。
このように本実施の形態によれば、電解質24に、トランス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンまたはシス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどの環式炭酸エステル誘導体と共にスルトンを含有させるようにしたので、電極の表面に良好な被膜を形成することができ、電極におけるイオン伝導性を向上させることができると共に、電解質24の分解反応を抑制することができる。よって、高温環境下であっても、良好なサイクル特性を維持しつつ、フィルム状の外装部材30を用いても膨れを抑制することができる。
さらに、電解質24に、亜リン酸やリン酸ジフェニルなどのプロトンとして解離し得る水素を有するリン化合物を含有させるようにすれば、より高い効果を得ることができる。
さらに、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
[第1の実施例]
(実施例1−1)
本実施例では、上記実施の形態に対応した二次電池を作製した。まず、正極活物質としてリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO)94質量部と、導電剤としてグラファイト3質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合したのち、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドンを添加し正極合剤スラリーを得た。次いで、得られた正極合剤スラリーを、厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体の両面に均一に塗布し乾燥させて正極活物質層を形成した。正極活物質層の面積密度は片面当たり18mg/cmとした。そののち、正極活物質層が形成された正極集電体を幅50mm,長さ300mmの形状に切断して正極を作製した。
一方で、負極活物質として黒鉛97質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合したのち、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドンを添加し負極合剤スラリーを得た。次いで、得られた負極合剤スラリーを、厚み15μmの銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に均一に塗布し乾燥させて負極活物質層22Bを形成した。負極活物質層22Bの面積密度は片面当たり10mg/cmとした。そののち、負極活物質層が形成された負極集電体を幅50mm,長さ300mmの形状に切断して負極を作製した。
正極および負極を作製したのち、アルミニウムよりなる正極リードを正極に取り付けると共に、ニッケルよりなる負極リードを負極に取り付け、厚さ12μmの微多孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータを介して正極と負極とを積層し、巻回して巻回体を作製した。
次いで、巻回体をアルミラミネートフィルムよりなる外装部材の間に挟み込んだのち、外装部材の外縁部同士を、一辺を残して貼り合わせ袋状とした。その際、正極リードおよび負極リードを外装部材の外部に導出させるようにした。
続いて、外装部材の内部に開放辺から電解質を2g程度注入し、外装部材の開放辺を熱融着により貼り合わせることにより図1,2に示した二次電池を作製した。
電解質24としては、炭酸エチレン、炭酸ジエチル、トランス−ジフルオロエチレンカーボネート、および1,3−プロパンスルトンを順に30:64.5:5:0.5の質量比で混合した溶媒と、電解質塩としての六フッ化リン酸リチウムとを86:14の質量比で混合し、溶解させたものを用いた。
(実施例1−2)
1,3−プロパンスルトンの代わりに1,3−プロペンスルトンを使用したことを除き、他は実施例1−1と同様にして実施例1−2としての二次電池を作製した。
(実施例1−3)
1,3−プロパンスルトンの代わりに1,3−プロペンスルトンを使用したこと、およびトランス−ジフルオロエチレンカーボネートの代わりにシス−ジフルオロエチレンカーボネートを使用したことを除き、他は実施例1−1と同様にして実施例1−3としての二次電池を作製した。
(実施例1−4)
1,3−プロパンスルトンの代わりにジビニルスルホンを使用したことを使用したことを除き、他は実施例1−1と同様にして実施例1−4としての二次電池を作製した。
(実施例1−5)
電解質における添加剤として亜リン酸を使用したことを除き、他は実施例1−1と同様にして実施例1−5としての二次電池を作製した。その際、亜リン酸の含有量は溶媒全体の0.2%とし、その分、炭酸ジエチルの含有量を64.3%に減らした。
(実施例1−6)
電解質における添加剤としてリン酸ジフェニルを使用したことを除き、他は実施例1−1と同様にして実施例1−6としての二次電池を作製した。その際、リン酸ジフェニルの含有量は溶媒全体の0.5%とし、その分、炭酸ジエチルの含有量を64.0%に減らした。
(比較例1−1)
実施例1−1〜1−6に対する比較例1−1として、スルトンを添加しなかったことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。
得られた実施例1−1〜1−6および比較例1−1の二次電池について、45℃環境下において700mAで4.2Vを上限として3時間に亘って定電流定電圧充電したのち、90℃で4時間に亘って保存したときの外装部材の膨れを測定した。その結果を表1に示す。表1における「90℃,4時間保存後の膨れ」の欄には、作製時点での(初期の)二次電池の厚さを基準値とし、その基準値に対する高温保存後の厚さの比を示す。なお、各電池における容量を調べたところ、いずれについても700mAhであった。
Figure 0005045882
表1からわかるように、スルトンを添加した実施例1−1〜1−6によれば、これを添加しない比較例1−1よりも、膨れを大幅に低減することができた。実施例1−1、実施例1−2および実施例1−4の比較から、特にプロペンスルトンを含有させると膨れの低減に極めて効果的であることがわかった。
また、実施例1−2と実施例1−3との比較から、シス−ジフルオロエチレンカーボネートよりもトランス−ジフルオロエチレンカーボネートを用いたほうが、膨れを抑制しやすい傾向にあるといえる。
さらに、実施例1−2、実施例1−5および実施例1−6の比較から、亜リン酸やリン酸ジフェニルなどの、プロトンとして解離し得る水素を有するリン化合物を含有させると膨れの低減に特に効果的であることがわかった。
[第2の実施例]
(実施例2−1〜2−6)
負極活物質として硅素(Si)を用いたことを除き、他は実施例1−1〜1−6と各々同様にして実施例2−1〜2−6としての二次電池を作製した。負極については、厚み15μmの銅箔よりなる負極集電体に電子ビーム蒸着法を用いて硅素からなる負極活物質層を形成することにより作製した。
(比較例2−1)
実施例2−1〜2−6に対する比較例2−1として、スルトンを添加しなかったことを除き、他は実施例2−1と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例2−1〜2−6および比較例2−1の二次電池についても、実施例1−1〜1−6と同様にして外装部材の膨れを測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0005045882
表2からわかるように、第2の実施例では、上記第1の実施例と同様の効果が確認できた。すなわち、スルトンを添加した実施例2−1〜2−6によれば、これを添加しない比較例2−1よりも、膨れを大幅に低減することができた。実施例2−1、実施例2−2および実施例2−4の比較から、特にプロペンスルトンを含有させると膨れの低減に極めて効果的であることがわかった。
また、実施例2−2と実施例2−3との比較から、シス−ジフルオロエチレンカーボネートよりもトランス−ジフルオロエチレンカーボネートを用いたほうが、膨れを抑制しやすい傾向にあるといえる。
さらに、実施例2−2、実施例2−5および実施例2−6の比較から、亜リン酸やリン酸ジフェニルなどの、プロトンとして解離し得る水素を有するリン化合物を含有させると膨れの低減に特に効果的であることがわかった。
[第3の実施例]
(実施例3−1〜3−6)
負極活物質としてSn合金を用いたことを除き、他は実施例1−1〜1−6と各々同様にして実施例3−1〜3−6としての二次電池を作製した。負極については、以下のように作製した。
まず、以下の要領で負極活物質を作製した。スズ・コバルト・インジウム・チタン合金粉末と炭素粉末と乾式混合することで混合物を得た。この混合物10gを、直径9mmの鋼玉約400gと共に伊藤製作所製の遊星ボールミルの反応容器中にセットしたのち、反応容器中をアルゴン雰囲気に置換し、毎分250回転の回転速度による10分間の運転と、10分間の休止とを合計の運転時間が20時間となるまで繰り返しおこなった。そののち、反応容器を室温まで冷却して合成された負極活物質粉末を取り出し、280メッシュのふるいを通して粗粉を取り除いた。この結果、スズ、コバルト、インジウム、チタンおよび炭素が48:23:5:2:20の質量比で存在するCoSnC含有材料が得られた。
このようにして作製したCoSnC含有材料からなる負極活物質94重量部と、導電材としての黒鉛3重量部と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン8重量部とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとした。続いて、この負極合剤スラリーを厚さ15μmの帯状銅箔からなる負極集電体の両面に均一に塗布して乾燥させ、一定圧力で圧縮成型して片面厚さ50μmの負極活物質層を形成したのち、幅50mm、長さ300mmの寸法となるように切断して負極を作製した。そののち、負極集電体の一端にニッケル製の負極リードを取り付けた。なお、正極活物質とCoSnC含有材料との充填量を調節し、充電の途中で負極にリチウム金属が析出しないようにした。
(比較例3−1)
実施例3−1〜3−6に対する比較例3−1として、スルトンを添加しなかったことを除き、他は実施例3−1と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例3−1〜3−6および比較例3−1の二次電池についても、実施例1−1〜1−6と同様にして外装部材の膨れを測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0005045882
表3からわかるように、第3の実施例では、上記第1,第2の実施例と同様の効果が確認できた。すなわち、スルトンを添加した実施例3−1〜3−6によれば、これを添加しない比較例3−1よりも、膨れを大幅に低減することができた。実施例3−1、実施例3−2および実施例3−4の比較から、特にプロペンスルトンを含有させると膨れの低減に極めて効果的であることがわかった。
また、実施例3−2と実施例3−3との比較から、シス−ジフルオロエチレンカーボネートよりもトランス−ジフルオロエチレンカーボネートを用いたほうが、膨れを抑制しやすい傾向にあるといえる。
さらに、実施例3−2、実施例3−5および実施例3−6の比較から、亜リン酸やリン酸ジフェニルなどの、プロトンとして解離し得る水素を有するリン化合物を含有させると膨れの低減に特に効果的であることがわかった。
[第4の実施例]
(実施例4−1〜4−6)
厚さ7μmの微多孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータの両面に、各々2μmの厚みとなるようにポリフッ化ビニリデンを塗布するようにしたことを除き、他は実施例1−1〜1−6と各々同様にして実施例4−1〜4−6としての二次電池を作製した。
(比較例4−1)
実施例4−1〜4−6に対する比較例4−1として、スルトンを添加しなかったことを除き、他は実施例2−1と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例4−1〜4−6および比較例4−1の二次電池についても、実施例1−1〜1−6と同様にして外装部材の膨れを測定した。その結果を表4に示す。
Figure 0005045882
表4からわかるように、第4の実施例では、上記第1〜第3の実施例と同様の効果が確認できた。すなわち、スルトンを添加した実施例4−1〜4−6によれば、これを添加しない比較例4−1よりも、膨れを大幅に低減することができた。実施例4−1、実施例4−2および実施例4−4の比較から、特にプロペンスルトンを含有させると膨れの低減に極めて効果的であることがわかった。
また、実施例4−2と実施例4−3との比較から、シス−ジフルオロエチレンカーボネートよりもトランス−ジフルオロエチレンカーボネートを用いたほうが、膨れを抑制しやすい傾向にあるといえる。
さらに、実施例4−2、実施例4−5および実施例4−6の比較から、亜リン酸やリン酸ジフェニルなどの、プロトンとして解離し得る水素を有するリン化合物を含有させると膨れの低減に特に効果的であることがわかった。
[第5の実施例]
(実施例5−1〜5−6)
負極活物質として硅素(Si)を用いたことを除き、他は実施例4−1〜4−6と各々同様にして実施例5−1〜5−6としての二次電池を作製した。負極については、厚み15μmの銅箔よりなる負極集電体に電子ビーム蒸着法を用いて硅素からなる負極活物質層を形成することにより作製した。
(比較例5−1)
実施例5−1〜5−6に対する比較例5−1として、スルトンを添加しなかったことを除き、他は実施例5−1と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例5−1〜5−6および比較例5−1の二次電池についても、実施例1−1〜1−6と同様にして外装部材の膨れを測定した。その結果を表5に示す。
Figure 0005045882
表5からわかるように、第5の実施例では、上記第1〜第4の実施例と同様の効果が確認できた。すなわち、スルトンを添加した実施例5−1〜5−6によれば、これを添加しない比較例5−1よりも、膨れを大幅に低減することができた。実施例5−1、実施例5−2および実施例5−4の比較から、特にプロペンスルトンを含有させると膨れの低減に極めて効果的であることがわかった。
また、実施例5−2と実施例5−3との比較から、シス−ジフルオロエチレンカーボネートよりもトランス−ジフルオロエチレンカーボネートを用いたほうが、膨れを抑制しやすい傾向にあるといえる。
さらに、実施例5−2、実施例5−5および実施例5−6の比較から、亜リン酸やリン酸ジフェニルなどの、プロトンとして解離し得る水素を有するリン化合物を含有させると膨れの低減に特に効果的であることがわかった。
[第6の実施例]
(実施例6−1〜6−6)
負極活物質としてSn合金を用いたことを除き、他は実施例1−1〜1−6と各々同様にして実施例6−1〜6−6としての二次電池を作製した。負極については、実施例3−1〜3−6と同様にして作製した。
(比較例6−1)
実施例6−1〜6−6に対する比較例6−1として、スルトンを添加しなかったことを除き、他は実施例6−1と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例6−1〜6−6および比較例6−1の二次電池についても、実施例1−1〜1−6と同様にして外装部材の膨れを測定した。その結果を表6に示す。
Figure 0005045882
表6からわかるように、第6の実施例では、上記第1〜第5の実施例と同様の効果が確認できた。すなわち、スルトンを添加した実施例6−1〜6−6によれば、これを添加しない比較例6−1よりも、膨れを大幅に低減することができた。実施例6−1、実施例6−2および実施例6−4の比較から、特にプロペンスルトンを含有させると膨れの低減に極めて効果的であることがわかった。
また、実施例6−2と実施例6−3との比較から、シス−ジフルオロエチレンカーボネートよりもトランス−ジフルオロエチレンカーボネートを用いたほうが、膨れを抑制しやすい傾向にあるといえる。
さらに、実施例6−2、実施例6−5および実施例6−6の比較から、亜リン酸やリン酸ジフェニルなどの、プロトンとして解離し得る水素を有するリン化合物を含有させると膨れの低減に特に効果的であることがわかった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる電池について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属を用いる場合についても、本発明を適用することができる。その際、負極には、上記実施の形態で説明した負極活物質、例えばスズまたは硅素を構成元素として含む材料、あるいは炭素材料などを同様にして用いることができる。
さらに、上記実施の形態または実施例では、ラミネートフィルム型の二次電池を具体的に挙げて説明したが、本発明は円筒型、コイン型、ボタン型、あるいは角型などの他の形状を有する二次電池、または積層構造などの他の構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。また、本発明は、二次電池に限らず、一次電池などの他の電池についても同様に適用することができる。
本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表す分解斜視図である。 図1に示した巻回電極体のII−II線に沿った構成を表す断面図である。
符号の説明
11…正極リード、12…負極リード、20…巻回電極体、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極活物質層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極活物質層、23…セパレータ、24…電解質、25…保護テープ、30…外装部材、31…密着フィルム。

Claims (13)

  1. 溶媒と電解質塩とを含み、
    前記溶媒は、
    トランス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(トランス−ジフルオロエチレンカーボネート)およびシス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(シス−ジフルオロエチレンカーボネート)のうちの少なくとも1種からなる環式炭酸エステル誘導体と、
    1,3−プロパンスルトン、1,3―プロペンスルトン、およびジビニルスルホンのうちの少なくとも1種からなる環状スルホン酸エステル
    を含電解質。
  2. 前記環式炭酸エステル誘導体はトランス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンであり、
    前記環状スルホン酸エステルは1,3―プロペンスルトンである
    請求項1記載の電解質。
  3. 前記溶媒は、プロトンとして解離し得る水素を有するリン化合物をさらに含
    求項1記載の電解質。
  4. 前記リン化合物は、リン酸、亜リン酸、リン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸およびフェニルホスフィン酸のうちの少なくとも1種を含む
    請求項3記載の電解質。
  5. 正極および負極と共に、溶媒および電解質塩を含む電解質を備えた電池であって、
    前記溶媒は、
    トランス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(トランス−ジフルオロエチレンカーボネート)およびシス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(シス−ジフルオロエチレンカーボネート)のうちの少なくとも1種からなる環式炭酸エステル誘導体と、
    1,3−プロパンスルトン、1,3―プロペンスルトン、およびジビニルスルホンのうちの少なくとも1種からなる環状スルホン酸エステルと
    を含む
    電池。
  6. 前記環式炭酸エステル誘導体はトランス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンであり、
    前記環状スルホン酸エステルは1,3―プロペンスルトンである
    請求項5記載の電池。
  7. 前記溶媒は、プロトンとして解離し得る水素を有するリン化合物をさらに含む
    請求項5記載の電池。
  8. 前記リン化合物は、リン酸、亜リン酸、リン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸である
    請求項7記載の電池。
  9. 前記負極は、長周期型周期表における周期律表の14族の金属元素または半金属元素を含有している
    請求項5記載の電池。
  10. 前記負極は、ケイ素(Si)またはスズ(Sn)を含有している
    請求項9記載の電池。
  11. アルミニウム層を含むラミネートフィルムからなる封入部材を備えた
    請求項5記載の電池。
  12. 前記電解質は、電解液とこの電解液を保持する保持体としての高分子化合物とを含む
    請求項5記載の電池。
  13. 前記高分子化合物は、ポリビニルホルマール、ポリアクリル酸エステルまたはポリフッ化ビニリデンであることを特徴とする請求項12記載の電池。
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