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JP5053181B2 - 脚付構造物の撤去方法 - Google Patents
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Description

本発明は、脚付構造物の撤去方法に関するものである。
従来、水上には、橋梁や作業架台等の多くの脚付構造物が構築されている。これらの脚付構造物が腐食や老朽化のために使用できなくなった場合、倒壊の恐れが生じる前に撤去する必要がある。橋梁を撤去するには、橋桁の下方に配置した作業台船上に設けた吊り上げ機構で橋桁を支持しつつ橋桁を切断し、切断した橋桁を吊り上げ機構で作業台船上に降下させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−280328号公報
しかしながら、脚付構造物が局所的な流れや他方向からの不規則波が生じる水域に設置されている場合、従来の撤去方法では、作業台船の船体の動揺が激しく、撤去作業に危険や困難を伴うこととなる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、水の流れや波浪の状況が厳しい水域において安全に作業できる脚付構造物の撤去方法を提供することである。
前述した目的を達成するための本発明は、作業台船を撤去予定の脚付構造物の床版の下へ進入させて位置決めを行う工程(a)と、前記作業台船に設けられた昇降可能なスパッドを水底まで降下させる工程(b)と、前記スパッドに鉛直方向の荷重をかけて前記水底に固定する工程(c)と、前記作業台船を浮上させて、前記作業台船上に設置された支持架台に架設された受け架台と前記床版とを接触させる工程(d)と、切断装置を用いて前記脚付構造物の脚を切断する工程(e)と、前記スパッドを上昇させ、前記作業台船を移動させる工程(f)と、
を具備することを特徴とする脚付構造物の撤去方法である。
工程(e)と工程(f)との間には、作業台船を浮上させて、脚の切断位置の上部と下部との間に隙間を作る工程(g)をさらに設けてもよい。
工程(a)では、例えば、受け架台に設けられたガイドに床版を接触させて作業台船の位置決めを行う。切断装置には、例えば、錘と連結されたワイヤソー装置を用い、工程(e)で、脚の周囲にワイヤを配置し、錘の作用によりワイヤソー装置を移動させつつ脚を切断する。
工程(d)では、スパッドが水底から抜けないように調整を行いつつ、作業台船を浮上させる。工程(d)では、作業台船上に支持架台に架設された受け架台を設置せず、作業台船の浮上に替えて、作業台船に設けられたジャッキを伸長させることにより、ジャッキで床版の荷重を受けてもよい。
本発明では、スパッドを用いることにより、波や流れのある海象条件下での作業台船の動揺を抑えることができる。また、切断装置としてワイヤソー装置を用いれば、隣接する施設に大きな影響を与えることなく、確実に構造物を切断できる。
本発明によれば、水の流れや波浪の状況が厳しい水域において安全に作業できる脚付構造物の撤去方法を提供できる。
以下、図面に基づいて、本発明の第1の実施の形態を詳細に説明する。図1は、撤去予定の昇降架台1、撤去に使用する作業台船9の概要図である。図1の(a)図は、作業台船9の側方から見た立面図、図1の(b)図は、図1の(a)図に示す矢印A−Aによる断面図、図1の(c)図は、作業台船9を図1の(a)図に示す矢印Cの方向から見た平面図である。
図1の(a)図に示すように、撤去予定の脚付構造物である昇降架台1は、脚部5、床版3等からなる。脚部5は、水底の地盤7に支持される。床版3は、脚部5に取り付けられ、脚部5に沿って昇降可能である。
図1の(a)図および図1の(c)図に示すように、作業台船9の内部には、昇降可能なスパッド11が設けられる。スパッド11には、スパッド用ワイヤ23の一端が連結される。スパッド用ワイヤ23の他端は、作業台船9に設けられたスパッド用ウインチ21に連結される。スパッド11、スパッド用ワイヤ23、スパッド用ウインチ21は、例えば、それぞれ4ヶ所に設けられる。
作業台船9上には、所定の間隔をおいて支持架台13が設置される。支持架台13には、受け架台15が架設される。受け架台15の上面14の端部付近には、ガイド17が設けられる。図1の(b)図に示すように、支持架台13の側面16には、足場19が設けられる。なお、図1の(c)図に点線で示す足場19は、図3に示す工程で伸長された状態を、点線で示す脚部5は、図2に示す工程で位置決めを行った後の脚部5の位置を示す。
図1に示す工程では、作業台船9を、撤去予定の昇降架台1付近まで曳船を用いて曳航する。そして、揚錨船(図示せず)にて作業台船9の四方の地盤7にアンカ(図示せず)を打設し、作業台船9を係留する。
図2は、作業台船9を昇降架台1の下方に進入させる工程を示す図である。図2の(a)図は、作業台船9の側方から見た立面図、図2の(b)図は、図2の(a)図に示す矢印D−Dによる断面図である。
図2に示す工程では、アンカ(図示せず)に連結されたアンカワイヤ(図示せず)を操船ウインチ(図示せず)で巻き取りおよび巻きだしすることにより、作業台船9を図1に示す矢印Bの方向に移動させ、図2に示すように昇降架台1の床版3の下方に進入させる。次に、アンカワイヤ(図示せず)の巻き取りおよび巻き出しにより、作業台船9に設けられたガイド17に昇降架台1の床版3を接触させて、作業台船9の位置決めを行う。
図2に示す工程では、作業台船9の位置決め後、スパッド11を水底の地盤7まで降下させる。そして、スパッド用ワイヤ23、スパッド用ウインチ21等を用いてスパッド11に矢印Eに示す方向の荷重をかけ、スパッド11の下端部24を水底の地盤7に固定する。
図3は、作業台船9を浮上させる工程を示す図である。図3の(a)図は、作業台船9の側方から見た立面図、図3の(b)図は、図3の(a)図に示す矢印F−Fによる断面図である。
図3に示す工程では、バラストの排水を行い、作業台船9を矢印Gの方向に浮上させて、受け架台15と昇降架台1の床版3とを接触させる。作業台船9を浮上させる際には、スパッド11が水底の地盤7から抜けないよう、スパッド11にかける荷重を調整する。
図4は、足場19周辺の拡大図である。図4は図3の(b)図に示す範囲Hの拡大図である。図4に示すように、支持架台13に設けられた足場19は、足場19a、足場19b、足場用ウインチ27、足場用ワイヤ29等からなる。足場19aは、一端がピン25によって支持架台13に取り付けられる。足場19bは、足場19aと一体化されており、足場19aに沿ってスライドする。足場用ウインチ27は、支持架台13に設置される。足場用ワイヤ29は、一端が足場19aに、他端が足場用ウインチ27に連結される。
図3に示す工程では、作業台船9を矢印Gの方向に浮上させた後、図4に示すように、足場19を矢印Iに示す方向に回転させて倒す。次に、足場19bを矢印Jに示す方向にスライドさせて、図3の(b)図および図4に示すように、足場19を昇降架台1の脚部5付近まで伸長する。なお、足場19は、例えば、図1の(c)図に示すように、伸長した際に脚部5を挟むような形状とする。
図5は、脚部5を切断する工程を示す。図5は、足場19周辺の拡大図である。図5に示すように、脚部5を切断するための切断装置は、切断用ワイヤ31、ワイヤソーユニット33、錘35等からなる。切断用ワイヤ31は、ワイヤソーユニット33に連結される。ワイヤソーユニット33は、例えば作業台船9上に設置される。ワイヤソーユニット33は、下面に設けられた移動手段(図示せず)により走行する。錘35は、支持架台13に取り付けられた複数の滑車34に引っ掛けて設置される。
図5に示す工程では、まず、足場19を用いて、脚部5の周囲に切断用ワイヤ31を配置する。そして、切断用ワイヤ31で脚部5を切断する。このとき、錘35が切断量に合わせて矢印Kに示すように降下し、切断用ワイヤ31が緩まないように張力を掛ける。ワイヤソーユニット33は、移動手段(図示せず)により、錘35の降下量に合わせて矢印Lに示す方向に走行する。なお、脚部5の切断は、作業台船9の浮力で受け架台15を上方の床版3に押し付けた状態で行う。
図6は、脚部5を分離する工程を示す図である。図6の(a)図は、作業台船9の側方から見た立面図、図6の(b)図は、図6の(a)図に示す矢印M−Mによる断面図である。
図6に示す工程では、バラストの排水を行って、作業台船9を矢印Nに示す方向に浮上させる。そして、脚部5の切断面の上部5aと下部5bとの間に隙間37を作る。
図7は作業台船9を移動させる工程を示す図である。図7の(a)図は、作業台船9の側方から見た立面図、図7の(b)図は、図7の(a)図に示す矢印O−Oによる断面図である。
図7に示す工程では、まず、スパッド11を上昇させて作業台船9の固定を解除する。そして、水中に設置したアンカ(図示せず)に連結されたアンカワイヤ(図示せず)を操船用ウインチ(図示せず)で巻き取りまたは巻き出しすることにより、作業台船9を矢印Pに示す方向に移動させる。さらに、床版3と受け架台15とを固縛した後、曳船(図示せず)にて作業台船9を曳航する。
このように、第1の実施の形態によれば、スパッド11を用いて作業台船9を水底の地盤7に固定するため、波や流れのある海象条件下での作業台船9の動揺を抑え、海上工事の稼働率を上げることができる。また、ワイヤ装置を用いて脚部5を切断するため、隣接する施設への影響が少なく、確実に脚部5を切断できる。さらに、床版3を支持架台13および受け架台15、スパッド11で支えながら脚部5を切断するため、切断前後における力の変動が小さく、老朽化した構造物においても安全に切断撤去を行うことが可能である。
なお、第1の実施の形態では、図6に示す工程においてバラストの排水を行って作業台船9を浮上させたが、必ずしも作業台船9を浮上させる必要はない。例えば、受け架台15で床版3の荷重を受けた際に上方に押し付けるような力を加えておくことで、脚部5の切断と同時に切断面の上部5aと下部5bとの間に隙間を作る場合もある。
次に、第2の実施の形態について説明する。図8は、段重ねジャッキ39を用いて昇降架台1を撤去する方法を示す図である。図8の(a)図は、作業台船9の側方から見た立面図、図8の(b)図は、図8の(a)図に示す矢印Q−Qによる断面図である。
第2の実施の形態で用いる作業台船9の構成は、図1に示す作業台船9の構成とほぼ同様であるが、作業台船9上に、支持架台13および受け架台15のかわりに複数の段重ねジャッキ39が設けられる。段重ねジャッキ39は、通常よりストロークの長いジャッキを数段重ねて構成される。
第2の実施の形態での昇降架台1の撤去方法は、第1の実施の形態とほぼ同様である。第2の実施の形態においても、まず、揚錨船(図示せず)にてアンカ(図示せず)を打設し、作業台船9を係留する。次に、アンカワイヤ(図示せず)の巻き取りおよび巻きだしにより、作業台船9を昇降架台1の床版3の下方に進入させる。そして、スパッド11を水底の地盤7まで降下させた後、スパッド用ワイヤ23、スパッド用ウインチ21等を用いてスパッド11に荷重をかけ、下端部24を水底の地盤7に固定する。
第2の実施の形態では、スパッド11を地盤7に固定した後、バラストの排水を行って作業台船9を浮上させる替わりに、段重ねジャッキ39を上昇させて、段重ねジャッキ39で床版3の荷重を受ける。そして、ワイヤソー装置(図示せず)を用いて昇降架台1の脚部5を切断する。
図9は、床版3を降下させる工程を示す図である。第2の実施の形態では、脚部5を切断した後、スパッド11を上昇させて作業台船9の固定を解除し、アンカワイヤ(図示せず)の巻き取りおよび巻きだしにより作業台船9を移動させる。そして、図8の(a)図に示す矢印Rの方向に段重ねジャッキ39を縮め、床版3を作業台船9上に降ろす。さらに、床版3と作業台船9とを固縛した後、曳船(図示せず)にて作業台船9を曳航する。
このように、第2の実施の形態によれば、スパッド11を用いて作業台船9を水底の地盤7に固定するため、波や流れのある海象条件下での作業台船9の動揺を抑え、海上工事の稼働率を上げることができる。また、ワイヤ装置を用いて脚部5を切断するため、隣接する施設への影響が少なく、確実に脚部5を切断できる。
なお、第1および第2の実施の形態では、ワイヤソー装置を用いて脚部5を切断したが、隣接する施設への影響を考慮する必要がない方法として、ディスクカッター方式等の他の切断方法を用いてもよい。また、第1および第2の実施の形態では、昇降架台1を撤去する場合について説明したが、本発明の撤去方法は、昇降架台以外の脚付構造物にも適用できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明にかかる脚付構造物の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
撤去予定の昇降架台1、撤去に使用する作業台船9の概要図 作業台船9を昇降架台1の下方に進入させる工程を示す図 作業台船9を浮上させる工程を示す図 足場19周辺の拡大図 脚部5を切断する工程を示す図 脚部5を分離する工程を示す図 作業台船9を移動させる工程を示す図 段重ねジャッキ39を用いて昇降架台1を撤去する方法を示す図 床版3を降下させる工程を示す図
符号の説明
1………昇降架台
3………床版
5………脚部
9………作業台船
11………スパッド
13………支持架台
15………受け架台
17………ガイド
19、19a、19b………足場
31………切断用ワイヤ
33………ワイヤソーユニット
35………錘
37………隙間
39………段重ねジャッキ

Claims (6)

  1. 作業台船を撤去予定の脚付構造物の床版の下へ進入させて位置決めを行う工程(a)と、
    前記作業台船に設けられた昇降可能なスパッドを水底まで降下させる工程(b)と、
    前記スパッドに鉛直方向の荷重をかけて前記水底に固定する工程(c)と、
    前記作業台船を浮上させて、前記作業台船上に設置された支持架台に架設された受け架台と前記床版とを接触させる工程(d)と、
    切断装置を用いて前記脚付構造物の脚を切断する工程(e)と、
    前記スパッドを上昇させ、前記作業台船を移動させる工程(f)と、
    を具備することを特徴とする脚付構造物の撤去方法。
  2. 前記工程(e)と前記工程(f)との間に、前記作業台船を浮上させて、前記脚の切断位置の上部と下部との間に隙間を作る工程(g)をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の脚付構造物の撤去方法。
  3. 前記工程(a)で、前記受け架台に設けられたガイドに前記床版を接触させて前記作業台船の位置決めを行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の脚付構造物の撤去方法。
  4. 前記切断装置が、錘と連結されたワイヤソー装置であり、
    前記工程(e)で、前記脚の周囲にワイヤを配置し、前記錘の作用により前記ワイヤソー装置を移動させつつ前記脚を切断することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の脚付構造物の撤去方法。
  5. 前記工程(d)で、前記スパッドが前記水底から抜けないように調整を行いつつ、前記作業台船を浮上させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の脚付構造物の撤去方法。
  6. 前記作業台船上に支持架台に架設された受け架台を設置せず、
    前記工程(d)で、前記作業台船の浮上に替えて、前記作業台船に設けられたジャッキを伸長させることにより、前記ジャッキで前記床版の荷重を受けることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の脚付構造物の撤去方法。
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