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JP5061803B2 - 車両のステアリング装置及び同装置の組立て方法 - Google Patents
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JP5061803B2 - 車両のステアリング装置及び同装置の組立て方法 - Google Patents

車両のステアリング装置及び同装置の組立て方法 Download PDF

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Description

本発明は、左右操舵輪をラックバーの左右方向の変位に応じて操舵するように、左右のタイロッドの軸線方向内側端をラックバーの中央部に接続したセンターテイクオフ式の車両のステアリング装置及び同装置の組立て方法に関する。
従来から、例えば下記特許文献1に示されているように、センターテイクオフ式の車両のステアリング装置は知られている。この車両のステアリング装置は、軸線方向を左右方向にして延設され、操舵ハンドルの操舵操作に応じて左右方向に変位するラックバーと、左右操舵輪を軸線方向外側端にてそれぞれ接続し、左右操舵輪を揺動により左右にそれぞれ操舵する左右一対のタイロッドと、ラックバーの軸線方向の中央部に固定されるとともに、左右一対のタイロッドの軸線方向内側端をそれぞれ回転可能に接続する一対の連結部を有し、ラックバーと一体的に左右方向に変位して、左右操舵輪を左右に操舵するために左右一対のタイロッドを揺動させる連結器とを備えている。
特開平11−321694号公報
前記のように構成した車両のステアリング装置の組立てにおいては、ラックバーに連結器を組み付けた後に、連結器にタイロッドを組付けることになる。この場合、連結器をラックバーに組み付けた状態では、連結器はラックバーに近接した位置にある。一方、タイロッドは、車両左右方向の中央部から左右車輪の近傍まで延設された長尺状の部材である。したがって、タイロッドを連結器に組み付ける際、タイロッドが、ラックバーを収容するラックバーハウジング、及びラックバーハウジングを車体に取り付けるためにラックバーハウジングの外周面にタイロッド側に突出させて設けた車体取付け部(いわゆるギヤマウント)などの周辺部品に干渉し易く、タイロッドの組付け性が悪いという問題がある。特に、タイロッドの連結器への組付けの際には、タイロッドの外表面をラックバーハウジングに設けた車体取付け部に衝突させてしまいがちである。タイロッドの外表面を車体取付け部に衝突させると、タイロッドの外周面に施したメッキ、塗装などの防錆処理部分を傷つけてしまい、防錆処理部分の防錆効果が低下するという問題がある。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、タイロッドの連結器への組付け性を良好にするとともに、組付け作業時におけるタイロッドと車体取付け部の衝突を回避するようにした車両のステアリング装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、軸線方向を左右方向にして延設され、操舵ハンドルの操舵操作に応じて左右方向に変位するラックバーと、左右操舵輪を軸線方向外側端にてそれぞれ接続し、左右操舵輪を揺動により左右にそれぞれ操舵する左右一対のタイロッドと、ラックバーと左右一対のタイロッドとを接続して、ラックバーの左右方向の変位に応じて、左右操舵輪を左右に操舵するために左右一対のタイロッドを揺動させる連結器とを備えた車両のステアリング装置であって、連結器を、ラックバーの軸線方向中央位置に組み付けられて固定されたブラケットと、ブラケットにそれぞれ左右方向の外側から内側に向けてねじ結合されて固定された一対の支持部材、及び軸線方向内側端部が回転可能に支持されるように一対の支持部材にそれぞれ組み付けられた一対の連結ロッドからなり、ボールジョイント機構をそれぞれ構成する一対の連結アセンブリとで構成し、一対の連結ロッドの軸線方向外側端部に左右一対のタイロッドの軸線方向内側端部をそれぞれ結合し、さらにブラケットに固定されて連結器への熱を遮断するヒートインシュレータであって、連結部により一体的に連結された互いに上下に対向した上板部及び下板部を有するとともに、上板部の面積を下板部の面積よりも小さくしたヒートインシュレータを設けたことにある。
この場合、一対の連結ロッドは比較的短く構成されており、少なくとも一対のタイロッドよりも短い。また、左右一対のタイロッドは、例えば、一対の連結ロッドにそれぞれ左右方向の外側から内側に向けてねじ結合されている。タイロッドを連結ロッドにねじ結合する場合、連結ロッドの軸線方向外側端部に雄ねじを形成するとともに、タイロッドの軸線方向内側端部に雌ねじを形成しておき、タイロッドの雌ねじを連結ロッドの雄ねじにねじ結合するよい。また、逆に、連結ロッドの軸線方向外側端部に雌ねじを形成するとともに、タイロッドの軸線方向内側端部に雄ねじを形成しておき、タイロッドの雄ねじを連結ロッドの雌ねじをねじ結合してもよい。
前記のように構成した車両のステアリング装置の組立てにおいては、ラックバーに組み付けられた連結器のブラケットに、一対の連結アセンブリの各支持部材がそれぞれ組み付けられる。連結アセンブリは、一対の支持部材に一対の連結ロッドをそれらの軸線方向内側端部にて回転可能に組み付けた状態にあるので、一対の連結ロッドは、それらの軸線方向内側端部にてラックバー及び連結器に回転可能に支持されている。したがって、この状態では、連結ロッドの軸線方向外側端部をラックバーから離れた位置に位置させることができる。そして、この状態で、一対のタイロッドの軸線方向内側端部を一対の連結ロッドの軸線方向外側端部に組み付ければ、タイロッドが長尺状の部材であっても、タイロッドは、ラックバーを収容するラックバーハウジング、及びラックバーハウジングを車体に取り付けるためにラックバーハウジングの外周面にタイロッド側に突出させて設けた車体取付け部(いわゆるギヤマウント)などの周辺部品に干渉し難くなる。その結果、前記のように構成した車両のステアリング装置によれば、ステアリング装置を短時間かつ容易に組立てできるようになる。特に、タイロッドの連結器への組付けの際に、タイロッドの外表面をラックバーハウジングに設けた車体取付け部に衝突させることを回避でき、タイロッドの外周面に施したメッキ、塗装などの防錆処理部分を傷つけてしまうことを避けることもできる。
また、ヒートインシュレータが連結器への熱を遮断するので、前記ステアリング装置を車両に組み付けた状態では、ボールジョイント機構が、車両にて発生される熱から保護される。特に、上板部の面積が下板部の面積よりも小さいので、ヒートインシュレータ内の熱が上方に逃げ易くなり、ヒートインシュレータ内の温度上昇が良好に抑制される。
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る車両のステアリング装置の全体外観図である。図2は、図1の2点鎖線で囲んだ部分の拡大横断断面図である。なお、本願明細書においては、前後方向とは車両の前後方向を意味し、左右方向とは車両の左右方向を意味する。
この車両のステアリング装置は、操舵ハンドル11、ラックバー21、左右一対のタイロッド31,32、連結器40及びヒートインシュレータ61を備えている。操舵ハンドル11は、操舵輪としての左右前輪FW1,FW2を操舵するために、運転者によって操舵操作される。ラックバー21は、操舵ハンドル11の操舵操作に応じて車両の左右方向に変位する。タイロッド31,32は、ラックバー21の左右方向への変位に応じて揺動して左右前輪FW1,FW2を左右に操舵する。連結器40は、ラックバー21とタイロッド31,32とを連結して、ラックバー21の左右方向への変位に応じてタイロッド31,32を揺動させる。ヒートインシュレータ61は、連結器40を覆って熱源から連結器40への輻射熱を遮断する。
ラックバー21は、金属材料で長尺状に形成され、その一部にラック歯を有する。ラックバー21は、金属材料で円筒状に形成されたラックバーハウジング22内に、ラックバーハウジング22と軸線方向を同一にして、軸線方向に変位可能に組み込まれている。ラックバー21のラック歯には、ラックバーハウジング22に組み付けられたギヤボックス12内にて、ステアリングシャフト13の下端部に設けたピニオンギヤが噛み合っている。ステアリングシャフト13の上端には、操舵ハンドル11が組み付けられている。操舵ハンドル11が回動されると、ステアリングシャフト13が軸線回りに回転して、ラックバー21は左右方向に変位する。ラックバー21の中央前面側には、ラックバー21が中立位置にある状態で、車両の左右方向の中心位置を挟んで左右対称位置に、円形の凹部21a,21bがそれぞれ形成されている。また、ラックバー21の中央前面側には、凹部21a,21bの底面中心位置から後方に向かって内周面に雌ねじを形成した有底のねじ孔21c,21dが形成されている。
ラックバーハウジング22の両端部外周上には、車体組付け状態にて前側位置にくる円筒状の車体取付け部(ギヤマウント)22a,22bが一体的に設けられている。車体取付け部22a,22bには、マウントブッシュ23,24が圧入されている。そして、ラックバーハウジング22は、車両の左右方向に延設された状態で、マウントブッシュ23,24を貫通させた図示しないボルトにより、図示しない車体に固定されている。ラックバーハウジング22の中央部前側には、ラックバー21と連結器40の一体的な左右方向の変位を許容するために、横長の方形状の開口部22cが設けられている。この開口部22cの横方向の長さは、ラックバー21の左右方向への最大変位量よりも若干長く設定されている。
ラックバーハウジング22の左右両端部を除く部分は、ダストブーツ25によって覆われている。ダストブーツ25は、ゴム材料で一体的に成型され、その中央部25aを厚肉に形成し、中央部25aの両側にて薄肉の蛇腹部25b,25cを有する。中央部25aは、円筒状に形成され、その前側部分に垂直な平面を形成する凹部25a1を有する。この凹部25a1には、ラックバー21が中立状態にあるときにねじ孔21c,21dが対向する位置に、貫通孔25a2,25a3が設けられている。ダストブーツ25の両端部は、ラックバーハウジング22の外周上に固定されている。ダストブーツ25の中央部25aは、詳しくは後述するように、連結器40によりラックバー21に組み付けられている。したがって、ダストブーツ25の中央部25aは、ラックバー21の左右方向の変位に応じて、蛇腹部25b,25cの伸縮を伴いながら左右方向に変位する。
タイロッド31,32は、各外側端にて、連結部材33,34に組み付けられた図示しないナックルアームを介して、揺動により左右前輪FW1,FW2を操舵可能にそれぞれ連結している。タイロッド31,32の各内側端は、連結器40の左右方向の変位に応じて左右方向に変位するように連結器40に接続されている。
連結器40は、ブラケット41及び左右一対のボールジョイント機構50A,50Bからなる。ブラケット41は、図5A〜図5Eに示すように、本体部41a及び取付け部41b,41cからなり、金属材料を一体成型して平面視T字状に形成されている。図5Aは、ブラケット41の正面図、すなわち車両への組み付け状態にてブラケット41を前方から見た図である。図5Bはブラケット41の平面図であり、図5Cはブラケット41の側面図である。図5Dは図5Aの5D−5D線に沿って見たブラケット41の断面図であり、図5Eは図5Aの5E−5Eに沿って見たブラケット41の断面図である。
本体部41aは、前端から後端近傍位置まで横方向に同一の幅を有し、後端部にて後方に向けて横方向の幅が徐々に大きくなるような形状に形成されている。また、この本体部41aは、横方向から見て、前部にてU字状(すなわち円弧状)の上下対称の外形を有し、後部にて直線状の上下対称の外形を有する。そして、後部の上面及び下面は平面を形成しており、この後部の上面及び下面は、ヒートインシュレータ61をブラケット41に組み付けた際の座面41a1,41a2を構成する。本体部41aの後端部には、横方向から見て、座面41a1,41a2から上方及び下方にそれぞれ突出して、座面41a1,41a2の後端にて横方向に直線上に延びた段差を形成する突出部41a3,41a4が設けられている。これらの突出部41a3,41a4の前後方向の幅は、座面41a1,41a2の前後方向の長さに比べて小さい。本体部41aの前部には、横方向に貫通して内周面に雌ねじを形成したねじ孔41a5が設けられている。本体部41aの中間部には、座面41a1,41a2から内部に向けて内周面に雌ねじを形成した有底のねじ孔41a6,41a7が設けられている。
取付け部41b,41cは、本体部41aの後端部(突出部41a3,41a4の前後位置に対応)から左右方向へそれぞれ延設されている。取付け部41b,41cの前後方向の幅は、突出部41a3,41a4の前後方向の幅に等しい。取付け部41b,41cは、正面から見てU字状(すなわち円弧状)の左右対称の外形を有する。また、両取付け部41b,41cには、前後方向に貫通する円形の孔41b1,41c1が設けられている。
ブラケット41は、取付け部41b,41cにて、一対のボルト42,43を用いてラックバー21に固定されている。ボルト42,43は、取付け部41b,41cの孔41b1,41c1及びダストブーツ25の貫通孔25a2,25a3を貫通して、ラックバー21のねじ孔21c,21dにねじ結合されている。連結器41をラックバー21及びダストブーツ25の正確な位置に堅固に固定するために、ボルト42,43の外周上には金属製のカラー44,45及び樹脂製の支持部材46が組み付けられている。カラー44,45は、段付き円筒状に形成され、後端部をラックバー21の凹部21a,21bに嵌合させるとともに、前端部をダストブーツ25の貫通孔25a2,25a3に嵌合させて、ボルト42,43を貫通させている。支持部材46は、長円状に樹脂材料により一体成型されて一対の貫通孔を有し、貫通孔にボルト42,43及びカラー44,45を貫通させている。また、支持部材46は、カラー44,45の段差部とダストブーツ25の凹部25a1との間に介装されて、凹部25a1を連結器40との間に挟み込むようにしている。
ボールジョイント機構50A,50Bは、金属製の支持部材51,52及び金属製の連結ロッド53,54を有する。支持部材51,52は、それらの内側部に設けた雄ねじ部51a,52aをブラケット41のねじ孔41a5に外側からそれぞれねじ結合させて、ブラケット41に固定されている。支持部材51,52は、球座部51b,52bにて、樹脂製のシート55,56を介して、連結ロッド53,54の内側端に設けた球状のボール部53a,54aを回転可能に支持している。球座部51b,52bは、ゴム製のダストブーツ57,58により覆われている。連結ロッド53,54の外側部分にそれぞれ設けた雄ねじ部53b,54bは、タイロッド31,32の内周面に設けた雌ねじ部31a,32aにねじ結合されている。そして、ロックナット59,60により、タイロッド31,32は連結ロッド53,54に堅固に固定されている。図3は、支持部材51,52、連結ロッド53,54及びタイロッド31,32の連結状態を部分破断図により示している。なお、支持部材51,52及び連結ロッド53,54からなるボールジョイント機構50A,50Bが、本発明の連結アセンブリを構成する。
ヒートインシュレータ61は、連結器40を前側から覆って、連結器40の前下方に位置するエンジン及びその付属部品から連結器40への輻射熱を遮断することにより、連結器40を保護する。特に、ヒートインシュレータ61は、連結器40内のシート55,56、球座部51b,52b内に封入されたグリースなどへの前記輻射熱を遮断して、ボールジョイント機構50A,50Bを保護する。このヒートインシュレータ61は、図6A〜図6Eに示されている。図6Aは、ヒートインシュレータ61の正面図、すなわち車両への組み付け状態にてヒートインシュレータ61を前方から見た図である。図6Bはヒートインシュレータ61の平面図であり、図6Cはヒートインシュレータ61の側面図である。図6Dは、図6Cの矢印6Dによって示された部分のヒートインシュレータ61の部分拡大図である。図6Eは、図6Cの矢印6Eによって示された部分のヒートインシュレータ61の部分拡大図である。
ヒートインシュレータ61は、金属プレート(例えば、鉄製の金属プレート)を曲げ加工して形成したもので、連結器40への組み付け状態にて前側に位置する連結部61aにて一体的に連結された上板部61b及び下板部61cを有する。上板部61b及び下板部61cは互いに上下に対向し、連結部61aと共に、縦断面U字状の後方に開放された空間SPを形成する。なお、この空間SPは、左右側方においても開放されている。下板部61cは、方形状に形成され、左右前端部において左右対称に小さく円弧状に切り欠かれている。上板部61bも、下板部61cと同じ方形状に形成され、中央部から左右対称に斜め前方に比較的大きく切り欠かれている。そして、上板部61bの面積は下板部61cの面積よりも小さく設定されている。言い換えれば、上板部61bが空間SPを覆う面積は、上板部61bの前記斜め前方に切り欠いた面積分だけ、下板部61cが空間SPを覆う面積よりも小さい。これにより、ヒートインシュレータ61内の熱が上方に逃げ易くなり、ヒートインシュレータ61内の温度上昇が良好に抑制される。また、連結部61a、上板部61b及び下板部61cは、左右方向の中央部分を外側部分よりも窪ませて形成されている。
上板部61b及び下板部61cの中央位置には、前端近傍位置から後方に向けて所定幅の平面部61b1,61c1が形成されている。平面部61b1,61c1の後端部分は、それらよりも外側の上板部61b及び下板部61cの後端面よりも方形状に突出して、突出部61b2,61c2を構成する。突出部61b2,61c2の前方の左右方向中心位置には、ブラケット41に設けたねじ孔41a6,41a7と同径の円形の貫通孔61b3,61c3が形成されている。これらの貫通孔61b3,61c3の入口の最も後方の位置から突出部61b2,61c2の前端までの長さは、ブラケット41のねじ孔41a6、41a7の入口の最も後方の位置から座面41a1,41a2に設けた突出部41a3、41a4の段差までの長さに等しい。これは、ヒートインシュレータ61をブラケット41に組み付けた際に、ヒートインシュレータ61の突出部61b2,61c2の前端面を、ブラケット41の突出部41a3、41a4による段差面に当接させることにより、ヒートインシュレータ61を位置決めするためである。ヒートインシュレータ61に関しては、プレス打ち抜きにより、突出部61b2,61c2の端面を高精度に加工しておくとよい。また、ブラケット41の突出部41a3,41a4に関しては、切削などの機械加工により、高精度に突出部41a3,41a4の段差面を成型しておくとよい。
このように構成したヒートインシュレータ61は、図4A及び図4Bに示すように、ブラケット41の本体部41aに固定される。図4Aは、図1及び図2からブラケット41及びヒートインシュレータ61のみを取り出して、ヒートインシュレータ61のブラケット41への組付け状態を示す平面図である。図4Bは、図4Aの4B−4B線に沿って見た断面図である。
ヒートインシュレータ61は、上板部61bの平面部61b1の下面をブラケット41の座面41a1上に密着させるとともに、下板部61cの平面部61c1の下面をブラケット41の座面41a2上に密着させる。そして、ヒートインシュレータ61の上板部61bの突出部61b2の後端面をブラケット41の突出部41a3の段差面に当接させるとともに、ヒートインシュレータ61の下板部61cの突出部61c2の後端面をブラケット41の突出部41a4の段差面に当接させる。そして、ボルト62,63を、ヒートインシュレータ61の貫通孔61b3,61c3を介してブラケット41のねじ孔41a6,41a7に侵入させてねじ結合させる。これにより、ヒートインシュレータ61は、ブラケット41に固定される。
上記のように構成したステアリング装置の組立てについて説明しておく。ラックバー21をラックバーハウジング22内に収容するとともに、ラックバーハウジング22にマウントブッシュ23,24及びダストブーツ25を組付ける。この場合、カラー44,45及び支持部材46もラックバー21に組みつ付けておく。この状態で、連結器40のブラケット41が、ボルト42,43を用いて、ラックバー21に固定される(ブラケット組付け工程)。一方、支持部材51,52の球座部51b、52bに連結ロッド53,54のボール部53a,54aを回転可能に支持させた状態で、連結ロッド53,54を支持部材51,52に組み付けて、ボールジョイント機構(連結アセンブリ)50A,50Bを組み立てておく(連結アセブリ組立て工程)。この場合、ボールジョイント機構50A,50Bを組み立てる前には円筒状に形成されている球座部51b、52b内に円筒状のシート55,56を組み入れ、シート55,56内にボール部53a,54aを侵入させて、球座部51b、52bをかしめた後、ダストブーツ57,58を組み付けることにより、ボールジョイント機構50A,50Bを組み立てる。
次に、ラックバー21に組み付けられたブラケット41に、ボールジョイント機構50A,50Bの支持部材51,51をそれぞれ組み付ける(連結アセンブリ組付け工程)。この連結アセンブリ組付け行程においては、支持部材51の雄ねじ部51a、51bを、ブラケット41のねじ孔41a5に左右方向の外側から内側に向けてねじ込んで、ブラケット41にボールジョイント機構50A,50Bを固定する。そして、ボールジョイント機構50A,50Bの連結ロッド53,54の軸線方向外側端部に、タイロッド31,32の軸線方向内側端部をそれぞれ組み付ける(タイロッド組付け工程)。このタイロッド組付け行程においては、連結ロッド53,54のボール部53a,54aを回転させて、連結ロッド53,54を前方(ラックバー21と反対方向)に若干傾ける。次に、連結ロッド53,54の雄ねじ部53b,54bに、ロックナット59,60を組み付けるとともに、タイロッド31,32の雌ねじ部31a、32aをねじ入れ、最後にロックナット59,60の締め付けにより、タイロッド31,32を連結ロッド53,54に堅固に固定する。そして、ヒートインシュレータ61を、前述したようにして、ブラケット41に固定する。また、タイロッド31,32の外側端部に、連結部材33,34を組み付けておく。なお、ヒートインシュレータ61及び連結部材33,34の組付けにおいては、タイロッド31,32を連結ロッド53,54に組み付ける前でもよい。
このような行程により、ステアリングアセンブリが組み立てられる。ステアリングアセンブリの車体への組み付けにおいては、車体取付け部22a、22bに組み付けたマウントブッシュ23,24にボルトを貫通させて車体に固定する。その後、ステアリングシャフト13及び操舵ハンドル11をステアリングアセンブリに組み付けて、操舵ハンドル11をラックバー21に連結する。また、タイロッド31,32の外側端部に組み付けた連結部材33,34には、ナックルアーム及び左右前輪FW1,FW2がそれぞれ組み付けられる。
このような組立て方法においては、ラックバーに組み付けられた連結器40のブラケット41に、ボールジョイント機構(連結アセンブリ)50A,50Bの支持部材51,52が組み付けられる。ボールジョイント機構(連結アセンブリ)50A,50Bは、支持部材51,52に連結ロッド53,54をそれらの軸線方向内側端部にて回転可能に組み付けた状態にあるので、連結ロッド53,54は、それらの軸線方向内側端部にてラックバー21及び連結器40に回転可能に支持されている。したがって、この状態では、連結ロッド53,54の軸線方向外側端部をラックバー21及びラックバーハウジング22から離れた位置に位置させることができる。そして、この状態で、タイロッド31,32の軸線方向内側端部が連結ロッド53,54の軸線方向外側端部に組み付けられるので、タイロッド31,32が長尺状の部材であっても、タイロッド31,32は、ラックバーハウジング22及びその周辺部品、特に車体取付け部22a,22bに干渉し難くなる。その結果、前記組み立て方法によれば、ステアリング装置を短時間かつ容易に組立てできるようになる。特に、タイロッド31,32の連結器40(ボールジョイント機構50A,50B)への組付けの際に、タイロッド31,32の外表面をラックバーハウジング22の車体取付け部22a、22bに衝突させることを回避でき、タイロッド31,32の外周面に施したメッキ、塗装などの防錆処理部分を傷つけてしまうことを避けることもできる。
上記のように構成した実施形態の動作について説明する。運転者が操舵ハンドル11を左右に回動操作すると、操舵ハンドル11の回動はステアリングシャフト13を介してラックバー21に伝達されて、ラックバー21は左右方向に変位する。このラックバー21の左右方向の変位により、ブラケット41及び支持部材51,52もラックバー21と一体的に左右に変位する。支持部材51,52の左右方向の変位により、連結ロッド53,54のボール部53a,54aの回転を伴いながら、タイロッド31,32は連結ロッド53,54と一体的に揺動し、左右前輪FW1,FW2は操舵される。したがって、左右前輪FW1,FW2は、操舵ハンドル11の回動操作により操舵される。
また、ヒートインシュレータ61は、エンジン及びその付属部品から連結器40、特にボールジョイント機構50A,50Bのシート55,56、球座部51b、52b、ボール部53a,54aへの輻射熱を遮断する。したがって、シート55,56、球座部51b、52b内のグリースなどが高い温度まで上昇しなくなるので、シート55,56、グリースなどが熱によって変形及び変質し難くなり、ボールジョイント機構50A、50Bの良好な作動が維持される。
さらに、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
上記実施形態においては、図3に示すように、ボールジョイント機構(連結アセンブリ)50A,50Bの連結ロッド53,54の軸部に雄ねじ部53b、54bを形成するとともに、タイロッド31,32の軸線方向内側端部に雌ねじ部31a,32aを形成しておき、タイロッド31,32の雌ねじ部31a,32aを連結ロッド53,54の雄ねじ部53b、54bにねじ結合させるようにした。しかし、これに代えて、図7に示すように、連結ロッド53,54の軸部を円筒状に形成して、その内周面に雌ねじ部53c、54cを形成するとともに、タイロッド31,32の軸線方向内側端部に雄ねじ部31b,32bを形成しておき、タイロッド31,32の雄ねじ部31b,32bを連結ロッド53,54の雌ねじ部53c、54cにねじ結合させるようにしてもよい。この場合には、タイロッド31,32の雄ねじ部31b、32bを、左右方向外側から内側に向けて、連結ロッド53,54の雌ねじ部53c,54c及びロックナット59,60にねじ結合し、最終的にロックナット59,60により、タイロッド31,32の内側端部を連結ロッド53,54の外側端部に堅固に固定する。
この変形例によっても、タイロッド31,32を連結ロッド53,54に連結する行程において、連結ロッド53,54の軸線方向外側端部をラックバー21及びラックバーハウジング22から離れた位置に位置させることができる。したがって、上記実施形態で説明したように、ステアリング装置を短時間かつ容易に組立てできるようになるとともに、タイロッド31,32の外表面をラックバーハウジング22の車体取付け部22a、22bに衝突させることを回避できる。
本発明の一実施形態に係る車両のステアリング装置の全体外観図である。 図1の2点鎖線で囲んだ部分の拡大横断断面図である。 タイロッドの連結ロッドへの組み付け状態を示す部分破断図である。 ヒートインシュレータのブラケットへの組付け状態を示す平面図である。 図4Aの4B−4B線に沿って見た断面図である。 ブラケットの正面図、すなわち車両への組み付け状態にてブラケットを前方から見た図である。 ブラケットの平面図である。 ブラケットの側面図である。 図5Aの5D−5D線に沿って見たブラケットの断面図である。 図5Aの5E−5E線に沿って見たブラケットの断面図である。 ヒートインシュレータの正面図、すなわち車両への組み付け状態にてヒートインシュレータを前方から見た図である。 ヒートインシュレータの平面図である。 ヒートインシュレータの側面図である。 図6Cの矢印6Dによって示された部分のヒートインシュレータの部分拡大図である。 図6Cの矢印6Eによって示された部分のヒートインシュレータの部分拡大図である。 変形例に係り、タイロッドの連結ロッドへの組み付け状態を示す部分破断図である。
符号の説明
11…操舵ハンドル、13…ステアリングシャフト、21…ラックバー、22…ラックバーハウジング、25…ダストブーツ、31,32…タイロッド、40…連結器、41…ブラケット、50A,50B…ボールジョイント機構、51,52…支持部材、53,54…連結ロッド、55,56…シート、61…ヒートインシュレータ

Claims (2)

  1. 軸線方向を左右方向にして延設され、操舵ハンドルの操舵操作に応じて左右方向に変位するラックバーと、
    左右操舵輪を軸線方向外側端にてそれぞれ接続し、前記左右操舵輪を揺動により左右にそれぞれ操舵する左右一対のタイロッドと、
    前記ラックバーと前記左右一対のタイロッドとを接続して、前記ラックバーの左右方向の変位に応じて、前記左右操舵輪を左右に操舵するために前記左右一対のタイロッドを揺動させる連結器とを備えた車両のステアリング装置であって、
    前記連結器を、
    前記ラックバーの軸線方向中央位置に組み付けられて固定されたブラケットと、
    前記ブラケットにそれぞれ左右方向の外側から内側に向けてねじ結合されて固定された一対の支持部材、及び軸線方向内側端部が回転可能に支持されるように前記一対の支持部材にそれぞれ組み付けられた一対の連結ロッドからなり、ボールジョイント機構をそれぞれ構成する一対の連結アセンブリとで構成し
    前記一対の連結ロッドの軸線方向外側端部に前記左右一対のタイロッドの軸線方向内側端部をそれぞれ結合し、さらに
    前記ブラケットに固定されて前記連結器への熱を遮断するヒートインシュレータであって、連結部により一体的に連結された互いに上下に対向した上板部及び下板部を有するとともに、前記上板部の面積を前記下板部の面積よりも小さくしたヒートインシュレータを設けたことを特徴とする車両のステアリング装置。
  2. 前記左右一対のタイロッドは、前記一対の連結ロッドにそれぞれ左右方向の外側から内側に向けてねじ結合された請求項1に記載した車両のステアリング装置。
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