JP5072762B2 - スタビライザブッシュ - Google Patents
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Description
例えばコーナを曲がるときサスペンションは遠心力によって外輪側が縮み、内輪側が伸びようとし、結果として車体が遠心力で外側に傾こうとする。
スタビライザバーはこのように左右の車輪が上下逆相で動くとき(ローリングするとき)捩れを発生させて、その捩れ剛性による抵抗によって左右の車輪の上下逆相の動きを抑制し、また捩れにより蓄えられた弾性復元力で上下逆相に動いた左右の車輪を速やかに元に戻すように働く。
このスタビライザバーを車体に取り付けるに当っては、振動絶縁部材としてのスタビライザブッシュを車体とスタビライザバーとの間に介在させ、スタビライザバーを車体に弾性支持させるようにする。
スタビライザブッシュは、軸方向に貫通の挿通孔を径方向の中心部に有するゴム弾性体にて構成されており、その挿通孔にスタビライザバーを挿通させた状態で剛性のブラケットにより車体に固定される。
図8に示しているようにスタビライザブッシュ200には、軸方向の両端部に径方向外方に突出したゴムフランジ部204が周方向に沿って形成されている。
ブラケット208は、スタビライザブッシュ200に外嵌される外嵌部210と、その周方向の両端から水平に突出した固定部212とを有しており、外嵌部210をスタビライザブッシュ200に外嵌させた状態で、固定部212が車体に固定され、スタビライザブッシュ200を車体に取り付ける。
このとき挿通孔202が開く、いわゆる口開きの現象が生じて、図9の部分拡大図に示しているようにそこに隙間Sが生じ、その隙間Sを通じてスタビライザブッシュ200の内部、詳しくは挿通孔202の内部に泥水や小石(例えば大きさ数mm程度)が入り込み、その状態でスタビライザバー214とスタビライザブッシュ200とが相対運動することで、スタビライザブッシュ200が侵入した小石等によって擦られて損傷を生じる恐れがある問題があった。
この特許文献1に開示のものは、スタビライザブッシュを、筒状のゴム弾性体にて構成されたブッシュ本体と、ブッシュ本体の軸方向の端面且つ挿通孔の周囲から軸方向の外方に突出し、スタビライザバーの外周面に弾性嵌合してシール作用を行うシールリップとで構成し、そしてそのシールリップを、スタビライザバーの挿通前の状態で軸方向の先端側に向って径方向内方に小径化する先細り形状で形成したものである。
このものは、スタビライザブッシュの車両の左右方向のばね剛性を高くすることを目的としたもので、本発明とは課題を異にしており、そのためこの特許文献2に開示のものでは、本発明のスタビライザブッシュのようにシールリップを備えておらず、また補強部材の埋設位置がブッシュ本体の径方向の中間位置ないし外側位置であり、本発明とは別異のものである。
この自己潤滑性を有するゴム弾性体(自己潤滑ゴム)は、内部に含有されたシリコンオイル等の潤滑剤をスタビライザバーの外周面に接する挿通孔内周面を含む表面に滲出させることによって、スタビライザバーとゴム弾性体との間に潤滑剤を介在させ、そのことによってスタビライザバーとゴム弾性体との間の摺動抵抗を低くして、スタビライザバーの回転運動を円滑化する働きをなす。
また中間板表面に滲出し、中間板とゴム弾性体との間に介在した潤滑剤は中間板とゴム弾性体との間の接着を阻害する問題を生ずる。
そしてそのことによって中間板による上記の拘束作用、更に中間板によるゴム弾性体の上記のこじり方向,軸直角方向のばね剛性の増大効果を良好に発揮させることができる。
即ち、スタビライザバーの外周面と接するゴム内層の挿通孔内周面に滲出した潤滑剤は、スタビライザバーによる擦れによって少しずつ失われて行く。
しかるにこの請求項2では、中間板に複数の貫通孔が設けてあるため、ゴム外層に含有されている潤滑剤もまた、この貫通孔を通じてゴム内層に、更にスタビライザバーの外周面に接する挿通孔内周面に連続的に供給される。
これによりスタビライザバーの外周面とゴム内層の内周面即ち挿通孔内周面との間に、常に潤滑剤の膜を形成保持しておくことができ、スタビライザバーによる擦れによって、ゴム弾性体とスタビライザバーとの間の潤滑剤が消失するのを良好に防ぐことができる。
また中間板に設けた貫通孔は、上記の働きを行わせることを主目的としたものであることから、この請求項2では単一の大きな貫通孔を設けるのでなく、小孔からなる多数の開口を分散して設けておくことが望ましい。
またゴム外層に含まれている潤滑剤が、軸方向においてゴム外層からゴム内層へと径方向内方に均等に供給され難くなる。
これに対して大きさの小さい貫通孔を多数分散状に設けておくことで、ゴム弾性体におけるこじり方向,軸直角方向のばね剛性の低下を効果的に防ぐことができるとともに、ゴム外層からゴム内層に向けて軸方向の広い範囲に亘って均等に潤滑剤をそれら貫通孔を通じて供給することが可能となる。
ここで最大径部の寸法が1mmより小さいと成形時に小孔へゴムがまわらず、アンカー効果や径方向内方への潤滑剤の供給に支障があり、最大径部の寸法が5mmを超えるとばね剛性に影響を及ぼすことになる。
また間隔が0.5mmよりも狭いと中間板の強度上問題があり、3mmよりも大きいと径方向内方へ潤滑剤が均等に供給され難くなる。
図1において、10はスタビライザブッシュで、径方向の中心部に軸方向に貫通の断面円形の挿通孔12を有していて、そこに金属製のスタビライザバー14を挿通させ、その状態で金属製の剛性のブラケット16により車体18に固定されて、スタビライザバー14を車体18にて弾性支持させている。
具体的には、ブッシュ本体19及びシールリップ20を構成するゴム弾性体には潤滑剤が含有されており、使用中にその含有された潤滑剤が挿通孔12内周面を含む表面に滲出する。そして挿通孔12内周面に滲出した潤滑剤によって、挿通孔12内周面とスタビライザバー14の外周面との間の摩擦抵抗が低くなり、スタビライザブッシュ10に対するスタビライザバー14の摺動抵抗が低下せしめられる。
ブッシュ本体19に一体に成形されたシールリップ20は、図1に示しているようにスタビライザバー14の外周面に弾性嵌合してシール作用をなす部分で、挿通孔12の周囲から軸方向外方に突出する断面円形の筒状をなしている。
ここで本実施形態ではかかるシールリップ20がブッシュ本体19の軸方向の一端側と他端側との両方に設けられている。
また軸方向中間部に変曲部26を有しており、この変曲部26より付根側の第1部分28,先端側の第2部分30の何れもがテーパ形状をなしている。
第2部分30は実質的にシール作用を行う部分で、第1部分28はこの第2部分30を弾性的に支持する支持部としての働きを有している。
また第2部分30の先端且つ内周側には、スタビライザバー14に向かって突出する突起32が形成されている。
このシールリップ20は、挿通孔12にスタビライザバー14を挿通したとき、図1に示しているようにその全体が径方向外方に弾性的に拡径変形する。
詳しくはスタビライザバー14を挿通すると、その外周面によって第2部分30の先端部が弾性的に拡径変形させられ、これに伴って第1部分28を含むシールリップ20全体が拡径変形し、その変形によって蓄えられた弾性力に基づいて、第2部分30の先端部がスタビライザバー14の外周面に弾性接触せしめられ、シール作用を行う。
この切割34は、ブッシュ本体19及びシールリップ20の外周面から内周面即ち挿通孔12に到っている。
スタビライザブッシュ10は、この切割34を開くようにして図1のスタビライザバー14に軸直角方向に嵌め合わされる。
上記ブッシュ本体19には下向きの挿込突起40が設けられ、この挿込突起40が、挿込孔36において台座部材22に対し下向きに挿し込まれている。そしてその挿込突起40の先端部に形成された頭部42が凹部38内に収納されている。
ここで挿込孔36,凹部38,挿込突起40,頭部42は何れも平面形状が円形を成している。
このブラケット16はスタビライザブッシュ10、詳しくはブッシュ本体19の外周面に径方向外方から嵌められて嵌合する外嵌部44と、その周方向の両端から折れ曲った固定部46とを有しており、外嵌部44をスタビライザブッシュ10におけるブッシュ本体19の外周面、詳しくは一対のゴムフランジ部24の間の部分の外周面に弾性嵌合させる状態で、固定部46が車体18に固定されるようになっている。
中間板48はゴム弾性体よりも高剛性を有するもので、全体として円形の筒形状をなしており、軸方向の両端部に径方向外方に突出したフランジ部50を有しており、それらフランジ部50をブッシュ本体19のゴムフランジ部24内に位置させる状態で、ブッシュ本体19内部に埋設されている。
尚この中間板48は、図2に示すブッシュ本体19の切割34に対応する位置で周方向に分断されている。
即ち、ブッシュ本体19の中間板48より内周側、つまりスタビライザバー14側に位置するゴム内層52の径方向の肉厚が、外周側に位置するゴム外層54の径方向の肉厚よりも薄くなる状態に、また中間板48の内周位置が、シールリップ20におけるブッシュ本体19側の付根の外周位置よりも径方向の内方に位置するように、中間板48の形状,埋設位置が定められている。
尚、中間板48の肉厚はここでは1.2mmであり、またシールリップ20のブッシュ本体19側の付根の肉厚は3mmで、ゴム内層52はそのシールリップ20よりも肉厚が薄いものとなっている。
つまりいわゆる口開きの現象を生ぜしめることなく、シールリップ20が全周に亘ってスタビライザバー14の外周面に密着状態に接触し、スタビライザバー14と挿通孔12との間を良好にシールした状態に保持する。
この例では、ゴム弾性体として潤滑剤をゴムポリマーベースで10質量%以上の多量に、具体的にはここでは30質量%含有させた自己潤滑ゴムが用いられている。
具体的な配合内容は以下に示す通りである(以下の配合内容中の各配合剤はゴムポリマーを基準として、それに対する添加割合を示している)。
尚この配合内容は、特開2006−206788に配合の一例として開示されているものである。
NR:20質量部
BR:80質量部
α−オレフィンワックスA:30質量部
カーボンブラック:80質量部
加硫剤(硫黄):4質量部
加硫促進剤:1質量部
酸化亜鉛:5質量部
ナフテン系オイル:3質量部
ステアリン酸:1質量部
老化防止剤:2質量部
尚α−オレフィンワックスAは直鎖状炭化水素の片末端に2重結合を有するα−オレフィンワックスで日本精蝋社製、炭素数の分布頂点が20、融点38℃のものである。
可撓部62は、単一の大きな開口からなる窓部64を有していて、この窓部64の形成により可撓部62が他部に対して低剛性化され、そこに可撓性が付与されている。
中間板48は、この切欠部60を図2の切割34に位置させる状態でゴム弾性体内部に埋設されている。
尚、中間板48が切欠部60を有し、その切欠部60を切割34に一致させる状態でゴム弾性体内部に埋設されている点は、図1〜図4に示す第1の実施形態においても同様である。
この実施形態において、中間板48は切欠部60と可撓部62とによって、図中上側の第1の半筒状部68-1と、図中下側の第2の半筒状部68-2とに分けられている。
また貫通孔72は、ここでは半筒状部68-1,68-2のそれぞれの筒壁部70ごとに個数35の多数個形成されている。
これら貫通孔72は、半筒状部68-1,68-2とで図中上下対称形状且つ対称位置に配置されており、中間板48全体で貫通孔72の個数は70である。
またこの貫通孔72は、半筒状部68-1,68-2のそれぞれの筒壁部70の5割を占める大部分に亘って均等に分散形成してある(貫通孔72は少なくとも各筒壁部70の4割以上の大部分に亘って均等に分散形成しておくことが望ましい)。
尚ここでは貫通孔72を円孔としているが、貫通孔72をこれ以外の形状、例えば4角形状その他の形状としておくことも可能である。
尚この実施形態では、各半筒状部68-1と68-2とのそれぞれについて、貫通孔72を30個以上の多数個、中間板48全体として60個以上の多数個形成しておくことが望ましい。
そしてそのことによって中間板48による上記の拘束作用、更に中間板48によるゴム弾性体の上記のこじり方向,軸直角方向のばね剛性の増大効果を良好に発揮させることができる。
即ち、スタビライザバー14の外周面と接するゴム内層52の挿通孔12内周面に滲出した潤滑剤は、スタビライザバー14による擦れによって少しずつ失われて行く。
しかるにこの実施形態では、中間板48に複数の貫通孔72が設けてあるため、ゴム外層54に含有されている潤滑剤もまた、この貫通孔72を通じてゴム内層52に、更にスタビライザバー14の外周面に接する挿通孔12内周面に連続的に供給される。
これによりスタビライザバー14の外周面とゴム内層52の内周面、即ち挿通孔12内周面との間に、常に潤滑剤の膜を形成保持しておくことができ、スタビライザバー14による擦れによってブッシュ本体19とスタビライザバー14との間の潤滑剤が消失するのを良好に防ぐことができる。
単一の大きな貫通孔を設けた場合、その貫通孔を設けた部分においてゴム弾性体のこじり方向,軸直角方向のばね剛性が低下してしまう。
またゴム外層54に含まれている潤滑剤が、軸方向においてゴム外層54からゴム内層52へと径方向内方に均等に供給され難くなる。
例えば上記実施形態ではシールリップ20がブッシュ本体19の軸方向の一端側と他端側との両方とに設けられているが、場合によってこのシールリップ20を軸方向の一端側にだけ設けておくことも可能である(特に他端側にスタビライザバー14とスタビライザブッシュ10との軸方向の相対移動を阻止する横ずれストッパがスタビライザバー14に取り付けられている場合)。
その他本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
12 挿通孔
14 スタビライザバー
16 ブラケット
18 車体
19 ブッシュ本体
20 シールリップ
48 中間板
50 フランジ部
52 ゴム内層
54 ゴム外層
60 切欠部
62 可撓部
64 窓部
72,74 貫通孔
Claims (3)
- (イ)筒状のゴム弾性体にて構成され、径方向の中心部にスタビライザバーを挿通させる軸方向に貫通の挿通孔を有するとともに、軸方向の両端部にゴムフランジ部を有するブッシュ本体と、(ロ)該ブッシュ本体の軸方向の端面且つ前記挿通孔の周囲から軸方向の外方に突出し、前記スタビライザバーの外周面に弾性嵌合してシール作用を行う、該スタビライザバーの挿通前の状態で軸方向の先端側に向って径方向内方に小径化する先細り形状のゴム弾性体から成るシールリップと、を備えて成り、前記スタビライザバーを前記挿通孔に挿通させる状態にブラケットにて車体に固定され、該スタビライザバーを該車体に弾性支持させるスタビライザブッシュにおいて
軸方向の両端部に径方向外方に突出したフランジ部を有する筒状且つ前記ゴム弾性体よりも高剛性の中間板を前記ブッシュ本体内に埋設し、
該中間板は該ブッシュ本体の該中間板より内周側に位置するゴム内層の径方向の肉厚が、該中間板より外周側に位置するゴム外層の肉厚よりも薄く、且つ該中間板の内周位置が前記シールリップの前記ブッシュ本体側の付根の外周位置よりも径方向の内方に位置する状態に、該ブッシュ本体に埋設してあることを特徴とするスタビライザブッシュ。 - 請求項1において、前記筒状を成す中間板には周方向の所定部位に軸方向全長に亘って切欠部が設けられているとともに、該切欠部に対して軸直角方向に対向する部位が、軸方向の両端間に形成された開口形状の窓部を備えた可撓部とされていて、該中間板のそれら可撓部と切欠部との間の部分が第1及び第2半筒状部を成しており、
前記ゴム弾性体は内部に潤滑剤を含有した自己潤滑性を有するものとされていて、前記中間板は該ゴム弾性体に対して非接着とされており、
且つ前記中間板における前記第1半筒状部と第2半筒状部との各筒壁部には、前記ゴム外層と前記ゴム内層とを連絡する複数の貫通孔が設けられていて、該貫通孔が前記ゴム弾性体にて埋められていることを特徴とするスタビライザブッシュ。 - 請求項2において、前記中間板の前記フランジ部には、前記ゴムフランジ部を軸方向の内外に連絡する複数の貫通孔が設けられていて、該貫通孔が前記ゴム弾性体にて埋められていることを特徴とするスタビライザブッシュ。
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