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JP5079586B2 - 独立した流路を有する金属多孔体 - Google Patents
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JP5079586B2 - 独立した流路を有する金属多孔体 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートシンク、熱交換器、フィルター、触媒担体などに使用される金属多孔体であって、特に、平板状の金属板または箔が積層されることにより形成された金属多孔体に関する。
熱交換器、触媒担体、フィルター等には、反応界面を増加させるために表面積を大きくした多孔体が使用されている。金属、セラミックス等の構造体には、表面積を大きくするために、例えば、内部に空隙が設けられている。熱交換器の場合、この空隙に、冷媒等に使用される気体や液体を通過させて、熱交換効率を向上させている。
近年、電子デバイスの高速化、小型化に伴って、熱交換器には、高性能化、小型化が要求されており、例えば、連続した冷媒用微細流路を備えた金属製多孔体のヒートシンクが求められている。
従来の連続した流路を備えた多孔体として、粉末状素材を高温で成形・焼結させたものがある。しかし、この従来例では、空隙の大きさ、形状、方向等の制御が困難であるため、空隙の態様が不規則になりやすく、界面反応や熱交換に寄与しない空隙が生じることがあり、また独立した流路を作るのは困難である。さらに、使用する粉末は微細なことから、閉構造の細い流路が多くなり、このため圧力損失が大きいので、流体を高圧で送り出さなければならない。さらには、目詰りをおこした場合にその賦活処理が困難であり、また、高粘度の流体には不向きであるという問題もある。
前記従来例の問題を解決する多孔体として、プレス成形によって波形又は凹凸を付けた複数の金属板と、該金属板の山部又は谷部同士を一致させて相互に重ね合わせることにより隣接した金属板の間に設けられた隙間とを備え、該金属板に貫通孔を設けた金属製の多孔体が開示されている(特許文献1)。
しかし、この従来例でも、上下方向の流体通路となる貫通孔を設けて流路を均一化させてはいるが、隣接した金属板の間に隙間が設けられているので、上下方向の流路は独立した構成ではなく、流体が混ざり合うという問題がある。また、金属板の間に隙間が開いているので、金属板間の伝熱が悪くヒートシンクには不向きである。さらに、プレス加工が必要なので加工コストが高く、金属板に波形等がつけられているので、流路形状の設定自由度が小さい。
また、他の従来例として、前記粉末状素材に代えて、繊維同士を接着や焼結により結合させた多孔体や発泡金属などがある。しかし、これら従来例の何れも、空隙の大きさ、形状、方向等の制御が困難であるため、空隙の態様が不規則になりやすく、界面反応や熱交換に寄与しない空隙が生じ、また独立した流路を作るのは困難である。
特開平8−29088号公報
本発明は上記事情に鑑み、冷媒等の流体が混ざり合うのを防止できる流路を備え、流路の設計自由度が高く、安価かつ簡易に製造できる多孔体を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、縦方向に貫通した孔部を複数有する平板状の金属板または箔が、高さ方向に積層されて形成された金属多孔体であって、前記平板状の金属板または箔が、横方向の隙間を有さずに積み重ねられ、前記金属多孔体を構成するおのおのの前記金属板または箔は、形状、大きさが同一であって同じ数量で同じ配置である前記孔部を有し、前記孔部が縦方向にて相互に連通して形成される流路は、前記金属板または箔の厚さ間隔の段差部を有していることを特徴とする金属多孔体である。つまり、平板状の金属板または箔が積み重ねられて形成された金属多孔体には、その上下方向に貫通した流路が備えられるが、横方向には流路が設けられていないこととなる。なお、「横方向の隙間を有さず」とは、積み重ねられた平板状の金属板または箔の間に、流体の通路となる隙間が形成されていないことを意味する。
本発明の第2の態様は、前記連通された孔部が非直線状であることを特徴とする金属多孔体である。
本発明の第3の態様は、前記積層された平板状の金属板または箔が、相互に接合されていることを特徴とする金属多孔体である。ここで「接合」には、ロウ付け、溶接、拡散接合のように接触面同士を固着させることの他に、接触面同士を当接させた上で、締め具や枠体で固定させることも含む。
本発明の第4の態様は、前記積層された平板状の金属板または箔が、その間に断熱材及び/または絶縁材を備えたことを特徴とする金属多孔体である。
第1の態様によれば、上下方向に貫通した流路は備えられているが、横方向には流路がないので、金属多孔体内部においては、流路を通過する流体は他の流路を通過する流体と混合することが防止される。従って、流体の通過経路の設計が容易であり、流路の位置に応じて異なる流体を使用することもできる。また、金属板または箔を積み重ねる際の位置合わせや孔部の形状、大きさを調節することで、使用目的に応じた流路を設定することができる。さらに、金属多孔体に用いる金属板または箔は平板状なので、孔部及び金属板の加工は容易であり、金属多孔体の製造コストを低減できる。さらには、金属多孔体の使用状況に応じて、孔部の大きさ、形状、位置などが相違する金属板または箔を積層させることにより、1つの流路を複数に分岐させたり、複数の流路を1つに集めたりすることができる点でも、流体の通過経路の設計自由度が大きい。
第2の態様によれば、流路には曲部があるので、流体に乱流を発生させることができ、流体の界面における反応や熱交換を促進できる。また、積層された金属板の位置をずらすことにより、金属多孔体内部の流路形状を任意に選択できるので、金属多孔体の利用範囲を広げることができる。
第3の態様によれば、積層された金属板または箔は相互に接しているので、金属板または箔間における伝熱効率や通電性に優れている。また、金属多孔体を構成する金属板または箔相互間は固定されているので、金属多孔体の形状や流路形状の変化を防止できる。
第4の態様によれば、金属多孔体の金属板または箔間に断熱効果、絶縁効果を与えることができるので、利用範囲を拡大できる。
次に、本発明の実施形態例に係る金属多孔体について、図面を用いながら説明する。図1の(a)図は実施形態例に係る金属多孔体の斜視図、同(b)図は実施形態例に係る金属多孔体の部分断面図、図2は他の実施形態例に係る金属多孔体の部分断面図、図3は実施形態例に係る金属多孔体を構成する金属板の平面図である。
本発明の実施形態例に係る金属多孔体1、11は、図1に示すように、縦方向に貫通した孔部3、13を有する平板状の金属板2、12を積み重ねた構成となっており、後述するように、孔部3、13が連通するように金属板2、12が積まれて使用される。
前記金属板2、12は、図1及び図3に示すように、平板の上下方向に貫通した孔部3、13を複数備え、この孔部3、13は平板上に規則的に配置されている。例えば、図1(a)の実施形態例では、孔部13は18個、つまり、ほぼ等間隔で3個並んだ楕円形の孔部13の縦列が、横方向にほぼ等間隔に6列配置されている。ここでは、前記縦列は隔列ごとにずれた態様となっている。一方、図3の実施形態例では、孔部3は48個、つまり、ほぼ等間隔で12個並んだ長方形の孔部3の横列が、縦方向にほぼ等間隔に4列配置されている。ここでは、前記横列は隔列ごとにずれた態様となっている。
前記金属板2、12の材料は、銅、鉄、ステンレスなど金属であれば特に限定されないが、例えば、重量が軽く加工性に優れる点でアルミニウムが好ましい。また、必要に応じて、例えば、耐食性や耐酸化性を高めるために、プレコート塗装板、表面処理板またはアルマイト板などの表面加工を施した金属板2、12や、触媒を担持させた金属板2、12を使用してもよい。
前記金属板2、12及び孔部3、13の寸法は、特に限定されず、使用状況に応じて任意に設定することができるが、例えば、図3に示す実施形態例の金属板2は横7.5mm、縦4.5mm、厚さ0.4mmであり、48個ある孔部3は、おのおの、横0.2mm、縦0.5mmの長方形の貫通孔となっている。これら孔部3は、横方向を0.4mm間隔、縦方向を0.5mm間隔として、金属板2上に規則的に配置されている。図3に示す金属板2を0.2mmずつずらして積み重ね、ロウ付け接合することで、図1(b)に示す断面を有する金属多孔体1が形成される。
平板状の金属板2、12は、上下に隣接している他の金属板2、12とロウ付け接合により固着されているので、流路同士は相互に独立し、流路を通過する流体が他の流路を通過する流体と混合するのが防止される。また、金属板2、12同士がその表面部で接しているので、実施形態例に係る金属多孔体1、11は伝熱効率や通電性に優れている。
上記実施形態例では、金属製の平板を使用するため、前記楕円形または長方形の孔部3、13は、プレス加工、機械加工、エッチング、レーザーなどで高精度、均一、簡易に加工できる。また、金属板2、12をプレス加工にて波型としなくてもよく、また平板状の金属板2、12に孔部3、13を形成すればよいので、金属多孔体1、11の生産コストを抑えることができる。
図1に示すように、実施形態例に係る金属多孔体1、11は、寸法及び孔部3、13の形態が同一構成である金属板2、12が、複数枚、積み重ねられた構造となっている。つまり、いずれの金属板も、孔部の形状、大きさが同一となるように加工されており、また各金属板に設けられた孔部は同じ数量で同じ配置となっている。実施形態例に係る金属多孔体1、11は、図1(a)では6枚の金属板12が、図1(b)では20枚の金属板2が積み重ねられている。このように、金属多孔体1、11を構成するおのおのの金属板2、12は同一の構成となっているので、金属多孔体1、11を作製する際に金属板2、12の積み重ね順位を検討しなくてもよく、生産効率に優れている。また、流路形状に応じて異なる金属板2、12を用意しておかなくてもよいので、金属板2、12の部品点数を減らすことができる。
図1(a)の実施形態例では、おのおのの金属板12に対応して、金属多孔体11の側面部におのおの凹部と凸部が形成されるように、金属板12を左右に交互にずらした態様で積まれている。従って、この金属板12の配置に対応して、孔部13が連通して形成される流路は、各金属板12の厚さの間隔で段差部を有しつつ交互に左右にずれた細かい曲部を多数有する形状となる。これにより、18個の独立した流路を有する金属多孔体11が形成されるので、金属多孔体11内で流体が混ざり合うのが防止される。また、流路の段差部で流体に乱流を生じさせることができるので、流路壁面と流体との界面における熱交換や触媒反応を促進させることができる。さらに、前記18個の独立した流路は、金属多孔体の上側表面から略垂直方向に伸びているので、金属多孔体11内における流体の通過距離が短く、例えば、金属多孔体11を熱交換器の部品やヒートシンクとして使用する場合、冷媒の通過時間が短く急速冷却できる点で、熱交換効率に優れている。
一方、図1(b)の実施形態例では、金属多孔体1の側面部に、複数枚の金属板2にて1つの凹部が形成され、前記複数枚の金属板2に隣接する他の複数枚の金属板2にて1つの凸部が形成されるように、金属板2が斜めに0.2mmずつずらされた態様で積まれている。従って、前記金属板2の配置に対応して、孔部3が連通して形成される流路の形状は、前記凹部と凸部の形状に応じた屈曲部を有する階段状となっている。
このように、48個の独立した流路を有する金属多孔体1が形成されるので、金属多孔体1内で流体が混ざり合うのが防止される。また、流路の段差部で流体に乱流を生じさせることができるので、流路壁面と流体との界面における熱交換や触媒反応が促進される。さらに、この流路の形状は、金属多孔体1の表面に対して斜め方向に伸びる階段状となっており、図1(a)の実施形態例と比較して流体が流路壁面と接する面積が大きいので、金属多孔体1を、例えば、触媒担体として使用する場合には優れた反応効率が、フィルターとして使用する場合には優れた浄化効率が得られる。また、熱交換器の部品やヒートシンクとして使用する場合には、均一に冷却でき、熱交換効率が向上する。
このように、本発明の実施形態例に係る金属多孔体1、11は、積層される金属板2、12の位置を調節することにより、その用途、使用条件に応じて、流路形状を任意に選択できる。また、平板状の金属板2、12を積層させることで、金属多孔体1、11が簡易に形成されるので、製造コストを低減できる。
次に、本発明の金属多孔体の使用方法を説明する。図2に示すように、本発明の実施形態例に係る金属多孔体1を冷却装置や電子部品のヒートシンクとして使用する場合には、金属板2の側壁部に放熱フィン4を所定の間隔で複数接合させて使用する。金属多孔体1の流路に注入された流体の熱は各金属板2に伝わり、さらにその熱が各放熱フィン4に伝わって外部に放出されることで、流体が冷却される。このとき、金属板2の有する孔部3の大きさ、配置の選択や金属板2の位置合わせなどすることで、冷却装置や電子部品の使用状況に応じた流路を金属多孔体1に設定できる。従って、本発明の実施形態例に係る金属多孔体1を使用したヒートシンクは、あらゆる状況で高い放熱効率が得られるという利点がある。
本発明の金属多孔体を触媒担体として使用する場合には、小さな孔部を多数設けた金属板を積み重ねるのが好ましい。このとき、金属板の位置合わせは、流路に多くの段差部が形成されるように調節する。流体の流路を多数設け、さらに各流路に多数の段差部を作ることで、金属多孔体の比表面積を大きくできるので、流路内壁における触媒の担持量と流体との接触面積が増大し、さらに、前記段差部により流体に乱流を生じさせることもできることから、触媒による反応効率が向上する。
同様に、本発明の金属多孔体を熱交換器の部品またはフィルターとして使用する場合にも、小さな孔部を多数設けた金属板を積み重ね、流路に段差部が形成されるように金属板の位置合わせを行う。流体の流路を多数設け、さらに各流路に段差部を作ることで、金属多孔体の比表面積を大きくすることができるので、処理効率が向上する。
次に、本発明の他の実施形態例を説明する。前記実施形態例では、金属板2、12に設けられた孔部3、13の形状は楕円形または長方形であったが、形状は特に限定されず、円形、台形または正方形などでもよい。また、孔部3、13の大きさも流体が流れる限り特に限定されない。図3の実施形態例の孔部3は、横0.2mm、縦0.5mmであったが、流体が高粘度の場合には、さらに大きな孔部にして圧力損失を低減させてもよい。また、図3の実施形態例では、金属板2の板厚は0.4mmであったが、段差部による流体の乱流を防止したい場合には、金属板の板厚を0.4mmよりも薄い金属箔を使用して流路の壁面をなだらかにしてもよく、また、段差部によって、より乱流を発生させたい場合には、金属板の板厚を0.4mmより厚くしてもよい。このように、金属板の板厚、孔部形状を変えることによっても、使用状況に適応した流路を設定することができる。
前記実施形態例では、流路の形状は、金属多孔体の上側表面から略垂直方向に伸びている細かい曲部を多数有する形状、または斜め方向に伸びている階段状であったが、この代わりに、例えば、連通した孔部からなる流路が、らせん状となるようにまたは上記のような規則的な形状ではなく不規則な形状となるように、金属板を位置合わせしてもよい。これにより、例えば、流路を通過する流体に乱流を生じさせて、触媒反応や熱交換の効率を向上させることができる。さらには、必要に応じて、途中から流路の規則性を変化させてもよい。
また、前記実施形態例の金属多孔体1、11では、寸法並びに孔部3、13の形状及び配置が同一の金属板2、12を積み重ねる際に所定の位置合わせをすることにより、所定の流路が形成されていたが、この代わりに、孔部の配置があらかじめ所定量ずれている金属板を積み重ねることで、金属板の位置合わせ作業をすることなく、所望の流路を形成させてもよい。また、孔部の大きさ、形状、位置などが相違する金属板を適宜積み重ねることにより、1つの流路を途中から複数に分岐させたり、複数の流路を途中から1つに集めたりすることができる。
前記実施形態例では、金属板2、12はロウ付け接合で固着されていたが、この代わりに、溶接や拡散接合で固着させてもよい。また、金属板は、固着せずに、締め具で固定したり、フレームなどの枠体に組み込んで固定してもよい。締め具や枠体を用いると、おのおのの金属板は金属多孔体から分離可能となるので、金属多孔体を例えばフィルター等に使用する場合、目詰まりを容易に解消でき、再利用可能となる。
前記実施形態例では、金属板2、12は隣接する金属板と直接接合されていたが、金属板間で熱が伝わるのを防止したい場合には、金属板間に断熱材を挟んでもよく、金属板間を絶縁したい場合には、金属板間に絶縁材を挟んでもよい。
また、前記実施形態例では、金属多孔体内に形成された流路は相互に独立していたが、流路間を所定位置で横方向に連通させたい場合には、孔部間をつなぐ凹溝または貫通孔が表面の所定部位に設けられた金属板を、所定位置に積み重ねてもよい。
本発明に係る金属製多孔体は、独立した流路を備え、また、その形状を高い自由度で設定することができるので、ヒートシンク、熱交換器、フィルター、触媒担体等の分野で利用価値が高い。
(a)図は実施形態例に係る金属多孔体の斜視図、同(b)図は実施形態例に係る金属多孔体の部分断面図である。 他の実施形態例に係る金属多孔体の部分断面図である。 実施形態例に係る金属多孔体を構成する金属板の平面図である。
符号の説明
1、11 金属多孔体
2、12 金属板
3、13 孔部
4 放熱フィン

Claims (3)

  1. 縦方向に貫通した孔部を複数有する平板状の金属板または箔が、高さ方向に積層されて形成された金属多孔体であって
    記平板状の金属板または箔が、横方向の隙間を有さずに積み重ねられ、前記金属多孔体を構成するおのおのの前記金属板または箔は、形状、大きさが同一であって同じ数量で同じ配置である前記孔部を有し、前記孔部が縦方向にて相互に連通して形成される流路は、前記金属板または箔の厚さ間隔の段差部を有していることを特徴とする金属多孔体。
  2. 前記連通された孔部が、非直線状であることを特徴とする請求項1に記載の金属多孔体。
  3. 前記積層された平板状の金属板または箔が、相互に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の金属多孔体。
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