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JP5089033B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents
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Description

本発明は半導体装置の作製方法に関する。特に無線通信によりデータを交信することのできる半導体装置の作製方法に関する。
近年、無線通信によりデータを交信することのできる半導体装置の開発が盛んに進められている。このような半導体装置は、ICタグ、IDタグ、RF(Radio Frequency)タグ、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、無線タグ、電子タグ、無線プロセッサ、無線メモリ、無線チップ等と呼ばれている。
現在実用化されている無線チップは、シリコン基板(ウエハ)を用いるものが主流である。また、昨今、シリコン基板の表面(裏面)を研削、研磨する技術(「バックグラインド技術」と呼ばれる。)を用いて薄型化の無線チップを作製することが研究されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−282050号公報
無線チップを極限まで薄くするためには、可能な限り基板を研削、研磨することが要求される。しかしながら、基板の厚さがある一定の厚さよりも薄くなった状態で基板の研磨を行うと、基板の強度が保てず基板自体、ひいては基板の上に形成された素子が破壊されてしまうおそれがある。
上記の実情を鑑み、本発明は、可撓性を有する薄型の半導体装置を提供することを課題とする。
本発明の半導体装置の作製方法の一は、基板の一方の面に所定の大きさの溝を形成し、その溝が設けられた領域内に素子が配置されるように素子層を形成する。次に、素子層の一方の面が露出されるまで基板の他方の面を研削及び研磨して、素子を有する被転置層を形成し、被転置層の一方の面をフィルムに接着させることにより、被転置層をフィルムに転置する各プロセスを含んでいる。
また、本発明の半導体装置の作製方法の一は、基板の一方の面に所定の大きさの溝を形成し、その溝が設けられた領域内に素子が配置されるように素子層を形成する。その素子層の一方の面が露出されるまで基板の他方の面を研削及び研磨して、素子を有する被転置層を形成し、被転置層の一方の面に第1のフィルムを接着させることにより、被転置層を第1のフィルムに転置する。さらに、被転置層の他方の面に第2のフィルムを接着し、被転置層が分断されるように第1のフィルム及び第2のフィルムを切断する各プロセスを含んでいる。
また、本発明の半導体装置の作製方法の一は、基板の一方の面に所定の大きさの溝を形成し、その溝が設けられた領域内に素子が配置されるように素子層を形成する。その素子層の上に基板固定治具を用いて第1のフィルムを貼り付けた後、基板固定治具を吸着治具に設置する。そして、素子層の一方の面が露出されるまで基板の他方の面を研削及び研磨して、素子を有する被転置層を形成する。そして、第1のフィルムのうち、被転置層が形成された領域に対して選択的に粘着力を低下させ、被転置層の一方の面に第2のフィルムを接着させることにより、被転置層を第2のフィルムに転置する。さらに、被転置層の他方の面に第3のフィルムを接着し、被転置層が分断されるように第2のフィルム及び第3のフィルムを切断する各プロセスを含んでいる。
また、本発明の半導体装置の作製方法の一は、基板の一方の面に所定の大きさの溝を形成し、 その溝が設けられた領域内に素子が配置されるように、溝が形成された基板の一方の面上に素子層を形成する。そして、素子層の上に基板固定治具を用いてフィルムを貼り付けた後、前記基板固定治具を吸着治具に設置し、素子層の一方の面が露出されるまで基板の他方の面を研削及び研磨して、素子を有する被転置層を形成する。さらに、被転置層が分断されるようにフィルムを切断する各プロセスを含んでいる。
また、上記構成において、前記被転置層はアンテナを有することを特徴とする。
また、本発明の半導体装置の作製方法の一は、基板の一方の面に所定の大きさの溝を形成し、 前記溝が設けられた領域内に素子が配置されるように、前記溝が形成された基板の一方の面上に素子層を形成する。そして、前記素子層の一方の面が露出されるまで前記基板の他方の面を研削及び研磨して、前記素子を有する被転置層を複数形成する。前記複数の被転置層の一方の面に第1のフィルムを接着させることにより、前記複数の被転置層を前記フィルムに転置し、前記複数の被転置層が分断されるように前記第1のフィルムを切断する。そして、分断された被転置層と、アンテナが設けられた基材とを、被転置層の内部に含まれる素子とアンテナとが電気的に接続されるように貼り合わせる各プロセスを含んでいる。
また、上記構成において、前記溝の深さは2μm以上100μm以下であることを特徴とする。
また、上記構成において、前記溝の開口部は正方形の形状であることを特徴とする。
また、上記構成において、前記正方形の一辺の長さは、0.5mm以上25mm以下であることを特徴とする。
また、上記構成において、前記基板として、ガラス基板またはシリコン基板を用いることを特徴とする。
また、上記構成において、前記研磨は、物理的研磨であることを特徴とする。
本発明は、基板の一方の面に所定の大きさの溝を形成し、当該溝が設けられた領域内に素子が配置されるように素子層を形成するというものである。すなわち、溝の部分に素子が配置されるとともに、素子の側面には基板の一部が存在することになる。このように素子の側面に基板の一部が存在することにより、素子層の一方の面(溝の底面)が露出されるまで基板の他方の面を研削及び研磨を行って基板を極限まで薄くしても素子が破壊されることを抑制することができる。本発明を用いることで、従来より薄型の半導体装置を提供することができる。
本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる。
また、本明細書では、以下に様々な材料や数値の条件などを記載しているが、これらはあくまで形成しようとする目標の材料や数値の条件であって、実際に形成されたものの元素組成や物性値に若干の誤差が生じることがあることは、当業者であれば容易に理解される。また、様々な分析方法により測定された結果自体にも通常誤差が含まれていることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではなく、本明細書で記載している材料や数値などの条件から若干誤差を含んでいるものも、本発明の範囲に含まれるものとする。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の半導体装置の作製方法の一構成に関して図面を用いて説明する。
まず、基板11の一方の面に所定の大きさの溝12を形成する。溝12が形成された基板11の上面図を図1に示し、図1においてA−B間で切断したときの断面図を図2(A)に示す。なお、図1においては、溝12が25個形成されている基板11の上面図を示しているが、溝12を設ける数はこの数に限定されるものではない。すなわち、基板11上に形成される溝12の数は25個に限定されるものではなく、1つのみ形成してもよいし、複数形成してもよい。
本実施の形態では、レーザーを用いて溝12を形成している。なお、溝12はレーザー以外の他の手段を用いて形成してもよい。溝12の形状は、後に形成される素子の形状などを考慮して適宜決定すればよく、例えば長方形や正方形、円形とすればよい。また、溝12の側面の部分は、基板11に垂直としてもよいし、テーパー状に形成してもよいが、好ましくは逆テーパー状(溝12が深さ方向に深くなるにしたがって間口が円錐状に広くなっていく形状)に形成するとよい。逆テーパー状に形成すると、後の工程で形成する下地膜や、素子層の一部である絶縁膜が溝12の側面部分において成膜されにくくなる。このため、後の工程で溝12に内部に形成される被転置層を選択的に転置することが容易となる。
また、溝12の大きさは、少なくとも後に形成される素子が溝12の内部に収まるように適宜決定すればよい。例えば、溝12の深さを2μm以上100μm以下とし、溝12の形状が正方形の場合は一辺の長さを0.5mm以上25mm以下とすればよい。ただし、溝12の深さは、基板11の厚さよりも浅くする必要があることはいうまでもない。本明細書において、「基板11の一方の面」とは、溝12が設けられている側の面をいう。
基板11は、ガラス基板や石英基板、シリコン基板、金属基板、セラミック基板、ステンレス基板、プラスチック基板、アクリル基板などを用いることができるが、好ましくはガラス基板を用いる。ガラス基板は、その面積や形状に大きな制限がない。このため、基板11としてガラス基板を用いる場合は、例えば1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを容易に用いることが可能であり、生産性を格段に向上させることができる。この点は、円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。また、基板自体のコストの点においても、石英基板やシリコン基板、金属基板、セラミック基板、ステンレス基板などよりガラス基板を用いることが好ましい。特に基板の大型化が求められる場合は、それが顕著となり、量産性の点を考慮してもガラス基板を用いることが好ましい。本実施の形態では、基板11としてガラス基板を用いる。
ガラス基板は、シリコン基板に比較してその面積や形状に大きな制限がない。このため、基板11としてガラス基板を用いる場合は、例えば1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを容易に用いることが可能であり、生産性を格段に向上させることができる。この点は、円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。また、基板自体のコストの点においても、シリコン基板よりガラス基板を用いることが好ましい。
また、基板11としてシリコン基板を用いる場合は、素子の微細化、すなわち高集積化に対して有効である。例えば、ゲート長が0.5μm以下のトランジスタを形成し、低電圧で駆動させることができる。
また、基板11の厚さは、特に限定されるものではなく、例えば0.3mm以上1mm以下(より具体的には、0.5mm)のものを用いればよい。
次に、溝12が形成された基板11の一方の面上に、下地膜13を形成する(図2(B))。基板11としてガラス基板を用いる場合、下地膜13を設けることで、ガラス基板に含まれるナトリウムなどの可動イオンが、後に形成される素子層に侵入することを防止することができる。なお、後に形成する素子層の内部に設けられる素子としてボトムゲート型の薄膜トランジスタを用いる場合のように、下地膜13は必ずしも設ける必要はない。また、基板11としてシリコン基板を用いる場合も、下地膜13を設ける必要がない。
また、後に基板11の他方の面を研磨する際のストッパー層として、基板11と下地膜13との間に保護膜を設けるとより好ましい。保護膜を設けることで、下地膜13や後に形成される素子層を誤って研磨してしまうことを防止することができる。保護膜は、CVD法やスパッタ法等により形成されたDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜を用いることができる。また、基板11の一方の面に対して窒素を含む雰囲気下で高密度プラズマ処理を行うことにより基板11の表面に保護膜を形成してもよい。
本明細書において「高密度プラズマ処理」とは、プラズマの電子密度が1×1011cm−3以上1×1013cm−3以下であり、プラズマの電子温度が0.5eV以上1.5eV以下であることを特徴としている。以後、本明細書において単に「高密度プラズマ処理」と記載している場合、上述の条件下でプラズマ処理を行っているものとする。プラズマの電子密度が高密度でありながら、基板11付近での電子温度が低いため、基板11に対するプラズマ損傷を防止することができる。また、プラズマの電位は5V以下と低電位であり、原料分子の過剰解離を抑制することができる。なお、プラズマを形成するための周波数はマイクロ波(2.45GHz)を用いている。
窒素を含む雰囲気としては、窒素(N)もしくはアンモニア(NH)と、希ガスとの混合ガス、または、窒素(N)もしくはアンモニア(NH)と、希ガスと、水素(H)との混合ガスを用いることができる。高密度プラズマにより生成された窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、基板11の他方の面の表面を窒化することができる。
下地膜13は単層構造としてもよいし、積層構造としてもよい。また、下地膜の材料としては、スパッタ法やプラズマCVD法等により、酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒素を含む酸化珪素膜(SiO膜)(x>y)(x、yは正の数)、酸素を含む窒化珪素膜(SiN膜)(x>y)(x、yは正の数)などを用いることができる。例えば、下地膜を2層構造とする場合、1層目の絶縁膜として酸素を含む窒化珪素膜、2層目の絶縁膜として窒素を含む酸化珪素膜を用いるとよい。
次に、溝12が形成された基板11の一方の面上に、薄膜トランジスタ等の素子を有する層14(以下、「素子層14」と記す。)を形成する(図2(C))。このとき、溝12が形成された領域内に素子が配置されるように素子層14を形成する。すなわち、溝12が形成された領域内に素子が配置されるとともに、素子の側面には基板の一部が存在することになる。そして、この基板11の一部が、後に基板11を研削、研磨をする際に強度を確保する役割を果たす。
素子層14は、薄膜トランジスタ(TFT)やダイオード、抵抗などに代表される素子を少なくとも有しており、当該素子を用いることによって、CPU、メモリまたはマイクロプロセッサ等のあらゆる集積回路を形成することができる。また、素子層14は、素子に加えてアンテナを有する形態もとりうる。薄膜トランジスタで構成される集積回路は、アンテナで発生した交流の電圧を用いて動作を行い、アンテナに印加する交流の電圧を変調することにより、リーダ/ライタへの送信を行うことができる。なお、アンテナは上述したように素子層内部に設けられた構造としてもよいし、素子層が設けられた基板と、当該基板とは異なるアンテナ付きとを貼り合わせ、素子層内部に形成された素子とアンテナとを電気的に接続する構造としてもよい。
次に、素子層14を覆うようにフィルム31を設け、フィルム31を基板固定治具32(フレーム)に接続する(図3(A))。フィルム31は基板を研削、研磨する際に基板を固定するとともに、素子層14の一方の面を保護する役割を果たす。
フィルム31は、通常の状態ではその接着力が強く、光を照射するとその接着力が弱くなる性質を有することが好ましい。例えば、紫外光を照射するとその接着力が弱くなるUVテープを用いるとよい。また、加熱するとその接着力が弱くなる性質を有するようなフィルム(熱剥離性テープ)を用いてもよい。また、素子層14を保護するフィルムと、UVテープまたは熱剥離性テープとを積層したフィルムを用いてもよい。この場合、素子層14とUVテープまたは熱剥離性テープとが接するようにする。
次に、フィルム31により基板11が貼り付けられた基板固定治具32(フレーム)を、吸着治具33に設置する。このとき、基板固定治具32そのものは研削、研磨されないようにするため、基板固定治具32の一表面よりも、基板11の一方の面(フィルム31が設けられている側の面)の方が低くなるようにフィルム31を設置する。吸着治具33は、例えばポーラスチャック34とステージ35とから構成されている。ポーラスチャック34は、多孔質からなり、真空チャック機構を有する。
次に、基板11を薄くするために、研削手段41により基板11の他方の面を研削する。このとき、基板11の厚さが200μm以下になるように研削する。一般的に、この研削工程では、基板11が固定された吸着治具33と研削手段41の一方又は両方を回転させることで、基板11の他方の面を研削する。研削手段41とは、例えば、砥石に相当する。なお、本明細書において、「基板11の他方の面」とは、素子層14が設けられている側の面とは逆側の面であり、研削手段41により研削される側の面をいう。なお、研削工程により生じたごみを除去するために、必要に応じて洗浄を行ってもよい。この場合、洗浄により生じた水滴を自然乾燥させる、または乾燥手段を用いて乾燥させる。乾燥手段は、具体的には基板11を回転させる方法や、ブロアーを用いて基板11にエアー(大気)などのガスを吹き付ける方法などがある。
次に、研磨手段42により、基板11を研削した面をさらに研磨する(図3(B))。このとき、溝12の底面(すなわち、下地膜13の底面)が露出されるまで研磨する。すなわち、溝12が形成された領域内に配置された素子の側面には基板の一部が存在し、溝12が形成された領域内に配置された素子の下方には、基板11が存在しない状態とする。素子の下方に基板11を残さないように研磨することで、素子を有する半導体装置の厚さを薄くすることができる。なお、基板11としてシリコン基板を用いる場合には、素子形成領域(溝12の底部分)の厚さが0.1〜30μm、好ましくは1〜5μmの厚さになるように研磨すればよい。
研磨工程も、上記の研削工程と同様に、基板11が固定された吸着治具33と研磨手段42の一方又は両方を回転させることで、基板11の他方の面を研磨する。研磨手段42とは、例えば、研磨砥粒を塗布した研磨パッドに相当する。なお、研磨工程により生じたごみを除去するために、必要に応じて洗浄を行ってもよい。この場合、洗浄により生じた水滴を自然乾燥させる、または乾燥手段を用いて乾燥させる。乾燥手段は、具体的には基板11を回転させる方法や、ブロアーを用いて基板11にエアー(大気)などのガスを吹き付ける方法などがある。
次に、フィルム31のうち、基板11の研磨により露出された下地膜13及び素子層14が形成された領域15に対して選択的に粘着力を低下させるようにする(図4(A))。基板11の研磨により露出された下地膜13及び素子層14の領域(図4(A)において点線で囲まれた領域)は、後の工程において転置されるため、本明細書においては当該領域を「被転置層15」と以後呼ぶこととする。フィルム31の粘着力を選択的に低下させる具体的な手段の一例として、フィルム31としてUVテープを用いている場合は、被転置層15と接している領域に対して選択的に紫外光を照射する。また、フィルム31として熱剥離性テープを用いている場合は、被転置層15と接している領域に対して選択的に熱を加える。
次に、被転置層15の一方の面(すなわち、基板11の研磨により露出された下地膜13)に第1の積層フィルム61(「ラミネートフィルム」とも呼ばれる。)を接着させることにより、フィルム31から被転置層15を転置する(図4(B))。この転置を行うことで、被転置層15の一方の面を第1の積層フィルム61で保護することができる。この転置工程は、貼り合わせ装置(以下、「ラミネート装置」と記す。)を用いて行うものであり、当該ラミネート装置は、加熱手段と加圧手段の一方または両方を有する第1のロールと、第1の積層フィルム61が巻き付けられ、その第1の積層フィルム61を第1のロールに供給する第2のロールとを有している。
上記の転置工程の際に重要な点は、被転置層15を選択的に第1の積層フィルム61に転置させ、被転置層15以外の領域は転置しないことである。被転置層15を選択的に第1の積層フィルム61に転置させる方法として、2つの方法を示す。まず1つ目の方法は、被転置層15の他方の面に対して選択的に加熱もしくは加圧の一方、または両方を行うことにより、第1の積層フィルム61と選択的に接着させるようにする方法である。また、二つ目の方法は、被転置層15と接する部分のみ接着性を有し、被転置層15以外の領域と接する部分は接着性を有さないような第1の積層フィルム61を用いる方法である。
次に、必要に応じて被転置層15の他方の面に第2の積層フィルム62を接着させることにより、被転置層15を封止する(図4(C))。この工程も、上述のラミネート装置を用いて行うことができる。
転置や封止の際に用いる第1の積層フィルム61、第2の積層フィルム62は、それぞれ基材と接着剤層とを少なくとも有する。基材は複数有していてもよく、この場合基材と基材との間に接着剤層を更に有する構成とすることもできる。
基材としては、帯電防止対策を施したフィルム(帯電防止フィルム)や耐透湿性を有するフィルム、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニル、無機蒸着フィルムのいずれか一からなるフィルム、または繊維質な材料からなる紙などを用いることができる。また、接着剤層としては、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、アクリル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、樹脂添加剤等の接着剤を含む層を用いることができる。
帯電防止対策を施したフィルムとしては、帯電防止可能な材料を樹脂中に分散させたフィルム、帯電防止可能な材料が形成されたフィルム等が挙げられる。帯電防止可能な材料が貼り付けられたフィルムは、片面に帯電防止可能な材料を貼り付けられたフィルムであってもよいし、両面に帯電防止可能な材料を貼り付けられたフィルムであってもよい。また、片面に帯電防止可能な材料が貼り付けられたフィルムは、帯電防止可能な材料が貼り付けられた面をフィルムの内側になるように貼り付けてもよいし、フィルムの外側になるように貼り付けてもよい。また、帯電防止可能な材料はフィルムの全面、あるいは一部に貼り付けてあればよい。なお、帯電防止可能な材料としては、アルミなどの金属、インジウムと錫を含む酸化物(ITO)、両面活性剤金属塩、イミダリン型両性界面活性剤、側鎖にカルボキシル基および4級アンモニウム塩基をもつ架橋性共重合体高分子を含む樹脂材料などが挙げられる。帯電防止フィルムを第1の積層フィルム61、第2の積層フィルム62の一部に用いることで、外部からの静電気によって集積回路に悪影響が及ぶことを防止することができる。
第1の積層フィルム61、第2の積層フィルム62は、熱圧着(加熱処理と加圧処理)により被転置層15に接着される。加熱処理と加圧処理を行う際には、積層フィルムの最表面に設けられた接着剤層を加熱処理によって溶かし、加圧により接着する。なお、基材を加熱処理によって溶かす方法(熱溶着)を用いる場合、第1の積層フィルム61、第2の積層フィルム62の代わりとして基材からなる単層フィルムを用いることもできる。
また、封止処理を行った後に被転置層15の内部への水分等の侵入を防止するため、第1の積層フィルム61、第2の積層フィルム62の表面にシリカコートを行うことが好ましい。なお、本明細書において「シリカコート」とは、二酸化珪素(シリカ)や酸素を含む窒化珪素膜、窒素を含む酸化珪素膜などの粉末を被処理物の表面にコーティングすることをいう。
次に、切断手段43により、第1の積層フィルム61及び第2の積層フィルム62を切断する(図4(D))。切断手段43は、ダイサー、レーザー、ワイヤソー、カッターなどに相当する。第1の積層フィルム61、及び第2の積層フィルム62が、それぞれ基材と接着剤層とから構成されている場合、切断手段43としてレーザーを用いることが好ましい。これは、レーザーの条件を適宜設定することにより、切断と同時に接着剤層が第1の基材及び第2の基材で封止された構造とすることができるためである。以上の工程を経て、半導体装置16(無線チップ)が完成する。
なお、本実施の形態では半導体装置の長期信頼性を考慮して、第1の積層フィルム61及び第2の積層フィルム62により被転置層15の両面が保護された構造を有する半導体装置について説明したが、第1の積層フィルム61及び第2の積層フィルム62を必ずしも被転置層15に接着させる必要はない。すなわち、上述した研磨工程を終了した後(図3(B))、フィルム31を吸着治具33から取り外し、フィルム31を被転置層15の側面に沿って切断することで半導体装置を作製してもよい。なお、この切断は、ダイサー、レーザー、ワイヤソー、カッターなどを用いて行えばよい。
以上説明したように、本発明は、基板11上に形成した溝12の中に被転置層15を形成し、溝12の底面(すなわち、下地膜13の底面)が露出されるまで基板を研削,研磨し、被転置層15を転置することで半導体装置を形成している。このように本発明を用いることにより、従来より薄型の半導体装置を提供することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、被転置層の内部にアンテナが設けられた半導体装置の作製方法について説明する。なお、複数の溝に形成される素子は、それぞれ同じ構造を有しているため、本実施の形態では1つの溝に形成される集積回路(素子)の構造に着目して説明する。
まず、基板11の一方の面に所定の大きさの溝12を形成する(図1)。図1においては、溝12が25個形成されている基板11の上面図を示しているが、本発明はこの数に限定されるものではない。すなわち、基板11上に形成される溝12の数はこの数に限定されるものではなく、1つのみ形成してもよいし、複数形成してもよい。
図1においてC−D間で切断したときの断面図を図5に示す。本実施の形態では、レーザーを用いて溝12を形成している。なお、溝12はレーザー以外の他の手段を用いて形成してもよい。溝12の形状は、後に形成される素子の形状などを考慮して適宜決定すればよく、例えば長方形や正方形、円形とすればよい。また、溝12の側面の部分は、基板11に垂直としてもよいし、テーパー状に形成してもよいが、好ましくは逆テーパー状(溝12が深さ方向に深くなるにしたがって間口が円錐状に広くなっていく形状)に形成するとよい。逆テーパー状に形成すると、後の工程で形成する下地膜や、素子層の一部である絶縁膜が溝12の側面部分において成膜されにくくなる。このため、後の工程で溝12に内部に形成される被転置層を選択的に転置することが容易となる。
また、溝12の大きさは、少なくとも後に形成される素子が溝12の内部に収まるように適宜決定すればよい。例えば、溝12の深さを2μm以上100μm以下とし、溝12の形状が正方形の場合は一辺の長さを0.5mm以上25mm以下とすればよい。ただし、溝12の深さは、基板11の厚さよりも浅くする必要があることはいうまでもない。本明細書において、「基板11の一方の面」とは、溝12が設けられている側の面をいう。
次に、溝12が形成された基板11の一方の面上に、下地膜13を形成する(図5(A))。下地膜13の材料や形成方法については実施の形態1で説明したものを用いることができるので、ここでは説明を省略する。以後、下地膜13上に素子層を形成する工程について説明する。
次に、下地膜13上に非晶質半導体膜(例えば、非晶質珪素を主成分とする膜)を形成する。非晶質半導体膜は、スパッタ法やプラズマCVD法等の各種CVD法により、25〜200nm(好ましくは30〜150nm)の厚さで形成する。続いて、非晶質半導体膜を結晶化して、結晶質半導体膜を形成する。結晶化の方法としては、レーザー結晶化法、RTAまたはファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法とレーザー結晶化法を組み合わせた方法等を用いることができる。その後、得られた結晶質半導体膜を所望の形状にエッチングして、結晶質半導体膜705、706を形成する(図5(B))。なお、この結晶質半導体膜705、706は素子として用いる薄膜トランジスタの活性層として用いるものであり、溝12の底面に設けられるように形成する。なお、下地膜13及び非晶質半導体膜は、大気に曝さずに連続して形成することもできる。
結晶質半導体膜705、706の作製工程の一例につき、以下に説明する。非晶質半導体膜を結晶化する方法としては、レーザー結晶化法、RTA法など炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法とレーザー結晶化法とを組み合わせた方法等が挙げられる。また、他の結晶化の方法として、DCバイアスを印加して熱プラズマを発生させ、当該熱プラズマを半導体膜に作用させることにより結晶化を行ってもよい。
本実施の形態では、プラズマCVD法により膜厚40〜300nmの非晶質半導体膜を形成した後、加熱処理により非晶質半導体膜を結晶化して結晶質半導体膜705、706を形成する。加熱処理としては、レーザー加熱炉、レーザー照射、若しくはレーザー光の代わりにランプから発する光の照射(以下、「ランプアニール」と表記する)、又はこれらを組み合わせて用いることができる。
レーザー照射を用いる場合、連続発振型のレーザー光(CWレーザー光)やパルス発振型のレーザー光(パルスレーザー光)を用いることができる。使用可能なレーザー光としては、Arレーザー、Krレーザー、エキシマレーザーなどの気体レーザー、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、もしくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種もしくは複数種添加されているものを媒質とするレーザー、ガラスレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、Ti:サファイアレーザー、銅蒸気レーザー、金蒸気レーザーのうち、一種または複数種から発振されるものを用いることができる。このようなレーザー光の基本波、及びこれらの基本波の第2高調波から第4高調波のレーザー光を照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、Nd:YVOレーザー(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いることができる。このときレーザーのパワー密度は0.01〜100MW/cm程度(好ましくは0.1〜10MW/cm)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度として照射する。
なお、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザー、Arイオンレーザー、Ti:サファイアレーザーは、それぞれ連続発振をさせることが可能であり、Qスイッチ動作やモード同期などを行うことによって10MHz以上の発振周波数でパルス発振をさせることも可能である。10MHz以上の発振周波数でレーザー光を発振させると、半導体膜がレーザーによって溶融してから固化するまでの間に、次のパルスが半導体膜に照射される。従って、発振周波数が低いパルスレーザーを用いる場合と異なり、半導体膜中において固液界面を連続的に移動させることができるため、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を得ることができる。
上述した連続発振レーザーまたは10MHz以上の周波数で発振するレーザー光を用いて結晶化する場合、結晶化された半導体膜の表面を平坦なものとすることができる。この結果、後に形成するゲート絶縁膜を薄膜化することも可能であり、また、ゲート絶縁膜の耐圧を向上させることに寄与することができる。
また、媒質としてセラミック(多結晶)を用いると、短時間かつ低コストで自由な形状に媒質を形成することが可能である。単結晶を用いる場合、通常、直径数mm、長さ数十mmの円柱状の媒質が用いられているが、セラミックを用いる場合はさらに大きいものを作ることが可能である。
発光に直接寄与する媒質中のNd、Ybなどのドーパントの濃度は、単結晶中でも多結晶中でも大きく変えることは困難なため、ドーパントの濃度を増加させることによるレーザーの出力向上にはある程度限界がある。しかしながら、セラミックの場合、単結晶と比較して媒質の大きさを著しく大きくすることができるため大幅な出力向上が期待できる。
さらに、セラミックの場合では、平行六面体形状や直方体形状の媒質を容易に形成することが可能である。このような形状の媒質を用いて、発振光を媒質の内部でジグザグに進行させると、発振光路を長くとることができる。そのため、増幅が大きくなり、大出力で発振させることが可能になる。また、このような形状の媒質から射出されるレーザー光は射出時の断面形状が四角形状であるため、丸状のビームと比較すると、線状ビームに整形するのに有利である。このように射出されたレーザー光を、光学系を用いて整形することによって、短辺の長さ1mm以下、長辺の長さ数mm〜数mの線状ビームを容易に得ることが可能となる。また、励起光を媒質に均一に照射することにより、線状ビームは長辺方向にエネルギー分布の均一なものとなる。
この線状ビームを半導体膜に照射することによって、半導体膜をより均一にアニールすることが可能になる。線状ビームの両端まで均一なアニールが必要な場合は、その両端にスリットを配置し、エネルギーの減衰部を遮光するなどの工夫をすればよい。
このようにして得られた強度が均一な線状ビームを用いて半導体膜をアニールし、この半導体膜を用いて半導体装置を作製すると、その半導体装置の特性を、良好かつ均一なものとすることができる。
次に、結晶質半導体膜705、706を覆う絶縁膜707を形成する(図6(A))。絶縁膜707は、後の工程でエッチングされゲート絶縁膜として機能するものであり、スパッタ法やプラズマCVD法等の各種CVD法により形成すればよい。具体的には、酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒素を含む酸化珪素膜(SiO膜)(x>y)(x、yは正の数)、酸素を含む窒化珪素膜(SiN膜)(x>y)(x、yは正の数)を、単層構造として形成するか、当該これらの膜を適宜積層して形成する。
また、結晶質半導体膜705、706に対して、酸素、窒素、または酸素及び窒素を含む雰囲気中で、高密度プラズマ処理を行うことにより、結晶質半導体膜705、706の表面を酸化または窒化して、絶縁膜を形成してもよい。高密度プラズマ処理により形成されたゲート絶縁膜は、CVD法やスパッタ法等により形成された膜と比較して膜厚や膜質などの均一性に優れ、且つ緻密な膜を形成することができる。また、プラズマの電子密度が高密度でありながら、基板上に形成された被処理物(金属膜)付近での電子温度が低いため、基板に対するプラズマ損傷を防止することができる。また、プラズマの電子密度が1×1011cm−3以上と高密度であるため、酸化処理によって形成される酸化物の膜厚均一性に優れ、且つ緻密な膜を形成することができる。また、プラズマの電子温度が1.5eV以下と低いため、プラズマ処理や熱酸化法と比較して低温度で酸化処理を行うことができる。たとえば、ガラス基板の歪点温度よりも100度以上低い温度(代表的には、250〜550℃)でプラズマ処理を行っても十分にプラズマ酸化処理を行うことができる。なお、プラズマを形成するための周波数はマイクロ波(2.45GHz)を用いている。また、プラズマの電位は5V以下と低電位であり、原料分子の過剰解離を抑制することができる。
酸素を含む雰囲気としては、酸素(O)、二酸化窒素(NO)、もしくは一酸化二窒素(NO)と、希ガスとの混合ガス、または、酸素(O)、二酸化窒素(NO)もしくは一酸化二窒素(NO)と、希ガスと、水素(H)との混合ガスを用いることができる。また、窒素を含む雰囲気としては、窒素(N)もしくはアンモニア(NH)と、希ガスとの混合ガス、または、窒素(N)もしくはアンモニア(NH)と、希ガスと、水素(H)との混合ガスを用いることができる。高密度プラズマにより生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、結晶質半導体膜705、706の表面を酸化又は窒化することができる。
高密度プラズマ処理を行って絶縁膜707を形成する場合、1〜20nm、代表的には5〜10nmの絶縁膜が結晶質半導体膜705、706に形成される。この場合の反応は固相反応であるため、当該絶縁膜と結晶質半導体膜705、706との界面順位密度をきわめて低くすることができる。また、結晶質半導体膜705、706を直接酸化または窒化するため、形成される絶縁膜707の厚さを、理想的にはばらつきをきわめて小さくすることができる。さらに、結晶性シリコンの結晶粒界でも強い酸化がおこらないため、非常に好ましい状態となる。すなわち、ここで示す高密度プラズマ処理で半導体膜の表面を固相酸化することにより、結晶粒界において異常に酸化反応をさせることなく、且つ、均一性が良く、界面順位密度が低い絶縁膜を形成することができる。
なお、絶縁膜707は、高密度プラズマ処理によって形成される絶縁膜のみを用いても良いし、それに加えてプラズマや熱反応を利用したCVD法により酸化珪素、酸素を含む窒化珪素、窒素を含む酸化珪素などの絶縁膜を堆積し、積層させても良い。いずれにしても、高密度プラズマで形成した絶縁膜をゲート絶縁膜の一部又は全部として形成されるトランジスタは、特性のばらつきを小さくすることができる。
また、非晶質半導体膜に対し、連続発振レーザーまたは10MHz以上の周波数で発振するレーザー光を照射しながら一方向に走査して結晶化した結晶質半導体膜705、706は、そのビームの走査方向に結晶が成長する特性がある。したがって、走査方向をチャネル長方向(チャネル形成領域が形成されたときにキャリアが流れる方向)に合わせてトランジスタを配置し、高密度プラズマ処理によって形成された絶縁膜707を組み合わせることで、特性ばらつきがより小さく、しかも電界効果移動度が高いトランジスタを得ることができる。
次に、絶縁膜707上に、第1の導電膜及び第2の導電膜を積層して形成する。第1の導電膜及び第2の導電膜は、それぞれスパッタ法やプラズマCVD法等の各種CVD法により形成すればよい。本実施の形態では、第1の導電膜を20〜100nmの厚さに形成し、第2の導電膜を100〜400nmの厚さに形成する。また、第1の導電膜と第2の導電膜は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素またはこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料を用いて形成することができる。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素に代表される半導体材料により形成することもできる。第1の導電膜と第2の導電膜の組み合わせの例としては、窒化タンタル膜とタングステン(W)膜、窒化タングステン膜とタングステン膜、窒化モリブデン膜とモリブデン(Mo)膜等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、第1の導電膜と第2の導電膜を形成した後に、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、第1の導電膜と第2の導電膜による2層構造ではなく、単層構造としてもよいし、3層構造とすることもできる。単層構造や3層構造にする場合、導電膜の材料として、上述した第1の導電膜、第2の導電膜と同様のものを自由に選択することが可能である。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成した後、第1の導電膜と第2の導電膜のエッチングを行うことにより、ゲート電極708、709を形成する。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成した後、イオンドープ法またはイオン注入法を用いて結晶質半導体膜706にN型を付与する不純物元素を低濃度に添加することにより、低濃度のN型不純物領域710、711及びチャネル形成領域712を形成する(図6(B))。N型を付与する不純物元素は、15族に属する元素を用いればよく、例えばリン(P)、砒素(As)を用いる。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成した後、イオンドープ法またはイオン注入法を用いて結晶質半導体膜707にP型を付与する不純物元素を高濃度に添加することにより、高濃度のP型不純物領域713、714及びチャネル形成領域715を形成する。P型を付与する不純物元素は、13族に属する元素を用いればよく、例えばボロン(B)を用いる。なお、低濃度のN型不純物領域710、711、高濃度のP型不純物領域713、714を形成する順番は、本実施の形態のように低濃度のN型不純物領域710、711を形成した後に高濃度のP型不純物領域713、714を形成してもよいし、高濃度のP型不純物領域713、714を形成した後に低濃度のN型不純物領域710、711を形成してもよい。
次に、絶縁膜707とゲート電極708、709を覆うように絶縁膜を形成する。絶縁膜は、スパッタ法やプラズマCVD法等の各種CVD法により、珪素、珪素の酸化物、または珪素の窒化物など無機材料からなる膜や、有機樹脂などの有機材料からなる膜を、単層または積層して形成する。次に、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより選択的に絶縁膜をエッチングして、ゲート電極708、709の側面に接する絶縁膜721、722(「サイドウォール」ともよばれる。)を形成する(図7(A))。また、絶縁膜721、722の作製と同時に絶縁膜707がエッチングされることにより、ゲート絶縁膜723、724が形成される。絶縁膜721、722は、後にN型の薄膜トランジスタのLDD(Lightly Doped drain)領域を形成する際のドーピング用のマスクとして用いる。
次に、フォトリソグラフィ法により形成したレジストからなるマスク、及び絶縁膜721、722をマスクとして、結晶質半導体膜706にN型を付与する不純物元素を添加して、第1のN型不純物領域(「LDD領域」ともよぶ。)727、728、及び第2のN型不純物領域725、726を形成する(図7(B))。第1のN型不純物領域727、728に含まれる不純物元素の濃度は、第2のN型不純物領域725、726に含まれる不純物元素の濃度よりも低い。上記工程を経て、P型の薄膜トランジスタ729、及びN型の薄膜トランジスタ730が完成する。
なお、LDD領域を形成するためには、ゲート電極を2層以上の積層構造として、当該ゲート電極にテーパー角度をつけるようなエッチングや異方性エッチングを行って、当該ゲート電極を構成する下層の導電膜をマスクとして用いる手法と、本実施の形態のようにサイドウォールの絶縁膜をマスクとして用いる手法がある。前者の手法を採用して形成された薄膜トランジスタは、ゲート絶縁膜を介してLDD領域をゲート電極と重ねて配置させた構造となっているが、この構造は、ゲート電極にテーパー角度をつけるようなエッチングや異方性エッチングを利用するために、LDD領域の幅を制御することが難しく、エッチング工程が良好に行われなければ、LDD領域を形成することが出来ない場合がある。一方、後者のサイドウォールの絶縁膜をマスクとして用いる手法は、前者の手法と比較すると、LDD領域の幅の制御が容易であり、また、LDD領域を確実に形成することができる。
なお、露出されたN型不純物領域725、726、及びP型不純物領域713、714の表面に形成された自然酸化膜を除去した後、金属膜を用いてシリサイド領域をそれぞれ適宜形成してもよい。金属膜としては、ニッケル膜、チタン膜、コバルト膜、白金膜、もしくはこれら元素のうち少なくとも2種類を含む合金でなる膜等を使用することができる。より具体的には、金属膜として例えばニッケル膜を用い、室温の下、成膜電力500W〜1kWでニッケル膜をスパッタ法により成膜した後、加熱処理によってシリサイド領域を形成する。加熱処理はRTAやファーネスアニール等を用いることができる。このとき、金属膜の膜厚、加熱温度、加熱時間を制御することにより、N型不純物領域725、726、及びP型不純物領域713、714の表面のみをシリサイド領域にすることもできるし、各々の領域全面をシリサイド領域とすることもできる。そして最後に、未反応のニッケルを除去する。例えば、HCl:HNO:HO=3:2:1からなるエッチング溶液を用いて未反応のニッケルを除去する。
本実施の形態では、薄膜トランジスタ729、730をトップゲート型とした例を説明したが、それぞれボトムゲート型の薄膜トランジスタとしてもよいことはいうまでもない。また、薄膜トランジスタ729、730のチャネル形成領域が、各々一つ形成されるシングルゲート構造について説明したが、チャネル形成領域が二つ形成されるダブルゲート構造または三つ形成されるトリプルゲート構造であってもよい。あるいは、チャネル形成領域の上下にゲート絶縁膜を介して配置された2つのゲート電極を有するデュアルゲート型やその他の構造としてもよい。
また、本実施の形態では、薄膜トランジスタ729、730としてN型の薄膜トランジスタとP型の薄膜トランジスタの両方を形成しているが、N型の薄膜トランジスタまたはP型の薄膜トランジスタの一方のみを形成してもよい。
また、上記工程を経て、P型の薄膜トランジスタ729及びN型の薄膜トランジスタ730を完成させた後、半導体膜の結晶性の回復や半導体膜に添加された不純物元素の活性化を目的とする加熱処理を行ってもよい。また、好ましくは加熱処理を行った後、露出されている絶縁膜707に対して水素を含む雰囲気中で高密度プラズマ処理を行うことにより、当該絶縁膜707の表面に水素を含有させるようにしてもよい。これは、後の半導体膜の水素化の工程を行う際に、この水素を利用することができるためである。または、基板に対して350〜450℃の加熱をしながら水素を含む雰囲気中で高密度プラズマ処理を行うことで、半導体膜の水素化を行うことができる。なお、水素を含む雰囲気としては、水素(H)またはアンモニア(NH)と、希ガス(例えば、アルゴン(Ar))とを混合したガスを用いることができる。水素を含む雰囲気として、アンモニア(NH)と希ガス(例えば、アルゴン(Ar))との混合ガスを用いた場合、絶縁膜707表面の水素化と同時に表面を窒化することもできる。
次に、薄膜トランジスタ729、730を覆うように、絶縁膜を単層または積層して形成する(図8(A))。薄膜トランジスタ729、730を覆う絶縁膜は、SOG法、液滴吐出法等により、珪素の酸化物や珪素の窒化物等の無機材料、ポリイミド、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、アクリル、エポキシ、シロキサン等の有機材料等により、単層または積層で形成する。本明細書において「シロキサン」とは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられたものを指す。また、置換基として、フルオロ基を用いてもよいし、少なくとも水素を含む有機基及びフルオロ基を用いてもよい。本実施の形態では、薄膜トランジスタ729、730を覆う絶縁膜を3層構造とし、1層目の絶縁膜731として窒素を含む酸化珪素膜を形成し、2層目の絶縁膜732として窒化珪素膜を形成し、3層目の絶縁膜733として窒素を含む酸化珪素膜を形成する。
また、薄膜トランジスタ729、730を覆う絶縁膜を単層構造にする場合は、窒化珪素膜または酸素を含む窒化珪素膜を形成するとよい。このとき、好ましくは窒化珪素膜または酸素を含む窒化珪素膜に対して水素を含む雰囲気中で高密度プラズマ処理を行うことにより、当該窒化珪素膜または当該酸素を含む窒化珪素膜の表面に水素を含有させるようにする。これは、後の半導体膜の水素化の工程を行う際に、当該水素を利用することができるためである。また、基板に対して350〜450℃の加熱をしながら水素を含む雰囲気中で高密度プラズマ処理を行うことで、半導体膜の水素化を行うこともできる。水素を含む雰囲気としては、水素(H)またはアンモニア(NH)と、希ガス(例えば、アルゴン(Ar))とを混合したガスを用いることができる。また、水素を含む雰囲気として、アンモニア(NH)と希ガス(例えば、アルゴン(Ar))との混合ガスを用いた場合、絶縁膜707表面の水素化と同時に表面を窒化することもできる。
また、絶縁膜731〜733を形成する前、または絶縁膜731〜733のうちの1つまたは複数の薄膜を形成した後に、半導体膜の結晶性の回復や半導体膜に添加された不純物元素の活性化、半導体膜の水素化を目的とした加熱処理を行うとよい。加熱処理には、熱アニール、レーザーニール法、またはRTA法などを適用するとよい。例えば、不純物元素の活性化を目的とする場合、500℃以上の熱アニールを行えばよい。また、半導体膜の水素化を目的とする場合、350〜450℃の熱アニールを行えばよい。
次に、フォトリソグラフィ法を用いて絶縁膜731〜733をエッチングした後、N型不純物領域725、726、及びP型不純物領域713、714が露出されるようにコンタクトホールを形成する。続いて、コンタクトホールを充填するように導電膜を形成し、当該導電膜を所望の形状にエッチングして、ソースまたはドレイン配線として機能する導電膜734〜737を形成する(図8(B))。
導電膜734〜737は、スパッタ法やプラズマCVD法等の各種CVD法により、アルミニウム(Al)を主成分とする導電膜を用いて形成する。アルミニウムを主成分とする導電膜とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケルを含む材料、または、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素と珪素の一方または両方を含む合金材料に相当する。アルミニウムを主成分とする導電膜は、一般に耐熱性に難点があるため、アルミニウムを主成分とする導電膜の上下をバリア膜で挟み込む構成とすることが好ましい。なお、バリア膜とは、アルミニウムを主成分とする導電膜のヒロック抑制や、耐熱性を高める機能を有するものを指す。このような機能を有する材料としては、クロム、タンタル、タングステン、モリブデン、チタン、シリコン、ニッケルまたはこれらの窒化物からなるものが挙げられる。
例えば、導電膜734〜737の構造の一例として、基板側から順にチタン膜、アルミニウム膜、チタン膜を順に積層する構造が挙げられる。チタン膜は、還元性の高い元素であるため、結晶質半導体膜上に薄い自然酸化膜ができていたとしても、この自然酸化膜を還元し、結晶質半導体膜と良好なコンタクトをとることができる。また、結晶質半導体膜とアルミニウム膜との間に形成されるチタン膜に対して、窒素を含む雰囲気中で高密度プラズマ処理を行い、表面を窒化することが好ましい。窒素を含む雰囲気としては、NもしくはNHと、希ガスとの混合ガス、または、NもしくはNHと、希ガスと、Hとの混合ガスを用いればよい。チタン膜の表面を窒化することにより、後の加熱処理の工程などでチタンとアルミニウムが合金化することを防ぎ、チタン膜を突き破って結晶質半導体膜中にアルミニウムが拡散することを防止することができる。なお、ここではアルミニウム膜をチタン膜で挟み込む例について説明したが、チタン膜に変えてクロム膜、タングステン膜などを用いた場合にも同じことが言える。さらに好ましくは、マルチチャンバー装置を用いて、チタン膜の成膜、チタン膜表面の窒化処理、アルミニウム膜の成膜、チタン膜の成膜を大気に曝すことなく連続して行う。
次に、導電膜734〜737を覆うように、絶縁膜738を0.75〜3μmの厚さに形成する。絶縁膜738は、CVD法やSOG法、液滴吐出法等を用いて、無機材料または有機材料により、単層または積層で形成する。具体的には、絶縁膜731〜733の材料として挙げたものを用いることができるが、好ましくは感光性ポリベンズオキサゾールに代表されるオキサゾール樹脂(有機材料の一種)を用いるとよい。感光性ポリベンズオキサゾールは、誘電率が低い(常温1MHzで誘電率2.9)、耐熱性が高い(示差熱天秤(TGA:thermal gravity analysis)昇温5℃/minで熱分解温度550℃)、吸水率が低い(常温24時間で0.3%)といった特徴を有する材料である。例えば、ポリイミドに比較して感光性ポリベンズオキサゾールは誘電率が低いので、層間絶縁膜として用いるのに好ましい。
次に、フォトリソグラフィ法により絶縁膜738をエッチングして、導電膜737を露出させるコンタクトホールを形成する(図9(A))。続いて、絶縁膜738の上面及びコンタクトホールを充填するように、アンテナとして機能する導電膜739を形成する(図9(B))。導電膜739は、単層構造に限定されず、積層構造としてもよい。
ここで、アンテナとして機能する導電膜739の形状に関して説明する。アンテナを有し、非接触データのやりとりが可能である半導体装置(無線チップ)における信号の伝送方式は、実施者が使用用途を考慮して適宜選択すればよく、伝送方式に伴って最適な形状のアンテナを適宜設ければよい。なお、伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式またはマイクロ波方式等を用いることができる。
例えば、半導体装置における信号の伝送方式として、電磁結合方式または電磁誘導方式(例えば13.56MHz帯)を適用する場合には、磁界密度の変化による電磁誘導を利用するため、アンテナとして機能する導電膜を輪状(例えば、ループアンテナ)、らせん状に形成する。
半導体装置における信号の伝送方式として、マイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電磁波の波長を考慮してアンテナとして機能する導電層の長さ等の形状を適宜設定すればよい。例えば、導電膜739を線状(例えば、ダイポールアンテナ)、平坦な形状(例えば、パッチアンテナ)に形成することができる。また、導電膜739の形状は直線状に限られず、電磁波の波長を考慮して曲線状や蛇行形状またはこれらを組み合わせた形状でもよい。
次に、アンテナとして機能する導電膜739の形成方法と材料に関して説明する。導電膜739の形成方法としては、CVD法、スパッタ法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサー法、メッキ法等を用いることができる。また、導電膜739の材料としては、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料を用いることができる。また、はんだ(好ましくは鉛フリーのはんだ)を主成分とする微粒子を用いてもよく、この場合は粒径20μm以下の微粒子を用いることが好ましい。はんだは、低コストであるという利点を有している。また、セラミックやフェライトなどをアンテナに適用することも可能である。
例えば、スクリーン印刷法を用いて導電膜739を形成する場合には、粒径が数nmから数十μmの導電体粒子を有機樹脂に溶解または分散させた導電性のペーストを選択的に印刷することによって設けることができる。導電体粒子としては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、 パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、及びチタン(Ti)のいずれか一つ以上の金属粒子やハロゲン化銀の微粒子、または分散性ナノ粒子を用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、金属粒子のバインダー、溶媒、分散剤および被覆材として機能する有機樹脂から選ばれた一つまたは複数を用いることができる。代表的には、エポキシ樹脂、珪素樹脂等の有機樹脂が挙げられる。また、導電膜739の形成にあたり、導電性ペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、導電性ペーストの材料として、銀を主成分とする微粒子(例えば、粒径1nm以上100nm以下)を用いる場合、150〜300度の温度範囲で焼成して硬化させることにより、導電膜739を形成することができる。
また、電磁結合方式または電磁誘導方式を適用する場合であって、アンテナを有する半導体装置(RFID)を金属に接して設ける場合には、当該半導体装置と金属との間に透磁率を備えた磁性材料を設けることが好ましい。アンテナを備えた半導体装置を金属に接して設ける場合には、磁界の変化に伴い金属に渦電流が流れ、当該渦電流により磁界の変化が弱められて通信距離が低下する。そのため、半導体装置と金属との間に透磁率を備えた材料を設けることにより金属の渦電流を抑制し通信距離の低下を抑制することができる。なお、磁性材料としては、高い透磁率を有し高周波損失の少ないフェライトや金属薄膜を用いることができる。
以上の工程を経て、溝12が形成された領域内に素子が配置された素子層が形成される。このとき、溝12が形成された領域内に素子が配置されるとともに、素子の側面には基板11の一部が存在することになる。そして、この基板11の一部が、後に基板11を研削、研磨をする際に強度を確保する役割を果たす。素子層を形成した後の工程については、実施の形態1で説明した方法を適用して半導体装置を形成することができるので、ここでは説明を省略する。
以上説明したように、本発明は、基板11上に形成した溝12の中に被転置層853を形成し、溝12の底面(すなわち、下地膜13の底面)が露出されるまで基板を研削,研磨し、被転置層853を転置することで半導体装置を形成している。このように本発明を用いることにより、従来より薄型の半導体装置を提供することができる。
本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。つまり、上記実施の形態で示した材料や形成方法は、本実施の形態でも利用することができるし、本実施の形態で示した材料や形成方法は上記実施の形態でも利用することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態2で説明したものとは別の半導体装置の作製方法について、図面を参照して説明する。
実施の形態2では、素子層の一部としてアンテナ(導電膜739)が形成された構造について説明したが、本実施の形態では、アンテナが設けられた基材を別に用意し、当該アンテナが設けられた基材と、積層フィルム上に形成された被転置層とが貼り合わされた構造について説明する。
まず、実施の形態2で説明した工程に従い、導電膜734〜737を覆って絶縁膜738を形成する(図10(A))。なお、図10(A)に示す導電膜734は、実施の形態1(図8(B))で示す導電膜734と形状が違っているが、材料については同様のものを用いればよいため、ここでは同じ符号を用いている。
次に、導電膜734、737を露出させるようにコンタクトホールを形成した後、絶縁膜738の上面及びコンタクトホールを充填するように導電膜851、852(「パッド」と呼ぶこともできる。)を形成する(図10(B))。導電膜851、852は、実施の形態2における導電膜739で説明したものと同じものを適宜用いることができる。また、導電膜851、852は、単層構造に限定されず、積層構造としてもよい。以上の工程により、素子層が形成される。
次に、実施の形態1で説明した工程に従い、基板11の研削、研磨を行って被転置層853(図4(B)における被転置層15に相当)を複数形成した後、当該複数の被転置層853の一方の面に第1の積層フィルム61を接着させることにより、複数の被転置層853を第1の積層フィルム61に転置する(図4(B))。
次に、第1の積層フィルム61を切断することにより、複数の被転置層853を各々分断する(図11)。続いて、アンテナ862、863が設けられた基材861と、1つの被転置層853が設けられた積層フィルムとを貼り合わせる(図12)。
図12においては、貼り合わせの手段として、異方性導電材料を用いている。異方性導電材料は、導電性の粒子865と流動体を有しており、流動体は、焼成して硬化させることにより、接着剤層864となる。アンテナ862、863は、導電性の粒子865の圧着により、それぞれ導電膜851、852(パッド)と導通をとることができる。また、導電膜851、852は、アンテナ862、863と被転置層853の内部に形成された素子(例えば、薄膜トランジスタ)とを電気的に接続するための配線として機能している。なお、アンテナ862、863と導電膜851、852との接続部以外の領域では、導電性の粒子865が十分な間隔を保っているため、電気的に接続されることはない。なお、貼り合わせの手段としては、異方性導電材料の他に、金属と金属を超音波によって接合する方法(「超音波接合」と呼ぶ。)、紫外線硬化樹脂または両面テープ等を用いて貼り合わせることもできる。
以上の工程を経て半導体装置(チップ)が完成される。なお、基材上に設けられたアンテナと、積層フィルム上に形成された被転置層とが貼り合わされた段階でも半導体装置として機能するが、半導体装置の長期信頼性を考慮してフィルム封止をしておくことが好ましい。
以上説明したように、本発明は、基板上に形成した溝の中に被転置層を形成し、溝の底面が露出されるまで基板を研削,研磨しているため、従来より薄型の半導体装置を提供することができる。
本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。つまり、上記実施の形態で示した材料や形成方法は、本実施の形態でも利用することができるし、本実施の形態で示した材料や形成方法は上記実施の形態でも利用することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態3で説明した工程に従って作製される積層フィルム上に形成された被転置層と、様々な形状のアンテナが設けられた基材とが貼り合わされた半導体装置の構造について説明する。
アンテナの取りうる形状の一つとしてダイポールアンテナが用いられた半導体装置の構造について、図13を用いながら説明する。図13(A)は、半導体装置の上面図、図13(B)は図13(A)においてA−B間で切断したときの断面図である。
積層フィルム上に形成された被転置層871の内部に形成された素子は、基材873上に設けられたダイポールアンテナ872と電気的に接続されている。被転置層871の内部に形成された素子とダイポールアンテナ872とを電気的に接続する方法は、異方性導電材料を用いる方法に限定されず、導電性接着剤を用いる方法やTAB(Tape Automated Bonding)方式などを用いてもよい。なお、ダイポールアンテナ872は、被転置層871の内部に形成された素子と導通をとる箇所以外の領域の表面において、メッキ処理されていることが好ましい。ダイポールアンテナ872の表面がメッキ処理されていることにより、アンテナの劣化を抑制することができる。
また、必要に応じて被転置層871及び基材873を、2枚の積層フィルムを用いて封止することが好ましい。封止することで、半導体装置の長期信頼性を向上させることができる。
アンテナの取りうる形状の一つとしてル−プアンテナが用いられた半導体装置の構造について、図14を用いながら説明する。図14(A)は、半導体装置の上面図、図14(B)は図14(A)においてA−B間で切断したときの断面図である。
積層フィルム上に形成された被転置層881の内部に形成された素子は、基材883上に設けられたループアンテナ882と電気的に接続されている。なお、ループアンテナ882の幅は一様であることが好ましい。また、ループアンテナ882の形状は、図14(A)のように曲げの部分において三角形状の切り欠きを有する形状とすると、電流が流れやすいため好ましい。また、曲げの部分において曲率(丸みを帯びた形状)を有する形状としても同様の効果を得ることができる。さらに、必要に応じて被転置層881の内部に形成された素子及び基材883を、2枚の積層フィルムを用いて封止することが好ましい。
アンテナの取りうる形状の一つとしてパッチアンテナが用いられた半導体装置の構造について、図15を用いながら説明する。図15(A)は、半導体装置の上面図、図15(B)は図15(A)においてA−B間で切断したときの断面図である。
積層フィルム上に形成された被転置層891の内部に形成された素子は、基材893上に設けられたパッチアンテナ351と電気的に接続されている。また、必要に応じて被転置層891の内部に形成された素子及び基材893を、2枚の積層フィルムを用いて封止することが好ましい。
以上説明したように、本発明は、基板上に形成した溝の中に被転置層を形成し、溝の底面が露出されるまで基板を研削,研磨しているため、従来より薄型の半導体装置を提供することができる。
本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。すなわち、本実施の形態で用いるアンテナの材料や被転置層の構造などは、上述した実施の形態で説明したものを自由に用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明を用いて作製した従来より薄型の半導体装置を非接触でデータの送受信が可能であるRFIDタグとして利用した場合の一実施形態に関して図16を用いて説明する。
RFIDタグ2020は、非接触でデータを交信する機能を有し、電源回路2011、クロック発生回路2012、データ復調/変調回路2013、他の回路を制御する制御回路2014、インターフェース回路2015、メモリ2016、データバス2017、アンテナ(アンテナコイル)2018を有する(図16(A))。
電源回路2011は、アンテナ2018から入力された交流信号を基に、半導体装置の内部の各回路に供給する各種電源を生成する回路である。クロック発生回路2012は、アンテナ2018から入力された交流信号を基に、半導体装置内の各回路に供給する各種クロック信号を生成する回路である。データ復調/変調回路2013は、リーダライタ2019と交信するデータを復調/変調する機能を有する。制御回路2014は、メモリ2016を制御する機能を有する。アンテナ2018は、電磁波の送受信を行う機能を有する。リーダライタ2019は、半導体装置との交信、制御及びそのデータに関する処理を制御する。なお、RFIDタグは上記構成に制約されず、例えば、電源電圧のリミッタ回路や暗号処理専用ハードウエアといった他の要素を追加した構成であってもよい。
また、RFIDタグは、各回路への電源電圧の供給を、電源(バッテリ)を用いず電波により行うタイプとしてもよいし、電波を用いずに電源(バッテリ)を用いて行うタイプとしてもよいし、電波と電源により各回路へ電源電圧を供給するタイプとしてもよい。
本発明の半導体装置をRFIDタグ等に利用した場合、非接触で通信を行う点、複数読取りが可能である点、データの書き込みが可能である点、様々な形状に加工可能である点、選択する周波数によっては指向性が広く、認識範囲が広い点等の利点を有する。RFIDタグは、非接触による無線通信で人や物の個々の情報を識別可能なICタグ、ラベル加工を施して目標物への貼り付けを可能としたラベル、イベントやアミューズメント向けのリストバンド等に適用することができる。また、RFIDタグを樹脂材料により成型加工してもよいし、無線通信を阻害する金属に直接固定してもよい。さらに、RFIDタグは、入退室管理システムや精算システム、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disc)、HD DVD(High Definition DVD)、ブルーレイディスク(Blu―ray Disk)の貸し出しシステムといった、システムの運用に活用することができる。
次に、本発明の半導体装置をRFIDタグとして実際に使用するときの一形態について説明する。表示部2031を含む携帯端末の側面には、リーダライタ2030が設けられ、品物2032の側面にはRFIDタグ2033が設けられる(図16(B))。本発明により作製されたRFIDタグ2033は、水分や汚染原因となる物質が侵入することを抑制することができ、化学的及び物理的な強度に優れ、耐環境性にも優れたものである。品物2032に設けられたRFIDタグ2033にリーダライタ2030をかざすと、表示部2031に品物の原材料や原産地、生産工程ごとの検査結果や流通過程の履歴等、更に商品の説明等の商品に関する情報が表示される。また、商品2036をベルトコンベアにより搬送する際に、リーダライタ2034と、商品2036に設けられたRFIDタグ2035を用いて、該商品2036の検品を行うことができる(図16(C))。このように、本発明により作製されたRFIDタグをシステムとして活用することで、情報の取得を簡単に行い、高機能化と高付加価値化を低コストで実現することができる。
本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
(実施の形態6)
本発明の半導体装置は、RFIDタグとして利用できる。例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類、包装用容器類、書籍類、記録媒体、身の回り品、乗物類、食品類、衣類、保健用品類、生活用品類、薬品類及び電子機器等に設けて使用することができる。これらの具体例に関して図17を用いて説明する。なお、RFIDタグは図17において2720で示す。本発明により作製されたRFIDタグは可撓性を有し、従来より薄型であるため、上記の様々な形状を有する物品に対してデザイン性を損なうことなく貼り付ける(埋め込む)ことができる。
紙幣、硬貨とは、市場に流通する金銭であり、特定の地域で貨幣と同じように通用するもの(金券)、記念コイン等を含む。有価証券類とは、小切手、証券、約束手形等を指す(図17(A))。証書類とは、運転免許証、住民票等を指す(図17(B))。無記名債券類とは、切手、おこめ券、各種ギフト券等を指す(図17(C))。包装用容器類とは、お弁当等の包装紙、ペットボトル等を指す(図17(D))。書籍類とは、書物、本等を指す(図17(E))。記録媒体とは、DVD(digital versatile disc)やHD DVD(High Definition DVD)、ブルーレイディスク(Blu―ray Disk)、ビデオテープ等を指す(図17(F))。乗物類とは、自転車等の車両、船舶等を指す(図17(G))。身の回り品とは、鞄、眼鏡等を指す(図17(H))。食品類とは、食料品、飲料等を指す。衣類とは、衣服、履物等を指す。保健用品類とは、医療器具、健康器具等を指す。生活用品類とは、家具、照明器具等を指す。薬品類とは、医薬品、農薬等を指す。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(テレビ受像機、薄型テレビ受像機)、携帯電話機等を指す。
紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類等にRFIDタグを設けることにより、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、書籍類、記録媒体等、身の回り品、食品類、生活用品類、電子機器等にRFIDタグを設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。乗物類、保健用品類、薬品類等にRFIDタグを設けることにより、偽造や盗難の防止、薬品類ならば、薬の服用の間違いを防止することができる。RFIDタグの設け方としては、物品の表面に貼ったり、物品に埋め込んだりして設ける。例えば、本ならば紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりするとよい。
このように、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等にRFIDタグを設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。また乗物類にRFIDタグを設けることにより、偽造や盗難を防止することができる。また、動物等の生き物に埋め込むことによって、個々の生き物の識別を容易に行うことができる。例えば、家畜等の生き物にRFIDタグを埋め込むことによって、生まれた年や性別または種類等を容易に識別することが可能となる。
以上のように、本発明の半導体装置は物品であればどのようなものにでも設けて使用することができる。本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
本発明の半導体装置の作製方法を示す図(実施の形態1)。 本発明の半導体装置の作製方法を示す図(実施の形態1)。 本発明の半導体装置の作製方法を示す図(実施の形態1)。 本発明の半導体装置の作製方法を示す図(実施の形態1)。 本発明の半導体装置の作製方法を示す図(実施の形態2)。 本発明の半導体装置の作製方法を示す図(実施の形態2)。 本発明の半導体装置の作製方法を示す図(実施の形態2)。 本発明の半導体装置の作製方法を示す図(実施の形態2)。 本発明の半導体装置の作製方法を示す図(実施の形態2)。 本発明の半導体装置の作製方法を示す図(実施の形態3)。 本発明の半導体装置の作製方法を示す図(実施の形態3)。 本発明の半導体装置の作製方法を示す図(実施の形態3)。 本発明の半導体装置を示す図(実施の形態4)。 本発明の半導体装置を示す図(実施の形態4)。 本発明の半導体装置を示す図(実施の形態4)。 本発明の半導体装置の利用方法を示す図(実施の形態5)。 本発明の半導体装置の利用方法を示す図(実施の形態6)。
符号の説明
11 基板
12 溝
13 下地膜
14 素子層
15 被転置層
16 半導体装置
61 第1の積層フィルム
62 第2の積層フィルム

Claims (11)

  1. 基板の一方の面に所定の大きさの溝を形成し、
    前記溝に素子が配置されるように、前記溝が形成された基板の一方の面上に素子層を形成し、
    前記溝に設けられた素子層の一方の面が露出されるまで前記基板を薄型化して、前記素子を有する被転置層を形成し、
    前記被転置層の一方の面にフィルムを接着させることにより、前記被転置層を選択的に前記フィルムに転置することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. ガラス基板の一方の面に所定の大きさの溝を形成し、
    前記溝が形成されたガラス基板の一方の面上に下地層を形成し、
    前記溝に素子が配置されるように、前記下地層の一方の面上に素子層を形成し、
    前記溝に設けられた下地層の他方の面が露出されるまで前記ガラス基板を薄型化して、前記素子を有する被転置層を形成し、
    前記被転置層の一方の面にフィルムを接着させることにより、前記被転置層を選択的に前記フィルムに転置することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. ガラス基板の一方の面に所定の大きさの溝を形成し、
    前記溝が形成されたガラス基板の一方の面上に保護層を形成し、
    前記保護層の一方の面上に下地層を形成し、
    前記溝に素子が配置されるように、前記下地層の一方の面上に素子層を形成し、
    前記溝に設けられた保護層の他方の面が露出されるまで前記ガラス基板を薄型化して、前記素子を有する被転置層を形成し、
    前記被転置層の一方の面にフィルムを接着させることにより、前記被転置層を選択的に前記フィルムに転置することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 請求項1において、前記基板として、ガラス基板またはシリコン基板を用いることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 請求項3において、前記保護層を、前記ガラス基板の一方の面に対して窒素を含む雰囲気下でプラズマ処理を行うことにより形成し、前記プラズマ処理におけるプラズマの電子密度は1×10 11 cm −3 以上1×10 13 cm −3 以下であり、かつ電子温度は0.5eV以上1.5eV以下であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一において、前記溝を逆テーパー状に形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  7. 請求項1乃至のいずれか一において、前記溝の深さは2μm以上100μm以下であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  8. 請求項1乃至のいずれか一において、前記溝の開口部は正方形の形状であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  9. 請求項において、前記正方形の一辺の長さは、0.5mm以上25mm以下であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  10. 請求項1乃至のいずれか一において、前記素子は、薄膜トランジスタ、ダイオード、または抵抗であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一において、前記被転置層はアンテナを有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
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