本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の半導体装置の一構成例に関して図面を参照して説明する。
図1に示す半導体装置は、基板100の表面上に第1の絶縁膜103を介してトランジスタ107、第2の絶縁膜104等を有する素子形成層101が設けられ、第2の絶縁膜104上にアンテナとして機能する導電膜102が設けられている。図1では、導電膜102は、少なくとも第2の絶縁膜104および第3の絶縁膜105に接するように設けられている。
第3の絶縁膜105は、第2の絶縁膜104上に設けられており、断面が凹型形状を有する溝140を有している。溝140は、第3の絶縁膜105を貫通させて第2の絶縁膜104が露出するように設けてもよいし、第3の絶縁膜105を貫通させずに凹ませて設けてもよい。ここでは、第3の絶縁膜105を貫通させて溝140を設けた例を示す。
導電膜102は、溝140によって露出した第2の絶縁膜104の表面と溝140における第3の絶縁膜105の端部を覆うように設けられている。この場合、導電膜102は第3の絶縁膜105の表面の一部と溝140における第3の絶縁膜105の側面に接している。なお、必ずしも第3の絶縁膜の表面に導電膜102が設ける必要はなく、第2の絶縁膜104と溝140における第3の絶縁膜105の側面に接するように設けることも可能である。また、基板の表面に垂直な方向から見た場合に、第3の絶縁膜105に形成された溝140は少なくとも一部がコイル状に形成されている。
また、図1では、導電膜102を覆うように保護膜として機能する第4の絶縁膜106が設けられている。この場合、導電膜102の凹みの部分にも第4の絶縁膜106が設けられている。図1(A)は本実施の形態で示す半導体装置の上面図を表し、図1(B)は図1(A)におけるa−b間の断面図を表している。なお、図1においては、説明の都合上、複数のトランジスタ107上にアンテナとして機能する導電膜102を同等の大きさで示しているが、実際には、トランジスタ107と比較して導電膜102の方が各段に大きく設けられている。
基板100として、バリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、セラミック基板等を用いることができる。また、ステンレスを含む金属基板または半導体基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。他にも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を用いることも可能である。可撓性を有する基板を用いることによって、半導体装置を曲げることが可能となる。
第1の絶縁膜103として、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜の単層構造、またはこれらの積層構造を用いることができる。また、基板100として可撓性基板等を用いる場合であって、素子形成層101を基板100に貼り合わせて設ける際には、第1の絶縁膜103に酸化珪素、窒化珪素または酸化窒化珪素の他に接着層が含まれていてもよい。接着層としては、アクリル樹脂等を含んだ樹脂材料または合成ゴム材料からなる材料、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、エポキシ樹脂系接着剤、光硬化型接着剤、湿気硬化型接着剤、樹脂添加剤等の接着剤が挙げられる。なお、基板100からトランジスタ107等への汚染等の恐れがない場合には、第1の絶縁膜103は必ずしも設ける必要はない。
第2の絶縁膜104、第3の絶縁膜105、第4の絶縁膜106としては、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素等の酸素または窒素を有する絶縁膜やポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル、エポキシ等の有機材料、シロキサン系材料等を用いることにより単層又は積層構造として設けることができる。なお、シロキサン系材料とは、シリコンと酸素との結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む物質、又は、シリコンと酸素との結合で骨格構造が構成され、置換基にフッ素、アルキル基、芳香族炭化水素の少なくとも1つを含む物質に相当する。
素子形成層101は、少なくともトランジスタ107を有している。トランジスタ107としては、例えば、ガラス等の基板上に薄膜トランジスタ(TFT)を形成して設けてもよいし、Si等の半導体基板上に当該基板をチャネルとして電界効果型トランジスタ(FET)を設けてもよいし、可撓性を有する基板上に有機TFTを設けてもよい。また、トランジスタ107によって、CPU、メモリまたはマイクロプロセッサ等のありとあらゆる集積回路を設けることができる。図1では、トランジスタ107として薄膜トランジスタを設けた例を示している。また、トランジスタ107の構造として、nチャネル型半導体とpチャネル型半導体とを組み合わせたCMOSとして設けている。また、半導体膜に不純物領域(ソース領域、ドレイン領域、LDD領域を含む)設け、ゲート電極の側面と接するように絶縁膜(サイドウォール)を設けている。実施の形態1では、nチャネル型の半導体膜にLDDを形成し、pチャネル型の半導体膜にはLDDを設けていない例を示しているが、もちろんpチャネル型の半導体膜にもnチャネル型半導体膜と同様にLDD領域を設けてもよい。また、ソース領域およびドレイン領域とゲート電極の一方または両方に、ニッケル、モリブデンまたはコバルト等のシリサイド層を形成してもよい。
導電膜102としては、スパッタ法、CVD法等で形成された銅(Cu)、アルミニウム(Al)や銀(Ag)や金(Au)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、炭素(C)等の金属や金属化合物を1つまたは複数有する導電材料を用いることができる。
図1では、第2の絶縁膜104上に断面が凹型形状の溝140を有する第3の絶縁膜105を形成し、溝140における第2の絶縁膜104の表面と第3の絶縁膜105の側面に沿うように導電膜102を設けている。ここでは、スパッタ法またはCVD法で導電膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ法により選択的にエッチングを行うことにより形成することができる。このように導電膜102を設ける(図1(D))ことにより、平坦な面上に導電膜を断面が矩形状になるように設ける場合(図1(C))と比較して、導電膜102の断面積および表面積を大きくすることができる。つまり、第2の絶縁膜104上に導電膜102を設けた場合(図1(C))は、導電膜102の断面は矩形状となる。一方、第3の絶縁膜105に断面が凹型形状の溝140を設け、当該溝140に沿って導電膜102を形成することによって、導電膜102は断面が凹型形状を有するようになる。そのため、第3の絶縁膜105に設けられた凹型形状の溝140に沿うように導電膜102を設けた場合(図1(D))は、図1(C)と比較して第3の絶縁膜105の側面に接する部分108だけ断面積および表面積が大きくなる。このように、アンテナとして機能する導電膜の断面積および表面積が増加することによって、非接触でデータのやりとりを行う場合に、半導体装置と外部機器(リーダ/ライタ)との通信距離や通信帯域を向上させることが可能となる。また、アンテナとして機能する導電膜と絶縁膜との接触面積が増加することにより密着性の向上を図ることができる。
また、図1においては、第2の絶縁膜104上に溝140を有する第3の絶縁膜105を設け、第2の絶縁膜104と第3の絶縁膜105上に選択的に導電膜102を設けているが、本実施の形態で示す半導体装置はこの構造に限られない。他の構造を有する半導体装置の具体例を図2に示す。
図2(A)に示す半導体装置は、第2の絶縁膜104上に断面が凹型形状の溝を有する第3の絶縁膜105が設けられ、当該溝に沿うように導電膜102が設けられている(領域251)。具体的には、第3の絶縁膜105に設けられた溝は貫通しておらず、導電膜102は、第3の絶縁膜105のみに接触しており、第3の絶縁膜105の凹んだ表面と凹みの端部を覆うように導電膜102が設けられている。第3の絶縁膜105の凹部は、第2の絶縁膜104上に第3の絶縁膜を設けた後に、凹ませる部分を選択的にエッチングすることにより設けることができる。この時エッチング条件を制御することによって任意の形状の凹部を形成することができる。また、他にも第2の絶縁膜104上に第3の絶縁膜105を設けた後に、第3の絶縁膜105および第2の絶縁膜104に凹部を形成し、導電膜102を設ける構成としてもよい(領域252)。
図2(B)に示す半導体装置は、第2の絶縁膜104上に、第3の絶縁膜105の角253を湾曲させることによって、断面がテーパー状の溝を有する第3の絶縁膜105を設け、当該溝における第2の絶縁膜104の表面と第3の絶縁膜105のテーパー部を覆うように導電膜102が設けられている。つまり、図2(B)は図1における第3の絶縁膜105の溝140の断面をテーパー状に設けた場合に相当する。第3の絶縁膜105の溝140の断面をテーパー状に設けることによって、導電膜102を設けた際に深さ方向における導電膜102の段切れを防止することができる。
図2(C)に示す半導体装置は、図1(B)の構造において第2の絶縁膜104上に設ける第3の絶縁膜105に形成される凹部の数を2倍に増やし、導電膜102が凹凸状に設けられている。つまり第3の絶縁膜105の溝140を増やして当該溝に導電膜102を設けることによって、導電膜102の断面積および表面積をより大きくすることができる。また、ここでは凹部の数を2倍としたが、もちろんさらに増やして形成することも可能である。
図2(D)に示す半導体装置は、図2(C)における導電膜102を上下逆に配置した場合を示している。このように、導電膜102を凹凸状に設けることによって、一定の領域における導電膜102の断面積および表面積を大きくすることができる。
なお、図2(B)〜(D)においても図2(A)と同様に設けることもできる。つまり、図2(B)〜(D)では、第2の絶縁膜104を露出させるように溝を設けているが、第3の絶縁膜105の溝部分を完全に貫通させずに断面が凹型形状の溝を設け、第3の絶縁膜105のみに接触するように導電膜102を設ける構成とすることも可能である。他にも、図2(A)の領域252に示したように、第2の絶縁膜104に断面が凹型形状の溝を設ける構成とすることもできる。
また、図1、図2に示した半導体装置においては、第2の絶縁膜104上に第3の絶縁膜105が設けられているが、第2の絶縁膜104を設けずにトランジスタ107のソースまたはドレイン配線上に第3の絶縁膜105を設けることも可能である。この場合、第3の絶縁膜105に設けられる溝は貫通させて設けてもよいし、貫通させずに設けてもよい。貫通させて設ける場合には、導電膜102をトランジスタ107のソースまたはドレイン配線と同一の層に設けることが可能となる。この場合、導電膜102とソースまたはドレイン配線とを同一の材料で形成することにより工程を簡略化することができる。
図1では、半導体装置の小型化を図るために、素子形成層101と導電膜102の少なくとも一部が重なるように配置されているが、本実施の形態で示す半導体装置はこの構成に限られず、素子形成層101と導電膜102は重ならないように配置しても良い。また、図1、図2では、電磁結合方式または電磁誘導方式の場合に関して示したが、上述した構成はマイクロ波方式を用いる半導体装置に適用することも可能である。この場合の具体例を図3に示す。
一般的に、電磁結合方式や電磁誘導方式を用いる半導体装置のアンテナはコイル状に設ける必要があるが、マイクロ波方式を用いる半導体装置のアンテナの形状は受信する電磁波に依存する。ここでは、説明を簡単にするために単純な構造であるポール状のアンテナを用いた場合を示す(図3)。
図3(A)において、基板100上に素子形成層111が設けられており、素子形成層111と接続するようにアンテナとして機能する導電膜112a、112bが設けられている。図3(A)におけるa−b間とc−d間の断面構造をそれぞれ図3(B)、(C)に示す。
基板100上に第1の絶縁膜103を介してトランジスタ107等を有する素子形成層111が設けられ、素子形成層111の上方に第2の絶縁膜104を介してアンテナとして機能する導電膜112a、112bが設けられている(図3(B)、(C))。導電膜112a、112bは、第2の絶縁膜104上に選択的に設けられた第3の絶縁膜105の端部を覆うように第2の絶縁膜104上および第3の絶縁膜105上に設けられており、素子形成層111のいずれかのトランジスタと電気的に接続している。ここでは、第3の絶縁膜105は開口部を有しており、導電膜112a、112bが第3の絶縁膜の側面と接するように設けられている。また、導電膜112a、112bを覆うように第4の絶縁膜106が設けられている。
アンテナとして機能する導電膜112a、112bは、第2の絶縁膜104上および第3の絶縁膜105の端部を覆うように設けられている。また、導電膜112a、112bは、上述した導電膜102と同一の方法や材料を用いて形成することができる。
また、上記図1〜3において、アンテナとして機能する導電膜102、またはアンテナとして機能する導電膜112aおよび112bの断面積を増やしたい場合には、導電膜102の凹部に選択的に導電体を設けることが好ましい。例えば、図16(A)に示すように、液滴吐出法を用いてノズル145から導電性を有する組成物146を選択的に導電膜102の凹部に設けることによって断面積を増やすことができる。導電性を有する組成物146としては、Ag、Au、Cu、Pdなどの金属、金属化合物を1つまたは複数有する導電材料を用いる。なお、分散剤により凝集を抑え、溶液に分散させることができるならば、Cr、Mo、Ti、Ta、W、Alなどの金属、金属化合物を1つまたは複数有する導電材料を用いることも可能である。また、他にも、スクリーン印刷法やディスペンサー法を用いて選択的に導電性を有する組成物146を導電膜102の凹部に形成してもよい。その結果、アンテナとして機能する導電膜の断面積は導電膜102と導電体147を合わせたものとなるため、断面積を増加することができる(図16(B))。この場合、第2の絶縁膜104上に形成される導電膜と第3の絶縁膜105上に形成される導電膜の厚さが異なっている。
以上のように、アンテナとして機能する導電膜の断面積および表面積を増やすように半導体装置を設けることによって、当該半導体装置の通信距離や通信帯域を向上させることが可能となる。また、アンテナとして機能する導電膜と絶縁膜との接触面積が増加することにより密着性の向上を図ることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態で示した半導体装置の作製方法の一例を図面を用いて説明する。本実施の形態では、素子形成層およびアンテナを一旦ガラス等の剛性を有する基板上に設けた後に、剛性を有する基板から素子形成層やアンテナを剥離し、可撓性を有する基板上に設ける場合に関して示す。
まず、基板200上に下地となる絶縁膜201を形成し、その上に剥離層202を設け、剥離層202上に絶縁膜203、半導体膜204を積層して設ける(図4(A))。下地となる絶縁膜201は、基板200から剥離層202への汚染を防止するために設けているが、基板200からの汚染等の恐れがない場合には絶縁膜201を必ずしも設ける必要はない。また、ここでは絶縁膜201、剥離層202、絶縁膜203および半導体膜204を真空工程で行う場合に連続して成膜することが可能である。
次に、半導体膜204を選択的にエッチングすることによって島状の半導体膜を複数設け、当該島状の半導体膜上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成することによって薄膜トランジスタ205を複数設ける(図4(B))。
次に、薄膜トランジスタ205を覆うように絶縁膜206を形成し、さらに平坦化を図るために絶縁膜207を形成する。次に、絶縁膜206、絶縁膜207に選択的に開口部を設け、薄膜トランジスタ205のソース領域およびドレイン領域と電気的に接続するように導電膜208を設け、その後、導電膜208を覆うように絶縁膜209を形成する(図4(C))。
次に、絶縁膜209上に選択的に絶縁膜210を設ける(図4(D))。絶縁膜210は、溝218を有しており、絶縁膜209上の全面に絶縁膜210を形成した後にフォトリソグラフィ法により溝218を形成してもよいし、絶縁膜209上にスクリーン印刷等の印刷法や液滴吐出法を用いることによって選択的に絶縁膜210を形成することによって溝218を設けてもよい。印刷法や液滴吐出法等を用いることによって作製工程を減らすことができる。なお、絶縁膜210の溝218は、上記実施の形態で示したいずれかの構造を用いることが可能である。
次に、絶縁膜209および絶縁膜210を覆うように導電膜211を形成する(図5(A))。ここでは、導電膜211は、絶縁膜210が有する溝218によって露出している絶縁膜209の表面と絶縁膜210の側面および表面に接して設けられている。なお、導電膜211の溝218における段切れを防止するために、絶縁膜210の角を湾曲するように形成することにより溝218をテーパー状に設けることが好ましい。
次に、導電膜211を選択的にエッチングすることにより導電膜212を形成し、その後、導電膜212を覆うように絶縁膜213を形成する(図5(B))。
次に、選択的に絶縁膜203、206、207、209、210、213を除去することにより、剥離層202を露出させるように開口部214を形成する(図5(D))。なお、開口部214は、薄膜トランジスタ205を避けた領域に設けるようにする。開口部214は、レーザ光の照射やフォトリソグラフィ法により形成することができる。
次に、開口部214からエッチング剤215を導入することによって剥離層202を除去する(図5(D))。剥離層202は全て除去してもよいし、エッチングの条件を制御することによって剥離層202の一部を残すように除去してもよい。剥離層202の一部を残すことによって、剥離層202を除去した後も素子形成層219等が基板200から完全に剥離せずにバラバラになることを防ぐことができる。さらに、エッチング時間の短縮やエッチング剤の低減させることができるため作業効率の向上および低コスト化を図ることができる。
次に、絶縁膜213に粘着性を有する基板216を貼り合わせて設け、素子形成層219を基板200から剥離させる(図6(A))。ここでは、基板200と素子形成層219における絶縁膜203とが、一部残存した剥離層によってつながっているため、物理的手段を用いて基板200から素子形成層219等を剥離させる。
なお、ここでは、エッチング剤215を用いて剥離層202を除去する例を示したが、必ずしも剥離層202をエッチング剤により除去する必要はない。つまり、開口部214を形成後に素子形成層219と剥離層202との密着性が十分でない場合には、物理的手段を用いて基板200から素子形成層219を剥離することができる。この場合、エッチング剤を用いる必要がないため、工程の短縮化やコストを低減することが可能となる。
次に、絶縁膜203の表面に可撓性を有する基板217を貼り合わせて設ける(図6(B))。
以上の工程によって、可撓性を有する基板上に素子形成層やアンテナ等を有する半導体装置を設けることができる。以下に、上記工程において用いる材料等の具体的な説明を行う。
基板200としては、ガラス基板、石英基板、金属基板やステンレス基板の一表面に絶縁膜を形成したもの等を用いることができる。このような基板であれば、その面積や形状に大きな制限はないため、基板200として、例えば、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることができる。このような利点は、円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。また、本実施の形態では、剥離された基板200は再利用することができため、より低コストで半導体装置を作製することができる。例えば、原価の高い石英基板を用いた場合であっても、繰り返し石英基板を利用することにより、低コストで半導体装置を作製することができるといった利点を有している。
絶縁膜201としては、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜の単層構造、またはこれらの積層構造を用いることができる。これらの絶縁膜は、公知の手段(スパッタ法やプラズマCVD法等の各種CVD法)を用いて形成することができる。
剥離層202としては、金属膜や金属膜と金属酸化膜の積層構造等を用いることができる。金属膜としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)から選択された元素または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる膜を単層又は積層して形成する。また、これらの材料は、スパッタ法やプラズマCVD法等の各種CVD法等を用いて形成することができる。金属膜と金属酸化膜の積層構造としては、上述した金属膜を形成した後に、酸素雰囲気下またはN2O雰囲気下におけるプラズマ処理、酸素雰囲気下またはN2O雰囲気下における加熱処理を行うことによって、金属膜表面に当該金属膜の酸化物または酸化窒化物を設けることができる。例えば、金属膜としてスパッタ法やCVD法等によりタングステン膜を設けた場合、タングステン膜にプラズマ処理を行うことによって、タングステン膜表面にタングステン酸化物からなる金属酸化膜を形成することができる。また、この場合、タングステンの酸化物は、WOxで表され、xは2〜3であり、xが2の場合(WO2)、xが2.5の場合(W2O5)、xが2.75の場合(W4O11)、xが3の場合(WO3)などがある。タングステンの酸化物を形成するにあたり、上記に挙げたxの値に特に制約はなく、エッチングレート等を基に、どの酸化物を形成するかを決めるとよい。他にも、例えば、金属膜(例えば、タングステン)を形成した後に、当該金属膜上にスパッタ法で酸化珪素(SiO2)等の絶縁膜を設けると共に、金属膜上に金属酸化物(例えば、タングステン上にタングステン酸化物)を形成してもよい。また、プラズマ処理として、例えば上述した高密度プラズマ処理を行ってもよい。また、金属酸化膜の他にも、金属窒化物や金属酸化窒化物を用いてもよい。この場合、金属膜に窒素雰囲気下または窒素と酸素雰囲気下でプラズマ処理や加熱処理を行えばよい。
絶縁膜203としては、公知の手段(スパッタ法やプラズマCVD法等)により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜の単層構造、またはこれらの積層構造を用いて形成することができる。例えば、絶縁膜203を2層構造で設ける場合、1層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を形成し、2層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。また、絶縁膜203を3層構造で設ける場合、1層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成し、2層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を形成し、3層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。
半導体膜204としては、非晶質半導体、非晶質状態と結晶状態とが混在したSAS、非晶質半導体中に0.5nm〜20nmの結晶粒を観察することができる微結晶半導体、及び結晶性半導体のいずれかの状態で設けることができる。また、基板200として、成膜処理温度に耐えうる基板、例えば石英基板を使用するならば、当該基板へCVD法等により結晶性半導体膜を形成してもよい。また、結晶性半導体膜は、非晶質半導体膜を形成し、加熱処理により結晶化することによって形成することができる。なお、加熱処理とは、加熱炉、レーザ照射、もしくはレーザ光の代わりにランプから発する光の照射(ランプアニール)、またはそれらを組み合わせて用いることができる。レーザ照射を用いる場合、連続発振型のレーザ(CWレーザー)やパルス発振型のレーザ(パルスレーザ)を用いることができる。レーザとしては、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザ、YAGレーザ、Y2O3レーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザのうち一種または複数種を用いることができる。このようなレーザの基本波、及び当該基本波の第2高調波から第4高調波のレーザを照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。
薄膜トランジスタ205としては、どのような構造としてもよく、例えば不純物領域(ソース領域、ドレイン領域、LDD領域を含む)を形成してもよいし、pチャネル型、nチャネル型またはpチャネル型とnチャネル型の半導体を組み合わせたCMOS回路で設けてもよい。また、半導体膜の上方に設けられるゲート電極の側面と接するように絶縁膜(サイドウォール)を形成してもよいし、ソース領域およびドレイン領域とゲート電極の一方または両方に、ニッケル、モリブデンまたはコバルト等のシリサイド層を形成してもよい。
絶縁膜206としては、公知の手段(スパッタ法やプラズマCVD法等)により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜の単層構造、またはこれらの積層構造を用いて形成することができる。
絶縁膜207、209、210、213としては、上記酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜はもちろん、その他にもエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料、シロキサン系材料等の単層または積層構造を用いて形成することができる。特にエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料、シロキサン系材料等の材料は、スピンコーティング法、液滴吐出法または印刷法等を用いることによって形成することができるため、平坦化や処理時間の効率化を図ることができる。絶縁膜207、209、210、213は、全て同じ材料を用いて形成してもよいし、別々の材料を用いて形成してもよい。
導電膜208としては、Al、Ni、C、W、Mo、Ti、Pt、Cu、Ta、Au、Mnから選ばれた一種の元素または当該元素を複数含む合金からなる単層または積層構造を用いることができる。例えば、当該元素を複数含む合金からなる導電膜として、例えばCとTiを含有したAl合金(Al−Ti−C)、Niを含有したAl合金(Al−Ni)、CとNiを含有したAl合金(Al−Ni−C)、CとMnを含有したAl合金(Al−Mn−C)等を用いることができる。
導電膜211としては、スパッタ法やCVD法等により形成した銅(Cu)、アルミニウム(Al)や銀(Ag)や金(Au)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、炭素(C)等の金属や金属化合物を1つまたは複数有する導電材料を用いることができる。また、他にも、スクリーン印刷法を用いて導電性を有するペースト(例えば、銀ペースト)を選択的に形成することもできる。
基板216としては、ラミネートフィルムを用いることができる。ここでは、ポリエステル等のフィルム上にホットメルトフィルムが形成されたものを利用することができる。また、基板216に絶縁膜213に接着させる際に、加圧処理または加熱処理の一方または両方を行うことによって、効率的に接着することができる。また、封止後にフィルムを通して素子形成層219に水分等が入り込まないように、あらかじめ基板216に、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)の膜をコートしておくと好ましい。
また、基板216として、静電気等を防止する帯電防止対策を施したフィルム(以下、帯電防止フィルムと記す)を用いることもできる。帯電防止フィルムとしては、帯電防止可能な材料を樹脂中に分散させたフィルム、及び帯電防止可能な材料が貼り付けられたフィルム等が挙げられる。帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、片面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよいし、両面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよい。さらに、片面に帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、帯電防止可能な材料が設けられた面をフィルムの内側になるように層に貼り付けてもよいし、フィルムの外側になるように貼り付けてもよい。なお、帯電防止可能な材料はフィルムの全面、あるいは一部に設けてあればよい。ここでの帯電防止可能な材料としては、金属、インジウムと錫の酸化物(ITO)、両性界面活性剤や陽イオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤等の界面活性剤を用いることができる。また、他にも帯電防止材料として、側鎖にカルボキシル基および4級アンモニウム塩基をもつ架橋性共重合体高分子を含む樹脂材料等を用いることができる。これらの材料をフィルムに貼り付けたり、練り込んだり、塗布したりすることによって帯電防止フィルムとすることができる。帯電防止フィルムで封止を行うことによって、商品として取り扱う際に、外部からの静電気等によって半導体素子に悪影響が及ぶことを抑制することができる。
なお、本実施の形態では、コイル状のアンテナを有する半導体装置を作製する場合に関して示したが、もちろんその他の形状のアンテナを有する半導体装置を作製する場合も同様に行うことができる。
本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる半導体装置およびその作製方法に関して図面を用いて説明する。具体的には、素子形成層とアンテナを別途作製し、素子形成層とアンテナとを接続して設ける場合に関して説明する。なお、本実施の形態では、コイル状のアンテナを適用した場合に関して説明を行うが、その他の形状のアンテナを適用する場合であっても同様に行うことができる。
素子形成層は、上記図4に示した作製方法を用いることによって形成することができる。ここではアンテナの作製方法に関して以下に図面を用いて説明する。
まず、基板310上に溝315を有する絶縁膜311を選択的に形成する(図9(A))。絶縁膜311の溝は、基板310上の全面に絶縁膜311を設けた後にフォトリソグラフィ法を用いて形成してもよいし、スクリーン印刷等の印刷法や液滴吐出法を用いて基板310上に選択的に絶縁膜311を設けることによって形成してもよい。
次に、溝315における基板310の表面および絶縁膜311を覆うように導電膜312を形成する(図9(B))。導電膜312は、CVD法、スパッタ法、スクリーン印刷法等であって、めっき法以外であればどのような方法で設けてもよい。
次に、導電膜312をエッチング法等を用いて選択的に除去することにより導電膜316を設け、当該導電膜316を覆うように絶縁膜313を設ける(図9(C))。導電膜316は、絶縁膜311上に設けられた導電膜312の一部を除去し、溝315内および絶縁膜311の端部を覆うように形成する。
次に、絶縁膜313に開口部314を設ける(図9(D))。開口部314は、フォトリソグラフィ法やレーザ光を照射することによって設ける。なお、絶縁膜313を設ける際にスクリーン印刷等の印刷法や液滴吐出法を用いて、開口部314となる領域以外に選択的に絶縁膜313を形成することによって開口部314を設けてもよい。
以上の工程により、アンテナ形成層317を得ることができる。次に、素子形成層とアンテナ形成層を貼り合わせて設けた場合に関して図7に示す。図7(A)〜(C)は、別々に形成した素子形成層101とアンテナ形成層317とを電気的に接続する場合の構成例を示している。
図7(A)に示す半導体装置は、図9で示したアンテナ形成層317と素子形成層101とが接着性を有する樹脂305によって貼り合わされることによって設けられている。そして、トランジスタ107のソースまたはドレイン領域に電気的に接続された導電膜304とアンテナとして機能する導電膜312とが接続領域307において、樹脂305中に含まれる導電性微粒子306を介して電気的に接続されている。ここでは、導電性微粒子を用いて素子形成層とアンテナ形成層を電気的に接続した例を示しているが、銀ペースト、銅ペーストまたはカーボンペースト等の導電性接着剤や半田接合等を用いて接続することも可能である。
図7(B)に示す半導体装置は、図9において凹型に設けた導電膜316を凸型に設けた場合を示している。接続領域307において、導電膜316の凸型の表面と導電膜304とが導電性微粒子306を介して電気的に接続されている。なお、接続領域307に配置される導電膜316の凸部を接続領域以外に配置される導電膜316の凸部より高く設けることによって、導電膜304との間隔を小さくすることができるため導電性微粒子306を用いる場合の接続をより確実なものとすることができる。この場合、アンテナ形成層の作製時に接続領域307に配置される導電膜316の下方に位置する絶縁膜311を他の絶縁膜311より厚く形成しておけばよい。
図7(C)に示す半導体装置は、配線318を用いたワイヤーボンディング法によってアンテナ形成層317と素子形成層101とが電気的に接続されて設けられている。この場合、アンテナ形成層317は図7(C)に示すように素子形成層101上に接着剤等を用いて貼り合わせて設けてもよいし、他にも素子形成層101と同一平面や下方に設けることも可能である。
本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる半導体装置に関して図面を用いて説明する。具体的には、素子形成層とアンテナ形成層を別途作製し、素子形成層とアンテナ形成層とを接続して設ける場合に関して上記実施の形態3とは異なる場合に関して説明する。なお、本実施の形態では、コイル状のアンテナを適用した場合に関して説明を行うが、その他の形状のアンテナを適用する場合であっても同様に行うことができる。
素子形成層は、上記図4に示した作製方法を用いることによって形成することができる。アンテナ形成層の作製方法に関して図10を用いて以下に説明する。
まず、基板320上に下地膜として機能する絶縁膜321、剥離層322および絶縁膜323を積層して設け、絶縁膜323上に溝315を有する絶縁膜324を設ける(図10(A))。
次に、図5(A)〜(C)に示した方法を用いて、導電膜325および当該導電膜325を覆うように絶縁膜326を形成する(図10(B))。
次に、絶縁膜323、324、326を選択的に除去して剥離層322を露出させて開口部327を形成し、開口部327にエッチング剤を導入することによって剥離層322を除去する(図10(C))。
次に、絶縁膜326の表面に可撓性を有する基板328を貼り合わせ、絶縁膜323から基板320を剥離する(図10(D))。
次に、選択的に絶縁膜323の一部分をレーザ光の照射やエッチング法を用いて除去し、開口部329を設けることによって、導電膜325を露出させる(図10(E))。
以上の工程により、アンテナ形成層を形成することができる。なお、図10の作製方法は図4〜図6に示した作製方法において、素子形成層の代わりに剥離層の上にアンテナ形成層を設けている。そのため、図10において図4〜図6に示した材料等を適用することができる。
次に、素子形成層とアンテナ形成層を貼り合わせて設ける場合に関して図8に示す。図8(A)〜(C)は、別々に形成した素子形成層101とアンテナ形成層330とを電気的に接続する場合の構成例を示している。
図8(A)に示す半導体装置は、図10で示したアンテナ形成層330と素子形成層101とが接着性を有する樹脂305によって貼り合わされることによって設けられている。トランジスタ107のソースまたはドレイン領域に電気的に接続された導電膜304とアンテナとして機能する導電膜325とが接続領域307において、樹脂305中に含まれる導電性微粒子306を介して電気的に接続されている。ここでは、導電性微粒子を用いて素子形成層とアンテナ形成層を電気的に接続した例を示しているが、銀ペースト、銅ペーストまたはカーボンペースト等の導電性接着剤や半田接合を用いて接続することも可能である。
図8(B)に示す半導体装置は、図10において凹型に設けた導電膜316を凸型に設けた場合を示している。接続領域307において、導電膜325の凸型の表面と導電膜304とが導電性微粒子306を介して電気的に接続されている。
図8(C)に示す半導体装置は、配線318を用いたワイヤーボンディング法によってアンテナ形成層317と素子形成層101とが電気的に接続されて設けられている。この場合、アンテナ形成層317は図7(C)に示すように素子形成層101上に接着剤等を用いて貼り合わせて設けてもよいし、他にも素子形成層101と同一平面や下方に設けることも可能である。
本実施の形態で示した方法は、特にアンテナとして機能する導電膜325の形成時の温度が高温で可撓性を有する基板上に直接導電膜325を設けることが困難である場合に有効となる。つまり、一度作製工程の処理温度に耐えることが可能な基板に剥離層を介してアンテナ形成層を設けた後に、基板からアンテナ形成層を剥離することによって、可撓性を有する基板上にアンテナ形成層を設けることができる。
本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の半導体装置の作製方法の一例について、図面を参照して説明する。具体的には、素子形成層におけるトランジスタとして薄膜トランジスタ(TFT)を用い、支持基板上にTFTを含む素子形成層を設けた後に支持基板から素子形成層を分離する剥離法により半導体装置を作製する例を示す。
まず、基板701の一表面に、剥離層702を形成する(図11(A))。基板701は、ガラス基板、石英基板、金属基板やステンレス基板の一表面に絶縁膜を形成したもの、本工程の処理温度に耐えうる耐熱性があるプラスチック基板等を用いるとよい。このような基板701であれば、その面積や形状に大きな制限はないため、基板701として、例えば、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることができる。このような利点は、円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。なお、本工程では、剥離層702は、基板701の全面に設けているが、必要に応じて、基板701の全面に剥離層を設けた後に、フォトリソグラフィ法により選択的にエッチングして設けてもよい。また、基板701に接するように剥離層702を形成しているが、必要に応じて、基板701に接するように下地となる絶縁膜を形成し、当該絶縁膜に接するように剥離層702を形成してもよい。
剥離層702は、金属膜と当該金属酸化膜により形成されている。金属膜は、公知の手段(スパッタリング法やプラズマCVD法等)により、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nd)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、鉛(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)から選択された元素または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる層を、単層又は積層して形成する。金属酸化膜は、金属膜に酸素雰囲気下でプラズマ処理を行うか、金属膜に酸素雰囲気下で熱処理を行うことによって金属膜の表面に形成する。なお、金属酸化膜の他にも金属酸化窒化物を用いてもよい。
金属膜が単層構造の場合、例えば、タングステン層、モリブデン層またはタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成する。そして、金属膜の表面に、タングステンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層またはタングステンとモリブデンの混合物の酸化物若しくは酸化窒化物を含む層を形成する。なお、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当する。
また、剥離層702として、基板701上に金属膜を形成した後に、酸素雰囲気下で上記金属膜の材料をターゲットとして、スパッタ法により金属酸化膜を形成してもよい。この場合、金属膜と金属酸化膜を別の金属元素を用いて形成することもできる。なお、基板701上に、直接金属酸化膜を形成しこれを剥離層702として用いてもよい。
次に、剥離層702を覆うように、下地となる絶縁膜703を形成する。絶縁膜703は、公知の手段(スパッタ法やプラズマCVD法等)により、珪素の酸化物または珪素の窒化物を含む膜を、単層又は積層で形成する。下地となる絶縁膜が2層構造の場合、例えば、1層目として窒化酸化珪素膜を形成し、2層目として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。下地となる絶縁膜が3層構造の場合、1層目の絶縁膜として酸化珪素膜を形成し、2層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を形成し、3層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。または、1層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成し、2層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を形成し、3層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。下地となる絶縁膜は、基板701からの不純物の侵入を防止するブロッキング膜として機能する。
次に、絶縁膜703上に、非晶質半導体膜704(例えば非晶質珪素を含む膜)を形成する。非晶質半導体膜704は、公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等)により、25〜200nm(好ましくは30〜150nm)の厚さで形成する。続いて、非晶質半導体膜704を公知の結晶化法(レーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法とレーザ結晶化法を組み合わせた方法等)により結晶化して、結晶質半導体膜を形成する。その後、得られた結晶質半導体膜を所望の形状にエッチングして、結晶質半導体膜706〜710を形成する(図11(B))。なお、剥離層702、絶縁膜703および非晶質半導体膜704は、連続して形成することができる。
結晶質半導体膜706〜710の作製工程の一例を以下に簡単に説明すると、まず、プラズマCVD法を用いて、膜厚66nmの非晶質半導体膜を形成する。次に、結晶化を助長する金属元素であるニッケルを含む溶液を非晶質半導体膜上に保持させた後、非晶質半導体膜に脱水素化の処理(500℃、1時間)と、熱結晶化の処理(550℃、4時間)を行って結晶質半導体膜を形成する。その後、必要に応じてレーザ光を照射し、フォトリソグラフィ法を用いることによって結晶質半導体膜706〜710を形成する。
レーザ結晶化法で結晶質半導体膜を形成する場合、連続発振またはパルス発振の気体レーザ又は固体レーザを用いる。気体レーザとしては、エキシマレーザ、YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、Ti:サファイアレーザ等を用いる。固体レーザとしては、Cr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmがドーピングされたYAG、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶を使ったレーザを用いる。特に、連続発振のレーザの基本波、及び当該基本波の第2高調波から第4高調波のレーザを照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、Nd:YVO4レーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いることができる。なお連続発振の基本波のレーザ光と連続発振の高調波のレーザ光とを照射するようにしてもよいし、連続発振の基本波のレーザ光とパルス発振の高調波のレーザ光とを照射するようにしてもよい。複数のレーザ光を照射することにより、エネルギーを補うことができる。またパルス発振型のレーザであって、半導体膜がレーザ光によって溶融してから固化するまでに、次のパルスのレーザ光を照射できるような発振周波数でレーザ光を発振させることで、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を得ることができる。すなわち、パルス発振の周期が、半導体膜が溶融してから完全に固化するまでの時間よりも短くなるように、発振の周波数の下限を定めたパルス発振のレーザを使用することができる。このようなレーザとして、発振周波数が10MHz以上のパルス発振のレーザ光を用いてもよい。
また、結晶化を助長する金属元素を用いて非晶質半導体膜の結晶化を行うと、低温で短時間の結晶化が可能となるうえ、結晶の方向が揃うという利点がある一方、金属元素が結晶質半導体膜に残存するためにオフ電流が上昇し、特性が安定しないという欠点がある。そこで、結晶質半導体膜上に、ゲッタリングサイトとして機能する非晶質半導体膜を形成するとよい。ゲッタリングサイトとなる非晶質半導体膜には、リンやアルゴンの不純物元素を含有させる必要があるため、好適には、アルゴンを高濃度に含有させることが可能なスパッタ法で形成するとよい。その後、加熱処理(RTA法やファーネスアニール炉を用いた熱アニール等)を行って、非晶質半導体膜中に金属元素を拡散させ、続いて、当該金属元素を含む非晶質半導体膜を除去する。そうすると、結晶質半導体膜中の金属元素の含有量を低減又は除去することができる。
次に、結晶質半導体膜706〜710を覆うゲート絶縁膜705を形成する。ゲート絶縁膜705は、公知の手段(プラズマCVD法やスパッタ法)により、珪素の酸化物又は珪素の窒化物を含む膜を、単層又は積層して形成する。具体的には、酸化珪素を含む膜、酸化窒化珪素を含む膜、窒化酸化珪素を含む膜を、単層又は積層して形成する。
次に、ゲート絶縁膜705上に、第1の導電膜と第2の導電膜とを積層して形成する。第1の導電膜は、公知の手段(プラズマCVD法やスパッタリング法)により、20〜100nmの厚さで形成する。第2の導電膜は、公知の手段により、100〜400nmの厚さで形成する。第1の導電膜と第2の導電膜は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nd)等から選択された元素又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成する。または、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素に代表される半導体材料により形成する。第1の導電膜と第2の導電膜の組み合わせの例を挙げると、窒化タンタル(TaN)膜とタングステン(W)膜、窒化タングステン(WN)膜とタングステン膜、窒化モリブデン(MoN)膜とモリブデン(Mo)膜等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、第1の導電膜と第2の導電膜を形成した後に、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2層構造ではなく、3層構造の場合は、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造を採用するとよい。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、ゲート電極とゲート線を形成するためのエッチング処理を行って、ゲート電極として機能する導電膜(ゲート電極とよぶことがある)716〜725を形成する。
次に、フォトリソグラフィ法により、レジストからなるマスクを形成して、結晶質半導体膜706、708〜710に、イオンドープ法又はイオン注入法により、N型を付与する不純物元素を低濃度に添加して、N型不純物領域711、713〜715とチャネル形成領域780、782〜784を形成する。N型を付与する不純物元素は、15族に属する元素を用いれば良く、例えばリン(P)、砒素(As)を用いる。
次に、フォトリソグラフィ法によりレジストからなるマスクを形成して、結晶質半導体膜707に、P型を付与する不純物元素を添加して、P型不純物領域712とチャネル形成領域781を形成する。P型を付与する不純物元素は、例えばボロン(B)を用いる。
次に、ゲート絶縁膜705と導電膜716〜725を覆うように、絶縁膜を形成する。絶縁膜は、公知の手段(プラズマCVD法やスパッタ法)により、珪素、珪素の酸化物又は珪素の窒化物の無機材料を含む膜や、有機樹脂などの有機材料を含む膜を、単層又は積層して形成する。次に、絶縁膜を、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより選択的にエッチングして、導電膜716〜725の側面に接する絶縁膜(サイドウォールともよばれる)739〜743を形成する(図11(C))。また、絶縁膜739〜743の作製と同時に、絶縁膜705がエッチングされた絶縁膜734〜738を形成する。絶縁膜739〜743は、後にLDD(Lightly Doped drain)領域を形成する際のドーピング用のマスクとして用いる。
次に、フォトリソグラフィ法により形成したレジストからなるマスクと、絶縁膜739〜743をマスクとして用いて、結晶質半導体膜706、708〜710にN型を付与する不純物元素を添加して、第1のN型不純物領域(LDD領域ともよぶ)727、729、731、733と、第2のN型不純物領域726、728、730、732とを形成する。第1のN型不純物領域727、729、731、733が含む不純物元素の濃度は、第2のN型不純物領域726、728、730、732の不純物元素の濃度よりも低い。上記工程を経て、N型の薄膜トランジスタ744、746〜748と、P型の薄膜トランジスタ745が完成する。
なお、LDD領域を形成する際には、サイドウォールの絶縁層をマスクとして用いるとよい。サイドウォールの絶縁層をマスクとして用いる手法は、LDD領域の幅の制御が容易であり、また、LDD領域を確実に形成することができる。
続いて、薄膜トランジスタ744〜748を覆うように、絶縁膜を単層又は積層して形成する(図12(A))。薄膜トランジスタ744〜748を覆う絶縁膜は、公知の手段(SOG法、液滴吐出法等)により、珪素の酸化物や珪素の窒化物等の無機材料、ポリイミド、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、アクリル、エポキシ、シロキサン等の有機材料等により、単層又は積層で形成する。シロキサン系の材料とは、例えば、シリコンと酸素との結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む物質、又は、シリコンと酸素との結合で骨格構造が構成され、置換基にフッ素、アルキル基、芳香族炭化水素の少なくとも1つを含む物質に相当する。例えば、薄膜トランジスタ744〜748を覆う絶縁膜が3層構造の場合、1層目の絶縁膜749として酸化珪素を含む膜を形成し、2層目の絶縁膜750として樹脂を含む膜を形成し、3層目の絶縁膜751として窒化珪素を含む膜を形成するとよい。
なお、絶縁膜749〜751を形成する前、又は絶縁膜749〜751のうちの1つ又は複数の薄膜を形成した後に、半導体膜の結晶性の回復や半導体膜に添加された不純物元素の活性化、半導体膜の水素化を目的とした加熱処理を行うとよい。加熱処理には、熱アニール、レーザアニール法又はRTA法などを適用するとよい。
次に、フォトリソグラフィ法により絶縁膜749〜751をエッチングして、N型不純物領域726、728〜732、P型不純物領域785を露出させるコンタクトホールを形成する。続いて、コンタクトホールを充填するように、導電膜を形成し、当該導電膜をパターン加工して、ソース配線またはドレイン配線として機能する導電膜752〜761を形成する。
導電膜752〜761は、公知の手段(プラズマCVD法やスパッタリング法)により、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ネオジウム(Nd)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。アルミニウムを主成分とする合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケルを含む材料、又は、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素と珪素の一方又は両方とを含む合金材料に相当する。導電膜752〜761は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜と窒化チタン(TiN)膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、又はモリブデンの窒化物からなる薄膜に相当する。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜752〜761を形成する材料として最適である。また、上層と下層のバリア層を設けると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンからなるバリア膜を形成すると、結晶質半導体膜上に薄い自然酸化膜ができていたとしても、この自然酸化膜を還元し、結晶質半導体膜と良好なコンタクトをとることができる。
次に、導電膜752〜761を覆うように、絶縁膜762を形成する(図12(B))。絶縁膜762は、公知の手段(SOG法、液滴吐出法等)を用いて、無機材料又は有機材料により、単層又は積層で形成する。また、絶縁膜762は、好適には、0.75μm〜3μmの厚さで形成する。
続いて、フォトリソグラフィ法により絶縁膜762をエッチングして、導電膜757、759、761を露出させるコンタクトホールを形成する。続いて、コンタクトホールを充填するように、導電膜を形成する。導電膜は、公知の手段(プラズマCVD法やスパッタリング法)を用いて、導電性材料により形成する。次に、導電膜をパターン加工して、導電膜763〜765を形成する。なお、導電膜763〜765は、記憶素子が含む一対の導電膜のうちの一方の導電膜となる。従って、好適には、導電膜763〜765は、チタン、又はチタンを主成分とする合金材料若しくは化合物材料により、単層又は積層で形成するとよい。チタンは、抵抗値が低いため、記憶素子のサイズの縮小につながり、高集積化を実現することができる。また、導電膜763〜765を形成するためのフォトリソグラフィ法においては、下層の薄膜トランジスタ744〜748にダメージを与えないために、ウエットエッチング加工を行うとよく、エッチング剤にはフッ化水素(HF)又はアンモニア過水を用いるとよい。
次に、導電膜763〜765を覆うように、絶縁膜766を形成する。絶縁膜766は、公知の手段(SOG法、液滴吐出法等)を用いて、無機材料又は有機材料により、単層又は積層で形成する。また、絶縁膜762は、好適には、0.75μm〜3μmの厚さで形成する。続いて、フォトリソグラフィ法により、絶縁膜766をエッチングして、導電膜763〜765を露出させるコンタクトホール767〜769を形成する。
次に、導電膜765に接し、アンテナとして機能する導電膜786を形成する(図13(A))。導電膜786は、公知の手段(プラズマCVD法、スパッタリング法、印刷法、液滴吐出法)を用いて、導電性材料により形成する。好ましくは、導電膜786は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。ここでは、導電膜786は、スクリーン印刷法により、銀を含むペーストを用いて形成し、その後、50〜350度の加熱処理を行って形成する。又は、スパッタリング法によりアルミニウム膜を形成し、当該アルミニウム膜をパターン加工することにより形成する。アルミニウム膜のパターン加工は、ウエットエッチング加工を用いるとよく、ウエットエッチング加工後は200〜300度の加熱処理を行うとよい。また、導電膜786は、上記実施の形態1に示したいずれかの形状で形成する。
次に、導電膜763、764に接するように有機化合物層787を形成する(図13(B))。有機化合物層787は、公知の手段(液滴吐出法や蒸着法等)により形成する。続いて、有機化合物層787に接するように、導電膜771を形成する。導電膜771は、公知の手段(スパッタリング法や蒸着法)により形成する。
以上の工程を経て、導電膜763、有機化合物層787及び導電膜771の積層体からなる記憶素子部789と、導電膜764、有機化合物層787及び導電膜771の積層体からなる記憶素子部790が完成する。
なお、上記の作製工程では、有機化合物層787の耐熱性が強くないため、アンテナとして機能する導電膜786を形成する工程の後に、有機化合物層787を形成する工程を行うことを特徴とする。また、アンテナとして機能する導電膜786は、導電膜716〜725と同一の層、導電膜752〜761と同一の層、導電膜763〜765と同一の層または導電膜771と同一の層に設けることも可能である。また、アンテナは、アンテナとして機能する導電膜786を直接形成せずに、別の基板に別途設けた導電膜と導電膜765とを導電性微粒子等を含む接着剤を用いて貼り合わせることによって設けることも可能である。この場合は、有機化合物層787を設けた後であってもアンテナを形成することができる。
なお、ここでは、記憶素子部789、790として、有機化合物材料を用いた例を示したが、これに限られない。例えば、結晶状態と非晶質状態の間で可逆的に変化する材料や第1の結晶状態と第2の結晶状態の間で可逆的に変化する材料等の相変化材料を用いることができる。また、非晶質状態から結晶状態にのみ変化する材料を用いることも可能である。
結晶状態と非晶質状態の間で可逆的に変化する材料とは、ゲルマニウム(Ge)、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、硫黄(S)、酸化テルル(TeOx)、スズ(Sn)、金(Au)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、Co(コバルト)及び銀(Ag)から選択された複数を有する材料であり、例えば、Ge−Te−Sb−S、Te−TeO2−Ge−Sn、Te−Ge−Sn−Au、Ge−Te−Sn、Sn−Se−Te、Sb−Se−Te、Sb−Se、Ga−Se−Te、Ga−Se−Te−Ge、In−Se、In−Se−Tl−Co、Ge−Sb−Te、In−Se−Te、Ag−In−Sb−Te系材料が挙げられる。また、第1の結晶状態と第2の結晶状態の間で可逆的に変化する材料とは、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、インジウム(In)、アンチモン(Sb)、セレン(Se)及びテルル(Te)から選択された複数を有する材料であり、例えば、Te−TeO2、Te−TeO2−Pd、Sb2Se3/Bi2Te3が挙げられる。この材料の場合、相変化は2つの異なる結晶状態の間で行われる。また、非晶質状態から結晶状態にのみ変化する材料とは、テルル(Te)、酸化テルル(TeOx)、アンチモン(Sb)、セレン(Se)及びビスマス(Bi)から選択された複数を有する材料であり、例えば、Ag−Zn、Cu−Al−Ni、In−Sb、In−Sb−Se、In−Sb−Teが挙げられる。
次に、記憶素子部789、790、アンテナとして機能する導電膜786を覆うように、公知の手段(SOG法、液滴吐出法等)により、保護膜として機能する絶縁膜772を形成する。絶縁膜772は、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの炭素を含む膜、窒化珪素を含む膜、窒化酸化珪素を含む膜、有機材料により形成し、好ましくはエポキシ樹脂により形成する。
次に、剥離層702が露出するように、フォトリソグラフィ法またはレーザ光の照射により絶縁膜をエッチングして、開口部773、774を形成する(図14(A))。
次に、開口部773、774にエッチング剤を導入して、剥離層702を除去する(図14(B))。エッチング剤は、フッ化ハロゲンまたはハロゲン間化合物を含む気体又は液体を使用する。例えば、フッ化ハロゲンを含む気体として三フッ化塩素(ClF3)を使用する。そうすると、素子層791は、基板701から剥離された状態となる。なお、素子層791とは、ここでは、薄膜トランジスタ744〜748、記憶素子部789、790の素子群と、アンテナとして機能する導電膜786を合わせたものとする。なお、剥離層702は、全て除去せず一部分を残存させてもよい。こうすることによって、エッチング剤の消費量を抑え剥離層の除去に要する処理時間を短縮することが可能となる。また、剥離層702の除去を行った後にも、基板701上に素子層791を保持しておくことが可能となる。
素子層791が剥離された基板701は、コストの削減のために、再利用することが好ましい。また、絶縁膜772は、剥離層702を除去した後に、素子層791が飛散しないように形成したものである。素子層791は小さく薄く軽いために、剥離層702を除去した後は、基板701に密着していないために飛散しやすい。しかしながら、素子層791上に絶縁膜772を形成することで、素子層791に重みが付き、基板701からの飛散を防止することができる。また、素子層791単体では薄くて軽いが、絶縁膜772を形成することで、基板701から剥離した素子層791が応力等により巻かれた形状になることがなく、ある程度の強度を確保することができる。
なお、ここでは、エッチング剤を用いて剥離層702を除去する例を示したが、必ずしも剥離層702をエッチング剤により除去する必要はない。つまり、開口部773、774を形成後に素子層791と剥離層702との密着性が十分でない場合には、物理的手段を用いて基板701から素子層791を剥離することができる。この場合、エッチング剤を用いる必要がないため、工程の短縮化やコストを低減することが可能となる。
次に、素子層791の一方の面を、第1のシート材775に接着させて基板701から完全に剥離する(図15(A))。剥離層702を全て除去せず一部を残した場合には、物理的手段を用いて基板701から素子層791を剥離する。続いて、素子層791の他方の面に、第2のシート材776を設け、その後加熱処理と加圧処理の一方または両方を行って、第2のシート材776を貼り合わせる。また、第2のシート材776を設けると同時または設けた後に第1のシート材775を剥離し、代わりに第3のシート材777を設ける。そして、加熱処理と加圧処理の一方または両方を行って、第3のシート材777を貼り合わせる。そうすると、第2のシート材776と第3のシート材777により封止された半導体装置が完成する(図15(B))。
なお、第1のシート材775と第2のシート材776によって封止を行っても良いが、基板701から素子層791を剥離するためのシート材と素子層791を封止するためのシート材に異なるシート材を用いる場合には、上述したように、第2のシート材776と第3のシート材777で素子層791を封止する。これは、例えば、基板701から素子層791を剥離する際に、第1のシート材775が素子層791のみならず基板701への接着が懸念される場合等、粘着力が弱いシート材を利用したいときに有効となる。
封止に用いる第2のシート材776、第3のシート材777として、ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなるフィルム、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム、紙類等)と接着性合成樹脂フィルム(アクリル系合成樹脂、エポキシ系合成樹脂等)との積層フィルム等を利用することができる。また、フィルムは、熱圧着により、被処理体と加熱処理と加圧処理が行われるものであり、加熱処理と加圧処理を行う際には、フィルムの最表面に設けられた接着層か、又は最外層に設けられた層(接着層ではない)を加熱処理によって溶かし、加圧により接着する。また、第2のシート材776と第3のシート材777の表面には接着層が設けられていてもよいし、接着層が設けられていなくてもよい。接着層は、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、エポキシ樹脂系接着剤、樹脂添加剤等の接着剤を含む層に相当する。また、封止後に内部への水分等の侵入を防ぐために封止するシート材にシリカコートを行うことが好ましく、例えば、接着層とポリエステル等のフィルムとシリカコートを積層指せたシート材を利用することができる。
また、第2のシート材776と第3のシート材777として、静電気等を防止する帯電防止対策を施したフィルム(以下、帯電防止フィルムと記す)を用いることもできる。帯電防止フィルムとしては、帯電防止可能な材料を樹脂中に分散させたフィルム、及び帯電防止可能な材料が貼り付けられたフィルム等が挙げられる。帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、片面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよいし、両面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよい。さらに、片面に帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、帯電防止可能な材料が設けられた面をフィルムの内側になるように層に貼り付けてもよいし、フィルムの外側になるように貼り付けてもよい。なお、帯電防止可能な材料はフィルムの全面、あるいは一部に設けてあればよい。ここでの帯電防止可能な材料としては、金属、インジウムと錫の酸化物(ITO)、両性界面活性剤や陽イオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤等の界面活性剤を用いることができる。また、他にも帯電防止材料として、側鎖にカルボキシル基および4級アンモニウム塩基をもつ架橋性共重合体高分子を含む樹脂材料等を用いることができる。これらの材料をフィルムに貼り付けたり、練り込んだり、塗布したりすることによって帯電防止フィルムとすることができる。帯電防止フィルムで封止を行うことによって、商品として取り扱う際に、外部からの静電気等によって半導体素子に悪影響が及ぶことを抑制することができる。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の半導体装置を非接触でデータの送受信が可能であるRFIDタグとして利用した場合に関して図17を用いて説明する。
RFIDタグ80は、非接触でデータを交信する機能を有し、電源回路81、クロック発生回路82、データ復調回路83、データ変調回路84、他の回路を制御する制御回路85、記憶回路86およびアンテナ87を有している(図17(A))。なお、記憶回路は1つに限定されず、複数であっても良く、SRAM、フラッシュメモリ、ROMまたはFeRAM等や上記実施の形態で示した有機化合物層を記憶素子部に用いたものを用いることができる。
リーダ/ライタ88から電波として送られてきた信号は、アンテナ87において電磁誘導により交流の電気信号に変換される。電源回路81では、交流の電気信号を用いて電源電圧を生成し、電源配線を用いて各回路へ電源電圧を供給する。クロック発生回路82は、アンテナ87から入力された交流信号を基に、各種クロック信号を生成し、制御回路85に供給する。復調回路83では、当該交流の電気信号を復調し、制御回路85に供給する。制御回路85では、入力された信号に従って各種演算処理を行う。記憶回路86では、制御回路85において用いられるプログラムやデータ等が記憶されている他、演算処理時の作業エリアとしても用いることができる。そして、制御回路85から変調回路84にデータが送られ、変調回路84から当該データに従ってアンテナ87に負荷変調を加えることができる。リーダ/ライタ88は、アンテナ87に加えられた負荷変調を電波で受け取ることにより、結果的にデータを読み取ることが可能となる
また、RFIDタグは、各回路への電源電圧の供給を電源(バッテリ)を搭載せず電波により行うタイプとしてもよいし、電源(バッテリ)を搭載して電波と電源(バッテリ)により各回路に電源電圧を供給するタイプとしてもよい。
本発明の半導体装置をRFIDタグ等に利用した場合、非接触で通信を行う点、複数読取りが可能である点、データの書き込みが可能である点、様々な形状に加工可能である点、選択する周波数によっては、指向性が広く、認識範囲が広い点等の利点を有する。RFIDタグは、非接触による無線通信で人や物の個々の情報を識別可能なICタグ、ラベル加工を施して目標物への貼り付けを可能としたラベル、イベントやアミューズメント向けのリストバンド等に適用することができる。また、RFIDタグを樹脂材料により成型加工してもよいし、無線通信を阻害する金属に直接固定してもよい。さらに、RFIDタグは、入退室管理システムや精算システムといった、システムの運用に活用することができる。
次に、半導体装置をRFIDタグとして実際に使用するときの一形態について説明する。表示部3210を含む携帯端末の側面には、リーダ/ライタ3200が設けられ、品物3220の側面にはRFIDタグ3230が設けられる(図17(B))。品物3220が含むRFIDタグ3230にリーダ/ライタ3200をかざすと、表示部3210に品物の原材料や原産地、生産工程ごとの検査結果や流通過程の履歴等、更に商品の説明等の商品に関する情報が表示される。また、商品3260をベルトコンベアにより搬送する際に、リーダ/ライタ3240と、商品3260に設けられたRFIDタグ3250を用いて、該商品3260の検品を行うことができる(図17(C))。このように、システムにRFIDタグを活用することで、情報の取得を簡単に行うことができ、高機能化と高付加価値化を実現する。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
(実施の形態7)
本発明の半導体装置の用途は広範にわたり、非接触で対象物の履歴等の情報を明確にし、生産・管理等に役立てる商品であればどのようなものにも適用することができる。例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類、包装用容器類、書籍類、記録媒体、身の回り品、乗物類、食品類、衣類、保健用品類、生活用品類、薬品類及び電子機器等に半導体装置20を設けて使用することができる。これらの例に関して図18を用いて説明する。
紙幣、硬貨とは、市場に流通する金銭であり、特定の地域で貨幣と同じように通用するもの(金券)、記念コイン等を含む。有価証券類とは、小切手、証券、約束手形等を指す(図18(A)参照)。証書類とは、運転免許証、住民票等を指す(図18(B)参照)。無記名債券類とは、切手、おこめ券、各種ギフト券等を指す(図18(C)参照)。包装用容器類とは、お弁当等の包装紙、ペットボトル等を指す(図18(D)参照)。書籍類とは、書物、本等を指す(図18(E)参照)。記録媒体とは、DVDソフト、ビデオテープ等を指す(図18(F)参照)。乗物類とは、自転車等の車両、船舶等を指す(図18(G)参照)。身の回り品とは、鞄、眼鏡等を指す(図18(H)参照)。食品類とは、食料品、飲料等を指す。衣類とは、衣服、履物等を指す。保健用品類とは、医療器具、健康器具等を指す。生活用品類とは、家具、照明器具等を指す。薬品類とは、医薬品、農薬等を指す。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(テレビ受像機、薄型テレビ受像機)、携帯電話等を指す。
紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類等にRFIDタグを設けることにより、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、書籍類、記録媒体等、身の回り品、食品類、生活用品類、電子機器等にRFIDタグを設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。乗物類、保健用品類、薬品類等にRFIDタグを設けることにより、偽造や盗難の防止、薬品類ならば、薬の服用の間違いを防止することができる。RFIDタグの設け方としては、物品の表面に貼ったり、物品に埋め込んだりして設ける。例えば、本ならば紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりするとよい。また、後に光学的作用を加えて書き込み(追記)をする場合には、RFIDタグに設けられた記憶素子の部分に光が照射できるように透明な材料で形成しておくことが好ましい。さらに、一度書き込んだデータの書き換えが不可能である記憶素子を用いることによって、効果的に偽造を防止することが可能となる。また、ユーザーが商品を購入した後のプライバシー等の問題についても、RFIDタグに設けられた記憶素子のデータを消去するシステムを設けておくことによって解決することができる。
このように、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等にRFIDタグを設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。また乗物類にRFIDタグを設けることにより、偽造や盗難を防止することができる。また、動物等の生き物に埋め込むことによって、個々の生き物の識別を容易に行うことができる。例えば、家畜等の生き物にセンサを備えたRFIDタグを埋め込むことによって、生まれた年や性別または種類等はもちろん現在の体温等の健康状態を容易に管理することが可能となる。
以上のように、本発明の半導体装置はどのようなものにでも設けて使用することができる。なお、本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。