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JP5097019B2 - 生産計画立案システム及び方法 - Google Patents
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Description

本発明は、生産計画を自動的に作成する生産計画立案システム及び方法に関する。
生産計画を自動的に作成するシステムは、例えば、特許文献1および特許文献2に開示されている。これらの先行技術文献においては、生産ラインや装置のシミュレーションモデルを用いて生産計画を処理し、シミュレーテッドアニーリングに代表されるようなヒューリスティック解法を用いて立案する方法が提案されている。
特開平6−162041号公報 特開平3−25621号公報
例えば、工場にて完全受注生産で組立生産を行う工業化ユニット住宅のユニットのような、多品種の部材の組立を行う製品で同一の製品が生産されることがほとんどない場合、その作業負担の算出や作業標準時間の算出が困難である。また、多品種で負荷変動が大きい製品が対象の場合、生産ライン内で製品が停滞したり作業待ちなどのラインバランスロスが多発し、生産性が著しく低下する。
生産ラインシミュレーションとヒューリスティック解法を用いて生産計画を立案する従来の方法において、生産を行う製品の作業時間や各工程での処理時間が必要だが、その作業時間や各工程の作業時間を算出するのに、タイムスタディなどによる実測や、PTS(Predetermined Time Standards)法などの一般的な標準時間の算出方法では、組立部品の種類や点数が多大になると算出するための工数も多大になるため、現実には算出できない場合が発生しうる。
また、組立部品の組み合わせにより作業時間が変動するといった要素が加わると、算出すべき標準時間の組み合わせは爆発的に増える。このような場合、現実的には標準時間の算出は不可能になる。
例えば、A、B、C、D、Eの5種類の組立部品があり、
工程1:A,B,Cのどれかを取付け、もしくは取付けなし、
工程2:B,C,Dのどれかを取付け、もしくは取付けなし、
工程3:C,D,Eのどれかを取付け、もしくは取付けなし、
のような3工程において取り付ける場合、工程3でEの部品を取り付ける組み合わせは、16通りにもなり、1つの組立部品でも16の標準時間が必要となる。
したがって、組立部品の種類や点数が多くなると標準時間の算出が困難となるため、最適な生産計画を立案することができないという問題があった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、組立部品の種類や点数が多くても最適な生産計画を立案することができる生産計画立案システムを提供する。
本発明の生産計画立案システムは、複数の生産工程を所定の順番で並べて構成された生産ラインを用いて、製品仕様の違いに応じて個別の生産工程における組立部品及び組立作業が異なる複数の製品を、生産ラインの生産工程順に従って順次生産するための生産計画立案システムであって、生産ラインで既に実際に生産された製品それぞれの各生産工程において計測された作業時間を、当該製品の製品仕様と関連付けて記録する作業実績データベースと、新たに生産する複数の製品それぞれについて、作業実績データベースに記録された製品それぞれの製品仕様の中から当該新たに生産する製品の製品仕様と類似する製品仕様を探索し、当該探索した製品仕様に関連付けられて作業実績データベースに記録されている生産工程の作業時間に基づいて、当該新たに生産する製品の作業負荷見込み時間を作成する類似製品探索・負荷見込みデータ作成部と、新たに生産する複数の製品それぞれの負荷見込み時間に基づいて新たに生産する複数の製品相互の生産ラインにおける生産順序のシミュレーションを行い、生産時間が最も短くなる最適な製品相互の生産順序を求める最適解探索制御・生産シミュレーション演算部と、当該最適な製品相互の生産順序に基づいて新たに生産する複数の製品の生産ラインによる生産計画を立案する生産計画出力部とを備えることを特徴とする。
また、最適解探索制御・生産シミュレーション演算部は、良解の生産順序が記憶される記憶部と、設定された原案となる生産順序に対し、ランダムに選択された複数の製品の生産順序を入れ替えた新たな生産順序を作成する生産順序探索部と、類似製品探索・負荷見込みデータ作成部が作成した新たに生産する複数の製品それぞれの作業負荷見込み時間を基に、記憶部に記憶されている良解の生産順序による生産予定の最初の製品の投入から最後の製品が完成するまでの総生産時間と、生産順序探索部により作成された新たな生産順序による生産予定の最初の製品の投入から最後の製品が完成するまでの総生産時間とを演算する生産シミュレーション演算部と、生産シミュレーション演算部により演算された記憶部に記憶されている良解の生産順序による総生産時間と生産順序探索部により作成された新たな生産順序による総生産時間とを比較することによって、総生産時間が短い方の生産順序を良解、長い方の生産順序を良解でないと判別し、当該総生産時間が短い方の生産順序を新たな良解として記憶部に更新記憶するとともに、生産シミュレーション演算部によって行われた当該シミュレーションが予め設定されている探索終了条件を満たすか否かを判別し、探索終了条件を満たさない場合には、良解と良解でない解との間で予め設定されている確率でいずれか一方の選択を行い、当該選択結果に応じて、良解を得られた生産順序又は良解が得られなかった生産順序の中のいずれか一方の生産順序を新たな原案として生産順序探索部にフィードバックして生産シミュレーション演算部によるシミュレーションを繰り返し実行する一方、探索終了条件を満たす場合には、記憶部に記憶されている生産順序を最適な生産順序として生産計画出力部に供給する最適解探索制御部とを備えている。
産ラインには、実際に生産され製品それぞれの各生産工程における作業時間を計測し、前記作業実績データベースに供給する作業時間計測システムをさらに備えてもよい。
似製品探索・負荷見込みデータ作成部は、新たに生産する複数の製品それぞれ製品仕様の項目ごとに類似評価を行い、これらの類似評価の総計に基づいて類似する製品仕様の探索を行
似製品探索・負荷見込みデータ作成部は、新たに生産する複数の製品それぞれ製品仕様の各項目の負荷変動の大きさや重要度を考慮した重み付けを行って類似評価を行
本発明の生産計画立案方法は、複数の生産工程を所定の順番で並べて構成された生産ラインを用いて、製品仕様の違いに応じて個別の生産工程における組立部品及び組立作業が異なる複数の製品を、生産ラインの生産工程順に従って順次生産するための生産計画立案方法であって、生産ラインで既に実際に生産され製品それぞれの各生産工程において計測された作業時間を取得し、当該製品の製品仕様と関連付けて作業実績データベースに記録するステップと、新たに生産する複数の製品それぞれについて、作業実績データベースに記録された製品それぞれの製品仕様の中から当該新たに生産する製品の製品仕様と類似する製品仕様を探索し、当該探索した製品仕様に関連付けられて作業実績データベースに記録されている生産工程の作業時間に基づいて、当該新たに生産する製品の作業負荷見込み時間を作成するステップと、新たに生産する複数の製品それぞれの負荷見込み時間に基づいて新たに生産する複数の製品相互の生産ラインにおける生産順序のシミュレーションを行い、生産時間が最も短くなる最適な製品相互の生産順序を求めるステップと、当該最適な製品相互の生産順序に基づいて新たに生産する複数の製品の生産ラインによる生産計画を立案するステップとを含み、最適な製品相互の生産順序を求めるステップは、原案となる生産順序を設定するステップと、設定された原案となる生産順序に対し、ランダムに選択された複数の製品の生産順序を入れ替えて新たな生産順序を作成するステップと、新たに生産する複数の製品それぞれの作業負荷見込み時間を基に、原案となる生産順序による生産予定の最初の製品の投入から最後の製品が完成するまでの総生産時間と、新たな生産順序による生産予定の最初の製品の投入から最後の製品が完成するまでの総生産時間とを演算するステップと、原案による総生産時間と新たな生産順序による総生産時間とを比較することにより、総生産時間が短い方の生産順序を良解、長い方の生産順序を良解でないと判別し、当該総生産時間が短い方の生産順序を良解として記憶部に記憶するとともに、原案による総生産時間と新たな生産順序による総生産時間とのシミュレーションが予め設定されている探索終了条件を満たすか否かを判別し、探索終了条件を満たさない場合には、良解と良解でない解との間で予め設定されている確率でいずれか一方の選択を行い、当該選択結果に応じて、良解を得られた生産順序又は良解が得られなかった生産順序の中のいずれか一方の生産順序を新たな原案としてフィードバックして前述した各ステップ繰り返し実行する一方、探索終了条件を満たす場合には、記憶部に記憶されている生産順序を最適な生産順序として決定するステップとをさらに含むことを特徴とする。
本発明の生産計画立案システムは、組立部品の種類や点数が多くても最適な生産計画を立案することができる。
本発明の生産計画立案システムでは、各製品の生産における各工程の作業時間や処理時間を常時計測し、データベース化する。そして、データベースから新規に生産する各製品に類似した製品のデータを抽出し、その抽出された製品の実績作業時間を新たに生産する製品の生産予定時間とする。その生産予定時間を用い、生産ラインシミュレーションとヒューリスティック解法を用いることで、最適と思われる生産計画を立案する。
図1は、本発明の生産計画立案システムの構成の一例を示すブロック図である。本発明の生産計画立案システムは、実生産を行う生産ライン6の生産計画を立案するものであり、生産計画・製品仕様出力部1と、作業実績データベース2と、類似製品探索・負荷見込みデータ作成部3と、最適解探索制御・生産シミュレーション演算部4と、作業時間計測システム5を備える。
生産計画・製品仕様出力部1は、立案した生産計画を生産計画データとして出力する生産計画出力部11と、生産される製品の所定仕様を製品仕様データとして出力する製品仕様出力部12とを備える。
作業実績データベース2は、既に生産された製品の製品仕様データと作業時間データを整合させてデータとして蓄積する。
類似製品探索・負荷見込みデータ作成部3は、生産予定の製品の製品仕様データと作業実績データベースに蓄積されている製品の製品仕様データとを比較し、生産予定の製品と最も類似した生産完了製品を探索する。そして、探索された類似生産完了製品の作業時間データから作業負荷見込みデータを作成する。
最適解探索制御・生産シミュレーション演算部4は、生産順序を作成し、生産シミュレーション結果を評価し、ヒューリスティック解法を用いて最適生産順序の探索を行う最適解探索制御部41と、作業負荷見込みデータを用いて生産シミュレーションを行う生産シミュレーション演算部42とを備える。
作業時間計測システム5は、生産ライン6における実生産における各工程の作業時間や処理時間の計測を行う。例えば、特開2007−95006号公報に記載の作業実績収集システムおよびその方法により、実際の作業時間を収集し、作業時間データを出力するようにしてもよい。
生産ライン6は、生産計画出力部11が出力した最適生産計画データに基づいて生産を行う。
図2は、本発明の生産計画立案システムの生産計画立案手順を説明するフローチャートである。図1の参照番号を使用して以下に説明する。生産する製品は番号/製品名で識別され、さらに各々の番号/製品名の製品は、各々製品番号が付された複数種類が存在するとする。
ステップS101において、生産計画・製品仕様出力部1の製品仕様出力部12は、新規に生産予定の各製品の仕様データSp(製品番号,項目1〜n)を出力する。仕様データの例を以下に示す。
Sp(1,1)=長さ54, Sp(1,2)=幅22,...,Sp(1,n)=中型サニタリー取付
Sp(2,1)=長さ36, Sp(2,2)=幅22,...,Sp(2,n)=サニタリー無し
Sp(3,1)=長さ45, Sp(3,2)=幅11,...,Sp(3,n)=サニタリー無し
新規生産予定製品仕様データは、類似製品探索・見込みデータ作成部3と、後述するように作業実績データベース2に供給される。
ステップS102において、類似製品探索・負荷見込みデータ作成部3は、新規生産予定製品仕様データと類似する製品の仕様データを、作業実績データベース2において検索する。類似製品探索の方法については後述する。
ステップS103において、類似製品探索・負荷見込みデータ作成部3は、検索された類似製品の作業時間データを、新規生産予定製品の作業負荷見込みとしてデータ化する。作業時間データは、各製品の各工程における作業時間を規定し、Wt(製品番号,工程1〜n)のようなフォーマットで生成する。作業時間データの例を以下に示す。
Wt(1,1)=3m30s, Wt(1,2)=3m00s,...,Wt(1,n)=8m15s (m:分, s:秒)
Wt(2,1)=2m45s, Wt(2,2)=3m00s,...,Wt(2,n)=0m00s
Wt(3,1)=3m00s, Wt(3,2)=2m50s,...,Wt(3,n)=2m25s
生産計画の各製品に対し、作業実績時間のデータベース中の類似製品を抽出し、その類似製品の作業実績時間を作業負荷見込み時間として用いる。生産計画の全製品についての作業負荷見込み時間を合計し、生産負荷見込みデータとして出力する。生産負荷見込みデータは最適解探索制御・生産シミュレーション演算部4に供給される。
ステップS104において、最適解探索制御・生産シミュレーション演算部4は、生産負荷見込みデータを用いて最適な生産順序の探索を行う。最適生産順序の探索については後述する。得られた最適生産順序データは生産計画・製品仕様出力部1に供給される。
ステップS105において、生産計画・製品仕様出力部1の生産計画出力部11は、最適生産順序データに基づいて新規生産予定製品の生産計画データPL(生産順序,番号/製品名)=製品番号を作成し、出力する。生産計画データは、各番号/製品名の製品における各製品番号の製品の生産順序を規定する。生産計画データの例を以下に示す。
PL(1,0)=1, PL(1,1)=A001
PL(2,0)=11, PL(2,1)=B001
PL(3,0)=3, PL(3,1)=A003
ステップS106において、生産ライン6は、生産計画データに基づいて新規生産予定製品の実生産を行う。
ステップS107において、作業時間計測システム5は、生産ライン6における各工程の処理時間を計測する。この際、本発明者等による特開2007−95006号「作業実績収集システムおよびその方法」に記載されるような技術を用い、実際の生産時間を収集し、作業時間データを出力するようにしてもよい。
ステップS108において、作業時間計測システム5が収集した各製品、各工程での作業時間を、製品仕様出力部12が出力した製品仕様データと共に作業実績データベース2に登録する。
図2のステップS102における類似製品探索について説明する。まず、各仕様のなかで類似した製品がある場合には、その類似度を表すグループ関数である類似グループS_G(項目,仕様)を設定する。類似グループの例を以下に示す。
S_G(1,部品)=グループ01,S_G(1,中型部品)=グループ01,
S_G(1,大型部品)=グループ02,S_G(1,幅広部品)=グループ02,...
次に、各項目の仕様の中で、負荷変動の大きさや仕様の重要度を考慮した第1の重み係数W_G1(項目,仕様)を設定する。第1の重み係数の例を以下に示す。
W_G1(1,長さ54)=5, W_G1(1,長さ45)=5, W_G1(1,長さ36)=5,...
W_G1(2,幅22)=5, W_G1(2,幅11)=2,...
W_G1(3,グループ01)=3, W_G1(3,グループ02)=5, W_G1(3,グループ03)=1,...
最後に、仕様の項目別に負荷の大きさ、負荷変動の大きさを考慮した第2の重み係数W_G2(項目)を設定する。第2の重み係数の例を以下に示す。
W_G2(1)=10, W_G2(2)=7, W_G2(3)=5,...
類似評価EV(生産予定製品の製品番号,既生産製品の製品番号,仕様項目)は、各仕様項目に対し、同一もしくは同一グループであるときは評価フラグFlg=1、そうでないときはFlg=0とし、その値に第1の重み係数W_G1、第2の重み係数W_G2を掛けることで求める。
生産予定製品と既生産製品の類似評価指数は、これらの各仕様項目についての類似評価の総計である。類似評価指数が高いほど、既生産製品は生産予定製品に類似していることになる。
このようにして、生産対象となる製品の仕様項目を、作業実績データベース内の既生産製品の仕様項目と比較する。
例えば、類似検索対象の生産予定製品の仕様が、
生産予定製品A:Sp(1,1)=長さ54, Sp(1,2)=幅22, Sp(1,3)=中型部品取付け
であったとし、作業実績データベース中に、
既生産製品P:Sp(2,1)=長さ36, Sp(2,2)=幅22, Sp(2,3)=部品なし
既生産製品Q:Sp(3,1)=長さ45, Sp(3,2)=幅11, Sp(3,3)=部品なし
のような製品データがあったとする。
製品Aと製品Pの各仕様項目の類似評価は以下のようになる。
「長さ」の仕様項目についての類似評価において、製品Aの長さは54、製品Pの長さは36であり、これらは異なっているので、評価フラグはFlg=0となり、「長さ」の仕様項目についての類似評価は、
EV(1,2,1)=0
となる。
「幅」の仕様項目についての類似評価において、製品Aの幅は22、製品Pの幅も22で同じであるので、評価フラグはFlg=1となる。幅が22の場合の第1の重み係数は、W_G1(2,幅22)=5となる。仕様項目が「幅」の場合の第2の重み係数は、W_G2(2)=7となる。したがって、「幅」の仕様項目についての類似評価は、
EV(1,2,2)=Flg×W_G1(2,幅22)×W_G2(2)=1×5×7=35
となる。
「部品取付け」の仕様項目についての類似評価において、製品Aの部品取付けは「中型部品取付け」、製品Pの部品取付けは「部品なし」であり、これらは異なっているので、評価フラグはFlg=0となり、「部品取付け」の仕様項目についての類似評価は、
EV(1,2,3)=0
となる。
したがって、製品Aと製品Pの類似評価指数は、
ΣEV(1,2,i)=EV(1,2,1)+EV(1,2,2)+EV(1,2,3)=0+35+0=35
となる。
製品Aと製品Qの各仕様項目の類似評価は以下のようになる。
「長さ」の仕様項目についての類似評価において、製品Aの長さは54、製品Qの長さは45であり、これらは異なっているので、評価フラグはFlg=0となり、「長さ」の仕様項目についての類似評価は、
EV(1,3,1)=0
となる。
「幅」の仕様項目についての類似評価において、製品Aの幅は22、製品Qの幅は11であり、これらは異なっているので、評価フラグはFlg=0となり、「幅」の仕様項目についての類似評価は、
EV(1,3,2)=0
となる。
「部品取付け」の仕様項目についての類似評価において、製品Aの部品取付けは「中型部品取付け」、製品Qの部品取付けは「部品なし」であり、これらは異なっているので、評価フラグはFlg=0となり、「部品取付け」の仕様項目についての類似評価は、
EV(1,3,3)=0
となる。
したがって、製品Aと製品Qの類似評価指数は、
ΣEV(1,3,i)=EV(1,3,1)+EV(1,3,2)+EV(1,3,3)=0+0+0=0
となる。
製品Aと製品Pの類似評価指数は35、製品Aと製品Qの類似評価指数は0なので、製品Qより製品Pの方が製品Aに類似していることになる。したがって、製品Pを生産予定製品Aの類似製品として作業実績データベースから抽出する。
以上記載した例のように、作業実績データベース中のすべての既生産製品について生産予定製品との類似評価指数を求め、最も類似評価指数の高い既生産製品を生産予定製品の類似製品として抽出する。
図2のステップS104における最適生産順序の探索について説明する。
最適解探索制御部41は、生産順序を作成し、シミュレーション結果を評価し、よりよい生産順序が求まるよう探索制御を行うが、あり得る生産順序すべてについて探索を行うのは、順列の組み合わせの数が膨大であるため不可能である。例えば、10個の製品を作る生産順序の組み合わせは360万通りにもなり、1秒間に10回シミュレーション評価が行えるとしても100時間かかる計算になる。
そこで、ヒューリスティック解法による最適解探索を行うことが好ましい。本例では、シミュレーテッドアニーリング法を用いた場合について説明する。
図3は、最適生産順序の探索の手順を説明するフローチャートである。
ステップS201において、最適解探索制御部41は、生産予定製品の最初の生産順序案である生産順序P(0)を作成する。生産順序P(0)は、他のシステムで立案したものでも、本システムにて新たに作成したものでもよい。
ステップS202において、生産シミュレーション演算部42は、類似製品探索・負荷見込みデータ作成部3が出力した負荷見込みデータを用い、実際の生産ラインをモデル化し、生産時間の経過に伴う製品の流れを再現し、生産性の評価として、生産予定の最初の製品の投入から最後の製品が完成するまでの総生産時間S(P(0))を生産順序P(0)のシミュレーション結果として出力する。
ステップS203において、生産順序P(0)においてランダムに選択された2つの製品の生産順序を入れ替えた生産計画P(1)を作成する。
ステップS204において、生産順序P(1)を生産シミュレーションで評価し、シミュレーション結果の総生産時間S(P(1))を算出する。
ステップS205において、2つのシミュレーション結果、総生産時間S(P(0))およびS(P(1))を比較する。以前の生産順序より新たな生産順序の方がシミュレーション結果がよかった場合、すなわち、総生産時間が短い場合、良解が得られたとする。最初の生産順序P(0)と次の生産順序P(1)の場合はS(P(1))<S(P(0))、それ以降はS(P(n+1))<S(P(n))となる場合である。良解が得られた場合はステップS206に、良解が得られなかった場合はステップS207に進む。
ステップS206において、良解が得られた生産順序P(n+1)(最初の場合はP(1))を記憶する。
ステップS207において、探索終了条件を満たすかどうかを判定する。探索終了条件を満たす場合、ステップS208において、最適解探索制御部41は、最適生産順序を出力し、動作を終了する。探索終了条件は、単純に探索回数で指定する。探索終了条件としては、そのほかにも、例えば、原案に対して生産時間の短縮率の目標を設定しておき、その目標を達成した時点で探索終了としてもよく、または、パラメータとして温度指数を用い、良解を探索した回数によって減算もしくは比例的に小さい数値になるように確率演算を行い、温度指数が予め設定した最小値に達したときに探索終了としてもよい。
ステップS207において探索終了条件を満たさない場合、ステップS209において次回のシミュレーションを行う生産順序の原案となる生産順序を選択する。次回のシミュレーションを行う生産順序を作成する際、良解を得られた生産順序P(n)と良解を得られなかった生産順序P(n+1)との間で、設定した確率で選択を行い、次回の生産順序探索の原案とすることで、局所解に陥ることなく良解を探索し続けることが可能となる。例えば、Rnd()がコンピュータシステムで算出される乱数を返す関数として、
0<Rnd()≦0.1のときP(n+1)を選択
0.1<Rnd()≦1のときP(n)を選択
等のように選択する。
また、生産順序を入れ替える製品をランダムに選択する際、生産負荷の大きな製品や負荷変動の大きな製品を優先的に選択すると、少なく探索回数で良解を得るのに有効である。例えば、第2の重み係数を高く設定した項目の評価指数が高い製品を優先的に選択する。例えば、
0<Rnd()≦EV(1,2,1)のとき製品Pを選択
EV(1,2,1)/ΣEV<Rnd()≦EV(1,2,2)/ΣEVのとき製品Qを選択
等のような選択条件を設定する。生産順序を入れ替える製品をランダムに選択する際にこのような選択条件を設定しておき、乱数Rnd()に応じて選択を行うと、評価値EVの大きな値の製品が選択されやすくなる。
ステップS209において次回の生産順序探索の原案を選択したら、ステップS203に戻り、次回の生産順序探索を行う。
生産計画数にもよるが、本システムでは、約数千〜2万回程度の探索を行うことで、最適に近いと思われる生産順序を立案することができる。
以上説明したように、作業負荷見込み算出に際し、人的工数の大幅な削減が可能になる。また、生産ライン構成の変動や生産すべき新製品の導入に際しても、一定期間の生産後、作業負荷情報が蓄積され、生産計画立案の精度が自動的に向上していく。
生産時に作業実績収集システムを用い、各製品の各工程での作業時間を収集することで、生産ラインシミュレーションと実生産の誤差を抽出することができ、精度向上のサイクルを確立することができると共に、製品ごとの総作業時間も算出することが可能になる。
例えば、図4の表に示すような各作業工程における作業の有無が決まっているユニット(製品)001−006があるとし、これらの6通りのユニットを単純にこの表の通りの生産順序でライン生産する場合、作業工程の状態の時間経過は図5に示すようになる。説明を分かりやすくするために、各作業工程に掛かる時間は同じとし、例として1時間とする。また、各作業工程間のユニットの移動時間は掛からないものとする。各ユニットにおいて同時に作業できる作業工程は1つであり、各作業工程において同時に作業できるユニットは1つである。空白部分は各作業工程において作業が行われていない時間である。図5に示す生産順序を最適化していない場合では、総生産時間は9時間である。
図6は、図4の6通りのユニットを本発明の生産計画立案システムによって最適化した生産順序で生産した場合の作業状態の時間経過を示す。最適化していない生産順序の図5の例と比べて、作業が行われていない空白部分が少ないことが分かる。総生産時間は6時間となり、大幅に短縮することができた。
本発明は、生産計画立案システムに利用可能である。
本発明の生産計画立案システムの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の生産計画立案システムの生産計画立案手順を説明するフローチャートである。 最適生産順序の探索の手順を説明するフローチャートである。 ユニットごとの作業工程の例を示す表である。 最適化されていない生産順序における作業状態の時間経過の例を示す図である。 最適化された生産順序における作業状態の時間経過の例を示す図である。
符号の説明
1 生産計画・製品仕様出力部
2 生産実績データベース
3 類似製品探索・負荷見込みデータ作成部
4 最適解探索制御・生産シミュレーション演算部
5 作業時間計測システム
6 生産ライン
11 生産計画出力部
12 製品仕様出力部
41 最適解探索制御部
42 生産シミュレーション演算部

Claims (7)

  1. 複数の生産工程を所定の順番で並べて構成された生産ラインを用いて、製品仕様の違いに応じて個別の生産工程における組立部品及び組立作業が異なる複数の製品を、前記生産ラインの生産工程順に従って順次生産するための生産計画立案システムであって、
    前記生産ラインで既に実際に生産された製品それぞれの各生産工程において計測された作業時間を、当該製品の製品仕様と関連付けて記録する作業実績データベースと、
    新たに生産する複数の製品それぞれについて、前記作業実績データベースに記録された製品それぞれの製品仕様の中から当該新たに生産する製品の製品仕様と類似する製品仕様を探索し、当該探索した製品仕様に関連付けられて前記作業実績データベースに記録されている生産工程の作業時間に基づいて、当該新たに生産する製品の作業負荷見込み時間を作成する類似製品探索・負荷見込みデータ作成部と、
    新たに生産する複数の製品それぞれの負荷見込み時間に基づいて新たに生産する複数の製品相互の前記生産ラインにおける生産順序のシミュレーションを行い、生産時間が最も短くなる最適な製品相互の生産順序を求める最適解探索制御・生産シミュレーション演算部と、
    当該最適な製品相互の生産順序に基づいて新たに生産する複数の製品の前記生産ラインによる生産計画を立案する生産計画出力部と
    を備え
    前記最適解探索制御・生産シミュレーション演算部は、
    良解の生産順序が記憶される記憶部と、
    設定された原案となる生産順序に対し、ランダムに選択された複数の製品の生産順序を入れ替えた新たな生産順序を作成する生産順序探索部と、
    前記類似製品探索・負荷見込みデータ作成部が作成した新たに生産する複数の製品それぞれの作業負荷見込み時間を基に、前記記憶部に記憶されている良解の生産順序による生産予定の最初の製品の投入から最後の製品が完成するまでの総生産時間と、前記生産順序探索部により作成された新たな生産順序による生産予定の最初の製品の投入から最後の製品が完成するまでの総生産時間とを演算する生産シミュレーション演算部と、
    前記生産シミュレーション演算部により演算された前記記憶部に記憶されている良解の生産順序による総生産時間と前記生産順序探索部により作成された新たな生産順序による総生産時間とを比較することによって、総生産時間が短い方の生産順序を良解、長い方の生産順序を良解でないと判別し、当該総生産時間が短い方の生産順序を新たな良解として前記記憶部に更新記憶するとともに、
    前記生産シミュレーション演算部によって行われた当該シミュレーションが予め設定されている探索終了条件を満たすか否かを判別し、探索終了条件を満たさない場合には、良解と良解でない解との間で予め設定されている確率でいずれか一方の選択を行い、当該選択結果に応じて、良解を得られた生産順序又は良解が得られなかった生産順序の中のいずれか一方の生産順序を新たな原案として生産順序探索部にフィードバックして前記生産シミュレーション演算部によるシミュレーションを繰り返し実行する一方、探索終了条件を満たす場合には、前記記憶部に記憶されている生産順序を最適な生産順序として生産計画出力部に供給する最適解探索制御部と
    を有することを特徴とする生産計画立案システム。
  2. 記生産ラインには、実際に生産され製品それぞれの各生産工程における作業時間を計測し、前記作業実績データベースに供給する作業時間計測システムをさらに備える
    ことを特徴とする請求項に記載の生産計画立案システム。
  3. 前記類似製品探索・負荷見込みデータ作成部は、新たに生産する複数の製品それぞれ製品仕様の項目ごとに類似評価を行い、これらの類似評価の総計に基づいて類似する製品仕様の探索を行う
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の生産計画立案システム。
  4. 前記類似製品探索・負荷見込みデータ作成部は、新たに生産する複数の製品それぞれ製品仕様の各項目の負荷変動の大きさや重要度を考慮した重み付けを行って類似評価を行う
    ことを特徴とする請求項に記載の生産計画立案システム。
  5. 複数の生産工程を所定の順番で並べて構成された生産ラインを用いて、製品仕様の違いに応じて個別の生産工程における組立部品及び組立作業が異なる複数の製品を、前記生産ラインの生産工程順に従って順次生産するための生産計画立案方法であって、
    前記生産ラインで既に実際に生産され製品それぞれの各生産工程において計測された作業時間を取得し、当該製品の製品仕様と関連付けて作業実績データベースに記録するステップと、
    新たに生産する複数の製品それぞれについて、前記作業実績データベースに記録された製品それぞれの製品仕様の中から当該新たに生産する製品の製品仕様と類似する製品仕様を探索し、当該探索した製品仕様に関連付けられて前記作業実績データベースに記録されている生産工程の作業時間に基づいて、当該新たに生産する製品の作業負荷見込み時間を作成するステップと、
    新たに生産する複数の製品それぞれの負荷見込み時間に基づいて新たに生産する複数の製品相互の前記生産ラインにおける生産順序のシミュレーションを行い、生産時間が最も短くなる最適な製品相互の生産順序を求めるステップと、
    当該最適な製品相互の生産順序に基づいて新たに生産する複数の製品の前記生産ラインによる生産計画を立案するステップと
    を含み、
    前記最適な製品相互の生産順序を求めるステップは、
    原案となる生産順序を設定するステップと、
    設定された原案となる生産順序に対し、ランダムに選択された複数の製品の生産順序を入れ替えて新たな生産順序を作成するステップと、
    前記新たに生産する複数の製品それぞれの作業負荷見込み時間を基に、原案となる生産順序による生産予定の最初の製品の投入から最後の製品が完成するまでの総生産時間と、新たな生産順序による生産予定の最初の製品の投入から最後の製品が完成するまでの総生産時間とを演算するステップと、
    原案による総生産時間と新たな生産順序による総生産時間とを比較することにより、総生産時間が短い方の生産順序を良解、長い方の生産順序を良解でないと判別し、当該総生産時間が短い方の生産順序を良解として記憶部に記憶するとともに、
    原案による総生産時間と新たな生産順序による総生産時間とのシミュレーションが予め設定されている探索終了条件を満たすか否かを判別し、探索終了条件を満たさない場合には、良解と良解でない解との間で予め設定されている確率でいずれか一方の選択を行い、当該選択結果に応じて、良解を得られた生産順序又は良解が得られなかった生産順序の中のいずれか一方の生産順序を新たな原案としてフィードバックして前記各ステップ繰り返し実行する一方、探索終了条件を満たす場合には、前記記憶部に記憶されている生産順序を最適な生産順序として決定するステップと
    をさらに含むことを特徴とする生産計画立案方法。
  6. 新たに生産する複数の製品それぞれの類似する製品仕様の探索は、新たに生産する製品の製品仕様の項目ごとに類似評価を行い、これらの類似評価の総計に基づいて行
    ことを特徴とする請求項に記載の生産計画立案方法。
  7. 類似評価は、新たに生産する製品の製品仕様の各項目の負荷変動の大きさや重要度を考慮した重み付けを行って類似評価を行う
    ことを特徴とする請求項に記載の生産計画立案方法。
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