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JP5099018B2 - ルックアップテーブルの作成方法、印刷装置、ルックアップテーブル及び印刷方法 - Google Patents
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JP5099018B2 - ルックアップテーブルの作成方法、印刷装置、ルックアップテーブル及び印刷方法 - Google Patents

ルックアップテーブルの作成方法、印刷装置、ルックアップテーブル及び印刷方法 Download PDF

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Description

本発明は、特殊光沢インクとカラーインクとを印刷媒体上に吐出して印刷を行う印刷技術に関する。
従来、印刷媒体上に、まず、下塗り層を形成し、当該下塗り層の上に、さらに印刷を行う方法が知られている(例えば、下記特許文献1)。かかる方法は、種々の印刷方法に利用でき、例えば、様々な色調のメタリック色を再現する場合にも利用できる。メタリック色を再現するためには、例えば、印刷媒体上にメタリックインクの層を形成し、その上にカラーインクを重畳させて印刷すればよい。
特表2002−530229号公報 特開2005−52984号公報
しかしながら、インクジェット式プリンタにおいては、カラーインクのインクデューティが比較的高い場合には、メタリックインクが重畳される分だけ余計にカラーインクのデューティ制限が厳しくなり、その結果、色再現範囲が狭くなるという問題があった。こうした問題は、金属光沢感を発現する金属顔料を含有するメタリックインクに限らず、例えば、真珠光沢に類似した光沢感を発現する顔料を含有したインク等、発色以外の質感を発現させる種々の特殊光沢インクを用いる場合にも共通する問題であった。
上述の問題を踏まえ、本発明が解決しようとする課題は、特殊光沢インクとカラーインクとを用いて印刷を行う印刷装置において、高インクデューティ印刷領域の色再現範囲を好適に広くすることである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]インクを印刷媒体上に吐出して印刷を行う印刷装置への入力値と、該印刷装置の特殊光沢インク及びカラーインクの出力値との対応関係を記述したルックアップテーブルの作成方法であって、
前記ルックアップテーブルの各格子点における前記特殊光沢インクの出力値を、色の明るさに関連する指標値が所定値以下に暗い格子点においては、相対的に低減させて決定する第1の工程と、
前記決定した特殊光沢インクの出力値に応じて、前記印刷媒体の単位面積中に吐出可能な前記カラーインクの合計量の上限値であるインクデューティ制限値を増大させて、前記各格子点における該カラーインクの出力値を決定する第2の工程と
を備えたルックアップテーブルの作成方法。
かかるルックアップテーブルの作成方法は、指標値が所定値以下に暗い格子点においては、特殊光沢インクの出力値を低減させると共に、カラーインクのインクデューティ制限を増大させて、特殊光沢インク及びカラーインクの出力値を決定する。したがって、指標値が暗い格子点、すなわち、カラーインクの出力値が比較的大きい格子点では、カラーインクのインクデューティ制限が増大される分だけ、カラーインクの出力値を大きくすることができ、その結果、印刷領域の色再現範囲を広げることができる。また、当該格子点の印刷領域では、カラーインクの使用量が多いことから、もともと特殊光沢インクによる特殊光沢発現効果が比較的小さいので、特殊光沢インクの出力値を低減しても、印刷画質に与える影響は小さい。また、印刷画質に配慮しつつ、比較的高価な特殊光沢インクの量を節約できる。
[適用例2]適用例1記載のルックアップテーブルの作成方法であって、前記第1の工程においては、前記指標値が所定値以下に暗い格子点で、該指標値が暗いほど、前記特殊光沢インクの出力値を低減させ、前記第2の工程においては、前記指標値が暗いほど、前記インクデューティ制限値を増大させるルックアップテーブルの作成方法。
かかるルックアップテーブルの作成方法は、指標値の暗さの程度に応じて、特殊光沢インクの出力値を低減させると共にインクデューティ制限値を増大させるので、かかる方法により作成されたルックアップテーブルを用いて印刷を行えば、印刷画像の階調変化が滑らかとなり、印刷画質の低下を抑制することができる。
[適用例3]適用例1または適用例2記載のルックアップテーブルの作成方法であって、更に、前記カラーインクのみを用いて印刷を行った印刷領域における所定の色階調ごとの前記指標値を測色する第1の測色工程と、前記カラーインク及び前記特殊光沢インクを用いて印刷を行った印刷領域における所定の色階調ごとの前記指標値を測色する第2の測色工程と、前記第1の測色工程により求められる、前記色階調と前記指標値との関係を示す線形と、前記第2の測色工程により求められる前記色階調と前記指標値との関係を示す線形との交点における前記指標値である交点指標値を求める工程とを備え、前記所定値は、前記交点指標値以下に暗い値であるルックアップテーブルの作成方法。
かかるルックアップテーブルの作成方法は、交点指標値以下に暗い領域で、特殊光沢インクの出力値を低減させるので、かかる方法により作成されたルックアップテーブルを用いて印刷を行えば、印刷領域の色階調値が大きくなるに従って指標値が小さくなる、色階調値と指標値との関係を保つことができる。したがって、特殊光沢インクの使用量を低減させる色階調の前後においても、明るさの階調変化が滑らかとなり、印刷画質の低下を抑制することができる。
[適用例4]前記指標値は、明度である適用例1ないし適用例3のいずれか記載のルックアップテーブルの作成方法。
かかるルックアップテーブルの作成方法において、指標値は明度としてもよい。また、明度のほか、輝度、インクデューティなどとすることもできる。
[適用例5]前記明度は、受光角を0度、照射角を−45度として測色される値である適用例4記載のルックアップテーブルの作成方法。
かかるルックアップテーブルの作成方法において、明度の測定条件は、受光角を0度、照射角を−45度としてもよい。こうすれば、人の目の識別力に近い精度で、特殊光沢インクを相対的に低減させる範囲を定めることができる。
また、本発明は、ルックアップテーブルの作成方法のほか、適用例6の印刷装置、適用例7のルックアップテーブル、適用例8の印刷方法等としても実現することができる。
[適用例6]印刷装置であって、適用例1ないし適用例5のいずれか記載のルックアップテーブルの作成方法で作成したルックアップテーブルを記憶する記憶部と、前記ルックアップテーブルを用いて、前記入力値を前記出力値に変換する色変換処理を行う色変換部と、前記色変換処理の結果を用いて印刷を実行する印刷部とを備えた印刷装置。
[適用例7]インクを印刷媒体上に吐出して印刷を行う印刷装置への入力値と、該印刷装置の特殊光沢インク及びカラーインクの出力値との対応関係を記述したルックアップテーブルであって、色の明るさに関連する指標値が所定値以下に暗い格子点においては、前記特殊光沢インクの出力値を相対的に低減させると共に、前記カラーインクの出力値の合計値を増加させたルックアップテーブル。
[適用例8]特殊光沢インクとカラーインクとを用いて印刷を行う印刷方法であって、色の明るさに関連する指標値が所定値以下に暗い印刷領域においては、前記特殊光沢インクの使用量を相対的に減少させると共に、前記カラーインクの使用量の合計値を増加させる印刷方法。
A.印刷装置の概要:
図1は、本発明の実施例としてのプリンタ20の概略構成図である。図示するように、プリンタ20は、紙送りモータ74によって印刷媒体Pを搬送する機構と、キャリッジモータ70によってキャリッジ80をプラテン75の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ80に搭載された印刷ヘッド81を駆動してインクの吐出及びドット形成を行う機構と、これらの紙送りモータ74,キャリッジモータ70,印刷ヘッド81及び操作パネル93との信号のやり取りを司る制御ユニット30とから構成されている。
キャリッジ80をプラテン75の軸方向に往復動させる機構は、プラテン75の軸と並行に架設され、キャリッジ80を摺動可能に保持する摺動軸73と、キャリッジモータ70との間に無端の駆動ベルト71を張設するプーリ72等から構成されている。
キャリッジ80には、カラーインクとして、シアンインクCと、マゼンタインクMと、イエロインクYと、ブラックインクKとをそれぞれ収容したカラーインク用のインクカートリッジ82〜85が搭載される。また、キャリッジ80には、メタリックインクSを収容したメタリックインク用のインクカートリッジ86が搭載される。本実施例では、インクカートリッジ82〜86は、図中の左側からC,M,Y,K,Sの順に並んでいる。キャリッジ80の下部の印刷ヘッド81には、上述の各色のカラーインク及びメタリックインクSに対応するノズル列が形成されている。キャリッジ80にこれらのインクカートリッジ82〜86を上方から装着すると、各カートリッジから印刷ヘッド81へのインクの供給が可能となる。
なお、本実施形態において「カラーインク」という場合には、ブラックインクも含む意味であることとする。また、本実施例においては、カラーインクには、顔料インクを用いる。
また、メタリックインクとは、印刷物がメタリック感を発現するインクであり、このようなメタリックインクとしては、例えば、金属顔料と有機溶剤と樹脂とを含む油性インク組成物を用いることができる。視覚的に金属的な質感を効果的に生じさせるためには、前述の金属顔料は、平板状の粒子であることが好ましく、この平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/Z>5の条件を満たすことが好ましい。このような金属顔料は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金によって形成することができ、また、金属蒸着膜を破砕して作成することも可能である。メタリックインクに含まれる金属顔料の濃度は、例えば、0.1〜10.0重量%とすることができる。もちろん、メタリックインクはこのような組成に限らず、メタリック感が生じる組成であれば他の組成を適宜採用することが可能である。
本実施例では、メタリックインクSの組成は、アルミニウム顔料1.5重量%、グリセリン20重量%、トリエチレングリコールモノブチルエーテル40重量%、BYK−UV3500(ビックケミー・ジャパン株式会社製)0.1重量%とした。
制御ユニット30は、CPU40や、ROM51、RAM52、EEPROM60がバスで相互に接続されて構成されている。制御ユニット30は、ROM51やEEPROM60に記憶されたプログラムをRAM52に展開し、実行することにより、入力部41、色変換部42、印刷部43としても機能する。これらの各機能部の詳細については後述する。
制御ユニット30には、メモリカードスロット91が接続されており、メモリカードスロット91に挿入したメモリカードMCから画像データORGを読み込んで入力することができる。本実施例においては、メモリカードMCから入力する画像データORGは、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3色の色成分からなるデータである。
また、制御ユニット30は、操作パネル93等を介したユーザからの指示を受けて、入力した画像データORG内の任意の領域に対して、R,G,Bの色成分からなる領域(以下、「カラー領域」という)以外に、メタリック色からなる領域(以下、「メタリック領域」という)を指定することができる。メタリック領域とカラー領域とは、重畳していても構わない(重畳領域は「メタリックカラー領域」、R,G,Bの色成分のみからなる領域を「カラー単独領域」、メタリック色のみからなる領域を「メタリック単独領域」という)。つまり、同一領域内に、カラーインクにより形成されるドットと、メタリックインクにより形成されるドットとが混在する印刷が行われるように、それぞれの領域が指定されてもよい。
EEPROM60には、RGB形式の入力値とCMYKS形式の出力値との関係が記述されたルックアップテーブル(LUT)62と、RGB形式の入力値とCMYK形式の出力値との関係が記述されたLUT64とが記憶されている。
以上のようなハードウェア構成を有するプリンタ20は、キャリッジモータ70を駆動することによって、印刷ヘッド81を印刷媒体Pに対して主走査方向に往復動させ、また、紙送りモータ74を駆動することによって、印刷媒体Pを副走査方向に移動させる。制御ユニット30は、キャリッジ80が往復動する動き(主走査)や、印刷媒体の紙送りの動き(副走査)に合わせて、印刷データに基づいて適切なタイミングでノズルを駆動することにより、印刷媒体P上の適切な位置に適切な色のインクドットを形成する。こうすることによって、プリンタ20は、印刷媒体P上にメモリカードMCから入力したカラー画像を印刷することが可能となっている。
B.印刷処理:
プリンタ20における印刷処理について説明する。図2は、本実施形態における印刷処理のフローチャートである。ここでの印刷処理は、メタリックカラーの印刷を行う処理であり、ユーザが操作パネル93等を用いて、メモリカードMCに記憶された所定の画像の印刷指示操作を行うことで開始される。本実施例では、ユーザは、印刷指示操作と共に、印刷対象画像についてメタリック領域の指定を行う。印刷処理を開始すると、CPU40は、まず、入力部41の処理として、メモリカードスロット91を介してメモリカードMCから印刷対象であるRGB形式の画像データORGを読み込み、カラー領域及びメタリック領域を含む画像データを入力する(ステップS100)。
画像データを入力すると、CPU40は、色変換部42の処理として、EEPROM60に記憶されたLUT62及び64に基づいて、画像データORGを、プリンタ20が表現可能なCMYKS形式の画像データに変換する(ステップS110)。本実施例においては、CPU40は、メタリック領域(メタリックカラー領域及びメタリック単独領域)についてLUT62、カラー単独領域についてLUT64を用いて色変換処理を行う。なお、LUT62及び64は、他の記憶媒体、例えば、ハードディスクドライブに記憶されていてもよいし、プリンタ20に接続されたコンピュータ等からダウンロードする構成としてもよい。
色変換処理を行うと、CPU40は、色変換処理した画像データを各色のドットのON/OFFデータに変換するハーフトーン処理を行う(ステップS120)。ここでは、周知の組織的ディザ法を用いる。ハーフトーン処理を行うと、CPU40は、プリンタ20のノズル配置や紙送り量などに合わせて、1回の主走査単位で印画するドットパターンデータに並び替えるインターレース処理を行う(ステップS130)。インターレース処理を行うと、CPU40は、印刷部43の処理として、ドットパターンデータに基づいて、キャリッジモータ70、モータ74、印刷ヘッド81等を駆動し、印刷ヘッド81からメタリックインクS及びカラーインクを吐出して、メタリックカラーの印刷を実行する(ステップS140)。こうして、印刷処理は終了となる。
C.LUT62の特性:
上述した印刷処理に用いるLUT62の作成方法について説明し、LUT62の特性を明らかにする。LUT62の作成方法の流れを図3に示す。LUT62の作成は、図示するように、次の手順で行われる。まず、RGB形式の入力値とCMYK形式の入力値との対応関係を記載した既存のLUTを用意する(ステップS200)。すなわち、入力値とカラーインクの出力値との対応関係のみが記載された(メタリックインクSの出力値が記載されていない)LUTを用意するのである。
ここで用意するLUTは、カラーインクとメタリックインクSとを重畳して印刷を行うためのLUT62を作成するためのものであるから、出力値にメタリックインクSを含まない条件で作成された通常のLUTと比較して、メタリックインクSが重畳される分だけ、カラーインクのインクデューティ制限値を低減させて作成されたLUTである。カラーインクのインクデューティ制限値とは、印刷媒体の単位面積中に吐出可能なカラーインクの合計量の上限値である。インクジェット式プリンタでは、印刷媒体の単位面積中に多量のインクを吐出すると、インクのにじみが生じて、好適な色表現を行えなくなることから、このような制限が設けられる。なお、インクデューティ制限値は、印刷媒体やインクの種類等の印刷条件によって異なる。
既存LUTを用意すると、次に、メタリックインクSを使用しないカラーパッチと、メタリックインクSを用いたカラーパッチとを作成する(ステップS210)。ここでのカラーパッチとは、所定のピッチで階調変化する所定色の画像データを、既存LUTを用いて色変換処理を行い、プリンタ20で印刷したものである。メタリックインクSを使用しないカラーパッチとは、カラー領域のみからなるカラーパッチであり、本願では、単独カラーパッチともいう。メタリックインクSを用いたカラーパッチとは、単独カラーパッチに、メタリックインクSを所定のデューティで重畳させたカラーパッチであり、本願では、重畳カラーパッチともいう。本実施例での重畳カラーパッチは、メタリックインクSをインクデューティ30%で重畳させたものである。
なお、インクデューティを30%としているのは、本実施例の印刷条件においては、メタリックインクSにより発現するメタリック感がインクデューティ30%で最も視覚的に認識できるからであり、特に、かかるインクデューティに限定するものではない。ここでのメタリックインクSのインクデューティは、メタリックインクSを重畳する際の基本設定値とすればよい。
また、本実施例においては、上述の通り、作成対象のLUT62を搭載するプリンタ20により印刷して、カラーパッチを作成した。これは、LUT62が使用される条件でカラーパッチを作成することにより、後述する方法により作成されるLUT62の性能が向上するからである。ただし、カラーパッチは、必ずしもプリンタ20を用いて作成することは要しない。
また、本実施例においては、カラーパッチの所定色は、図4に示すように、プリンタ20の入力値に係るRGB色空間(階調値は0〜255)の8個の頂点K(0,0,0)、W(255,255,255)、R(255,0,0)、G(0,255,0)、B(0,0,255)、C(0,255,255)、M(255,0,255)、Y(255,255,0)のうちの、頂点Kと頂点Wとを直線的に結ぶカラーラインCL1、頂点Kと頂点Cと頂点Wとを直線的に結ぶカラーラインCL2、頂点Kと頂点Mと頂点Wとを直線的に結ぶカラーラインCL3、頂点Kと頂点Yと頂点Wとを直線的に結ぶカラーラインCL4、頂点Kと頂点Rと頂点Wとを直線的に結ぶカラーラインCL5、頂点Kと頂点Gと頂点Wとを直線的に結ぶカラーラインCL6、頂点Kと頂点Bと頂点Wとを直線的に結ぶカラーラインCL7の色とした。また、カラーパッチの色階調変化ピッチは、各カラーラインを、それぞれ32段階に分割するものとした。本実施例では、いずれのカラーラインにおいても、色階調値1はW(255,255,255)、色階調値32はK(0,0,0)となる。
カラーパッチを作成すると、次に、単独カラーパッチ及び重畳カラーパッチについて、測色器を用いて各色階調の明度(L*)を測色する(ステップS220)。本実施例においては、L*は、照射角を−45度、受光角を0度として測色した。かかる測色条件では、人間の目によって識別される色階調変化と大差ない測定結果が得られることが分かったからである。ただし、測色条件は、かかる条件に限られるものではなく、適宜設定すればよい。
L*を測色すると、次に、測色したL*に応じて色階調ごとのメタリックインクSの使用量(インクデューティ)を設定する(ステップS230)。メタリックインクSの使用量の設定方法については、図5を用いて詳しく説明する。図5は、カラーラインCL1における単独カラーパッチ(図中では「メタリックなし時」)及び重畳カラーパッチ(図中では「メタリック30%時」)についての各色階調と上記ステップS220において測色したL*との関係を示している。また、その関係に基づいて設定したメタリックインクSのインクデューティを示している。図示するように、カラーラインCL1においては、単独カラーパッチの線形と重畳カラーパッチの線形とは、交差ポイントCP1(色階調数18)で交差していることが分かる。
本実施例においては、メタリックインクSのインクデューティは、交差ポイントCP1よりも白に近い色階調、すなわち、交差ポイントCP1よりもL*が高い色階調では、一定値30%とした。また、交差ポイントCP1よりも黒に近い色階調、すなわち、交差ポイントCP1よりもL*が低い色階調では、メタリックインクSのインクデューティは、L*が低下するほど小さくなり、黒で0%となるように設定した。
なお、仮に、メタリックインクSのインクデューティを減らし始める削減開始ポイントを、交差ポイントCP1よりもL*が高い色階調で設定すれば、削減開始ポイントにおいては、色階調が黒に近づくにもかかわらずL*が高くなってしまう(かかる現象を本願では、明度逆転現象という)。要するに、他の色階調では、色階調が黒に近づくにしたがってL*が低くなるので、削減開始ポイントにおいて、L*の滑らかな階調変化を実現できなくなるのである。かかる観点から、削減開始ポイントは、L*が交差ポイントCP1のL*以下となる階調で設定することが望ましく、本実施例では、削減開始ポイントを交差ポイントCP1としているのである。
同様に、カラーラインCL4における各色階調とL*との関係を図6に示す。カラーラインCL4においても、カラーラインCL1と同様に、単独カラーパッチの線形と重畳カラーパッチの線形とは、交差ポイントCP2で交差していることが分かる。したがって、メタリックインクSのインクデューティについても、同様に、交差ポイントCP2のL*よりもL*が高い色階調では、メタリックインクSのインクデューティを一定値30%とし、L*が交差ポイントCP2のL*以下となる色階調では、メタリックインクSのインクデューティが、L*が低下するほど小さくなり、黒で0%となるように設定した。なお、説明は省略するが、他のカラーラインについても、同様に、メタリックインクSの量を設定する。
以上のように、メタリックインクSの量を設定すると、次に、既存LUTの格子点ごとに、上記ステップS230で決定したメタリックインクSの量に基づいて、メタリックインクSの出力値を付加する(ステップS240)。具体的には、まず、図5及び図6の横軸に示した色階調数は、カラーパッチの色階調変化の数に相当するものであるから、当該色階調数を既存LUTの階調値に置き換えて、既存LUTの階調値とメタリックインクSとの関係を求める。そして、求めた関係に基づいて、カラーラインCL1〜CL7上に属する格子点のそれぞれに付加するメタリックインクSの量を求める。そして、カラーラインCL1〜CL7上に属さない格子点のメタリックインクSの量を、カラーラインCL1〜CL7上に属する格子点を用いた補間計算により算出する。補間計算は、LUTの格子点間の出力値を求める際に用いる種々の公知の方法を利用すればよい。なお、既存LUTの各格子点のRGB値をL*a*b*値に変換して、各格子点のL*の値に応じて、図5や図6に示したL*とメタリックインクSのインクデューティの関係から、メタリックインクSの量を設定してもよい。
なお、本実施例においては、カラーラインCL1〜CL7上に属する格子点について、各色階調とL*との関係からメタリックインクSの量を決定する構成としたが、設定するカラーラインの数や色相は、適宜設定すればよい。例えば、カラーラインの数を増やせば、より精度の高いLUTを作成できることは勿論である。
メタリックインクSの出力値を付加すると、次に、付加したメタリックインクSの出力値に応じて、カラーインクのインクデューティ制限値を増大させ、カラーインクの出力値を補正する(ステップS250)。要するに、インクデューティを30%から低減させた格子点においては、その低減量分だけ、カラーインクのインクデューティ制限値を増大させて、カラーインクの出力値を設定し直すのである。
ステップS250については、更に詳しく説明する。カラーラインCL1におけるカラーインクのインクデューティ制限値及びインクデューティの具体例を図5に示す。この例では、カラーインクデューティは、色階調が白から黒に向かうに従って増加し、色階調が値16となった時点で、インクデューティ制限値(160%)に達する。したがって、仮に、メタリックインクSの量を全ての色階調において30%で固定した場合には、値16から黒までの色階調においては、カラーインクのインクデューティを160%の一定値として、色階調変化を表現することとなる。具体的には、ブラックインクKの使用割合を増加させることで、色階調の違いを表現することとなる。
一方、本実施例では、交差ポイントCP1から黒に近づく色階調においてメタリックインクSの量を徐々に低減させ、当該低減分だけ、カラーインクのインクデューティ制限値を増大させる。その結果、図示するように、交差ポイントCP1から黒までの色階調の範囲においては、カラーインクデューティを最大190%まで増加させることができる。なお、図5では、カラーインクのインクデューティ制限値の線形(二点鎖線)とカラーインクデューティの線形(点線)が重畳する部分(色階調値16〜黒)については、カラーインクデューティの線形として表示(点線)している。
同様に、カラーラインCL4における具体例を図6に示す。この例でも、カラーインクデューティは、色階調が白から黒に向かうに従って増加し、色階調が値16(イエロー)となった時点で、インクデューティ制限値160%に達する。したがって、色階調値16から交差ポイントCP2の範囲では、カラーインクデューティは、160%の一定値となる。また、交差ポイントCP2よりも黒に近い色階調では、メタリックインクSの量を徐々に低減させると共に、当該低減分だけ、カラーインクのインクデューティ制限値を増大させている。
このような考え方で、各格子点におけるカラーインクのインクデューティ制限値を増大させて、カラーインクの出力値を設定し直すのである。本実施例では、インクデューティ制限値が160%から増大した分だけ、シアンインクC、マゼンタインクM、イエロインクYの各出力値を同率で増大させることとした。こうして、カラーインクの出力値を補正すると、LUT62は完成となる。なお、上述の工程に、さらに、階調変化が滑らかとなるように色補正を行う工程を付加してもよい。
かかるLUT62の作成方法は、L*が所定値以下に暗い格子点においては、メタリックインクSの出力値を低減させると共に、カラーインクのインクデューティ制限値を増大させて、メタリックインクS及びカラーインクの出力値を決定する。したがって、L*が暗い格子点、すなわち、カラーインクの出力値が比較的大きい格子点では、カラーインクのインクデューティ制限値が増大されるので、カラーインクの出力値を大きくすることができ、その結果、印刷領域の色再現範囲を広げることができる。また、当該格子点の印刷領域では、カラーインクの使用量が多いことから、もともとメタリックインクSによる特殊光沢発現効果が比較的小さいので、メタリックインクSの出力値を低減しても、印刷画質に与える影響は小さい。また、印刷画質に配慮しつつ、比較的高価なメタリックインクSの量を節約できる。
また、かかるLUT62の作成方法は、L*の暗さの程度に応じてメタリックインクSの出力値を低減させると共に、カラーインクのインクデューティ制限値を増大させるので、かかる方法により作成されたルックアップテーブルを用いて印刷を行えば、印刷画像の階調変化が滑らかとなり、印刷画質の低下を抑制することができる。
また、かかるLUT62の作成方法は、カラーラインCL1〜CL7において、L*が単独カラーパッチの線形と重畳カラーパッチの線形とが交差する交差ポイントのL*以下の印刷領域において、メタリックインクSの量が低減するようにメタリックインクSの出力値を決定するので、LUT62を用いて印刷を行えば、明度の逆転現象が生じて、印刷画質を低下させることがない。
D.変形例:
上述の実施形態の変形例について説明する。
D−1.変形例1:
実施例においては、カラーインクにより表現される色の明度(L*)が所定値以下の場合に、メタリックインクSの使用量を低減する構成について示したが、メタリックインクSの使用量を低減するための指標としては、明度に限るものではなく、カラーインクにより表現される色の明るさに関連する種々の指標とすることができる。例えば、輝度、インクデューティなどとしてもよい。
D−2.変形例2:
実施例においては、カラーパッチを測色することによって、メタリックインクSの削減ポイントを決定したが、かかる測色は必須ではなく、省略してもよい。こうすれば、より簡単にLUT62を作成することができる。ただし、実施例のように、測色を行ってメタリックインクSの削減ポイントを決定すれば、確実に明度逆転現象を抑制できるので、より望ましいことは勿論である。
また、カラーインクの出力値及びメタリックインクSの出力値の決定順序は、実施例の順序に限らず、自由に決定すればよい。例えば、以下のような決定順序としてもよい。まず、格子点ごとにメタリックインクSの出力値を決定する。メタリックインクSの出力値は、実施例と同様に、黒に近い色階調では、相対的に低減するように設定する。メタリックインクSの削減開始ポイントは、経験的に、明度逆転現象を生じないと予想される範囲で設定することが望ましい。例えば、RGBの各階調値のいずれもが値50以下となる格子点において、黒(0,0,0)に近づくに従って、メタリックインクSの出力値を低減してもよい。
次に、決定したメタリックインクSの出力値に応じて、各格子点におけるカラーインクのインクデューティ制限値を決定する。インクデューティ制限値は、実施例と同様に、メタリックインクSの出力値を低減した格子点においては、その低減分だけインクデューティ制限値を増大する。そして、決定したインクデューティ制限値に基づいて、カラーインクの出力値を決定する。カラーインクの出力値の決定方法は、従来の分版方法で行えばよい。
D−3.変形例3:
上述の実施形態においては、メタリックインクSの削減ポイントよりもL*が高い印刷領域では、メタリックインクSのインクデューティを30%とし、メタリックインクSの削減ポイントから、L*が小さくなるに従って、メタリックインクSのインクデューティを減じていき、黒でゼロとなる構成について示したが、メタリックインクSのインクデューティの減じ方は、印刷媒体等の印刷条件、求める印刷画質、メタリックインクSの節約量などを考慮して、適宜設定すればよい。例えば、インクデューティの上限を25%や35%としてもよいし、黒よりもL*が高いポイントからインクデューティをゼロとしてもよい。あるいは、黒でもゼロとならない、例えば、10%となる構成であってもよい。もとより、メタリックインクSは、L*が低下するほど使用量を減少させる構成に限らず、削減ポイント以下では、一定量を減じる構成としてもよい。こうしても、簡単な構成で、一定程度の効果を期待できる。
D−4.変形例4:
上述した実施形態においては、メタリックインクとカラーインクとによりメタリックカラーの印刷を行う構成について例示したが、本発明は、メタリックカラーの印刷に限るものではなく、カラーインクと種々の特殊光沢インクを用いた印刷に適用することができる。特殊光沢インクとは、印刷を経た印刷媒体表面において特殊光沢を呈するインクであり、メタリック感を発現する顔料を含有するメタリックインクのほかに、印刷媒体表面に印刷されたインクの光学的特性が反射角依存性を有し、見る角度によって様々な見え方を呈するインクとしてもよい。かかるインクとしては、具体的には、メタリックインクのほかに、媒体表面への定着後に真珠光沢感を発現する顔料を含有する真珠光沢インク、媒体表面への定着後に乱反射を起こしていわゆるラメ感やなし地感を発現するよう微小凹凸を有する顔料を含有するラメインクやなし地インクなどを用いることができる。
D−5.変形例5:
上述した実施形態においては、プリンタ20が図2の印刷処理の全てを実行する構成としたが、プリンタ20にコンピュータが接続される場合には、印刷処理の一部を当該コンピュータが実行してもよい。かかる場合、コンピュータとプリンタ20とによって構成される印刷システムは、広義の印刷装置として捉えることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。また、LUTの作成方法のほか、印刷装置、LUT、印刷方法等としても実現することができる。
本発明の実施例としてのプリンタ20の概略構成図である。 プリンタ20における印刷処理の手順を示すフローチャートである。 LUT62の作成方法の手順を示すフローチャートである。 カラーパッチを作成する所定色を示すRGB色空間である。 カラーラインCL1におけるL*、メタリックインクデューティ及びカラーインクデューティとの関係を示す説明図である。 カラーラインCL4におけるL*、メタリックインクデューティ及びカラーインクデューティとの関係を示す説明図である。
20…プリンタ
30…制御ユニット
40…CPU
41…入力部
42…色変換部
43…印刷部
51…ROM
52…RAM
60…EEPROM
62,64…LUT
70…キャリッジモータ
71…駆動ベルト
72…プーリ
73…摺動軸
74…紙送りモータ
75…プラテン
80…キャリッジ
81…印刷ヘッド
82〜86…インクカートリッジ
91…メモリカードスロット
93…操作パネル
MC…メモリカード
P…印刷媒体
CL1〜CL7…カラーライン
CP1,CP2…交差ポイント

Claims (4)

  1. インクを印刷媒体上に吐出して印刷を行う印刷装置への入力値と、該印刷装置の特殊光沢インク及びカラーインクの出力値との対応関係を記述したルックアップテーブルの作成方法であって、
    前記カラーインクのみを用いて印刷を行った印刷領域における所定の色階調ごとの、色の明るさに関連する指標値を測色する第1の測色工程と、
    前記カラーインク及び前記特殊光沢インクを用いて印刷を行った印刷領域における所定の色階調ごとの前記指標値を測色する第2の測色工程と、
    前記第1の測色工程により求められる、前記色階調と前記指標値との関係を示す線形と、前記第2の測色工程により求められる前記色階調と前記指標値との関係を示す線形との交点における前記指標値である交点指標値を求める工程と、
    前記ルックアップテーブルの各格子点における前記特殊光沢インクの出力値を、前記指標値が前記交点指標値以下に暗い格子点においては、相対的に低減させて決定する第1の工程と、
    前記決定した特殊光沢インクの出力値に応じて、前記印刷媒体の単位面積中に吐出可能な前記カラーインクの合計量の上限値であるインクデューティ制限値を増大させて、前記各格子点における該カラーインクの出力値を決定する第2の工程と
    を備えたルックアップテーブルの作成方法。
  2. 印刷装置であって、
    請求項1記載のルックアップテーブルの作成方法で作成したルックアップテーブルを記憶する記憶部と、
    前記記憶したルックアップテーブルを用いて、前記入力値を前記出力値に変換する色変換処理を行う色変換部と、
    前記色変換処理の結果を用いて印刷を実行する印刷部と
    を備えた印刷装置。
  3. インクを印刷媒体上に吐出して印刷を行う印刷装置への入力値と、該印刷装置の特殊光沢インク及びカラーインクの出力値との対応関係を記述したルックアップテーブルであって、
    色の明るさに関連する指標値が、前記カラーインクのみを用いて印刷を行った印刷領域における所定の色階調ごとの前記指標値との関係を示す線形と、前記カラーインク及び前記特殊光沢インクを用いて印刷を行った印刷領域における所定の色階調ごとの前記指標値との関係を示す線形との交点における前記指標値である交点指標値以下に暗い格子点においては、前記特殊光沢インクの出力値を相対的に低減させると共に、前記カラーインクの出力値の合計値を増加させた
    ルックアップテーブル。
  4. 特殊光沢インクとカラーインクとを用いて印刷を行う印刷方法であって、
    前記カラーインクのみを用いた印刷を測色したときの色階調と明るさに関連する指標値を示す線形と、前記カラーインク及び前記特殊光沢インクを用いた印刷を測色したときの色階調と明るさに関連する指標値を示す線形との交点よりも暗い指標値においては、明るい指標値よりも、前記特殊光沢インクの使用量を相対的に減少させると共に、前記カラーインクの使用量の合計値を増加させる
    印刷方法。
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