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JP5101030B2 - トレンチ型mosfet及びその製造方法 - Google Patents
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Description

この発明は、炭化珪素から成るドリフト層を有するトレンチ型MOSFET及びその製造方法に関する。
高耐圧・低損失であり、高速スイッチング動作が可能である、炭化珪素から成るトレンチ型MOSFETが、最近開発されている。トレンチ型MOSFETは、プレーナ型のMOSFETに比べて単位面積当たりのチャネル密度を大幅に高めることが可能である。そのため、単位面積当たりに流れる電流が大きくなり、導通損失となるオン抵抗を低減することができる。しかしながら、炭化珪素を用いてMOSFETを作成した場合、MOSチャネルを通過する電子の移動度(チャネル移動度)が低いため、オン抵抗の低減が困難である。
そこで、特許文献1のトレンチ型MOSFETは、主表面に(000−1)カーボン面を用い、トレンチ側壁を[1−100]方向に平行に形成している。そして、特許文献1は、MOS界面準位密度の小さい面をトレンチ側壁としてMOSチャネルを形成することにより、トレンチ型MOSFETのチャネル移動度を向上している。
特開平10−229190号公報
しかしながら、特許文献1に記載のトレンチ型MOSFETでは、耐圧を考慮して、ベース領域の不純物濃度を高くする必要がある。その結果、ベース領域の不純物によるクーロン散乱が増加して、トレンチ型MOSFETのチャネル移動度は低くなる。
そこで、本発明の目的は、耐圧を保持しつつ、チャネル移動度が高いトレンチ型MOSFET及びその製造方法を提供することである。
請求項1に記載のトレンチ型MOSFETの製造方法は、炭化珪素から成る半導体基板上に、第1導電型の炭化珪素から成るドリフト層を形成する工程と、前記ドリフト層の表層部に、第2導電型の炭化珪素から成る第2領域を形成する工程と、前記ドリフト層内に底部を有する溝部を、前記第2領域を貫通して形成する工程と、前記溝部の側壁に沿って、第1導電型の炭化珪素から成る不純物層を形成する工程と、前記第2領域の表層部に、第1導電型の炭化珪素から成るソース領域を、前記不純物層と接するように形成する工程と、前記不純物層および前記ドリフト層に前記第2領域から不純物を拡散させることによって、前記不純物層および前記ドリフト層の前記第2領域に接している領域に第2導電型の炭化珪素から成る第1領域を形成して、前記第1領域と前記第2領域とを有する炭化珪素から成るベース領域を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
請求項5に記載のトレンチ型MOSFETは、炭化珪素から成る半導体基板上に形成された第1導電型の炭化珪素から成るドリフト層と、前記ドリフト層の表層部に形成された第2導電型の炭化珪素から成るベース領域と、前記ベース領域の表層部に形成された第1導電型の炭化珪素から成るソース領域と、前記ベース領域及び前記ソース領域が側壁に接するように、しかも下端が前記ベース領域及び前記ソース領域以外の領域に達するように、前記ドリフト層に形成された溝部と、を備え、前記ベース領域は、前記溝部の側壁に沿って、前記溝部の側壁から一定の幅で形成された第2導電型の第1領域と、前記第1領域以外の領域である第2領域と、を有し、前記第1領域の不純物濃度は、前記第2領域の不純物濃度よりも低く、前記ドリフト層と接合する前記ベース領域は、前記第2領域から前記ドリフト層側に向かって第2導電型不純物の密度が高濃度から低濃度に分布していくプロファイルを有する前記第1領域となることを特徴とする。
請求項1に記載のトレンチ型MOSFETの製造方法によれば、第2領域からの不純物イオンの拡散により、第1領域を形成しているので、トレンチ型MOSFETのような複雑な構造でも容易に、比較的高濃度な第2領域と、比較的低濃度な第1領域を有するベース領域を形成することができる。
また、第2領域の不純物は縦方向にも拡散するため、ドリフト層と接合するベース領域は、第2領域からドリフト層側に向かって第2導電型不純物の密度が高濃度から低濃度に分布していくプロファイルを有する第1領域となる。したがって、ドリフト層と第1領域の界面にはなだらかに不純物密度が変化するpn接合が形成される。このため、pn接合のアバランシェ耐性が向上し、高耐圧実現が可能となる。
請求項に記載のトレンチ型MOSFETによれば、第2領域よりも不純物濃度が低い第1領域にチャネルが形成されるので、不純物によるクーロン散乱が抑制されてチャネル移動度が高くなる。しかも不純物濃度の高い第2領域により、パンチスルーが抑制され、耐圧を保持できる。また、請求項に記載のトレンチ型MOSFETは、いわゆる蓄積モード構造では無いため、ノーマリOFF化を容易に実現できる。
また、ドリフト層と接合するベース領域は、第2領域からドリフト層側に向かって第2導電型不純物の密度が高濃度から低濃度に分布していくプロファイルを有する第1領域となる。したがって、ドリフト層と第1領域の界面にはなだらかに不純物密度が変化するpn接合が形成される。このため、pn接合のアバランシェ耐性が向上し、高耐圧実現が可能となる。

以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
<実施の形態1>
<A.構成>
図1は、本実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの主要部の構成を示す断面図である。図1は、半導体基板上に、櫛形もしくは多角形で複数周期折り返され、連続的に配置された複数のトレンチ型MOSFETのうちの一つのトレンチ型MOSFETの断面構造を示した図である。図2は、本実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETのトレンチ20の側壁付近の拡大断面図である。以下、図1,2を参照して、本実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの構成について詳細に説明する。
第1導電型(本実施の形態1の例ではn型)の半導体基板1(基板)上に第1導電型の炭化珪素から成るドリフト層2が形成されている。そして、ドリフト層2の表層部には、第2導電型(本実施の形態1の例ではp型)のベース領域3が形成されている。ベース領域3の表層部には、第1導電型のソース領域4が形成されている。そして、ベース領域3及びソース領域4が側壁に接するように、しかも下端がベース領域3及びソース領域4以外の領域に達するように、ドリフト層2にトレンチ(溝部)20が形成されている。
ベース領域3は、トレンチ20の側壁に沿って、トレンチ20の側壁から一定の幅で形成された第2導電型の第1領域3aを備えている。本実施の形態1では、第1領域3aの幅t(図2参照)は、後述する第2領域3bから不純物(アクセプタ)を第1領域3aに拡散する工程で、第2領域3bから不純物が十分拡散できる距離であるように、2μm以下とする。
第1領域3aの不純物濃度(アクセプタ濃度)は、第1領域3a以外のベース領域3である第2領域3bの不純物濃度(アクセプタ濃度)よりも低く形成されている。そして、耐圧が数100V以上、3kV以下である高耐圧のトレンチ型MOSFETを実現するため、第2領域3bの不純物濃度は、1×1017/cm3以上、5×1018/cm3以下であることが望ましい。
ここで、半導体基板1の不純物密度(ドナー密度)は、1×1018cm-3以上であることが望ましい。そして、ドリフト層2は、半導体基板1上にエピタキシャル成長により形成されている。また、半導体基板1の主面の面方位は、(0001)面、(11−20)面など、いかなる面方位であってもよい。
トレンチ20の底部には、ドリフト層2とは別工程で形成された第1導電型のエピタキシャル層9(不純物層)が形成されている。ソース領域4上には、ソース電極7が形成されている。トレンチ20の内側に、ゲート絶縁膜5が形成されている。ゲート絶縁膜5は、ソース領域4の端部領域、ベース領域3、ドリフト層2に接するように形成されている。また、ゲート絶縁膜5上には、ゲート電極6が形成されている。さらに、半導体基板1のドリフト層2が形成された主面とは反対の主面上には、ドレイン電極8が形成されている。
<B.製造方法>
次に、図3〜8,10を参照して、本実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの製造方法について説明する。図3〜8,10は、本実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの製造工程を示す断面図である。
はじめに、炭化珪素から成る半導体基板1を準備する。ここで、当該説明において、半導体基板1の導電型は、n型であるとする。また、半導体基板1の不純物密度(ドナー密度)は1×1018cm-3以上であることが望ましい。次に、図3に示すように、エピタキシャル結晶成長法により半導体基板1上にドリフト層2を形成する。ここで、ドリフト層2の導電型は、半導体基板1と同じn型であるとする。
また、厚さを5μm以上、50μm以下、n型不純物濃度(ドナー密度)を1×1015/cm3以上、1×1017/cm3以下となるように、ドリフト層2のエピタキシャル成長を制御することで、数100Vから3kVの耐圧を示すトレンチ型MOSFETが実現できる。ここで、上記のようにn型ドリフト層2を形成する場合、不純物ドーパント元素としては窒素(N)あるいはリン(P)等を採用することができる。
次に、ドリフト層2の上面に所定形状のマスクを施し、不純物イオン(p型)を注入する。これにより、図4に示すように、p型である第2領域3bが形成される。ここで、図4は、マスク除去後の素子断面を示す図である。ここで、第2領域3b間のイオン注入されていない領域には、トレンチ20が形成されるため、イオン注入をしてもしなくてもどちらでもよい。また、上記第2領域3bの作成のためのイオン注入処理において、不純物イオンは、炭化珪素中を比較的拡散しやすいボロン(B)を採用する。
そして、当該イオン注入処理において、第2領域3bの深さは、ドリフト層2の厚さを超えないようにすることが望ましい。たとえば、第2領域3bの厚さ(深さ)は、ドリフト層2の表面から、0.5〜5μm程度であればよい。また、第2領域3b中の第2導電型(p型)の不純物濃度(アクセプタ濃度)は、ドリフト層2中の第1導電型(n型)の不純物濃度(ドナー濃度)を超えるようにする。
所望の耐圧のトレンチ型MOSFETが実現できるように、つまり、トレンチ型MOSFETのオフ時に、ベース領域3のパンチスルー破壊が生じないように、第2領域3bの不純物濃度は、たとえば、1×1017/cm3以上、5×1018/cm3以下であればよい。上記までの各イオン注入処理後、写真製版技術によりドリフト層2及び第2領域3bの上面にマスクを形成し、乾式もしくは湿式エッチングにより、ドリフト層2の第2領域3b間にトレンチ20を形成する(図5)。トレンチ20の深さは、第2領域3bの深さを超えるようにし、ドリフト層2の厚さを超えないようにする。そのため、トレンチ20の底部は、ドリフト層2内に形成される。
次に、上記半導体基板1に対して、エピタキシャル成長を行い、図6に示すように、トレンチ20の側壁に沿って第1導電型の不純物層であるエピタキシャル層9を形成する。ここで、当該エピタキシャル層9の導電型は第1導電型であり、ここでは、n型である。また、厚さは0.01μm以上、2μm以下とする。
なお、このn型エピタキシャル層9が、後述のB(ボロン)拡散により形成される第1領域3aに相当するp型領域となる。そして、アクセプタ密度の低いチャネル領域を形成するため、エピタキシャル層9のドナー濃度は、拡散後の第1領域3aの所望のアクセプタ濃度より低くなるようにエピタキシャル成長を制御する。
次に、第2領域3bの上面に所定形状のマスクを施し、不純物イオン(n型)を注入する。これにより、図7に示すように、n型であるソース領域4が形成される。ここで、図7は、マスク除去後の素子断面を示す図である。また、ソース領域4を作成するためのイオン注入処理において、上記のようにn型のソース領域4を作成する場合(換言すれば、nチャネルMOSFETの場合)には、不純物イオンとして、たとえばリン(P)や窒素(N)等を採用することができる。
ソース領域4の深さは、第2領域3bの深さを超えないようにする。さらに、ベース領域3とソース領域4の深さの差がチャネル長となるので、所望のチャネル長が得られるようにソース領域4の深さを制御する。また、ソース領域4中の不純物密度(ドナー濃度)は、第2領域3b中の不純物密度(アクセプタ濃度)を超えるようにし、たとえば5×1018/cm3以上、1×1021/cm3以下であればよい。
以上のイオン注入処理を施した半導体基板1を熱処理装置に導入する。そして、当該半導体基板1に対して、熱処理を施す。当該熱処理の温度は、たとえば1300〜1900℃であり、時間は、たとえば30秒〜1時間程度である。当該熱処理により、半導体基板1に注入されたイオンを電気的に活性化することができる。
ここで、炭化珪素中を拡散しやすい不純物であるBは、注入された第2領域3bから内外に拡散する。このとき、n型であるエピタキシャル層9内にBが拡散して、エピタキシャル層9の第2領域3bに接している領域の導電型は、p型に反転する。これにより、図8に示すように、第2導電型の第1領域3aを形成する。
第1領域3a内のBの密度は、熱処理の温度、時間などの条件によって制御することにより、チャネルとなる第1領域3aのp型不純物密度(アクセプタ濃度)を制御することができる。たとえば、第1領域3aのp型不純物密度は5×1013cm3以上、5×1018/cm3未満であればよい。また、第1領域3aのp型不純物密度は、一定である必要はなく、第1領域3aは第2領域3b側からトレンチ20側壁に向けて横方向(半導体基板1の主面に平行な方向)に濃度プロファイルがついていてもよい。そして、第1領域3aは、ソース領域4との界面側からドリフト層2との界面側に向けて縦方向(半導体基板1の主面に垂直な方向)に濃度プロファイルがついていてもよい。
図9は、実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの第1領域の不純物プロファイルを説明するための図である。図9には、第1領域3aのうち、チャネルが形成される領域の横方向のp型不純物密度プロファイルの1例を示している。図9中のx軸は、図8の矢印方向のトレンチ側壁からの距離に相当する。ここで、第1領域3aは、厚みが0.2μmで、p型不純物密度が1×1017/cm3から1×1018/cm3まで増加するプロファイルを有し、第2領域3bのp型不純物密度は、1×1018/cm3としている。
次に、熱処理装置から半導体基板1を取り出し、ドリフト層2表面にゲート絶縁膜5を成膜する(図10)。ゲート絶縁膜5としては、二酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化ジルコニウム膜などを採用することができる。
次に、トレンチ20内部のゲート絶縁膜5上にゲート電極6を充填する。その後、ゲート絶縁膜5の一部を除去することで、ソース領域4を露出する。そして、ソース領域4が露出した部位に、金属膜を成膜してパターニングすることによりソース電極7を形成する。その後、半導体基板1のドリフト層2が形成された主面とは反対の主面上に、ドレイン電極8を形成する。以上の工程により、図1に示した炭化珪素から成るトレンチ型MOSFETの主要部が完成する。
なお、本実施の形態1に係るn型ドリフト層2の不純物濃度分布及びp型ベース領域3の不純物濃度分布は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectroscopy)や、荷電粒子放射化分析法(CPAA:Charged−Particle Activation Analysis)により測定することができる。
<C.効果>
<C−1.実験結果>
次に、本実施の形態1に係るMOSFETの実験結果について説明する。図11,12は、本実施の形態1に係るMOSFETの性能を示す図である。実験対象となったnチャネルのMOSFETは、(0001)面上にチャネル領域が形成されている。ここで、図11は、当該MOSFETが備えるp型の第1領域3aの不純物濃度Na(横軸)と、当該MOSFETのチャネル移動度μch(縦軸)との関係を示す実験結果である。また、図12は、第1領域3aの不純物濃度Na(横軸)と、当該MOSFETの閾値電圧Vth(縦軸)との関係を示す実験結果である。
図11に示すように、第1領域3aの不純物濃度(アクセプタ濃度)が低くなるほど、チャネル移動度μchが高くなることが確認できた。また、図12に示すように、第1領域3aの不純物濃度(アクセプタ濃度)が低くなるほど、閾値電圧Vthが下がることが確認できた。
<C−2.効果>
以上説明したように、本実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETによれば、チャネル領域になる第1領域3aの不純物濃度が比較的低濃度のため、不純物散乱が小さくなり、高移動度を実現できる。すなわち、低オン損失のトレンチ型MOSFETが実現できる。さらに、第2領域3bは、不純物濃度が比較的高濃度であるので、パンチスルー破壊を防ぐことができ、高耐圧のトレンチ型MOSFETを実現できる。
本実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの製造方法によれば、第2領域3bからの不純物イオンの拡散により、第1領域3aを形成しているので、トレンチ型MOSFETのような複雑な構造でも容易に、比較的高濃度な第2領域3bと、比較的低濃度な第1領域3aを有するベース領域3を形成することができる。
また、トレンチ側壁に形成されるMOS界面は、エピタキシャル成長された第1領域3aの表面に形成されるため、トレンチ形成時のエッチングダメージに影響されない。さらに、Bは縦方向にも拡散するため、ドリフト層2と接合するベース領域3は、第2領域3bからドリフト層2側に向かってp型不純物密度が高濃度から低濃度に分布していくプロファイルを有する第1領域3aとなる。したがって、ドリフト層2と第1領域3aの界面にはなだらかに不純物密度が変化するpn接合が形成される。このため、pn接合のアバランシェ耐性が向上し、高耐圧実現が可能となる。
以上の構成のトレンチ型MOSFETを形成することにより、実用面で、最も耐圧性に優れており、最もON時の動作損失の少ない、炭化珪素から成るMOSFETを提供することができる。また、本実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETでは、トレンチ20に形成したn型エピタキシャル層9は、p型不純物の拡散によりp型となるので、蓄積モード構造では無い。したがって、当該MOSFETのノーマリOFF化が容易に実現される。
なお、本実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの製造方法では、p型不純物としてBを用いたが、たとえばアルミニウム(Al)等を採用してもよい。さらに、BとAlを同時に採用してもよく、たとえば、炭化珪素中を比較的拡散しにくいAlと、拡散しやすいBを第2領域3bに注入してもよい。熱処理後、Alの分布は注入後の分布とほぼ変化がなく、Bは内外拡散を行い、注入後と比べて分布が変化するため、第2領域3bにはAlとBが分布し、第1領域3aには拡散したBが分布する。
チャネル領域にはBが拡散分布して不純物濃度の低い領域が形成され、さらにドリフト層2とベース領域3の界面にはなだらかなpn接合が形成される。第2領域3bには、B濃度が拡散後に減少しても高濃度のAl(1×1018/cm3)が残留分布しているため、ベース領域3のパンチスルーを確実に防ぐことができる。また、BやAl以外のイオン種を採用した場合であっても、そのイオン種が熱処理により拡散しやすいか否かが判断されれば、上記事項は容易に適用できる。
なお、本実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの製造方法では、トレンチ20の側壁は図5に示すように、半導体基板1に対して垂直になるように形成したが、図13に示すように角度がついていてもよい。図13は、実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの別の製造工程を示す断面図である。
また、ソース電極7とベース領域3間のコンタクト抵抗増加を抑制するために、図1でソース電極7と第2領域3bの間に位置するベース領域3の第1領域3aを、乾式もしくは湿式エッチングにより除去してもよい。
さらに、図14に示すように、あらかじめソース電極7が接するベース領域表面内に第2導電型の不純物を高濃度に有する領域を形成していてもよい。図14は、ベース領域3内に第2導電型の高濃度領域10を挿入した場合のトレンチ型MOSFETの構成を示す図である。高濃度領域10の不純物濃度は、たとえば、1×1018/cm3以上、1×1023/cm3以下であればよい。そして、高濃度領域10の深さは、ベース領域3の深さを超えないようにする必要がある。
<実施の形態2>
<A.構成>
図15は、本実施の形態2に係るトレンチ型MOSFETの主要部の構成を示す断面図である。図15は、半導体基板1上に、櫛形もしくは多角形で複数周期折り返され、連続的に配置された複数のトレンチ型MOSFETのうちの一つのトレンチ型MOSFETの断面構造を示した図である。本実施の形態2に係るトレンチ型MOSFETは、トレンチ20の側壁に沿って、ソース領域4とゲート絶縁膜5の間に第1領域3aが配置されている。その他の構成は、図1に示す実施の形態1と同様であり、同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
<B.製造方法>
次に、図16から図19を参照して、本実施の形態2に係るトレンチ型MOSFETの製造方法について説明する。図16から図19は、本実施の形態2に係るトレンチ型MOSFETの製造工程を示す断面図である。
実施の形態1では、第2領域3bの形成後に、トレンチ20を形成し、第1領域3aにあたる領域をエピタキシャル成長した後にソース領域4を形成する製造方法について説明した。本実施の形態2に係るトレンチ型MOSFETでは、図16に示すように、第2領域3bの形成後に、ソース領域4を第2領域3bの表面に形成する。ここで、図16は、ソース領域形成後の断面図である。
次に、図17に示すように、ソース領域4、第2領域3b及びドリフト層2内にトレンチ20を形成する。次に、図18に示すように、トレンチ20、ソース領域4、第2領域3b上にn型エピタキシャル層9を形成する。次に、図19に示すように、トレンチ側壁以外のエピタキシャル層9をエッチング、もしくは研磨により除去する。ソース領域4の表面に形成されたエピタキシャル層9が除去されるので、ソースコンタクト抵抗の増加を防ぐことができる。
ここで、エピタキシャル層9は、チャネルが形成されるトレンチ側壁に形成された部分を残し、ソース領域4がソース電極7と接触する部分を除去すれば、それ以外の領域は、除去しても除去しなくてもどちらでもよい。たとえば、エピタキシャル層9のトレンチ底部の部分は、除去しても除去しなくてもどちらでもよい。なお、図19は、トレンチ底部のエピタキシャル層9を除去していない構造を示している。また、選択成長によりトレンチ内部だけに選択的にエピタキシャル層9を形成してもよい。
以上の製造工程により、実施の形態1の図7に示す構造と同様の構造を形成できる。その後、実施の形態1と同一の工程を経て、図15に示すトレンチ型MOSFETの主要部の構造を得ることができる。詳細な製造工程は、実施の形態1と同一であるので省略する。
<C.効果>
本実施の形態2に係るトレンチ型MOSFETの製造方法では、全てのイオン注入工程が完了した後にエピタキシャル成長を行っている。そのため、注入イオンの活性化に必要な温度(たとえば1500℃)でエピタキシャル層9のエピタキシャル成長を行う場合、エピタキシャル層9の形成中に注入イオンが拡散及び活性化するため、イオン注入後の熱処理の工程を省くことができる。その結果、実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの製造方法に比べて、工程簡略化が可能である。
本実施の形態2に係るトレンチ型MOSFETの製造方法では、実施の形態1と同様に、比較的高濃度な第2領域3bと、比較的低濃度な第1領域3aを容易に形成することができる。チャネル領域になる第1領域3a内では、不純物散乱が小さくなり、高移動度を実現することができる(低オン損失の実現)。さらに、第2領域3bでパンチスルー破壊を防ぐことができ、高耐圧が実現できる。
また、実施の形態1に示した図14の構成と同様に、ソース領域4が接するベース領域表面内に第2導電型(p型)の不純物を高濃度に有する領域を形成してもよい。この場合、素子断面図は図14で示される構造となる。
<実施の形態3>
<A.構成>
本実施の形態3に係るトレンチ型MOSFETの構成は、図1に示す実施の形態1と同一であるので詳細な説明は省略する。
<B.製造方法>
次に、図20を参照して、本実施の形態3に係るトレンチ型MOSFETの製造方法について説明する。図20は、本実施の形態3に係るトレンチ型MOSFETの製造工程を示す断面図である。
実施の形態1及び実施の形態2のトレンチ型MOSFETの製造方法では、第2領域3bをイオン注入により形成したが、本実施の形態3では、エピタキシャル成長により第2領域3bを形成する。つまり、n型のドリフト層2を形成した後、p型の第2領域3bをエピタキシャル成長により形成する。図20は、第2領域3b形成後の断面図を示している。
なお、第2領域3bのエピタキシャル成長におけるp型不純物ドーパントには、たとえばAlやBを用いる。ここで、n型ドリフト層2と第2領域3bは、ドーパントの原料ガスをエピタキシャル成長中に切り替えることにより、連続して形成することが可能である。
以降の工程は実施の形態1もしくは実施の形態2と同様である。つまり、実施の形態1のように、トレンチ形成後にソース領域を形成してもよいし、実施の形態2のように、ソース領域形成後にトレンチを形成してもよい。
<C.効果>
本実施の形態3に係るトレンチ型MOFETの製造方法では、ドリフト層2と第2領域3bを連続して形成できるので、実施の形態1又は実施の形態2のように、イオン注入によりベース領域3を形成する場合に比べて工程を簡略化できる。
本実施の形態3に係るトレンチ型MOSFETの製造方法によれば、実施の形態1と同様に、比較的高濃度な第2領域3bと、比較的低濃度な第1領域3aを容易に形成することができる。そして、チャネル領域になる第1領域3a内では、不純物散乱が小さくなり、高移動度を実現することができる(低オン損失の実現)。さらに、第2領域3bでパンチスルー破壊を防ぐことができ、高耐圧が実現できる。
実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの主要部の構成を示す断面図である。 実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETのトレンチの側壁付近の拡大断面図である。 実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの第1領域の不純物プロファイルを説明するための図である。 実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係るMOSFETの性能を示す図である。 実施の形態1に係るMOSFETの性能を示す図である。 実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの別の製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係るトレンチ型MOSFETの別の構成を示す断面図である。 実施の形態2に係るトレンチ型MOSFETの主要部の構成を示す断面図である。 実施の形態2に係るトレンチ型MOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態2に係るトレンチ型MOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態2に係るトレンチ型MOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態2に係るトレンチ型MOSFETの製造工程を示す断面図である。 実施の形態3に係るトレンチ型MOSFETの製造工程を示す断面図である。
符号の説明
1 半導体基板、2 ドリフト層、3 ベース領域、3a 第1領域、3b 第2領域、4 ソース領域、5 ゲート絶縁膜、6 ゲート電極、7 ソース電極、8 ドレイン電極、9 エピタキシャル層、10 高濃度層、20 トレンチ。

Claims (6)

  1. 炭化珪素から成る半導体基板上に、第1導電型の炭化珪素から成るドリフト層を形成する工程と、
    前記ドリフト層の表層部に、第2導電型の炭化珪素から成る第2領域を形成する工程と、
    前記ドリフト層内に底部を有する溝部を、前記第2領域を貫通して形成する工程と、
    前記溝部の側壁に沿って、第1導電型の炭化珪素から成る不純物層を形成する工程と、
    前記第2領域の表層部に、第1導電型の炭化珪素から成るソース領域を、前記不純物層と接するように形成する工程と、
    前記不純物層および前記ドリフト層に前記第2領域から不純物を拡散させることによって、前記不純物層および前記ドリフト層の前記第2領域に接している領域に第2導電型の炭化珪素から成る第1領域を形成して、前記第1領域と前記第2領域とを有する炭化珪素から成るベース領域を形成する工程と、
    を備えることを特徴とするトレンチ型MOSFETの製造方法。
  2. 前記第1領域は前記第2領域側から前記溝部の側壁に向けて、第2導電型の不純物の濃度分布を有することを特徴とする請求項1に記載のトレンチ型MOSFETの製造方法
  3. 前記ドリフト層を形成する工程は、前記半導体基板上にエピタキシャル成長により前記ドリフト層を形成する工程を含み、
    前記第2領域を形成する工程は、前記ドリフト層内にイオン注入により前記第2領域を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のトレンチ型MOSFETの製造方法。
  4. 前記ドリフト層を形成する工程は、前記半導体基板上にエピタキシャル成長により前記ドリフト層を形成する工程を含み、
    前記第2領域を形成する工程は、前記ドリフト層上にエピタキシャル成長により前記第2領域を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のトレンチ型MOSFETの製造方法。
  5. 炭化珪素から成る半導体基板上に形成された第1導電型の炭化珪素から成るドリフト層と、
    前記ドリフト層の表層部に形成された第2導電型の炭化珪素から成るベース領域と、
    前記ベース領域の表層部に形成された第1導電型の炭化珪素から成るソース領域と、
    前記ベース領域及び前記ソース領域が側壁に接するように、しかも下端が前記ベース領域及び前記ソース領域以外の領域に達するように、前記ドリフト層に形成された溝部と、
    を備え、
    前記ベース領域は、
    前記溝部の側壁に沿って、前記溝部の側壁から一定の幅で形成された第2導電型の第1領域と、
    前記第1領域以外の領域である第2領域と、
    を有し、
    前記第1領域の不純物濃度は、前記第2領域の不純物濃度よりも低く、
    前記ドリフト層と接合する前記ベース領域は、前記第2領域から前記ドリフト層側に向かって第2導電型不純物の密度が高濃度から低濃度に分布していくプロファイルを有する前記第1領域となることを特徴とするトレンチ型MOSFET。
  6. 前記第1領域の幅は、2μm以下であることを特徴とする請求項5に記載のトレンチ型MOSFET。
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