JP5116255B2 - アルミニウム合金を用いた包装材および電気電子構造部材 - Google Patents
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マンガンは、アルミニウム合金の耐食性を大きく低下させることなく、強度を向上させる元素である。マンガンの含有率が0.1質量%未満であると十分な強度が得られない。また、マンガンの含有率が6質量%を超えると、伸び、成形性が低下する。そのため、マンガンの含有率を0.1質量%以上6質量%以下にする必要がある。アルミニウム合金の耐食性、強度、成形性および圧延性を兼ね備えるためには、マンガンの含有率を1.0質量%以上4.0質量%以下とするのがさらに好ましい。
鉄は、上述のマンガンと共にアルミニウム−鉄−マンガンの金属間化合物を形成する。アルミニウム−鉄−マンガン系の金属間化合物は、Al6(Fe、Mn)等で表され、アルミニウム−マンガン系の金属間化合物Al6Mnとは異なり、たとえば、電解液や醤油原液等の酸性〜強酸性の環境では、アルミニウム合金の耐食性を極端に低下させ、孔食および全面腐食の原因となる。
シリコンがアルミニウム合金中に存在すると、酸性の環境ではアルミニウム合金の耐食性を大幅に低下させ、特に孔食の原因となる。また、シリコンの含有率を小さくすると、アルミニウム合金の結晶粒径が小さくなる。これにより、アルミニウム合金の耐力、すなわち強度が大きくなるとともに、アルミニウム合金の伸び、すなわち成形性をも向上させることができる。これらの特性を発揮させるためには、シリコンの含有率を0.0005質量%以上0.02質量%以下とする必要がある。シリコンの含有率を0.0005質量%以上としたのは、シリコンの含有率を0.0005質量%未満としても、上述の耐孔食性向上の効果や、成形性および強度の上昇の効果が飽和する一方、コスト高になるからである。好ましくは、シリコンの含有率は0.1質量%以下である。
銅はアルミニウム合金内に微量に存在してもアルミニウム合金の耐食性を低下させる。そのため、銅の含有率は0.03質量%以下とする。銅の含有率を0.0001質量%以上としたのは、銅の含有率を0.0001質量%未満としても、耐孔食性向上の効果は飽和する一方、コスト高になるためである。好ましくは、銅の含有率は0.02質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下である。
クロムは、アルミニウム合金の耐食性を大きく低下させることなく、アルミニウム合金の強度を向上させる。クロムの含有率が0.01質量%未満では、強度を向上させる効果が十分に得られない。クロムの含有率が0.5質量%を超えると、成形性が低下する。そのため、クロムの含有率を0.01質量%以上0.5質量%以下とする必要がある。優れた成形性を実現するためには、クロムの含有率を0.25質量%以下とすることが好ましい。
チタンは、アルミニウム合金の耐食性を大きく低下させることなく、アルミニウム合金の強度を向上させる。特に、チタンを添加すると、成形の欠陥となる、粗大なアルミニウム−鉄−マンガンの金属間化合物を微細化する。また、これにより、アルミニウム合金に靭性を与えることができる。チタンの含有率が0.01質量%未満では、強度の向上や靭性の付与等の効果が十分に得られない。チタンの含有率が0.5質量%を超えると、成形性が低下する。そのため、チタンの含有率を0.01質量%以上0.5質量%以下とする必要がある。また、上述の効果をさらに発揮させるためには、チタンの含有率を0.25質量%以下とすることが好ましい。
ジルコニウムもアルミニウム合金の耐食性を大きく低下させることなく、強度を向上させるが、この効果はクロムやチタンよりも顕著である。これは、ジルコニウムの添加が再結晶粒の微細化に非常に有効であるためであり、その結果、強度の向上と伸びの確保が両立できるとともに圧延性も低下しない。ジルコニウムの含有率が0.01質量%未満であれば、上記の効果を発揮できず、0.5質量%を超えると伸びが低下し、成形性が悪くなる。優れた強度、伸びおよび圧延性を実現するためには、ジルコニウムの含有率を0.35質量%以下とすることが好ましい。
アルミニウム合金の厚みが6μm未満であれば、食品等の包装材としての強度を保てなくなる。また、厚みが200μmを超えると、包装材として成形が困難になるとともに、重量およびコストがかさむ。そのため、アルミニウム合金の厚みを6μm以上200μm以下とする必要がある。さらに好ましくは、アルミニウム合金の厚みは6μm以上100μm以下である。
アルミニウム合金の厚みが4μm未満であれば、電極等の電気電子構造部材としての強度を保てなくなる。また、厚みが1mmを超えると、電気電子構造部材として成形が困難になるとともに、重量およびコストがかさむ。そのため、アルミニウム合金の厚みを4μm以上1mm以下とする必要がある。さらに好ましくは、アルミニウム合金の厚みは10μm以上500μm以下である。
Claims (8)
- 0.1質量%以上6質量%以下のマンガンと、0.001質量%以上0.02質量%以下の鉄と、0.0005質量%以上0.02質量%以下のシリコンと、0.0001質量%以上0.03質量%以下の銅とを含み、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム合金からなり、厚みが6μm以上200μm以下の包装材。
- 0.1質量%以上6質量%以下のマンガンと、0.001質量%以上0.02質量%以下の鉄と、0.0005質量%以上0.02質量%以下のシリコンと、0.0001質量%以上0.01質量%以下の銅と、0.001質量%以上0.02質量%以下の亜鉛と、0.001質量%以上0.02質量%以下のガリウムとを含み、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム合金からなり、厚みが6μm以上200μm以下の包装材。
- 0.1質量%以上6質量%以下のマンガンと、0.001質量%以上0.02質量%以下の鉄と、0.0005質量%以上0.02質量%以下のシリコンと、0.0001質量%以上0.03質量%以下の銅と、0.01質量%以上0.5質量%以下のクロム、0.01質量%以上0.5質量%以下のチタンおよび0.01質量%以上0.5質量%以下のジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種とを含み、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム合金からなり、厚みが6μm以上200μm以下の包装材。
- 0.1質量%以上6質量%以下のマンガンと、0.001質量%以上0.02質量%以下の鉄と、0.0005質量%以上0.02質量%以下のシリコンと、0.0001質量%以上0.01質量%以下の銅と、0.001質量%以上0.02質量%以下の亜鉛と、0.001質量%以上0.02質量%以下のガリウムと、0.01質量%以上0.5質量%以下のクロム、0.01質量%以上0.5質量%以下のチタンおよび0.01質量%以上0.5質量%以下のジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種とを含み、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム合金からなり、厚みが6μm以上200μm以下の包装材。
- 0.1質量%以上6質量%以下のマンガンと、0.001質量%以上0.02質量%以下の鉄と、0.0005質量%以上0.02質量%以下のシリコンと、0.0001質量%以上0.03質量%以下の銅とを含み、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム合金からなり、厚みが4μm以上1mm以下の電気電子構造部材。
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