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JP5135656B2 - 高比表面積消石灰とその製法および用途 - Google Patents
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JP5135656B2 - 高比表面積消石灰とその製法および用途 - Google Patents

高比表面積消石灰とその製法および用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な高比表面積消石灰とその製造方法及び該消石灰を用いた廃棄物等の燃焼排ガス中に含まれる酸性物質の除去に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
廃棄物の焼却により排出される燃焼排ガス中の有害物質の除去剤としては消石灰の他に、苛性ソーダや水酸化マグネシウム、重曹などが一部用いられているが、その取り扱い易さやコスト面から、大部分は消石灰である。この消石灰の製造方法は、生石灰との反応に用いる水の量によって二つに大別される。大量の水を使って石灰乳を得る湿式消化法と、生石灰に対して当量から2倍量の水を使って直接消石灰を得る乾式消化法である。これらの内、粉末消石灰を工業的に得る方法は、通常乾式消化法であり、そこで得られる消石灰の比表面積は15m2/g前後である。
【0003】
ところで、紙類、油類、衣類、プラスチック類の廃棄物を燃焼させると燃焼排ガス中に有害物質である酸性ガス、例えば塩化水素が発生する。環境保全の面からこの酸性ガスを除去する必要がある。除去剤として、従来の消石灰では反応効率が低く、発生する酸性ガスに対して2〜3倍当量の消石灰を必要とした。そこで、塩化水素等の酸性ガスを効率良く除去する為に、消石灰の比表面積を大きくする試みがなされた。
【0004】
例えば、特公平6−8194号公報には、酸化カルシウムを水30〜50容量部及びメタノール等の有機溶剤50〜70容量部よりなる消化水で、一定温度で消化することにより、36〜48m2/gの高比表面積消石灰が得られることが開示されている。この高比表面積消石灰の効果は確かに大きく、酸性ガスを効率良く除去できる。しかし、該方法は可燃性の有機溶媒を大量に使用すること、その加熱や回収等の操作が別に必要であること、そして、防爆設備対応が必要になるなど、製造面、安全面において問題が多い。
【0005】
特開平10−25112号公報には、アルコール類及び第1級、第2級アミン類を生石灰に対して0.1〜20wt%含む氷点から30℃の消化水を用いて高比表面積消石灰を製造する方法が開示されているが、該方法では、比表面積が28〜60m2/gの高比表面積消石灰が製造でき、酸性ガスの除去作用も大きい。またここで示されているアミン化合物は分子内にアミノ基を一つもつモノアミン化合物である。
【0006】
米国特許第5173279号明細書にはエチレングリコールやジエチレングリコールのようなグリコール類や、トリエタノールアミンのようなエタノールアミン類を添加した消化水によって生石灰を消化して、比表面積25m2/g以上の高比表面積消石灰を製造する方法が開示されている。
【0007】
米国特許第5232678号明細書には、トリエタノールアミン、マニトール、ジエタノールアミン、ビシン、モルホリン、tri−イソプロパノールアミン、N−エチルジエタノールアミンなどの存在下に生石灰を消化し、20〜47m2/gの高比表面積消石灰を得ることが開示されている。
【0008】
また、特開平9−110423号公報には、アルカノールアミン類の他に、オキシカルボン酸及びその塩、糖類、グリコール類、コハク酸、金属コハク酸塩、リグニンスルホン酸塩などを0.5〜20重量部含む14〜26m2/gの高比表面積消石灰の製造法が開示されている。
【0009】
特開平10−101331号公報には、水に可溶な2価、3価のアルコール、第一級アミン類、第二級アミン類及び第三級アミン類、または、糖類を添加する事が、具体的にはジエチレングリコール、トリエタノールアミン、ショ糖のみが記載され、これを生石灰に対して0.02〜50wt%添加し、消化することで23〜40m2/gの高比表面積消石灰を得ることが開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来技術において、生石灰の消化時に添加剤を存在させることで比表面積の大きな消石灰が得られることが示されているが、より少量で効果的な添加剤が要望されている。
【0011】
本発明は、新規で高反応性の高比表面積消石灰の提供、及び該消石灰をシンプルで工業的に製造できる方法の提供、そして該高比表面積消石灰を廃棄物等の燃焼排ガス中に含まれる酸性物質の除去に用いることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記目的を達成する手段について鋭意検討した。その結果、生石灰の消化時に、生石灰に対してポリアミン類化合物とアルキレングリコール類化合物の両物質の存在下に消化することで相乗的に比表面積の増大した消石灰が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0013】
即ち、本発明は、主成分が水酸化カルシウムで、ポリアミン類化合物とアルキレングリコール類化合物を含有し、且つ比表面積が20m2/g以上であることを特徴とする高比表面積消石灰である。また、水による生石灰の消化時に、ポリアミン類化合物とアルキレングリコール類化合物を存在させ比表面積が20m2/g以上である高比表面積消石灰を製造する方法、そして、該高比表面積消石灰を廃棄物の燃焼排ガス中の酸性物質除去に用いる高比表面積消石灰の用途である。
【0014】
以下本発明を更に詳細に説明する。
【0015】
本発明の高比表面積消石灰は、主成分が水酸化カルシウムで、ポリアミン類化合物とアルキレングリコール類化合物の両者を含有し、且つ比表面積が20m2/g以上であることを必須とする。ここで、ポリアミン類化合物とは分子内にアミノ基を2個以上有する化合物であり、このポリアミン類化合物とアルキレングリコール類化合物の両者を同時に含有することが本発明の最大の特徴であり骨子である。
【0016】
ポリアミン類化合物とは、分子内にアミノ基を2個以上有する化合物であり、アミノ基1個の化合物は本発明には含まれない。このポリアミン化合物は例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルヘキサンジアミン、N,N,N',N",N"−ペンタメチルジエチレントリアミンなどの脂肪族ポリアミン類、トリエチレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、N−メチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジンなどのピペラジン環を有する環状ポリアミン類、アミノエチルエタノールアミン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジンなどのアルコール系ポリアミン類などが挙げられる。これらの内、比表面積を高める作用が大きく、取り扱いが容易なことから、分子内にアミノ基を2個から4個有する化合物が好ましい。より好ましくはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、トリエチレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジンである。これらは単独のみならず、2以上を組合せたものであってもよい。
【0017】
アルキレングリコール類化合物としては、エチレングリコール類やプロピレングリコール類が挙げられる。これらの内、比表面積を高める作用が大きく、取り扱いが容易なことから、ポリエチレングリコールを含むエチレングリコール類が好ましく、更にはエチレングリコール及び/又はジエチレングリコールがより好ましい。
【0018】
高比表面積消石灰中のポリアミン類化合物とアルキレングリコール類化合物の含有量及びこれらの比は特に制限しないが、通常100wtppm以上好ましくは300wtppm以上である。これらは、ガスクロマトグラムや液体クロマトグラム等で定量できる。
【0019】
また、本発明の高比表面積消石灰の主成分は水酸化カルシウムである。この水酸化カルシウム含量は特に制限しないが、高い程、反応原料、中和剤、脱酸剤としての作用は大きくなる。通常、水酸化カルシウム含量が90wt%以上、好ましくは95wt%以上である。水酸化カルシウム以外の成分は元原料の石灰石に由来する成分が主であり、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、二酸化けい素、水酸化鉄、水酸化アルミニウム、遊離水分等が挙げられる。そして、これらの合計は通常10wt%以下、好ましくは5wt%以下である。
【0020】
また、本発明の高比表面積消石灰は比表面積が窒素吸着法によるBET値で20m2/g以上である。比表面積が大きい程、消石灰としての反応速度は大きく、脱酸剤としての効果も大きくなる。好ましい比表面積は25m2/g以上、より好ましくは25〜55m2/gである。55m2/gよりも大きいと、その製造が難しくなるだけでなく、活性が高すぎて長期間の貯蔵で比表面積の低下が起こる場合がある。
【0021】
また、本発明の高比表面積消石灰は水銀圧入法における細孔容積において、1000オングストローム以下の細孔径における細孔容積が0.18cm3/g以上である。1000オングストローム以下の細孔径における細孔容積が大きいほど、酸性ガスとの反応速度は大きく、特にSO2ガスの吸着能に優れている。
【0022】
本発明の高比表面積消石灰の製造方法は、特に制限しないが、好ましい方法はポリアミン類化合物とアルキレングリコール類化合物の両者の存在下、生石灰にに水を加えて得る方法である。
【0023】
ここでの、生石灰は特に限定されず、例えば石灰石を仮焼した塊状の生石灰、または、これを乾式粉砕した粒状生石灰が使用できる。消石灰を焼成しても生石灰は得られ、これを用いることもできる。しかし、石灰石利用が経済的であり、工業的である。生石灰の主成分は酸化カルシウムである。この酸化カルシウム含量は特に制限しないが、高い程、得られる高比表面積消石灰の純度を高めることができ、その用途である反応原料、中和剤、脱酸剤としての作用は大きくなる。通常、90重量%以上、好ましくは93重量%以上である。酸化カルシウム以外の成分は、原料の石灰石に由来する成分が主であり、二酸化けい素、酸化アルミニウム、酸化第二鉄、酸化マグネシウムなどが挙げられる。これらの合計は通常10重量%以下、好ましくは7重量%以下である。
【0024】
この生石灰の粒径は特に制限しないが、生石灰の消化で得られる消石灰の粒径は生石灰の粒径にも関係しており、微細程、比表面積の大きい高比表面積消石灰が得られ易い。その為、好ましくは粒径は20mm以下、更に好ましくは5mm以下である。
【0025】
ポリアミン類化合物は、前述したように、分子内にアミノ基を2個以上有する化合物で、一般に水溶性である。このポリアミン類化合物は例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミンなどの脂肪族ポリアミン類、トリエチレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、N−メチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジンなどの環状ポリアミン類、アミノエチルエタノールアミン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジンなどのアルコール系ポリアミン類などが挙げられる。これらの内、高比表面積化の作用が大きく、取り扱いが容易なことから、分子内にアミノ基を2個から4個有する化合物が好ましく、より好ましくは、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、トリエチレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジンである。5個以上のアミノ基を持つポリアミン類化合物も使用できるが、生石灰の消化による消石灰の高比表面積化の効果はやや低下する。このポリアミン類化合物は、1種類でも2種類以上混合して使用しても良い。又、その時の混合比は特に制限しない。
【0026】
アルキレングリコール類化合物としては、高比表面積化の作用が大きく、取り扱いも容易なことから、それらのポリマーも含むエチレングリコール類及び/又はプロピレングリコール類が好ましく、更にはジエチレングリコール及び/又はエチレングリコールがより好ましい。このアルキレングリコール類化合物は、1種類でも2種類以上混合して使用しても良い。又、その時の混合比は特に制限しない。
【0027】
添加するポリアミン類化合物とアルキレングリコール類化合物は、生石灰と混合した後、水で消化しても、消化時に水とポリアミン類化合物とアルキレングリコール類化合物を別々に添加しても、また、水に予めポリアミン類化合物とアルキレングリコール類化合物を混合溶解し、これを生石灰の消化に用いても良い。要するに、生石灰の消化時にポリアミン類化合物とアルキレングリコール類化合物が存在していれば良い。しかし、操作が容易で、効果も大きいことから、水に予めこれら化合物を混合溶解して用いる方法が好ましい。
【0028】
添加剤の使用量は、特に限定はないが、ポリアミン類化合物とアルキレングリコール類化合物を合わせて、生石灰に対して0.3〜20重量%であることが好ましい。より好ましくは0.5〜10重量%である。添加量が0.3重量%より少ないと高比表面積化の効果が小さい。また20重量%を越えて加えてもその効果の増加はそれほど大きくなく、むしろ添加剤の回収等を考慮しなければならず、経済性が低下する。添加量0.5〜10重量%の時、高比表面積化の効果も大きく、経済的にも有利となる。
【0029】
本発明のポリアミン類化合物とアルキレングリコール類化合物の作用は不明であるが、それぞれ単独系と比べて共存時の高比表面積化の効果が著しく大きく、相乗効果を示すことから次のように推察している。即ち、ポリアミン類化合物は、生石灰の消化時にポリアミン類化合物の2個以上のアミノ基が生石灰または消石灰に吸着し、生成した消石灰の結晶の凝集を抑制する。一方、アルキレングリコール類化合物は、消化時に、結晶の成長を抑制する。これら両物質の作用により、生成消石灰の比表面積及び1000オングストローム以下の細孔径における細孔容積が一段と増大するものと考えられる。本発明の効果は、ポリアミン類化合物又はアルキレングリコール類化合物、単独系では決して得られない。
【0030】
ポリアミン類化合物とアルキレングリコール類化合物の添加割合は特に限定されず任意である。しかし、添加剤比率1:4〜4:1(重量比)、更には1:2〜2:1(重量比)の場合が大きな相乗効果が得られ好ましい。
【0031】
生石灰を消化する時の水量は、特に制限しないが、工業的に乾式法で実施する場合には生石灰に対して32〜100wt%が好ましく、更には40〜70wt%がより好ましい。生石灰との反応に消費される以外の余剰の水は、消化反応時の発熱により蒸発し、製品中に適度な水分が残る。32重量%未満では生石灰を十分に消化することができず、100wt%を越えると残存水分が多くなり、後で余剰水分除去操作が必要となる。消化反応は従来の一般的な混合機を用いれば良い。また得られる高比表面積消石灰は粉砕、分級等の後処理を行っても、乾燥を行っても良い。
【0032】
このようにして得られる消石灰の比表面積は、水のみの消化で得られた消石灰よりはるかに大きく、また、これは添加剤としてポリアミン類化合物やアルキレングリコール類化合物を単独で用いて得られた消石灰より更に大きく、20m2/g以上、更には25m2/g以上に容易にできる。そして、より好ましくは20〜55m2/gの高比表面積消石灰である。
【0033】
また、水銀圧入法における、1000オングストローム以下の細孔径での細孔容積が、水のみの消化及びポリアミン類化合物又はアルキレングリコール類化合物単独の存在下で得られた消石灰より大きく、通常0.10cm3/g以上、更には0.18cm3/g以上、より好ましい条件では0.20cm3/g以上にもなる。これは、酸性排ガス、特にSO2ガスの吸着能の向上に効果的である。
【0034】
このように少量の添加剤を使用することで、特別な装置を必要とせず、従来の消化設備を利用して高比表面積消石灰を得ることができる。又、この消石灰は高度さらし粉、塩化カルシウム、酢酸カルシウム等のカルシウム塩合成原料や酸の中和剤等に好適に使用されるが、廃棄物等の燃焼排ガス中に含まれる酸性物質と接触させて除去する脱酸剤に特に有効である。この時、従来の消石灰に対して40〜70%の使用量で済み経済効果は高い。
【0035】
以下に本発明の方法を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、消石灰の比表面積は窒素吸着法によりBET比表面積を測定した値、細孔容積は水銀圧入法により測定した値である。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0037】
実施例1
粒径1.4〜5mmに粉砕した工業用生石灰200gに、エチレンジアミンを5gとジエチレングリコールを5gを水100gに溶解したものを消化水とし、室温で加え攪拌混合した。その結果、生石灰は消化して消石灰の粉末が生成した。30分熟成後、生成消石灰を取り出し、110℃で30分間、窒素気流下で乾燥した。この消石灰を島津製マイクロメリティックス フローソーブII2300で窒素吸着法によりBET比表面積を測定したところ41m2/gであった。また、ユアサアイオニクス製水銀ポロシメーター オートスキャン−60で水銀圧入法により細孔容積を測定したところ、1000オングストローム以下の細孔径における細孔容積は0.22cm3/gであった。粉体の流動性も良好であった。
【0038】
比較例1
実施例1と同じ生石灰200gに、エチレンジアミン10gを水100gに溶解したものを消化水とし、室温で加え攪拌した。その結果、生石灰は消化して消石灰の粉末が生成した。実施例1と同様の処理後、比表面積を測定したところ28m2/gであった。また、1000オングストローム以下の細孔径における細孔容積は0.16cm3/gであった。
【0039】
比較例2
実施例1と同じ生石灰200gに、ジエチレングリコール10gを水100gに溶解したものを消化水とし、室温で加え攪拌した。その結果、生石灰は消化して消石灰の粉末が生成した。実施例1と同様の処理後、比表面積を測定したところ32m2/gであった。また1000オングストローム以下の細孔径における細孔容積は0.17cm3/gであった。
【0040】
実施例2
実施例1と同じ生石灰200gに、エチレンジアミン2gとジエチレングリコール8gを水100gに溶解したものを消化水とし、室温で加え攪拌した。その結果、生石灰は消化して消石灰の粉末が生成した。実施例1と同様の処理後、比表面積を測定したところ37m2/gであった。また1000オングストローム以下の細孔径における細孔容積は0.18cm3/gであった。
【0041】
実施例3
実施例1と同じ生石灰200gに、エチレンジアミン8gとジエチレングリコール2gを水100gに溶解したものを消化水とし、室温で加え撹拌した。その結果、生石灰は消化して消石灰の粉末が生成した。実施例1と同様の処理後、比表面積を測定したところ32/gの高比表面積消石灰が得られた。
【0042】
実施例1〜3、比較例1、2の結果を図1、さらに表1に示す。図1及び表1より、本発明の効果が明かである。
【0043】
【表1】
Figure 0005135656
【0044】
実施例4
実施例1と同じ工業用生石灰200gに、ピペラジン5gとジエチレングリコール5gを水100gに溶解したものを消化水とし、室温で加え攪拌混合した。
その結果、生石灰は消化して消石灰の粉末が生成した。実施例1と同様の処理後、比表面積を測定したところ44m2/gであった。
【0045】
比較例3
実施例4と同じ生石灰200gに、ピペラジン10gを水100gに溶解したものを消化水とし、室温で加え攪拌した。その結果、生石灰は消化して消石灰の粉末が生成した。実施例4と同様の処理後、比表面積を測定したところ30m2/gであった。
【0046】
実施例4、比較例2、3の結果を図2、さらに表2に示す。図2及び表2より、本発明の効果が明かである。
【0047】
【表2】
Figure 0005135656
【0048】
実施例5
実施例1と同じ生石灰200gに、トリエチレンジアミン5gとジエチレングリコール5gを水100gに溶解したものを消化水とし、室温で加え攪拌した。その結果、生石灰は消化して消石灰の粉末が生成した。実施例1と同様の処理後、比表面積を測定したところ41m2/gであった。
【0049】
比較例4
実施例5と同じ生石灰200gに、トリエチレンジアミン10gを水100gに溶解したものを消化水とし、室温で加え攪拌した。その結果、生石灰は消化して消石灰の粉末が生成した。実施例5と同様の処理後、比表面積を測定したところ29m2/gであった。
【0050】
実施例5、比較例2、4の結果を図3、さらに表3に示す。図3及び表3より、本発明の効果が明かである。
【0051】
【表3】
Figure 0005135656
【0052】
実施例6
実施例1と同じ生石灰200gに、トリエチレンジアミン1gとジエチレングリコール1gを水100gに溶解したものを消化水とし、室温で加え攪拌した。その結果、生石灰は消化して消石灰の粉末が生成した。実施例1と同様の処理後、比表面積を測定したところ28m2/gであった。
【0053】
比較例5
実施例6と同じ生石灰200gに、トリエチレンジアミン2gを水100gに溶解したものを消化水とし、室温で加え攪拌した。その結果、生石灰は消化して消石灰の粉末が生成した。実施例6と同様の処理後、比表面積を測定したところ21m2/gであった。
【0054】
比較例6
実施例6と同じ生石灰200gに、ジエチレングリコール2gを水100gに溶解したものを消化水とし、室温で加え攪拌した。その結果、生石灰は消化して消石灰の粉末が生成した。実施例6と同様の処理後、比表面積を測定したところ24m2/gであった。
【0055】
実施例6、比較例5、6の結果を図4、さらに表4に示す。図4及び表4より、本発明の効果が明かである。
【0056】
【表4】
Figure 0005135656
【0057】
実施例7
実施例1と同じ生石灰200gに、トリエチレンジアミン5gとエチレングリコール5gを水100gに溶解したものを消化水とし、室温で加え攪拌した。その結果、生石灰は消化して消石灰の粉末が生成した。実施例1と同様の処理後、比表面積を測定したところ34m2/gであった。
【0058】
比較例7
実施例7と同じ生石灰200gに、エチレングリコール10gを水100gに溶解したものを消化水とし、室温で加え攪拌した。その結果、生石灰は消化して消石灰の粉末が生成した。実施例7と同様の処理後、比表面積を測定したところ25m2/gであった。
【0059】
実施例7、比較例4、7の結果を図5、さらに表5に示す。図5及び表5より、本発明の効果が明かである。
【0060】
【表5】
Figure 0005135656
【0061】
実施例8
実施例1と同じ生石灰200gに、ジエチレントリアミン5gとエチレングリコール5gを水100gに溶解したものを消化水とし、室温で加え撹拌した。その結果、生石灰は消化して消石灰の粉末が生成した。実施例1と同様の処理後、比表面積を測定したところ39/gであった。
【0062】
比較例8
実施例8と同じ生石灰200gに、ジエチレントリアミン10gを水100gに溶解したものを消化水とし、室温で加え攪拌した。その結果、生石灰は消化して消石灰の粉末が生成した。実施例8と同様の処理後、比表面積を測定したところ29m2/gであった。
【0063】
実施例8、比較例7、8の結果を図6、さらに表6に示す。図6及び表6より、本発明の効果が明かである。
【0064】
【表6】
Figure 0005135656
【0065】
実施例9
実施例1と同じ生石灰200gに、ピペラジン5gとエチレングリコール5gを水100gに溶解したものを消化水とし、室温で加え攪拌した。その結果、生石灰は消化して消石灰の粉末が生成した。実施例1と同様の処理後、比表面積を測定したところ35m2/gであった。
【0066】
実施例9、比較例3、7の結果を図7、さらに表7に示す。図7及び表7より、本発明の効果が明かである。
【0067】
【表7】
Figure 0005135656
【0068】
比較例9
実施例1と同じ生石灰200gに、水100gを消化水とし、室温で加え攪拌した。その結果、生石灰は消化して消石灰の粉末が生成した。実施例1と同様の処理後、比表面積を測定したところ15m2/gであった。また1000オングストローム以下の細孔径における細孔容積は0.08cm3/gであった。
【0069】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明に依れば、高比表面積消石灰を効率的、効果的、且つ経済的に得ることができる。以下その効果を列記する。(1)従来公知の添加剤であるポリアミン類化合物とアルキレングリコール類化合物を組合せることにより、それぞれの単独では得られなかった相乗効果が得られ、より少量の添加で高比表面積消石灰が得られる。(2)又、1000オングストローム以下の細孔径での細孔容積が大きい高比表面積消石灰が得られて、酸性ガス、特にSO2吸着能に優れる。(3)プロセスがシンプルであり、従来の消化設備を利用して高品質の高比表面積消石灰が得られる。(4)該高比表面積消石灰により廃棄物等の燃焼排ガス中に含まれる酸性物質が効率良く除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3、比較例1、2の結果であり、エチレンジアミンとジエチレングリコールの混合割合(合計量が生石灰に対し5重量%)と消石灰比表面積の関係を示す。図中、X軸(横軸)は混合割合(重量%)を示し、Y軸(縦軸)は消石灰のBET比表面積(単位はm2/g)を示す。
【図2】実施例4、比較例2、3の結果であり、ピペラジンとジエチレングリコールの混合割合(合計量が生石灰に対し5重量%)と消石灰比表面積の関係を示す。図中、X軸(横軸)は混合割合(重量%)を示し、Y軸(縦軸)は消石灰のBET比表面積(単位はm2/g)を示す。
【図3】実施例5、比較例2、4の結果であり、トリエチレンジアミンとジエチレングリコールの混合割合(合計量が生石灰に対し5重量%)と消石灰比表面積の関係を示す。図中、X軸(横軸)は混合割合(重量%)を示し、Y軸(縦軸)は消石灰のBET比表面積(単位はm2/g)を示す。
【図4】実施例6、比較例5、6の結果であり、トリエチレンジアミンとジエチレングリコールの混合割合(合計量が生石灰に対し1重量%)と消石灰比表面積の関係を示す。図中、X軸(横軸)は混合割合(重量%)を示し、Y軸(縦軸)は消石灰のBET比表面積(単位はm2/g)を示す。
【図5】実施例7、比較例4、7の結果であり、トリエチレンジアミンとエチレングリコールの混合割合(合計量が生石灰に対し5重量%)と消石灰比表面積の関係を示す。図中、X軸(横軸)は混合割合(重量%)を示し、Y軸(縦軸)は消石灰のBET比表面積(単位はm2/g)を示す。
【図6】実施例8、比較例7、8の結果であり、ジエチレントリアミンとエチレングリコールの混合割合(合計量が生石灰に対し5重量%)と消石灰比表面積の関係を示す。図中、X軸(横軸)は混合割合(重量%)を示し、Y軸(縦軸)は消石灰のBET比表面積(単位はm2/g)を示す。
【図7】実施例9、比較例3、7の結果であり、ジエチレントリアミンとエチレングリコールの混合割合(合計量が生石灰に対し5重量%)と消石灰比表面積の関係を示す。図中、X軸(横軸)は混合割合(重量%)を示し、Y軸(縦軸)は消石灰のBET比表面積(単位はm2/g)を示す。

Claims (14)

  1. 主成分が水酸化カルシウムで、ポリアミン類化合物及びアルキレングリコール類化合物を含有し、且つ比表面積が20m/g以上であることを特徴とする高比表面積消石灰。
  2. ポリアミン類化合物が分子内にアミノ基を2〜4個有する化合物である請求項1記載の高比表面積消石灰。
  3. ポリアミン類化合物が、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、トリエチレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン及びN−アミノエチルピペラジンからなる群より選ばれた1種以上である請求項1又は2記載の高比表面積消石灰。
  4. アルキレングリコール類化合物が、エチレングリコール及び/又はジエチレングリコールである請求項1〜3のいずれかに記載の高比表面積消石灰。
  5. 比表面積が25〜55m/gである請求項1〜4のいずれかに記載の高比表面積消石灰。
  6. 1000オングストローム以下の細孔径における細孔容積が0.18cm/g以上である請求項1〜5のいずれかに記載の高比表面積消石灰。
  7. ポリアミン類化合物とアルキレングリコール類化合物の存在下、生石灰に水を加えて比表面積が20m/g以上の消石灰を得ることを特徴とする高比表面積消石灰の製造方法。
  8. ポリアミン類化合物が分子内にアミノ基を2〜4個有する化合物である請求項7記載の高比表面積消石灰の製造方法。
  9. ポリアミン類化合物が、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、トリエチレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン及びN−アミノエチルピペラジンからなる群より選ばれた1種以上である請求項7又は請求項8記載の高比表面積消石灰の製造方法。
  10. アルキレングリコール類化合物がエチレングリコール及び/又はジエチレングリコールである請求項7〜9のいずれかに記載の高比表面積消石灰の製造方法。
  11. 比表面積が20〜55m/gである請求項7〜10のいずれかに記載の高比表面積消石灰の製造方法。
  12. 1000オングストローム以下の細孔径における細孔容積が0.18cm/g以上である請求項7〜11のいずれかに記載の高比表面積消石灰の製造方法。
  13. ポリアミン類化合物とアルキレングリコール類化合物の存在量が、生石灰に対して0.3〜20重量%である請求項7〜12のいずれかに記載の高比表面積消石灰の製造方法。
  14. 請求項1〜6のいずれかに記載の高比表面積消石灰を、廃棄物の燃焼排ガス中の酸性物質除去に用いることを特徴とする燃焼排ガスの処理法。
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