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JP5145679B2 - 画像表示媒体及びその製造方法 - Google Patents
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本発明は、画像表示媒体及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、電極間の短絡の発生が有効に防止されて、表示部分の信頼性が高く、欠陥の少ない、高品質で簡易かつ安価な画像表示媒体、及びその画像表示媒体を少ない環境負荷で効率的に製造することが可能な製造方法に関する。
近年、画像表示媒体として、紙媒体や電子ディスプレイデバイスの他に、両者の長所を併せ持った、紙の長所とされる視認性や携帯性を保持した表示媒体のうち表示内容を電気的に書き換えることができる「電子ペーパー」又「はデジタルペーパー」と呼ばれる画像表示媒体が注目されている。すなわち、RFID(RFタグ)に代表される非接触式ICを備えたカード類(例えば、定期券、診察券、会員カード、IDカード、キャッシュカード、クレジットカード、商品流通用タグ等)が普及するに従い、これらのカード上に文字、図形等の内容を書き換え可能に表示したいという要請が高まって来たことから、「電子ペーパー」等に対して大きな需要が見込まれるようになっている。
このような「電子ペーパー」技術の中でも、単純な給電手段で短時間に高精彩の表示が可能で、表示面に対して非接触の書き込みが可能なことから、書き換え回数の多いICカード等への応用が期待される光書き込み型の「電子ペーパー」技術が注目されている(特許文献1参照)。このようなICカードに用いられるフレキシブルな「電子パーパー」を製造する場合、予め薄膜電極を形成したフレキシブルな基板の間に液晶層等を設け、貼り合わせた後、所望の形に切断して形成している。この場合、基板に形成する薄膜電極を全面形状とすれば、特別な加工が不要でコストを低減することができるが、実際には、上述の貼り合わせ後の切断時に、切断面で薄膜電極の剥離やささくれが発生したり、切断面に存在する水分によって、薄膜電極間に短絡が発生するという問題がある。
このような問題を改善するため、いずれか一方の基板の薄膜電極が切断部分で露出するのを以下のようにして防止している。すなわち、基板全面に薄膜電極を形成後、エッチング等で薄膜電極の所定箇所を取り除く。このような薄膜電極付き基板の間に、上述のエッチングによる除去去部分も含めた基板全面に対応する大きさの液晶層等を設け、貼り合わせた後、所定箇所が取り除かれた後の薄膜電極の平面的な大きさよりも若干大きい所望の形に切断することによって対処している。しかしながら、エッチング処理は工程が長く高コストにならざるを得ないこと、また、エッチング処理液の薄膜電極付き基板からの除去工程(エッチング処理後に行う洗浄工程)において、洗浄不足により基板上にエッチング液が残存すると、その部分がそのまま欠陥となったり、層形成時にその部分でハジキなどの欠陥が発生する。さらに、エッチング液の廃棄により環境負荷を増大させること等の問題が発生しているのが現状である。
特開2005−18348号公報
本発明は上述の背景技術に鑑みてなされたものであり、電極間の短絡の発生が有効に防止されて、表示部分の信頼性が高く、欠陥の少ない、高品質で簡易かつ安価な画像表示媒体、及びその画像表示媒体を少ない環境負荷で効率的に製造することが可能な製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下の画像表示媒体及びその製造方法が提供される。
[1]第1の基板上に、第1の薄膜電極及び第1の表示層が形成された第1の積層体と、第2の基板上に、周縁から所定距離だけ離れた領域(除去部分)が除去された第2の薄膜電極、及び前記除去部分に対応する領域が除去されるとともに前記第2の薄膜電極の除去断面と同一面上に除去断面を有する第2の表示層が形成された第2の積層体とを、前記第1の表示層と前記第2の表示層とが対向する向きで備えた画像表示媒体であって、前記第1の表示層は、前記第2の基板の表面と接触するように折れ曲がって前記第2の薄膜電極を覆い、かつ前記第1の積層体と前記第2の基板とは、前記除去部分の少なくとも一部で接触することを特徴とする画像表示媒体
]前記第2の薄膜電極及び第2の表示層における前記除去部分は、レーザー加工によって形成されたものであることを特徴とする前記[1]に記載の画像表示媒体。
]前記第1の表示層及び第2の表示層は、液晶層及び光導電体層を含むことを特徴とする前記[1]に記載の画像表示媒体。
]前記第2の表示層は、前記光導電体層であり、前記光導電体層の前記除去部分が除去されたことを特徴とする前記[1]に記載の画像表示媒体。
]前記第1の表示層と前記第2の表示層との間に、接着剤層をさらに備えたことを特徴とする前記[1]に記載の画像表示媒体。
]前記除去断面と前記第2の基板の表面とが形成する角度は、90度よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の画像表示媒体。
]前記第1及び第2の薄膜電極の表面に接続された、外部との電気的な接続を行うための第1及び第2の取出電極をさらに備えたことを特徴とする前記[1]に記載の画像表示媒体。
]全体を被覆する保護層をさらに備えたことを特徴とする前記[1]に記載の画像表示媒体。
]第1の基板上に第1の薄膜電極及び第1の表示層が形成された第1の積層体を用意する第1の工程と、第2の基板上に第2の薄膜電極及び第2の表示層が形成された第2の積層体を用意するとともに、前記第2の積層体における前記第2の薄膜電極及び第2の表示層の、前記第2の基板の周縁から所定距離だけ離れた領域(除去部分)を、前記第2の表示層が前記第2の薄膜電極の除去断面と同一面上に除去断面を有するように除去する第2の工程と、前記第1の積層体と前記第2の積層体とを、前記第1の表示層と前記第2の表示層とが対向する向きで貼り合わせる第3の工程とを含む画像表示媒体の製造方法であって、前記第3の工程において、前記第1の積層体と前記第2の積層体とを、第1の表示層が、前記第2の基板の表面と接触するように折れ曲がって前記第2の薄膜電極を覆い、かつ前記第1の積層体と前記第2の基板とが、前記除去部分の少なくとも一部で接触するように貼り合わせることを特徴とする画像表示媒体の製造方法
10]前記第2の工程において、前記第2の薄膜電極及び第2の表示層の前記除去部分をレーザー加工によって除去することを特徴とする前記[]に記載の画像表示媒体の製造方法。
11]前記第1の表示層として液晶層を用いるとともに、前記第2の表示層として光導電体層を用いることを特徴とする前記[]に記載の画像表示媒体の製造方法。
12]前記第1の工程において、前記第1の表示層の上にさらに接着剤層を積層して第1の積層体を形成することを特徴とする前記[]に記載の画像表示媒体の製造方法。
13]前記第2の工程において、前記除去断面と前記第2の基板の表面とが形成する角度を、90度よりも小さくすることを特徴とする前記[]に記載の画像表示媒体の製造方法。
14]前記第1及び第2の薄膜電極の表面に、外部との電気的な接続を行うための第1及び第2の取出電極を接続する第4の工程をさらに含むことを特徴とする前記[]に記載の画像表示媒体の製造方法。
15]全体を被覆する保護層を形成する第5の工程をさらに含むことを特徴とする前記[]に記載の画像表示媒体の製造方法。
本発明の請求項1に係る画像表示媒体によって、電極間の短絡の発生が有効に防止されて、表示部分の信頼性が高く、欠陥の少ない、高品質で簡易かつ安価な構成が実現される。
本発明の請求項に係る画像表示媒体によって、上述の効果が円滑かつ確実に発揮される。
本発明の請求項3〜8に係る画像表示媒体によって、上述の効果を円滑かつ確実に発揮する光書き込み型の「電子ペーパー」が実現される。
本発明の請求項に係る画像表示媒体の製造方法によって、電極間の短絡の発生が有効に防止されて、表示部分の信頼性が高く、欠陥の少ない、高品質で簡易かつ安価な画像表示媒体が、少ない環境負荷で効率的に製造される。
本発明の請求項10に係る画像表示媒体の製造方法によって、上述の効果が円滑かつ確実に発揮される。
本発明の請求項11〜15に係る画像表示媒体の製造方法によって、上述の効果を円滑かつ確実に発揮する光書き込み型の「電子ペーパー」が効率的に製造される。
〔第1の実施の形態〕
(画像表示媒体の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像表示媒体を示し、(a)は平面図、(b)はA−A線断面図、(c)はB−B線断面図、(d)は一部拡大したC−C線断面図である。
図1に示すように、本実施の形態の画像表示媒体10は、第1の基板1a上に、第1の薄膜電極1b及び第1の表示層3aが形成された第1の積層体1と、第2の基板2a上に、周縁から所定距離Dだけ離れた領域(除去部分)Eが除去された第2の薄膜電極2b及び第2の表示層3bが形成された第2の積層体2とを、第1の表示層3aと第2の表示層3bとが対向する向きで備えた構成を有している。
なお、図1においては、第1の表示層3aとして液晶層及び第2の表示層3bとして光導電体層を用いた場合であって、第2の表示層(光導電体層)3bの除去部分Eが除去された場合を示している。また、図1においては、第1の表示層3a(液晶層)は第1の薄膜電極1b側に配置され、第2の表示層(光導電体層)3bは第2の薄膜電極2b側に配置された場合を示しているが、これらは逆に配置されてもよい。
また、本実施の形態の画像表示媒体10においては、第1の表示層3a(液晶層)と第2の表示層(光導電体層)3bとの間に接着剤層4が配置されている。接着剤層4は、実際に画像表示媒体10を作製する場合、予め液晶層3a側に配置しても、光導電体層3b側に配置してもよいが、上下基板の密着性を確保するため、除去しない側に設ける方が好ましい。また、接着剤層4は、配置を省略してもよい。
また、本実施の形態の画像表示媒体10においては、第1及び第2の薄膜電極1b、2bの表面に接続された、外部との電気的な接続を行うための第1及び第2の取出電極1c、2cが配置されている。
さらに、本実施の形態の画像表示媒体10においては、第1及び第2の薄膜電極1b、2bとして、第1及び第2の基板1a、2aの全面に形成された全面電極が用いられている。
本実施の形態における画像表示媒体10は、例えば、光書き込み型、トナーディスプレイ型、電気泳動方式等の「電子ペーパー」による表示機能を付加したICカード等として用いられる。以下、構成要素ごとに具体的に説明する。
(積層体)
第1の積層体1は、第1の基板1a上に、第1の薄膜電極1b及び第1の表示層3aが形成されて構成されている。第2の積層体2は、第2の基板2a上に、周縁から所定距離Dだけ離れた領域(除去部分)Eが除去された第2の薄膜電極2b及び第2の表示層3bが形成されて構成されている。
<基板>
第1及び第2の積層体1、2を構成する第1及び第2の基板1a、2aとしては、少なくとも表示側に位置する一方が、例えば、厚さが50〜150μmのポリエチレンテレフタレート(PET)等の透明な樹脂材料からなるように構成されたものを挙げることができる。
<薄膜電極>
第1及び第2の積層体1、2を構成する第1及び第2の薄膜電極1b、2bとしては、少なくとも表示側に位置する一方が、例えば、10〜200nmの酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛等からなる透明電極からなるように構成されたものを挙げることができる。
<表示層>
第1及び第2の積層体1、2を構成する第1の表示層3a及び第2の表示層3bとしては、画像表示媒体10の種類により異なるが、例えば、液晶、着色粒子等を有する層からなるものを挙げることができる。本実施の形態の場合のように、画像表示媒体10が光書き込み型の「電子ペーパー」である場合、第1の表示層3aとして液晶層及び光導電体層3bを含むものが好ましい。本実施の形態においては、第1の表示層3aとして液晶層及び第2の表示層3bとして光導電体層を用いた場合について説明するが、この他に、例えば、光を吸収する光吸収層、光の照射によって抵抗値が小さくなる光導電体層を表示面側から順に積層した構成、又は、光吸収層、光導電体層、隔離層、液晶層を表示面側から順に積層した構成を有するものであってもよい。
なお、液晶層3aとしては、高分子分散液晶、マイクロカプセル化液晶(例えば、コレステリック液晶が封入されたマイクロカプセルを有するように構成されたもの)を挙げることができる。また、光導電体層3bとしては、電荷輸送層と、この電荷輸送層の両側に積層された一対の電荷発生層とからなるように構成されたものを挙げることができる。これにより、液晶層3aへの交流電圧の印加が可能となるため、液晶層3aの劣化を抑えることができ、駆動電圧の低電圧化、電子ペーパーの高寿命化を実現することができる。さらに、第1の表示層3a及び第2の表示層3bとしては、上述の他に、マイクロカプセル化電気泳動素子、ジリコン(Gyricon)素子等であってもよい。表示層3と薄膜電極1b、2bとの接合方法としては、例えば、塗布や圧着等による貼り合わせ等を挙げることができる。
第2の薄膜電極2b及び後述する第2の表示層(光導電体層)3bの除去部分Eの形成方法は、媒体の表示品質に影響を与えないものであれば特に制限はないが、例えば、レーザー加工による方法を好適例として挙げることができる。このようなレーザー加工としては、例えば、COレーザー加工を挙げることができる。レーザー光のパワー、照射領域等を制御することによって、除去部分の範囲、深さ等を高精細に制御することができる。
(接着剤層)
本実施の形態においては、第1の表示層3a及び第2の表示層3bの接合性を高めるため、接着剤層4を配置している。このような接着剤層4としては、例えば、アクリル系、ウレタン系の接着剤又は粘着剤を挙げることができる。接着剤層の厚さは、例えば、
1〜10μmであることが好ましい。
(取出電極)
第1及び第2の取出電極1c、2cとしては、例えば、厚さが100〜200μmのNi等の金属からなり、第1及び第2の薄膜電極1b、2bよりも高い剛性、又は硬度を有するものであることが好ましい。
(保護層)
本実施の形態においては、図示はしないが、全体を被覆する保護層をさらに備えた構成とすることが好ましい。このような保護層としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、非晶質PET(PET−G)、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、又はこれらを組み合わせて用いた透明な熱可塑性樹脂からなる熱可塑性フィルムを挙げることができる。このような熱可塑性フィルムは、例えば、熱可塑性部材を画像表示媒体10の表面にボンディングツールを用いて熱圧着することにより形成される。この場合、外部から第1及び第2の取出電極1c、2cに接続するための取出孔を有するように構成することが好ましい。なお、取出孔の磨耗を防止するため、取出孔に、Niやステンレス等の金属のパイプを嵌合し、この金属のパイプの中に第1及び第2の取出電極1c、2cを配線するようにしてもよい。
(ICチップ)
本実施の形態においては、図示はしないが、必要に応じて、無線タグ等のICチップを所定の領域に搭載してもよい。
(画像表示媒体の作製)
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る画像表示媒体の製造工程を工程順に示す断面図であり、(a)は第1の基板上に第1の薄膜電極、第1の表示層及び接着剤層が形成された第1の積層体を用意する第1の工程、(b)は第2の基板上に第2の薄膜電極及び第2の表示層が形成された第2の積層体を用意するとともに、第2の積層体における第2の薄膜電極及び第2の表示層の、前記第2の基板の周縁から所定距離だけ離れた領域(除去部分)を除去する第2の工程、(c)は第1の積層体と第2の積層体とを、第1の表示層と第2の表示層とが対向する向きで貼り合わせる第3の工程、(d)は、貼り合わせた後、得られた画像表示媒体をそれぞれ示す。
(第1の工程)
図2(a)に示すように、PETからなる第1の基板1a上にITOからなる第1の薄膜電極1bをスパッタリングにより形成し、第1の基板積層体S1とする。次に、第1の薄膜電極1b上に、第1の表示層(液晶層)3a及び接着剤層4を積層、配置して第1の積層体とする。ここで、第1の表示層(液晶層)3a及び接着剤層4の積層、配置方法としては特に制限はなく、汎用されている方法を用いることができるが、コストの点で塗布による方法が好ましい。
(第2の工程)
図2(b)に示すように、PETからなる第2の基板2a上にITOからなる第2の薄膜電極2bを形成して第2の基板積層体S2とする。この第2の基板積層体2上に第2の表示層(光導電体層)3bを積層、配置する。ここで、光導電体層3bの積層、配置方法としては特に制限はなく、汎用されている方法を用いることができるが、コストの点で塗布による方法が好ましい。次に、光導電体層3b側からレーザー光を照射して、第2の基板2b及び光導電体層3bの周縁から所定距離Dだけ離れた領域(除去部分E(図1(a)参照))を除去して第2の積層体2を形成する。
(第3の工程)
図2(c)に示すように、第1の積層体1と第2の積層体2とを貼り合わせる。この場合、例えば、台上に固定した第1の積層体1と第2の積層体2との全体にボンディングツールを用いて、緩衝材を挟んで鉛直上方向から加熱(例えば、60〜150℃)、加圧(例えば、0.1〜1N/mm)を施すことによって貼り合わせることができる。また、例えば、加熱ローラーを用いたラミネート法等を用いて、第1の積層体1と第2の積層体2の裏表両面から同条件で加熱、加圧を施してもよい。また、接合面に接着剤を用いてもよい。
第1の積層体1と第2の積層体2とを貼り合わせた後、図1(a)に示す平面形状に打ち抜くことによって、図2(d)に示す画像表示媒体10が得られる。ここで、図2(d)は、図1(d)に対応している。図2(d)に示すように、第2の基板2b及び光導電体層3bの周縁から所定距離Dだけ離れた領域(除去部分E(図1(a)参照)が除去されているため、第1の積層体1の最下層部分である接着剤層4が第2の基板2aの表面と接触するように折れ曲がって第2の薄膜電極2bを覆い隠し、第1の薄膜電極1bとの短絡を有効に防止している。
(第4の工程)
次に、第1及び第2の薄膜電極1b、2bの表面に、外部との電気的な接続を行うための第1及び第2の取出電極1c、2c(図1(a)参照)を接続する。
(第5の工程)
次に、必要に応じて、無線タグ等のICチップを搭載するとともに、全体を被覆する保護層を形成する。
このようにして、第2の基板2b及び光導電体層3bの周縁から所定距離Dだけ離れた領域(除去部分E(図1(a)参照))が除去された、短絡し難い画像表示媒体10を得ることができる。また、この実施の形態の方法は、除去部分E等の除去にレーザー光を用いているため、エッチング処理によるパターニングが不要で、環境に過大な負荷を与えることもなく、またエッチングに起因する欠陥を発生させることもなしに、高品質で、低コストの画像表示媒体10を作製することができる。
(画像表示媒体の他の作製例)
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る画像表示媒体の他の製造工程を工程順に示す説明図であり、(a)は、第1の基板上に第1の薄膜電極を形成して第1の基板積層体とする工程、(b)は、第1の基板積層体上に第1の表示層及び接着剤層を形成して第1の積層体とする工程、(c)は、第1の積層体に取出電極との接続部分を形成するため第1のカット部分を形成する工程をそれぞれ示す平面図及び断面図である。図4は、図3に示す製造工程の後の製造工程を工程順に示す説明図であり、(a)は、第2の基板上に第2の薄膜電極を形成して第2の基板積層体とする工程、(b)は、第2の基板積層体上に第2の表示層を形成する工程、(c)は、第2の積層体に取出電極との接続部分を形成するため第2のカット部分を形成する工程、(d)は、第2の積層体における第2の薄膜電極及び第2の表示層の、第2の基板の周縁から所定距離だけ離れた領域(除去部分)を除去する工程をそれぞれ示す平面図及び断面図である。
(第1の工程)
以下の画像表示媒体の他の作製例においては、図1(a)に示す画像表示媒体10を同時に3個作製する場合を示す。図3(a)に示すように、PETからなる第1の基板1a上にITOからなる第1の薄膜電極1bをスパッタリングにより形成し、第1の基板積層体S1とする。次に、図3(b)に示すように、第1の薄膜電極1bの全面上に、第1の表示層(液晶層)3a及び接着剤層4を積層、配置して第1の積層体1とする。ここで、第1の表示層(液晶層)3a及び接着剤層4の積層、配置方法としては特に制限はなく、汎用されている方法を用いることができるが、コストの点で塗布による方法が好ましい。次に、図3(c)に示すように、外部との電気的な接続を行うための取出電極(図1(a)参照)との接続部分を形成するため、第1の基板積層体S1、第1の表示層(液晶層)3a及び接着剤層4の一部を貫通するようにカットして第1のカット部分1dを形成する。
(第2の工程)
図4(a)に示すように、PETからなる第2の基板2a上にITOからなる第2の薄膜電極2bを形成して第2の基板積層体S2とする。次に、図4(b)に示すように、この第2の基板積層体S2上に第2の表示層(光導電体層)3bを積層、配置する。ここで、光導電体層3bの積層、配置方法としては特に制限はなく、汎用されている方法を用いることができるが、コストの点で塗布による方法が好ましい。次に、図4(c)に示すように、外部との電気的な接続を行うための取出電極(図1(a)参照)との接続部分を形成するため、第2の基板積層体S2、第2の表示層(光導電体層)3bの一部を貫通するようにカットして第2のカット部分2dを形成する。次に、図4(d)に示すように、光導電体層3b側からレーザー光を照射して、第2の薄膜電極2b及び光導電体層3bの周縁から所定距離Dだけ離れた領域(除去部分E(図1(a)参照))を除去して第2の積層体2を形成する。
(以降の工程)
図5は、図3及び図4に示すカット部分が形成された積層体を互いに貼り合わせた状態を示す平面図である。図6は、図5に示す第1の積層体と第2の積層体との貼り合わせ体を3つの画像表示媒体の形状に打ち抜いた状態を示す平面図である。図7は、図6に示す打ち抜き体における、取出電極との接続のため層を剥離して電極部分を剥き出すための層剥離部分を示す平面図である。
以下、図5〜図7を用いて第2の工程の以降の工程について説明する。図5に示すように、第1の工程で得られた第1のカット部分1dが形成された第1の積層体1と、第2の工程で得られた第2のカット部分2dが形成された第2の積層体2とを互いに貼り合わせる。この後、貼り合わせ体は、2点鎖線で示す打ち抜き線Lの部分で打ち抜かれて、図6に示す3つの打ち抜き体に形成される。図5において、打ち抜き線Lに囲まれた3つの四角形状のうち、左側に位置するものの斜線を付した部分は第2の積層体2の第2のカット部分2dを示し、真ん中に位置するものの斜線を付した部分は第1の積層体1の第1のカット部分1dを示し、右側に位置するものの斜線を付した部分は第1及び第2の積層体1、2の第1及び第2のカット部分1d、2dを重ねて示している。
図6は、上述のように、打ち抜き線Lの部分で打ち抜かれて、3つの打ち抜き体(第1及び第2の積層体1、2)を形成した状態を示している。この打ち抜き体は、図1(a)における形状から第1及び第2の取出電極1c、2cを取り除いた形状に対応している。
図7に示すように、図6に示す3つの打ち抜き体(第1及び第2の積層体1、2)のそれぞれの、斜線で示す層剥離部分Fから第1及び第2の表示層3a、3b並びに接着剤層4を剥離して第1及び第2の薄膜電極1b、2b部分を剥き出しにし、第1及び第2の取出電極1c、2cとの接続を可能にする。なお、この層剥離工程は、打ち抜き工程の後に行った場合を示したが、層(第1及び第2の表示層3a、3b並びに接着剤層)の形成後であれば、第1及び第2のカット部分1d、2dを形成する前に行ってもよく、打ち抜き工程の前に行ってもよい。
次に、上述の第1及び第2の薄膜電極1b、2bの剥き出しにした部分に第1及び第2の取出電極1c、2cを接続し、必要に応じて、無線タグ等のICチップを搭載するとともに、全体を被覆する保護層を形成する。
このようにして、第2の基板2b及び光導電体層3bの周縁から所定距離Dだけ離れた領域(除去部分E(図1(a)参照))が除去された、短絡し難い画像表示媒体10を3個同時に得ることができる。
〔第2の実施の形態〕
(画像表示媒体の構成)
は、本発明の第2の実施の形態に係る画像表示媒体の、第1の実施の形態において図1(d)が示す部分に対応する部分を示す断面図である。
に示すように、第2の実施の形態に係る画像表示媒体10の基本的な構成は、図1(d)に示す第1の実施の形態の場合と同じであるが、第2の実施の形態に係る画像表示媒体10の場合、第2の薄膜電極2b及び光導電体層3bの除去部分E(図1(a)参照))を除去した後の端面と第2の基板2aの表面とが形成する角度(カット角度)θが、第1の実施の形態の場合、90度であるのに対し、これよりも小さい角度、すなわち、第1の積層体1の最下層部分である接着剤層4が第2の基板2aの表面と接触するように折れ曲がって第2の薄膜電極2bを覆い隠す時に、覆い隠す度合いが増加する角度、例えば、θ=30〜60度に構成され、さらに確実に短絡を防止することができるように構成されている。このようにカット角度θを制御する方法としては特に制限はないが、例えば、レーザー光の入射角θ(レーザー光と第2の基板2aの表面の法線とのなす角度(90−θ))が、60〜30度となるように制御して、レーザー光を照射することを挙げることができる。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において上記各実施の形態の構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本発明の画像表示媒体は、視認性や携帯性を保持するとともに、表示内容を電気的に書き換えることができる「電子ペーパー」又「はデジタルペーパー」等の応用としての、RFID(RFタグ)に代表される非接触式ICを備えたカード類(例えば、定期券、診察券、会員カード、IDカード、キャッシュカード、クレジットカード、商品流通用タグ等)や情報媒体(例えば、書籍、広告等)を取り扱う各種産業分野、例えば、交通業、医療業、金融業、流通業、出版業、情報伝達業、電子機器製造業等において有効に利用される。
本発明の第1の実施の形態に係る画像表示媒体を示し、(a)は平面図、(b)はA−A線断面図、(c)はB−B線断面図、(d)は一部拡大したC−C線断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る画像表示媒体の製造工程を工程順に示す断面図であり、(a)は第1の基板上に第1の薄膜電極、第1の表示層及び接着剤層が形成された第1の積層体を用意する第1の工程、(b)は第2の基板上に第2の薄膜電極及び第2の表示層が形成された第2の積層体を用意するとともに、第2の積層体における第2の薄膜電極及び第2の表示層の、前記第2の基板の周縁から所定距離だけ離れた領域(除去部分)を除去する第2の工程、(c)は第1の積層体と第2の積層体とを、第1の表示層と第2の表示層とが対向する向きで貼り合わせる第3の工程、(d)は、貼り合わせた後、得られた画像表示媒体をそれぞれ示す。 本発明の第1の実施の形態に係る画像表示媒体の他の製造工程を工程順に示す説明図であり、(a)は、第1の基板上に第1の薄膜電極を形成して第1の基板積層体とする工程、(b)は、第1の基板積層体上に第1の表示層及び接着剤層を形成して第1の積層体とする工程、(c)は、第1の積層体に電極部分を形成するためカットする工程をそれぞれ示す平面図及び断面図である。 図3に示す製造工程の後の製造工程を工程順に示す説明図であり、(a)は、第2の基板上に第2の薄膜電極を形成して第2の基板積層体とする工程、(b)は、第2の基板積層体上に第2の表示層を形成する工程、(c)は、第2の積層体に電極部分を形成するためカットする工程、(d)は、第2の積層体における第2の薄膜電極及び第2の表示層の、第2の基板の周縁から所定距離だけ離れた領域(除去部分)を除去する工程をそれぞれ示す平面図及び断面図である。 図3及び図4に示すカット部分が形成された積層体を互いに貼り合わせた状態を示す平面図である。 図5に示す第1の積層体と第2の積層体との貼り合わせ体を3つの画像表示媒体の形状に打ち抜いた状態を示す平面図である。 図6に示す打ち抜き体における、取出電極との接続のため層を剥離して電極部分を剥き出すための層剥離部分を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る画像表示媒体の、第1の実施の形態において図1(d)が示す部分に対応する部分を示す断面図である。
符号の説明
1 第1の基板積層体
1a 第1の基板
1b 第1の薄膜電極
1c 第1の取出電極
1d 第1のカット部分
2 第2の基板積層体
2a 第2の基板
2b 第2の薄膜電極
2c 第2の取出電極
2d 第2のカット部分
3 表示層
3a 液晶層
3b 光導電体層
4 接着剤層
10 画像表示媒体
D 周縁からの距離
E 除去部分(対応除去部分)
F 層剥離部分
S1 第1の積層体
S2 第2の積層体
θ カット角度

Claims (15)

  1. 第1の基板上に、第1の薄膜電極及び第1の表示層が形成された第1の積層体と、
    第2の基板上に、周縁から所定距離だけ離れた領域(除去部分)が除去された第2の薄膜電極、及び前記除去部分に対応する領域が除去されるとともに前記第2の薄膜電極の除去断面と同一面上に除去断面を有する第2の表示層が形成された第2の積層体とを、前記第1の表示層と前記第2の表示層とが対向する向きで備えた画像表示媒体であって、
    前記第1の表示層は、前記第2の基板の表面と接触するように折れ曲がって前記第2の薄膜電極を覆い、かつ前記第1の積層体と前記第2の基板とは、前記除去部分の少なくとも一部で接触することを特徴とする画像表示媒体
  2. 前記第2の薄膜電極及び第2の表示層における前記除去部分は、レーザー加工によって形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の画像表示媒体。
  3. 前記第1の表示層及び第2の表示層は、液晶層及び光導電体層を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像表示媒体。
  4. 前記第2の表示層は、前記光導電体層であり、前記光導電体層の前記除去部分が除去されたことを特徴とする請求項1に記載の画像表示媒体。
  5. 前記第1の表示層と前記第2の表示層との間に、接着剤層をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像表示媒体。
  6. 前記除去断面と前記第2の基板の表面とが形成する角度は、90度よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の画像表示媒体。
  7. 前記第1及び第2の薄膜電極の表面に接続された、外部との電気的な接続を行うための第1及び第2の取出電極をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像表示媒体。
  8. 全体を被覆する保護層をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像表示媒体。
  9. 第1の基板上に第1の薄膜電極及び第1の表示層が形成された第1の積層体を用意する第1の工程と、
    第2の基板上に第2の薄膜電極及び第2の表示層が形成された第2の積層体を用意するとともに、前記第2の積層体における前記第2の薄膜電極及び第2の表示層の、前記第2の基板の周縁から所定距離だけ離れた領域(除去部分)を、前記第2の表示層が前記第2の薄膜電極の除去断面と同一面上に除去断面を有するように除去する第2の工程と、
    前記第1の積層体と前記第2の積層体とを、前記第1の表示層と前記第2の表示層とが対向する向きで貼り合わせる第3の工程とを含む画像表示媒体の製造方法であって、
    前記第3の工程において、前記第1の積層体と前記第2の積層体とを、第1の表示層が、前記第2の基板の表面と接触するように折れ曲がって前記第2の薄膜電極を覆い、かつ前記第1の積層体と前記第2の基板とが、前記除去部分の少なくとも一部で接触するように貼り合わせることを特徴とする画像表示媒体の製造方法
  10. 前記第2の工程において、前記第2の薄膜電極及び第2の表示層の前記除去部分をレーザー加工によって除去することを特徴とする請求項に記載の画像表示媒体の製造方法。
  11. 前記第1の表示層として液晶層を用いるとともに、前記第2の表示層として光導電体層を用いることを特徴とする請求項に記載の画像表示媒体の製造方法。
  12. 前記第1の工程において、前記第1の表示層の上にさらに接着剤層を積層して第1の積層体を形成することを特徴とする請求項に記載の画像表示媒体の製造方法。
  13. 前記第2の工程において、前記除去断面と前記第2の基板の表面とが形成する角度を、90度よりも小さくすることを特徴とする請求項に記載の画像表示媒体の製造方法。
  14. 前記第1及び第2の薄膜電極の表面に、外部との電気的な接続を行うための第1及び第2の取出電極を接続する第4の工程をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の画像表示媒体の製造方法。
  15. 全体を被覆する保護層を形成する第5の工程をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の画像表示媒体の製造方法。
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