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JP5164208B2 - 車両運行システム - Google Patents
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Description

本発明は、利用者からのデマンドに基づいて運行計画を作成し、作成された運行計画に沿って車両の運行を行う車両運行システムに関する。
近年、利用者が希望する乗車位置、乗車時刻及び降車位置を含むデマンドを受けて運行計画を作成し、作成された運行計画に従って、バス等の車両の運行を行うデマンドバスシステム等の車両運行システムが注目されている(特許文献1参照)。こうした車両運行システムでは、受け付けられたデマンドに基づき、乗車待ち時間、迂回時間又は車両の総走行時間等といった、サービス圏内全体にわたる利用者の条件又は運行車両の走行条件を考慮して運行計画の作成を行うことができる。
こうした車両運行システムによれば、サービス圏内であれば、利用者は、どこからどこへでも乗り継ぎなしで、自由に行けるサービスを受けることができる。このため、路線バス方式よりもかなりコストパフォーマンスの高いサービスの提供が可能となっている。
特開2003−173497号公報
しかしながら、上記従来の車両運行システムにおいては、自由度の高いサービスを提供できるが故に、長距離や飛び地等といった路線バスでは運行サービスの提供条件の悪い地域の利用が増える傾向がある。このため、当該条件の悪い地域における利用で車両が占用されることにより、全体の効率が低下する傾向がある。
こうした路線バスでは運行サービスの提供条件の悪い地域の利用については、バス車両の運用効率が低下することになるために、運賃を高くして、長距離利用等にバイアスをかけるという方法も考えられるが、路線方式ではないために明確な距離運賃の設定は困難である。また、バス運行サービスにおいては、そもそも運賃に割高感があったため、値上げすることは困難である。
ところで、従来の車両運行システムにおける全体の効率が低下する傾向は、本来条件の悪いところと、良い条件のところとをまったく同じ判定基準で運行計画を作成することに起因している。そこで、従来からの車両運行システムのサービス指標である所要時間、待ち時間又は迂回時間により各ゾーンのサービスレベルの差別化を行うことが考えられる。
しかしながら、この方法では、既に予約済みのデマンドの直ぐ近くの乗車または、ほぼ同じ経路のデマンド要求があった場合に、わざわざサービスレベルを落として、待ち時間を長くして予約するというのは車両の運用効率を無駄に落とすことになる。また、その逆に、サービスレベルの悪い複数のデマンドが同じゾーンに集中して発生したとき、従来のサービス指標による方法では、全体のサービスを良くすることを目標とするため、配車可能な車両を集中してそれらのデマンドに割り当てることとなり、配車車両の偏りを防ぐことができない。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、車両の運用効率を落とすことなく、かつ、サービス圏内の地域の特性を考慮したサービスを適性に担保可能な運行計画を簡易に作成して、車両運行サービスを提供することができる新たな車両運行システムを提供することを目的とする。
本発明の車両運行システムは、少なくとも1台の車両の運行サービス圏において区分設定された複数のゾーンごとの配車レベルであるゾーン配車レベルを記憶するゾーン配車レベル記憶手段と;乗降地点、乗車人数及び乗車希望時刻を含む車両の新たな利用要求情報に対応して、前記ゾーン配車レベル記憶手段に記憶されたゾーン配車レベルを考慮しつつ現在の運行計画の更新を行ない、最適化された新たな運行計画を作成する運行計画作成手段と;前記新たな運行計画に基づいて、前記車両ごとに運行時刻順に乗降地点を抽出し、該当する車両の車載装置へ送信する運行制御手段と;を備え、前記ゾーン配車レベルには、該当するゾーンに運行計画上滞在する前記車両のゾーン内滞在率の指標が含まれる、ことを特徴とする車両運行システムである。
この車両運行システムでは、運行計画作成手段が、乗降地点、乗車人数及び乗車希望時刻を含むバス等の車両の新たな利用要求(デマンド)情報に対応して、ゾーン配車レベル記憶手段に記憶されたゾーン配車レベルを考慮しつつ現在の運行計画の更新を行なう。この結果、運行計画作成手段により、配車車両の偏りを防ぎつつ、サービス圏内の各ゾーンの特性を考慮して最適化された新たな運行計画が作成される。
なお、当該ゾーン配車レベルには、該当するゾーンに運行計画上滞在する車両のゾーン内滞在率の指標が含まれるようになっている。
こうして、新たな運行計画が作成されると、運行制御手段が、新たな運行計画に基づいて、車両ごとに運行時刻順に乗降地点を抽出し、該当する車両の車載装置へ送信する。こうして送信された運行時刻順に乗降地点の情報に基づいて、各車両の運行が行われる。
したがって、本発明の車両運行システムによれば、車両の運用効率を落とすことなく、かつ、サービス圏内の地域の特性を考慮したサービスを適性に担保可能な運行計画を簡易に作成して、車両運行サービスを提供することができる。
本発明の車両運行システムでは、前記車両の数が複数である場合には、前記ゾーン配車レベルには、該当するゾーンに運行計画上滞在する前記複数の車両のそれぞれのゾーン内滞在率の和の指標が含まれるようにすることができる。
また、本発明の車両運行システムでは、前記ゾーン配車レベルには、該当するゾーンに運行計画上訪問する車両の訪問時間間隔の指標値が含まれるようにすることができる。
また、本発明の車両運行システムでは、前記運行計画作成手段が、前記ゾーン配車レベルの指標値に加えて、待ち時間及び迂回時間を含む通常サービスレベルの指標を更に考慮した総合的な評価を行って、前記新たな運行計画を作成するようにすることができる。
以上説明したように、本発明の車両運行システムによれば、車両運行にとって条件の良い地域と条件の悪い地域とが混在する場合であっても、効率的かつ合理的な運行計画を作成して、車両運行サービスを提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図8を参照しつつ説明する。なお、図面においては、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[構成]
図1には、本発明の一実施形態に係る車両運行サービスシステムであるデマンドバスシステム100の構成の概略が模式的に示されている。この図1に示されるように、デマンドバスシステム100は、管理センタ110と、バス車両1501,…1504とを備えている。
ここで、管理センタ110は、利用者の電話機310又は携帯電話機320から、公衆電話網や移動通信網を介して、バスの利用予約に関するデマンドDMD1,DMD2を受けるとともに、当該デマンドDMD1,DMD2に対する応答RSP1,RSP2を送るようになっている。ここで、電話機310や携帯電話機320は多数存在するが、図1では、1台ずつが代表的に示されている。
また、管理センタ110は、バス車両150j(j=1〜4)へ、運行指示情報RTDjを送るようになっている。また、バス車両150jのそれぞれは、管理センタ110からの運行指示情報RTDjに従って、サービス領域SVA内を走行するようになっている。
なお、本実施形態では、サービス領域SVAは、図2に示されるように、ゾーンZA,ZB,ZCの3つの領域に仮想的に区分されているものとする。ここで、ゾーンZAが新市街地、ゾーンZBが旧商店街、及び、ゾーンZCが山間地域という地区特性を有しているものとする。かかる地区特性から、ゾーンZAでは高いサービスが求められ、ゾーンZCでは低いサービスレベルでもよく、ゾーンZBでは、ゾーンZAとゾーンZCとの中間のサービスレベルが求められている。
管理センタ110は、図3に示されるように、電話装置111と、入力装置112と、表示装置113とを備えている。また、管理センタ110は、記憶部114と、運行計画作成部115とを備えている。さらに、管理センタ110は、運行制御部116と、通信部117とを備えている。
上記の電話装置111は、利用者の電話機310や携帯電話機320との間で通話通信を行う。この電話装置111を利用して、管理センタ110に駐在するオペレータが、利用者からのバスの利用予約に関するデマンドDMD1,DMD2を受けたり、当該デマンドDMD1,DMD2に対する応答RSP1,RSP2を送ったりするようになっている。ここで、デマンドDMD1,DMD2の内容は、乗降するバス停留所名、乗降人数及び乗車希望時刻等を含んでいる。
入力装置112は、キーボードやマウス等を備えて構成されている。この入力装置112を操作して、オペレータは、デマンドDMD1,DMD2の内容や各種指令を運行計画作成部115へ入力するようになっている。
表示装置113は、液晶ディスプレイパネル等を備えて構成されている。この表示装置113には、操作ガイダンス、入力装置112を利用した入力結果、新たに作成された運行計画候補におけるデマンドDMD1,DMD2に対応する乗車可能時刻等が表示されるようになっている。
なお、オペレータは、表示装置113に表示される入力結果を確認しつつ、入力装置112を操作して、オペレータは、デマンドDMD1,DMD2の内容を運行計画作成部115へ入力するようになっている。
記憶部114は、ハードディスク装置等を備えて構成されている。この記憶部114には、図4(A)に示されるように、配車レベル情報210、予約リスト220、運行計画情報230等の様々な情報データが記憶されている。
ここで、配車レベル情報210としては、ゾーンZA,ZB,ZCごとの配車レベル指標であるゾーン配車レベル指標の上限Uk(k=ZA,ZB,ZC)が記憶されている。こうしたゾーン配車レベル指標は、実績、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
本実施形態では、ゾーン配車レベル指標としては、各ゾーンにおける車両の滞在率、すなわち、各ゾーンにおける所定時間間隔(例えば、5分間隔)ごとの車両の配車台数の平均値の上限(以下、「上限配車指標」と呼ぶ)を採用している。こうして設定された配車レベル情報210の内容の例が、図4(B)に示されている。
予約リスト220には、現時点の運行計画において予約がなされているデマンドが登録されている。また、運行計画情報230には、現時点の運行計画が登録されている。


図3に戻り、運行計画作成部115は、新たなデマンドの内容を受けると、当該新たな運行計画候補を作成する。そして、新たな運行計画が決定されると、運行計画作成部115は、予約リスト220に当該新たなデマンドの内容を追加するとともに、運行計画情報230の内容を、決定された新たな運行計画に更新する。かかる運行計画作成部115における処理の詳細については、後述する。
なお、本実施形態では、バス車両150j(j=1〜4)に対して、ルート、ダイヤ及び担当エリアは予め設定されておらず、バス停を全体で約200箇所設定してある。そして、運行計画作成部115は、デマンドに応じて、自由な乗降の組み合わせ及び配車計算を行い、最適解を選定して運行計画を作成していくようになっている。
運行制御部116は、運行計画情報230に基づいて、バス車両150j(j=1〜4)に通知すべき運行指示RTDjを作成する。そして、運行制御部116は、運行指示RTDjを、対応するバス車両150jへ向けて送る。
なお、運行制御部116は、後述するように、一定時間ごとに、運行計画情報230をチェックし、新たな運行計画が作成されていた場合に、運行指示RTDjを作成し、バス車両150jのそれぞれに通知するようになっている。
通信部117は、移動体通信網を介したバス車両150jとの間の通信制御を行う。この通信部117を介することにより、運行制御部116は、運行指示RTDjをバス車両150jへのそれぞれに通知することができるようになっている。
バス車両150j(j=1〜4)のそれぞれには、管理センタ110からの運行指示RTDjに応じた処理を行う車載器が搭載されている。この車載器は、図3に示されるように、通信部151と、制御装置152と、表示装置153とを備えている。
通信部151は、移動体通信網を介した管理センタ110との間の通信制御を行う。この通信部151を利用した通信により、管理センタ110から運行指示RTDjを受けると、その内容が制御装置152に報告される。
制御装置152は、車載器全体の動作の制御を行う。この制御装置152は、通信部151から運行指示RTDjの内容を受けると、当該運行指示RTDjの内容の表示画像データを作成する。そして、制御装置152は、作成された表示画像データを表示部153へ送る。
なお、本実施形態では、車載器は、不図示のGPS計測部を更に備えており、当該GPS計測部により計測されたバス車両150jの現在位置は、制御装置152に報告されるようになっている。バス車両150jの現在位置を受けた制御装置152は、その情報を、通信部151を介して、定期的に管理センタ110へ送る。こうしてバス車両150jの現在位置情報を受けた管理センタ110では、その情報をバス運行管理に役立てるようになっている。
表示装置153は、液晶ディスプレイパネル等を備えて構成されている。この表示装置153は、制御装置152からの表示画像データに従って、画像表示を行う。
[動作]
次に、上記のように構成されたデマンドバスシステム100の動作について、デマンド処理に主に着目して、説明する。
前提として、現在までに受けた少なくとも1つのデマンドに対応した運行計画(以下、「現在運行計画」という)が作成され、管理センタ110の記憶部114内の運行計画情報230として登録されているものとする。また、現在運行計画において予約が完了しているデマンドの内容が、記憶部114内の予約リスト220に登録されているものとする。
このデマンド処理では、図5に示されるように、まず、ステップS11において、利用者から新たなデマンドを受けたか否かが判定される。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS11:N)には、ステップS11の処理が繰り返される。
一方、オペレータが電話装置111により新たなデマンドを受けると、ステップS11における判定の結果が肯定的となり(ステップS11:Y)、処理はステップS12へ進む。このステップS12では、新たなデマンドの入力処理が行われる。かかる新たなデマンドの入力処理では、オペレータが表示装置113の表示を確認しながら、入力装置112を操作して、当該新たなデマンドの内容を運行計画作成部115に対して入力する。こうした新たなデマンドの内容は、乗降するバス停留所名、乗降人数及び乗車希望時刻等を含んでいる。
次に、ステップS13において、運行計画作成部115により、新たなデマンドの内容に対応した新たな運行計画の作成処理が行われる。この処理では、図6に示されるように、まず、ステップS21において、新たな運行計画候補の作成が行われる。
この新たな運行計画候補の作成に際して、図7に示されるように、まず、ステップS31において、運行計画作成部115が、予約リスト220に登録されているデマンド内容と、新たなデマンド内容との新たな組み合わせである新たな予約の組み合わせを作成する。引き続き、ステップS32において、当該新たな予約の組み合わせについて、ゾーン配車レベル指標の算出が行われる。
かかるゾーン配車レベル指標の算出処理に際して、まず、運行計画作成部115が、新たな予約の組み合わせについてバス車両150j(j=1〜4)ごとの移動を時間的にトレースして、走行ゾーンの推移から、ゾーン滞在リストを作成する。なお、ゾーンの遷移時刻(tt)は、新たな予約の組み合わせから作成した仮運行計画に基づいて、道路のノードに所属するゾーン情報を追加し、2つのゾーンを跨る場合に、跨る前の道路のノードの発車時刻(t1)と跨る後の道路のノードの到着時刻(t2)とを用いて、次の(1)式により算出する。
tt=t1+(t2−t1)×(L1/L2) …(1)
ここで、値L1は、跨る前のノードからゾーン境界までの距離であり、値L2は、跨る前後のノード間距離である。
すなわち、本実施形態では、ゾーンの遷移時刻(tt)は、跨る前の道路のノードの発車時刻(t1)と、跨る後の道路のノードの到着時刻(t2)とを用いて、ゾーン境界の距離按分で求められるようになっている。なお、本実施形態では、道路のノードからゾーン境界までの距離は、ゾーン境界を緯度経度の値またはその一次式で設定してあり、ノード間との交差点を計算することで求められる。
こうして求められたバス車両150j別のゾーン遷移リストから、運行計画作成部115が、ゾーンごとのバス車両150jのそれぞれの入出時刻を記録する滞在リストを作成する。
引き続き、上記で求められたゾーンごとのバス車両150j別入出時刻から、運行計画作成部115が、例えば、5分間隔等の一定時間間隔(T0)の時間帯別に、ゾーンごとの車両滞在率Pk(k=ZA,ZB,ZC)を、対象時間帯におけるバス車両150jのゾーン内滞在時間(TVkj)として、次の(2)式により算出する。
k=(TVk1+TVk2+TVk3+TVk4)/T0 …(2)
例えば、ゾーンZAに1台のバス車両が該当する期間にすべて滞在し、他の1台が該当する期間の半分の時間滞在する場合には、その時間帯でのゾーンZAにおける車両滞在率は1.5となる。
こうして各対象時間帯における車両滞在率Pkが算出されると、ステップS33において、運行計画作成部115が、車両滞在率Pkが上限指標値Ukを超えることがあるか否かを判定することにより、ゾーン配車レベル指標に関する第1次評価に合格か否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS33:N)には、処理はステップ37へ進む。
ステップS33における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS33:Y)には、処理はステップS34へ進む。このステップS34では、運行計画作成部115が、上記で作成された仮運行計画のサービス指標及び運行指標を算出する。ここで、サービス指標には、待ち時間、迂回時間等が含まれ、運行指標には、総走行時間等が含まれる。すなわち、ステップS34では、従来からのデマンドバスシステムにおける運行計画の作成において利用されている指標が算出される。
こうして仮運行計画のサービス指標及び運行指標が算出されると、ステップS35において、運行計画作成部115が、算出された指標の中に、現在運行計画の場合と比べて極端に悪い値のものが含まれているか否かを判定することにより、サービス指標及び運行指標に関する第1次評価に合格か否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS35:N)には、処理はステップ37へ進む。
ステップS35における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS35:Y)には、処理はステップS36へ進む。このステップS36では、仮運行計画を新たな運行計画候補として追加する。
次いで、ステップS37において、運行計画作成部115が、予約リスト220に登録されているデマンド内容と、新たなデマンド内容との組み合わせの全てについて、ゾーン配車レベル指標、サービス指標及び運行指標に関する第1次評価を完了したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS37:N)には、処理はステップS31へ戻る。以後、ステップS37における判定の結果が肯定的となるまで、上記のステップS31〜S37の処理が繰り返される。
そして、全ての組み合わせの第1次評価が完了すると、ステップS37における判定の結果が肯定的となり(ステップS37:Y)、処理はステップS38へ進む。このステップS38では、運行計画作成部115が、ゾーン配車レベル指標、サービス指標及び運行指標に関する第1次評価に合格した新たな運行計画候補のランク付けを行う。このランク付けは、ゾーン配車レベル指標、サービス指標及び運行指標を総合的に勘案して行われる。すなわち、ゾーン配車レベル指標のそれぞれが低いほど、サービス指標の値が小さいほど、運行指標の値が小さいほど総合ランクが高くなるように行われる。
こうして、新たな運行計画候補のランク付けが終了すると、ステップS21の処理が終了する。そして、処理は、図6のステップS22へ進む。
ステップS22においては、ランク付けされた新たな運行計画候補の内で最もランクの高い第1候補に基づく、新たなデマンドに対応する乗車可能時間等の予約内容が利用者に通知される。かかる通知処理に際しては、まず、運行計画作成部115が、第1候補に基づく、新たなデマンドに対応する乗車可能時間等の予約内容を、表示装置113に表示させる。この表示内容を見たオペレータが、電話装置111を利用して、通話中の利用者に、その内容を通知する。
次に、ステップS23において、まず、運行計画作成部115が、利用者の了解がとれたか否かを判定する。ここで、運行計画作成部115は、オペレータが、了解が取れた旨の操作入力を入力装置112に対して行ったことが、入力装置112から報告された場合に肯定的な判定を行う。一方、運行計画作成部115は、オペレータが、了解が取れなかった旨の操作入力を入力装置112に対して行ったことが、入力装置112から報告された場合に否定的な判定を行う。
ステップS23における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS23:Y)には、その時点において候補となっている新たな運行計画候補を新たな運行結核に決定し、ステップS13の処理が終了する。そして、処理は図5のステップS14へ進む。
図6に戻り、ステップS23における判定の結果が否定的であった場合(ステップS23:N)には、処理はステップS24へ進む。このステップS24では、運行計画作成部115が、新たな運行計画候補として次候補があるか否かを判定する。
ステップS24における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS24:Y)には、処理はステップS25へ進む。このステップS25では、次候補に基づく、新たなデマンドに対応する乗車可能時間等の予約内容が利用者に通知される。かかる通知処理に際しては、まず、運行計画作成部115が、第1候補に基づく、新たなデマンドに対応する乗車可能時間等の予約内容を、表示装置113に表示させる。この表示内容を見たオペレータが、電話装置111を利用して、通話中の利用者に、その内容を通知する。
この後、処理はステップS23へ戻る。そして、ステップS23における判定の結果が肯定的となるか、ステップS24における判定の結果が否定的となるまで、上記のステップS23〜S25の処理が繰り返される。
上記のステップS24における判定の結果が否定的となった場合(ステップS24:N)には、処理はステップS26へ進む。このステップS26では、新たなデマンドに関するバス利用に対する予約が不可であることが、利用者に通知される。かかる通知に際しては、まず、運行計画作成部115が、新たなデマンドに対応するバス利用予約が不可である旨を、表示装置113に表示させる。この表示内容を見たオペレータが、電話装置111を利用して、通話中の利用者に、その旨を通知する。
ステップS26の処理が終了すると、ステップS13の処理が終了する。そして、処理は図5のステップS14へ進む。
ステップS14では、運行計画作成部115が、新たな運行計画が決定されたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS14:N)には、処理はステップS11へ戻る。
一方、ステップS14における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS14:Y)には、処理はステップS15へ進む。このステップS15では、運行計画作成部115が、新たなデマンドの内容を予約リスト220内に追加するとともに、決定された新たな運行計画に運行計画情報230の内容を更新する。この更新に際して、運行計画作成部115は、更に運行計画情報230内の更新フラグをONにする。この後、処理はステップS11へ戻る。
以後、上記のステップS11〜S15の処理が繰り返されることにより、新たなデマンドに対応した新たな運行計画の作成処理が行われる。
以上のような運行計画作成部115による新たな運行計画の作成処理と並行して、運行制御部116による運行指示RTDj(j=1〜4)の作成及びバス車両150jへの通知の処理が行われる。この運行指示RTDjの作成及び通知の処理では、図8に示されるように、まず、ステップS41において、運行計画作成部115が、所定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS41における判定の結果が否定的であった場合(ステップS41:N)には、処理はステップS41へ戻る。そして、ステップS41における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS41の処理が繰り返される。
所定時間が経過し、ステップS41における判定の結果が肯定的となると(ステップS41:Y)、処理はステップS42へ進む。このステップS42では、運行制御部116は、運行計画情報230内の更新フラグがONであるか否かを判定することにより、前回の参照時から運行計画情報230が更新されたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS42:N)には、処理はステップS41へ戻る。そして、ステップS42における判定の結果が肯定的となるまで、上記のステップS41,S42の処理が繰り返される。
運行計画作成部115により運行計画情報230が更新され、ステップS42における判定の結果が肯定的となると(ステップS42:Y)、処理はステップS43へ進む。このステップS43では、運行制御部116が、運行計画情報230に登録されている運行計画を取得する。そして、運行計画情報230内の更新フラグをONに設定する。
次に、ステップS44において、運行制御部116が、取得された運行計画に基づいて、バス車両150j(j=1〜4)のそれぞれに通知すべき運行指示RTDjを作成する。引き続き、ステップS45において、運行制御部116が、作成された運行指示RTDjを、通信部117を介して、バス車両150jへ送る。
この後、処理はステップS41へ戻る。そして、運行制御部116は、上記のステップS41〜S45の処理を繰り返す。
以上のようにして、管理センタ110から発行された運行指示RTDjを受けると、バス車両150jでは、その内容が表示装置153に表示される。そして、運行指示RTDjの内容が、バス車両150jでの運転手に提示される。
以上説明したように、本実施形態では、サービス領域SVRにおけるゾーンごとにゾーン配車レベルの基準指標が定められ、そのゾーン配車レベルの基準指標を考慮した運行計画が作成される。したがって、本実施形態によれば、バス運行にとって条件の良い地域と条件の悪い地域とが混在する場合であっても、効率的かつ合理的な運行計画を作成して、バス運行サービスを提供することができる。
すなわち、本実施形態によれば、長距離利用等の特殊な利用に車両運用が過大に使われて、サービスが偏在して、地区全体に適正な車両運用を行うことが困難となる傾向を防止しつつ、地区全体でのサービス配分の適正化を行うことができる。また、周辺地区等の過大サービスを抑制するためだけではなく、都市部において大量の車両の運用を行う場合に、適切なサービス配分を行うことをも可能とするものであり、これまで過疎地向きと言われてきたデマンドバスシステムの都市部での適用性を高めることもできる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、サービス領域を3つのゾーンに区分したが、任意の数のゾーンに区分することもできる。
また、上記の実施形態では、バス車両の数を4台としたが、バス車両の数は任意の数(1台を含む)とすることができる。
また、上記の実施形態では、ゾーンの遷移時刻を算出する際に、道路のノードを採用したが、バス停を採用することもできる。
また、上記の実施形態では、ゾーン配車レベルの基準指標として上限配車指標を採用したが、下限配車指標を採用することもできるし、上限配車指標と下限配車指標とを組み合わせて採用することもできる。
また、上記の実施形態では、ゾーン配車レベルの指標としてゾーン内車両滞在率を採用したが、上述したバス車両のゾーン遷移リストから、バス車両のゾーン訪問間隔を計算し、特定のゾーンだけ訪問間隔を一定値以下にして、過剰サービスを抑えることとしてもよい。この場合、車両訪問間隔はバス車両の区別はしないで求め、一定間隔の平均値を求めてもよいし、また簡単に、直前のゾーンから出た時刻からの経過時間としてもよい。
また、上記の実施形態では、ゾーン配車レベルによる第1次評価を行った後に、サービス指標及び運行指標による第1次評価を行うようにした、これに対し、サービス指標及び運行指標による第1次評価を行った後に、ゾーン配車レベルによる第1次評価を行うようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、新たな運行計画候補のランク付けを運行計画作成部115が行うようにしたが、オペレータが行うようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、新たな運行計画候補のランク付け後における第1候補における予約内容を利用者に提示し、利用者の了解が得られなかった場合に、次候補における予約内容を提示していくようにした。これに対し、当該第1候補における予約内容をのみ利用者に提示し、了解が得られなかった場合には、利用者のデマンド内容の変更を促すようにし、デマンド内容の変更がなされた場合には、当該変更されたデマンド内容を新たなデマンド内容として、新たに運行計画作成処理を行うようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、オペレータが入力装置112を操作して、デマンドの内容や利用者の承諾等を運行計画作成部115へ入力するようにしたが、利用者がパーソナルコンピュータ等の通信機能を有する情報処理装置を使用し、当該情報処理装置と運行計画作成部115とが直接通信することにより、デマンドの内容を利用者の承諾等を運行計画作成部115へ入力するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、サービス提供に使用される車両をバスとするデマンドバスシステムについて本発明を適用したが、サービス提供に使用される車両をバス以外のタクシー等とするデマンドタクシーシステム等の車両運行システムに本発明を適用できることは、勿論である。
以上説明したように、本発明の車両運行システムは、デマンドに対応して運行計画を作成し、作成された運行計画に沿って車両の運行を行う車両運行システムに適用することができる。
本発明の一実施形態に係るデマンドバスシステムの構成を模式的に示す図である。 サービス領域のゾーン区分の例を示す図である。 図1の管理センタ及びバス車両の内部設備の構成を概略的に示すブロック図である。 図3の記憶部における記憶内容を説明するための図である。 図1の管理センタにおけるデマンド処理を説明するためのフローチャートである。 図5の運行計画作成処理を説明するためのフローチャートである。 図6の新たな運行計画候補の作成処理を説明するためのフローチャートである。 図1の管理センタからの運行指示発行処理を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
100…デマンドバスシステム(車両運行システム)、110…管理センタ、111…電話装置、112…入力装置、113…表示装置、114…記憶部(記憶手段)、115…運行計画作成部(運行計画作成手段)、116…運行制御部(運行制御手段)、117…通信部、150j…バス車両、151…通信部、152…制御装置、153…表示装置、310…電話機、320…携帯電話機。

Claims (4)

  1. 少なくとも1台の車両の運行サービス圏において区分設定された複数のゾーンごとの配車レベルであるゾーン配車レベルを記憶するゾーン配車レベル記憶手段と;
    乗降地点、乗車人数及び乗車希望時刻を含む車両の新たな利用要求情報に対応して、前記ゾーン配車レベル記憶手段に記憶されたゾーン配車レベルを考慮しつつ現在の運行計画の更新を行ない、最適化された新たな運行計画を作成する運行計画作成手段と;
    前記新たな運行計画に基づいて、前記車両ごとに運行時刻順に乗降地点を抽出し、該当する車両の車載装置へ送信する運行制御手段と;を備え
    前記ゾーン配車レベルには、該当するゾーンに運行計画上滞在する前記車両のゾーン内滞在率の指標が含まれる、
    ことを特徴とする車両運行システム。
  2. 前記車両の数は複数であり、
    前記ゾーン配車レベルには、該当するゾーンに運行計画上滞在する前記複数の車両のそれぞれのゾーン内滞在率の和の指標が含まれる、ことを特徴とする請求項1に記載の車両運行システム。
  3. 前記ゾーン配車レベルには、該当するゾーンに運行計画上訪問する車両の訪問時間間隔の指標値が含まれる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両運行システム。
  4. 前記運行計画作成手段は、前記ゾーン配車レベルの指標値に加えて、待ち時間及び迂回時間を含む通常サービスレベルの指標を更に考慮した総合的な評価を行って、前記新たな運行計画を作成する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両運行システム。
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