JP5164982B2 - 感光性樹脂組成物、フレキソ印刷版、及びフレキソ印刷版の製造方法 - Google Patents
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Description
一方、特に段ボール印刷において用いられる印刷版のレリーフ深さは、しばしば2mm以上にまで達する。そして、このようなレリーフは破壊、すなわち版欠けしやすい。
そこで、良好な耐ノッチ亀裂性を有し、且つ、繰り返し印刷に用いた場合でも低い粘着性を維持し得るフレキソ印刷版が、産業界から望まれている。
[1]エチレン性不飽和基を有するポリウレタンプレポリマー(ただし、トリレンジイソシアネートとカルビトールアセテートとを含む混合物に2−ヒドロキシエチルアクリレートとセロソルブアセテートとフェノチアンジンとジブチルチンジラウレートとを含む混合物を滴下してから反応させて得られた末端アクリル基の半ウレタン化合物と、エポキシ当量が215のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とアクリル酸とハイドロキノンとベンジルジメチルアミンとの混合物を反応させて得られたノボラック型エポキシ化合物のアクリル酸による部分エステル化物と、を反応させて得られたノボラック型エポキシ化合物のアクリル酸による部分エステル化合物のウレタンアクリレート付加物を除く。)100質量部と、エチレン性不飽和化合物10〜150質量部と、光重合開始剤0.01〜10質量部と、を含み、前記エチレン性不飽和化合物は、一分子中に(メタ)アクリロイル基を6個以上有する多官能エチレン性不飽和化合物を、前記ポリウレタンプレポリマー100質量部に対して0.1〜10質量部含む感光性樹脂組成物。
[2]前記多官能エチレン性不飽和化合物は、一分子中にアクリロイル基を6個以上有する、[1]の感光性樹脂組成物。
[3]前記多官能エチレン性不飽和化合物は、下記一般式(1)で表される化合物を含有する、[1]又は[2]の感光性樹脂組成物。
[4]前記多官能エチレン性不飽和化合物は、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、及びトリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、並びにこれらのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物よりなる群から選択される1種又は2種以上の化合物を含有する、[1]〜[3]のいずれか一つの感光性樹脂組成物。
[6]前記多官能エチレン性不飽和化合物は、下記一般式(2)で表される化合物を含有する、[1]〜[5]のいずれか一つの感光性樹脂組成物。
[7]前記多官能エチレン性不飽和化合物は、トリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレントリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートトリマーよりなる群から選択される1種又は2種以上のイソシアネート化合物から合成されたウレタン結合を有する(メタ)アクリル化合物を含有する、[1]〜[6]のいずれか一つの感光性樹脂組成物。
[9]前記ポリエーテルポリエステル系のポリウレタンプレポリマーは、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールを含むポリオール混合物とポリイソシアネートとの反応生成物に対して(メタ)アクリル化剤を反応させて得られたプレポリマーを含有する、[1]〜[8]のいずれか一つの感光性樹脂組成物。
[10]前記多官能エチレン性不飽和化合物は、ハイパーブランチの構造を有する化合物及び/又は多価アルコールの(メタ)アクリルエステルを含有する、[1]〜[9]のいずれか一つの感光性樹脂組成物。
[12][1]〜[10]のいずれか一つの感光性樹脂組成物から形成された成型体の表面を露光し、当該成型体の表面に硬化部位を形成する硬化部位形成工程と、洗浄液により前記硬化部位を現像する現像工程と、現像された前記硬化部位の表面に活性光線を照射する活性光線照射工程と、を含むフレキソ印刷版の製造方法。
[13]前記洗浄液は、感光性水素引抜き剤を含む、[12]の製造方法。
[14]前記活性光線は200nm〜300nmの波長領域に分布を有し、前記感光性水素引抜き剤はベンゾフェノン又はその誘導体を含有する、[12]又は[13]の製造方法。
本明細書において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」とを包含する概念であり、同様に、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」と「メタクリロイル」とを、「(メタ)アクリレート」は「メタクリレート」と「アクリレート」とを包含する概念である。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、下記(a)〜(c)の各成分、すなわち、
(a)エチレン性不飽和基を有するポリウレタンプレポリマーと、(b)エチレン性不飽和化合物と、(c)光重合開始剤とを含む。
なお、本実施形態の感光性樹脂組成物の態様としては、液状であること(すなわち、本実施形態の感光性樹脂組成物が液状感光性樹脂組成物であること)が好ましい。これにより、未硬化の樹脂を回収して再使用できるという利点、並びに、水性洗浄液による現像が可能である等の生産性及び作業環境の利点が得られる。
室温における本実施形態の感光性樹脂組成物の粘度は、その組成物を後述するフレキソ印刷版の製造方法に用いて優れた厚み精度を発現する観点から、10〜500Pa・sの範囲であることが好ましい。その粘度は、より好ましくは20〜300Pa・sの範囲である。当該粘度は、20℃における粘度であり、市販の粘度計、例えばB形粘度計形式B8H(株式会社東京計器製)を用いて測定される値である。
このような(a)成分の製造方法としては、例えば、下記(i)及び(ii)の方法が挙げられる。
(i)ポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させて、末端にイソシアネート基を有するポリウレタンを任意分子量でまず形成し、次いで、当該ポリウレタンと、分子内に活性水素とエチレン性不飽和基とを有する化合物とを反応させる方法。
(ii)ポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させて、末端に水酸基を有するポリウレタンを任意分子量でまず形成し、次いで、当該ポリウレタンと、分子内にイソシアネート基とエチレン性不飽和基とを有する化合物とを反応させる方法。
上述のごとく、ポリウレタンの分子末端に反応して(メタ)アクリル基を付加することを可能とする化合物を、本明細書において「(メタ)アクリル化剤」と記載することがある。
当該ポリエーテルポリエステル系のポリウレタンプレポリマーとして、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールを含むポリオール混合物とポリイソシアネートとの反応生成物に対して、(メタ)アクリル化剤を反応させて得られるものが好ましい。このポリウレタンプレポリマーは、水系洗浄液による現像性の観点から好ましく、また、その分子量を所定の分子量に制御しやすい観点からも好適である。
本明細書において「数平均分子量」とは、後述する実施例に記載のGPC測定におけるポリスチレン換算値として算出される値である。
以上説明した(a)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記(メタ)アクリルアミドの誘導体としては、例えば、アルキル基又はヒドロキシアルキル基でN−置換又はN,N’−置換した(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−アルキレンビス(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
上記マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸のエステルとしては、例えば、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシアルキルのモノ又はジマレエート及びフマレートが挙げられる。
上記その他のエチレン性不飽和基を有する化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドンが挙げられる。
多官能エチレン性不飽和化合物の(メタ)アクリロイル基の個数と分子量とを上述の範囲にすることは、本実施形態の感光性樹脂組成物の粘度を好ましい範囲に調整しやすい観点、及び、製造されたフレキソ印刷版が優れたインク転移性を示す硬度を容易に有する観点から好ましい。
上記一般式(2)において、Yが示すポリイソシアネート残基の具体例としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレントリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニ−ル)チオホスフェート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートトリマー、下記一般式(3)で表される化合物からイソシアネート基を除いた残基が挙げられる。
rの値を2〜6の範囲とすることは、上記一般式(2)で表される多官能エチレン性不飽和化合物が一分子中に有する(メタ)アクリル基の好ましい数の範囲を実現し、印刷版の柔軟性、耐久性、表面摩耗性を発現する観点から好ましい。
ハイパーブランチ化合物の具体例としては、四員環エーテル構造を有するオキセタン化合物から得られる多価末端水酸基を有するハイパーブランチ化合物(工藤、「ハイブリッド型ハイパーブランチポリマー−光機能性ハイパーブランチポリマーの合成と性質−」、高分子、社団法人高分子学会、2007年、第56巻、5月号、p.334−337を参照のこと。)や、Bolton(登録商標、樹枝状ポリエステルポリオール、Perstorp社製)タイプH2003(12水酸基体)、タイプH2004(6水酸基体)、タイプH311、タイプP500が挙げられる。
サンノプコ株式会社製;NOPCOMER4612、PHOTOMER5007等。
サートマー社製;CN968、CN9006、CN9010、CN975、CN997、CN293、CN2297A、CN2300、CN2301、CN2302、CN2303、CN2304等。
東亞合成株式会社製;アロニックスM−1960、アロニックスM−9050等。
以上説明した(b)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本実施形態の液状の感光性樹脂組成物は、優れた表面性状を発現し得るため、キャップ版のキャップ層として用いることも可能である。つまり、二種類以上の樹脂組成物を積層して成型し、露光によって一体化する製版方法において、版表面に位置するキャップ層に液状の本実施形態の感光性樹脂組成物を用い、下層領域を担うベース樹脂には従来技術による液状感光性樹脂を用いることが可能である。
フレキソ印刷版に求められる柔軟性の指標である、温度20℃、相対湿度70%で測定されるショアA硬度は、好ましくは10〜50度、より好ましくは10〜40度である。当該硬度は、非印刷体の材質、要求される印刷品質に応じて適切に選択すればよい。ショアA硬度を10度以上に設定することは、印圧に対するレリーフの歪みを抑制し、印刷画像が太くなって文字の判読が困難となる虞を低減する観点から好適である。一方、ショアA硬度を50度以下とすることは、インクを十分に転写する観点から好適である。なお、当該ショアA硬度は、後述する実施例に記載の方法と同様にして測定される。
本実施形態におけるフレキソ印刷版の製造方法は、下記(A)〜(C)の各工程を含む。
(A)本実施形態の感光性樹脂組成物から形成された成型体の表面を露光し、当該成型体の表面に硬化部位を形成する硬化部位形成工程。
(B)上記硬化部位形成工程の後、洗浄液により上記硬化部位を現像する現像工程。
(C)上記現像工程の後、現像された上記硬化部位の表面に活性光線を照射する活性光線照射工程(「後露光工程」と記載することがある。)。
また、そのフレキソ印刷版の製造方法は、上記(C)工程の後、更に、(D)上記硬化部位を乾燥する乾燥工程を含んでもよい。
このような成型・露光工程は、例えば、以下の(A1)〜(A3)の各工程を含むものである。
(A1)紫外線透過性のガラス板(下部ガラス板)上にネガフィルムを載置し、そのネガフィルムを薄い保護フィルムでカバーした後、その上に液状の感光性樹脂組成物を流し、これが一定の版厚になるようスペーサーを介して支持体となるベースフィルムを貼りあわせ、さらにその上から紫外線透過性のガラス板(上部ガラス板)で押さえつけて感光層を形成する感光層成型工程。段ボール印刷に用いるような印刷版(厚みが4mm以上)を形成する場合、印刷時の印圧に対するレリーフの強度を補填するために、上部ガラス板側の感光層の部分に土台となるシェルフ層を形成するのが好ましい。この場合、レリーフ露光前に、上部ガラス板とベースフィルムとの間に専用のネガフィルム(マスキングフィルム)を挟んで感光層を成型する。
(A2)上記感光層成型工程の後、紫外線蛍光灯等を活性光源とする活性光線(例えば、300nm以上に波長分布を有する光線)を上部ガラス板側からベースフィルムを介して照射することにより、版のベースフィルム側全面に均一な薄い硬化樹脂層(すなわち床部形成層(バック析出層))を析出させるバック露光工程。感光層形成工程でマスキングフィルムが設けられた場合、同様の露光によりシェルフ層が形成される。この場合、マスキング露光工程と称する。
(A3)上記バック露光工程又はマスキング露光工程の後、上記感光層に対し、下部ガラス側からネガフィルムを介して上部と同様の活性光線を照射し、画像形成を行うレリーフ形成露光工程。
ここで、界面活性剤の種類や組成は、使用する樹脂の性質に合わせて最適なものが選択される。また、現像方法としても、露光して得られた感光性樹脂硬化版を現像液中に浸漬する方法、露光して得られた感光性樹脂硬化版面上に現像液をスプレーノズルから吹き付ける方法、あるいは浸漬、スプレーにより膨潤した未硬化樹脂をブラシで掻き取る方法などが適用可能である。
上記アニオン界面活性剤におけるアニオン成分としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、ジアルキルスルホコハク酸、脂肪酸低級アルキルエステルのスルホン酸、アルキル硫酸、アルキルエーテル硫酸、飽和若しくは不飽和脂肪酸等、又はこれらのポリオキシアルキレン付加物が挙げられる。また、これらのアニオン成分に対するカウンターカチオン成分としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミンイオンが挙げられる。
上記ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルケニルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、ポリオキシアルキレンアルケニルアミド、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック付加物(プルロニック型界面活性剤)が挙げられる。
このような水素引き抜き剤が、上記洗浄液中に占める割合は、0.01〜0.5質量%であることが好ましく、0.03〜0.3質量%であることがより好ましい。当該割合を0.01質量%以上とすることは、表面粘着性除去効果を良好に発現させる観点から好ましい。その割合を0.5質量%以下とすることは、洗浄能力を確保する観点から好適である。
ここで、上記洗浄液が水素引き抜き剤を含有する場合に用いる光源として、上記水素引き抜き剤を効果的に活性化する波長領域に分布を有する活性光源を選択することが好ましい。本実施形態においては、上述のとおり、水素引き抜き剤としてベンゾフェノン類が好ましく用いられる。この場合、光源としては、200〜300nmの波長領域に分布を有する活性光源が好ましく用いられる。
上記後露光工程における活性光線の照射量は、200〜300nmの波長領域に分布を有する活性光線を用いる場合、好ましくは500〜5000mJ/cm2であり、より好ましくは1000〜5000mJ/cm2であり、更に好ましくは2000〜3500mJ/cm2である。活性光線の照射量を500mJ/cm2以上とすることは、十分に表面粘着性を除去し、繰り返し印刷での使用でも非粘着性を維持する観点から好適である。活性光線の照射量を5000mJ/cm2以下とすることは、印刷版表面に微少なクラックが生じて粘着性が現れる可能性を低減する観点から好適である。本実施形態における活性光線の照射量は、オーク製作所社製の紫外線測定器である「UV−M02」により測定した250nmの波長における照射量と照射時間とから算出した値である。
ここで、本実施形態において「粘着度」は下記のようにして測定される。
(1)15cm角以上のべた画像(全面が平滑で凹部の存在しない印刷用レリーフ)領域を有し、支持体(ベースフィルム)上に形成された厚さ7mmのフレキソ印刷版を所定の方法により作製する。そのフレキソ印刷版から直径10cmの円板を切り出し、その円板の中央部分に5mm角の貫通孔を設けてサンプル版を得る。
(2)印刷版製造直後の粘着性を評価するためにタックテスター(株式会社東洋精機製作所社製)を用いる。直径50mm、厚み13mmのアルミニウム製円盤部の円周表面にポリエステルフィルムを貼り付けた被粘着体を準備する。この被粘着体をポリエステルフィルムとサンプル版のレリーフ表面とが接触するようにサンプル版に載置し、その被粘着体に500gの荷重をかけて4秒間放置する。その後、毎分30mmの速度で被粘着体を引き上げ、被粘着体がレリーフ表面から離れる時の粘着力をプッシュブルゲージにより読み取る。この測定を任意の4点で実施し、その4点での粘着力の相加平均値に近い10g単位の整数を印刷版製造直後の粘着度(g)として算出する。
(4)インク溶媒の版表面への影響をシミュレートするプローブ液として、ジエチレングリコール:16質量部、トリエタノールアミン:6質量部、エタノール:6質量部、水:72質量部からなる水溶液を作製する。当該プローブ液がサンプル版表面全体を覆うように、スポイトを用いてプローブ液をサンプル版表面に滴下する。
(6)回転数1500回で摩耗試験を終了し、サンプル版に付着したプローブ液を不織布で拭い取り、60℃の乾燥機でサンプル版を10分間乾燥する。
(7)乾燥したサンプル版を、大気中、室温で30分間程度放置し、温度を下げる。サンプル版上の摩耗輪が通過した表面領域について、上記(2)と同様の方法により、粘着力を任意の4点で測定し、その相加平均値に近い10g単位の整数を摩耗試験後の粘着度として算出する。
ここで、本実施形態において「耐ノッチ亀裂性」は下記のようにして測定される。
(1)15cm角以上のべた画像(全面が平滑で凹部の存在しない印刷用レリーフ)領域を有し、支持体(ベースフィルム)上に形成された厚さ7mmのフレキソ印刷版を所定の方法により作製する。そのフレキソ印刷版から幅2cm、長さ5cmの短冊状のサンプル版3個を切り出し、長さ方向の中央部分にカッターで深さ0.8〜1.2mmの切筋(ノッチ)を入れる。
(2)サンプル版の長さ方向両端を該切筋が外側になるようにやや湾曲させて軽く一方の手の指でつまむ。サンプル版の切筋の裏側に位置する支持体が該切筋の真下で折れ曲がるよう、もう一方の手の指をその支持体にあてがい、サンプル版を素早く折り曲げて支持体同士が密着した形状を保持するようサンプル版を支持する。
(3)サンプル版を折り曲げた瞬間から該切筋から生じた亀裂が支持体に到達するまでの時間を秒単位で測定する。
(4)サンプル版3個について同様の測定を行い、測定結果の相加平均値に近い5秒単位の整数を耐ノッチ亀裂性(秒)として求める。
2000gのポリオキシエチレン(EO)−オキシプロピレン(PO)ブロック共重合ジオール(水酸基価:44KOHmg/g、EO含量30質量%、以下「PL2500」と略して記載する。)に対して、40質量ppmのジブチル錫ジラウレート(以下「BTL」と略して記載する。)を加え、40℃で均一になるまで攪拌した。得られた混合物に149gのトリレンジイソシアネート(以下「TDI」と略して記載する。)を加えてさらに攪拌した。均一となったところでその混合物を80℃まで昇温した後、約4〜5時間反応させて両末端にイソシアネート基を有するプレポリマー前駆体を調製した。そのプレポリマー前駆体に137gのポリ(オキシプロピレン)グリコールモノメタアクリレート(平均分子量380、商品名「PPM」、日油株式会社製)と69gのヒドキシプロピルメタアクリレート(商品名「HP」、日油株式会社製)とを加えて約2時間反応させた。得られた組成物中の反応生成物を一部取り出してIR分光測定器によりイソシアネート基消失を確認した。こうして、不飽和ポリウレタンプレポリマーAを得た。
不飽和ポリウレタンプレポリマーAについて下記のようにしてGPC測定を行った結果、プレポリマー成分に由来する高分子量体の数平均分子量は33500であり、組成物中の高分子量体の含有量は93質量%であった。
製造した不飽和ポリウレタンプレポリマーについて、以下の条件でGPC測定を行い、ポリスチレン換算による数平均分子量を求めた。また、GPC測定により得られるピーク面積比(%)により、製造時に過剰に加えたHP及びPPMの未反応物を除外した不飽和ポリウレタンプレポリマー成分に由来する高分子量体の含有量を求めた。
機器 :東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」
カラム :東ソー株式会社製「TSLgelGMHXL」
溶媒 :テトラヒドロフラン
流速 :1ミリリットル/分
注入量 :100マイクロリットル
検出器 :RI検出器
検量線標品:ポリスチレン(分子量500〜1260000)
試料 :0.3質量%テトラヒドロフラン溶液
900gのポリ(プロピレングリコールアジペート)ジオール(水酸基価:44KOHmg/g)と1100gのPL2500との混合物に対して、30質量ppmのBTLを加え、40℃で均一になるまで攪拌した。得られた混合物に155gのTDIを加えてさらに攪拌した。均一となったところでその混合物を80℃まで昇温した後、約4〜5時間反応させて両末端にイソシアネート基を有するプレポリマー前駆体を調製した。そのプレポリマー前駆体に259gのPPMと136gのHPとを加えて約2時間反応させた。得られた組成物中の反応生成物を一部取り出してIR分光測定器によりイソシアネート基消失を確認した。こうして、不飽和ポリウレタンプレポリマーBを得た。
不飽和ポリウレタンプレポリマーBについて上記のようにしてGPC測定を行った結果、プレポリマー成分に由来する高分子量体の数平均分子量は21000であり、組成物中の高分子量体の含有量は87質量%であった。
1000gのポリ(3−メチル−1,5−ペンタンジオールアジペート)ジオール(水酸基価:37KOHmg/g)と1000gのPL2500との混合物に対して、30質量ppmのBTLを加え、40℃で均一になるまで攪拌した。得られた混合物に144gのTDIを加えてさらに攪拌した。均一となったところでその混合物を80℃まで昇温した後、約4〜5時間反応させて両末端にイソシアネート基を有するプレポリマー前駆体を調製した。そのプレポリマー前駆体に206gのPPMと181gのHPとを加えて約2時間反応させた。得られた組成物中の反応生成物を一部取り出してIR分光測定器によりイソシアネート基消失を確認した。こうして、不飽和ポリウレタンプレポリマーCを得た。
不飽和ポリウレタンプレポリマーCについて上記のようにしてGPC測定を行った結果、プレポリマー成分に由来する高分子量体の数平均分子量は23000であり、組成物中の高分子量体の含有量は89質量%であった。
還流冷却器、水分離器、空気導入管、温度計及び攪拌器を取り付けた容量3Lのガラス製四つ口フラスコに、アクリル酸メチル203g、ジペンタエリスリトール(純度95%以上、東京化成工業株式会社製)100gと、3−ヒドロキシ−4−メチル−ベンゼンスルホン酸6.3gと、p−トルエンスルホン酸12.6gと、硫酸銅0.16gと、さらに溶媒としてトルエン140gとを仕込んだ。このフラスコ中に窒素ガスを吹き込みながら混合物を攪拌し、100℃で2時間加熱した。その後、系内を徐々に減圧にしてエステル交換反応で生成するメタノールと溶媒のトルエンとを留去しながら、最終的に200mmHgで6時間の反応を行った。反応終了後、アルカリ水溶液による洗浄と中和操作とを繰り返し、ジペンタエリスリトールのアクリル酸エステルを反応生成物として得た。
反応生成物について下記のようにしてLC/MS測定による分析を行ったところ、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(分子量578)とジペンタエリスリトールペンタアクリレート(分子量524)とを65対35の比率(質量比)で含有することが確認された。この反応生成物を多官能エチレン性不飽和化合物Dとした。
1)LC(高速液体クロマトグラフィー)条件
試料 :7mg/L(溶媒:アセトニトリル/水/メタノール=55/30/15)
機器 :Agilent社製、「1100series」
カラム :GL Sciences Inc.社製、「Inertsil ODS−SP」(内径2.1mm×長さ150mm)
カラム温度 :40℃
検出 :UV220nm
流速 :0.2mL/min
移動相 :A液=蒸留水(ギ酸0.05%)、B液=アセトニトリル/A液=90/10、
移動相グラジェント :0〜20min;A/B=50/50、20min;A/B=0/100
試料注入量 :20μL
2)MS(質量分析)条件
機器 :ThermoElectron社製、「LCQ」
イオン化 :ESI
モード :Positive
スキャンレンジ :m/z=150〜2000
ジペンタエリスリトール(純度95%以上、東京化成工業株式会社製)に代えて、ジペンタエリスリトール(純度90%、関東化学株式会社製)を用いた以外は製造例4と同様にして、ポリペンタエリスリトールのアクリル酸エステルを反応生成物として得た。
反応生成物についてLC/MS測定による分析を行ったところ、3質量%のペンタエリスリトールテトラアクリレート(分子量352)、10質量%のジペンタエリスリトールペンタアクリレート(分子量524)、60質量%のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(分子量578)、6質量%のトリペンタエリスリトールヘプタアクリレート(分子量750)、8質量%のトリペンタエリスリトールオクタアクリレート(分子量804)、その他にも約10質量%程度の構造を特定できない分子量分布を有する高分子量成分が確認された。この反応生成物を多官能エチレン性不飽和化合物Eとした。
高圧ガス反応設備にてジペンタエリスリトール(純度90%、関東化学株式会社製)500gと、水酸化カリウム6gとを仕込み、窒素置換後120℃にて60分間真空脱水した。次いで、その混合物を100〜130℃に昇温し、プロピレンオキサイド685gを約8時間かけて圧入した。その後、揮発分0.1%以下となるまで同温度で反応を2時間続け、反応物を精製した。こうして、一分子あたりプロピレンオキシドが6個付加したジペンタエリスリトールのプロピレンオキシド付加物を得た。
製造例4のジペンタエリスリトール(純度95%以上、東京化成工業株式会社製)100gに代えて、準備したジペンタエリスリトールのプロピレンオキシド付加物235gを用いた以外は製造例4と同様にして、ジペンタエリスリトールプロピレンオキシド付加物のアクリル酸エステルを反応生成物として得た。
不飽和ポリウレタンプレポリマーA:70質量部、脂肪族アルコールのメタクリレートエステル(商品名「ライトエステルL−45」、油脂製品株式会社製、以下「L−45」と略して記載する。):14質量部、PPM:14質量部、多官能エチレン性不飽和化合物D:1.8質量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(以下、「DMPAP」と略して記載する):0.6質量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(以下、「BHT」と略して記載する):0.6質量部を60℃の加温状態で攪拌混合して液状の感光性樹脂組成物を得た。
得られた液状の感光性樹脂組成物を用いて、下記に示す成型・露光工程、現像工程、後露光工程、乾燥工程を順次経ることによりフレキソ印刷版を作製した。
準備した液状の感光性樹脂組成物を用いて、上記(A1)のようにしてシェルフ層を備える感光層を形成した。次いで、ALF−213E型製版機(旭化成ケミカルズ(株)製)を用い、マスキング露光量:500mJ/cm2、レリーフ露光量:650mJ/cm2の露光条件で上記(A2)、(A3)のようにして感光層を露光し、15cm角正方形の印刷レリーフを有する厚み7mmの感光性樹脂硬化版を得た。
未硬化樹脂を常法により回収した後に、該感光性樹脂組成物を乳化し得るAPR(登録商標)洗浄剤タイプW−10(主剤:アニオン系界面活性剤、旭化成ケミカルズ(株)製):2質量%と、消泡剤SH−4(シリコーン混和物、旭化成ケミカルズ(株)製):0.3質量%とを含む水溶液を現像液として用い、露光後の上記感光性樹脂硬化版を現像した。AL−400W型現像機(ドラム回転スプレー式、旭化成ケミカルズ(株)製、ドラム回転数:20回転/分、スプレー圧:0.15Pa)を用いて液温40℃、現像時間10分間の条件で現像した後、水道水で現像液による泡が落ちる程度に洗浄した。
紫外線蛍光灯、殺菌灯の双方を装備したAL−200UP型後露光機(旭化成ケミカルズ(株)製)を用い、水中露光方式により露光を行った。それぞれの光源から照射される露光量が、感光性樹脂硬化版表面で紫外線蛍光灯:1500mJ/cm2、殺菌灯:4500mJ/cm2となる露光時間で露光を行った。
ALF−DRYER(旭化成ケミカルズ(株)製)を用い、後露光後の版を、その表面の水分がなくなるまで約30分間乾燥した。こうして、フレキソ印刷版を得た。
不飽和ポリウレタンプレポリマーB:75質量部、L−45:5質量部、PPM:9質量部、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテルアクリレート(商品名:アロニックスM−120、東亞合成株式会社製、以下「M−120」と略して記載する。):9質量部、多官能エチレン性不飽和化合物D:2質量部、DMPAP:0.6質量部、BHT:0.6質量部を60℃の加温状態で攪拌混合して液状の感光性樹脂組成物を得た。
得られた液状の感光性樹脂組成物を用いて、現像工程における現像液に、更にAPR(登録商標)表面処理剤タイプA−10(ベンゾフェノン/界面活性剤水溶液、旭化成ケミカルズ(株)製)を0.5質量%加え、後露光工程における殺菌灯照射露光量を3000mJ/cm2に変更すること以外は実施例1と同様にして、フレキソ印刷版を作製した。
不飽和ポリウレタンプレポリマーC:74質量部、PPM:12質量部、M−120:12質量部、多官能エチレン性不飽和化合物D:1.8質量部、DMPAP:0.6質量部、BHT:0.6質量部を60℃の加温状態で攪拌混合して液状の感光性樹脂組成物を得た。
得られた液状の感光性樹脂組成物を用いて、実施例2と同様にして、フレキソ印刷版を作製した。
多官能エチレン性不飽和化合物D:1.8質量部に代えて、トリメチロールプロパントリメタクリレート(商品名「SR350J」、サートマー社製、以下「SR350J」と略して記載する。):2質量部を用いた以外は実施例1と同様にして液状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
多官能エチレン性不飽和化合物D:2質量部に代えて、SR350J:1.0質量部を用いた以外は実施例2と同様にして液状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
多官能エチレン性不飽和化合物D:2質量部に代えて、SR350J:2.0質量部を用いた以外は実施例2と同様にして液状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
多官能エチレン性不飽和化合物D:1.8質量部に代えて、SR350J:2.0質量部を用いた以外は実施例3と同様にして液状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
多官能エチレン性不飽和化合物D:1.8質量部に代えて、以下に示す多官能エチレン性不飽和化合物:1.8質量部を用いた以外は実施例3と同様にして液状の感光性樹脂組成物を得、フレキソ印刷版を作製した。
実施例5:多官能エチレン性不飽和化合物F
実施例6:DPHA(商品名、ダイセル・サイテック株式会社製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート含有量99%以上)
実施例7:CN9010(商品名、サートマー社製、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、官能基数6)
実施例8:CN975(商品名、サートマー社製、芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー、官能基数6)
実施例9:CN2301(商品名、サートマー社製、ハイパーブランチ型ポリエステルアクリレートオリゴマー、官能基数9)
実施例10:ウレタンライトアクリレートUA−510H(商品名、共栄社化学株式会社製、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、官能基数10)
実施例11:NKオリゴU−15HA(商品名、新中村化学株式会社製、3分岐ウレタンアクリレート、官能基数15)
実施例12:CN2304(商品名、サートマー社製、ハイパーブランチ型ポリエステルアクリレートオリゴマー、官能基数18)
比較例5:ライトアクリレートPE−4A(商品名、共栄社化学株式会社製、ペンタエリスリトールテトラアクリレート)
比較例6:SR355(商品名、サートマー社製、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート)
、実施例1〜3及び比較例1〜4について、液状感光性樹脂の組成と評価結果とを表1に示した。多官能エチレン性不飽和化合物以外の組成が実施例1〜3のいずれかと同一である実施例3〜12及び比較例5、6について、液状感光性樹脂の組成と評価結果とを表2にまとめて示した。
得られた液状の感光性樹脂組成物を温度20℃、相対湿度70%の恒温恒湿室内に一日放置し、同室内においてB形粘度計形式B8H(株式会社東京計器製)を用いて、粘度を測定した。
(2)ショアA硬度
得られたフレキソ印刷版を温度20℃、相対湿度70%の恒温恒湿室内に一日放置し、フレキソ印刷版の15cm角正方画像印刷面のショアA硬度を測定した。測定は、同室内に設置されたJIS定圧荷重器GS−710(株式会社テクロック社製 ASTM:D2240A、JIS:K6253A、ISO:7619Aに準拠)を1kg荷重で用いて、測定開始後15秒後の値を読み取った。
(3)粘着度
上記「製造直後の粘着性評価、及び、摩耗試験後の粘着性評価」に記載の方法により、製造直後の版表面の粘着度と摩耗試験後の版表面の粘着度とを測定した。
(4)耐ノッチ亀裂性
上記「耐ノッチ亀裂性評価」に記載の方法により、耐ノッチ亀裂性を評価した。
(1)一分子中に(メタ)アクリロイル基を6個以上有する構造の多官能エチレン性不飽和化合物を含有する実施例1〜12の液状の感光性樹脂組成物から得られるフレキソ印刷版は、摩耗試験後の版表面の粘着度100g以下、耐ノッチ亀裂性20秒以上を実現している。
(2)異なる不飽和ポリウレタンプレポリマーに対して一分子中に(メタ)アクリロイル基を6個以上有する構造の多官能エチレン性不飽和化合物に関する実施例1〜3に対して、それぞれ多官能エチレン性不飽和化合物としてトリメチロールプロパントリメタクリレート(商品名「SR350J:、サートマー社製)を用いて硬度調整を行った比較例1〜4を対比する。その結果、比較例1〜4のフレキソ印刷版は、耐ノッチ亀裂性について実施例1〜3と同等のレベルを実現するものの、摩耗試験後の版表面の粘着度が100gを超える値を示している。
(4)比較例5、6は、4官能アクリレートモノマーを用いた例である。これらの比較例では、トリメチロールプロパントリメタクリレート(商品名「SR350J」、サートマー社製)を用いると達成できない摩耗試験後の版表面の粘着度100g以下のレベルを達成している。しかしながら、一分子中に(メタ)アクリロイル基を6個以上有する多官能エチレン性不飽和化合物で見られるような耐ノッチ亀裂性20秒以上を実現できない。
商業デザインによる大きなサイズのフレキソ印刷版を作製した。作製に際しては、キャップ版の成型露光プロセスが自動化されているAWF製版システム(旭化成ケミカルズ(株)製)を用いた。実施例4のようにして得られた液状の感光性樹脂組成物をキャップ樹脂としてカバーフィルム上に0.3mmの厚みで塗布し、その上からベース樹脂として比較例3のようにして得られた液状の感光性樹脂組成物を塗布した後に支持体をラミネートすること以外は、実施例4に準じた条件で、段ボール用の7mmフレキソ印刷版を製造した。
段ボール印刷機:エラン(三菱重工業株式会社製)
インク:水性インキ、粘度8〜9秒/ザーンカップ#4(20℃)
段シート:A段、表面シート210g/m2、強化中芯180g/m2
印刷速度:160枚/分
キャップ版ではなく、比較例2のようにして得られた液状の感光性樹脂組成物を用いた単層版(一種類の樹脂で製造される版)とすること以外は実施例13と同様にして印刷評価を実施した。その結果、3〜4万/ロットの印刷作業を繰り返し実施する中で、印刷開始当初は印刷トラブルは見られなかった。しかしながら、印刷部数が30万部を超える辺りから、版表面に付着した紙粉による印刷不良が目立ち始めた。さらに、50万部を超える印刷部数に至っては、印刷を停止して版を清掃する回数が1ロットの間で複数回となり、生産性への影響が大きいことが明らかになった。
比較例8は、特開2004−317660号公報に記載された感光性樹脂用水性現像液組成物について、本発明の効果を検証するための事例である。当該公報の実施例に記載された内容に準じ、下記の方法により板状感光性樹脂からフレキソ印刷版を作製し、評価した。
撹拌装置と温度調節用ジャケットとを取り付けた耐圧反応容器に125質量部の水と3質量部のアデカリアソープSE1025(商品名、旭電化工業(株)製)とからなる水溶液を80℃の温度で準備した。
次に上記温水溶液を攪拌しながら10質量部のスチレン、70質量部のブタジエン、13質量部の2−エチルヘキシルアクリレート、5質量部のメタクリル酸、2質量部のアクリル酸及び2質量部のt−ドデシルメルカプタンからなる油性混合液と、28質量部の水、1.2質量部のペルオキソ二硫酸ナトリウム、0.2質量部の水酸化ナトリウム及び1質量部のアデカリアソープSE1025(商品名、旭電化工業(株)製)からなる水溶液とを、それぞれ5時間及び6時間かけて一定の流速で添加し、1時間後に冷却して共重合ラテックスを得た。
生成した共重合体ラテックスを中和した後、スチームストリッピング法による未反応単量体の除去、ゲル状物の濾過を行い、水分を乾燥除去して親水性ポリマーを得た。
30質量部の上記親水性ポリマー、30質量部のスチレンブタジエンブロック共重合体(商品名「クレイトンD−KX405」、クレイトンポリマージャパン社製)、30質量部の液状ポリブタジエン(商品名「B−2000」、日本石油化学製)、3質量部のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「DPHA」、ダイセル・サイテック株式会社製)、2質量部のDMPAP、及び1質量部のBHTを140℃の加圧ニーダーにより混練して感光性樹脂組成物を準備した。
次に、片面に熱可塑性エラストマー系接着剤がコーティングされたポリエステルフィルム(ベースフィルム)、片面に厚み5μmのポリビニルアルコールがコーティングされたポリエステルフィルム(保護フィルム)を準備し、それぞれのフィルムのコーティング面が感光性樹脂組成物と接するように配置し、130℃の温度でプレスして厚み7mmの板状感光性樹脂版材を成形した。
下記に示す方法により、準備した板状感光性樹脂版材からフレキソ印刷版を作製した。
1)露光工程
紫外線露光機タイプJE−A2−SS(日本電子精機社製)を用いて、準備した板状感光性樹脂版材の露光を実施した。
まず、ベースフィルム側から2000mJ/cm2のバック露光を行い、次いで保護フィルムの基材であるポリエステルフィルムを剥離し、ポリビニルアルコールの面が露出した板面上に15cm角正方形の紫外線投下領域を有するネガフィルムを密着させ、ネガフィルム上から6000mJ/cm2のレリーフ露光を行った。
2)洗浄工程
洗浄機タイプJOW−A3−P(日本電子精機製)を用い、3質量%のニューコール1008(商品名、三洋化成工業(株)製)、1質量%のジエチレングリコールジブチルエーテル、0.4質量%の炭酸ナトリウムを含有する水溶液を準備し、50℃の条件で未露光部分の洗浄を実施した。
ALF−DRYER(旭化成ケミカルズ(株)製)を用い、版表面の水分がなくなるまで約30分間乾燥を行った。
4)後露光工程
紫外線蛍光灯、殺菌灯の双方を装備したAL−200UP型後露光機(旭化成ケミカルズ(株)製)を用い、それぞれの光源から照射される露光量が、板状感光性樹脂硬化物表面で紫外線蛍光灯:1500mJ/cm2、殺菌灯:3000mJ/cm2となる露光時間で露光を行った。
得られたフレキソ印刷版について、上述の実施例、比較例と同様の評価を実施した。
ショアA硬度は41度、耐ノッチ亀裂性は60秒以上を示した。
印刷版の粘着度の評価では、製版後の粘着度は0gを示したものの、摩耗試験では回転数1000回を超えた辺りから版表面摩耗による粘着性異物の発生が顕著となったため実験を終了した。
この実験結果から、特開2004−317660号公報記載の感光性樹脂組成物では、一分子中に(メタ)アクリロイル基を6個備えた化合物であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを用いても、印刷版表面の摩耗を抑制する効果は得られないことが立証された。
Claims (14)
- エチレン性不飽和基を有するポリウレタンプレポリマー(ただし、トリレンジイソシアネートとカルビトールアセテートとを含む混合物に2−ヒドロキシエチルアクリレートとセロソルブアセテートとフェノチアンジンとジブチルチンジラウレートとを含む混合物を滴下してから反応させて得られた末端アクリル基の半ウレタン化合物と、エポキシ当量が215のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とアクリル酸とハイドロキノンとベンジルジメチルアミンとの混合物を反応させて得られたノボラック型エポキシ化合物のアクリル酸による部分エステル化物と、を反応させて得られたノボラック型エポキシ化合物のアクリル酸による部分エステル化合物のウレタンアクリレート付加物を除く。)100質量部と、
エチレン性不飽和化合物10〜150質量部と、
光重合開始剤0.01〜10質量部と、
を含み、
前記エチレン性不飽和化合物は、一分子中に(メタ)アクリロイル基を6個以上有する多官能エチレン性不飽和化合物を、前記ポリウレタンプレポリマー100質量部に対して0.1〜10質量部含む感光性樹脂組成物。 - 前記多官能エチレン性不飽和化合物は、一分子中にアクリロイル基を6個以上有する、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記多官能エチレン性不飽和化合物は、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、及びトリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、並びにこれらのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物よりなる群から選択される1種又は2種以上の化合物を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記多官能エチレン性不飽和化合物は、ポリイソシアネートに(メタ)アクリル化剤を反応させて得られたウレタン系多官能エチレン性不飽和化合物を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記多官能エチレン性不飽和化合物は、トリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレントリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートトリマーよりなる群から選択される1種又は2種以上のイソシアネート化合物から合成されたウレタン結合を有する(メタ)アクリル化合物を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記ポリウレタンプレポリマーは、ポリエーテルポリエステル系のポリウレタンプレポリマーを含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記ポリエーテルポリエステル系のポリウレタンプレポリマーは、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールを含むポリオール混合物とポリイソシアネートとの反応生成物に対して(メタ)アクリル化剤を反応させて得られたプレポリマーを含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記多官能エチレン性不飽和化合物は、ハイパーブランチの構造を有する化合物及び/又は多価アルコールの(メタ)アクリルエステルを含有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物を含有するフレキソ印刷版。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物から形成された成型体の表面を露光し、当該成型体の表面に硬化部位を形成する硬化部位形成工程と、
洗浄液により前記硬化部位を現像する現像工程と、
現像された前記硬化部位の表面に活性光線を照射する活性光線照射工程と、
を含むフレキソ印刷版の製造方法。 - 前記洗浄液は、感光性水素引抜き剤を含む、請求項12に記載の製造方法。
- 前記活性光線は200nm〜300nmの波長領域に分布を有し、前記感光性水素引抜き剤はベンゾフェノン又はその誘導体を含有する、請求項12又は13に記載の製造方法。
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