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JP7759566B2 - 凸版印刷用感光性樹脂印刷原版 - Google Patents
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JP7759566B2 - 凸版印刷用感光性樹脂印刷原版 - Google Patents

凸版印刷用感光性樹脂印刷原版

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Description

本発明は、油性インキに対する膨潤耐性に優れた凸版印刷用感光性樹脂印刷原版に関するものであり、特に、布製のタグ印刷に使用されるエステル化合物を含む油性インキに対する膨潤耐性に優れた凸版印刷用感光性樹脂印刷原版に関する。
印刷原版を現像して印刷版を製造する方法としては、従来から有機溶剤からなる現像液を用いる方法が行われていたが、作業環境の問題から、水または水に界面活性剤などを加えた水系現像液で現像して印刷版を製造する方法が提案されている(例えば特許文献1~3参照)。
これらの従来の提案には、通常、可塑剤を印刷原版に含有させることにより、硬度を低下させ、反発弾性率を向上できることが開示されているが、一方では、可塑剤を含有させると、得られる印刷版の機械的強度が不十分になり、ロングラン印刷時の印刷版の亀裂やレリーフ画像欠損等が発生するという印刷耐久性の問題があった。
また、布製のタグを印刷する用途では、エステル化合物を含む油性インキを使用するが、従来の印刷版は、印刷中にインキを吸収して膨潤し、ロングラン印刷を行うと印刷物の線太りが生じるという問題があった。
特開平3-198058号公報 国際公開第2014/034213号公報 特開2003-287887号公報
本発明は、かかる従来技術の問題を解消するためになされたものであり、その目的は、油性インキに対する膨潤耐性に優れた凸版印刷用感光性樹脂印刷原版を提供すること、特にエステル系化合物を含む油性インキに対する膨潤耐性に優れた凸版印刷用感光性樹脂印刷原版を提供することにある。
本発明者は、かかる目的を達成するために鋭意検討した結果、印刷原版を構成する感光性樹脂層中に二塩基酸ジエステルを特定量含有させることにより、油性インキに対する膨潤耐性に優れた印刷原版が得られることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の(1)~(6)の構成を有するものである。
(1)少なくとも高分子化合物(A)、下記一般式(I)で表される二塩基酸ジエステル(B)、光重合性化合物(C)、及び光重合開始剤(D)を含有する感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を有する凸版印刷用感光性樹脂印刷原版であって、感光性樹脂組成物中の二塩基酸ジエステル(B)の含有量が2.5~15質量%であることを特徴とする凸版印刷用感光性樹脂印刷原版。
(式中、Rは、炭素数2~8の二価の脂肪族炭化水素基、炭素数6~14の二価の芳香族炭化水素基、又は炭素数4~14の二価の脂肪族環状炭化水素基を表し、R及びRは、互いに同一であっても異なってもよく、炭素数1~12の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を表す。)
(2)二塩基酸ジエステル(B)が、コハク酸ジエステル、グルタル酸ジエステル、アジピン酸ジエステル、ピメリン酸ジエステル、スベリン酸ジエステル、アゼライン酸ジエステル、セバシン酸ジエステル、及びフタル酸ジエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種類のものであることを特徴とする(1)に記載の凸版印刷用感光性樹脂印刷原版。
(3)高分子化合物(A)が、ブタジエン骨格及び/又はイソプレン骨格を有するラテックスであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の凸版印刷用感光性樹脂印刷原版。
(4)ラテックスが、ポリブタジエンラテックス、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体ラテックス、ポリイソプレンラテックス、又は前記共重合体ラテックスにさらにアクリル酸又はメタクリル酸を共重合して得られるラテックスであることを特徴とする(3)に記載の凸版印刷用感光性樹脂印刷原版。
(5)ラテックスが、ポリブタジエンラテックス、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体ラテックス、及び前記共重合体ラテックスにさらにアクリル酸又はメタクリル酸を共重合して得られるラテックスからなる群から選ばれる少なくとも1種類の水分散ラテックスであることを特徴とする(4)に記載の凸版印刷用感光性樹脂印刷原版。
(6)高分子化合物(A)が、ポリアミド及び/又はポリアミドブロック共重合体からなるポリアミド樹脂、及び/又は部分鹸化ポリ酢酸ビニル樹脂であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の凸版印刷用感光性樹脂印刷原版。
本発明によれば、エステル系化合物を含む油性インキを用いた場合であっても、インキの吸収による印刷版の膨潤が小さく、従ってロングラン印刷を行っても印刷物の画像の線太りがほとんど生じない凸版印刷用感光性樹脂印刷原版を提供することができる。
本発明の凸版印刷用感光性樹脂印刷原版は、少なくとも高分子化合物(A)、下記一般式(I)で表される二塩基酸ジエステル(B)、光重合性化合物(C)、及び光重合開始剤(D)を含有する感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を有するものである。以下、感光性樹脂組成物の各成分について説明する。
高分子化合物(A)は、この分野で使用されるものであれば、特に限定されないが、凸版印刷原版としての適性の観点から、
(i)ブタジエン骨格及び/又はイソプレン骨格を有するラテックス、
(ii)ポリアミド及び/又はポリアミドブロック共重合体からなるポリアミド樹脂、及び/又は
(iii)部分鹸化ポリ酢酸ビニル樹脂であることが好ましい。
(i)ブタジエン骨格及び/又はイソプレン骨格を有するラテックスとしては、従来公知のラテックスの中から適宜選択すればよく、例えばポリブタジエンラテックス、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体ラテックス、ポリイソプレンラテックスなどを使用することができる。これらのラテックスは、所望により(メタ)アクリルやカルボキシ、シリコーン、フッ素などで変性されていてもよい。なお、これらのラテックスとしては、多数の様々な合成ラテックスおよび天然ラテックスが市販されているので、その中から適当なものを選択すればよい。
これらの中では、分子鎖中にブタジエン骨格を含有する水分散ラテックスが、硬度やゴム弾性の点から好ましく用いられる。かかる水分散ラテックスとしては、具体的には、ポリブタジエンラテックス、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体ラテックス、及び前記共重合体とアクリル酸又はメタクリル酸を共重合して得られる共重合体ラテックスが好ましく、ポリブタジエンラテックス、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ラテックスがより好ましい。
(ii)ポリアミド及び/又はポリアミドブロック共重合体からなるポリアミド樹脂は、分子中にアミド結合で構成された構造単位をブロック状に50質量%以上、好ましくは70質量%以上含有する高分子化合物であることができる。例えばポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド、三級窒素含有ポリアミド、アンモニウム塩型三級窒素原子含有ポリアミド、アミド結合を1つ以上有するアミド化合物と有機ジイソシアネート化合物の付加重合体などが挙げられ、それらの中では、アンモニウム塩型三級窒素原子含有ポリアミドが好ましい。また、三級窒素原子含有ポリアミドおよびアンモニウム塩型三級窒素原子含有ポリアミドを含有させる場合、有機酸を含有させると現像性が向上する。有機酸としては、酢酸、乳酸、メタクリル酸が挙げられるが、これらに限定されるものでない。
(iii)部分鹸化ポリ酢酸ビニル樹脂は、この分野で使用されるものであれば特に限定されないが、凸版印刷版の画像再現性の観点から、鹸化度が70~95mol%、平均重合度が1500~3400である部分鹸化ポリ酢酸ビニル樹脂が好ましい。
高分子化合物(A)の配合量は、感光性樹脂組成物中30~80質量%が好ましく、40~75質量%がより好ましい。上記下限未満では、印刷版としての強度が不足する可能性があり、上記上限を超えると、水現像に時間を要する可能性がある。
二塩基酸ジエステル(B)は、水中で2つのプロトンを分離できる構造を持つ有機酸をエステル化させた化合物であり、具体的には、下記一般式(I)で表わされる化合物である。
(式中、Rは、炭素数2~8の二価の脂肪族炭化水素基、炭素数6~14の二価の芳香族炭化水素基、又は炭素数4~14の二価の脂肪族環状炭化水素基を表し、R及びRは、互いに同一であっても異なってもよく、炭素数1~12の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を表す。)
かかる構造を有する二塩基酸ジエステルとしては、具体的には、シュウ酸ジメチル、マロン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、酒石酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、グルタミン酸ジメチル、セバシン酸ジメチル、ヘキサフルオロケイ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、グルタル酸ジエチル、酒石酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、グルタミン酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、ヘキサフルオロケイ酸ジエチル、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ビス(2-エチルヘキシル)フタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ビス(2-エチルヘキシル)アジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ビス[2-(2-ブトキシエトキシ)エチル]アジペート、ビス(2-エチルヘキシル)アゼレート、ジブチルセバケート等が挙げられる。これらは、それぞれを単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
これらの中では、コハク酸ジエステル、グルタル酸ジエステル、アジピン酸ジエステル、ピメリン酸ジエステル、スベリン酸ジエステル、アゼライン酸ジエステル、セバシン酸ジエステル及びフタル酸ジエステルが好ましい。
かかる二塩基酸ジエステルを感光性樹脂層中に配合することにより、エステル化合物を含む油性インキへの膨潤耐性に優れた印刷版を得ることができる。特に、印刷版の膨潤は、エステル化合物を含む油性インキのエステル化合物が印刷時に感光性樹脂層中に吸収されることによって発生するが、二塩基酸ジエステルを含有することでエステル化合物の吸収を抑制することができる。
二塩基酸ジエステル(B)の配合量は、感光性樹脂組成物中2.5~15質量%であることが必要であり、好ましくは3.0~10質量%である。二塩基酸ジエステルは油性インキ中に含有されるエステル化合物が感光性樹脂層に吸収される現象を抑える効果を持つため、上記下限未満では、油性インキへの膨潤耐性に劣る。一方、上記上限を超えると、二塩基酸ジエステルによる物性低下によりロングラン印刷時の印刷耐久性に劣り、好ましくない。
光重合性化合物(C)は、光重合性オリゴマーが好ましく、特に、共役ジエン系重合体の末端および/または側鎖にエチレン性不飽和基が結合した共役ジエン系エチレン性重合体であって、数平均分子量が500以上、10000以下のものであることが好ましい。
共役ジエン系エチレン性重合体を構成する共役ジエン系重合体は、共役ジエン不飽和化合物の単独重合体または共役ジエン不飽和化合物とモノエチレン性不飽和化合物との共重合体によって構成される。かかる共役ジエン不飽和化合物の単独重合体または共役ジエン不飽和化合物とモノエチレン性不飽和化合物との共重合体としては、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、クロロプレン重合体、スチレン-クロロプレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、アクリロニトリル-イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル-イソプレン共重合体、アクリロニトリル-イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル-イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル-クロロプレン共重合体、アクリル酸メチル-ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル-イソプレン共重合体、アクリル酸メチル-クロロプレン共重合体、アクリル酸メチル-クロロプレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、アクリロニトリル-クロロプレン-スチレン共重合体等
が挙げられる。これらの中では、ゴム弾性と光硬化性の点で、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体が好ましく、特に好ましくはブタジエン重合体、イソプレン重合体である。
共役ジエン系重合体の末端および/または側鎖エチレン性不飽和基を導入する方法は、特に限定されないが、例えば、(i)過酸化水素を重合開始剤として得られた水酸基末端共役ジエン系重合体の末端の水酸基に(メタ)アクリル酸等のモノエチレン性不飽和カルボン酸を脱水反応によりエステル結合させる、若しくは、(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチル等のモノエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルをエステル交換反応によりエステル結合させる方法、(ii)共役ジエン化合物と少なくとも一部に不飽和カルボン酸(エステル)を含むエチレン性不飽和化合物を共重合して得られた共役ジエン系重合体にアリルアルコール、ビニルアルコール等のエチレン性不飽和アルコールを反応させる方法などが挙げられる。
光重合性化合物(C)成分としては、上述した光重合性オリゴマー以外に、アルキルメタクリレートを使用することができる。アルキルメタクリレートとしては、炭素数8~18であり、直鎖状であるものが好ましい。
具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート、クロロエチル(メタ)アクリレート、クロロプロピル(メタ)アクリレート等のハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレートなどを挙げることができ、特に好ましくはn-ラウリルメタクリレート、アルキル(C12~13)メタクリレート、トリデシルメタクリレート、アルキル(C12~15)メタクリレート等が挙げられる。
光重合性化合物(C)の配合量は、感光性樹脂組成物中5~70質量%であることが好ましく、10~60質量%であることが好ましい。上記下限未満では、紫外線照射による硬化にかかる時間が著しく長くなる可能性があり、上記上限を超えると、凹の線や凹の文字等の深度が極端に浅くなる可能性がある。
光重合開始剤(D)は、光によって重合性の炭素-炭素不飽和基を重合させることができるものであれば従来公知のものが使用でき、特に光吸収によって、自己分解や水素引き抜きによってラジカルを生成する機能を有するものが好ましく用いられる。例えば、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフェノン類、ジアセチル類などが挙げられる。光重合開始剤(D)の配合量としては、高分子化合物(A)100質量部に対して0.1~50質量部の範囲が好ましく、0.3~10質量部の範囲がより好ましい。上記下限未満では、開始効率が減少して、画像再現性に劣る可能性があり、上記上限を超えると、感度が高すぎて、露光時間のコントロールが困難になる可能性がある。
感光性樹脂組成物には、さらに可塑剤を加えることもできる。この可塑剤としては、一般的に版材を柔軟化する性質を有するものであれば特に限定されないが、高分子化合物(A)や光重合性化合物(C)との相溶性が良好であるものが好ましい。
また、感光性樹脂組成物の熱安定性を上げるために、従来公知の重合禁止剤を感光性樹脂組成物に添加することもできる。好ましい重合禁止剤としては、フェノール類、ハイドロキノン類、カテコール類などが挙げられる。これらの配合量は、感光性樹脂組成物全体に対して、0.001~5質量%の範囲で使用することが一般的である。
また、他の任意成分としては、染料、顔料、粘度調整剤、消泡剤、紫外線吸収剤、香料、凝集防止剤、界面活性剤などが挙げられる。
次に、本発明の印刷原版の製造方法について説明する。まず、上述の各成分を用意して、それらを混合することによって感光性樹脂組成物を製造する。次に、得られた感光性樹脂組成物を層状に成形して、感光性樹脂層を得る。具体的には、押出機やニーダー等を用いて感光性樹脂組成物の各成分を混合した後に、熱プレス成型やカレンダー処理または押出成型により所望の厚さの感光性樹脂層を形成する方法が挙げられる。得られた感光性樹脂層には、印刷版としての精度を維持するために、ポリエステルなどの支持体をレリーフとなる面の反対側に設けても良い。また、感光性樹脂層は、その組成によっては粘着性を生じるので、その上に重ねられる透明画担体(ネガフィルム)との接触性を良くするため、及びその画像担体の再利用を可能にするために、その表面に水系で現像可能な可撓性フィルム層を設けても良い。これらの支持体や可撓性フィルム層は、シート成型後にロールラミネートにより感光性樹脂層に密着させることができる。また、ラミネート後に加熱プレスして、精度の良い感光性樹脂層を得ることもできる。
次に、本発明の印刷原版から印刷版を得る方法を説明する。まず、本発明の印刷原版中の感光性樹脂層に透明画像担体を通して光照射して、照射部分を光硬化させて画像を形成させる。その後、未照射部分を水系現像液を用いて除去(現像)することでレリーフ(印刷版)が得られる。
光硬化に用いられる活性光線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、太陽光などが挙げられる。
水系現像液としては、水単独、もしくは水にノニオン性、アニオン性などの界面活性剤、必要に応じてpH調整剤、洗浄助剤などを配合してなるものを使用することができる。
ノニオン性界面活性剤の具体的な例としては、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルアミド、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック附加物等がある。アニオン性界面活性剤の具体的な例としては、平均炭素数8~16のアルキルを有する直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、平均炭素数10~20のα-オレフィンスルフォン酸塩、アルキル基またはアルケニル基の炭素数が4~10のジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸低級アルキルエステルのスルフォン酸塩、平均炭素数10~20のアルキル硫酸塩、平均炭素数10~20の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5~8モルのエチレンオキサイドを附加したアルキルエーテル硫酸塩、平均炭素数10~22の飽和または不飽和脂肪酸塩等である。
また、pH調整剤としては、ホウ酸ソーダ、炭酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、コハク酸ソーダ、酢酸ソーダ等が挙げられる。これらの中では、水に対する溶解性の点でケイ酸ソーダが好ましい。
また、洗浄助剤としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等のアンモニウム塩類、パラフィン系炭化水素等が挙げられる。洗浄助剤は、上記界面活性剤、PH調整剤と併用して用いることにより、洗浄能力を高めることができる。
これらの界面活性剤やpH調整剤、洗浄助剤は、適量の混合比で水に0.1~50質量%、好ましくは1~10質量%の範囲で添加混合されて使用される。
現像後は、版をオーブン中で約60℃で15~120分間乾燥するのが一般的である。
感光性樹脂層を構成する感光性樹脂組成物の組成によっては、乾燥が終わった後も版表面にベトツキが残っている場合がある。その場合、公知の表面処理方法により、ベトツキを除去することができる。表面処理方法としては、波長300nm以下の活性光線による露光処理が望ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、布製のタグの印刷などの、エステル化合物を含む油性インキを使用する凸版印刷用に用いることが最も適しているが、この用途に限定されるものではなく、フレキソ印刷用、平版印刷用、凹版印刷用、孔版印刷用、フォトレジストとして使用することも可能である。
本発明の効果を以下の実施例によって示すが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例中の部は質量部を意味し、表中の組成割合を示す数値も質量部を意味する。
実施例1~11、比較例1~3(高分子化合物(A)としてラテックスを使用した例)
表1に記載の配合組成(質量部)となるように各成分を配合し、100℃でニーダー中で混練することにより実施例1~11、比較例1~3の感光性樹脂組成物を調製した。
表1中の使用した各配合成分の詳細は、以下の通りである。
高分子化合物(A)
・ブタジエンラテックス(Nipol LX111NF 不揮発分55% 日本ゼオン(株)製)
・アクリロニトリル-ブタジエンラテックス(Nipol SX1503 不揮発分42% 日本ゼオン(株)製)
二塩基酸ジエステル(B)
・コハク酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)
・グルタル酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)
・アジピン酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)
・ピメリン酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)
・スベリン酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)
・アゼライン酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)
・セバシン酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)
・フタル酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)
・アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)(東京化成工業株式会社製)
光重合性化合物(C)
・オリゴブタジエンアクリレート(ABU-4 共栄社化学(株)製)
・ラウリルメタクリレート(ライトエステルL 共栄社化学(株)製)
・ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(ライトアクリレートDCP-A 共栄社化学(株)製)
光重合開始剤(D)
・ベンジルジメチルケタール(東京化成工業株式会社製)
その他の成分
・ハイドロキノンモノメチルエーテル(東京化成工業株式会社製)
このようにして得られた各実施例、比較例の感光性樹脂組成物を、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にポリエステル系接着層をコーテイングしたフィルムと、同じポリエチレンテレフタレートフィルム上に粘着防止層(ポリビニルアルコール)をコーテイングしたフィルムで、接着層、粘着防止層が感光性樹脂組成物と接触するように挟み、ヒートプレス機で105℃、100kg/cmの圧力で1分間加圧することにより、全厚みが1.825mm、厚さ1.7mmの感光性樹脂層を有する印刷原版を作製した。
次に、作製した印刷原版に対して、365nmにおける照度17.5W/mの紫外線ランプ(Anderson&Vreeland社製ランプFR20T12-BL-9-BP)を用いて、レリーフ深度が0.8mmになるようベース側から裏露光を行った。その後、原版に、凸文字3ポイント、5ポイント、10ポイントのアルファベットのTのある画像とベタ画像を含むネガフィルムと、ステップガイドをあて、ステップガイドが15段再現するよう主露光を行った。その後、ネガフィルムを除去し、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ4質量%を含有する40℃の中性水で8分間現像し、60℃で10分間乾燥した。その後、同一の紫外線ランプを用いて5分間後露光を行った。その後、殺菌灯を5分間照射して表面処理をし、評価用レリーフを得た。
実施例12~21、比較例4~6(高分子化合物(A)としてポリアミド樹脂又は部分鹸化ポリ酢酸ビニル樹脂を使用した例)
表2に記載の配合組成(質量部)となるように各成分を釜に配合し、釜内の温度が110℃となるまで濃縮を行い、実施例12~21、比較例4~6の感光性樹脂組成物を調製した。
表2中の使用した各成分の詳細は、以下の通りである。
高分子化合物(A)
・以下の手順で合成したポリマー1
・以下の手順で合成したポリマー2
・部分鹸化ポリ酢酸ビニル(ゴーセノールTM KH-17 三菱化学製、鹸化度 78.5~81.5%、平均重合度 1700)
二塩基酸ジエステル(B)
・コハク酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)
・グルタル酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)
・アジピン酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)
・ピメリン酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)
・スベリン酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)
・アゼライン酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)
・セバシン酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)
・フタル酸ジメチル(東京化成工業株式会社製)
・アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)(東京化成工業株式会社製)
光重合性化合物(C)
・プロピレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(エポキシエステル70PA 共栄社化学(株))
・グリセロールジメタクリレート(東京化成工業株式会社製)
・テトラヒドロフルフリルメタクリレート(ライトエステルTHF(1000) 共栄社化学製)
光重合開始剤(D)
・ベンジルジメチルケタール(東京化成工業株式会社製)
その他の成分
・ジエチレングリコール(東京化成工業株式会社製)
・N-エチルトルエンスルホン酸アミド(東京化成工業株式会社製)
・乳酸(東京化成工業株式会社製)
・ペンタエリスリトールポリオキシエチレンエーテル(日本乳化剤株式会社製)
・1,4-ナフトキノン(東京化成工業株式会社製)
・ハイドロキノンモノメチルエーテル(東京化成工業株式会社製)
(ポリマー1の合成)
ε-カプロラクタム50部、N,N’-ビス(γ-アミノプロピル)ピペラジンアジペート56部、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサンアジペート6.3部および水10部を反応器に入れ、充分な窒素置換を行った後に密閉して徐々に加熱した。内圧が10kg/cmに達した時点から、反応器内の水を徐々に留出させて1時間で常圧に戻し、その後1.0時間常圧で反応させた。最高重合温度は220℃であった。これにより、比粘度1.5の透明淡黄色のアルコール可溶性の両末端が実質的に第1級アミノ基であり、アミド結合がブロック状に結合した数平均分子量が約3,000のオリゴマーを得た。このオリゴマー46部をメタノール200部に溶解した後に、ポリプロピレングリコール(重量平均分子量:1000)1000部とヘキサメチレンジイソシアネート369部を反応させて得られた実質的に両末端にイソシアネート基を有する有機ジイソシアネート化合物9部を撹拌下徐々に添加した。両者の反応は、65℃、約15分で完了した。この溶液をテフロン(登録商標)コートしたシャーレに取り、メタノールを蒸発除去した後、減圧乾燥して、ポリアミドブロック共重合体(ポリマー1)を得た。このポリアミドブロック共重合体は、比粘度が2.0であり、アミド結合からなる構造単位のブロック成分を82質量%含有し、アミド結合以外にウレア結合及びウレタン結合を含有する高分子化合物であった。
(ポリマー2の合成)
ε-カプロラクタム55部、N,N’-ビス(γ-アミノプロピル)ピペラジンアジペート40部、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサンアジペート7.5部および水100部を反応器に入れ、充分な窒素置換を行った後に密閉して徐々に加熱した。内圧が10kg/cmに達した時点から、反応器内の水を徐々に留出させて1時間で常圧に戻し、その後1.0時間常圧で反応させ、ポリアミド(ポリマー2)を得た。このポリアミドの比粘度は2.4であり、アミド結合のみからなる高分子化合物であった。
このようにして得られた各実施例、比較例の感光性樹脂組成物を、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にポリエステル系接着層をコーテイングしたフィルムと、同じポリエチレンテレフタレートフィルム上に粘着防止層(ポリビニルアルコール)をコーテイングしたフィルムで、接着層、粘着防止層が感光性樹脂組成物と接触するように挟み、ラミネーター全厚みが1.825mm、厚さ1.7mmの感光性樹脂層を有する印刷原版を作製した。
次に、作製した印刷原版に対して、365nmにおける照度17.5W/mの紫外線ランプ(Anderson&Vreeland社製ランプFR20T12-BL-9-BP)を用いて、レリーフ深度が0.8mmになるようベース側から裏露光を行った。その後、原版に、凸文字3ポイント、5ポイント、10ポイントのアルファベットのTのある画像とベタ画像を含むネガフィルムと、ステップガイドをあて、ステップガイドが15段再現するよう主露光を行った。その後、ネガフィルムを除去し、25℃の水道水で3分間現像し、70℃で10分間温風乾燥した。その後、同一の紫外線ランプを用いて2分間後露光して、評価用レリーフを得た。
各実施例、比較例の感光性樹脂組成物から得られた印刷原版の評価は、評価用レリーフを用いて、画像再現性、印刷性(線太り)、及び印刷耐久性(レリーフ耐欠け性)について行なった。その結果を表3に示す。なお、印刷性(線太り)及び印刷耐久性(レリーフ耐欠け性)は、エステル系化合物を含む油性インキを使用するタグ印刷の場合と、水性インキを使用するフレキソ印刷の場合の両方について評価した。具体的な評価手順は、以下の通りである。
(画像再現性)
画像再現性は、再現できた最小の凸文字のポイントで評価を行った。具体的には、3ポイントの凸文字が再現できたものを〇、5ポイントの凸文字が再現できたものを△、10ポイントの凸文字が再現できたものを×、10ポイントの文字が再現できなかったものを××と表示した。
(タグ印刷の場合の印刷性及び印刷耐久性)
評価用レリーフをタグ印刷機(Shanghai Huanye Machine PT 2/1)で印刷した。具体的には、油性インキとしてPerfectos製の Fabrifast MIXING BLACK(琥珀酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル含有インキ)を用い、基材としてNylon Taffetaを用いて、8000m(50000ショット)印刷を行った。
(印刷性)
印刷性(線太り)の評価は、100ショット後の印刷物と50000ショット後の印刷物の5ptのTの文字の縦の線幅の比率で行った。具体的には、線幅の比率が1.0以上1.5未満のものを〇、1.5以上2.0未満のものを△、2.0以上のものを×、印刷できなかったレリーフは××と表示した。
(印刷耐久性)
印刷耐久性(レリーフの耐欠け性)の評価は、50000ショット印刷後のレリーフの欠けの有無で判断した。具体的には、レリーフに欠けがなかったものは〇、レリーフに欠けがみられたものを×と表示した。
(フレキソ印刷の場合の印刷性及び印刷耐久性)
評価用レリーフをフレキソ印刷機(株式会社エム・シーケー製:FPR302)で印刷した。具体的には、油性インキとしてInktech Limited製の ROBOT INK(酢酸プロピル含有インキ)を用い、基材として王子タック株式会社製のPPC50/OPT1/GB82 を用いて、8000m(50000ショット)印刷を行った。
(印刷性)
印刷性(線太り)の評価は、100ショット後の印刷物と50000ショット後の印刷物の5ptのTの文字の縦の線幅の比率で行った。具体的には、線幅の比率が1.0以上1.5未満のものを〇、1.5以上2.0未満のものを△、2.0以上のものを×、印刷できなかったレリーフは××と表示した。
(印刷耐久性)
印刷耐久性(レリーフの耐欠け性)の評価は、50000ショット印刷後のレリーフの欠けの有無で判断した。具体的には、レリーフに欠けがなかったものは〇、レリーフに欠けがみられたものを×と表示した。
表3からわかるように、本発明の要件を満たす実施例1~21はいずれも、画像再現性、印刷性(線太り)、及び印刷耐久性(レリーフ耐欠け性)に優れている。これに対して、二塩基酸ジエステル(B)を全く含有しない比較例1,4、及び二塩基酸ジエステル(B)の含有量が少なすぎる比較例2,5は、印刷性(線太り)に劣る。二塩基酸ジエステル(B)の含有量が多すぎる比較例3,6は、印刷耐久性(レリーフ耐欠け性)に劣る。
本発明の凸版印刷用感光性樹脂印刷原版から得られた印刷版は、エステル化合物を含む油性インキを用いた場合であっても、インキの吸収による印刷版の膨潤が小さく、従ってロングラン印刷を行っても印刷物の画像の線太りがほとんど生じない。従って、本発明は、タグ印刷を含むフレキソ印刷においてロングラン印刷を可能とするものであり、当業界において大きく寄与することが期待される。

Claims (1)

  1. 少なくとも高分子化合物(A)、下記一般式(I)で表される二塩基酸ジエステル(B)、光重合性化合物(C)、及び光重合開始剤(D)を含有する感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を有する凸版印刷用感光性樹脂印刷原版であって、前記高分子化合物(A)が、ブタジエン骨格及び/又はイソプレン骨格を有するラテックスであり、前記ラテックスがブタジエン骨格を有するラテックスである場合、前記ラテックスは、(i)ポリブタジエンラテックス、(ii)スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス、(iii)アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ラテックス、(iv)メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体ラテックス、及び(v)前記共重合体ラテックスにさらにアクリル酸又はメタクリル酸を共重合して得られるラテックスからなる群から選ばれる少なくとも1種類の水分散ラテックスであり、前記二塩基酸ジエステル(B)が、コハク酸ジエステル、グルタル酸ジエステル、アジピン酸ジエステル、ピメリン酸ジエステル、スベリン酸ジエステル、及びアゼライン酸ジエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種類のものであり、感光性樹脂組成物中の二塩基酸ジエステル(B)の含有量が2.5~15質量%であることを特徴とする凸版印刷用感光性樹脂印刷原版。
    (式中、Rは、炭素数2~8の二価の脂肪族炭素水素酸基、炭素数6~14の二価の芳香族炭化水素基、又は炭素数4~14の二価の脂肪族環状炭化水素基を表し、R及びRは、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1~12の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を表す。)
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