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JP5166780B2 - 液体口腔用組成物 - Google Patents
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本発明は、安定性が良好であり、う蝕及び歯周病予防効果に優れた液体口腔用組成物に関する。
カルシウムイオンは歯の再石灰化を促進し、むし歯の初期に生じる白斑(ホワイトスポット)を消失させ、エナメル質を再透明化することが知られている(非特許文献1)。そのため、再石灰化促進を目的とした口腔用組成物には、広くカルシウムイオンが使用されている。しかしながら、組成物中においては、様々な他の配合成分との相互作用によって、カルシウムイオンの不活化がおこり、該カルシウムイオンの性質が十分に発揮されないことがある。特に、液体口腔用組成物の場合、不活化したカルシウム塩が沈殿することが原因である。そのため、カルシウムイオンを安定化させるために、アニオン性界面活性剤より多量の非イオン性界面活性剤を併用することが行われている(特許文献1)。
一方、塩化ベンゼトニウムや塩化セチルピリジニウム等のカチオン性殺菌剤は、口腔細菌に対する殺菌活性が高く、歯垢や舌苔などのバイオフィルムの形成を防ぐことから、う蝕、歯周疾患、口臭等の予防・改善のために多くの口腔用組成物に配合されている。しかしながら、特許文献1のようにカルシウムイオン供給化合物の可溶化剤としてアニオン性界面活性剤より多量の非イオン性界面活性剤を配合した場合、カチオン性殺菌剤の殺菌活性や歯牙や口腔粘膜などの口腔組織表面への吸着性を低下させる場合がある。特に洗口剤等の液体口腔用組成物においては、一般的な練歯磨き剤より口腔への適用時間が短く(口腔内での滞留性が低い)、洗口後の吐き出しや飲み込みなどにより、口腔内に殺菌剤等の薬剤が十分には滞留し難い。そのため、カルシウムイオンを安定に共存させ、殺菌剤の歯牙や口腔粘膜などの口腔組織表面への吸着性を高めて口腔内で効果的な殺菌作用が発揮できる液体口腔用組成物が所望されていた。
Koulourides. T. et. al, "Rehardening of softened enamel surface of human teeth by solution of calcium phosphates",1961年、189巻、226頁 特開2005−187437号公報
本発明の目的は、カルシウムイオンを安定に配合でき、カチオン性殺菌剤の口腔組織表面への滞留性を向上させることにより、う蝕と歯周疾患を効果的に予防し得る液体口腔用組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、カチオン性殺菌剤と特定の非イオン性界面活性剤とを組合せることにより、カルシウムイオンの安定性とカチオン性殺菌剤の口腔組織表面への滞留性を両立できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記成分(A)〜(C)を含有する液体口腔用組成物を提供するものである。
(A)カルシウムイオン供給化合物 0.005〜1質量%、
(B)カチオン性殺菌剤、
(C)下記(C1)及び(C2)を含む非イオン性界面活性剤、
(C1)ポリグリセリン脂肪酸エステル
(C2)(C1)以外のHLB16〜20の非イオン性界面活性剤。
本発明の液体口腔用組成物は、カルシウムイオンを安定に配合でき、かつカチオン性殺菌剤の口腔組織表面への滞留性を向上し、う蝕と歯周疾患を効果的に予防することができる。
本発明の(A)カルシウムイオン供給化合物とは、水に溶けてカルシウムイオンを放出する水溶性の化合物であり、水に対する溶解度が20℃で3質量%以上であるものが好ましい。具体的には、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、ギ酸カルシウム、乳酸カルシウム、硝酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、イソ酪酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム及びそれらの水和物、混合物が挙げられる。また、水溶液形態として水溶性のカルシウム塩を含む海水、海洋深層水なども使用できる。このうち、溶解性の観点から、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム等の水溶性のカルシウム塩が好ましい。カルシウムイオン供給物の含有量は、う蝕・歯周病予防効果の点から、口腔用組成物全体に対してカルシウムイオン換算で0.005〜1質量%であるが、好ましくは0.01〜1質量%、特に0.01〜0.8質量%が好ましい。
本発明の(B)カチオン性殺菌剤は、口腔組織表面、例えば歯牙表面、口腔粘膜(歯ぐきを含む)等に吸着し、むし歯、歯周病、口臭等の原因となる菌に対して殺菌作用を有するものであり、例えば、第四級アンモニウム化合物、ビグアニド系化合物等が含まれる。具体的には、第四級アンモニウム化合物に属する殺菌剤としては、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルジメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ラウロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム等が挙げられる。また、ビグアニド系化合物に属する殺菌剤としては、例えばクロルヘキシジン又はその塩を挙げることができ、好ましくはグルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジンが挙げられる。成分(B)として、上記殺菌剤を1種又は2種以上組み合わせて用いることができるが、殺菌作用及び味の点から、本発明液体口腔用組成物中に0.001〜0.5質量%含有するのが好ましく、特に0.005〜0.2質量%含有するのが好ましい。
また、本発明の液体口腔用組成物は、カルシウムイオンを安定させる目的から、少なくとも(C1)ポリグリセリン脂肪酸エステル、及び(C2)ポリグリセリン脂肪酸エステル以外のHLB16〜20の非イオン性界面活性剤の2種の非イオン性界面活性剤を併用する。
本発明の(C1)ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、グリセリン重合度が2〜30、好ましくは8〜20、さらに好ましくはグリセリン重合度が10のデカグリセリンエステルを挙げることができる。また、脂肪酸部としては炭素数6〜24の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられ、具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等が挙げられる。また、HLB値が12〜15のものが好ましい。ここで、HLB価は、下記Griffinの式で求められる。
HLB価=20(1−S/A)
(S:けん化価、A:使用脂肪酸の酸価)
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、カルシウムイオンの安定性とカチオン性殺菌剤の口腔組織表面への滞留性を向上し吸着量を増加させる点から、液体口腔用組成物中に0.001〜2質量%含有するのが好ましく、特に0.005〜1質量%、さらに0.01〜0.5質量%含有することが好ましい。
本発明の第2の非イオン性界面活性剤は、(C2)ポリグリセリン脂肪酸エステル以外のHLB16〜20の非イオン性界面活性剤であるが、特にHLB価18〜20のものが好ましい。具体的には、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油等が挙げられる。これらの非イオン界面活性剤は、脂肪酸エステルの脂肪酸部分としては、炭素数6〜24の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましい。これらのうち、成分(C2)としては、ショ糖脂肪酸エステルが好ましく、HLB価が18〜20のショ糖脂肪酸エステルが最も好ましい。成分(C2)は、カルシウムイオンの安定性の点から、液体口腔用組成物中に0.001〜2質量%含有するのが好ましく、特に0.005〜1質量%、さらに0.01〜0.5質量%含有することが好ましい。
カルシウムイオンを含有する液体組成物では、カルシウムイオン供給化合物の安定化のためには親水性の高い非イオン性界面活性剤(例えばHLBが16以上)の配合が有効であるが、非イオン性界面活性剤の量が多くなると、ミセル中へカチオン性殺菌剤を取込んでしまい、カチオン性殺菌剤が歯牙や口腔粘膜等の口腔組織表面へ吸着するのを妨げ、結果として吸着性を低下させてしまう可能性がある。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、密に配向した脂肪酸部分が殺菌剤と相互作用し、末端のエステル結合が親水部となり水中へ配向するが、その親水部分がエステル結合であり極性があまり大きくないため、ミセルの親水性は小さくなり、その結果として、口腔組織表面へのカチオン性殺菌剤を含んだミセルの吸着性が高くなるものと考えられる。
本発明においては、カルシウムイオンの安定性とカチオン性殺菌剤の口腔組織表面への吸着性、滞留性向上を考慮すると、前記(C1)及び(C2)は、質量比で(C1):(C2)が10:1〜1:1が好ましく、特に5:1〜1:1が好ましい。
また、これら(C1)及び(C2)を含む非イオン性界面活性剤の総量は、安定性及び吸着力向上効果の点から、本発明の液体口腔用組成物中に0.01〜5質量%が好ましく、特に0.05〜2質量%、さらに0.05〜0.8質量%が好ましい。
本発明の液体口腔用組成物には、さらに滞留性に加えて洗浄性を向上させる点から、(D)アシルタウリン塩を含むことができる。(D)アシルタウリン塩としては、N−アシル−N−アルキルタウリン又はその塩が挙げられ、アシル基としては、炭素数12〜20の長鎖アシル基が挙げられ、このうち、炭素数12〜20のアルカノイル基、アルケノイル基、ヒドロキシアルカノイル基が好ましい。具体的なアシル基としては、ラウロイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基、ヤシ油脂肪酸由来のアシル基(ココイル基)等が挙げられる。また、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜5のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。また、N−アシル−N−アルキルタウリンの塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミン塩が挙げられる。より具体的にはカプロイルメチルタウリン塩、ラウロイルメチルタウリン塩、ミリストイルメチルタウリン塩、パルミトイルメチルタウリン塩、オレオイルメチルタウリン塩等が挙げられる。ここで塩としては、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。その含有量は、洗浄性の点から、本発明液体口腔用組成物中に0.01〜5質量%が好ましく、特に0.05〜2質量%が好ましい。
また、成分(D)アシルタウリン塩は、成分(C)非イオン性界面活性剤1質量部に対し、カルシウムイオンの安定化効果の点から1質量部以上が好ましく、味の点から10質量部以下が好ましく、さらに好ましくは1〜5質量部である。
本発明の液体口腔用組成物には、さらに殺菌効果、清涼感を向上させる点から、エタノールを配合するのが好ましい。エタノールの含有量は、液体口腔用組成物中に0.5〜30質量%、さらに1〜20質量%、特に3〜15質量%が好ましい。
さらに本発明の液体口腔用組成物中は、糖アルコール、粘結剤、多価アルコール、緩衝剤、その他の薬効剤、甘味剤、香料等を含有することができる。さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、成分(C)以外の非イオン性界面活性剤および成分(D)以外のアニオン性界面活性剤を配合することもできる。
アニオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルアミノ酸塩;N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩;ヤシ油脂肪酸エチルエステルスルホン酸ナトリウム塩等の脂肪酸エステルスルホン酸塩等が挙げられる。これらのアニオン界面活性剤の含有量は、刺激及びカチオン性殺菌剤の歯牙等への吸着の点から、液体口腔用組成物中に0.01質量%以下、特に0〜0.01質量%が好ましい。
糖アルコールとしては、エリスリトール、キシリトール、リビトール、アラビトール、ガラクチトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、パラチニット、ラクチトール、マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、マルトテトライトール、イソマルトテトライトール、還元水あめ類等が挙げられる。これらの糖アルコールは、カルシウムイオンの安定効果を得る点から、本発明液体口腔用組成物中に1〜30質量%配合することが好ましい。より好ましくはキシリトール、エリスリトール及びパラチニットから選ばれる1種又は2種以上の糖アルコールを1〜30質量%含有する液体口腔用組成物である。これらの糖アルコールのうち、さらに優れたむし歯予防効果を呈する点から、キシリトールを1〜30質量%配合することが好ましい。
粘結剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール等のアルギン酸誘導体、カラギーナン、キサンタンガム、ジュランガム、トラガントガム、カラヤガム等のガム類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー等の合成粘結剤、シリカゲル、ビーガム、ラポナイト等の無機粘結剤、デキストリン、還元デキストリン等の澱粉分解物等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。
多価アルコールとしては、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。緩衝剤としては、クエン酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩、リン酸及びその塩等が挙げられる。
その他の薬効剤としてはトラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸等の抗プラスミン剤;アスコルビン酸、トコフェロールエステル等のビタミン類;グリチルリチン塩類、アラントイン類、オウバク、オウゴン、カミツレ、ラタニア、ミルラ等の植物抽出物;デキストラナーゼ、ムタナーゼ、塩化リゾチーム等の酵素;モノフルオロリン酸ナトリウム等のアルカリ金属モノフルオロフォスフェート;フッ化ナトリウム、フッ化第1錫等のフッ化物;塩化ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩等の塩類;銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅、塩化亜鉛、ゼオライト、水溶性無機リン酸化合物、乳酸アルミニウム等の1種又は2種以上が挙げられる。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、アセスルファームカリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、ソウマチン、アスパラチルフェニルアラニルメチルエステル、スクラロース等が挙げられる。甘味剤の含有量は、甘味の観点から、本発明の液体口腔用組成物中に0.001〜1質量%が好ましく、特に0.005〜0.05質量%であることが好ましい。
香料としては、メントール、カルボン、アネトール、オイゲノール、シネオール、チモール、サリチル酸メチル、プレゴン、メントン、ピネン、リモネン、メンチルアセテート等の合成香料の他に、ペパーミント油、スペアミント油、ハッカ油等のミント油、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ライムなどの柑橘油、ユーカリ、セージ、ローズマリー、タイム、ローレル、バジル、シソ、ベイ、エストラゴン、パセリ、セロリ、コリアンダー等のハーブ油、シナモン、ペッパー、ナツメグ、メース、クローブ、ジンジャー、カルダモン、アニスなどのスパイス油などのような天然精油、アップル、バナナ、メロン、グレープ、ピーチ、ストロベリー、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックカラント、ライチ、スターフルーツ、パッションフルーツ、プラム、パイナップル、マスカットなどのフルーツフレーバーなどを用いることができる。特にカチオン系殺菌剤を用いる場合には、カチオン性殺菌剤の異味のマスキング効果を得る点から、メントール、カルボン、ペパーミント油、スペアミント油、ハッカ油、シネオール、リモネン、ピネン等の油溶性香料を用いることが好ましい。香料の含有量は、清涼感や後味の観点から、本発明の液体口腔用組成物中に0.01〜2質量%が好ましく、特に0.1〜1.5質量%であることが好ましい。
本発明の液体口腔用組成物は、液体歯磨、水歯磨、マウスリンス、洗口液、マウススプレー、うがい薬等として適用できる。
本発明液体口腔用組成物は、カチオン性殺菌剤を水に溶解し、ついでポリグリセリン脂肪酸エステルを加えて混合した後、必要によりアシルタウリン塩及びカルシウムイオン供給化合物を添加し、さらに(C1)以外の非イオン性界面活性剤を添加することにより製造するのが好ましい。
また、本発明の液体口腔用組成物は、カチオン性殺菌剤を水に溶解し、ついでポリグリセリン脂肪酸エステルを加えて混合した後、ついでエタノール、アシルタウリン塩、カルシウムイオン供給化合物を添加し、さらに(C1)以外のHLB16〜20の非イオン性界面活性剤を混合して製造することが好ましい。
実施例1
表1に示す洗口液を調製した。まず、精製水及び濃グリセリンを混合したものに、精製水に溶解した塩化ベンゼトニウムを添加混合した後、精製水に溶解したポリグリセリン脂肪酸エステルを添加し、さらにエタノール、アシルタウリン塩(D)、サッカリンナトリウム、乳酸カルシウム、キシリトール混合した後、香料にパラオキシ安息香酸エチルとショ糖脂肪酸エステルを20℃以上で溶解したものを添加して混合した。
表1の各洗口液は、下記の方法で殺菌力評価試験、カルシウムイオン安定性試験、組成物の低温安定性試験(5℃)及び洗浄性試験を行い、結果を合わせて表1に示す。また、本発明品1及び比較品2について、殺菌剤の口腔粘膜への吸着試験を行い、結果を図1に示す。
〔殺菌力評価試験〕
洗口唾液(イオン交換水10mL、1分間含嗽)100μLに対し、表1の実施例1の洗口液を400μL添加しチューブミキサーで30秒間撹拌する。この液50μLをSCDLP(SOYBEAN-CASEIN DIGEST BROTH with LECITHIN & POLYSORBATE 80)培地450μLと混合し、殺菌剤の効果を停止する(SCDLPは成分であるポリソルベート:ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステルとレシチンの界面活性作用により防腐剤や殺菌剤を不活化する)。
SCDLP培地で、コロニーがカウントできる適当な濃度まで希釈を行い、変法GAM(Gifu Anaerobic Medium)培地にスパイラルシステムで散布し、嫌気条件37℃48hr培養した。培養後のコロニー数を計測し、比較品1を基準として増減を計算した。結果をあわせて表1に示す。
〔殺菌剤の吸着試験〕
本発明品1及び比較品2の各洗口液15gを30秒間含嗽後吐き出し、含嗽物中の殺菌剤を65%アセトニトリル溶液で高速液体クロマトグラフィ(ODSカラム:Superspher100(関東化学製)、流速:1mL/min、測定波長:210nm)にて定量した。含嗽前後の殺菌剤濃度の差と吐出量から吸着量を算出した。結果を図1に示す。
〔カルシウム安定性〕
調製した組成物を密閉できるガラス容器に入れ、5℃に1週間保存し浮遊物・沈殿物の生成状態を下記基準で目視にて判断した。
判定基準
浮遊物・沈殿物なし:1
ほんの少し浮遊物がみられる:2
少量の浮遊物と沈殿物がみられる:3
浮遊物と沈殿物が多くみられる:4
〔組成物の低温安定性試験〕
洗口液を調整後、5℃にて2週間放置したときの、液の性状を下記に示す判定基準にて目視で評価した。
判定基準
◎:透明
○:やや不透明(室温にすると透明になる)
△:不透明(室温にしても不透明)
×:沈殿
〔洗浄力〕
直径7mmのガラス管を5本並べ接着剤で固定する。パスツールピペット間の溝に赤い口紅(モデル汚れ)を塗り込む。調製した組成物をパスツールピペット上に10mL注ぎ60秒間歯ブラシでブラッシングし、その後、水で洗浄する。メタノール100gにパスツールピペットをつけ、10分間超音波洗浄する。540nmで吸光度を測定し残存汚れ量を算出する。水のみで洗浄した場合を基準にして、以下の基準で評価した。
15%以上の効果:1
10〜15%の効果:2
5〜10%の効果:3
5%以下の効果:4
Figure 0005166780
実施例2
表2に示す洗口液を実施例1の方法に準じて調整した。得られた各洗口液について、殺菌力評価試験、カルシウムイオン安定性試験、組成物の低温安定性試験(5℃)及び洗浄性試験を行い、結果を合わせて表2に示す。殺菌力評価の基準は、比較品4とした。
なお、本発明品5は参考例であり、本発明の範囲に含まれるものではない。
Figure 0005166780
表1、表2及び図1から明らかなように、本発明液体口腔用組成物は、カチオン性殺菌剤による優れた殺菌力を有し、かつカルシウムイオンが安定である。これに対し、(C1)ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有しない場合(比較品1、及び比較品4)、(C2)HLB16〜20の非イオン性界面活性剤を含有しない場合(比較品2)、及びHLB16〜20以外の非イオン性界面活性剤を使用した場合(比較品3)には、これらの効果のいずれかが悪いものであった。
本発明液体口腔用組成物の塩化ベンゼトニウム(BTC)のハイドロキシアパタイトへの吸着量を示す図である。

Claims (5)

  1. 下記成分(A)〜(D):
    (A)カルシウムイオン供給化合物 0.005〜1質量%、
    (B)カチオン性殺菌剤、
    (C)下記(C1)及び(C2)を含む非イオン性界面活性剤 0.01〜0.15質量%、
    (C1)ポリグリセリン脂肪酸エステル
    (C2)(C1)以外のHLB16〜20の非イオン性界面活性剤
    (D)アシルタウリン塩
    を含有し、成分(C1):成分(C2)(質量比)=10:1〜1:1であり、かつ成分(C)1重量部に対して成分(D)を1〜10質量部含有する液体口腔用組成物。
  2. 成分(C2)が、ショ糖脂肪酸エステルである請求項に記載の液体口腔用組成物。
  3. 成分(C1)の含有量が、0.001〜0.1質量%である請求項1又は2に記載の液体口腔用組成物。
  4. 成分(C2)の含有量が、0.001〜0.05質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体口腔用組成物。
  5. カチオン性殺菌剤を水に溶解し、ついでポリグリセリン脂肪酸エステルを加えて混合した後、アシルタウリン塩及びカルシウムイオン供給化合物を添加し、さらに(C1)以外のHLB16〜20の非イオン性界面活性剤を添加する請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体口腔用組成物の製造方法。
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