JP5169532B2 - フェライト系耐熱鋼材 - Google Patents
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Q≧1.8(kJ/mm)のとき、C≦0.094 ・・・(2)
ここで、Qは溶接入熱量(kJ/mm)、CはC含有量(質量%)を示す。
Q<1.8(kJ/mm)のとき、C≦-0.12×Q+0.31 ・・・(1)
Q≧1.8(kJ/mm)のとき、C≦0.094 ・・・(2)
ここで、Qは溶接入熱量(kJ/mm)、CはC含有量(質量%)を示す。
溶接入熱量Qが1.8kJ/mm未満の場合、C≦-0.12×Q+0.31(%)
溶接入熱量Qが1.8kJ/mm以上の場合、C≦0.094%以下
Cは、Bとともに本発明における重要な元素である。Cは炭化物を形成し、高温強度の確保に寄与するとともにマルテンサイト組織を得るのに有効な元素であるため、必須の元素である。しかしながら、粒界に偏析するとBやPおよびSと重畳して粒界の融点低下を促し、かつ粗粒HAZの硫化物や燐化物の生成に間接的に影響を及ぼし、液化割れ感受性に影響をあたえる。特に、粒界偏析による液化割れ感受性の増大は溶接時の入熱量が大きくなるほど顕著となる。Cそのものによる粒界の融点低下を抑制し、かつ粗粒HAZで安定した硫化物や燐化物を形成させ、SやPの粒界偏析に起因した融点低下を抑制して液化割れを防止するためには、Bの含有量を後述の範囲に管理するとともに、C含有量を溶接入熱により規定される上限を満足する必要がある。しかし、0.16%を超える量を含有させると、HAZが極端に硬化し、延性の低下を招くため、入熱に係わらず。0.16%以下の範囲とする必要がある。一方、0.04%を下回る場合、マルテンサイト変態点が上昇することに起因し、マルテンサイトラスが成長しやすく、粗大となり靭性の低下を招くため0.04%以上含有させる必要がある。 Cの望ましい下限は0.05%である。
Siは脱酸剤として0.1%を超えて含有させるが、過剰に含有させるとクリープ延性および靭性の低下を招くため、上限を1.0%とする。望ましくは、0.8%以下である。より望ましくは0.2%を超えて0.7%以下である。
MnもSiと同様、脱酸剤として含有させるが、過剰に含有させた場合、クリープ脆化および靭性の低下を招く。そのため、2.0%以下とする。望ましくは1.8%以下である。しかしながら、過度の低減は、脱酸効果が十分に得られず鋼の清浄度を劣化させるとともに、製造コストの増大を招くため、特に下限は設けないが、0.01%以上であることが望ましい。
Coは、オーステナイト生成元素であり、マトリックスのマルテンサイト化に必要な元素である。その効果を得るためには1%以上含有させる必要がある。しかし、8%を越えて含有させるとクリープ延性の著しい低下を招く。望ましくは2%を超えて7%以下である。
Crは、高温用鋼において耐酸化性および耐高温腐食性を確保するとともにマトリックスのマルテンサイト組織を安定して得るために必須の元素である。その効果を得るためには、7%以上含有させることが必要である。しかし、過剰に含有させると、多量のCr炭化物の生成により炭化物の安定性を低下させ、クリープ強度の低下を招くとともに、靭性も劣化する、そのため、13%以下とする必要がある。望ましくは、8〜12%である。さらに望ましくは8〜10%である。
VはNbとともに粒内に微細な炭窒化物を形成し、クリープ強度の向上に大きく寄与する元素である。その効果を得るためには、0.05%以上含有させることが必要である。しかし、過剰に含有させた場合、炭窒化物の成長速度の増大を招き、その分散強化効果が早期に消失するとともに、靭性の低下を招くため、0.40%以下とする必要がある。望ましくは0.10〜0.35%である。
NbはVとともに粒内に高温まで安定な微細炭窒化物を形成し、クリープ強度の向上に大きく寄与する元素である。その効果を得るためには、少なくとも0.01%以上含有させることが必要である。しかし、過剰に含有させた場合、炭窒化物の成長速度の増大を招き、その分散強化効果が早期に消失するとともに、靭性の低下を招くため、0.09%以下とする必要がある。
MoおよびWはマトリックスを固溶強化し、クリープ強度の向上に寄与する元素である。この効果を得るためにはMoおよびWの一方または両方を、合計で0.5%以上含有させることが必要である。しかし、4%を超えて含有させると粗大な金属間化合物を生成し、靭性の極端な低下を招く。望ましくは0.8〜3.5%である。なお、Wのみを単独で含有させる場合には、下限は1%とすることが望ましい。
BはCとともに本発明における重要な元素である。BはHAZにおいて粒界に偏析して粒界エネルギーを下げることにより、オーステナイト相の核生成を遅延させ、細粒化を抑制する。その効果を十分に得るためには少なくとも、0.005%以上含有させることが必要である。しかしながら、粗粒HAZにおいては、粒界偏析したBは粒界の融点低下を促し、SおよびPの偏析と重畳して、液化割れを発生させる。これを防止するためには、C含有量を溶接入熱量に応じて前述の範囲に規定する必要がある。一方、Bが0.025%を超えるとHAZのクリープ強度低下軽減の効果が飽和するため上限とする。なお、B含有量の下限は0.007%以上が望ましい。さらに望ましい範囲は0.01%を超えて0.018%以下である。
Alは脱酸剤として含有させるが、過剰に含有させるとクリープ延性および靭性の低下を招くため、上限を0.03%とする。望ましくは、0.02%以下である。しかしながら、過度の低減は、脱酸効果が十分に得られず鋼の清浄度を劣化させるとともに、製造コストの増大を招く。そのため、Alは0.001%以上含有させるのが望ましい。
NはVやNbを含む微細な炭窒化物を形成し、クリープ強度の確保に有効な元素である。その効果を得るためには0.003%以上含有させることが必要である。しかし、過剰に含有させると、炭窒化物の析出量の増大を招き、脆化の原因となる。そのためN含有量の上限を0.06%とする。
Oは不純物として存在するが、多量に含まれる場合には、多量の酸化物を生成し、加工性や延性を劣化させる。そのため、0.02%以下とする必要がある。
Pは不純物として含まれるが、S、Bとともに粗粒HAZにおいて粒界に偏析し、融点を低下させ液化割れを招く。それを防止するためには、CおよびS、Bを所定の範囲に規定するとともに、Pは0.03%以下とする必要がある。
SはPと同様、不純物として含まれ、粗粒HAZにおいて粒界に偏析し、融点を低下させ液化割れを招く。それを防止するためには、CおよびS、Pを所定の範囲に規定するとともに、Sは0.02%以下とする必要がある。
NdはSやPとの親和力が強く、粗粒HAZの粒界において、SやPと化合物を形成し、SやPによる融点降下を抑制し、HAZの液化割れを防止する。さらには、SやPによる高温での使用中の粒界脆化を軽減してHAZのクリープ延性を改善するのに有効であるので、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、酸素との親和力も強く、過剰に含有させた場合には、余分な酸化物を生成し、HAZの靭性低下を招くため、上限は0.08%とする。望ましい上限は0.07%であり、さらに望ましくは0.06%である。なお、Ndを含有させることによる上記の効果を確実に得るためには0.005%以上含有させることが望ましい。より望ましくは0.015%以上含有させることが望ましい。
TaはVやNbと同様に高温まで安定な微細炭化物を形成し、クリープ強度の向上に大きく寄与するため必要に応じて含有させてもよい。しかし、過剰に含有させた場合、炭化物の成長速度の増大を招き、その分散強化効果が早期に消失するとともに、靭性の低下を招くため、0.08%以下とする必要がある。なお、Taによる効果を得るためには、0.005%以上含有させることが望ましい。
Caは鋼の熱間加工性を向上させる元素であり、熱間加工性を向上させる必要がある場合には含有させることができる。しかしながら、その含有量が0.02%を超えると介在物の粗大化を招いて逆に加工性や靭性を損なう。なお、Caによる効果を得るためには、0.0003%以上含有させることが望ましい。また、より望ましくは0.001〜0.01%である。
Mgは、Caと同様、鋼の熱間加工性を向上させる元素であり、熱間加工性を向上させる必要がある場合には含有させることができる。しかしながら、その含有量が0.02%を超えると介在物の粗大化を招いて逆に加工性や靭性を損なう。なお、Mgによる効果を得るためには、0.0003%以上含有させることが望ましい。また、より望ましくは0.001〜0.01%である。
さらに、板厚10mm、幅10mmおよび長さ100mmの試験材を採取し、HAZの靭性低下が顕著な温度である1350℃に5秒間加熱するHAZ再現溶接熱サイクルを付与した。その後、740℃で30分保持後、空冷の溶接後熱処理を施し、JIS Z2240(2006)の規定にしたがって、幅5mmの2mm Vノッチサブサイズシャルピー試験片を採取し、常温でのシャルピー衝撃試験を行った。シャルピー衝撃試験では、衝撃値34J/cm2以上を目標値とした。
Claims (3)
- 質量%で、C:0.04〜0.16%、Si:0.1%を超えて1.0%以下、Mn:2.0%以下、Co:1〜8%、Cr:7〜13%、V:0.05〜0.40%、Nb:0.01〜0.09%、MoおよびWの一方または両方を合計で0.5〜4%、B:0.007〜0.025%、Al:0.03%以下、N:0.003〜0.06%並びにNd:0.015〜0.08%を含み、残部がFeおよび不純物からなり、不純物としてのO、PおよびSがそれぞれ、O:0.02%以下、P:0.03%以下およびS:0.02%以下のフェライト系耐熱鋼材であって、さらに前記C含有量が溶接入熱量Qに応じて下記(1)式または(2)式を満足することを特徴とするフェライト系耐熱鋼材。
Q<1.8(kJ/mm)のとき、C≦-0.12×Q+0.31 ・・・(1)
Q≧1.8(kJ/mm)のとき、C≦0.094 ・・・(2)
ここで、Qは溶接入熱量(kJ/mm)、CはC含有量(質量%)を示す。 - 質量%で、Feの一部に代えて、Ta:0.08%以下を含むことを特徴とする請求項1に記載のフェライト系耐熱鋼材。
- 質量%で、Feの一部に代えて、Ca:0.02%以下およびMg:0.02%以下のうちの1種または2種を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のフェライト系耐熱鋼材。
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