JP5196448B2 - アミノオキシ基を含有する反応性化合物 - Google Patents
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Description
この試薬を用いて定量する代表的な分子として、RNA及びDNAなどの核酸がある。RNAには、遺伝子をコードしたmRNA、タンパク質合成に関与するrRNA、及びtRNAの他に、種々の機能性RNAが存在していることが近年明らかになってきた。これらの機能性RNAは、細胞内でタンパク質の発現などにおいて機能し、癌化にも関与していることが報告されている。そのため、mRNAとこれら機能性RNAの細胞内量を正確に定量することは、遺伝子相互作用の詳細な解明や疾病の診断にもつながる。また、DNAは種々の環境因子によって損傷を受け、その代表的な損傷に塩基部が失われたアベイシックサイト(アプリニックサイト;APサイト)がある。アベイシックサイトはヘミアセタール構造とアルデヒド構造の平衡状態で存在し、上記ARP試薬を作用させるとアルデヒド構造に反応するため、アベイシックサイトを検出することが可能になっている。種々の化学物質、環境因子のDNAに対する損傷度を測定して見積もることで、食品に含まれる化学物質、紫外線等の遺伝子変異原性評価にも役立つ。
生体分子の中でも特にDNA及びRNAを正確に定量するには、標的分子に対して高い反応性を有する試薬が必要である。しかしながら、これまでに用いられてきた試薬はその反応効率が不十分で、多量の試薬を作用させる必要があった。そのため、多くの条件下で標的分子を定量する必要がある場合には、コスト高となり時間を要していた。この他、糖鎖などの反応にもアミノオキシ基が用いられているが、反応性が不十分であった。
そのため、生体分子のなかでも特にこれらRNA、DNAなどの分子に対し、少量でも迅速に反応する新規な試薬の開発が望まれていた。
Biochemistry 31,3703−3708(1992) Biochemistry 32,8276−8283(1993)
本発明者らは、アミノオキシ基、芳香族基及び親水性基を有する化合物が、アルデヒド基などのアミノオキシ基と反応性の官能基を有する生体分子に対して高い反応性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)一般式1:
R1−NH−O−L1−D−L2−A (1)
(式中、R1は、水素原子、アルキル基又はアミノ基の保護基であり、Dは、2価の芳香族基であり、L1は、直接結合又はリンカー基であり、L2は、直接結合又はリンカー基であり、Aは親水性基を含む有機基である)
で表される化合物又はその塩。
(2)Aが、親水性基として、置換又は無置換のグアニジノ基、置換又は無置換のポリエチレングリコール基、カルボキシル基、アミノオキシ基及びヒドロキシル基からなる群から選択される少なくとも1つの基を含む、(1)記載の化合物又はその塩。
(3)Aが、親水性基として、置換又は無置換のグアニジノ基を含む、(2)記載の化合物又はその塩。
(4)Aが、以下の一般式2:
(式中、X1及びX2は、水素原子又は有機基である)
で表される、(1)〜(3)のいずれかに記載の化合物又はその塩。
(5)Dが、置換若しくは無置換のフェニレン基、置換若しくは無置換のアントリレン基、置換若しくは無置換のナフチレン基、置換若しくは無置換のフェナントリレン基、置換若しくは無置換のアントラキノリレン、又は置換若しくは無置換のアクリジニレンである、(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物又はその塩。
(6)Dが、以下の一般式:
(式中、一方の結合部位がL1又はOに結合し、他方の結合部位がL2又はAに結合する)
で表される2価の芳香族基、及びこれらの芳香族基において芳香環が1〜3個の置換基を有する芳香族基から選択される、(5)記載の化合物又はその塩。
(7) L1が、以下の一般式3又は4:
(式中、R3は、置換若しくは無置換のC1−9アルキレン基又は−(CH2)o−(OCH2CH2)p−(CH2)q−であり、ここで、o〜qは、それぞれ独立して0〜15の整数であり、o+p+qは、1〜15である)
のいずれかで表される2価の基であり、L2が、以下の一般式5又は6:
(式中、R4は、置換若しくは無置換のC1−9アルキレン基又は−(CH2)r−(OCH2CH2)s−(CH2)t−であり、ここで、r〜tは、それぞれ独立して0〜15の整数であり、r+s+tは、1〜15であるである)
のいずれかで表される2価の基である、(1)〜(6)のいずれかに記載の化合物又はその塩。
(8)以下の一般式7:
(式中、R1は、水素原子又はアミノ基の保護基であり、nは、1〜5の整数であり、mは、1〜5の整数であり、Ra〜Rfは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基であり、X1及びX2は、水素原子又は有機基である)
で表される、(1)記載の化合物又はその塩。
(9)以下の一般式8:
(式中、R1は、水素原子又はアミノ基の保護基であり、nは、1〜5の整数であり、Ra〜Rfは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基であり、X2は、水素原子又は有機基である)
で表される、(1)記載の化合物又はその塩。
(10)以下の一般式:
(式中、R1及びR5は、それぞれ独立して、水素原子又はアミノ基の保護基であり、n及びiは、それぞれ独立して、1〜5の整数であり、Ra〜Rfは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基である)
で表される、(1)記載の化合物又はその塩。
(11)Aが標識基をさらに含む、(1)〜(9)のいずれかに記載の化合物又はその塩。
(12)X1及びX2の少なくとも一方が有機基であり、該有機基が標識基である、(4)、(8)、又は(9)記載の化合物又はその塩。
(13)アルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基又はケト基を有する生体分子を標識するための試薬であって、(11)又は(12)記載の化合物又はその塩を含む前記試薬。
(14)(11)又は(12)記載の化合物と、アルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基又はケト基を有する生体分子とが結合してなる標識化生体分子であって、該化合物のアミノオキシ基と該生体分子のアルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基又はケト基とが反応して共有結合を形成している、前記標識化生体分子。
(15)アルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基又はケト基を有する生体分子を固定化するための生体分子固定化用支持体であって、担体及び該担体表面に存在する(1)〜(10)のいずれかに記載の化合物又はその塩の層を含む、前記支持体。
本発明により、アルデヒド基などのアミノオキシ基と反応性の官能基を有する生体分子に対して高い反応性を有する化合物が提供される。
図2は、3’末端が酸化されたRNA(F−Lr17Xox)に対するARPとaoNgの結合反応を示す。ssは1本鎖を表し、括弧内に反応部位で形成される塩基対(XY)の組み合わせを示す。Gray bar,ARP;black bar,aoNg。
図3は、アベイシックサイトを有するDNAへのARPとaoNgの結合反応を示す。アベイシックサイトを有するDNAの一本鎖(ss)及び二本鎖(ds)に対し、37℃、42℃、47℃で反応を行ったときの速度定数のグラフを示す。
図4は、2’−デオキシウリジンを含むDNAに対するARP、aoNg、aoNg−bioの結合反応を示す。2’−デオキシウリジンを含むDNA2本鎖をUDGで処理した後に、標識試薬(ARP、aoNg、aoNg−bio)を添加し、各時間の反応産物の精製率を調べた。反応液のポリアクリルアミドゲルによる分析の結果と、各時間の反応率のグラフを示した。
図5は、アベイシックサイトを含む2本鎖DNA間の架橋反応の結果を示す。2’−デオキシウリジンを含むDNAをUDGで処理してアベイシックサイトを生成させた後にaoNaoを反応させた。反応液のポリアクリルアミドゲルによる分析の結果と、各時間の反応率のグラフを示した。
本明細書は、本願の優先権の基礎である特願2007−330315号の明細書、特許請求の範囲、及び図面に記載された内容を包含する。
R1−NH−O−L1−D−L2−A (1)
(式中、R1は、水素原子、アルキル基(好ましくはC1−6アルキル基)又はアミノ基の保護基であり、Dは、2価の芳香族基であり、L1は、直接結合又はリンカー基であり、L2は、直接結合又はリンカー基であり、Aは、親水性基を含む有機基である)で表される化合物又はその塩(以下、本発明の化合物と称する場合がある)に関する。
塩としては、例えば、無機酸との塩、有機酸との塩、及び塩基性又は酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
本発明の化合物は、無水物であっても、溶媒和物であってもよい。一般式1の化合物又はその塩の溶媒和物もまた本発明の化合物に包含される。ここで溶媒は溶質(一般式1の化合物又はその塩)の生物活性を妨げるものでなければ特に制限されない。適当な溶媒の具体例としては、水、メタノール、エタノール及び酢酸が含まれる。好ましくは、溶媒は水である。
一般式1のR1におけるアミノ基の保護基は、特に制限されないが、例えば、アシル基、カルバメート基、トリアルキルシリル基、フタリル基、カルボキシアルキルカルボニル基、トシル基、トリフルオロアセチル基、トリチル基、及びモノ又はジ置換トリチル基が挙げられ、好ましくはアルキル基である。これらの基は置換されていてもよい。
R1は、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6の、置換若しくは無置換のアルキル基である。アルキル基は、直鎖でも分岐鎖でもよい。ここで、置換基としては、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選ばれるハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、C1−6アルキル基、C1−6アルキルアミノ基、カルバモイル基、チオカルボキシ基、スルホ基、スルフィノ基、イソシアナト基、ニトロ基、シアノ基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C1−10アルコキシ基、C1−10アシル基、C1−10アルコキシカルボニル基並びにカルボキシル基等を挙げることができる。置換基が複数存在する場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。置換基の数は、好ましくは1〜3個である。
本明細書において「C1−6アルキル基」等の記載における「C1−6」等の表現は、その基が1〜6個の炭素原子を含むことをさす、該基は直鎖でも分岐鎖でもよい。
一般式1のDにおける2価の芳香族基は、ベンゼン環を有するものであればよく、縮合環中にベンゼン環を有するものでもよい。2価の芳香族基としては、5〜25個の炭素原子、好ましくは6〜20個の炭素原子を含む単環式又は多環式の2価の芳香族基が挙げられる。より具体的には、置換又は無置換のフェニレン基、置換又は無置換のピリジレン基、置換又は無置換のピリダジニル基、置換又は無置換のピリミジニレン基、置換又は無置換のピラジニレン基、置換又は無置換のフリレン基、置換又は無置換のチエニレン基、置換又は無置換のピロリレン基、置換又は無置換のイミダゾリレン基、置換又は無置換のチアゾリレン基、置換又は無置換のオキサゾリレン基、置換又は無置換のナフチレン基、置換又は無置換のアントリレン基、置換又は無置換のピレニレン基、置換又は無置換のインダニレン基、置換又は無置換のテトラヒドロナフチレン基、置換又は無置換のキノリレン基、イソキノリレン基、置換又は無置換のシンノリニレン基、置換又は無置換のキナゾリニレン基、置換又は無置換のキノキサリニレン基、置換又は無置換のナフチリジニレン基、置換又は無置換のフタラジニレン基、置換又は無置換のインドリレン基、置換又は無置換のイソインドリレン基、置換又は無置換のベンゾフリレン基、置換又は無置換のベンゾチエニレン基、置換又は無置換のインダゾリレン基、置換又は無置換のベンゾイミダゾリレン基、置換又は無置換のベンゾチアゾリレン基、置換若しくは無置換のフェナントリレン基、置換若しくは無置換のアントラキノリレン、又は置換若しくは無置換のアクリジニレンが挙げられる。Dとしては、置換又は無置換のフェニレン基、置換又は無置換のアントリレン基、置換又は無置換のナフチレン基、及び置換若しくは無置換のフェナントリレン基、置換若しくは無置換のアントラキノリレン、又は置換若しくは無置換のアクリジニレンが好ましく、特に置換又は無置換のアントリレン基及び置換又は無置換のナフチレン基が好ましい。
より具体的には、Dは、以下の一般式:
(式中、一方の結合部位がL1又はOに結合し、他方の結合部位がL2又はAに結合する)
で表される2価の芳香族基、及びこれらの芳香族基において芳香環が1〜3個の置換基を有する芳香族基から選択される。
あるいは、Dは、以下の一般式:
(式中、一方の結合部位がL1又はOに結合し、他方の結合部位がL2又はAに結合する)
で表される2価の芳香族基、及びこれらの芳香族基において芳香環が1〜3個の置換基を有する芳香族基から選択される。
あるいは、Dとしては、以下の一般式:
で表される2価の芳香族基、及びこれらの芳香族基において芳香環が1〜3個の置換基を有する芳香族基もまた好ましい。
一般式1のDにおける芳香族基の置換基としては、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選ばれるハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、オキソ基、C1−6アルキル基、C1−6アルキルアミノ基、カルバモイル基、チオカルボキシ基、スルホ基、スルフィノ基、イソシアナト基、ニトロ基、シアノ基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C1−10アルコキシ基、C1−10アシル基、C1−10アルコキシカルボニル基並びにカルボキシル基等を挙げることができる。置換基が複数存在する場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。置換基の数は、好ましくは1〜10個、好ましくは1〜3個である。
一般式1のL1におけるリンカー基は、アミノオキシ基の酸素原子と芳香族基Dを結合する基であって、式1の化合物の反応性を阻害しないものであれば特に制限されない。リンカー基は、通常、2価の有機基、例えば主鎖に1〜15個、好ましくは1〜12個の炭素原子並びに/又は複素原子(酸素、窒素又は硫黄原子)を含む2価の有機基である。主鎖に含まれる原子の数は、リンカー基がつなぐ原子間において最短距離を形成する鎖に含まれる原子の数をさす。L1としては、例えば、−(CH2)o−(OCH2CH2)p−(CH2)q−が挙げられる。ここで、o〜qは、それぞれ独立して0〜15の整数であり、o+p+qは、1〜15である。
L1としては、例えば、以下の一般式3又は4:
(式中、R3は、置換若しくは無置換のC1−9アルキレン基又は−(CH2)o−(OCH2CH2)p−(CH2)q−であり、ここで、o〜qは、それぞれ独立して0〜15の整数であり、o+p+qは、1〜15である)
で表される2価の基も例示できる。一般式3においては、R3がアミノオキシ基の酸素原子に結合し、−NH−の窒素原子が芳香族基Dに結合する。一般式4においては、R3がアミノオキシ基の酸素原子に結合し、−(CO)−の炭素原子が芳香族基Dに結合する。
ここでC1−9アルキレン基の置換基としては、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選ばれるハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、C1−6アルキル基、C1−6アルキルアミノ基、カルバモイル基、チオカルボキシ基、スルホ基、スルフィノ基、イソシアナト基、ニトロ基、シアノ基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C1−10アルコキシ基、C1−10アシル基、C1−10アルコキシカルボニル基並びにカルボキシル基等を挙げることができる。置換基が複数存在する場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。置換基の数は、好ましくは1〜3個である。
一般式1のL2におけるリンカー基は、芳香族基Dと親水性基を含む有機基Aとを結合する基であって、式1の化合物の反応性を阻害しないものであれば特に制限されない。リンカー基は、通常、2価の有機基、例えば主鎖に1〜15個、好ましくは1〜12個の炭素原子及び/又は複素原子(酸素、窒素又は硫黄原子)を含む2価の有機基である。L2としては、例えば、−(CH2)r−(OCH2CH2)s−(CH2)t−が挙げられる。ここで、r〜tは、それぞれ独立して0〜15の整数であり、r+s+tは、1〜15である。
L2としては、例えば、以下の一般式5又は6:
(式中、R4は、置換若しくは無置換のC1−9アルキレン基又は−(CH2)r−(OCH2CH2)s−(CH2)t−であり、ここで、r〜tは、それぞれ独立して0〜15の整数であり、r+s+tは、1〜15である)
で表される2価の基も例示できる。一般式5においては、−NH−の窒素原子が芳香族基Dに結合し、R4が親水性基を有する有機基Aに結合する。一般式6においては、−(CO)−の炭素原子が芳香族基Dに結合し、R4が親水性基を有する有機基Aに結合する。C1−9アルキレン基の置換基は、一般式3又は4について記載したのと同様である。
一般式1のAにおける親水性基を含む有機基は、親水性基を少なくとも1つ含む有機基であれば特に制限されず、親水性基を複数、例えば、2〜3個含んでいてもよい。Aが複数の親水性基を含む場合、それらは同一でも異なっていてもよい。本発明の化合物においてAが親水性基を含むことにより、化合物の水溶性が向上し、標的分子との相互作用を向上させることができる。その結果、アルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基又はケト基を有する分子との反応性を向上させることができる。
有機基Aは、好ましくは親水性基として、置換又は無置換のグアニジノ基、置換又は無置換のポリエチレングリコール基、カルボキシル基、アミノオキシ基及びヒドロキシル基からなる群から選択される少なくとも1つの親水性基、より好ましくは置換又は無置換のグアニジノ基を含む。
グアニジノ基及びポリエチレングリコール基の置換基としては、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選ばれるハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、C1−6アルキル基、C1−6アルキルアミノ基、カルバモイル基、チオカルボキシ基、スルホ基、スルフィノ基、イソシアナト基、ニトロ基、シアノ基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C1−10アルコキシ基、C1−10アシル基、C1−10アルコキシカルボニル基、カルボキシル基並びにグアニジノ基等を挙げることができる。
置換又は無置換のグアニジノ基は、例えば、以下の一般式2:
(式中、X1及びX2は、水素原子又は有機基である)
で表される。ここでX1及びX2における有機基は、グアニジノ基の親水性を妨げるものでなければ特に制限されず、例えば、上記グアニジノ基の置換基が例示できる。
本発明において、置換又は無置換のグアニジノ基には、以下の一般式2’及び2”:
(式中、X3〜X7は、水素原子又は有機基である)
で表される基も包含される。ここでX3〜X7における有機基は、グアニジノ基の親水性を妨げるものでなければ特に制限されず、例えば、上記グアニジノ基の置換基が例示できる。
本発明の化合物におけるアミノオキシ基は、アルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基又はケト基、特にアルデヒド基と高い反応性で共有結合を形成できることから、本発明の化合物は、アミノオキシ基は、アルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基又はケト基を有する化合物、例えば生体分子に、高い反応性で結合させることができる。親水性基として置換又は無置換のグアニジノ基を含む本発明の化合物は、核酸、特に2本鎖の核酸に対し、高い反応性で結合させることができる。
有機基Aは、さらに標識基を有していてもよい。本発明の化合物は、アルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基又はケト基を有する生体分子と高い反応性をもって結合しうることから、有機基Aが標識基を有する本発明の化合物をこのような生体分子と反応させることにより、該生体分子を効率的に標識することができる。従って、一実施形態において本発明は、アルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基又はケト基を有する生体分子を標識するための試薬であって、標識基を有する本発明の化合物を含む前記標識試薬に関する。本発明はまた、本発明の化合物と、アルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基又はケト基を有する生体分子とが結合してなる標識化生体分子であって、該化合物のアミノオキシ基と該生体分子のアルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基又はケト基とが反応して共有結合を形成している、前記標識化生体分子に関する。
アルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基、又はケトン基を有する生体分子としては、ポリペプチド、ポリヌクレオチド及び糖鎖などが挙げられる。ポリペプチドには、ペプチド、オリゴペプチド及びタンパク質が包含される。ポリヌクレオチドには、DNA、RNA及び非天然型核酸等の核酸が包含され、これらは1本鎖でも2本鎖でもよく、又、ポリヌクレオチドにはオリゴヌクレオチドも包含される。本発明においてポリヌクレオチドの塩基長は、通常2〜10000塩基、好ましくは2〜1000塩基である。核酸の任意の位置に、アルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基、又はケトン基を複数導入または生成させることが可能であり、こうして得られたアルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基、又はケトン基を有する非天然型核酸も本発明においてポリヌクレオチドに包含される。また、ポリヌクレオチドには、DNA及びRNAの誘導体、例えば、3’末端のヒドロキシル基が酸化されたアルデヒド基を有するRNA、アベイシックサイトを有するDNA、及びそのヒドロキシル基が酸化されてアルデヒド基となったものも包含される。特に、核酸におけるこれらの基の導入、生成、及びそれらの基に対する標識に関して以下に記載する。
核酸におけるアルデヒド基の生成方法は幾つかの種類に分けることができる。その代表的な方法の一つに、アベイシックサイト(またはアプリニックサイト(APサイト))形成を通してのアルデヒド構造の形成がある。核酸のアベイシックサイトは、核酸の塩基部分が除去された糖部分の構造を示し(図1−a)、閉環と開環構造の平衡で存在している。アベイシックサイトは、閉環状態ではヘミアセタール構造であるが、開環型ではアルデヒド構造となっており、アミノオキシ基を作用させるとそのアルデヒド構造に反応する(図1−b)。
このアベイシックサイトは、天然の核酸や非天然型核酸を酸性条件で処理することによって生成させることができる。非天然型核酸としては、2−ピリミジドン体(Tetrahedron Letters,31,175−178(1990))、2’−デオキシ−キサントシン体(Nucleic Acids Research,31,1045−1051(2003))、1−デアザ−2’−デオキシグアノシン体(Org Lett,7,709−712(2005))などが挙げられる。また、その他にも特別な反応条件でヘミアセタール構造の保護基を脱保護させてアベイシックサイトを形成する2’−デオキシ−D−リボース誘導体(非特許文献6;非特許文献7)なども知られている。
また、上記のように誘導体を用いてアベイシックサイトを生成させる他に、損傷塩基をオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドに導入後、その損傷塩基を除去する酵素で処理し、アベイシックサイトを生成させる方法もある。この損傷塩基には、2’−デオキシウリジン、5−ヒドロキシメチル−2’−デオキシシチジンなどが挙げられ、2’−デオキシウリジンに対してはウラシルNグリコシラーゼを作用させることによってアベイシックサイトを生成させることができる。2’−デオキシウリジンは、化学合成によっても、またそのトリリン酸体(dUTP)を基質に用いてDNAポリメラーゼによる伸張反応を行うことによっても、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチド中に複数導入することが可能である。この2’−デオキシウリジンをDNA中に取り込ませてウラシルNグリコシラーゼを作用させて生成したアベイシックサイトを標識後にDNAを断片化させ、その断片を化学的に標識するキット(Ribo−SPIA(登録商標))も市販されている(特表2005−534304)。この市販キット中に含まれる標識試薬と本発明の試薬の構造は異なり、本発明の試薬を用いることによって、より迅速、かつ高収率で標的核酸を標識することが可能となる。
アベイシックサイトを経由せずにアルデヒド基を核酸中に生成させる方法もある。例えばあらかじめ非天然型核酸をオリゴヌクレオチドに導入し、その後酸化反応を行うことでアルデヒド基を生成させることが可能である(Tetrahedron Letters,37,9067−9070(1996))。また、RNAの場合には、天然型であってもアルデヒド基を形成可能である。例えばRNAの3’末端の2’位、3’位の水酸基を過ヨウ素酸等によって酸化させ、その3’末端にアルデヒド基を発生させることが可能である(図1−c)。この場合、2’位と3’位にアルデヒド基が生じるため、アミノオキシ基及び標識基を有する化合物を作用させると2’位または3’位においてRNAが標識される。
ケトン基を持つ非天然型核酸も報告されており(Org Lett,3,3983−3986(2001))、これらを導入した核酸に対し、本発明のアミノオキシ基を有する化合物を反応させることでケト基に対して標識することも可能である。
標識基は、標識物質を含む基をさす。標識物質としては、生体分子の標識に慣用される標識物質、例えば、放射性同位元素、色素(蛍光色素、発光色素)、ジゴキシゲニン(DIG)、ビオチン、メチレンブルー、フェロセンなどを例示できるがこれらに限定されない。
本発明の化合物が標識基を含む態様において、有機基Aが、上記一般式2のグアニジノ基を含むか、又は一般式2のグアニジノ基である場合は、X1及びX2のどちらかが有機基であり、該有機基が上記標識基であることが好ましい。有機基Aが、上記一般式2’又は2”のグアニジノ基であるかこれを含む場合も、X3〜X5のいずれか、又はX6若しくはX7が標識基であることが好ましい。
その場合、標識物質は、グアニジノ基の窒素原子に直接結合していてもよいし、リンカーを介して結合していてもよい。リンカーとしては、特に制限されないが、通常、2価の有機基、例えば主鎖に1〜15個、好ましくは1〜12個の炭素原子及び/又は複素原子(酸素、窒素又は硫黄原子)を含む2価の有機基である。例えば、−(CH2)v−(OCH2CH2)w−(CH2)x−NH−が挙げられる。ここで、v、w及びxは、それぞれ独立して0〜15の整数であり、v+w+xは、1〜15である。好ましくは、−(CH2)2−(OCH2CH2)2−NH−である。
標識物質としてビオチンを含む標識基(一般式2においては、X1又はX2)としては、以下の式:
で表される基を例示することができる。
有機基Aが、標識基が結合したグアニジノ基を含む有機基である本発明の化合物は、特に、核酸に標識を付すために好適に用いることができる。
本発明の標識試薬によって標識された生体分子は、様々な検出系によって定量可能である。そのため、本標識試薬は検出系、検出機器の影響を受けず、高い汎用性をもつため、広く利用される可能性を有する。
あるいは、有機基Aは、生体分子基を含んでいてもよい。生体分子基は、糖鎖、ポリヌクレオチド(オリゴヌクレオチドを含む)、ポリペプチド(例えば、酵素)などの生体分子を含む基をさす。Aがポリヌクレオチドを含む場合、PCRのプライマーとして用いることができる。例えば、本発明の化合物を標的分子に結合させた後、鋳型DNAと蛍光またはビオチンなどで標識された基質(dNTP)共存下でプライマーの伸長反応を行った場合、ポリヌクレオチドに蛍光物質(またはビオチンなど)が取り込まれ、それによって標的分子が標識される。
有機基Aが、上記一般式2のグアニジノ基を含むか、又は一般式2のグアニジノ基である場合は、X1及びX2のどちらかが有機基であり、該有機基が上記生体分子基であることが好ましい。有機基Aが、上記一般式2’の基を含むか、又は一般式2’の基である場合は、X3〜X5のいずれかが有機基であり、該有機基が上記生体分子基であることが好ましい。上記一般式2”の基を含むか、又は一般式2”の基である場合は、X6及びX7のどちらかが有機基であり、該有機基が上記生体分子基であることが好ましい。その場合、生体分子は、グアニジノ基の窒素原子に直接結合していてもよいし、リンカーを介して結合していてもよい。リンカーは、上記標識基におけるリンカーと同様である。
本発明の化合物におけるアミノオキシ基は、アルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基又はケト基を有する分子、例えば生体分子に、高い反応性で結合することから、担体の表面に本発明の化合物の層を形成し、本発明の化合物を介して生体分子を担体に固定化することができる。従って、一実施形態において本発明は、アルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基又はケト基を有する生体分子を固定化するための生体分子固定化用支持体であって、担体及び該担体表面に存在する本発明の化合物の層を含む、前記支持体に関する。
本発明の化合物の層の形成は、単に本発明の化合物を担体上に塗布することにより実施してもよいし、担体上の官能基と共有結合を形成することにより実施してもよい。
担体上の官能基と共有結合を形成する場合、本発明の化合物における有機基Aは、担体への結合に適した官能基を含むことが好ましい。そのような官能基としては、固定化しようとする担体上に存在する官能基と共有結合を形成しうる基が挙げられ、例えば、活性エステル基、エポキシ基、アルデヒド基、カルボジイミド基、イソチオシアネート基又はイソシアネート基と共有結合しうる基(例えば、アミノ基、アミノオキシ基など)、あるいはマレイミド基又はジスルフィド基と反応しうる基(例えば、メルカプト基など)等が挙げられる。これらの官能基は保護された形態でもよい。保護された形態とは、官能基の水素原子が保護基で置換された形態を意味する。アミノ基、アミノオキシ基などの保護基としては、特に制限されないが、アルキル基、アシル基、カルバメート基、トリアルキルシリル基、フタリル基、カルボキシアルキルカルボニル基、トシル基、トリフルオロアセチル基、トリチル基、及びモノ又はジ置換トリチル基が挙げられる。モノ置換トリチル基としては、例えば、モノアルコキシトリチル基、好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1のアルコキシ基を有するモノアルコキシトリチル基、具体的には、モノメトキシトリチル基、モノエトキシトリチル基、モノプロポキシトリチル基、モノイソプロポキシトリチル基及びモノブトキシトリチル基が挙げられる。
本発明の化合物を結合させる担体の材料としては、例えば、石英ガラス、ホウ珪酸ガラス及びソーダライムガラスなどのガラス、シリコン、金属、繊維、木材、紙、セラミックス、プラスチック(例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂)が挙げられる。本発明においては、ガラス、シリコン、セラミックス又はプラスチックを使用するのが好ましい。上記担体の表面に本発明の化合物の層を形成する。担体に官能基を導入する場合、導入する官能基としては、例えば、活性エステル基、エポキシ基、アミノ基、クロロ基、ジスルフィド基、アルデヒド基、マレイイミド基、カルボジイミド基、イソチオシアナト基、イソシアナト基等が挙げられる。アミノ基またはアミノオキシ基を有する本発明の化合物を結合する場合は、活性エステル基、エポキシ基、アルデヒド基、カルボジイミド基、イソチオシアネート基、イソシアネート基が導入された担体を用いるのが好ましく、メルカプト基を有する本発明の化合物を結合する場合は、マレイミド基、ジスルフィド基が導入された担体を用いるのが好ましい。
担体の形状は、特に制限されず、基板状、糸状、球状、ビーズ状、多角形状、粉末状、多孔質状などが挙げられ、本発明においては基板状が好ましい。
置換又は無置換のグアニジノ基を含む有機基Aを有する本発明の化合物は、核酸に特異的に結合し得ることから、当該化合物を担体に結合させることにより、優れた核酸固定化用支持体を製造することができる。得られた核酸固定化用支持体にDNAなどの核酸を固定化することにより、効率的にマイクロアレイを製造するができる。
本発明の化合物により、特に、RNA及びDNAなどの核酸への標識反応を効率化することができ、遺伝子検出に要する時間を短縮することができる。さらに本発明の化合物の高い反応性によって、検出感度の向上、及び検出値の定量化が可能となり、遺伝子に関わるより詳細な情報を正確に得ることができる。また、担体上に本発明の化合物の層を形成し、その表面上で標的生体分子との結合反応を行う場合にも、担体上で効率的に標的生体分子の捕捉が行えるようになり、生体分子の同定に応用することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されない。
薄層クロマトグラフィーはKieselgel 60F254プレート(Merck社)上で行った。カラムクロマトグラフィーにはWakogel C−200(和光純薬工業)を用いた。1H NMR及び13C NMRはテトラメチルシランを内部標準とし、JEOL JNM−EX270を用いて測定した。
aoNg、化合物6の合成
スキーム1
N 1 −(トリチルアミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物2)
アルゴン雰囲気下、1,5−ジアミノナフタレン(化合物1)440mg(2.80mmol)及びN−トリチルアミノオキシ酢酸1.00g(3.00mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)30mlに溶解し、EDC[塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド]590mg(3.10mmol)を加え、室温で20時間撹拌した。反応液に酢酸エチル200mlを加え、水70mlで4回洗浄した。溶液を減圧下濃縮した後、酢酸エチルで3回共沸し、生じた沈殿を酢酸エチル(20ml)とヘキサン(120ml)の混合溶液に懸濁させた。沈殿を吸引濾過により濾取して標記化合物(化合物2)1.03g(収率72%)を淡茶色粉状物質として得た。
FAB−LRMS m/z 473.3(M+);FAB−HRMS 計算値:473.2103(C31H27N3O2[M+]),実測値:473.2093.
1H NMR(270MHz,DMSO−d6)δ:9.33(br s,1H,NH),8.38(br s,1H,NH),7.93(d,1H,naph,J=8.6Hz),7.64(d,1H,naph,J=7.3Hz),7.34−7.25(m,16H,Tr and naph),7.20(t,1H,naph,J=8.2Hz),6.99(d,1H,naph,J=8.2Hz),6.70(d,1H,naph,J=7.3Hz),5.78(br s,2H,NH2),4.20(s,2H,CH2).
13C NMR(67.8MHz,DMSO−d6)δ:168.26(C),144.96(C),144.01(C),132.13(C),128.70(CH),127.57(CH),126.68(CH),123.05(C),122.76(CH),121.06(CH),119.88(CH),109.15(CH),107.58(CH),73.64(C),73.31(CH2)。
N 1 −[2−(トリフルオロアセチルアミノ)エチルカルボニル]−N 5 −(トリチルアミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物3)
アルゴン雰囲気下、N1−(トリチルアミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物2)1.00g(2.11mmol)及びN−トリフルオロアセチル−β−アラニン780mg(4.22mmol)をジメチルホルムアミド25mlに溶解し、EDC[塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド]810mg(4.22mmol)を加え、室温で17時間撹拌した。反応液に酢酸エチル220mlを加え、水80mlで4回洗浄した。溶液を減圧下濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル−ヘキサン)により精製して標記化合物(化合物3)961mg(収率71%)を白色固体状物質として得た。
FAB−LRMS m/z 640.3(M+);FAB−HRMS 計算値:640.2297(C36H31F3N4O4[M+]),実測値:640.2308.
1H NMR(270MHz,DMSO−d6)δ:10.04(s,1H,NH),9.61(s,2H,NH and NH),8.36(s,1H,NH),7.94(d,1H,naph,J=8.6Hz),7.74−7.69(m,3H,naph),7.55−7.48(m,2H,naph),7.35−7.25(m,15H,Tr),4.23(s,2H,CH2),3.56(br t,2H,CH2,J=6.8Hz),2.78(t,2H,CH2,J=6.8Hz).
13C NMR(67.8MHz,DMSO−d6)δ:169.27(C),168.76(C),156.12(C,q,J=35.8Hz),144.01(C),133.57(C),132.73(C),128.73(CH),128.46(C),128.41(C),127.58(CH),126.70(CH),125.36(CH),125.11(CH),122.04(CH),120.52(CH),119.67(CH),115.80(C,q,J=287.9Hz),73.67(C),73.33(CH2),36.04(CH2),34.80(CH2)。
N 1 −(2−アミノエチルカルボニル)−N 5 −(トリチルアミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物4)
N1−[2−(トリフルオロアセチルアミノ)エチルカルボニル]−N5−(トリチルアミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物3)950mg(1.48mmol)にエタノール40ml及び濃アンモニア水20mlを加えて耐圧ガラス容器に密封し、60℃で4時間加熱した。溶液を室温に戻した後、減圧下濃縮し、残渣をアセトニトリルで3回共沸して標記化合物(化合物4)を淡黄色泡状物質として得た。本化合物はこれ以上の精製を行わず、次の反応に用いた。
FAB−LRMS m/z 545.4(MH+);FAB−HRMS 計算値:545.2553(C34H33N4O3[MH+]),実測値:545.2573.
1H NMR(270MHz,DMSO−d6)δ:10.19(s,1H,NH),9.62(s,1H,NH),8.34(s,1H,NH),7.98(d,1H,naph,J=8.2Hz),7.80(br s,2H,NH2),7.75−7.70(m,3H,naph),7.58−7.49(m,2H,naph),7.38−7.25(m,15H,Tr),4.23(s,2H,CH2),3.16(t,2H,CH2,J=6.6Hz),2.89(t,2H,CH2,J=6.6Hz).
13C NMR(67.8MHz,DMSO−d6)δ:168.89(C),168.78(C),143.98(C),133.29(C),132.77(C),128.70(CH),128.49(C),128.29(C),127.56(CH),126.70(CH),125.32(CH),125.19(CH),122.13(CH),121.94(CH),120.49(CH),119.82(CH),73.64(C),73.30(CH2),35.11(CH2),32.82(CH2)。
N 1 −(2−グアニジノエチルカルボニル)−N 5 −(トリチルアミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物5)
アルゴン雰囲気下、前反応により合成したN1−(2−アミノエチルカルボニル)−N5−(トリチルアミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物4)全量(1.48mmol)をジメチルホルムアミド15mlに溶解し、塩酸1H−ピラゾール−1−カルボキシアミジン320mg(2.20mmol)及びトリエチルアミン0.61ml(4.40mmol)を加え、室温で6時間撹拌した。反応液に酢酸エチル150mlを加え、水50mlで4回洗浄した。溶液を減圧下濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:エタノール−クロロホルム)により精製して標記化合物(化合物5)567mg(収率66%)を淡茶色泡状物質として得た。
FAB−LRMS m/z 587.3(MH+);FAB−HRMS 計算値:587.2771(C35H35N6O3[MH+]),実測値:587.2772.
1H NMR(270MHz,DMSO−d6)δ:10.11(s,1H,NH),9.61(s,1H,NH),8.34(s,1H,NH),7.96(m,1H,naph),7.75−7.70(m,3H,naph),7.67(br s,1H,NH),7.57−7.48(m,2H,naph),7.38−7.26(m,15H,Tr),7.25(br s,3H,NH2 and NH),4.23(s,2H,CH2),3.49(dt,2H,CH2,J=5.6,6.3Hz),2.79(t,2H,CH2,J=6.3Hz).
13C NMR(67.8MHz,DMSO−d6)δ:169.39(C),168.60(C),156.52(C),143.83(C),133.30(C),132.60(C),128.55(CH),128.33(C),128.22(C),127.40(CH),126.53(CH),125.17(CH),125.02(CH),121.93(CH),121.79(CH),120.36(CH),119.62(CH),73.49(C),73.14(CH2),36.97(CH2),34.88(CH2)。
N 5 −(アミノオキシアセチル)−N 1 −(2−グアニジノエチルカルボニル)−1,5−ジアミノナフタレン・2塩酸塩(化合物6)
アルゴン雰囲気下、N1−(2−グアニジノエチルカルボニル)−N5−(トリチルアミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物5)59mg(0.10mmol)を塩化メチレン4.0mlに溶解し、濃塩酸60μlを加え、室温で2.5時間撹拌した。反応液中に生じた白色の沈殿物質を塩化メチレンで洗浄した後に、エタノール(2ml)とジエチルエーテル(3ml)の混合溶液に懸濁させ、沈殿を吸引濾過により濾取して標記化合物(化合物6)26mg(収率62%)を白色粉状物質として得た。
FAB−LRMS m/z 345.2(MH+);FAB−HRMS 計算値:345.1675(C16H21N6O3[MH+]),実測値:345.1687.
1H NMR(270MHz,DMSO−d6)δ:11.01(br s,1H,NH),10.40(s,1H,NHCO),10.24(s,1H,NHCO),7.99(t,2H,naph,J=8.1Hz),7.78(br t,1H,NH,J=5.8Hz),7.73−7.69(m,2H,naph),7.56(dd,1H,naph,J=4.0,8.3Hz),7.53(dd,1H,naph,J=4.0,7.9Hz),7.28(br s,4H),4.92(s,2H,CH2),3.50(dt,2H,CH2,J=5.8,6.3Hz),2.80(t,2H,CH2,J=6.3Hz)。
13C NMR(67.8MHz,DMSO−d6)δ:169.50(C),166.87(C),156.81(C),133.43(C),132.58(C),128.53(C),128.47(C),125.25(CH),125.11(CH),122.13(CH),122.06(CH),120.76(CH),120.19(CH),72.15(CH2),37.17(CH2),35.18(CH2)。
aoNg−biotin試薬(以下aoNg−bio;化合物10)の合成
スキーム2
N 1 −〔2−(N 3 −フルオレニルメチルオキシカルボニルチオウレイド)エチルカルボニル〕−N 5 −(トリチルアミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物7)
アルゴン雰囲気下、N1−(2−アミノエチルカルボニル)−N5−(トリチルアミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物4)(化合物3より前述の方法により合成、1.00mmol)を塩化メチレン−アセトニトリルの混合溶液(1:2)15mlに溶解した。別のガラス容器にフルオレニルメチルオキシカルボニルイソチオシアナート310mg(1.10mmol)およびジイソプロピルエチルアミン0.19ml(1.10mmol)を塩化メチレン20mlに溶解し、ここに上記化合物4の溶液をゆっくりと滴下して加え、さらに室温で1時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、生じた沈殿を酢酸エチル(15ml)とヘキサン(30ml)の混合溶液に懸濁させた。沈殿を吸引濾過により濾取して標記化合物(化合物7)780mg(収率94%)を淡茶色粉状物質として得た。
FAB−LRMS m/z 825.2(M+);FAB−HRMS 計算値:825.2985(C50H43N5O5S[M+]),実測値:825.2985.
1H NMR(270MHz,DMSO−d6)δ:11.42(br s,1H,NH),10.16(br t,1H,NH,J=5.5Hz),10.07(br s,1H,NH),9.58(br s,1H,NH),8.35(br s,1H,NH),7.93(m,1H,naph),7.91−7.82(m,4H,Fmoc),7.73−7.67(m,3H,naph),7.52−7.38(m,4H,naph and Fmoc),7.36−7.24(m,17H,Fmoc and Tr),4.36−4.33(m,2H,Fmoc−CH2),4.29−4.25(m,1H,Fmoc−CH),4.23(s,2H,CH2),3.95(dd,2H,CH2,J=5.5,6.1Hz),2.89(t,2H,CH2,J=6.1Hz)。
13C NMR(67.8MHz,DMSO−d6)δ:179.14(C),169.96(C),168.71(C),153.10(C),143.98(C),143.10(C),140.50(C),133.47(C),132.71(C),128.70(CH),128.41(C),128.31(C),127.64(CH),127.56(CH),126.95(CH),126.69(CH),125.42(CH),125.34(CH),125.10(CH),121.93(CH),120.44(CH),119.97(CH),119.63(CH),73.64(C),73.31(CH2),67.14(CH2),45.99(CH),40.93(CH2),34.19(CH2)。
N 1 −〔2−(N 3 −{2−〔2−(2−ビオチニルアミノエトキシ)エトキシ〕エチル}−N 2 −フルオレニルメチルオキシカルボニルグアニジノ)エチルカルボニル〕−N 5 −(トリチルアミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物8)
アルゴン雰囲気下、N1−〔2−(N3−フルオレニルメチルオキシカルボニルチオウレイド)エチルカルボニル〕−N5−(トリチルアミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物7)410mg(0.50mmol)をジメチルホルムアミド15mlに溶解し、0℃に冷却した。この溶液にジイソプロピルエチルアミン0.26ml(1.50mmol)を加えた後、(+)−ビオチニル−3,6−ジオキサオクタンジアミン・2/3酢酸塩310mg(0.75mmol)および塩化第二水銀205mg(0.75mmol)のジメチルホルムアミド溶液(7ml)をゆっくりと滴下して加え、さらに0℃で1時間撹拌した。反応液に酢酸エチル80mlを加えた後、セライト濾過により沈殿物を除去した。ろ液に酢酸エチルを加えて全量を150mlとし、水50mlで4回洗浄した。溶液を減圧下濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:エタノール−クロロホルム)により精製して標記化合物(化合物8)300mg(収率51%)を白色泡状物質として得た。
FAB−LRMS m/z 1166.6(MH+);FAB−HRMS 計算値:1166.5174(C66H72N9O9S[MH+]),実測値:1166.5165。
1H NMR(270MHz,DMSO−d6)δ:10.05(br s,1H,NH),9.58(br s,1H,NH),8.35(br s,1H,NH),7.95−7.87(m,3H,naph and Fmoc),7.81(br t,1H,NH,J=5.6Hz),7.72−7.63(m,5H,naph and Fmoc),7.52−7.37(m,4H,naph and Fmoc),7.34−7.24(m,17H,Fmoc and Tr),6.40(br s,1H,NH),6.35(br s,1H,NH),4.30−4.23(m,6H),4.09(m,1H),3.51(m,8H),3.40−3.36(m,4H),3.18(m,2H),3.05(m,1H),2.82−2.76(m,3H),2.56(d,1H,J=12.2Hz),2.05(t,2H,J=7.3Hz),1.62−1.37(m,4H),1.33−1.27(m,2H)。
N 1 −〔2−(N 3 −{2−〔2−(2−ビオチニルアミノエトキシ)エトキシ〕エチル}−N 2 −フルオレニルメチルオキシカルボニルグアニジノ)エチルカルボニル〕−N 5 −(アミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物9)
アルゴン雰囲気下、N1−〔2−(N3−{2−〔2−(2−ビオチニルアミノエトキシ)エトキシ〕エチル}−N2−フルオレニルメチルオキシカルボニルグアニジノ)エチルカルボニル〕−N5−(トリチルアミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物8)292mg(0.25mmol)を塩化メチレン10mlに溶解し、トリフルオロ酢酸280μl(3.8mmol)およびトリイソプロピルシラン510μl(2.5mmol)を加えて室温で30分撹拌した。反応液にクロロホルム60mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム溶液30mlで2回、水30mlで1回、飽和食塩水30mlで1回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥した。有機層を減圧下濃縮した後、生じた沈殿をクロロホルム2.5mlとエタノール2.5mlの混合溶媒に溶解し、この溶液を撹拌させたジエチルエーテル25mlに滴下した。生じた白色の沈殿物質を吸引濾過により濾取して標記化合物(化合物9)184mg(収率80%)を白色粉状物質として得た。
FAB−LRMS m/z 924.4(MH+);FAB−HRMS 計算値:924.4078(C47H58N9O9S[MH+]),実測値:924.4053.
1H NMR(270MHz,DMSO−d6)δ:10.17(br s,1H,NH),9.95(br s,1H,NH),7.97−7.89(m,4H,naph and Fmoc),7.82(br t,1H,NH,J=5.5Hz),7.71−7.66(m,4H),7.53(t,2H,J=7.6Hz),7.42(t,2H,J=7.3Hz),7.31(m,2H),6.41(br s,1H,NH),6.37(br s,1H,NH),4.46(m,2H),4.37(s,2H,CH2),4.34−4.26(m,2H),4.10(m,1H),3.55−3.47(m,8H),3.39−3.34(m,4H),3.17(m,2H),3.05(m,1H),2.87(m,2H),2.79(dd,1H,J=5.3,12.2Hz),2.56(d,1H,J=12.2Hz),2.04(t,2H,J=7.4Hz),1.62−1.37(m,4H),1.27(m,2H).
13C NMR(67.8MHz,DMSO−d6)δ:172.05(C),169.16(C),162.59(C),143.41(C),140.64(C),133.36(C),133.16(C),128.92(C),128.54(C),127.65(CH),127.03(CH),125.31(CH),125.23(CH),125.04(CH),122.50(CH),122.17(CH),120.56(CH),120.38(CH),120.10(CH),73.88(CH2),69.57(CH2),69.29(CH2),69.01(CH2),67.02(CH2),60.91(CH),59.06(CH),55.31(CH),46.22(CH),39.72(CH2),38.26(CH2),34.97(CH2),28.08(CH2),27.92(CH2),25.14(CH2)。
N 1 −〔2−(N 3 −{2−〔2−(2−ビオチニルアミノエトキシ)エトキシ〕エチル}グアニジノ)エチルカルボニル〕−N 5 −(アミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物10)
アルゴン雰囲気下、N1−〔2−(N3−{2−〔2−(2−ビオチニルアミノエトキシ)エトキシ〕エチル}−N2−フルオレニルメチルオキシカルボニルグアニジノ)エチルカルボニル〕−N5−(アミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物9)50mg(0.054mmol)を1,4−ジオキサン3mlとメタノール3mlの混合溶媒に溶解し、ピペリジン220μl(2.2mmol)を加えて室温で20時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣を水30mlに溶解し、クロロホルム20mlで6回洗浄した。水層を減圧下濃縮後、凍結乾燥して標記化合物(化合物10)35mg(収率93%)を白色綿状物質として得た。
FAB−LRMS m/z 702.4(MH+);FAB−HRMS 計算値:702.3397(C32H48N9O7S[MH+]),実測値:702.3405.
1H NMR(270MHz,DMSO−d6)δ:10.11(br s,1H,NH),9.88(br s,1H,NH),7.96(d,1H,naph,J=8.6Hz),7.90(d,1H,naph,J=8.3Hz),7.84(t,1H,NH,J=5.3Hz),7.71−7.65(m,2H,naph),7.58−7.50(m,2H,naph),6.57(br s,2H,NH2O),6.41(br s,1H,NH),6.37(br s,1H,NH),4.30(m,1H,bio),4.27(s,2H,CH2),4.11(m,1H),3.52(m,8H),3.39(t,2H,J=5.8Hz),3.31(m,2H),3.19(m,2H),3.07(m,1H),2.84−2.78(m,3H),2.57(d,1H,J=12.2Hz),2.06(t,2H,J=7.3Hz),1.64−1.41(m,4H),1.29(m,2H).
13C NMR(67.8MHz,DMSO−d6)δ:172.10(C),169.73(C),169.69(C),162.59(C),155.86(C),133.39(C),133.30(C),129.03(C),128.47(C),125.31(CH),125.23(CH),122.63(CH),122.00(CH),120.53(CH),120.37(CH),74.30(CH2),69.57(CH2),69.31(CH2),69.01(CH2),68.46(CH2),60.91(CH),59.06(CH),55.31(CH),40.96(CH2),39.83(CH2),38.25(CH2),37.28(CH2),34.98(CH2),34.91(CH2),28.08(CH2),27.93(CH2),25.15(CH2)。
(実施例2)Bisアミノオキシナフタレン試薬(以下aoNao;化合物12)の合成
スキーム3
N 1 ,N 5 −ビス(トリチルアミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物11)
アルゴン雰囲気下、1,5−ジアミノナフタレン(化合物1)158mg(1.00mmol)をピリジン30mlに溶解し、N−トリチルアミノオキシ酢酸333mg(1.00mmol)およびEDC[塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド]230mg(1.20mmol)を加え、室温で撹拌した。反応開始3時間後、6時間後にそれぞれN−トリチルアミノオキシ酢酸333mg(1.00mmol)およびEDC230mg(1.20mmol)を追加して、さらに室温で16時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、沈殿を水20mlに懸濁し、酢酸エチル50mlで1回、クロロホルム20mlで3回洗浄した。水層の白色沈殿物質を吸引濾過により濾取し、さらにエタノールおよびエーテルで洗浄して標記化合物(化合物11)550mg(収率70%)を白色粉状物質として得た。
FAB−LRMS m/z(+NaI)789.3(MH+),811.3([M+Na]+);FAB−HRMS 計算値:811.3260(C52H44N4O4Na[M+Na]+),実測値:811.3274。
1H NMR(270MHz,DMSO−d6)δ:9.62(br s,2H,NH),8.36(br s,2H,NH),7.77−7.71(m,4H,naph),7.52(t,2H,naph,J=7.9Hz),7.41−7.25(m,30H,Tr),4.23(s,4H,CH2)。
13C NMR(67.8MHz,DMSO−d6)δ:168.89(C),144.07(C),132.90(C),128.78(CH),127.63(CH),126.76(CH),125.43(CH),123.80(C),122.15(CH),120.11(CH),73.61(C),73.27(CH2)。
N 1 ,N 5 −ビス(アミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物12)
アルゴン雰囲気下、N1,N5−ビス(トリチルアミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物11)394mg(0.50mmol)をクロロホルム20mlに懸濁して氷冷し、トリフルオロ酢酸0.94ml(10.0mmol)およびトリイソプロピルシラン1.02ml(5.0mmol)を加えた。反応液を室温に戻して3.5時間撹拌した。反応液に水40mlおよびクロロホルム10mlを加えて沈殿物を溶解した後に分液し、さらに水層をクロロホルム30mlで2回、酢酸エチル30mlで1回洗浄した。続いて、水層にアセトニトリル60mlを加えた後、DOWEW(1×4−100(OH−フォーム)により中和した。DOWEW(1×4−100を濾過して除き、さらに80%のアセトニトリル水溶液でDOWEW(1×4−100を洗浄した。溶液を合わせて減圧下濃縮した後、残渣を水30mlに溶解してC−18カラムカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:水−アセトニトリル)により精製することで、標記化合物(化合物12)109mg(収率72%)を白色粉状物質として得た。
FAB−LRMS m/z 305.2(MH+);FAB−HRMS 計算値:305.1250(C14H17N4O4[MH+]),実測値:305.1259.
1H NMR(270MHz,DMSO−d6)δ:9.88(s,2H,NH),7.93(d,2H,naph,J=8.6Hz),7.66(d,2H,naph,J=7.2Hz),7.54(dd,2H,naph,J=7.2,8.6Hz),6.57(s,4H,NH2),4.28(s,4H,CH2)。
13C NMR(67.8MHz,DMSO−d6)δ:169.75(C),133.35(C),129.11(C),125.41(CH),122.66(CH),120.75(CH),74.42(CH2)。
(実施例3)オリゴヌクレオチドの合成と精製
オリゴヌクレオチドの合成はApplied Biosystems 394型DNA/RNAシンセサイザー上で行った。0.2又は1μmolスケールで合成した。HPLCにはGilsonの装置を用い、分析はWaters996フォトダイオードアレイ検出器を用いて行った。
A溶液 5% アセトニトリル/0.1M TEAA(pH7.0)
B溶液 25% アセトニトリル/0.1M TEAA(pH7.0)
カラム温度:50℃
カラムは、μ−ボンダスフィアー(C−18)カラムΦ3.9x150mm(ウォーターズ製)を使用した。
イオン交換HPLC溶液
A溶液 20% アセトニトリル
B溶液 20% アセトニトリル、2M ギ酸アンモニウム
カラム温度:50℃
カラムは、TSK−GEL DEAE−2SW Φ4.6x250mm(東ソー社)を使用した。
HPLC条件
条件1 B溶液の% 20→40%/20分
条件2 B溶液の% 35→55%/20分
(実施例4)オリゴヌクレオチド(RNA)の酸化反応
オリゴヌクレオチド(F−Lr17X:X=A,G,C,U)(1.6nmol)を、100mMリン酸バッファー(pH7)及び800μM過ヨウ素酸ナトリウムに溶解し(反応液総量200μl)、37℃、90分で酸化反応を行った。反応後、NAP10カラム(GEヘルスケア)で脱塩し、得られた酸化オリゴヌクレオチド(F−Lr17Xox)をUV定量した。
(実施例5)酸化オリゴヌクレオチド(RNA)へのARP、aoNgの標識反応
一本鎖への反応
酸化オリゴヌクレオチド(F−Lr17Xox;X=A,G,C,U)(12pmol)を1Mリン酸バッファー(pH7)3μl及び滅菌水21μlに溶解した後、あらかじめ滅菌水に溶解させた2mM 標識試薬(ARP又は実施例1で調製したaoNg)6μlを加え、37℃で反応を開始した。ARP(Aldehyde Reactive Probe;DOJINDO社)は、以下の構造を有する。
一定時間後に2.5μlをサンプリングしてloading solution mix 5μl(50mM EDTA,10M 尿素,0.1% BPB;4μl、40mM グルタルアルデヒド;1μlを混合して調製)に加えて反応を止めた。その後、変性20%ポリアクリルアミドゲル(19:1)で解析した。各バンドのフルオレセインの蛍光強度を測定し、反応効率を算出した。反応の結果を図2に示した。
二本鎖での反応
二本鎖で反応を行う場合は、酸化オリゴヌクレオチド(F−Lr17Xox)(12pmol)に相補鎖AS32Y(24pmol)を加えて、その他の反応条件は一本鎖の反応と同様に行った。
F−Lr17Xoxの一本鎖(ss F−Lr17Xox)、及び相補鎖(AS32Y)の2本鎖について、ARP又はaoNgとの結合率を測定し、見かけの反応速度定数を算出した。RNAの3’末端の塩基の種類がいずれの場合でも、aoNgはARPよりも高い反応性を示した。また、一本鎖よりも二本鎖を形成した場合に、反応効率が上がることが明らかになった。
(実施例6)RNAの、酸化から標識の連続反応
実施例4、5では、あらかじめRNAを酸化して精製した後に標識反応を行った。次にRNAの酸化から標識までを連続して行うことが可能であるかを確かめる実験を行った。RNA(F−Lr17X;X=A,G,C,U)(12pmol)を、150mMリン酸バッファー(pH7)及び150μM過ヨウ素酸ナトリウムに溶解し(反応液総量20μl)、37℃、60分で酸化反応を行った。続いて2mM DTT 5μlを添加して37℃、30分加温し、240μM aoNg(又はaoNg−bio)5μlを加えて37℃で標識反応を行った(反応液総量30μl)。実施例5と同様に一定時間後にサンプリングして解析した。反応の結果、酸化に用いた過剰の過ヨウ素酸ナトリウムを還元することで、酸化から標識反応まで連続して行えることを確認した。
(実施例7)アベイシックサイトを含むオリゴヌクレオチドの合成
アベイシックホスホロアミダイト試薬(Glen Res.社)を用いて、アベイシックサイト(Z)を含むオリゴヌクレオチド(F−20Z)を合成した。F−20Zは、5’ F−GAATTGCTTGGAAGAZGTTT 3’を表す。合成したオリゴヌクレオチドは、通常の方法に従い濃アンモニア水で脱保護反応を行った後、40%酢酸4mLを加えて室温で4時間攪拌しTBDMS基の脱保護を行った。反応後、減圧下酢酸を留去し、さらに水を加えて減圧下で溶媒を留去した。この操作を数回繰り返して酢酸を取り除いた。その後、滅菌水にオリゴヌクレオチドを溶解し、逆相HPLC、イオン交換HPLCによって精製した。F−20Zの相補鎖となるSp35も同様に合成し精製した(表4、表5)。Sp35Cは、3’ CGAAAGTAACCTTAACGAACCTTCTCCAAAGAACGA 5’を表す。各HPLCの条件は、F−Lr17X及びAS32Yの精製と同様とした。
条件1 B溶液の% 20→40%/20分
条件2 B溶液の% 35→55%/20分
条件3 B溶液の% 30→50%/20分
(実施例8)アベイシックサイトを含むオリゴヌクレオチドの酸化
実施例7で調製したアベイシックサイトを含むオリゴヌクレオチドF−20Z(2.6nmol)を、100mMリン酸バッファー(pH7)及び10mM 過ヨウ素酸ナトリウムに溶解し、37℃、60分で酸化反応を行った。反応後、NAP5カラム(GEヘルスケア)で脱塩し、濃縮後、変性20%ポリアクリルアミドゲル(19:1)によって精製した。ゲル片からはYMCカートリッジ(100mg/1ml)を用いて脱塩した。得られた酸化オリゴヌクレオチド(F−20Zox)をUVで定量し、反応に供した。
(実施例9)アベイシックサイトへのARP、aoNgの標識反応
一本鎖への反応
酸化されたF−20Zox(12pmol)を1M リン酸緩衝液(pH7)3μl及び滅菌水15μlに溶解し、90℃で1分加熱し氷冷した。10秒後に室温で5分放置して37℃で5分間プレインキュベーションした。続いて、あらかじめ滅菌水に溶解しておいた標識試薬(5mM ARP又はaoNg)12μlを加えて37℃、42℃又は47℃で標識反応を開始した。一定時間後に2.5μlをサンプリングしてloading solution mix 5μl(50mM EDTA,10M 尿素,0.1% BPB;4μl、200mM グルタルアルデヒド;1μlを混合して調製)に加えて反応を止めた。その後、変性20%ポリアクリルアミドゲル(19:1)で解析した。各バンドのフルオレセインの蛍光強度を測定し、反応効率を算出した。反応の結果を図3に示す。
二本鎖での反応
二本鎖で反応を行う場合は、酸化オリゴヌクレオチド(F−20Zox)(12pmol)に相補鎖Sp35C(14.4pmol)を加え、その他の反応条件は一本鎖の反応と同様に行った。反応の結果を図3に示す。
F−20Z中のアベイシックサイトZに対して試薬が反応した。DNAに対しても、aoNgの方が高い反応性を示した。特に二本鎖に対してはARPの反応効率は一本鎖と同じであったが、aoNgでは反応効率が大きく向上した。
(実施例10)2’−デオキシウリジン(dU)を含むオリゴヌクレオチドの合成と精製
5’末端がフルオレセインで標識され、dUを鎖内にもったオリゴヌクレオチド(F−20dU)およびその相補鎖(Sp20dU)は、2’−デオキシウリジンホスホロアミダイト試薬(Glen Res.社)を用いてDNA自動合成機によって合成した。F−20dUは、5’ F−GAATTGCTdUGGAAGAGGTTT 3’を、Sp20dUは、3’ CTTAACGAdUCCTTCTCCAAA 5’を表す。合成オリゴヌクレオチドは通常の方法に従って脱保護した後、逆相HPLCで分取、精製した(表6)。HPLCの条件などを以下に示す。
A溶液 5% アセトニトリル/0.1M TEAA(pH7.0);
B溶液 25% アセトニトリル/0.1M TEAA(pH7.0)
カラム温度:室温
カラムは、Inertsil ODS−3(C−18)カラムΦ3.0x300mm(GL Science社)を使用した。
HPLC条件
条件4 B溶液の% 40→60%/20分
(実施例11)2’−デオキシウリジンを含むDNAへのARP、aoNg、aoNg−bioの標識反応
本発明の化合物が2’−デオキシウリジン(dU)とウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)から生成したアベイシックサイトに反応するかどうかを評価する実験を行った。
dUを含むDNA、F−20dU(12pmol)と、その相補鎖(Sp35C;24pmol)を、UDGバッファー(x10,3μl)を含む溶液(総量29.5μl)に溶解させた。Sp35Cは、3’ CGAAAGTAACCTTAACGAACCTTCTCCAAAGAACGA 5’を表す。反応液を90℃で1分加熱し氷冷した後、37℃で5分間プレインキュベーションし、そこにUDG(1unit,0.5μl)を加え、総量30μlで37℃、60分間反応を行った。その後、90℃で1分加熱して酵素を失活させ、氷冷で10分、室温で5分放置した。この反応液にあらかじめ溶解させた10mMに調整した標識試薬(ARP、aoNg、aoNg−bio)6μlを加えて37℃で標識反応を開始した。一定時間後に2.5μlをサンプリングしてloading solution mix 5μl(50mM EDTA,10M 尿素,0.1% BPB;4μl、200mM グルタルアルデヒド;1μlを混合して調製)に加えて反応を止めた。その後、変性20%ポリアクリルアミドゲル(19:1)で解析した(図4)。各バンドのフルオレセインの蛍光強度を測定し、反応効率を算出した(図4)。
aoNg、ARP、aoNg−bioの反応速度定数は、それぞれ0.51min−1、0.03min−1、0.17min−1であったことから、aoNgおよびaoNg−bioの方が高い反応効率を示すことが明らかとなった。
(実施例12)aoNaoのDNAへの反応
dUを含むDNA、F−20dU(12pmol)と、その相補鎖(Sp20dU;13.2pmol)を、UDGバッファー(x10,3μl)を含む溶液(総量29.5μl)に溶解させた。Sp20dUは、3’ CTTAACGAdUCCTTCTCCAAA 5’を表す。反応液を90℃で1分加熱し氷冷した後、37℃で5分間プレインキュベーションし、そこにUDG(1unit,0.5μl)を加え、総量30μlで37℃、60分間反応を行った。その後、90℃で1分加熱して酵素を失活させ、氷冷で10分、室温で5分放置した。この反応液にあらかじめ溶解させた2mM aoNao 6μlを加えて37℃で標識反応を開始した。同様の反応をF−20dU、1本鎖のみでも行った。一定時間後に3μlをサンプリングしてloading solution mix 5μl(50mM EDTA,10M 尿素,0.1% BPB;4μl、200mM グルタルアルデヒド;1μlを混合して調製)に加えて反応を止めた。その後、変性20%ポリアクリルアミドゲル(19:1)で解析した(図5)。各バンドのフルオレセインの蛍光強度を測定し、反応効率を算出した(図5)。aoNaoは2本鎖間を架橋するように反応できることを確認した。
(実施例13)aoNdg−biotin試薬(以下aoNdg−bio;化合物16)の合成
スキーム4
1−(N 3 −フルオレニルメチルオキシカルボニルチオウレイド)−N 5 −(トリチルアミノオキシアセチル)−5−アミノナフタレン(化合物13)
アルゴン雰囲気下、フルオレニルメチルオキシカルボニルイソチオシアナート850mg(3.01mmol)およびジイソプロピルエチルアミン0.52ml(3.01mmol)を塩化メチレン30mlに溶解し、0℃に冷却した。ここにN1−(トリチルアミノオキシアセチル)−1,5−ジアミノナフタレン(化合物2)1.19g(2.51mmol)の塩化メチレン溶液(30ml)をゆっくりと滴下して加え、さらに室温に戻して1.5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル−ヘキサン)により精製して標記化合物(化合物13)1.04g(収率55%)を白色固体状物質として得た。
FAB−LRMS m/z 755.3(MH+),777.2([M+Na]+);FAB−HRMS 計算値:777.2511(C47H38N4O4SNa[M+Na]+),実測値:777.2486.
1H NMR(270MHz,DMSO−d6)δ:11.81(s,1H,NH),11.60(s,1H,NH),9.66(s,1H,NH),
8.37(s,1H,NH),7.94−7.85(m,6H),7.78−7.68(m,3H),7.61−7.53(m,1H),7.49−7.41(m,2H),7.38−7.27(m,17H),4.49(d,2H,Fmoc−CH2,J=7.3Hz),4.37(t,1H,Fmoc−CH,J=7.3Hz),4.23(s,2H,CH2).
13C NMR(67.8MHz,DMSO−d6)δ:180.59(C),168.96(C),153.56(C),144.08(C),143.23(C),140.65(C),134.68(C),133.14(C),129.79(C),128.79(CH),128.61(C),127.77(CH),127.64(CH),127.07(CH),126.77(CH),126.10(CH),125.58(CH),125.43(CH),125.31(CH),122.34(CH),121.98(CH),121.28(CH),120.08(CH),119.93(CH),73.62(C),73.30(CH2),67.42(CH2),45.99(CH)。
1−(N 3 −{2−〔2−(2−ビオチニルアミノエトキシ)エトキシ〕エチル}−N 2 −フルオレニルメチルオキシカルボニルグアニジノ)−N 5 −(トリチルアミノオキシアセチル)−5−アミノナフタレン(化合物14)
アルゴン雰囲気下、1−(N3−フルオレニルメチルオキシカルボニルチオウレイド)−N5−(トリチルアミノオキシアセチル)−5−アミノナフタレン(化合物13)910mg(1.20mmol)をジメチルホルムアミド20mlに溶解して0℃に冷却した。この溶液に(+)−ビオチニル−3,6−ジオキサオクタンジアミン540mg(1.44mmol)、塩化第二水銀360mg(1.32mmol)およびジイソプロピルエチルアミン0.50ml(2.88mmol)のジメチルホルムアミド溶液(15ml)をゆっくりと滴下して加え、さらに0℃で1.5時間撹拌した。反応液に酢酸エチル150mlを加えた後、セライト濾過により沈殿物を除去した。ろ液に酢酸エチルを加えて全量を350mlとし、水120mlで4回、飽和食塩水120mlで1回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:エタノール−クロロホルム)により精製して標記化合物(化合物14)963mg(収率73%)を白色泡状物質として得た。
FAB−LRMS m/z 1095.5(MH+);FAB−HRMS 計算値:1095.4803(C63H67N8O8S[MH+]),実測値:1095.4796.
1H NMR(270MHz,DMSO−d6)δ:9.61(br s,1H,NH),8.33(br s,1H,NH),7.89−7.75(m,6H),7.61−7.47(m,3H),7.42−7.25(m,20H),6.39(br s,1H,NH),6.33(br s,1H,NH),4.30−4.24(m,6H),4.10(m,1H),3.49(m,6H),3.38−3.33(m,4H),3.16(m,2H),3.06(m,1H),2.79(dd,1H,J=5.3,12.2Hz),2.56(d,1H,J=12.2Hz),2.04(t,2H,J=7.3Hz),1.63−1.37(m,4H),1.32−1.23(m,2H)。
1−(N 3 −{2−〔2−(2−ビオチニルアミノエトキシ)エトキシ〕エチル}−N 2 −フルオレニルメチルオキシカルボニルグアニジノ)−N 5 −(アミノオキシアセチル)−5−アミノナフタレン(化合物15)
アルゴン雰囲気下、1−(N3−{2−〔2−(2−ビオチニルアミノエトキシ)エトキシ〕エチル}−N2−フルオレニルメチルオキシカルボニルグアニジノ)−N5−(トリチルアミノオキシアセチル)−5−アミノナフタレン(化合物14)170mg(0.16mmol)を塩化メチレン15mlに溶解して0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸180μl(2.4mmol)およびトリイソプロピルシラン330μl(1.6mmol)を加えた。反応液を室温に戻して30分撹拌した後、反応液にクロロホルム65mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム溶液35mlで1回、水35mlで1回、飽和食塩水35mlで1回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:メタノール−クロロホルム)により精製して標記化合物(化合物15)86mg(収率65%)を白色泡状物質として得た。
FAB−LRMS m/z 853.4(MH+);FAB−HRMS 計算値:853.3707(C44H53N8O8S[MH+]),実測値:853.3713.
1H NMR(270MHz,DMSO−d6)δ:9.90(br s,1H,NH),8.02(m,1H),7.89−7.71(m,5H),7.78(br s,1H,NH),7.62−7.31(m,8H),6.56(br s,2H,NH2),6.39(br s,1H,NH),6.33(br s,1H,NH),4.29−4.26(m,6H),4.10(m,1H),3.48(m,6H),3.36(m,4H),3.16(m,2H),3.06(m,1H),2.80(dd,1H,J=5.0,12.5Hz),2.56(d,1H,J=12.5Hz),2.04(t,2H,J=7.3Hz),1.66−1.38(m,4H),1.28(m,2H).
13C NMR(67.8MHz,DMSO−d6)δ:172.07(C),169.68(C),162.64(C),144.15(C),140.63(C),127.45(CH),126.98(CH),125.04(CH),120.04(CH),74.37(CH2),69.47(CH2),69.14(CH2),68.81(CH2),66.04(CH2),60.99(CH),59.15(CH),55.37(CH),46.67(CH),39.79(CH2),38.37(CH2),35.04(CH2),28.14(CH2),27.99(CH2),25.21(CH2)。
1−(N 3 −{2−〔2−(2−ビオチニルアミノエトキシ)エトキシ〕エチル}グアニジノ)−N 5 −(アミノオキシアセチル)−5−アミノナフタレン(化合物16、酢酸塩)
アルゴン雰囲気下、1−(N3−{2−〔2−(2−ビオチニルアミノエトキシ)エトキシ〕エチル}−N2−フルオレニルメチルオキシカルボニルグアニジノ)−N5−(アミノオキシアセチル)−5−アミノナフタレン(化合物15)85mg(0.10mmol)を1,4−ジオキサン4mlとメタノール4mlの混合溶媒に溶解し、ピペリジン0.40ml(4.0mmol)を加えて室温で16時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣を水35mlに溶解し、酢酸エチル15mlで3回洗浄した。水層を減圧下濃縮後、C18カートリッジカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:アセトニトリル−0.1M TEAA溶液)により精製して粗精製物(52mg)を得た。この粗精製物の一部を2%酢酸水溶液5mlに溶解して、再度C18カートリッジカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:アセトニトリル−水)により精製して標記化合物(化合物16、酢酸塩)9.2mgを白色綿状物質として得た。
FAB−LRMS m/z 631.3(MH+);FAB−HRMS 計算値:631.3026(C29H43N8O6S[MH+]),実測値:631.3005.
1H NMR(270MHz,DMSO−d6)δ:9.94(s,1H,NH),9.64(br s,1H,NH),8.07(m,1H,nap),7.82(m,1H),7.81(d,1H,J=8.2Hz,nap),7.73(d,1H,J=6.9Hz,nap),7.62(m,2H,nap),7.55(m,2H),7.51(m,1H,nap),6.55(s,2H,NH2O),6.39(s,1H,NH),6.35(s,1H,NH),4.31(m,1H),4.29(s,2H,CH2),4.12(br dd,1H,J=4.3,7.6Hz),3.58(m,6H),3.42(m,4H),3.21(m,2H),3.09(m,1H),2.81(dd,1H,J=5.0,12.5Hz),2.57(d,1H,J=12.5Hz),2.07(t,2H,J=7.3Hz),1.64−1.42(m,4H),1.30(m,2H).
13C NMR(67.8MHz,DMSO−d6)δ:172.10(C),169.68(C),162.59(C),155.75(C),133.72(C),130.44(C),129.39(C),126.32(CH),125.81(CH),123.00(CH),119.87(CH),74.27(CH2),69.66(CH2),69.38(CH2),69.06(CH2),68.52(CH2),60.92(CH),59.08(C),55.31(CH),41.22(CH2),39.73(CH2),38.27(CH2),35.00(CH2),28.08(CH2),27.94(CH2),25.16(CH2)。
(実施例14)
実施例11と同様のオリゴヌクレオチドを用い、同じ条件でaoNdg−bioの反応効率を調べた。反応の結果、aoNdg−bioの反応速度定数は、0.23min−1であったことから、aoNg、aoNg−bioと同様に、ARPよりもaoNdg−bioの方が高い反応効率を示すことが明らかとなった。
本明細書中で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書中にとり入れるものとする。
[配列表]
Claims (11)
- 一般式1:
R1−NH−O−L1−D−L2−A (1)
(式中、
R1は、水素原子、アルキル基又はアミノ基の保護基であり、
Dは、置換若しくは無置換のフェニレン基、置換若しくは無置換のアントリレン基、置換若しくは無置換のナフチレン基、置換若しくは無置換のフェナントリレン基、置換若しくは無置換のアントラキノリレン基、及び置換若しくは無置換のアクリジニレン基から選択される芳香族基であり、
芳香族基の置換基は、ハロゲン原子、C 1−6アルキル基、ニトロ基、シアノ基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C1−10アルコキシ基及びC1−10アシル基からなる群から選択され、
L1は、直接結合又は以下の一般式3又は4:
(式中、R 3 は、C 1−9 アルキレン基又は−(CH 2 ) o −(OCH 2 CH 2 ) p −(CH 2 ) q −であり、o〜qは、それぞれ独立して0〜15の整数であり、o+p+qは、1〜15である)
のいずれかで表される2価の基であり、L2は、直接結合又は以下の一般式5又は6:
(式中、R 4 は、C 1−9 アルキレン基又は−(CH 2 ) r −(OCH 2 CH 2 ) s −(CH 2 ) t −であり、r〜tは、それぞれ独立して0〜15の整数であり、r+s+tは、1〜15である)
のいずれかで表される2価の基であり、
Aは、置換又は無置換のグアニジノ基、アミノオキシ基又は保護されたアミノオキシ基であり、
グアニジノ基の置換基は、−(CH 2 ) v −(OCH 2 CH 2 ) w −(CH 2 ) x −NH−ビオチンであり、v、w及びxは、それぞれ独立して0〜15の整数であり、v+w+xは、1〜15である)
で表される化合物又はその塩。 - Aが、置換又は無置換のグアニジノ基である、請求項1記載の化合物又はその塩。
- Aが、以下の一般式2:
(式中、X1及びX2は、水素原子又は−(CH 2 ) v −(OCH 2 CH 2 ) w −(CH 2 ) x −NH−ビオチンであり、v、w及びxは、それぞれ独立して0〜15の整数であり、v+w+xは、1〜15である)
で表される、請求項1又は2記載の化合物又はその塩。 - Dが、以下の一般式:
(式中、一方の結合部位がL1又はOに結合し、他方の結合部位がL2又はAに結合する)
で表される2価の芳香族基、及びこれらの芳香族基において芳香環が1〜3個の置換基を有する芳香族基から選択される、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物又はその塩。 - 以下の一般式7:
(式中、R1は、水素原子又はアミノ基の保護基であり、nは、1〜5の整数であり、mは、1〜5の整数であり、Ra〜Rfは、それぞれ独立して、水素原子又は芳香族基の置換基であり、X1及びX2は、水素原子又は−(CH 2 ) v −(OCH 2 CH 2 ) w −(CH 2 ) x −NH−ビオチンであり、v、w及びxは、それぞれ独立して0〜15の整数であり、v+w+xは、1〜15である)
で表される、請求項1記載の化合物又はその塩。 - 以下の一般式8:
(式中、R1は、水素原子又はアミノ基の保護基であり、nは、1〜5の整数であり、Ra〜Rfは、それぞれ独立して、水素原子又は芳香族基の置換基であり、X2は、水素原子又は−(CH 2 ) v −(OCH 2 CH 2 ) w −(CH 2 ) x −NH−ビオチンであり、v、w及びxは、それぞれ独立して0〜15の整数であり、v+w+xは、1〜15である)
で表される、請求項1記載の化合物又はその塩。 - 以下の一般式:
(式中、R1及びR5は、それぞれ独立して、水素原子又はアミノ基の保護基であり、n及びiは、それぞれ独立して、1〜5の整数であり、Ra〜Rfは、それぞれ独立して、水素原子又は芳香族基の置換基である)
で表される、請求項1記載の化合物又はその塩。 - Aが−(CH 2 ) v −(OCH 2 CH 2 ) w −(CH 2 ) x −NH−ビオチンで置換されたグアニジノ基であり、v、w及びxは、それぞれ独立して0〜15の整数であり、v+w+xは、1〜15である、請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物又はその塩。
- X1及びX2の少なくとも一方が−(CH 2 ) v −(OCH 2 CH 2 ) w −(CH 2 ) x −NH−ビオチンであり、v、w及びxは、それぞれ独立して0〜15の整数であり、v+w+xは、1〜15である、請求項3、5又は6記載の化合物又はその塩。
- アルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基又はケト基を有する生体分子を標識するための試薬であって、一般式(1):
R 1 −NH−O−L 1 −D−L 2 −A (1)
(式中、
R 1 は、水素原子、アルキル基又はアミノ基の保護基であり、
Dは、置換若しくは無置換のフェニレン基、置換若しくは無置換のアントリレン基、置換若しくは無置換のナフチレン基、置換若しくは無置換のフェナントリレン基、置換若しくは無置換のアントラキノリレン基、及び置換若しくは無置換のアクリジニレン基から選択される芳香族基であり、
芳香族基の置換基は、ハロゲン原子、C 1−6 アルキル基、ニトロ基、シアノ基、C 2−6 アルケニル基、C 3−10 シクロアルキル基、C 1−10 アルコキシ基及びC 1−10 アシル基からなる群から選択され、
L 1 は、直接結合または以下の一般式3又は4:
(式中、R 3 は、C 1−9 アルキレン基又は−(CH 2 ) o −(OCH 2 CH 2 ) p −(CH 2 ) q −であり、o〜qは、それぞれ独立して0〜15の整数であり、o+p+qは、1〜15である)
のいずれかで表される2価の基であり、L 2 は、直接結合または以下の一般式5又は6:
(式中、R 4 は、C 1−9 アルキレン基又は−(CH 2 ) r −(OCH 2 CH 2 ) s −(CH 2 ) t −であり、r〜tは、それぞれ独立して0〜15の整数であり、r+s+tは、1〜15である)
のいずれかで表される2価の基であり:
Aは、標識化されたグアニジノ基である)
で表される化合物又はその塩を含む前記試薬。 - 請求項10記載の試薬と、アルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基又はケト基を有する生体分子とが結合してなる、生体分子が標識化された試薬であって、該試薬のアミノオキシ基と該生体分子のアルデヒド基、ヘミアセタール基、カルボキシル基又はケト基とが反応して共有結合を形成している、前記生体分子が標識化された試薬。
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