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JP5202709B2 - 熱感知器の製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、熱感知器の製造方法に関し、特に、リード線の引き込み部分における防水性を向上させることのできる熱感知器の製造方法に関する。
熱感知器、火災感知器、あるいは、中継器等の火災報知設備のうち、特に厨房等に設置されるような火災報知設備は、電気部分等の水が浸入しないよう、この電気部分等を防水領域で覆って保護する必要がある。このような防水領域を形成する場合、この防水領域の内部に引き込まれるリード線の周囲から水が浸入し易いため、このリード線周りに確実な防水構造を形成することが重要になる。
従来、このような火災報知設備の防水構造は、防水領域を区画する防水蓋と、この防水蓋を貫通するリード線とを、インサート成形によって一体形成していた。
しかしながら、防水蓋は、ABS(アクリルニトリル ブタジエン スチロール)樹脂、PC(ポリカーボネイト)樹脂、または、PBT(ポリブチレン テレフタレート)樹脂等にて形成されるのに対して、リード線の被覆層は塩化ビニールで形成されており、これら樹脂間の熱接着性が悪い。したがって、防水蓋とリード線との間に、僅かな隙間が生じる可能性があり、消防法で定める型式試験の防水試験で絶縁不良を起こす可能性があった。
また、他の防水構造として、リード線を防水蓋に貫通させた後、その周囲に接着性樹脂によるポッティングを施すことも考えられる。この場合には、単なるインサート成形の場合に比べて一層確実な防水性能を得ることができる。
しかしながら、この場合には、接着剤の硬化時間が比較的長く、生産効率を低下させるという問題があった。また、接着性樹脂を加熱することによってその硬化時間を短縮することができる装置も提案されているが、このような装置を導入した場合には設備コストが大幅に上昇することになるため好ましくない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、生産効率を維持することができると共に設備コストを増加させることなく、リード線の引き込み部分における防水性を向上させることのできる熱感知器の製造方法を提供することを目的としている。
このような目的を達成するため、請求項1に記載の熱感知器の製造方法は、熱感知器の防水領域を形成する防水部にエラストマーを介してリード線を貫通させることにより、当該リード線を当該防水領域の内部に引き込んだ、熱感知器の製造方法であって、ポリエチレンにて被覆された前記リード線の周囲に、オレフィン系の前記エラストマーをポッティングにて固定し、前記エラストマーを固定した前記リード線を、ABS樹脂、PC樹脂、又はPBT樹脂にて形成された前記防水部に対して、当該リード線が当該防水部を貫通して上記防水領域の内部に引き込まれるように、かつ、当該エラストマーが当該防水部と当該リード線との間に介在するように、インサート成形することにより、前記エラストマーを前記防水部と前記リード線のそれぞれに対して熱接着させる。
本発明の一実施の形態における、本構造を適用した熱感知器の縦断面図である。 図1の接合部分の拡大図である。 図2の接合部分の斜視図である。
以下に、本発明にかかる熱感知器の製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。特に、本実施の形態においては、本構造を熱感知器のリード線の引き込み部分に適用した例を示すが、本構造は任意の火災報知設備に対して同様に適用することができるものである。
図1は、本構造を適用した熱感知器1の縦断面図である。この図1に示すように、熱感知器1は、筐体2の内部に、サーミスタ3、プリント基板4、および、防水部としての防水蓋5を備えて構成されている。このうち、サーミスタ3は、空気の温度を測定する感熱素子である。また、プリント基板4には、図示しないIC等の電気部品が実装されており、サーミスタ3を用いた温度測定等の各種制御を行う。また、防水蓋5は、上記プリント基板4の図示上方において、筐体2に対して係脱自在に取付けられており、これら筐体2と防水蓋5とによって、プリント基板4等を収める防水領域7が形成されている。
ここで、熱感知器1には、熱感知器1に対する各種制御信号の入出力または電力供給を行うためのリード線10が設けられている。このリード線10は、その先端部が、防水蓋5を貫通して防水領域7の内部に至るように配置されている。
次に、これらリード線10と防水蓋5との接合部分について説明する。図2は、図1の接合部分の拡大図、図3は図2の接合部分の斜視図である。
これら図2、3に示すように、リード線10と防水蓋5との間には、エラストマー(熱可塑性樹脂)20が設けられている。このエラストマー20は、リード線10の周囲を完全に取り囲むように設けられており、これらリード線10と防水蓋5とに対して熱接着されている。
ここで、リード線10、および、エラストマー20のそれぞれの材質について説明する。なお、防水蓋5は従来と同様にABS樹脂、PC樹脂、PBT樹脂等にて形成されている。
リード線10、および、エラストマー20の材質として、リード線10の被覆層をPE(ポリエチレン)にて形成し、エラストマー20をオレフィン系のエラストマー20とすることが考えられる。この場合、オレフィン系のエラストマー20の硬質相は、ポリプロピレンまたはポリエチレンであることから、これらリード線10の被覆層とエラストマー20との熱接着上の相性がよく、両者を相互に熱接着した際の水密性を確保することができる。また、この場合、オレフィン系のエラストマー20と、ABS樹脂等による防水蓋5との熱接着上の相性も同様に良好である。
したがって、リード線10とエラストマー20との間、および、エラストマー20と防水蓋5との間の熱接着を良好に行なうことができ、これらの間の水密性を確保し、火災報知設備全体の防水性を高めることができる。
また、このようにリード線10と防水蓋5との相互間にエラストマー20を配置した場合、エラストマー20は高い弾性力を有することから、リード線10に外力が加わって曲げられたような状態においても、エラストマー20がクッション機能を果たしてリード線10への加重を吸収すると共に、リード線10が傷付くこと等を防止する。
次に、このようなエラストマー20を用いた防水構造の製造方法について説明する。
この方法として、3つの方法を挙げることができる。
第1の方法は、リード線10の周囲に対してエラストマー20を熱接着やポッティング等にて固定した後、このエラストマー20付きのリード線10を、防水蓋5にインサート成形する方法がある。
第2の方法は、エラストマー20と防水蓋5とを2重成形すると共に、リード線10をエラストマー20の内部にインサート成形する方法がある。
また、第3の方法としては、リード線10、エラストマー20、および、防水蓋5をそれぞれ任意の工程で成形し、これらを自動または手動で組み立てた後、エラストマー20を加熱することによって、リード線10および防水蓋5に熱接着させることができる。
(他の実施の形態)
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
例えば、防水蓋5の形状や、リード線10の線数等は、図示のものに限られず、任意に変更することができる。例えば、複数のリード線10を防水蓋5に貫通させる必要がある場合、各リード線10に個別的にエラストマー20を設けてもよく、あるいは、複数のリード線10に一括してエラストマー20を設けてもよい。
(付記)
付記1に記載の火災報知設備の防水構造は、火災報知設備の防水領域を形成する防水部と、上記防水部を貫通して上記防水領域の内部に引き込まれたリード線と、上記防水部とリード線との間に介在し、これら防水部とリード線とに対して熱接着されたエラストマーとを備えることを特徴とする。
この構造によれば、リード線とエラストマーとの間、および、エラストマーと防水部との間の熱接着を良好に行なうことができ、これらの間の水密性を確保し、火災報知設備全体の防水性を高めることができる。特に、この構造は、一般的なインサート成形によって短時間に形成することができるので、生産効率を維持することができると共に設備コストを増加させることがない。また、このようにリード線と防水部との相互間にエラストマーを配置した場合、エラストマーは高い弾性力を有することから、リード線に外力が加わって曲げられたような状態においても、エラストマーがクッション機能を果たしてリード線への加重を吸収すると共に、リード線が傷付くこと等を防止することができる。
また、付記2に記載の火災報知設備の防水構造は、付記1に記載の火災報知設備の防水構造において、上記リード線の被覆層が、ポリエチレンにて形成され、上記エラストマーが、オレフィン系のエラストマーであることを特徴とする。
これは、リード線およびエラストマーの材質の一例を一層具体的に示したものである。この構造によれば、オレフィン系のエラストマーの硬質相は、ポリプロピレンまたはポリエチレンであることから、これらリード線の被覆層とエラストマーとの熱接着上の相性がよく、両者を相互に熱接着した際の水密性を確保することができる。
1 熱感知器
2 筐体
3 サーミスタ
4 プリント基板
5 防水蓋
7 防水領域
10 リード線
20 エラストマー

Claims (1)

  1. 熱感知器の防水領域を形成する防水部にエラストマーを介してリード線を貫通させることにより、当該リード線を当該防水領域の内部に引き込んだ、熱感知器の製造方法であって、
    ポリエチレンにて被覆された前記リード線の周囲に、オレフィン系の前記エラストマーをポッティングにて固定し、
    前記エラストマーを固定した前記リード線を、ABS樹脂、PC樹脂、又はPBT樹脂にて形成された前記防水部に対して、当該リード線が当該防水部を貫通して上記防水領域の内部に引き込まれるように、かつ、当該エラストマーが当該防水部と当該リード線との間に介在するように、インサート成形することにより、
    前記エラストマーを前記防水部と前記リード線のそれぞれに対して熱接着させる、
    熱感知器の製造方法。
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