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JP5204427B2 - イベントデータレコーダ - Google Patents
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JP5204427B2 - イベントデータレコーダ - Google Patents

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Description

本発明は、事故等の際に各種機器の出力を保存して事故状況等の解析を可能とするためのイベントデータレコーダに関するものである。
従来、交通事故に関する情報を記録するために自動車に搭載されるイベントデータレコーダ(EDR)が知られている(例えば、特許文献1参照)。イベントデータレコーダは、加速度センサにより事故時の衝撃を検知し、自動車に搭載された各種機器の衝撃検知前後における出力をROM(メモリ)に記録する。よって、事故後にイベントデータレコーダを解析することで、事故時におけるブレーキの使用や車速等のような自動車の挙動を把握することが可能となる。
特開平7−37133号公報
しかしながら、加速度センサの出力をトリガーとしたイベントデータレコーダが、自動二輪車や小型ジェット推進艇(Personal WaterCraft:PWC)や乗鞍型不整地走行車などのようなライトビークルに適用された場合には、事故時以外に生じる衝撃がイベントデータレコーダを必要時以外で作動させることが考えられる。また、自動二輪車が地面を滑るように転倒してどこにも衝突しなかった場合には、事故時に車体に加わる衝撃が小さく、イベントデータレコーダが作動しないことも考えられる。
そこで、本発明は、イベントデータレコーダの作動精度を向上させることを目的としている。
本発明は上述のような事情に鑑みてなされたものであり、本発明に係るイベントデータレコーダは、自動二輪車の姿勢を検出して前記自動二輪車の転倒を前記自動二輪車への衝撃にかかわらず判定する転倒判定装置と、前記自動二輪車に搭載された機器の出力を保存するための記録装置と、前記転倒検知装置の判定に基づいて前記記録装置の記録動作を制御する制御装置と、を備え、前記記録装置は、前記機器の出力を時系列的に保存し、その記憶容量を超える分については最も古いデータの領域から上書き保存し、前記転倒判定装置が、前記自動二輪車の走行中に転倒を判定すると、前記制御装置は、前記転倒の判定の前後における前記機器の出力を前記記録装置に上書不可能に保存させる保存動作を開始させ、前記制御装置は、前記転倒判定装置が前記自動二輪車の転倒を判定しても、走行が継続されていることを判断すると、前記記録装置の保存動作を正常動作に復帰させることを特徴とする。
前記構成によれば、イベントデータレコーダは乗り物の転倒をトリガーとして制御されるので、事故以外の衝撃がイベントデータレコーダを作動させるのを抑止できるとともに、衝撃が小さい事故でも機器の出力を記録装置に保存させることができる。したがって、乗り物に搭載されるイベントデータレコーダの作動精度を向上させることが可能となる。
前記制御装置は、前記判定の前後における前記機器の出力の他に、前記自動二輪車のエンジン回転数ごとの使用時間を前記記録装置に累積保存させてもよい。
前記機器は、複数設けられ、前記制御装置は、前記判定の前後における前記機器の出力の他に、前記複数の機器のそれぞれの故障回数を機器ごとに前記記録装置に保存させてもよい
前記記録装置に保存されたデータを外部にダウンロードするためのインターフェースをさらに備えていてもよい。
前記転倒判定装置は、転倒を判定する姿勢の条件を走行状態に応じて異ならせていてもよい。
前記転倒判定装置は、転倒を判定する条件を直進走行時と旋回走行時とで異ならせていてもよい。
前記転倒判定装置は、転倒を判定する条件を走行時の旋回半径に応じて異ならせていてもよい。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、イベントデータレコーダの作動精度を向上させることが可能となる。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、自動二輪車に搭乗した運転者から見た方向を基準とする。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る自動二輪車1の左側面図である。図1に示すように、自動二輪車1は前輪2と後輪3とを備え、前輪2は略上下方向に延びるフロントフォーク4の下端部にて回転自在に支持され、該フロントフォーク4は、その上端部に設けられたアッパーブラケット(図示せず)と該アッパーブラケットの下方に設けられたアンダーブラケット(図示せず)とを介してステアリングシャフト(図示せず)に支持されている。該ステアリングシャフトはヘッドパイプ5によって回動自在に支持されている。該アッパーブラケットには左右へ延びるバー型のハンドル6が取り付けられている。即ち、運転者はハンドル6を回動操作することにより、前記ステアリングシャフトを回動軸として前輪2を所望の方向へ転向させることができる。
運転者の右手により把持されるハンドル6のグリップは、手首のひねりにより回動させて走行速度を調節するスロットルグリップ(図示せず)となっている。運転者の左手により把持されるハンドル6のグリップの前方にはクラッチレバー8が設けられている。ハンドル6の前方には、走行速度やエンジン回転数を表示すると共に後述する入力装置24を有するメータユニット9が配設されている。
ヘッドパイプ5からは左右一対のメインフレーム10が若干下方に傾斜しながら後方へ延びており、このメインフレーム10の後部に左右一対のピボットフレーム11が接続されている。このピボットフレーム11には略前後方向に延びるスイングアーム12の前端部が枢支されており、このスイングアーム12の後端部に駆動輪である後輪3が回転自在に軸支されている。ハンドル6の後方には燃料タンク13が設けられており、この燃料タンク13の後方に運転者騎乗用のシート14が設けられている。
前輪2と後輪3の間では、エンジンEがメインフレーム10及びピボットフレーム11に支持された状態で搭載されている。このエンジンEの吸気ポート(図示せず)にはメインフレーム10の内側に配置されたスロットル装置15が接続されている。スロットル装置15の上流側には燃料タンク13の下方に配置されたエアクリーナボックス16が接続されており、前方からの走行風圧を利用して外気を取り込む構成となっている。車体前部から車体両側にかけてエンジンEなどを覆うようにカウリング17が設けられている。シート14の下方の内部空間には、各種制御を行うECU18(電子制御ユニット)が収容されている。そして、エンジンEのシリンダ部Esのすぐ後ろには、メインフレーム10に対してブラケット(図示せず)を介して固定された後述する記録装置25が配置されている。また、記録装置25の近傍のピボットフレーム11の内側面には転倒センサ21が固定されている。
図2は図1に示す自動二輪車に搭載されたイベントデータレコーダ20を説明するブロック図である。図2に示すように、イベントデータレコーダ20は、ECU18、転倒センサ21(後で詳述)、各種センサ22(機器)、各種スイッチ23(機器)、入力装置24(後で詳述)、記録装置25及びメータユニット9を備えている。ECU18には、自動二輪車1が左右方向に所定角度以上に傾倒したことを検知する転倒センサ21(姿勢検出センサ)と、各種センサ22と、各種スイッチ23と、運転者により操作される入力装置24とが接続されている。また、ECU18には、各種センサ22及び各種スイッチ23の出力を保存するための記録装置25と、外部記録媒体27への書込/読取を可能とするメータユニット9とが接続されている。
各種センサ22としては、エンジン回転数センサ、スロットルポジションセンサ、ギヤポジションセンサ、車速センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ(バンク角検知装置)、GPSセンサ、サスペンションストロークセンサ、タイヤ空気圧センサ、グリップ感圧センサ、水温センサ、油圧センサ、運転者監視センサ、二人乗り検知センサなどが設けられている。
エンジン回転数センサは、エンジンEのクランク軸の回転数を検出する機能を有する。スロットルポジションセンサは、スロットル装置15のスロットル弁の開度を検出する機能を有する。ギヤポジションセンサは、変速装置の変速段を検出する機能を有する。車速センサは、自動二輪車1の走行速度を検出する機能を有する。加速度センサは、自動二輪車1の走行加速度を検出する機能を有する。ジャイロセンサは、車体の姿勢を検出可能であり、車体の左右方向の傾斜の角速度を検出することにより、車体のバンク角を検出可能とする機能を有する。GPSセンサは、GPS(global positioning system)に接続して自動二輪車1の位置情報を取得する機能を有する。サスペンションストロークセンサは、自動二輪車1の衝撃吸収を行うサスペンションの伸縮状態を検出する機能を有し、例えば、サスペンションの上端部と下端部との間の距離を検出可能な変位センサであるとよい。
タイヤ空気圧センサは、前輪2及び後輪3のタイヤ空気圧を検出する圧力センサとしての機能を有する。グリップ感圧センサは、ハンドル6の左右のグリップを運転者が把持している圧力を検出する機能を有する。水温センサは、冷却水の温度を検出する機能を有する。油圧センサは、各種油圧ラインの圧力を検出する機能を有する。運転者監視センサは、運転者のまばたき等の挙動を把握する公知のセンサである。二人乗り検知センサは、シート14に負荷される圧力分布を検知するセンサ、リヤサスペンションの収縮量がフロントサスペンションに比べて所定値以上大きいことを検知するセンサ、又は、同乗者用の足置きステップへの負荷を検知するセンサである。
各種スイッチ23としては、ブレーキスイッチ、クラッチスイッチ、スタンドスイッチなどが設けられている。ブレーキスイッチは、ブレーキ操作の有無を検出する機能を有する。クラッチスイッチは、クラッチ操作の有無を検出する機能を有する。スタンドスイッチは、駐車する際に車体が若干傾斜した状態で地面に当てて車体を支持するサイドスタンドの降下/上昇を検出する機能を有する。
記録装置25は、自動二輪車1に搭載された各種センサ22及び各種スイッチ23の出力を電源ONの間は常に時系列的に保存し、その記憶容量を超える分については最も古いデータの領域から上書き保存していく機能を有する。また、記録装置25には、メンテナンス会社等においてパソコン等を接続して記録装置25内のデータをダウンロードするための診断用コネクタ26が設けられている。
ECU18は、転倒判定部30、トリガ生成部31、データ出力制御部32及び時刻生成部33を有している。転倒判定部30は、転倒センサ21の出力に基づいて自動二輪車1が転倒状態であるか否かを判定する機能を有する。即ち、転倒センサ21と転倒判定部30とにより転倒検知装置が構成されている。トリガ生成部31は、転倒判定部30により自動二輪車1が転倒したと判定された場合に、データ出力制御部32にトリガーを送信する機能を有する。データ出力制御部32は、トリガ生成部31からトリガーを受信した際に、各種センサ22及び各種スイッチ23の出力を記録装置25に上書不可能に(ROMに)保存させる機能を有する。即ち、トリガ生成部31とデータ出力制御部32とにより制御装置が構成されている。また、データ出力制御部32は、後述する入力装置24の記録開始入力部54(図5)が操作されると、各種センサ22及び各種スイッチ23の出力を記録装置25に保存させ、入力装置24の記録終了入力部55(図5)が操作されると、その保存動作を終了させる機能も有する。時刻生成部33は、現在時刻をデータ出力制御部32に適宜送信する機能を有する。
図3は図2に示すイベントデータレコーダ20の転倒センサ21の正面からみた断面図である。図4は図3に示す転倒センサ21の側方からみた断面図である。図3及び図4に示すように、転倒センサ21は、そのケース40内に、振子式の着磁されたムーブメント41が回転軸42に回動自在に支持されている。ケース40は、下ケース43と上ケース44とからなり、下ケース43にはピボットフレーム11又はメインフレーム10(図1)に固定するための取付座43aが設けられている。上ケース44の内部には回路基板46が設けられており、回路基板46にはムーブメント41の所定角度以上の回動状態を検知するホールIC45が設けられている。回路基板46は、ホールIC45が検知状態となったときに検知信号を出力する検知回路を有している。
上ケース44には、回路基板46に接続される電源、アースおよび検知信号出力のための各端子を収容するコネクタ部44aが形成されている。ムーブメント41は、その上部に基凖位置に対して左右対称となるように所定の開き角度をもった切欠部41aを有し、その下部には切欠部41aに対して回転軸42を基準に点対称となる位置に配置された錘部41bを有している。ホールIC45は、ユニポーラ感応タイプであり、ムーブメント41が回動し、そのムーブメント41の所定位置に着磁されたS極が対向したときに検知状態となる構成である。
図5は図1に示す自動二輪車1のメータユニット9を表した平面図である。図5に示すように、メータユニット9は、速度計50、エンジン回転数計51、表示パネル52、入力装置24及び外部記録媒体装着部56を備え、メータユニット9の内部には所要の演算装置(図示せず)が設けられている。即ち、入力装置24はメータユニット9の一部に設けられたものである。具体的には、入力装置24は、運転者が操作する記録開始入力部54及び記録終了入力部55を有している。外部記録媒体装着部56は、メモリカード等の外部記録媒体27(図2)を装着可能なスロットを有し、外部記録媒体27へのデータの書込/読取を可能としている。
次に、イベントデータレコーダ20の動作について説明する。図6は図2に示すイベントデータレコーダの動作を説明するフローチャートである。図2及び図6に示すように、まず、運転者が電源をONすると、ECU18のデータ出力制御部32は、各種センサ22及び各種スイッチ23の出力を記録装置25に常時保存させ、所定の記憶容量を超える分については最も古いデータの領域から順に上書き保存させていく。そして、例えば速度センサの出力を参照すること等により自動二輪車が走行状態であるか否かが判断される(ステップS1:走行状態判定工程)。Noの場合は、ステップS1に戻る。Yesの場合は、運転中の事故により転倒して車体が継続して所定角度以上に傾斜することにより、転倒センサ21から検知状態が所定時間にわたり連続して出力されたか否かが転倒判定部30により判断される(ステップS2:転倒判定工程)。Noの場合には、ステップS1に戻る。Yesの場合には、トリガ生成部31はデータ出力制御部32にトリガーを送信し、データ出力制御部32はトリガー受信時点の前後の所定時間(例えば、前後30秒)にわたって、各種センサ22及び各種スイッチ23の出力を記録装置25に上書不可能に保存する(ステップS3:記録工程)。なお、前記走行状態判定工程、転倒判定工程及び記録工程は、ECU18内に保存されたプログラムにより実行される。
記録装置25に保存される二輪車特有の出力事項としては、ジャイロセンサ(バンク角検知装置)により出力される車体のバンク角や、グリップ感圧センサにより出力される運転者のグリップ把持圧力などが挙げられる。バンク角については、自動二輪車1の転倒時における車体のバンク角の遷移が記録装置25に保存されることで、事故発生前後における車体の姿勢を解析することができる。グリップ把持圧力については、自動二輪車1の転倒時におけるグリップ把持圧力の遷移が記録装置25に保存されることで、事故発生前後における運転者の手がハンドルから離れるタイミングを解析することができる。
また、転倒判定部30により転倒状態であると判定されていない場合であっても、運転者が入力装置24の記録開始入力部54を操作した時点から、データ出力制御部32は、各種センサ22及び各種スイッチ23の出力を記録装置25に上書不可能に保存する。そして、運転者により記録終了入力部55が操作された時点で、データ出力制御部32は、各種センサ22及び各種スイッチ23の出力を記録装置25に上書不可能に保存することを停止する。
また、これらの事項とは別に、データ出力制御部32は以下の各種分析データも記録装置25に保存している。図7は図2に示すイベントデータレコーダ20の記録装置25に保存される最新故障情報を説明する図面である。図8は図2に示すイベントデータレコーダ20の記録装置25に保存されるエンジン回転数毎の累積時間を説明する図面である。図9は図2に示すイベントデータレコーダ20の記録装置25に保存される故障回数情報を説明する図面である。
図7に示すように、データ出力制御部32は、各種センサ22及び各種スイッチ23のうち過去に故障した部位と、その故障日時に関する情報を最新日時のものから並べたものをデータとして記録装置25に保存している。また、図8に示すように、データ出力制御部32は、エンジン回転数センサの出力を新車時から累積し、エンジン回転数ごとに分類して使用時間を累積保存している。さらに、図9に示すように、データ出力制御部32は、各種センサ22及び各種スイッチ23の過去の故障回数を部位毎にデータとして記録装置25に保存している。
また、メンテナンス会社等において記録装置25の診断用コネクタ26にパソコン等を接続することで、記録装置25のデータをパソコンにダウンロードすることができる。さらに、運転者により外部記録媒体27をメータユニット9の外部記録媒体装着部56に装着することで、記録装置25のデータを外部記録媒体27にダウンロードすることもできる。そして、記録装置25に保存されたデータは、電源OFF時には最新の数分間のものが保持されるようになっている。なお、電源OFF時に最新の数分間のデータを外部記録媒体27に書き出すようにして、そのデータは電源ON時にクリアされるようにしてもよい。
以上の構成とすれば、自動二輪車1の転倒をトリガーとしてイベントデータレコーダ20が制御されるので、事故以外の衝撃がイベントデータレコーダ20を作動させるのを抑止できるとともに、地面を滑るように衝撃の小さい転倒をした場合でも各種センサ22及び各種スイッチ23の出力を記録装置25に上書不可能に保存することができる。したがって、自動二輪車1に搭載されるイベントデータレコーダ20の作動精度を向上させることが可能となる。
また、運転者が操作する入力装置24が設けられており、運転者の好きなときに各種センサ22及び各種スイッチ23の出力を記録装置25に保存させて、転倒時以外でも運転状況を記録することができる。よって、ユーザはその記録された情報を参照して自動二輪車1の各種セッティング等を行うこともでき、利便性が向上する。さらに、記録装置25は、エンジンEのシリンダ部Esのすぐ後ろに配置されているので、自動二輪車1が事故で衝突して前方からの衝撃が発生しても、エンジンEのシリンダ部Esが記録装置25を衝撃から保護し、記録内容を保存することが可能となる。
なお、本実施形態では、転倒センサ21が走行中の車体の所定角度以上に傾倒したことを検知した場合に転倒状態であると判定されているが、車体の傾斜角度の時間変化が所定範囲を超えると転倒状態である判定される構成であってもよい。また、後輪3の回転軸に垂直な平面と、水平面とのなす角度(車体傾斜角度)を、車体姿勢を表す情報としてもよい。さらに、姿勢検出センサは、バンク角センサ、加速度センサ又はジャイロセンサなどであってもよい。また、1方向まわりの車体姿勢(傾斜角)だけでなく、走行軸線、鉛直軸線、走行軸線及び鉛直軸線に垂直な水平軸線、それぞれまわりの3軸方向の少なくとも1つの姿勢から、転倒を判断してもよい。その際、後輪持ち上がりや横滑りなどの車体挙動も把握可能とするために、走行軸線及び鉛直軸線に垂直な水平軸線まわりの車体姿勢(傾斜角)を記録装置25に保存させてもよい。
また、前輪2の回動角度(ハンドル6の角度)を検出する舵角センサを設け、その舵角センサの出力を記録装置25に保存させてもよい。直進走行時と旋回走行時とで、転倒を判断する転倒条件(バンク角、所定時間、単位時間あたりのバンク角変化量など)が異なってもよい(例えば、直進走行時の方が転倒であると判定するバンク角が小さく設定されてもよい)。
さらに、転倒であると判断するバンク角は、走行速度及び旋回半径(カーブ半径)の少なくともいずれかに応じて変化してもよい。例えば、走行速度が大きい場合、カーブを曲がるときにバンク角が大きくなるので、走行速度が大きい場合に転倒であると判断するバンク角θ1は、走行速度が小さい場合に転倒であると判断するバンク角θ2よりも大きく設定されてもよい。
旋回半径をハンドル角度等で検出可能な構成である場合、旋回半径が大きい場合に転倒であると判断するバンク角θ3は、旋回半径が小さい場合に転倒であると判断するバンク角θに比べて大きく設定されてもよい。このように、ECUが、車体に働く遠心力を演算又はデータベースから取得して、遠心力を受けたとしても転倒してしまうであろうバンク角を、転倒するときのバンク角であるとして決定してもよい。
また、旋回時にバイク姿勢を変化させたときに、転倒であることを検出したとしても、旋回後に走行を継続されていることを判断等すると、イベントデータレコーダの動作を正常動作(非事故時の動作)に復帰させてもよい。例えば、転倒を検知して機器の出力を記録装置に上書不可に保存開始した後で、所定の正常走行情報が検出されると、上書禁止が解除される構成としてもよい。正常走行情報としては、転倒判断時から所定の時間が経過した後で、走行状態が継続されていることや、直進走行時のバンク角に復帰していること等の情報であってもよい。また、このような構成は、バンク角以外、転倒を判断する所定時間、単位時間あたりのバンク角変化量であっても同様に適用可能である。
(第2実施形態)
図10は本発明の第2実施形態に係る自動二輪車60の正面図である。図11は図10に示す自動二輪車60に搭載された転倒センサ61を説明する正面からみた模式図である。図10に示すように、本実施形態の転倒センサ61は、加速度検知方向を左右方向に向けた加速度センサであり、MEMS技術によりチップ化されてECU59に組み込まれている。詳しくは、図11に模式的に示すように、転倒センサ61は、固定部62と、固定部62に一端が接続されて伸縮方向が左右方向であるバネ部63と、バネ部63の他端に接続された錘部64と、固定部62との相対距離が不変となるように固定配置され、錘部64との左右方向の相対距離を検出する変位計65とを備えている。
自動二輪車60が走行やジャンプ等している通常時には、車体に対して左右方向の加速度が大きく加わることはないので、バネ部63の左右方向の伸縮量は所定値以上にはならず、錘部64と変位計65との距離はおおむねLとなる。車体が右側に転倒した場合には、錘部64にバネ部63の伸長方向に重力が加わることになるので、錘部64と変位計65との距離はL−ΔLとなる。一方、車体が左側に転倒した場合には、錘部64にバネ部63の収縮方向に重力が加わることになるので、錘部64と変位計65との距離はL+ΔLとなる。即ち、錘部64と変位計65との距離がL−ΔL又はL+ΔLとなった場合に、自動二輪車1が転倒状態であるとECU59により判定される。
以上の構成によれば、転倒センサ61がECU59に組み込まれているため、センサとECUとを繋ぐケーブルが不要となり、断線等によるエラーを防止することが可能となる。なお、他の構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
(第3実施形態)
第3実施形態のイベントデータレコーダは、乗り物の前端部で露出した前輪のタイヤ空気圧を検出するタイヤ空気圧センサと、前記タイヤ空気圧センサの出力に基づいて乗り物の衝突を判定する衝突判定装置とをさらに備え、制御装置が、前記衝突判定装置の判定に基づいて前記記録装置の記録動作を制御する構成である。
図12は本発明の第3実施形態に係る自動二輪車に搭載されたイベントデータレコーダ70を説明するブロック図である。図12に示すように、イベントデータレコーダ70は、前輪のタイヤ空気圧を微小時間間隔で検出するタイヤ空気圧センサ71を備えている。なお、前輪は図1に示すように車体の最前端で露出して設けられている。タイヤ空気圧センサ71はECU72に接続されている。ECU72は、タイヤ空気圧センサ71の出力に基づいて自動二輪車が衝突を起こしたか否かを判定する衝突判定部73(衝突判定装置)を有している。具体的には、衝突判定部73は、タイヤ空気圧センサ71から受信する圧力が所定値以上に高くなった場合に、前輪から物体に衝突したと判定する。トリガ生成部31は、衝突判定部73により自動二輪車が衝突したと判定された場合に、データ出力制御部32にトリガーを送信する。なお、他の構成は第1実施形態と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。
以上の構成によれば、衝突検知専用の加速度センサなどを用いることなく、自動二輪車の物体に対する衝突を検出することができ、部品点数を削減することができる。なお、本実施形態では第1及び第2実施形態の転倒判定装置の代わりに衝突判定装置を用いているが、転倒判定装置と衝突判定装置の両方を自動二輪車に搭載し、転倒及び/又は衝突が検知された場合にトリガ生成部31がデータ出力制御部32にトリガーを送信する構成にしてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態のイベントデータレコーダは、運転者が乗り物から離れたことを判定する離脱判定装置をさらに備え、制御装置が、前記離脱判定装置の判定に基づいて前記記録装置の記録動作を制御する構成である。
図13は本発明の第4実施形態に係る自動二輪車に搭載されたイベントデータレコーダ75を説明するブロック図である。図13に示すように、イベントデータレコーダ75は、電子キーシステムを有する自動二輪車に適用されるものである。電子キーシステムは、電子キー76を所持したユーザが自動二輪車に近づくとエンジン始動が可能となるように自動的にアンロックがなされ、電子キー76を所持するユーザが自動二輪車から遠ざかるとエンジン始動が不可能となるように自動的にロックされるシステムである。具体的には、自動二輪車には、無線送受信部(図示せず)を有する電子キーECU77が搭載されており、ユーザはカード型の電子キー76をポケット等に入れて携帯している。
電子キーECU77は要求信号を間欠的に送信しており、電子キー76がその要求信号の受信可能エリア内に入ることで、電子キー76からIDコード等の応答信号が無線送信される。電子キーECU77は、その応答信号を受信するとIDコードの認証を行い、認証が成立すればアンロックがなされる。さらに、ユーザが自動二輪車に騎乗してエンジンを始動した後においても、電子キー76が所定のエリア内に存在するか否かの確認を行うべく、電子キー76と電子キーECU77との間で通信を間欠的に行っている。
電子キーECU77はメインのECU78に接続されている。また、自動二輪車が走行中であるか否かを検出する手段として自動二輪車の走行速度を検出する速度センサ74がECU78に接続されている。ECU78には、電子キーECU77及び速度センサ74からの情報に基づいて運転者が自動二輪車から離れたか否かを判定する離脱判定部79を有している。即ち、電子キー76、電子キーECU77、速度センサ74及び離脱判定部79により離脱判定装置が構成されている。
具体的には、離脱判定部79は、電子キーECU77から電子キー76が所定のエリア内に存在しなくなった旨の通知を受信し、かつ、その受信時における速度センサ74で検出される走行速度がゼロでない場合には、走行中に運転者が自動二輪車から投げ出されて離脱したと判定する。トリガ生成部31は、離脱判定部79により運転者が自動二輪車から離脱したと判定された場合に、データ出力制御部32にトリガーを送信する。なお、他の構成は第1実施形態と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。
以上の構成によれば、衝突検知専用の加速度センサなどを用いることなく、自動二輪車の事故を検出することができ、部品点数を削減することができる。なお、本実施形態では第1及び第2実施形態の転倒判定装置又は第3実施形態の衝突判定装置の代わりに離脱判定装置を用いているが、転倒判定装置及び/又は衝突判定装置と離脱判定装置と合わせて自動二輪車に搭載し、転倒、衝突及び/又は離脱が検知された場合にトリガ生成部31がデータ出力制御部32にトリガーを送信する構成にしてもよい。また、本実施形態では、電子キーシステムを利用しているが、運転者が所持する携帯電話が常時発信する電波の強度を検出することで、運転者が自動二輪車から離れたことを検出するようにしてもよい。
(第5実施形態)
図14は本発明の第5実施形態に係る自動二輪車に搭載されたイベントデータレコーダ80を説明するブロック図である。図14に示すように、イベントデータレコーダ80は、運転者の身体に固定するアームバンド等のような体固定具81と、体固定具81に一端が固定された紐などの連結体85と、連結体85の他端の被コネクタ部(図示せず)が着脱可能に接続されるコネクタ82とを備えている。コネクタ82と連結体85の被コネクタ部(図示せず)とは走行中は互いに接続されており、体固定具81がコネクタ82から所定距離以上離れて連結体85に所定値以上の引張力が負荷されることで、連結体85の被コネクタ部(図示せず)がコネクタ82より離脱する構成となっている。
コネクタ82はECU83に接続されている。また、自動二輪車が走行中であるか否かを検出する手段として自動二輪車の走行速度を検出する速度センサ74がECU83に接続されている。ECU83には、コネクタ82及び速度センサ74からの情報に基づいて運転者が自動二輪車から離れたか否かを判定する離脱判定部84を有している。即ち、体固定具81、連結体85、コネクタ82、速度センサ74及び離脱判定部84により離脱判定装置が構成されている。
具体的には、離脱判定部84は、連結体85の被コネクタ部(図示せず)がコネクタ82より離脱したことを検知し、かつ、その受信時における速度センサ74で検出される走行速度がゼロでない場合には、走行中に運転者が自動二輪車から投げ出されて離れたと判定する。トリガ生成部31は、離脱判定部84により運転者が自動二輪車から離脱したと判定された場合に、データ出力制御部32にトリガーを送信する。なお、他の構成は第1実施形態と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。
以上の構成によれば、簡素かつ安価な構成で自動二輪車の事故を検出することが可能となる。なお、本実施形態では第1及び第2実施形態の転倒判定装置又は第3実施形態の衝突判定装置の代わりに離脱判定装置を用いているが、転倒判定装置及び/又は衝突判定装置と離脱判定装置と合わせて自動二輪車に搭載し、転倒、衝突及び/又は離脱が検知された場合にトリガ生成部31がデータ出力制御部32にトリガーを送信する構成にしてもよい。
(第6実施形態)
図15は本発明の第6実施形態に係る自動二輪車に搭載されたイベントデータレコーダ90を説明するブロック図である。図15に示すように、イベントデータレコーダ90は、運転者がシート14(図1)に着座していることを検出するシート感圧センサ91と、運転者がハンドル6(図1)のグリップを握っていることを検出するグリップ感圧センサ92とを備えている。シート感圧センサ91及びグリップ感圧センサ92はECU93に接続されている。また、自動二輪車が走行中であるか否かを検出する手段として自動二輪車の走行速度を検出する速度センサ74がECU93に接続されている。ECU93は、シート感圧センサ91、グリップ感圧センサ92及び速度センサ74の出力に基づいて運転者が自動二輪車から離れたか否かを判定する離脱判定部94を有している。即ち、シート感圧センサ91とグリップ感圧センサ92と離脱判定部94とにより離脱判定装置が構成されている。
具体的には、離脱判定部94は、シート感圧センサ91の出力が所定値以下(シート14への負荷が所定値以下)となり、グリップ感圧センサ92の出力が所定値以下(ハンドル6のグリップへの負荷が所定値以下)となり、かつ、速度センサ74で検出される走行速度がゼロでない場合には、運転者の手がハンドル6(図1)から離れ且つ運転者がシート14(図1)から離れ、走行中に運転者が自動二輪車から投げ出されたと判定する。トリガ生成部31は、離脱判定部94により運転者が自動二輪車から投げ出されたと判定された場合に、データ出力制御部32にトリガーを送信する。なお、他の構成は第1実施形態と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。
以上の構成によれば、簡素な構成でありながら運転者が自動二輪車から投げ出されたことを検出することが可能となる。なお、本実施形態では第1及び第2実施形態の転倒判定装置又は第3実施形態の衝突判定装置の代わりに離脱判定装置を用いているが、転倒判定装置及び/又は衝突判定装置と離脱判定装置と合わせて自動二輪車に搭載し、転倒、衝突及び/又は離脱が検知された場合にトリガ生成部31がデータ出力制御部32にトリガーを送信する構成にしてもよい。
また、前記各実施形態では自動二輪車を例に説明したが、本発明に係るイベントデータレコーダは、自動二輪車に限らず小型滑走艇(Personal Water Craft:PWC)や乗鞍式不整地走行車両など他の乗り物にも適用することができる。また、本発明に係るイベントデータレコーダは、前述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でその構成を変更、追加、又は削除することができる。
以上のように、本発明に係るイベントデータレコーダは、イベントデータレコーダの作動精度を向上させることができる優れた効果を有し、この効果の意義を発揮できる自動二輪車に広く適用することができる。
本発明の第1実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。 図1に示す自動二輪車に搭載されたイベントデータレコーダを説明するブロック図である。 図2に示すイベントデータレコーダの転倒センサの正面からみた断面図である。 図3に示す転倒センサの側方からみた断面図である。 図1に示す自動二輪車のメータユニットを表した平面図である。 図2に示すイベントデータレコーダの動作を説明するフローチャートである。 図2に示すイベントデータレコーダの記録装置に保存される最新故障情報を説明する図面である。 図2に示すイベントデータレコーダの記録装置に保存されるエンジン回転数毎の累積時間を説明する図面である。 図2に示すイベントデータレコーダの記録装置に保存される故障回数情報を説明する図面である。 本発明の第2実施形態に係る自動二輪車の正面図である。 図10に示す自動二輪車に搭載された転倒センサを説明する正面から見た模式図である。 本発明の第3実施形態に係る自動二輪車に搭載されたイベントデータレコーダを説明するブロック図である。 本発明の第4実施形態に係る自動二輪車に搭載されたイベントデータレコーダを説明するブロック図である。 本発明の第5実施形態に係る自動二輪車に搭載されたイベントデータレコーダを説明するブロック図である。 本発明の第6実施形態に係る自動二輪車に搭載されたイベントデータレコーダを説明するブロック図である。
符号の説明
1,60 自動二輪車
2 前輪
20,70,75,80,90 イベントデータレコーダ
21,61 転倒センサ
22 各種センサ(機器)
23 各種スイッチ(機器)
24 入力装置
25 記録装置
30 転倒判定部
31 トリガ生成部
32 データ出力制御部
71 タイヤ空気圧センサ
73 衝突判定部
79,84,94 離脱判定部

Claims (7)

  1. 自動二輪車の姿勢を検出して前記自動二輪車の転倒を前記自動二輪車への衝撃にかかわらず判定する転倒判定装置と、
    前記自動二輪車に搭載された機器の出力を保存するための記録装置と、
    前記転倒検知装置の判定に基づいて前記記録装置の記録動作を制御する制御装置と、を備え、
    前記記録装置は、前記機器の出力を時系列的に保存し、その記憶容量を超える分については最も古いデータの領域から上書き保存し、
    前記転倒判定装置が、前記自動二輪車の走行中に転倒を判定すると、前記制御装置は、前記転倒の判定の前後における前記機器の出力を前記記録装置に上書不可能に保存させる保存動作を開始させ
    前記制御装置は、前記転倒判定装置が前記自動二輪車の転倒を判定しても、走行が継続されていることを判断すると、前記記録装置の保存動作を正常動作に復帰させることを特徴とするイベントデータレコーダ。
  2. 前記制御装置は、前記判定の前後における前記機器の出力の他に、前記自動二輪車のエンジン回転数ごとの使用時間を前記記録装置に累積保存させる請求項1に記載のイベントデータレコーダ。
  3. 前記機器は、複数設けられ、
    前記制御装置は、前記判定の前後における前記機器の出力の他に、前記複数の機器のそれぞれの故障回数を機器ごとに前記記録装置に保存させる請求項1又は2に記載のイベントデータレコーダ。
  4. 前記記録装置に保存されたデータを外部にダウンロードするためのインターフェースをさらに備えている、請求項1乃至3のいずれかに記載のイベントデータレコーダ。
  5. 前記転倒判定装置は、転倒を判定する姿勢の条件を走行状態に応じて異ならせている請求項1乃至4のいずれかに記載のイベントデータレコーダ。
  6. 前記転倒判定装置は、転倒を判定する条件を直進走行時と旋回走行時とで異ならせている請求項5に記載のイベントデータレコーダ。
  7. 前記転倒判定装置は、転倒を判定する条件を走行時の旋回半径に応じて異ならせている請求項6に記載のイベントデータレコーダ。
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