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JP5207448B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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JP5207448B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、全固体リチウムイオン二次電池に関する。
従来リチウムイオン二次電池における電解質としては、一般に非水系の電解液をセパレータと称される微多孔膜に含浸させた電解質が使用されていたが、漏液や発火のおそれがあるため、近年このような液体が中心の電解質に代わり、電解質に無機の固体電解質を用いた全固体電池が提案されている。全固体電池は、電解液など可燃性の有機溶剤を用いないため、液漏れや発火のおそれがないため、安全性に優れている。しかし、全固体電池の場合、正極、電解質、負極のすべてが固体であるため、それぞれの接触界面がとり難く、界面抵抗が高くなってしまうという問題がある。この場合、電極―電解質界面でのリチウムイオン伝導性が充分に高くないため、いまだ実用に供されていない。
このような全固体電池を効率的に製造する方法として、固体電解質、正極および負極を特定の組成の粉体を主成分として含有するスラリーからそれぞれグリーンシートとして作成し、これら固体電解質グリーンシート、正極用グリーンシートおよび負極用グリーンシートの3者を貼り合わせることによりリチウムイオン二次電池用積層体を得ることが考えられる。
この場合、固体電解質、正極、負極の各グリーンシートを貼り合わせた状態で一括焼成するか、または固体電解質、正極、負極それぞれのグリーンシートをそれぞれ別個に焼成し、これら焼成した固体電解質、正極、負極を貼り合わせて積層体とすることによりリチウムイオン二次電池用全固体積層体を作成することができる。
従来のリチウムイオン二次電池は固体電解質、正極および負極からなる積層体の正極にアルミ箔を貼り付けて正極集電体を形成し、負極に銅箔を貼り付け負極集電体を形成して作成するが、上記のような全固体積層体の場合問題となるのは、アルミ箔や銅箔のような金属箔は焼成した正極、焼成した負極とは接着することが困難で、また接着しても金属箔と積層体との間に微小な間隙が生じることを免れ難く、そのため電子伝導性が劣り、さらに電池の充放電に伴う積層体の膨張収縮に伴い金属箔が剥離しやすく、良好な電池を長期にわたり維持することができないという問題がある。
また粉体を成形・プレスして焼結したものを研削、研磨してなる固体電解質やガラスセラミックスのバルク体を研削、研磨してなる固体電解質にグリーンシートを焼成してなる正極、負極を貼り合わせて全固体電池とする場合にも、同様に金属箔からなる集電体は接着しにくいという問題が生じる。
本発明は、上記全固体電池を実現する際の問題点にかんがみなされたものであって、電極をグリーンシートで作成し、これらのグリーンシートを焼成してなるもの等固体からなる電極に集電体を取り付ける場合に、集電体が電極に良好に接着し、電池作成後も剥離するおそれがない全固体型リチウムイオン二次電池を提供しようとするものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明者は、研究と実験を重ねた結果、
集電体の少なくとも一つが粘弾性体を含む材料で形成し、この粘弾性体を含む材料を好ましくは導電性無機材料と樹脂の複合材によって構成することによって、集電体が電極に良好に接着し、電池作成後も剥離するおそれがないことを見出し、本発明に到達した。
上記目的を達成する本発明は次の構成を有するものである。
構成1
固体電解質の焼成体の両側に正極焼成体と負極焼成体を備え、該正極焼成体と該負極焼成体の外側にそれぞれ集電体を備えるリチウムイオン二次電池において、該集電が粘弾性体を含む導電性無機材料と樹脂の複合材であり、該集電体の厚みが0.5μm以上40μm以下(但し、厚みが20μm以下であるものを除く)であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
構成
該集電体が多孔性であることを特徴とした構成1記載のリチウムイオン二次電池。
構成
該粘弾性体のJIS K 6253のタイプAデュロメータ硬さ試験による硬さが90未満であることを特徴とする構成1または2に記載のリチウムイオン二次電池。 構成
該複合材の導電性無機材料が炭素材料を含むことを特徴とする構成のリチウムイオン二次電池。
構成
該複合材の導電性無機材料が金属粉末を含むことを特徴とする構成のリチウムイオン二次電池。
構成
該複合材の導電性無機材料が金属酸化物を含むことを特徴とする構成のリチウムイオン二次電池。
構成
該複合材の導電性無機材料が繊維状物質を含むことを特徴とする構成のいずれかのリチウムイオン二次電池。
構成
該固体電解質はLi1+x+z(Ge1−yTi2−xSi3−z12(但し、0≦x≦0.8、0≦y≦1.0、0≦z≦0.6、M=Al、Gaから選ばれる一つ以上)の結晶を含有することを特徴とする構成1〜のいずれかのリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、固体電解質の両側に正極と負極を備え、該正極と該負極の外側にそれぞれ集電体を備えるリチウムイオン二次電池において、該集電体の少なくとも一つが粘弾性体を含むことにより、集電体と電極との間の密着性が向上し、集電体と電極との間に微小間隙が生じることが少ないので高い電子伝導性を得ることができる。またできあがった電池においては、集電体は充分な弾性を有しているので、電池の充放電に伴う積層体の膨張収縮が繰り返されても集電体が電極から剥離するおそれがなく、良好な電池を長期にわたり維持することができる。
また本発明によれば、集電体は導電性無機材料と樹脂の複合材であるので、この集電体材料を含むスラリーを電極上に塗布するかまたはこの集電体材料を含むスラリーを乾燥させてなるグリーンシートを電極上に貼り合わせて積層することにより、簡単な方法で電池を作成することができる。
また本発明によれば、集電体材料が多孔性であることにより、この孔が集電体材料にクッション性を付与し、集電体材料の弾性を高める効果がある。
また本発明によれば、導電性無機材料が繊維状物質を含んでいるので、この繊維状物質が集電体材料にクッション性を付与し、集電体材料の弾性を高める効果がある。
以下本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明が適用されるリチウムイオン二次電池において集電体が取り付けられる積層体としては、リチウムイオン伝導性を有する無機粉体もしくは熱処理することでリチウムイオン伝導性を発現する無機粉体またはその両方が含まれるグリーンシートを熱処理することで得られる固体電解質の両面に正極活物質を含むグリーンシートを熱処理して得られる正極および負極活物質を含むグリーンシートを熱処理して得られる負極を備えるもの、あるいはこのような無機粉体からなる固体電解質のグリーンシート、正極グリーンシートおよび負極グリーンシートを貼り合わせた後に一括焼成して形成したものが挙げられるが、本発明は、これに限らず、粉体を成形・プレスして焼結したものを研削、研磨したものやガラスセラミックスのバルク体を研削、研磨してなる固体電解質の両面に正極活物質を含むグリーンシートを熱処理して得られる正極および負極活物質を含むグリーンシートを熱処理して得られる負極を備えるもの等にも適用することができる。
固体電解質は、好ましくはリチウムイオン伝導性を有する無機粉体または熱処理することによりリチウムイオン伝導性を発現する無機粉体またはその両方が含まれるグリーンシートを焼成することにより得られる。
固体電解質は、内部に気孔が存在するとその部分はイオン伝導経路が存在しないため、固体電解質自体のイオン伝導度が低くなってしまう。電池として使用した場合、伝導度が高い方がリチウムイオンの移動速度が速くなるため高出力の電池が得られる。そこで、固体電解質中の気孔率は低い方が好ましく、20vol%以下であることが好ましい。気孔率を20vol%以下とするには、固体電解質はグリーンシートであることが好適である。
本明細書において、「グリーンシート」とは、薄板状に成形したガラス粉末、結晶(セラミックス、ガラスセラミックス)の粉末の未焼成体を指し、ガラス粉末、結晶(セラミックスまたはガラスセラミックス)粉末と、有機結合剤、可塑剤、溶剤などの混合スラリーをドクターブレードやカレンダ法等により薄板状に成形したものいう。
また、グリーンシートは、均一な厚みに形成することにより、焼成時、均一にグリーンシートが加熱されるため、焼結も材料中で均一に進み、その結果として緻密で気孔率が20vol%以下と非常に少ない薄板状の固体電解質を得ることができる。そこで、焼成前のグリーンシートの厚みの変化は、焼成前のグリーンシートの厚みの分布の平均値に対して+10%から−10%の範囲であると好ましい。さらに、原料を十分混合することにより、グリーンシートの組成を均一にし、焼成前にロールプレスや一軸、等方加圧などにより加圧し、緻密化しておくことにより、焼成後も緻密で気孔率の少ない固体電解質を得ることができ、これによってイオン伝導度が高く、高出力の固体電解質を得ることができる。そこで原料の混合は、例えばボールミルで少なくとも1時間以上行なうことが望ましい。
本発明の好ましい実施態様である薄板状の固体電解質は、電池として使用した場合、薄い方がリチウムイオンの移動距離が短いため高出力の電池が得られ、また単位体積当りの電極面積が広く確保できるため高容量の電池が得られる。そこで、固体電解質として用いる電解質層の厚みは500μm以下が好ましく、400μm以下がより好ましく、300μm以下が最も好ましい。
リチウムイオン二次電池の充放電時におけるリチウムイオンの移動性は、電解質のリチウムイオン伝導度およびリチウムイオン輸率に依存する。したがって、本発明の固体電解質にはリチウムイオン伝導性の高い物質を用いることが好ましい。
リチウムイオン伝導性の粉体または熱処理することでリチウムイオン伝導性を発現する粉体の熱処理後のイオン伝導度は、1×10−4S・cm−1以上であることが好ましく、5×10−4S・cm−1以上であることがより好ましく、1×10−3S・cm−1以上であることが最も好ましい。
本発明において使用するリチウムイオン伝導性の無機粉体は、リチウムイオン伝導性の結晶(セラミックまたはガラスセラミックス)粉体またはこれらの混合物の粉体を含有する無機物質の粉体である。また熱処理することによりリチウムイオン伝導性を発現する無機粉体は熱処理によりガラスセラミックスとなるガラス粉体である。
ここで、リチウムイオン伝導性とはリチウムイオン伝導度が25℃において1×10−8S・cm-1以上の値を示すことを言う。
リチウムイオン伝導性を有する無機粉体もしくは熱処理することでリチウムイオン伝導性を発現する無機粉体の平均粒径を3μm以下、最大粒径を15μm以下とすることが好ましい。これによって、緻密で空孔が少なくしたがってイオン伝導度が高い固体電解質を得ることができる。
高いリチウムイオン伝導性を得るためにリチウムイオン伝導性の無機粉体はリチウム、シリコン、リン、チタンを主成分として含有することが好ましい。
固体電解質中にこれらの結晶を多く含むことにより、より高い伝導度が得られるため、固体電解質中に50wt%以上のリチウムイオン伝導性の結晶を含むことが好ましい。
また、固体電解質を得るための成形体に含まれるリチウムイオン伝導性の無機粉体中においてもこれらの結晶を多く含むことにより、より高い伝導度が得られるため、リチウムイオン伝導性の無機粉体中に50wt%以上のリチウムイオン伝導性の結晶を含むことが好ましい。
ここで、使用できるリチウムイオン伝導性の結晶としては、イオン伝導を阻害する結晶粒界を含まない結晶であるとイオン伝導の点で有利であり、LiN、LISICON類、La0.55Li0.35TiOなどのリチウムイオン伝導性を有するペロブスカイト構造を有する結晶や、NASICON型構造を有するLiTi12や、これら結晶を析出させたガラスセラミックスを用いることができる。好ましいリチウムイオン伝導性の結晶は、Li1+x+z(Ge1−yTi2−xSi3−z12(但し、0≦x≦0.8、0≦y≦1.0、0≦z≦0.6、M=Al、Gaから選ばれる一つ以上)である。特にNASICON型構造を有する結晶を析出させたガラスセラミックスは、イオン伝導を妨げる空孔や結晶粒界をほとんど有しないため、イオン伝導性が高くかつ化学的な安定性に優れるため、より好ましい。
固体電解質中にはこのガラスセラミックスを多く含むことにより高い伝導率が得られるため、固体電解質中に80wt%以上のリチウムイオン伝導性のガラスセラミックスを含むことが好ましい。より好ましくは85wt%以上、最も好ましくは90wt%以上である。
ここで、イオン伝導を妨げる空孔や結晶粒界とは、リチウムイオン伝導性の結晶を含む無機物質全体の伝導度を該無機物質中のリチウムイオン伝導性結晶そのものの伝導度に対し、1/10以下へ減少させる空孔や結晶粒界等のイオン伝導性阻害物質をさす。
ここで、ガラスセラミックスとは、ガラスを熱処理することによりガラス相中に結晶相を析出させて得られる材料であり、非晶質固体と結晶からなる材料をいう。また、ガラスセラミックスとは、結晶の粒子間や結晶中に空孔がほとんどなければガラス相すべてを結晶相に相転移させた材料、すなわち、材料中の結晶量(結晶化度)が100質量%のものを含む。一般にいわれるセラミックスや焼結体はその製造工程上、結晶の粒子間や結晶中の空孔や結晶粒界の存在が避けられず、ガラスセラミックスとは区別することができる。特にイオン伝導に関しては、セラミックスの場合は空孔や結晶粒界の存在により、結晶粒子自体の伝導度よりもかなり低い値となってしまう。ガラスセラミックスは結晶化工程の制御により結晶間の伝導度の低下を抑えることができ、結晶粒子と同程度の伝導度を保つことができる。
また、ガラスセラミックス以外で、イオン伝導を妨げる空孔や結晶粒界をほとんど有しない材料として、上記結晶の単結晶が挙げられるが、製造が難しくコストが高いため、リチウムイオン伝導性のガラスセラミックスを用いるのが最も好ましい。
固体電解質層に含有させるリチウムイオン伝導性を有する無機粉体もしくは熱処理することでリチウムイオン伝導性を発現する無機粉体は、リチウムイオン伝導性のガラスセラミックスまたはその母ガラスを粉砕したものを使用することが好ましい。このリチウムイオン伝導性の無機粉体は、固体電解質中に均一に分散されていることが固体電解質のイオン伝導性、及び機械的強度の点で好ましい。分散性を良好にするため、また固体電解質の厚さを所望のものとするために、前記無機粉体の粒径は、平均で3μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましく、1μm以下が最も好ましい。
前記リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスとして好ましいものは、母ガラスが酸化物基準のmol%で、
LiO 10〜25%、および
Alおよび/またはGa 0.5〜15%、および
TiOおよび/またはGeO 25〜50%、および
SiO 0〜15%、および
26〜40%
の各成分を含有する組成であり、このガラスを熱処理して結晶化させ、その際の主結晶相がLi1+x+z(Ge1−yTi2−xSi3−z12(但し、0≦x≦0.8、0≦y≦1.0、0≦z≦0.6、M=Al、Gaから選ばれる一つ以上)である。
上述の系の場合、溶融ガラスをキャストして容易にガラスを得ることができ、このガラスを熱処理して得られた上記結晶相をもつガラスセラミックスは高いリチウムイオン伝導性を有する。
また、上記の組成以外にも、類似の結晶構造を有するガラスセラミックスであれば、ガラスセラミックスの製造の際、その融点を下げるかまたはガラスの安定性を上げるために、イオン伝導性を下げない範囲で他の原料を微量添加することも可能である。
熱処理することでリチウムイオン伝導性を発現する無機粉体としては、たとえば、酸化物基準のmol%で、LiO 10〜25%、およびAlおよび/またはGa 0.5〜15%、およびTiOおよび/またはGeO 25〜50%、およびSiO 0〜15%、およびP 26〜40%の各成分を含有するものが好ましい。
ガラスセラミックスの組成には、LiO以外のNaOやKOなどのアルカリ金属は、出来る限り含まないことが望ましい。これら成分がガラスセラミックス中に存在するとアルカリイオンの混合効果により、Liイオンの伝導を阻害して伝導度を下げることになる。
また、ガラスセラミックスの組成に硫黄を添加すると、リチウムイオン伝導性は少し向上するが、化学的耐久性や安定性が悪くなるため、出来る限り含有しない方が望ましい。
ガラスセラミックスの組成には、環境や人体に対して害を与える可能性のあるPb、As、Cd、Hgなどの成分もできる限り含有しないほうが望ましい。
リチウムイオン伝導性の無機粉体すなわち高いリチウムイオン伝導度と化学的安定性を有する結晶(セラミックスもしくはガラスセラミックス)の粉体または熱処理によりこのようなリチウムイオン伝導性を発現するガラス粉体またはこれらの粉体の混合物を、有機系のバインダーや必要に応じて分散剤等とともに溶剤を用いて混合し、ドクターブレード法などの簡易な作製方法により、グリーンシートを作製する。作製したグリーンシートを任意の形状に加工し、好ましくはロールプレスや一軸、等方加圧等により加圧した後焼成して有機バインダーの有機成分を除去することにより、薄板状あるいは任意の形状の全固体電解質が得られる。
グリーンシートの成形時に用いる有機バインダーは、ドクターブレード用の成形助剤として市販されているバインダーを用いることができる。また、ドクターブレード用以外にもラバープレス、押し出し成形などに一般に用いられている成形助剤を用いることができる。具体的には、アクリル樹脂、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ブチルメタアクリレート、ビニル系の共重合物等を用いることができる。これらのバインダーの他に、粒子の分散性を高めるための分散剤や、乾燥時の泡抜きを良好にするための界面活性剤などを適量添加すると、より好ましい。
また、リチウム伝導性を阻害せず、電子伝導性を上げたければ、他の無機粉体や有機物を加えても問題はない。無機粉体として誘電性の高い絶縁性の結晶またはガラスを少量加えることにより効果が得られることがある。例えばBaTiO、SrTiO、Nb、LaTiO等が挙げられる。
有機物は、焼成時に除去されるため、成型時のスラリーの粘度調整などに使用しても問題はない。
当グリーンシートの成形には、簡易なドクターブレード、ロールコーター、ダイコーターを用いることができる。また粘性を調製すれば、混練・押し出しなどの汎用の装置を用いることができるため、様々な形状の固体電解質を效率よく安価に製造することができる。
こうして作成した固体電解質グリーンシートを1200℃以下の温度で焼成することが好ましい。
焼成して得られるシート状の固体電解質は、成形したグリーンシートの形状がそのまま得られるため、任意の形状への加工が容易であり、したがって薄い膜や任意の形状の固体電解質あるいはこの固体電解質を用いた全固体リチウムイオン二次電池の製造が可能になる。
また、焼成後の固体電解質は有機物を含まないため、耐熱性および化学的耐久性にすぐれ、また安全性や環境に対しても害を及ぼすことが少ない。
なお、薄板状固体電解質の体積はグリーンシート時の65容積%以上とすることが好ましい。これによって焼成によるグリーンシートの収縮等の変形を最小限にとどめることができる。
リチウムイオン伝導性を有する無機粉体もしくは熱処理することでリチウムイオン伝導性を発現する無機粉体の熱処理後のイオン伝導度は、室温で1×10−4S・cm−1以上であることが好ましい。
リチウムイオン伝導性を有する無機粉体もしくは熱処理することでリチウムイオン伝導性を発現する無機粉体またはその双方が含まれるグリーンシートの熱処理後のイオン伝導度は5×10−5S−1cm以上であることが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池を作成するためのLiイオンの吸蔵、放出が可能な遷移金属化合物を用いることができ、例えば、マンガン、コバルト、ニッケル、バナジウム、ニオブ、モリブデン、チタン、鉄、リン、アルミニウム、クロムから選ばれる少なくとも1種を含む遷移金属酸化物等を使用することができる。
正極グリーンシートに含まれる活物質の含有量の下限値は、少ないと焼成後に単位体積当りの電池容量が少なくなってしまうため、40w%以上であることが好ましく、50wt%以上であることがより好ましく、60wt%以上であることが最も好ましい。
また、正極グリーンシートに含まれる活物質の含有量は、多すぎると可とう性が無くなり取り扱いがむずかしくなるため、97wt%であることが好ましく、94wt%であることがより好ましく、90wt%以下であることが最も好ましい。
前記の活物質の含有量を有する正極グリーンシートを得るため、また良好に塗布できるスラリーを調製するためには、正極活物質粉体、無機物粉体、有機バインダー、可塑剤、溶剤などからなる混合スラリーの量に対して正極活物質の量は10wt%以上とすることが好ましく、15wt%以上とすることがより好ましく、20wt%以上とすることが最も好ましい。
また、前記活物質の含有量の上限値は、良好に塗布できるスラリーを調製するためには、混合スラリーの量に対して90wt%以下とすることが好ましく、85wt%以下とすることがより好ましく、80wt%以下とすることが最も好ましい。
また、正極活物質の電子伝導性が低い場合、電子伝導助剤を添加することにより、電子伝導性を付与することができる。電子伝導助剤としては、微粒子や纎維状の炭素材や金属を用いることができる。用いることができる金属は、チタンやニッケル、クロム、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属や白金、金、ロジウムなどの貴金属を用いることができる。
アルミニウム、シリコン、スズなどLiイオンの吸蔵、放出が可能な合金、チタンやバナジウム、クロム、ニオブ、シリコンなどの金属酸化物、の材料を使用することができる。
負極グリーンシートに含まれる活物質の含有量の下限値は、少ないと単位体積当りの電池容量が少なくなってしまうため、40w%以上であることが好ましく、50wt%以上であることがより好ましく、60wt%以上であることが最も好ましい。
また、負極グリーンシートに含まれる活物質の含有量の下限値は、上記の理由と良好に塗布できるスラリーを調製するためには、負極活物質粉体、無機物粉体、有機バインダー、可塑剤、溶剤などからなる混合スラリーの量に対して負極活物質の量は10wt%以上とすることが好ましく、15wt%以上とすることがより好ましく、20wt%以上とすることが最も好ましい。
また、前記活物質の含有量の上限値は、バインダーや溶剤を用いてスラリー化する必要があるため、混合スラリーの量に対して90wt%以下とすることが好ましく、85wt%以下とすることがより好ましく、80wt%以下とすることが最も好ましい。
また、負極活物質の電子伝導性が低い場合、電子伝導助剤を添加することにより、電子伝導性を付与することができる。電子伝導助剤としては、微粒子や纎維状の炭素材や金属を用いることができる。用いることができる金属は、チタンやニッケル、クロム、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属や白金、金、ロジウムなどの貴金属を用いることができる。
正極グリーンシート及び負極グリーンシートには、リチウムイオン伝導性無機物粉体を添加するとイオン伝導が付与され好ましい。具体的には、前記リチウムイオン伝導性のガラスセラミックスを含むことができる。また、固体電解質グリーンシートに含まれるイオン伝導性無機物と同じものを添加するとより好ましい。このように同じ材料を含むと電解質と電極材に含まれるイオン移動機構が共通することができ、電解質―電極間のイオン移動がスムーズに行え得る。従って、より高出力・高容量の電池が提供できる。
正極グリーンシートの場合、有機バインダーと混合する際のリチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の下限値は、イオン伝導性を付与させる必要があるため、正極活物質粉体、無機物粉体、有機バインダー、可塑剤、溶剤などからなる混合スラリーの量に対して1wt%以上とすることが好ましく、3wt%以上とすることがより好ましく、5wt%以上とすることが最も好ましい。
乾燥後の正極グリーンシート中のリチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の下限値は前記と同様の理由から、3wt%以上とすることが好ましく、5wt%以上とすることがより好ましく、10wt%以上とすることが最も好ましい。
また、リチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の上限値は、多くなりすぎると含まれる活物質の量が少なく電池容量が低下してしまうため、混合スラリーの量に対して50wt%以下とすることが好ましく、40wt%以下とすることがより好ましく、30wt%以下とすることが最も好ましい。
乾燥後の正極グリーンシート中のリチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の上限値は前記と同様の理由から、70wt%以下とすることが好ましく、60wt%以下とすることがより好ましく、50wt%以下とすることが最も好ましい。
負極グリーンシートの場合、有機バインダーと混合する際のリチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の下限値は、イオン伝導性を付与させる必要があるため、負極活物質粉体、無機物粉体、有機バインダー、可塑剤、溶剤などからなる混合スラリーの量に対して1wt%以上とすることが好ましく、3wt%以上とすることがより好ましく、5wt%以上とすることが最も好ましい。
乾燥後の負極グリーンシート中のリチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の下限値は前記と同様の理由から、3wt%以上とすることが好ましく、5wt%以上とすることがより好ましく、10wt%以上とすることが最も好ましい。
また、リチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の上限値は、多くなりすぎると含まれる活物質の量が少なく電池容量が低下してしまうため、シート形状を維持させるため、混合スラリーの量に対して50wt%以下とすることが好ましく、40wt%以下とすることがより好ましく、30wt%以下とすることが最も好ましい。
乾燥後の負極グリーンシート中のリチウムイオン伝導性無機物粉体の含有量の上限値は前記と同様の理由から、70wt%以下とすることが好ましく、60wt%以下とすることがより好ましく、50wt%以下とすることが最も好ましい。
正極グリーンシートおよび負極グリーンシートは薄板状固体電解質グリーンシートの作成と同様にして形成することができる。
こうして作成された薄板状正極グリーンシートおよび薄板状負極グリーンシートをそれぞれの材質に応じた適正な焼成温度で焼成する。通常正極グリーンシートおよび負極グリーンシートの適正焼成温度は500℃〜1000℃の範囲である。
こうして作成したそれぞれ焼成ずみの固体電解質、正極および負極を貼り合わせて積層体を形成する。
他の方法として、上記の方法で作成した固体電解質グリーンシートの両側に正極グリーンシートおよび負極グリーンシートを配置し貼り合わせた後一括焼成することにより積層体を作成することもできる。
こうして作成した薄板状固体電解質、正極、負極からなる積層体の正極側および負極側に集電体材料を積層し、集電体を形成する。
集電体は、集電体材料を含むスラリーを塗布することにより積層してもよいし、集電体材料を含むスラリーを乾燥させてなるグリーンシートを貼り合わせることにより積層してもよい。
集電体は粘弾性体を含むものであり、この粘弾性体の硬度はJIS K6253のタイプAデュロメータ硬さ試験による硬さが90以上では集電体に充分な弾性を付与することができず、電極との剥離が生じてしまう。
そのため、前記試験による硬さの上限が90未満であることが好ましく、より好ましくは85以下、最も好ましくは80以下である。下限は導電性無機材料と樹脂が複合材として維持されていれば前記試験による硬さの制限はない。
集電体は導電性無機材料と樹脂の複合材からなるものである。
具体的には導電性の無機材料の粉末材料や繊維材料がポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ポリマー、合成ゴム類などのバインダーで結着されている構成が例示される。
この複合材は集電体に充分なクッション性を付与するために多孔性であることが好ましい。
複合材中の導電性無機材料は炭素材料を含むことができる。炭素材料としてはたとえばカーボンナノファイバーが好適である。
複合材中の導電性無機材料は金属粉末を含むことができる。正極用集電体材料としてはたとえばアルミ粉末が好適である。また負極用集電体材料としてはたとえば銅粉末が好適である。
複合材中の導電性無機材料は金属酸化物粉末を含むことができる。正極用集電体材料としてはたとえば酸化ニッケル粉末が好適である。また負極用集電体材料としてはたとえば酸化スズ粉末が好適である。
複合材中の導電性無機材料は繊維状物質を含むことが好ましい。これによって、この繊維状物質が集電体材料にクッション性を付与し、集電体材料の弾性を高める効果がある。
複合材中の樹脂は導電性無機材料のバインダーや溶剤等として機能するものであって、この樹脂を1種または2種以上混合し溶解して液状とし、この溶解液に導電性無機材料を添加して集電体形成用のスラリーを作成する。この樹脂としては、たとえばポリフッ化ビニリデンが好適である。
複合材中の導電性材料の含有率の上限は複合材の状態を維持するために、98%以下が好ましく、より好ましくは95%以下、もっとも好ましくは92%以下である。下限は高い導電性を得るために、30%wt以上が好ましく、より好ましくは35wt%以上、もっとも好ましくは40wt%以上である。
この複合材を含むスラリーを積層体に塗布しまたはこのスラリーから作成したグリーンシートを積層体に貼り付け、正極側に正極リード、負極側に負極リードをそれぞれ接続してリチウムイオン二次電池を完成する。
本発明の集電体の厚みは容易かつ緻密に成膜できる点から上限が40μm以下が好ましく、より好ましくは35μm以下、もっとも好ましくは30μm以下である。また、充放電時の剥離および断裂を抑制する点から下限は0.5μm以上が好ましく、より好ましくは1μm以上、最も好ましくは3μm以上である。
酸化物ガラス粉末の作製
原料としてHPO、Al(PO、LiCO、SiO、TiOを使用し、これらを酸化物換算のmol%でPを35.0%、Alを7.5%、LiOを15.0%、TiOを38.0%、SiOを4.5%といった組成になるように秤量して均一に混合した後に、白金ポットに入れ、電気炉中1500℃の温度で撹拌しながら3時間加熱・熔解してガラス融液を得た。その後、ガラス融液をポットに取り付けた白金製のパイプから加熱しながら室温の流水中に滴下させることにより急冷し、酸化物ガラスを得た。
このガラスを1000℃の電気炉にて結晶化を行い、リチウムイオン伝導度の測定を行ったところ、室温にて1.3×10-3Scm-1であった。また、析出した結晶相は粉末X線回折法により、Li1+x+yAlTi2−xSi3−y12(0≦x≦0.4、0<y≦0.6)が主結晶相であることが確認された。
酸化物ガラスをジェットミルにて粉砕後、エタノールを溶媒としたボールミルに入れ、湿式粉砕を行い、平均粒径0.5μm、最大粒径1μmの酸化物ガラス粉末を得た。
固体電解質グリーンシートの作製
平均粒径0.5μmの酸化物ガラスを、アクリル系のバインダー、分散剤、消泡剤とともに水を溶剤として、分散・混合して電解質スラリーを調製した。スラリーは減圧して泡抜きをした後、ドクターブレードを用いて成形、乾燥させて厚み30μmの電解質グリーンシートを作製した。
正極グリーンシートの作製
正極活物質として、市販(本荘ケミカル製)のマンガン酸リチウムを用いた。平均粒子径0.9μmに粉砕したマンガン酸リチウム粉末と平均粒径0.5μmの酸化物ガラスを75:25wt%の割合で秤量し、アクリル系のバインダー、分散剤とともに水を溶剤として、分散・混合して正極スラリーを調製した。スラリーは減圧して泡抜きをした後、ドクターブレードを用いて成形、乾燥させて厚み20μmの正極グリーンシートを作製した。
負極グリーンシートの作製
負極活物質として、市販(石原産業製)のチタン酸リチウムを500℃にてアニールを行ってから用いた。平均粒径5μmのチタン酸リチウム粉末と平均粒径0.5μmの酸化物ガラスを80:20wt%の割合で秤量し、アクリル系のバインダー、分散剤とともに水を溶剤として、分散・混合して負極スラリーを調製した。スラリーは減圧して泡抜きをした後、連続式のロールコーターを用いて成形、乾燥させて厚み25μmの負極グリーンシートを作製した。
電極・電解質積層体の作製
前記で作製した正極20mm角に切断、負極グリーンシートを25mm角に切断した。電解質グリーンシート2枚を重ね合わせ、加熱したロールプレスにて貼り合わせた。貼り合わせたグリーンシート積層体を25mmに切断した。これらの切断した各グリーンシートをCIP(冷間等方圧加圧)を用いて室温にてプレスし、緻密化させた。作製した積層体を、アルミナ製のセッターに挟み、電気炉内にて400℃に加熱し、積層体内のバインダーや分散剤などの有機物を除去した。その後、900℃に急昇温を行い、5分間保持し、冷却することにより、正極、電解質、負極の積層焼結体を作製した。
全固体リチウムイオン二次電池の作製
上記で作製した積層体の正極側に、アルミ粉末(平均粒径1μm)、バインダーとしてポリ弗化ビニリデン(Pvdf)、N−メチルピロリドン(NMP)からなるスラリーを塗布して100℃でNMPを揮発、除去して正極集電体を形成した。正極集電体の厚みは5μmであった。また、NMP揮発後の気孔率は18%であった。
その後、負極側に炭素粉末(平均粒径1.5μm)、バインダーとしてPvdf、NMPからなるスラリーを塗布して100℃にてNMPを揮発、除去して負極集電体を形成した。負極集電体の厚みは7μmであった。また、NMP揮発後の気孔率は15%であった。
集電体を付与した積層焼結体を容器、蓋からなるステンレス容器に、正極終電体が容器、負極集電体が密着するように封入した。容器と蓋は電気的に絶縁してある。
サイクル試験
上記で作製した電池を60℃、1/6Cで20回充放電させた。20サイクル後の放電容量は初期放電容量の80%を得た。
比較例
実施例1と同様に積層焼結体を作製した。正極にアルミニウムの薄膜、負極に銅の薄膜を蒸着法で形成した。これを実施例1と同様のステンレス容器に封入したのち、60℃、1/6で20回の充放電試験をおこなったが、5サイクル目には初期放電容量の10%となり、6サイクル目以降はほぼ充放電容量0となった。試験後に容器を解体したところ、焼結体の正極側に欠けやクラックが観察された。

Claims (8)

  1. 固体電解質の焼成体の両側に正極焼成体と負極焼成体を備え、該正極焼成体と該負極焼成体の外側にそれぞれ集電体を備えるリチウムイオン二次電池において、該集電が粘弾性体を含む導電性無機材料と樹脂の複合材であり、該集電体の厚みが0.5μm以上40μm以下(但し、厚みが20μm以下であるものを除く)であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 該集電体が多孔性であることを特徴とした請求項記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 該粘弾性体のJIS K 6253のタイプAデュロメータ硬さ試験による硬さが90未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 該複合材の導電性無機材料が炭素材料を含むことを特徴とする請求項記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 該複合材の導電性無機材料が金属粉末を含むことを特徴とする請求項記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 該複合材の導電性無機材料が金属酸化物を含むことを特徴とする請求項記載のリチウムイオン二次電池。
  7. 該複合材の導電性無機材料が繊維状物質を含むことを特徴とする請求項のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池
  8. 該固体電解質はLi1+x+z(Ge1−yTi2−xSi3−z12(但し、0≦x≦0.8、0≦y≦1.0、0≦z≦0.6、M=Al、Gaから選ばれる一つ以上)の結晶を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
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