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JP5207844B2 - マイクロ化学プラント及びその製造方法 - Google Patents
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JP5207844B2 - マイクロ化学プラント及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、微小な通路であるマイクロチャンネルによって構成されるマイクロ化学プラント及びその製造方法に関する。
対象のマイクロ化学プラントは、基板に形成されるミリサイズからミクロンサイズの通路又は該通路を形成する空間部を利用するもので、例えば、反応器などとして反応液の体積当たり表面積が大きくなるため通路内で発生した反応熱の拡散性や外部より冷却する際の温度制御に優れ、また微小な通路では分子分散も大きくなって短時間で均一な混合を実現し易い。これらの特性は、例えば化学・生化学等の微小反応装置、微量分析装置、微小電気泳動装置などとして有益となり実用化も進んでいる。
ところで、前記基材としてはガラス、金属、セラミックと共に樹脂が使用されている。製造方法としては、例えば、一方基材に通路用空間部を形成すると共に、他方基板をその一方基板に接合することで空間部を閉じて通路とする構成がある。また、樹脂構成例として、特許文献1には、特に耐薬品性に優れたマイクロ化学プラントとして、非晶質フッ素樹脂からなる第1フッ素樹脂層と、これに接合された非晶質フッ素樹脂からなる第2フッ素樹脂層と、第1フッ素樹脂層の第2フッ素樹脂層との接合面側に形成された空間部(凹部)よりなる通路とを備えた構造が開示されている。この製造方法としては、ガラス等の第1基板の上に前記第1フッ素樹脂層を形成する工程と、前記第1フッ素樹脂層に空間部(凹部)からなる通路を形成する工程と、第2基板の上に前記第2フッ素樹脂層を形成する工程と、前記第1フッ素樹脂層の表面と前記第2フッ素樹脂層の表面を接合する工程とを少なくとも経る。
これに対し、特許文献2には、両基材を液状の接着剤で接合すると塗布厚さにむらができたり溶媒の除去が難しいため、一方基材に対し他方基板を熱可塑性の接着シートを用いて接着することで一方基材の他方基材と対向する面に設けられた空間部(溝部)を閉じて通路を形成する製造方法が開示されている。ここで、基材は材質が任意とされる。
特開2005−279493号公報 特開2007−136292号公報
上記特許文献1の製造方法では、通路用空間部(凹部)が選択エッチングやドライエッチング、更に凸付のモールドを加熱状態で刻印する方式でも形成可能と記載されている。しかし、エッチングや刻印方式では、通路用空間部(凹部)をミクロンサイズで幅及び深さを均一・高精度に形成することが難しく、しかも通路の一部に各種の触媒を設けたいわゆる機能性通路にしたくとも簡単には実施できず、量産性にも欠ける。特許文献2の製造方法では、通路用空間部(溝部)が微細機械加工やエッチング加工で形成可能と記載されているが、特許文献1と同様な問題がある。
上記した背景から、本発明者らは基材の材料選定及び機能性通路の形成方法について検討を重ねてきた結果、基材として樹脂を使用し、通路形成方法を工夫することで高精度で容易に機能性通路を形成可能なことを知見し、本発明に至った。すなわち、本発明の目的は、マイクロ化学プラント及びその製造方法として、特に耐薬品性に優れると共に、通路の一部に触媒を付設した機能性通路を高精度、かつ製造も容易で量産性に優れている構成を提供することにある。
上記目的を達成するため請求項1の本発明は、耐薬品性に優れた基材に設けられて触媒を一部に設けた通路を有しているマイクロ化学プラントの製造方法であって、前記触媒を筒体に内蔵すると共に、前記筒体の両端に設けられメッシュ材により抜け止めしたものを用いて、前記基材として樹脂粉末を、該樹脂粉末中に、前記筒体を配置した状態で圧縮する予備成形工程と、前記予備成形工程で得られた圧縮体を焼成する焼結工程と、前記焼結工程で得られた焼結体にドリル等の機械加工により前記筒体に通じる前記通路を形成する通路形成工程とを経ることを特徴としている。
請求項2の発明では、耐薬品性に優れた基材に設けられて触媒を一部に設けた通路を有しているマイクロ化学プラントの製造方法であって、前記触媒を内蔵している筒体、及び前記筒体の両端にメッシュ材を介して突出した通路形成用線材とからなる中子を用いて、前記基材として樹脂粉末を、該樹脂粉末中に、前記中子を配置した状態で圧縮する予備成形工程と、前記予備成形工程で得られた圧縮体を焼成すると共に、前記圧縮体又は前記圧縮体を焼成した焼結体から前記中子の前記通路形成用線材を引き抜いて前記通路を形成する中子除去工程とを経ることを特徴としている。
請求項3の発明は、耐薬品性に優れた基材に設けられて触媒を一部に設けた通路を有しているマイクロ化学プラントの製造方法であって、前記触媒を内蔵している筒体、及び前記筒体の両端にメッシュ材を介して突出した通路形成用線材とからなる中子を用いて、前記基材として樹脂粉末を、該樹脂粉末中に、前記中子を配置した状態で圧縮する予備成形工程と、前記予備成形工程で得られた圧縮体を焼成すると共に、得られる焼結体が前記中子の前記通路形成用線材を焼成時の熱で分解除去して前記通路を形成する焼結・中子除去工程とを経ることを特徴としている。なお、以上の発明において、「前記中子を焼成時の熱で分解除去」とは、中子を熱により分解したり気化したり焼却して取り除く構成、中子を熱で溶融して取り除く構成を含む。
請求項4の本発明は、耐薬品性に優れた基材に設けられて触媒を一部に設けた通路を有しているマイクロ化学プラントの製造方法であって、前記触媒を内蔵している筒体、及び前記筒体の両端にメッシュ材を介して突出した通路形成用線材とからなる中子を用いて、前記基材として樹脂粉末を用い、該樹脂粉末中に、前記中子を配置した状態で圧縮する予備成形工程と、前記予備成形工程で得られた圧縮体を焼成する焼結工程と、前記焼結工程で得られた焼結体から前記中子の前記通路形成用線材を化学的に溶かして前記通路を形成する中子除去工程とを経ることを特徴としている。
請求項1の発明では、基材用樹脂として、例えばPTFE等のフッ素樹脂粉末を選択するだけで耐薬品性、耐熱性、耐候性に優れた各種の反応装置や分析装置等のマイクロ化学プラントとして最適となり、また、該樹脂粉末中に触媒を配置した状態で圧縮する予備成形工程、焼結工程、機械加工による通路形成工程を経ることにより触媒を留めた機能性通路を効率よく形成できる。このため、本発明の製造方法は、機能性通路であっても量産性に優れ、それによりマイクロ化学プラントの利用分野拡大に寄与できる。
請求項2の発明では、基材用樹脂として、例えばPTFE等のフッ素樹脂粉末を選択するだけで耐薬品性、耐熱性、耐候性に優れた各種の反応装置や分析装置等のマイクロ化学プラントとして最適となり、また中子除去工程では予備成形工程で得られた圧縮体、又は該圧縮体を焼成した焼結体から前記中子を引き抜いて通路を形成するため触媒を留めた機能性通路を効率よく形成できる。このため、本発明の製造方法は、機能性通路であっても量産性に優れ、それによりマイクロ化学プラントの利用分野拡大に寄与できる。
請求項3の発明では、基材用樹脂として、例えばPTFE等のフッ素樹脂粉末を選択するだけで耐薬品性、耐熱性、耐候性に優れた各種の反応装置や分析装置等のマイクロ化学プラントとして最適となり、また焼結工程では低い温度で成形可能で、かつ圧縮体に挿入されていた触媒を一部に留めた中子を焼成時の熱で分解除去し、焼結体の作成と同時に触媒を留めた機能性通路を効率よく形成できる。このため、本発明の製造方法は、機能性通路であっても量産性に優れ、それによりマイクロ化学プラントの利用分野拡大に寄与できる。
請求項4の発明では、請求項1と同様、基材用樹脂として、例えばPTFE等のフッ素樹脂粉末を選択するだけで耐薬品性、耐熱性、耐候性に優れた各種の反応装置や分析装置等のマイクロ化学プラントとして最適となり、また焼結工程では低い温度で圧縮体を焼結体に焼成でき、しかも焼結体に挿入されていた触媒を一部に留めた中子を化学的に溶かして機能性通路を効率よく形成できる。このため、本発明の製造方法は、機能性通路であっても量産性に優れ、それによりマイクロ化学プラントの利用分野拡大に寄与できる。
また、請求項1の発明では、触媒が筒体に入れられかつ両側のメッシュ材で保護された状態で焼結体に設けられるため、触媒を筒体内で不用意に動かないよう一体化し易く、メッシュ材の濾過作用つまり触媒が目詰まりを生じ難くなって高品質化を実現できる。請求項2から4の発明では、そのような作用効果に加え、中子が筒体の両端にメッシュ材を介して突出した通路形成用線材を有しているため、通路形成用線材の位置決めが精度よく行える。
請求項5の発明では、耐薬品性に優れた基材に設けられて触媒を一部に設けた通路を有しているマイクロ化学プラントとして、請求項1〜4の利点を具備したものを提供できる。
以下、本発明に係るマイクロ化学プラントの製造方法として、請求項1に対応す第1形態と、請求項2に対応する第2形態と、請求項3に対応する第3形態と、請求項4に対応した第4形態と、それらを展開した第5形態を説明する。この説明では、各形態に共通している基材及び、触媒又は通路形成用中子について述べた後、各形態ごとにその要部について詳述する。
(基材)各形態の製造方法に用いられる基材は、使用目的に応じた特性ないしは性能を満たす耐薬品性の樹脂粉末であればよい。例えば、フッ素樹脂であり、市販品としてはPTFE(四フッ化エチレン)樹脂、PFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合)樹脂、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)樹脂、ETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合体)樹脂、PVDF(ビニリデンフルオランド)樹脂、PVF(ビニルフルオランド)樹脂、CTFE(クロロトリフルオロエチレン)樹脂、ECTFE(エチレン・クロロトリフルオロエチレン)樹脂、AF(アモルファスフロロポリマー)樹脂が挙げられる。これらは、熱可塑性樹脂で耐薬品性、耐熱性、耐候性、耐摩耗性などに優れているためマイクロ化学プラントの基材として好適なものとなる。また、このような樹脂粉末には、炭素繊維粉末などの充填材を、好ましくは1〜15重量%程度の範囲で混合しても差し支えない。
(触媒)本発明方法で用いられる触媒15は、図1(a)〜(c)に示したごと円筒形の筒体10に内蔵されていると共に、筒体10の両端内側に設けられたメッシュ材13を介して抜け止めされている。このメッシュ材13は、図2(d)のごとく筒体10の両端共に空洞部10aを介在して二重に設けてもよい。
ここで、筒体10としては、フッ素樹脂であるテフロン(商品名)製の筒が用いられているが、後述する焼結工程において焼成温度で形状を保持するものであれば他の材質でもよい。形状及び長さは、形成する通路径や使用する触媒15の大きさ等を考慮して適宜に設計される。
また、メッシュ材13,14は、テフロン(商品名)製の網つまり市販されているテフロンメッシュが用いられているが、材質は筒体10と同様に焼結工程での焼成温度で形状を保持するものであれば他の材質でもよい。このメッシュ材構成では、網目が数ミクロン〜数十ミクロンのもので、筒体10の両端内側にそれぞれ圧入されている。これは、筒体10内の触媒15の不用意な動きを規制すること、筒体10内に不純物が流入して触媒15が目詰まりを起こさないよう保護することにある。
触媒15は、例えば、ニッケル触媒などがある。材質は、焼結工程での焼成温度で形状を保持するものであればよい。形状は、長手方向に貫通した複数の孔15aを形成しているロール状のものを図示したが、液体などの均一系触媒や、粒状やブロック状などの不均一系触媒でもよく、大きさ及び形状は任意である。
(中子)本発明方法で用いられる通路形成用中子1は、図2(a)〜(c)に示したごとく図1の触媒15を内蔵した筒体10が両端内側にメッシュ材13を介して突出した通路形成用線材11を有している。この場合、メッシュ材13は、上記した触媒用保持作用及び目詰まり防止作用と共に、通路形成用線材11や図5(a)の線材12の対応端を位置決め保持する作用も兼ねる。
線材11は、通路形成用の細い棒状ないしは線状であるが管状であってもよい。そのような線又は管の外径は目的の通路に応じ設定されるが、通常はミリサイズからミクロンサイズである。形状も任意であり、図5(a)の線材12のごとくY形に設定されることもある。材質としては、図4の第2形態の場合は焼成温度で分解除去されるものであればよく、蝋、紙、有機繊維などである。図5の第3形態の場合は酸又はアルカリ可溶性のガラス製、樹脂などである。
図2(c)の変形例では、メッシュ材が二重、つまり筒体10の両端において、外側メッシュ材13、空洞部10a、内側メッシュ材14の配置となっている。これは、例えば、メッシュ材13が目詰まりしても空洞部10a及びメッシュ材14の存在により触媒15の正常な作用を維持できるようにしたり、触媒15が比較的小さくても筒体10内に確実に収容可能にする。なお、以上の中子構成において、例えば、メッシュ材13が筒体10の両側に設けられ、かつ、線材11が管で構成されるような態様だと、後述する焼結過程で発生するガスを外部へ放出し易くなり、ガス発生に起因した熱膨張などを緩和したり解消できる。
(第1形態)図3の製造方法は、請求項1に対応しており、予備成形工程と焼結工程及び通路形成工程とを必須としている。まず、予備成形工程では、圧縮成形用金型を使用して、該金型のキャビティに対し図1の触媒15を内蔵した筒体10を配置した状態で、上記基材用樹脂粉末を充填した後、圧縮成形する。ここで、金型は、圧縮成形用として通常使用されているものと同様であり、型本体が粉末投入部を形成していると共に、該粉末投入部に対し上下から昇降される上下パンチを有している。
そして、同(a)の焼結体2Aに対応する圧縮体の場合は、例えば、型本体の粉末投入部に対し下パンチを上昇し、粉末投入部と下パンチの上端面とで圧縮体に対応するキャビティを区画形成する。次に、前記キャビティに対し樹脂粉末を総投入量の約半分だけ投入した後、図1の触媒15を内蔵した筒体10をその投入された樹脂粉末上に位置決め配置すると共に、配置された筒体10の上に樹脂粉末の残量を投入する。
そして、以上の樹脂粉末の投入状態から、上パンチを下降すると同時に、下パンチを上昇することによりフッ素樹脂粉末を圧縮して押し固める。このように、予備成形では上下パンチの両押し法が好ましい。但し、原理的には下パンチを固定して上パンチにより押し固める片押し法でも可能である。また、予備成形での加圧力は、各種試験から、例えば、樹脂粉末がフッ素樹脂(PTFE樹脂)粉末単独の場合だと15〜50MPa、フッ素樹脂(PTFE樹脂)粉末に上記した充填材を混ぜた場合だと40〜150MPa程度が好ましい。
(焼結工程)この工程では、予備成形工程で得られた圧縮体を加熱炉に入れて融点より少し高めの温度に加熱し中子挿入状態で粉末同士を融着する。加熱炉は均一焼成の観点から熱風循環式が好ましい。焼成温度は使用樹脂により異なるが、例えばフッ素樹脂の場合だと400℃以下であり、好ましくは360〜380℃に設定される。焼結工程では、前記圧縮体が焼成温度に加熱されると、分子の相互拡散により焼き締められた焼結体2Aに成形されると共に、触媒15を内蔵した筒体10が焼結体2Aに埋設される。なお、焼結体2Aは焼成後、冷却として室温空冷にて処理されることになる。
(通路形成工程)同(b)は焼結工程で得られた焼結体2Aに対し触媒15を内蔵した筒体10に通じる通路部aを機械加工により形成した機械加工後の焼結体2Aを示している。機械加工では、例えば、ドリル又はそれに類似の精密孔あけ用加工機が用いられる。この例では、各通路部aは、触媒15を内蔵した筒体10に対し、上記した筒体両端のメッシュ材13に向けて直線状に設けられている。このため、この焼結体2Aでは、通路21が一方通路部a及び触媒15を内蔵した筒体10並びに他方通路部aにより構成されている。
図3(c)のマイクロ化学プラント20は、同(b)の焼結体2Aに形成した各通路21の両端(つまり両端の通路部a)にそれぞれ接続管6を連結した一例である。従って、このマイクロ化学プラント20の場合は、例えば、試験液等の流体を一方側接続管6から通路21に導入すると共に、他方側接続管6から排出可能となる。その場合、この構成では、上記した各通路21において、対象溶液や混合気体が一方通路部aから他方通路部aに流される途中、つまり筒体10を通過するときに触媒15の反応促進作用や反応開始作用などが得られるようになっている。
(第2形態)図4の製造方法は、請求項2に対応しており、予備成形工程及び中子除去工程とを必須としている。まず、予備成形工程では、圧縮成形用金型を使用して、該金型のキャビティに対し図2の通路形成用中子1を配置した状態で、上記基材用樹脂粉末を充填した後、圧縮成形する。ここで、金型は、圧縮成形用として通常使用されているものと同様であり、型本体が粉末投入部を形成していると共に、該粉末投入部に対し上下から昇降される上下パンチを有している。
すなわち、同(a)の圧縮体3の場合は、例えば、型本体の粉末投入部に対し下パンチを上昇し、粉末投入部と下パンチの上端面とで圧縮体3に対応するキャビティを区画形成する。次に、前記キャビティに対し樹脂粉末を総投入量の約半分だけ投入した後、上記中子1をその投入された樹脂粉末上に位置決め配置すると共に、配置された中子1の上に樹脂粉末の残量を投入する。この場合、両側の通路形成用線材11は、両端部が成形される圧縮体3から少し突出する長さに設定され、型本体の対向側壁にそれぞれ設けられた位置決め用穴部に配置される。そして、樹脂粉末の投入状態から、上パンチを下降すると同時に、下パンチを上昇することによりフッ素樹脂粉末を圧縮して押し固める。これらは中子1を除いて第1形態と同様である。また、予備成形での加圧力も第1形態で述べたことが当てはまる。
(中子除去工程)この工程では、予備成形工程で得られた圧縮体3から両側の中子11を引き抜いて通路11aを形成するか、圧縮体3を焼成した焼結体3Aから各中子11を引き抜いて通路11aを形成する。すなわち、前者の場合は中子11を引き抜いた圧縮体3を、後者の場合は予備成形工程で得られた状態の圧縮体3を、加熱炉に入れて融点より少し高めの温度に加熱し粉末同士を融着する。焼成条件及び焼結後の処理は第1形態と同じである。そして、この構成では、圧縮体3が焼成温度に加熱されると、分子の相互拡散により焼き締められた焼結体3Aに成形される。後者の場合はその焼結体3Aから各中子11を引き抜いて通路11aを形成する。同(b)はそのようにして作られた焼結体3Aを示している。各通路31は、線材11,11に対応した通路部11a,11aと、該通路部同士の間の筒体10の内径通路部で構成されている。筒体10の内径通路部には上記した触媒15が内蔵されている。
図4(c)のマイクロ化学プラント30は、同(b)の焼結体3Aに形成した各通路31の両端(つまり両端の通路部11a)にそれぞれ接続管6を連結した一例である。従って、このマイクロ化学プラント30の場合は、例えば、試験液等の流体を一方側接続管6から通路11aに導入すると共に、他方側接続管6から排出可能となる。その場合、この構成では、上記した各通路31において、対象溶液や混合気体が一方通路部11aから他方通路部11aに流される途中、つまり筒体10を通過するときに触媒15の反応促進作用や反応開始作用などが得られる。
(第3形態)図5の製造方法は請求項3に対応している。まず、予備成形工程では、圧縮成形用金型を使用して、該金型のキャビティに対し図2の通路形成用中子1を配置した状態で、上記基材用樹脂粉末を充填した後、圧縮成形する。ここで、金型は、圧縮成形用として通常使用されているものと同様であり、型本体が粉末投入部を形成していると共に、該粉末投入部に対し上下から昇降される上下パンチを有している。
すなわち、同(a)の圧縮体3の場合は、例えば、型本体の粉末投入部に対し下パンチを上昇し、粉末投入部と下パンチの上端面とで圧縮体3に対応するキャビティを区画形成する。次に、前記キャビティに対し樹脂粉末を総投入量の約半分だけ投入した後、上記中子1をその投入された樹脂粉末上に位置決め配置すると共に、配置された中子1の上に樹脂粉末の残量を投入する。そして、樹脂粉末の投入状態から、上パンチを下降すると同時に、下パンチを上昇することによりフッ素樹脂粉末を圧縮して押し固める。これらは中子1を除いて第2形態と同様である。また、予備成形での加圧力も第1形態で述べたことが当てはまる。
(焼結工程)この工程では、予備成形工程で得られた圧縮体3を加熱炉に入れて融点より少し高めの温度に加熱し中子挿入状態で粉末同士を融着する。加熱炉は均一焼成の観点から熱風循環式が好ましい。焼成温度は使用樹脂により異なるが、例えばフッ素樹脂の場合だと400℃以下であり、好ましくは360〜380℃に設定される。
焼結工程では、圧縮体3が焼成温度に加熱されると、分子の相互拡散により焼き締められた焼結体3Aに成形されると共に、挿入されていた中子1のうち、筒体10の前後端に突出されている各線材11が焼成時の熱で分解除去つまり気化したり溶融して取り除かれる。すなわち、この構成では、上記中子1の各線材11として焼成温度で分解される材質を使用し、線材自体を得られる焼結体3A内から熱で分解除去して複数の通路31を形成する。なお、焼結体3Aは焼成後、冷却として室温空冷にて処理される。すると、各通路31は、線材11,11に対応した通路部11a,11aと、該通路部同士の間の筒体10の内径通路部で構成されている。筒体10の内径通路部には上記した触媒15が内蔵されている。
図5(c)のマイクロ化学プラント30は、同(b)の焼結体3Aに形成した各通路31の両端(つまり両端の通路部11a)にそれぞれ接続管6を連結した一例である。従って、このマイクロ化学プラント30の場合は、例えば、試験液等の流体を一方側接続管6から通路11aに導入すると共に、他方側接続管6から排出可能となる。その場合、この構成でも第2形態と同じく、上記した各通路31において、対象溶液や混合気体が一方通路部11aから他方通路部11aに流される途中、つまり筒体10を通過するときに触媒15の反応促進作用や反応開始作用などが得られる。
(第4形態)図6の製造方法は、請求項4に対応しており、予備成形工程、焼結工程、中子除去工程とを必須としている。このうち、予備成形工程は中子を除いて第3形態とほぼ同じ。すなわち、この工程では、圧縮成形用金型を使用して、該金型のキャビティに対し中子1Aを配置した状態で、上記基材用樹脂粉末を充填した後、圧縮成形する。ここで、金型は、圧縮成形用として通常使用されているものと同様であり、型本体が粉末投入部を形成していると共に、該粉末投入部に対し上下から昇降される上下パンチを有している。中子1Aは、図2の中子1に対し、両側の線材11の一方をY形線材12に変更した点で異なっているが、それ以外は同じ。材質は、線材11,12が焼成温度で形状変位しないと共に、化学的に溶解されるものであり、好ましくはガラスや樹脂などである。
そして、同(a)の焼結体4Aに対応する圧縮体の場合は、例えば、型本体の粉末投入部に対し下パンチを上昇し、粉末投入部と下パンチの上端面とで圧縮体1に対応するキャビティを区画形成する。次に、前記キャビティに対し樹脂粉末を総投入量の約半分だけ投入した後、中子1Aをその投入された樹脂粉末上に位置決め配置すると共に、配置された中子1Aの上に樹脂粉末の残量を投入する。
以上の樹脂粉末の投入状態から、上パンチを下降すると同時に、下パンチを上昇することによりフッ素樹脂粉末を圧縮して押し固める。このように、予備成形では上下パンチの両押し法が好ましい。これらは中子1Aを除いて上記各形態と同様である。また、予備成形での加圧力の点も各形態で述べたことが当てはまる。
(焼結工程)この工程では、熱風循環式加熱炉などを使用し、予備成形工程で得られた圧縮体をその加熱炉に入れて融点より少し高めの温度に加熱し中子挿入状態で粉末同士を融着する。この場合も、焼成温度は使用樹脂により異なるが、例えばフッ素樹脂の場合だと400℃以下であり、好ましくは360〜380℃に設定される。焼成後、冷却として室温空冷にて処理される。
(中子除去工程)この工程では、例えば、図6(a)の焼結体4Aが溶解液に浸されることで、挿入されていた中子1Aのうち、線材11,12が化学的に溶解されることで除去される。すなわち、この構成では、例えば、中子1Aの線材11,12が酸又はアルカリ可溶性のガラス製などであり、焼結体4Aにインサートされた状態で、線材11,12を焼結体4A内から溶かすことで通路41を形成する。そして、前記通路41は、線材11,12に対応した通路部11a,12aと、該通路部同士の間の筒体10の内径通路部で構成されている。筒体10の内径通路部には上記した触媒15が内蔵されている。
図6(c)のマイクロ化学プラント40は、同(b)の焼結体4Aの各通路部11a,12aの端末に接続管6を付設したものである。従って、このマイクロ化学プラント30の場合も、例えば、試験液等の流体を一方側接続管6と接続管6から各通路12aに導入し筒体10を通って、他方側接続管6から排出可能となる。その場合、この構成でも、上記した通路41において、対象溶液や混合気体が一方通路部12,12aから他方通路部11aに流される途中、つまり筒体10を通過するときに触媒15の反応促進作用や反応開始作用などが得られるようになっている。
(第5形態)図7(b)のマイクロ化学プラント50は、以上の製造方法で通路を形成した焼結体2A又は3Aと、焼結体4Aの複数を積層した一例を示している。同図のマイクロ化学プラント50は、第1形態や第2形態と同じか類似する通路a又は11aを形成した焼結体2A又は3Aと、第3形態と同じか類似する通路12aを形成した焼結体4Aとを積層していると共に、焼結体2A又は3Aの同じ側の通路端同士を接続管9で連結し、それ以外の通路端に接続管6を取り付けている。
すなわち、以上の構成特徴は、図7(a)のごとく第1形態〜第3形態で作成された通路a又は11aを有した焼結体2A又は3A、通路12a,11aを有した焼結体4Aが複数積層配置されることで、例えば、焼結体2A又は3Aと焼結体4Aが同じ側にあって、焼結体2A又は3Aの左側通路部a又は11aと焼結体4AのY形通路部12aの一方とを接続管9で繋いだ第1通路(例えば、導入第1通路)、及び焼結体2A又は3Aの右側通路部11aと焼結体4AのY形通路部12aの他方とを接続管9で繋いだ第2通路(例えば、導入第2通路)、焼結体4AのY形通路部12aの合流部から筒体10内を通って焼結体4Aの反対側通路部11aに至る第3通路(排出側通路)として形成されていること、各焼結体が複数のボルト7C−ナット8等の簡易な締結部材や不図示の接着剤などで一体化されている。そして、例えば、対象溶液や混合気体は前記第1通路(例えば、導入第1通路)と、前記第2通路(例えば、導入第2通路)とを流れる途中で、焼結体2A又は3Aの各通路21又は31を構成している筒体10をそれぞれ通過するときに触媒15の反応促進作用や反応開始作用などが得られる。また、それら対象溶液や混合気体は、前記第3通路(排出側通路)の途中で、焼結体4Aの筒体10をそれぞれ通過するときに触媒15の反応促進作用や反応開始作用などが得られるようになっている。
なお、図7の構成は複数積層の一例を挙げたものである。通路設計としては、焼結体の対向側面間に通路を形成するだけではなく、例えば矩形の焼結体の場合だと、通路の出入口が左右の一方側面と前後の一方側面、左右の両側面と前後の一方側面、というように目的に応じた配置とすることができる。
また、以上のように本発明は、第1形態から第4形態で作成される機能性通路を有する焼結体を単位とし、その単位の焼結体2A,3A,4Aでマイクロ化学プラント20,30,40を構成するだけではなく、該単位焼結体の複数を積層することにより複雑な機能性通路の形成も容易となって更なる利用分野の拡大を期待できる。更に、単位の焼結体2A,3A,4Aからなるマイクロ化学プラント20,30,40には、例えば、各焼結体の適宜な箇所に前記通路と共に流体溜部や合流部及び分岐部など必要に応じて設けることができる。
(a)は第1形態の製造方法で使用する触媒を内蔵した筒の概略外観図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は触媒形状の一例を示している。 (a)は第2形態から第4形態の製造方法で使用する通路形成用中子の概略外観図、(b)は(a)のA1−A1線断面図、(c)は前記中子の変形例を示している。 (a)は第1形態の製造方法の焼結工程で得られた焼結体を示し、(b)は機械加工後の焼結体を示し、(c)は該焼結体を用いたマイクロ化学プラントを示している。 (a)は第2形態の製造方法の予備圧縮工程で得られた圧縮体を示し、(b)は焼成された焼結体を示し、(c)は該焼結体を用いたマイクロ化学プラントを示している。 (a)は第3形態の製造方法の予備圧縮工程で得られた圧縮体を示し、(b)は焼成された焼結体を示し、(c)は該焼結体を用いたマイクロ化学プラントを示している。 (a)は第4形態の製造方法の焼結工程で得られた焼結体を示し、(b)は化学的に中子を除去した後の焼結体を示し、(c)は該焼結体を用いたマイクロ化学プラントを示している。 (a)は各形態の製造方法で作成された複数の焼結体を示し、(b)はその複数の焼結体を積層したマイクロ化学プラントを示している。
1,1A…中子
2A,3A,4A…焼結体
3…圧縮体
6,9…接続管
10…筒体
11,12…中子の線材(通路形成部)
13,14…メッシュ材
15…触媒(15aは孔)
21…通路(aは通路部)
31…通路(11aは線材に対応した通路部)
41…通路(11a,12aは線材に対応した通路部)
20,30,40,50…マイクロ化学プラント

Claims (5)

  1. 耐薬品性に優れた基材に設けられて触媒を一部に設けた通路を有しているマイクロ化学プラントの製造方法であって、
    前記触媒を筒体に内蔵すると共に、前記筒体の両端に設けられメッシュ材により抜け止めしたものを用いて、
    前記基材として樹脂粉末を、該樹脂粉末中に、前記筒体を配置した状態で圧縮する予備成形工程と、
    前記予備成形工程で得られた圧縮体を焼成する焼結工程と、
    前記焼結工程で得られた焼結体にドリル等の機械加工により前記筒体に通じる前記通路を形成する通路形成工程
    とを経ることを特徴とするマイクロ化学プラントの製造方法。
  2. 耐薬品性に優れた基材に設けられて触媒を一部に設けた通路を有しているマイクロ化学プラントの製造方法であって、
    前記触媒を内蔵している筒体、及び前記筒体の両端にメッシュ材を介して突出した通路形成用線材とからなる中子を用いて、
    前記基材として樹脂粉末を、該樹脂粉末中に、前記中子を配置した状態で圧縮する予備成形工程と、
    前記予備成形工程で得られた圧縮体を焼成すると共に、前記圧縮体又は前記圧縮体を焼成した焼結体から前記中子の前記通路形成用線材を引き抜いて前記通路を形成する中子除去工程
    とを経ることを特徴とするマイクロ化学プラントの製造方法。
  3. 耐薬品性に優れた基材に設けられて触媒を一部に設けた通路を有しているマイクロ化学プラントの製造方法であって、
    前記触媒を内蔵している筒体、及び前記筒体の両端にメッシュ材を介して突出した通路形成用線材とからなる中子を用いて、
    前記基材として樹脂粉末を、該樹脂粉末中に、前記中子を配置した状態で圧縮する予備成形工程と、
    前記予備成形工程で得られた圧縮体を焼成すると共に、得られる焼結体が前記中子の前記通路形成用線材を焼成時の熱で分解除去して前記通路を形成する焼結・中子除去工程
    とを経ることを特徴とするマイクロ化学プラントの製造方法。
  4. 耐薬品性に優れた基材に設けられて触媒を一部に設けた通路を有しているマイクロ化学プラントの製造方法であって、
    前記触媒を内蔵している筒体、及び前記筒体の両端にメッシュ材を介して突出した通路形成用線材とからなる中子を用いて、
    前記基材として樹脂粉末を用い、該樹脂粉末中に、前記中子を配置した状態で圧縮する予備成形工程と、
    前記予備成形工程で得られた圧縮体を焼成する焼結工程と、
    前記焼結工程で得られた焼結体から前記中子の前記通路形成用線材を化学的に溶かして前記通路を形成する中子除去工程
    とを経ることを特徴とするマイクロ化学プラントの製造方法。
  5. 耐薬品性に優れた基材に設けられて触媒を一部に設けた通路を有しているマイクロ化学プラントであって、請求項1から4のいずれかの製造方法により作られたことを特徴とするマイクロ化学プラント。
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