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JP5233198B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description

本発明は半導体装置に関し、特に、熱抵抗を監視する機能が搭載された半導体装置に適用して好適なものである。
大電力用半導体装置では、半導体チップからの放熱を効率よく行えるようにするために、熱伝導率の高い銅ベース上に絶縁のためのセラミック基板を介して半導体チップが実装され、半導体チップと銅ベースとの間の部材間の接合には半田が用いられている。これらの部材は熱膨張係数差が大きく、温度サイクルによってこれらの部材間に応力歪が発生することから、半田が疲労し、半田クラックが発生する。半田クラックが発生すると、半導体チップからの放熱性が劣化し、半導体チップの温度が急激に上昇することから、半導体チップの熱破壊に至る危険性がある。
このような危険性を未然に回避できるようにするため、半導体素子の寿命試験を行うことで、寿命加速係数を求め、半導体素子の寿命を予測することで、予測された寿命の範囲内で半導体装置を動作させることが行われている。
あるいは、半導体チップの温度を監視し、異常な温度上昇が検出されると、半導体装置の動作を強制的に停止させる方法も行われている。
図7は、従来の半導体装置の概略構成を示すブロック図である。
図7において、半導体チップ11には、スイッチング動作を行うスイッチング素子12および半導体チップ11の温度検出に用いられるダイオード13が形成されている。なお、スイッチング素子12としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を用いることができる。
そして、スイッチング素子12としてIGBTを用いるものとすると、IGBTコレクタ電流から分流されたエミッタは抵抗18を介して接地され、IGBTのゲートには、論理積回路24からの出力端子が駆動回路25を介して接続され、ダイオード13は温度算出部17の入力端子に接続されている。そして、温度算出部17からの出力端子は比較器23の反転入力端子に接続され、基準電圧源22は比較器23の非反転入力端子に接続され、比較器23の出力端子は、論理積回路24の反転入力端子に接続され、論理積回路24の非反転入力端子には信号入力端子が接続され、論理積回路24の出力端子は駆動回路25の入力端子に接続されている。
そして、スイッチング素子11のスイッチング動作を制御する制御信号が、論理積回路24および駆動回路25を介してスイッチング素子11のゲートに印加されると、スイッチング素子11がオンし、抵抗18に電流が流れる。そして、スイッチング素子11のスイッチング動作に伴って半導体チップ11の温度が上昇すると、ダイオード13の温度特性に従ってダイオード13を流れる電流が変化し、そのダイオード13からの信号が温度算出部17に入力される。
そして、温度算出部17は、ダイオード13からの信号に基づいて半導体チップ11の温度を算出し、その温度に対応した電圧を比較器23に入力する。そして、比較器23は、半導体チップ11の温度に対応した電圧を基準電圧と比較し、半導体チップ11の温度が所定値以上になると、論理積回路24の反転入力端子をロウレベルにすることで、制御信号がスイッチング素子11のゲートに入力されるのを阻止して、スイッチング素子11の動作を停止させる。
また、例えば、特許文献1には、半導体素子および各部品に熱電対を取り付けることによって、装置の使用中の温度を常時監視し、各接合部の劣化および装置の冷却状況が把握できるようにした方法が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、半導体素子の使用状態における発生熱を放散する放熱経路の熱抵抗の増加を検出する素子を搭載し、その検出結果を半導体装置外部に出力することで、使用状態における素子搭載用絶縁基板と放熱基板とを固着する半田のクラック発生による脆弱化を早期に検出できるようにした方法が開示されている。
また、例えば、特許文献3には、金属ワイヤにより金属接合された接合部の特性を検出し、接合部の劣化による抵抗の上昇と寿命の関係から決定したしきい値を用いることで、接合部の劣化を予測する方法が開示されている。
特開平7−14948号公報 特開平9−148523号公報 WO2005/038919
しかしながら、半導体素子の寿命を予測する方法では、寿命予測に用いられるモデルケースが実際の動作時の動作パターンと異なると、寿命予測ができなくなり、半導体チップの熱破壊に至る危険性を回避できなくなるという問題があった。
また、半導体チップの温度を監視する方法では、半導体装置が定格電流以下で動作される場合には、半田クラックが発生した場合においても、半導体チップの異常な温度上昇を検出することができなくなるため、半導体チップの熱破壊を未然に防止することができないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、半導体装置の動作状態が予測できない場合においても、半導体チップからの放熱性の劣化を検出することが可能な半導体装置を提供することである。
上述した課題を解決するために、請求項1記載の半導体装置によれば、スイッチング素子が形成された半導体チップと、前記半導体チップが半田層を介して実装された実装基板と、前記半導体チップから発生した熱を放熱させる放熱手段と、前記スイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出回路と、前記スイッチング素子に印加される電圧を検出する電圧検出回路と、前記電流検出回路にて検出された電流および前記電圧検出回路にて検出された電圧に基づいて、前記スイッチング素子に発生した損失を計算する損失計算回路と、前記半導体チップの温度を検出する温度検出手段と、前記損失計算回路にて計算された前記スイッチング素子の損失および前記温度検出手段にて検出された前記半導体チップの温度に基づいて、前記半導体チップからの放熱経路上の熱抵抗を算出する熱抵抗算出回路とを備えた半導体装置において、前記熱抵抗算出回路は、前記温度検出手段にて検出された温度を参照することで、前記損失計算回路にて計算された損失発生前後の温度差を算出する温度差算出部と、前記損失計算回路にて計算された損失および前記温度差算出部にて算出された温度差に基づいて、前記半導体チップからの放熱経路上の熱抵抗を計算する熱抵抗計算部とを備え、前記熱抵抗算出回路は、前記半導体チップからの放熱経路の温度が飽和するまでの時間に基づいて、前記スイッチング素子に発生した損失の積分値および前記半導体チップの温度差を算出し、前記半導体チップからの放熱経路上の特定箇所の熱抵抗を計算することを特徴とする。
これにより、スイッチング素子を実際に動作させながら、半導体チップからの放熱経路上の熱抵抗を算出することができる。このため、半導体装置の動作状態が予測できない場合においても、半導体チップからの放熱性の劣化を検出することが可能となり、半田クラックの発生を的確に捉えることが可能となることから、半導体チップの熱破壊を未然に防止することができる。
また、半導体チップの温度を検出することで、スイッチング素子を実際に動作させながら、半導体チップからの放熱経路上の熱抵抗を算出することができ、半導体チップからの放熱性の劣化を検出することが可能となる。
また、半導体チップの温度のサンプリング間隔を変えることで、半導体チップからの放熱経路上の特定箇所の熱抵抗を計算することができ、半導体チップから発生した熱を放熱させる放熱手段が設けられている場合においても、半田層の異常を検出することが可能となることから、半田クラックの発生を的確に捉えることが可能となる。
また、請求項2記載の半導体装置は、請求項1に記載の発明において、前記熱抵抗算出回路は、前記スイッチング素子に発生した損失の積分値および前記半導体チップの温度差を算出する時間間隔を200ms以下に設定することで、前記半導体チップを前記実装基板に固着する半田層の異常を監視し、前記スイッチング素子に発生した損失の積分値および前記半導体チップの温度差を算出する時間間隔を2sec以下に設定することで、前記放熱手段との接触面の異常を監視し、前記スイッチング素子に発生した損失の積分値および前記半導体チップの温度差を算出する時間間隔を2sec以上に設定することで、前記放熱手段の異常を監視することを特徴とする。
これにより、半導体チップの温度のサンプリング間隔を変えることで、半田層の異常だけでなく、放熱手段との接触面の異常や放熱手段の異常を監視することができ、半導体チップからの放熱性の劣化検出精度を向上させることが可能となる。
また、請求項3記載の半導体装置は、請求項1又は2に記載の発明において、前記熱抵抗算出回路にて算出された熱抵抗を所定値と比較する比較手段と、前記熱抵抗算出回路にて算出された熱抵抗が前記所定値を超えた場合、前記スイッチング素子の動作を停止させるか、あるいは前記スイッチング素子の流れる電流を制限する保護回路をさらに備えることを特徴とする。
これにより、半田クラックが発生した場合、スイッチング素子の動作を停止させることができ、半導体チップの熱破壊を未然に防止することができる。
また、請求項4記載の半導体装置は、請求項1,2又は3に記載の発明において、前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御回路と、前記スイッチング動作を制御する制御情報に基づいて、前記スイッチング素子の損失および温度を算出し、前記半導体チップからの放熱経路上の熱抵抗を予測する熱抵抗予測回路と、前記熱抵抗算出回路にて算出された熱抵抗を前記熱抵抗予測回路にて予測された熱抵抗と比較する比較手段と、前記熱抵抗算出回路にて算出された熱抵抗が前記熱抵抗予測回路にて予測された熱抵抗を超えた場合、前記スイッチング素子の動作を停止させるか、あるいは前記スイッチング素子の流れる電流を制限する保護回路をさらに備えることを特徴とする。
これにより、ユニット全体の熱抵抗を考慮しながら、スイッチング素子の動作を停止させることができ、半導体チップの熱破壊を未然に防止することができる。
また、請求項5記載の半導体装置は、スイッチング素子が形成された半導体チップと、前記半導体チップが半田層を介して実装された実装基板と、前記半導体チップから発生した熱を放熱させる放熱手段と、前記スイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出回路と、前記スイッチング素子に印加される電圧を検出する電圧検出回路と、前記電流検出回路にて検出された電流および前記電圧検出回路にて検出された電圧に基づいて、前記スイッチング素子に発生した損失を計算する損失計算回路と、前記損失計算回路にて計算された損失を、前記半導体チップからの放熱経路の温度が飽和するまでの時間に設定されたパルス幅のリセット信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジにてリセットされながら積分する積分回路と、前記半導体チップの温度を検出する温度検出手段と、前記損失計算回路にて計算され前記積分回路により積分された前記スイッチング素子の損失および前記温度検出手段にて検出された前記半導体チップの温度に基づいて、前記半導体チップからの放熱経路上の熱抵抗を算出する熱抵抗算出回路とを備えることを特徴とする。
これにより、半導体チップの温度のサンプリング間隔を変えることで、半田層の異常だけでなく、冷却体との接触面の異常や冷却体の異常を監視することができ、半導体チップからの放熱性の劣化の検出精度を向上させることが可能となり、半導体チップの熱破壊を未然に防止することができる。
以上説明したように、本発明によれば、スイッチング素子を実際に動作させながら、半導体チップからの放熱経路上の熱抵抗を算出することができる。このため、半導体装置の動作状態が予測できない場合においても、半導体チップからの放熱性の劣化を検出することが可能となり、半田クラックの発生を的確に捉えることが可能となることから、半導体チップの熱破壊を未然に防止することができる。
以下、本発明の実施形態に係る半導体装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の概略構成を示すブロック図である。
図1において、半導体チップ11には、スイッチング動作を行うスイッチング素子12および半導体チップ11の温度検出に用いられるダイオード13が形成されている。なお、スイッチング素子12としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)やバイポーラトランジスタあるいはパワーMOSFETを用いることができる。ここで、半導体チップ11は、熱伝導率の高い銅ベース上に絶縁のためのセラミック基板を介して実装することができ、半導体チップと銅ベースとの間の部材間の接合には半田を用いることができる。
また、半導体チップ11が設けられた半導体装置には、スイッチング素子12にかかる電圧を検出する電圧検出回路16、スイッチング素子12に流れる電流を検出する電流検出回路19、ダイオード13から出力された信号に基づいて半導体チップ11の温度を算出する温度算出部17、電流検出回路19にて検出された電流および電圧検出回路16にて検出された電圧に基づいて、スイッチング素子12に発生した損失を計算する損失計算回路20、損失計算回路20にて計算されたスイッチング素子12の損失および温度算出部17にて算出された半導体チップ11の温度に基づいて、半導体チップ11からの放熱経路上の熱抵抗を算出して、その熱抵抗に対応した電圧に変換して出力する熱抵抗算出回路21、基準電圧を発生させる基準電圧源22、熱抵抗算出回路21にて算出された熱抵抗に対応した電圧を基準電圧と比較する比較器23、熱抵抗算出回路21にて算出された熱抵抗に対応した電圧が基準電圧を超えた場合、スイッチング素子12のスイッチング動作を制御する制御信号がスイッチング素子12に出力されるのを阻止する論理積回路24、スイッチング素子12を駆動する駆動回路25が設けられている。
なお、電圧検出回路16、電流検出回路19、駆動回路25はボロテージフォロワ接続されたオペアンプ、損失計算回路20は乗算器を用いることができる。
そして、スイッチング素子12としてIGBTを用いるものとすると、IGBTから分流されたエミッタは抵抗18を介して接地され、IGBTのゲートには、論理積回路24からの出力端子が駆動回路25を介して接続され、ダイオード13は温度算出部17の入力端子に接続されている。
また、IGBTのコレクタは、逆バイアスがかかるように接続されたダイオード14を介して電圧検出回路16の入力端子に接続され、ダイオード14のアノード側は抵抗15にてプルアップ接続されている。なお、ダイオード14は、スイッチング素子12に印加される数百V程度の高電圧が、数十V程度の電圧で動作する電圧検出回路16側に回り込むのを防止することができる。
また、IGBTのエミッタは電流検出回路19の入力端子に接続され、電圧検出回路16の出力端子は損失計算回路20の一方の入力端子に接続され、電流検出回路19の他方の入力端子に接続されている。
そして、温度算出部17の出力端子は熱抵抗算出回路21の一方の入力端子に接続される。損失計算回路20の出力端子は熱抵抗算出回路21の他方の入力端子に接続され、熱抵抗算出回路21の出力端子は、比較器23の反転入力端子に接続され、基準電圧源22は比較器23の非反転入力端子に接続され、比較器23の出力端子は、論理積回路24の反転入力端子に接続される。論理積回路24の非反転入力端子には信号入力端子が接続され、論理積回路24の出力端子は駆動回路25の入力端子に接続されている。
そして、スイッチング素子11のスイッチング動作を制御する制御信号が、論理積回路24および駆動回路25を介してスイッチング素子11のゲートに印加されると、スイッチング素子11がオンし、抵抗18に電流が流れる。そして、スイッチング素子11のスイッチング動作に伴って半導体チップ11の温度が上昇すると、ダイオード13の温度特性に従ってダイオード13を流れる電流が変化し、そのダイオード13からの信号が温度算出部17に入力される。
そして、温度算出部17は、ダイオード13からの信号に基づいて半導体チップ11の温度を算出し、その温度に対応した電圧を熱抵抗算出回路21の一方の入力端子に入力する。
また、スイッチング素子11のコレクタに印加される電圧はダイオード14を介して電圧検出回路16にて検出され、電圧検出回路16にて検出された電圧は損失計算回路20の一方の入力端子に入力される。また、スイッチング素子11を介して抵抗18に流れる電流は電流検出回路19にて検出され、電流検出回路19にて検出された電流は損失計算回路20の他方の入力端子に入力される。
そして、損失計算回路20は、電流検出回路19にて検出された電流および電圧検出回路16にて検出された電圧に基づいて、スイッチング素子12に発生した損失を計算し、その損失を熱抵抗算出回路21の他方の入力端子に入力する。
そして、熱抵抗算出回路21は、損失計算回路20にて計算されたスイッチング素子12の損失および温度算出部17にて算出された半導体チップ11の温度に基づいて、半導体チップ11からの放熱経路上の熱抵抗を算出して、その熱抵抗に対応した電圧に変換して比較器23の反転入力端子に出力する。
そして、比較器23は、熱抵抗算出回路21にて算出された熱抵抗に対応した電圧を基準電圧と比較し、熱抵抗算出回路21にて算出された熱抵抗に対応した電圧が基準電圧以上になると、論理積回路24の反転入力端子をロウレベルにすることで、制御信号がスイッチング素子11のゲートに入力されるのを阻止して、スイッチング素子11の動作を停止させることができる。
これにより、スイッチング素子12を実際に動作させながら、半導体チップ11からの放熱経路上の熱抵抗を算出することができる。このため、半導体装置の動作状態が予測できない場合においても、半導体チップ11からの放熱性の劣化を検出することが可能となり、半田クラックの発生を的確に捉えることが可能となることから、半導体チップ11の熱破壊を未然に防止することができる。
なお、上述した実施形態では、熱抵抗算出回路21にて算出された熱抵抗に対応した電圧が基準電圧以上になると、スイッチング素子11の動作を停止させる方法について説明したが、熱抵抗算出回路21にて算出された熱抵抗に対応した電圧が基準電圧以上になると、スイッチング素子11の流れる電流を段階的に減少させるようにしてもよい。
図2は、図1の半導体チップ11の実装構造を示す断面図である。
図2において、銅板35上には、半田層36a、36bをそれぞれ介して半導体チップ11、38が実装され、銅板35はセラミック基板34上に配置され、セラミック基板34は銅板33上に配置され、銅板33は半田層32を介して銅ベース31に接続されている。なお、半導体チップ11には、IGBTなどのスイッチング素子12、半導体チップ38には、IGBTに逆並列接続されるフライホイールダイオードを形成することができ、半導体チップ11上には、半導体チップ11の温度を検出するダイオード13を形成することができる。そして、半導体チップ11、38および銅板35は、ボンディングワイヤ37a、37bを介して接続することができる。そして、銅ベース31には、半導体チップ11から発生した熱を放熱するヒートシンクなどの冷却体を取り付けることができる。
そして、半導体チップ11からの放熱経路上の熱抵抗を図1の熱抵抗算出回路21にて算出することにより、半導体装置の動作状態が予測できない場合においても、半導体チップ11からの放熱性の劣化を検出することができ、半導体チップ11の熱破壊を未然に防止することができる。
ここで、熱抵抗算出回路21は、半導体チップ11からの放熱経路の温度が飽和するまでの時間に基づいて、スイッチング素子12に発生した損失の積分値および半導体チップ11の温度差を算出し、半導体チップ11からの放熱経路上の特定箇所の熱抵抗を計算することができる。
例えば、半導体チップ11からの放熱経路上の半田層36aの温度が飽和するまでの時間は200ms以下、半導体チップ11から発生した熱を放熱する冷却体との接触面の温度が飽和するまでの時間は2sec以下、半導体チップ11から発生した熱を放熱する冷却体の温度が飽和するまでの時間は数secから数十minである。
このため、半導体チップ11の温度のサンプリング間隔を変えることで、半導体チップ11からの放熱経路上の特定箇所の熱抵抗を計算することができ、半導体チップ11から発生した熱を放熱する冷却体が設けられている場合においても、半田層36aの異常を検出することが可能となることから、半田クラックの発生を的確に捉えることが可能となる。
図3は、図1の半導体チップ11の概略構成を示す断面図である。
図3において、半導体チップ11にIGBTが形成されている場合、P型半導体基板41上には、N型半導体層42が形成され、N型半導体層42に形成されるチャネル領域上には、ゲート絶縁膜45を介してゲート電極46が形成されている。そして、N型半導体層42には、ゲート電極46の両側に配置されたP型半導体層43が形成され、P型半導体層43には、ゲート電極46の両端にかかるように配置されたN型半導体層44が形成されている。そして、P型半導体層43およびN型半導体層44に接触するようにして、絶縁層47を介してゲート電極46上に配置されたエミッタ電極48が形成され、P型半導体基板41の裏面には、コレクタ電極49が形成されている。
また、P型半導体層43上には、絶縁層50を介してN型半導体層51が形成され、N型半導体層51にはP型半導体層52が形成されることで、半導体チップ11の温度を検出するダイオードが構成されている。
そして、ゲート電極46はゲート端子Gに接続し、エミッタ電極48はエミッタ端子Eに接続し、コレクタ電極49はコレクタ端子Cに接続し、N型半導体層51はアノード端子Aに接続し、P型半導体層52はカソード端子Kに接続することができる。
ここで、N型半導体層51およびP型半導体層52からなるダイオードをP型半導体層43上に配置することで、タイムラグをほとんど伴うことなく半導体チップ11の温度を検出することができ、半導体チップ11からの放熱経路上の特定箇所の熱抵抗を精度よく計算することができる。
図4は、図1の熱抵抗算出回路の概略構成を示すブロック図である。
図4において、熱抵抗算出回路21には、オン/オフ信号がオンの時にチップ温度情報をホールド回路66に出力する論理積回路63、オン/オフ信号がオフの時にチップ温度情報をホールド回路67に出力する論理積回路64、オン/オフ信号を反転させるインバータ65、リセット信号の立ち上がりエッジに基づいて論理積回路63からの出力をホールドするホールド回路66、リセット信号の立ち下がりエッジに基づいて論理積回路64からの出力をホールド回路67、損失計算回路20にて計算された損失を積分する積分回路68、ホールド回路66、67のサンプリング間隔の間の温度差を算出する温度差算出部69、温度差算出部69にて算出された温度差と積分回路68にて積分された損失の積分値に基づいて熱抵抗を計算する熱抵抗計算部70が設けられている。
図5は、図4の熱抵抗算出回路における熱抵抗の算出動作を示すタイミングチャートである。
図5において、リセット信号のパルス幅は、半導体チップ11からの放熱経路の温度が飽和するまでの時間に設定することができる。例えば、半導体チップ11からの放熱経路上の半田層36aの熱抵抗を算出する場合には200ms以下、半導体チップ11から発生した熱を放熱する冷却体との接触面の熱抵抗を算出する場合には2sec以下、半導体チップ11から発生した熱を放熱する冷却体の熱抵抗を算出する場合には数secから数十minに設定することができる。また、リセット信号は、図1のスイッチング素子11をオン/オフするオン/オフ信号がハイレベルの時に立ち上がり、オン/オフ信号がロウレベルの時に立ち下がるように調整することができる。
そして、図1の温度算出部17にて算出されたチップ温度情報は論理積回路63、64に入力され、論理積回路63はオン/オフ信号がオンになると、温度算出部17にて算出されたチップ温度情報をホールド回路66に出力する。そして、ホールド回路66は、リセット信号の立ち上がりエッジに同期してチップ温度情報を取り込み、チップ温度がT1の時のチップ温度情報を保持することができる。
また、論理積回路64はオン/オフ信号がオフになると、温度算出部17にて算出されたチップ温度情報をホールド回路67に出力する。そして、ホールド回路67は、リセット信号の立ち下がりエッジに同期してチップ温度情報を取り込み、チップ温度がT2の時のチップ温度情報を保持することができる。
そして、チップ温度がT1の時のチップ温度情報およびチップ温度がT2の時のチップ温度情報は温度差算出部69に送られ、チップ温度T1、T2の差分が温度差算出部69に算出され、熱抵抗計算部70に送られる。
また、損失計算回路20にて計算された損失は積分回路68に送られ、リセット信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジにてリセットされながら、損失計算回路20にて計算された損失が積分回路68にて積分され、熱抵抗計算部70に送られる。
そして、熱抵抗計算部70は、温度差算出部69にて算出された温度差(T2−T1)と積分回路68にて積分された損失の積分値Pに基づいて熱抵抗を計算し、図1の比較器23に出力することができる。
なお、熱抵抗計算部70は、温度差算出部69にて算出された温度差(T2−T1)と積分回路68にて積分された損失の積分値Pが与えられると、以下の式で熱抵抗Rthを計算することができる。
Rth=(T2−T1)/P
これにより、図1の半導体チップ11の温度のサンプリング間隔を変えることで、図2の半田層36aの異常だけでなく、冷却体との接触面の異常や冷却体の異常を監視することができ、半導体チップ11からの放熱性の劣化の検出精度を向上させることが可能となる。
図6は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の概略構成を示すブロック図である。
図6において、半導体装置には、図1の構成に加え、スイッチング素子11のスイッチング動作を制御する制御回路81が設けられるとともに、図1の基準電圧源22の代わりに熱抵抗予測回路82が設けられている。
ここで、熱抵抗予測回路82は、制御回路81にて算出されたスイッチング素子12の損失S1および制御回路81にて算出された半導体チップ11の温度S2に基づいて、半導体チップ11からの放熱経路上の熱抵抗を予測し、その熱抵抗に対応した電圧に変換して比較器23に出力することができる。
なお、制御回路81は、スイッチング素子11のスイッチング動作を制御する制御信号を与えた時に、その時にスイッチング素子11に流れる電流、スイッチング素子11に印加される電圧および半導体チップ11の温度を計算するために計算式を予め保持することができる。
そして、制御回路81から出力された制御信号が、論理積回路24および駆動回路25を介してスイッチング素子11のゲートに印加されると、スイッチング素子11がオンし、抵抗18に電流が流れる。そして、スイッチング素子11のスイッチング動作に伴って半導体チップ11の温度が上昇すると、ダイオード13の温度特性に従ってダイオード13を流れる電流が変化し、そのダイオード13からの信号が温度算出部17に入力される。
そして、温度算出部17は、ダイオード13からの信号に基づいて半導体チップ11の温度を算出し、その温度に対応した電圧を熱抵抗算出回路21の一方の入力端子に入力する。
また、スイッチング素子11のコレクタにかかる電圧はダイオード14を介して電圧検出回路16にて検出され、電圧検出回路16にて検出された電圧は損失計算回路20の一方の入力端子に入力される。また、スイッチング素子11を介して抵抗18に流れる電流は電流検出回路19にて検出され、電流検出回路19にて検出された電流は損失計算回路20の他方の入力端子に入力される。
そして、損失計算回路20は、電流検出回路19にて検出された電流および電圧検出回路16にて検出された電圧に基づいて、スイッチング素子12に発生した損失を計算し、その損失を熱抵抗算出回路21の他方の入力端子に入力する。
そして、熱抵抗算出回路21は、損失計算回路20にて計算されたスイッチング素子12の損失および温度算出部17にて算出された半導体チップ11の温度に基づいて、半導体チップ11からの放熱経路上の熱抵抗を算出して、その熱抵抗に対応した電圧に変換して比較器23の反転入力端子に出力する。
また、制御回路81は制御信号を出力すると、スイッチング素子12の損失S1および半導体チップ11の温度S2を予測し、熱抵抗予測回路82に出力する。そして、熱抵抗予測回路82は、スイッチング素子12の損失S1および半導体チップ11の温度S2に基づいて、半導体チップ11からの放熱経路上の熱抵抗を予測し、比較器23に出力する。
そして、比較器23は、熱抵抗算出回路21にて算出された熱抵抗を、熱抵抗予測回路82にて予測された熱抵抗と比較する。熱抵抗算出回路21にて算出された熱抵抗が、熱抵抗予測回路82にて予測された熱抵抗以上になると、論理積回路24の反転入力端子をロウレベルにすることで、制御信号がスイッチング素子11のゲートに入力されるのを阻止して、スイッチング素子11の動作を停止させることができる。
これにより、冷却体を含むユニット全体の熱抵抗を考慮しながら、スイッチング素子12の動作を停止させることができ、半導体チップ11の熱破壊を未然に防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る半導体装置の概略構成を示すブロック図である。 図1の半導体チップ11の実装構造を示す断面図である。 図1の半導体チップ11の概略構成を示す断面図である。 図1の熱抵抗算出回路の概略構成を示すブロック図である。 図4の熱抵抗算出回路における熱抵抗の算出動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第2実施形態に係る半導体装置の概略構成を示すブロック図である。 従来の半導体装置の概略構成を示すブロック図である。
符号の説明
11、38 半導体チップ
12 スイッチング素子
13、14 ダイオード
15、18 抵抗
16 電圧検出回路
17 温度算出部
19 電流検出回路
20 損失計算回路
21 熱抵抗算出回路
22 基準電圧源
23 比較器
24、63、64 論理積回路
25 駆動回路
31 銅ベース
32、36a、36b 半田層
33、35 銅板
34 セラミック基板
37a、37b ボンディングワイヤ
41 P型半導体基板
43、52 P型半導体層
42、44、51 N型半導体層
45 ゲート絶縁膜
46 ゲート電極
47、50 絶縁層
48 エミッタ電極
49 コレクタ電極
65 インバータ
66、67 ホールド回路
68 積分回路
69 温度差算出部
70 熱抵抗計算部
81 制御回路
82 熱抵抗予測回路

Claims (5)

  1. スイッチング素子が形成された半導体チップと、
    前記半導体チップが半田層を介して実装された実装基板と、
    前記半導体チップから発生した熱を放熱させる放熱手段と、
    前記スイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出回路と、
    前記スイッチング素子に印加される電圧を検出する電圧検出回路と、
    前記電流検出回路にて検出された電流および前記電圧検出回路にて検出された電圧に基づいて、前記スイッチング素子に発生した損失を計算する損失計算回路と、
    前記半導体チップの温度を検出する温度検出手段と、
    前記損失計算回路にて計算された前記スイッチング素子の損失および前記温度検出手段にて検出された前記半導体チップの温度に基づいて、前記半導体チップからの放熱経路上の熱抵抗を算出する熱抵抗算出回路とを備えた半導体装置において、
    前記熱抵抗算出回路は、
    前記温度検出手段にて検出された温度を参照することで、前記損失計算回路にて計算された損失発生前後の温度差を算出する温度差算出部と、
    前記損失計算回路にて計算された損失および前記温度差算出部にて算出された温度差に基づいて、前記半導体チップからの放熱経路上の熱抵抗を計算する熱抵抗計算部とを備え、
    前記熱抵抗算出回路は、前記半導体チップからの放熱経路の温度が飽和するまでの時間に基づいて、前記スイッチング素子に発生した損失の積分値および前記半導体チップの温度差を算出し、前記半導体チップからの放熱経路上の特定箇所の熱抵抗を計算することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記熱抵抗算出回路は、前記スイッチング素子に発生した損失の積分値および前記半導体チップの温度差を算出する時間間隔を200ms以下に設定することで、前記半導体チップを前記実装基板に固着する半田層の異常を監視し、前記スイッチング素子に発生した損失の積分値および前記半導体チップの温度差を算出する時間間隔を2sec以下に設定することで、前記放熱手段との接触面の異常を監視し、前記スイッチング素子に発生した損失の積分値および前記半導体チップの温度差を算出する時間間隔を2sec以上に設定することで、前記放熱手段の異常を監視することを特徴とする請求項記載の半導体装置。
  3. 前記熱抵抗算出回路にて算出された熱抵抗を所定値と比較する比較手段と、
    前記熱抵抗算出回路にて算出された熱抵抗が前記所定値を超えた場合、前記スイッチング素子の動作を停止させるか、あるいは前記スイッチング素子の流れる電流を制限する保護回路をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
  4. 前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御回路と、
    前記スイッチング動作を制御する制御情報に基づいて、前記スイッチング素子の損失および温度を算出し、前記半導体チップからの放熱経路上の熱抵抗を予測する熱抵抗予測回路と、
    前記熱抵抗算出回路にて算出された熱抵抗を前記熱抵抗予測回路にて予測された熱抵抗と比較する比較手段と、
    前記熱抵抗算出回路にて算出された熱抵抗が前記熱抵抗予測回路にて予測された熱抵抗を超えた場合、前記スイッチング素子の動作を停止させるか、あるいは前記スイッチング素子の流れる電流を制限する保護回路をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の半導体装置。
  5. スイッチング素子が形成された半導体チップと、
    前記半導体チップが半田層を介して実装された実装基板と、
    前記半導体チップから発生した熱を放熱させる放熱手段と、
    前記スイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出回路と、
    前記スイッチング素子に印加される電圧を検出する電圧検出回路と、
    前記電流検出回路にて検出された電流および前記電圧検出回路にて検出された電圧に基づいて、前記スイッチング素子に発生した損失を計算する損失計算回路と、
    前記損失計算回路にて計算された損失を、前記半導体チップからの放熱経路の温度が飽和するまでの時間に設定されたパルス幅のリセット信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジにてリセットされながら積分する積分回路と、
    前記半導体チップの温度を検出する温度検出手段と、
    前記損失計算回路にて計算され前記積分回路により積分された前記スイッチング素子の損失および前記温度検出手段にて検出された前記半導体チップの温度に基づいて、前記半導体チップからの放熱経路上の熱抵抗を算出する熱抵抗算出回路とを備えることを特徴とする半導体装置。
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