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JP5279531B2 - 金属板のかしめ接合方法 - Google Patents
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Description

本発明は、金属板のかしめ接合方法、特に高接合強度を有するとともに、強度の面内異方性のない金属板のかしめ接合方法に関する。
重ね合わせた複数枚の金属板を固定・接合する方法としては、ボルトやリベットで代表される締結具を用いる方法が一般的である。しかし、締結具を用いる方法はコスト高となるばかりでなく、締結具の頭部が金属板の表面に突出するため、取り扱い上、あるいは外観的に美観を損なう場合がある。このため、スポット溶接等の溶接法やかしめ接合が採用されることがある。
スポット溶接法は、板厚が異なる材料や異種材料との接合が困難となる場合があったり、材料への熱影響が生じるために、めっき材では後補修が必要となったりすることがある。また、スポット溶接法は、接合の際、散りやヒュームを伴うため作業環境を悪化させるおそれがある。
かしめ接合はプレス加工中に接合できるため、設備同調性および作業環境がよい。このため、かしめ接合は自動車、家電製品、住宅等の分野で多用されるようになっている。
しかしながら、かしめ接合法は、締結具を用いる方法やスポット溶接法に比べて、接合強度が低い問題がある。例えば、丸形のパンチやダイスを備えたかしめ装置を用いて接合すると、接合される部材の平面部分に沿った回転方向の力に弱いといった不都合を生じている。
また、角形のパンチやダイスを備えたかしめ装置を用いて接合すると、かしめ部にせん断加工面が生じるため、接合部分のせん断強度に方向性を生じており、せん断面と直角方向のせん断強度は高いが、平行方向のせん断強度はあまり高くなく、また接合部分はせん断加工が行われるため、材料の切り口が存在し気密性や水密性が低下するといった不都合を生じている。
このような問題点を解消するために、例えば特許文献1では、パンチとダイスでせん断される構造部材のせん断面が、互いに直交する略十字形となるようにかしめることが提案されている。
特開2001−321856号公報
前記特許文献1によれば、接合部分のせん断強度に方向性が少なく、回転方向の力に対しても強い接合部材を得ることができる。
しかしながら、前記特許文献1によっても、強度の面内異方性を十分に低減できていない。したがって、強度の面内異方性をなくすために、場合によっては方向を違えた複数回のかしめ接合を行わざるを得なくなりコスト上昇の一因にもなっている。
本発明は、このような問題点を解消するために案出されたものであり、高い接合強度を有するとともに、強度の面内異方性を極力低減した金属板のかしめ接合方法を提供することを目的とする。
本発明の金属板のかしめ接合方法は、その目的を達成するため、三叉型の固定アンビル外周に三分割で配置された可動ブレード上に、複数枚の金属板を重ねて載置し、上方から三叉型柱状パンチを前記金属板に局部的に押し込み、上面の金属板を塑性変形させるとともに、前記固定アンビルの外周に分割配置した前記可動ブレードをそれぞれ個別に外周方向に逃がすことにより下面の金属板を塑性変形させて、上下の金属板を機械的に接合することを特徴とする。
本発明方法によると、三叉型柱状パンチと三方向に移動する可動ブレードの使用により、三方向に延びるかしめ接合部が形成される。この結果、接合強度の面内異方性を極力低減することが可能になる。
また、三方向に延びるかしめ接合部を形成することにより、側壁部の長さが相対的に長くなるため接合強度も大幅に向上し、高い接合強度を呈する接合部が簡便な接合方法で得られることとなる。
かしめ接合法を説明する概念図 かしめ接合法とスポット溶接法とでの接合強度の違いを説明する図 本発明方法に用いるパンチ、アンビルおよび可動ブレードの形状を示す図 実施例におけるかしめ接合の方向変更態様を説明する図 かしめ接合時の方向回転角度と側壁部長さの関係を示す図 かしめ接合時の方向回転角度と接合強度の関係を示す図 かしめ接合時の方向回転角度と接合強度パンチ面積比の関係を示す図
図1に、一般的なかしめ接合法を示す。二枚の金属板1,2をブレード6上に重ねて載置した後、ストリッパ4により金属板1,2をブレード6と挟み込んで固定・セットした後、円柱型パンチ3でセットした金属板1,2を押圧して材料をアンビル5より半径方向外側に張出すように塑性変形させて金属板1,2を接合するものである。通常の丸形のパンチやダイスを備えたかしめ装置を用いてかしめ接合した場合、かしめ接合された部分の側壁部長さは、おおよそパンチの円周部長さとなる。板厚1.6mmの鋼板において、接合部の寸法が同一になるようにかしめ接合を行った場合と、スポット溶接をおこなった場合の接合強度を比較すると、かしめ接合の接合強度はスポット溶接の2〜3割程度となることが一般的である(図2参照)。また接合される部材の平面部分に沿った回転方向の力に弱いといった問題点も有している。
このようにかしめ接合法は、簡便な方法であるが接合強度が比較的低いために、使用頻度が伸びない一因にもなっている。
そして、前記特許文献1で紹介したように、四叉型のパンチと四方向に移動する可動ブレードを用いてかしめ接合部を略十字形とする方法でも、接合強度の面内異方性は十分に解消できない。
そこで、本発明は、三叉型のパンチと三方向に移動する可動ブレードを用いてかしめ接合部を略Y字形とすることとしたものである。
以下にその詳細を説明する。
まず、用いる三叉型柱状パンチの概略形状と、三叉型の固定アンビル外周に三分割で配置された可動ブレードを図3に示す。このようなパンチおよび可動ブレードを、従前のかしめ接合法で用いている図1に示すようなプレス装置に設置すれば本発明方法を実施することができる。
すなわち、三叉型の固定アンビル外周に三分割で配置された可動ブレード上に、接合しようとする金属板1,2を重ねて載置した後、上方から三叉型柱状パンチを前記金属板に局部的に押し込むと、金属板1,2は、固定アンビル上に形成された空隙部を埋めるように塑性変形される。
固定アンビル上に形成された空隙部を埋めるほどに金属板1,2が塑性変形された後、金属板材料自身が外側に向けて移動して可動ブレードを外方向に押圧移動させ、柱状パンチの断面形状に沿った有底の凹型部を形成して金属板1,2は接合される。その後に柱型パンチ3が抜かれ、かしめ接合が終わる。
接合する2枚の金属板として、表1に示す機械的特性を有する板厚1.6mmの鋼板を原板とし、その両表面にZn‐Al‐Mg系の合金めっきを施しためっき鋼板を使用した。
(1)四叉型パンチの使用例
一片の長さ3mm、幅4mm、テーパ角120度の四叉型パンチ、一片の長さ8mm、幅4.3mm、高さ4mmの四叉型アンビル、および長さ8mm、幅8mm、高さ5.1mmの正方形角柱ブレードを用いた。
このような形状のアンビル外周に配置された可動ブレード上に、2枚の被接合めっき鋼板を重ねた状態で位置決めをしてセットした。ついで、ストリッパにより前記2枚のめっき鋼板をブレードと挟み込んで固定した。セットされた前記2枚のめっき鋼板に上方から前記形状のパンチを荷重100kNで押し込んで、2枚のめっき鋼板をかしめ接合した。
(2)三叉型パンチの使用例
一片の長さ3mm、幅4mm、テーパ角120度の三叉型パンチ、一片の長さ8mm、幅4.3mm、高さ4mmの三叉型アンビル、および長さ10mm、幅8mm、高さ5.1mmの五角形角柱ブレードを用いた。
上記四叉型パンチを用いた場合と全く同じ態様で2枚のめっき鋼板をかしめ接合した。
なお、上記2種類のかしめ接合を、図4に示すように、縦矢印方向を0°とし、円弧矢印方向の各種所定の角度のなすように傾けて固定しためっき鋼板について施した。
Figure 0005279531
上記各種所定の角度になるように傾けてかしめ接合した2種類の接合体、すなわち、四叉型パンチを押込んだものおよび三叉型パンチを押込んだものについて、前記図4に示す態様で側壁部の長さを測定した。その結果を図5に示す。
また、前記2種類の接合体について、引張試験をおこなった。引張試験は、JIS Z 3137に準じてせん断引張強度を測定した。その結果を図6に示す。
さらに、前記図4に示す三叉型パンチおよび四叉型パンチ底部の面積で接合強度を割った接合強度のパンチ面積比と、前記回転角度との関係も調査した。その結果を図7に示す。
図5,6に示す結果からも明らかなように、四叉型パンチを用いた場合と比べて三叉型パンチを用いた場合、かしめの方向をどのように変化させても側壁部長さの変化が少なく、接合強度の面内異方性が極めて小さくなっている。
また、図7に示す結果から、三叉型パンチを用いた場合の方が、接合強度のパンチ面積比が大きいことがわかる。すなわち、かしめ接合する際、三叉型パンチを用いると、比較的小さなかしめ接合部を形成することで、所望の接合強度が得られることになる。

Claims (1)

  1. 三叉型の固定アンビル外周に三分割で配置された可動ブレード上に、複数枚の金属板を重ねて載置し、上方から三叉型柱状パンチを前記金属板に局部的に押し込み、上面の金属板を塑性変形させるとともに、前記固定アンビルの外周に分割配置した前記可動ブレードをそれぞれ個別に外周方向に逃がすことにより下面の金属板を塑性変形させて、上下の金属板を機械的に接合することを特徴とする金属板のかしめ接合方法。
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