JP5286764B2 - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents
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Description
[1]コアと、これを被覆する包囲層と、これを被覆する該中間層と、これを被覆し、表面に多数のディンプルが形成されたカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記コアがゴム材を主材として形成され、そのコアの直径が31mm以上であり、上記包囲層及び上記中間層が、それぞれ同種又は異種の樹脂材料を主材として形成され、上記カバーがポリウレタンを主材として形成されると共に、上記の包囲層、中間層及びカバーの厚さが、
カバー厚さ < 中間層厚さ < 包囲層厚さ
の関係を満たし、上記のコアの表面硬度(デュロメータD硬度)、包囲層、中間層及びカバーの材料硬度(デュロメータD硬度)が、
カバー材料硬度 < 中間層材料硬度 < 包囲層材料硬度 > コア表面硬度
の関係を満たし、且つ、包囲層材料硬度からコア表面硬度を引いた値が18〜25であり、包囲層材料硬度から中間層材料硬度を引いた値が1〜4であり、更に、各々のディンプルの縁に囲まれた平面下のディンプルの空間体積を、前記平面を底面とし、かつこの底面からのディンプルの最大深さを高さとする円柱体積で除した値V0が0.35以上0.80以下であると共に、ディンプルの縁に囲まれた平面から下方に形成されるディンプル容積の合計がディンプルが存在しないと仮定したボール球容積に占めるVR値が、0.6%以上1.0%以下であることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
[2]上記包囲層を形成する樹脂成分に、酸含量が16質量%以上のアイオノマー樹脂を含む[1]記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
[3]上記カバーを形成する樹脂成分が、
(A)熱可塑性ポリウレタン材料と、
(B)1分子中に官能基として2つ以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物(b−1)を、イソシアネートと実質的に反応しない熱可塑性樹脂(b−2)中に分散させたイソシアネートマスターバッチとを含むイソシアネート混合物
を主成分とする[1]又は[2]記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
[4]上記包囲層、中間層及びカバーの材料硬度(デュロメータD硬度)が、
60 ≦ 包囲層材料硬度 ≦ 70、
55 ≦ 中間層材料硬度≦ 70、
30 ≦カバー材料硬度 ≦ 55
である[1]〜[3]のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
[5]上記ゴルフボールにおいて、上記ボール及びコアに対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ量(mm)が、それぞれ
2.0mm ≦ ボールたわみ量 ≦ 3.0mm、
3.5mm ≦ コアたわみ量 ≦ 6.0mm
である[1]〜[4]のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、図1に示されているように、コア1と、該コアを被覆する包囲層2と、該包囲層を被覆する中間層3と、該中間層を被覆するカバー4とを有する4層又はそれ以上の多層を有するゴルフボールGである。なお、上記カバー4の表面には、通常、ディンプルDが多数形成されるものである。コア1又は中間層3は単層には限られず2層以上の複数層に形成することができる。
包囲層の材料硬度は、特に制限はないが、デュロメータD硬度で、好ましくは50以上、より好ましくは60以上、さらに好ましくは62以上であり、上限値としては、好ましくは75以下、より好ましくは70以下、さらに好ましくは68以下である。上記範囲よりも軟らかすぎると、フルショット時にスピンが掛かりすぎて飛距離が伸びなくなることがある。逆に、上記範囲よりも硬すぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなったり、打感が硬くなりすぎることがある。包囲層の厚さは、特に制限はないが、1.0mm以上であることが好ましく、より好ましくは1.2mm以上、さらに好ましくは1.4mm以上であり、上限値としては、好ましくは4.0mm以下、より好ましくは3.0mm以下、さらに好ましくは2.0mm以下である。その範囲を外れると、ドライバー(W#1)打撃による低スピン効果が足りずに飛距離が伸びなくなることがある。
中間層の材料硬度は、特に制限はないが、デュロメータD硬度で、好ましくは50以上、より好ましくは55以上、さらに好ましくは60以上であり、上限値としては、好ましくは70以下、より好ましくは66以下、さらに好ましくは63以下である。上記範囲よりも軟らかすぎると、フルショット時にスピンが掛かりすぎて飛距離が伸びなくなることがある。逆に、上記範囲よりも硬すぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなったり、パターやショートアプローチの実施時の打感が硬くなりすぎることがある。中間層の厚さは、特に制限はないが、0.7mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.9mm以上、さらに好ましくは1.1mm以上であり、上限値としては、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.7mm以下、さらに好ましくは1.4mm以下である。その範囲を逸脱すると、ドライバー(W#1)打撃による低スピン効果が足りずに飛距離が伸びなくなることがある。また、上記範囲よりも小さすぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性や低温時の耐久性が悪くなることがある。
(A)熱可塑性ポリウレタン材料
(B)1分子中に官能基として2つ以上のイソシアネート基を持つイソシアネ−ト化合物(b−1)を、イソシアネートと実質的に反応しない熱可塑性樹脂(b−2)中に分散させたイソシアネート混合物
(A)熱可塑性ポリウレタン材料
熱可塑性ポリウレタン材料の構造は、高分子ポリオール(ポリメリックグリコール)からなるソフトセグメントと、ハードセグメントを構成する鎖延長剤およびジイソシアネートからなる。ここで、原料となる高分子ポリオールとしては、従来から熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものはいずれも使用でき、特に制限されるものではないが、ポリエステル系とポリエーテル系があり、反発弾性率が高く、低温特性に優れた熱可塑性ポリウレタン材料を合成できる点で、ポリエーテル系の方がポリエステル系に比べて好ましい。ポリエーテルポリオールとしてはポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられるが、反発弾性率と低温特性の点でポリテトラメチレングリコールが特に好ましい。また、高分子ポリオールの平均分子量は1000〜5000であることが好ましく、特に反発弾性の高い熱可塑性ポリウレタン材料を合成するためには2000〜4000であることが好ましい。
イソシアネート混合物(B)は、1分子中に官能基として2つ以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物(b−1)を、イソシアネートと実質的に反応しない熱可塑性樹脂(b−2)中に分散させたものである。ここで、上記イソシアネート化合物(b−1)としては、従来の熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ただし、反応性、作業安全性の面から、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが最適である。
カバー成形材料(C)は、前述した熱可塑性ポリウレタン材料(A)およびイソシアネート混合物(B)を主成分とするものである。カバー成形材料(C)における熱可塑性ポリウレタン材料(A):イソシアネート混合物(B)の配合比は、質量比で好ましくは100:1〜100:100、より好ましくは100:5〜100:50、中でも100:10〜100:30であることが好ましい。熱可塑性ポリウレタン材料(A)に対するイソシアネート混合物(B)の配合量が少なすぎると架橋効果が充分に発現せず、多すぎると未反応のイソシアネートが成形物に着色現象を起こさせるので好ましくない。
本発明では、コア表面硬度、包囲層,中間層及びカバーの各材料硬度の関係については、デュロメータD硬度で、 カバー材料硬度 < 中間層材料硬度 < 包囲層材料硬度 > コア表面硬度 の条件を満たすことが必要とされる。その理由は、上記の包囲層の説明の欄等で既述したとおりである。
本発明では、上記の包囲層、中間層及びカバーの厚さについては、カバー厚さ < 中間層厚さ < 包囲層厚さ の条件を満たすことが必要である。コアの直径が31mm以上とし、かつ包囲層、中間層及びカバーの厚さの関係を上記のようにボール構造を設計することにより、飛びとコントロール性及び打感を両立させたボールを達成することができる。この場合、カバーが中間層より厚くなると、ボール反発が低くなったり、フルショット時にスピンが掛かりすぎて飛距離が伸びなくなることがある。また、包囲層が中間層より薄いと、低スピン効果が足りず、狙いの飛距離が得られなくなることがある。
コアの形成
表1に示す配合によりゴム組成物を調整した後、表中の加硫条件により加硫成形することによりコアを作製した。下記表中の配合量の数字は質量部を示す。
ポリブタジエン:JSR社製 BR730(Nd系触媒)
過酸化物(1):日本油脂社製 ジクミルパーオキサイド 商品名パークミルD
過酸化物(2):日本油脂社製 1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンと
シリカの混合物 パーヘキサC−40
老化防止剤:大内新興化学工業社製 2,2−メチレンビス(4−メチル−6−ブチル
フェノール) ノクラックNS−6
硫黄:鶴見化学工業社製 亜鉛華混合硫黄
次に、表2に示された各種の樹脂成分を配合した包囲層、中間層及びカバーを射出成形法により成形して、コアの周囲に包囲層、中間層、カバーを順次被覆・形成した。そして、表3に示す共通のディンプルを用い、該ディンプルをカバー表面に形成したマルチピースソリッドゴルフボールを作製した。
ハイミラン:三井・デュポンポリケミカル社製 アイオノマー樹脂
AM7317:三井・デュポンポリケミカル 高剛性アイオノマー樹脂 酸含量18%の
Zn系アイオノマー
AM7318:三井・デュポンポリケミカル 高剛性アイオノマー樹脂 酸含量18%の
Na系アイオノマー
AM7311:三井・デュポンポリケミカル社製 アイオノマー樹脂
ダイナロン:JSR社製 水添ポリマー
ハイトレル:東レ・デュポン社製 ポリエステルエラストマー
ベヘニン酸:日本油脂社製 NAA222−Sビーズ指定
水酸化カルシウム:白石工業社製 CLS−B指定
トリメチロールプロパン:三菱ガス化学社製 トリメチロールプロパン
ポリテールH:三菱化学社製 低分子量ポリオレフィン系ポリオール
T8260、T8295:DIC Bayer Polymer社製の商標パンデックス
MDI−PTMGタイプ熱可塑性ポリウレタン
ポリエチレンワックス:三洋化成社製 商品名サンワックス161P
イソシアネート化合物:商品名「クロスネートEM30」
大日精化工業(株)製のイソシアネートマスターバッチで4,4
’−ジフェニルメタンジイソシアネートを30%含有したもの。
JIS−K1556によるアミン逆滴定イソシアネート測定濃度
5〜10%、マスターバッチベース樹脂はポリエステルエラスト
マーを使用した。なお、イソシアネート化合物は射出成形時にパ
ンデックスと混合して用いられた。
直径:ディンプルの縁に囲まれた平面の直径
深さ:ディンプルの縁に囲まれた平面からのディンプルの最大深さ
V0:ディンプルの縁に囲まれた平面下のディンプルの空間体積を、前記平面を底面とし
、かつこの底面からのディンプルの最大深さを高さとする円柱体積で除した値
SR:ディンプルの縁に囲まれた平面の面縁で定義されるディンプル面積の合計が、ディ
ンプルが存在しないと仮定したボール球面積に占める比率
VR:ディンプルの縁に囲まれた平面から下方に形成されるディンプル容積の合計が、デ
ィンプルが存在しないと仮定したボール球容積に占める比率
コアを硬板の上に置き、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1275N(130kgf)に負荷したときのコアのたわみ量(mm)。
(2)コアの表面硬度
コアの表面は球面であるが、その球面に硬度計の針をほぼ垂直になるようにセットし、デュロメータD硬度(ASTM−2240規格 デュロメータ タイプD)により、コアの表面の2点をランダムに測定した値の平均値。
(3)包囲層の材料硬度
包囲層の樹脂材料を厚さ2mmのシート状に作製し、ASTM−2240規格のデュロメータ「タイプD」により測定した。
(4)中間層の材料硬度
上記(3)と同じ測定方法である。
(5)カバーの材料硬度
上記(3)と同じ測定方法である。
(6)ボールのたわみ量
ボールを硬板の上に置き、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1275N(130kgf)に負荷したときのボールのたわみ量(mm)。ただし、実施例1及び実施例2のみ計測した。
(7)飛び
クラブ(W#1)(ブリヂストンスポーツ社製,「TourStage X−Drive Type 405」(ロフト角9.5°)を打撃ロボットに装着し、ヘッドスピード(HS)45m/sで打撃した時のキャリー及びトータルについての飛距離を測定した。その評価については下記の基準を用いた。なお、スピン量は打撃直後のボールを初期条件計測装置により測定した値である。
○:トータル飛距離232.0m以上
×:トータル飛距離232.0m未満
(8)アプローチスピン量
サンドウェッジ(SW)(ブリヂストンスポーツ社製,J’s Classical Edition)を用い、HS22m/sにて打撃したときのスピン量を測定した。その評価については下記の基準を用いた。なお、スピン量は上記の飛距離測定と同じ方法により測定した。
○:スピン量が6600rpm以上
△:スピン量が6300rpm以上、6600rpm未満
×:スピン量が6300rpm未満
(9)耐擦過傷性
ノンメッキのピッチングサンドウェッジを打撃ロボットにセットし、ヘッドスピード40m/sにて1回打撃してボール表面状態を目視観察し、下記基準にて評価した。
○:まだ使える
×:もう使用に耐えない
比較例1では、カバーがアイオノマー樹脂であるため、耐擦過傷性が低いとともにアプローチでスピンがかかりにくかった。
比較例2では、コアの直径が31mm未満であるため、ドライバー(W#1)打撃時においてスピン量が多くなり飛距離が伸びなかった。
比較例3では、カバー層が中間層より厚いため、ドライバー(W#1)打撃時にスピン量が多くなり飛距離が伸びなかった。
比較例4では、包囲層が中間層より軟らかいため、ドライバー(W#1)打撃時にスピン量が増えて飛距離が伸びなかった。
比較例5では、カバー層が中間層より硬いため、耐擦過傷性に劣るとともにアプローチ時のスピン量が足りなかった。
比較例6は、包囲層が存在しないコアに2層を被覆したスリーピースゴルフボールであり、このボールでは未だスピン量が多くなり飛距離が伸びなかった。
2 包囲層
3 中間層
4 カバー
G ゴルフボール
D ディンプル
Claims (5)
- コアと、これを被覆する包囲層と、これを被覆する該中間層と、これを被覆し、表面に多数のディンプルが形成されたカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記コアがゴム材を主材として形成され、そのコアの直径が31mm以上であり、上記包囲層及び上記中間層が、それぞれ同種又は異種の樹脂材料を主材として形成され、上記カバーがポリウレタンを主材として形成されると共に、上記の包囲層、中間層及びカバーの厚さが、
カバー厚さ < 中間層厚さ < 包囲層厚さ
の関係を満たし、上記のコアの表面硬度(デュロメータD硬度)、包囲層、中間層及びカバーの材料硬度(デュロメータD硬度)が、
カバー材料硬度 < 中間層材料硬度 < 包囲層材料硬度 > コア表面硬度
の関係を満たし、且つ、包囲層材料硬度からコア表面硬度を引いた値が18〜25であり、包囲層材料硬度から中間層材料硬度を引いた値が1〜4であり、更に、各々のディンプルの縁に囲まれた平面下のディンプルの空間体積を、前記平面を底面とし、かつこの底面からのディンプルの最大深さを高さとする円柱体積で除した値V0が0.35以上0.80以下であると共に、ディンプルの縁に囲まれた平面から下方に形成されるディンプル容積の合計がディンプルが存在しないと仮定したボール球容積に占めるVR値が、0.6%以上1.0%以下であることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。 - 上記包囲層を形成する樹脂成分に、酸含量が16質量%以上のアイオノマー樹脂を含む請求項1記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
- 上記カバーを形成する樹脂成分が、
(A)熱可塑性ポリウレタン材料と、
(B)1分子中に官能基として2つ以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物(b−1)を、イソシアネートと実質的に反応しない熱可塑性樹脂(b−2)中に分散させたイソシアネートマスターバッチとを含むイソシアネート混合物
を主成分とする請求項1又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボール。 - 上記包囲層、中間層及びカバーの材料硬度(デュロメータD硬度)が、
60 ≦ 包囲層材料硬度 ≦ 70、
55 ≦ 中間層材料硬度≦ 70、
30 ≦カバー材料硬度 ≦ 55
である請求項1〜3のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。 - 上記ゴルフボールにおいて、上記ボール及びコアに対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ量(mm)が、それぞれ
2.0mm ≦ ボールたわみ量 ≦ 3.0mm、
3.5mm ≦ コアたわみ量 ≦ 6.0mm
である請求項1〜4のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
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