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JP5314919B2 - エアバッグ装置 - Google Patents
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JP5314919B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両に搭載されるエアバッグ装置に関し、特に、折り畳まれた状態のエアバッグが、車両内側壁の上方部に車両前後方向に沿って取り付けられるエアバッグ装置に関する。
車両の衝突時や緊急時等に運転席や助手席の乗員等を保護するため、膨張展開可能なエアバッグを備えたエアバッグ装置を、例えばステアリングホイールやインストルメントパネル部に搭載した自動車が広く普及している。また、近年では、後席を含む乗員の保護機能をより高めるため、車両内側の側壁窓部に沿って、その全体を覆うように、乗員との間にエアバッグをカーテン状に展開させる側面用のエアバッグ装置も採用されている。
このようなエアバッグ装置として、従来、折り畳まれたエアバッグを車両内の窓の上縁側に収納して車内側をエアバッグカバーで覆うとともに、上下側でエアバッグの折り畳みかたを変えて、その膨張展開時における車内側への突出を抑えつつ、エアバッグを車両内側壁に沿って迅速に膨張展開させて、乗員をより確実に保護するようにしたエアバッグ装置が知られている(特許文献1参照)。
この従来のエアバッグ装置では、エアバッグを、その下縁側の膨張本体部では車外側に向けて巻いてロール折りし、それに続く上縁側のガスの供給路部ではロール折りよりも展開が容易な非ロール折りにより折り畳んで車両に取り付けている。これにより、エアバッグのガスが最初に流入して展開する供給路部を、迅速に展開させてエアバッグカバーを押し開いた後、膨張本体部のロール折りを解消させて車両内側壁に沿って展開させ、同部分で乗員を受け止めて拘束する。
ところが、この従来のエアバッグ装置では、エアバッグの展開初期に、供給路部は、エアバッグカバー内で膨張してエアバッグカバーを車内側に押圧して押し開き、続いて、ロール折り部を下側に押し出して展開させる。そのため、この供給路部によるエアバッグカバーを押し開いて、ロール折り部の下方への展開に必要な出口を確保するのに要する分だけ、ロール折り部がエアバッグカバーから飛び出すのが遅れて、エアバッグの膨張展開も遅れることになる。
そこで、従来、非ロール折り部の下側(エアバッグカバー側)にロール折り部を配置して、展開する非ロール折り部でロール折り部を下方に向けて押し出し、これによりエアバッグカバーを押し開いて、ロール折り部の飛び出しやエアバッグの膨張展開の迅速化を図ることが行われている。しかしながら、このエアバッグでは、非ロール折り部の展開態様に応じて、ロール折り部の押し出しや展開の方向にバラツキが生じることがある。
図7は、このようなエアバッグを備えた従来のエアバッグ装置の例を示す模式図であり、展開前と展開開始後のエアバッグを断面で概略的に示している。
この従来のエアバッグ装置100では、図示のように、エアバッグ110(図7A参照)は、上縁側の蛇腹折りされた非ロール折り部(蛇腹部)111と、下縁側のロール折りされたロール折り部112(図では円で示す)とを有し、蛇腹部111の上端が車両側壁の上方部(図示せず)に取り付けられている。また、エアバッグ110は、インフレータ(図示せず)から供給されるガスにより蛇腹部111から展開を開始し、この展開する蛇腹111でロール折り部112の全体を下方に向かって押し出して押圧する。
その際、このエアバッグ装置100では、蛇腹部111の折り畳み形状や、蛇腹部111とロール折り部112との相対位置の誤差や変動等により、蛇腹部111の展開方向(図7B、7C参照)にバラツキが発生することがある。これに伴い、ロール折り部112の押し出される方向も車両幅方向の両方向に変化(図7B、7Cの矢印Y1、Y2参照)し、エアバッグカバー(図示せず)からの飛び出し方向も変動する恐れがある。その結果、このエアバッグ装置100では、エアバッグ110の展開方向(特に、膨張展開初期の展開方向)にバラツキが生じて、エアバッグ110の安定した展開特性を充分に確保できない恐れがある。
特開2004−58848号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、車両の上方から膨張展開するエアバッグに生じる展開方向のバラツキを抑制するとともに、エアバッグを車両内側壁に沿って迅速かつ安定して膨張展開させて、乗員を確実に拘束して保護することである。
本発明は、車両内側壁の上方部に車両前後方向に沿って取り付けられる折り畳まれた状態のエアバッグと、エアバッグの車内側を覆うトリムと、エアバッグにガスを供給してトリムから車両下方に向けて膨張展開させるインフレータと、を備えたエアバッグ装置であって、エアバッグは、上縁側を蛇腹折りした蛇腹部と、下縁側を車両外側に向けてロール折りした蛇腹部に連続するロール折り部とを有し、ロール折り部が、蛇腹部よりも車両幅方向に長くロール折りされ、かつ上方に折り返されて蛇腹部を下側から包み込んで収納することを特徴とする。
本発明によれば、車両の上方から膨張展開するエアバッグに生じる展開方向のバラツキを抑制できるとともに、エアバッグを車両内側壁に沿って迅速かつ安定して膨張展開させて、乗員を確実に拘束して保護することができる。
以下、本発明のエアバッグ装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
このエアバッグ装置は、車両内側壁の上方部からエアバッグを車両内側壁に沿って下方に向けて膨張展開させるエアバッグ装置であり、所定状態に折り畳まれた膨張展開可能なエアバッグと、車両緊急時や衝撃検知時等にガスを発生してエアバッグに供給するインフレータとを備えている。また、以下の実施形態では、車両側部上方から、エアバッグをカーテン状に膨張展開させ、運転席や助手席から車両後方側の後席まで、車両側方内側の所定範囲にエアバッグを展開させて、前後席の乗員を、頭部を中心に保護する側面用のエアバッグ装置を例に採り説明する。
図1は、本実施形態のエアバッグ装置が備えるエアバッグの要部を模式的に示す正面図であり、展開状態のエアバッグの概略形状を示す平面展開図である。
なお、図1では、インフレータ(図示せず)が取り付けられる後述するガス導入口4側(図では横長なエアバッグ2の右側)が車両における後方側(リアピラー側)、その逆側(図ではエアバッグ2の左側)が車両における前方側(フロントピラー側)である。また、本実施形態のエアバッグ装置1では、エアバッグ2は、車両側部上方(図ではエアバッグ2の上側)のルーフレール部等(図示せず)に配置及び収納され、ガスの導入により、収納された状態から車両下方に向けてカーテン状に膨張展開する。これにより、エアバッグ2は、車両内の側方窓部を含む車両内側壁(図では紙面奥側に位置)(図示せず)に沿って、その全体を覆うように膨張展開し、乗員と側壁等との間に膨張展開する。
エアバッグ2は、図示のように、覆うべき車両内側壁の窓部の形状等に応じた形状の横長な略袋状をなし、上縁に沿って、車両のルーフレール部に取り付けられる複数(図では7つ)の略矩形状の取付片3を有する。また、エアバッグ2は、各取付片3が、それぞれ車両内の所定位置にボルト等により固定されて車両に取り付けられ、膨張前の状態では、車両各部に設けられたトリム(エアバッグカバー)内等に収納・配置される。その際、エアバッグ2は、後述するように、取付片3側(上縁側)が蛇腹折りにより、かつ下縁側がロール折りにより、それぞれ所定状態に折り畳まれて、主に下方に膨張展開可能な状態で収納される。
従って、エアバッグ装置1は、非動作時に、車両に取り付けられたエアバッグ2等を所定状態で収納して車内側を覆う、収納位置に沿ってルーフレール部等に取り付けられたトリムや、車両緊急時等に折り畳まれた状態のエアバッグ2にガスを供給して、エアバッグ2をトリム内から車両下方に向けて膨張展開させるインフレータ、及びエアバッグ2やインフレータを車両に固定する固定手段(いずれも図示せず)等、従来と同様な他の構成を備えている。その状態から、インフレータが作動すると、エアバッグ2は、収納状態から膨張してトリムを押し開き、そこから主に車両の下方に向かってカーテン状に膨張展開する。
このようなエアバッグ2は、例えば織布を裁断等して形成した2枚の同形状の基布を重ね合わせ、又は略対称形状の1枚の基布を折り重ねて、縁部に沿って互いに縫製や接着する等、対向する基布同士を所定位置で気密状態に接合し、その間に膨張可能な気室(隔室)10を形成することで略袋状に形成される。
本実施形態では、このエアバッグ2を、互いに対称形状(ここでは横長な略矩形状)をなす乗員側の表側基布20及び、車両内側壁側の裏側基布21とから構成し、それらを重ね合わせて、対向する基布20、21同士を外縁接合部22に沿って接合して形成している。この外縁接合部22は、エアバッグ2の内外を区画して気室10の外縁形状を規定する接合部であり、形成すべき気室10の外縁部に対応する位置に沿って、基布20、21同士を1周又は複数周に亘って縫製等して形成される。これにより、気室10を、前席の乗員を主に保護する平面視略矩形状の前部気室11、それよりも小さな平面視略矩形状をなす、後席の乗員を主に保護する後部気室12、及び各気室11、12の上部側同士を連結する連結部13からなり、車両の前後方向に連続して延びる袋状に形成している。ただし、連結部13は、気室11、12よりも上下寸法が小さい狭幅に形成され、エアバッグ2の上縁に沿うように各気室11、12間に直線状に配置されている。
また、このエアバッグ2では、一端側(ここでは車両後方側)の上部で、基布20、21を外側に向かって突出させ、それらを接合する外縁接合部22間に基布20、21同士を接合しない部分を設けて、略筒状のガス導入口4を形成している。即ち、ガス導入口4は、後部気室12の一部がエアバッグ2外に向かって開放された、気室10の内外を連通させる開口部であり、インフレータからのガスをエアバッグ2内に導入し、気室10に供給及び流入させるガス供給口(流入口)として機能する。
エアバッグ装置1は、このガス導入口4内に、例えばガスの案内又は整流部材等を挟んで、略筒状をなすシリンダタイプのインフレータの一端部(ガス噴出し口)を挿入し、それらをまとめて、クランプ(バンド)(図示せず)により外側から締め付けて固定する。このようにして、ガス導入口4にインフレータを気密状に取り付け、インフレータが発生するガスを、ガス導入口4から導入してエアバッグ2内の気室10に供給し、後部気室12内に流入させる。更に、このガスを、連結部13から前部気室11内まで流入させ、気室10の全体にガスを供給してエアバッグ2を膨張展開させる。
また、エアバッグ2は、対向する基布20、21同士が、気室10内に設けられた接合部(内側接合部)30でも互いに接合され、各気室11、12が、内側接合部30を挟んで、少なくともその両側に区画されている。この内側接合部30は、気室10の内部にガス流路や膨張部を形成する隔壁としての機能や、各気室11、12の厚さ方向(図では紙面に直交する方向)の膨張を抑制して、膨張厚さや展開形状を規制する機能等を有し、その目的に応じた所定形状に形成され、気室10内の所定位置に1又は複数配置される。ここでは、前部気室11内に、連結部13側から順に、略逆U字状、略L字状、及び上下方向に延びる直線状の3つの内側接合部30が、互いに横方向に離れて配置されている。これに対し、後部気室12内には、1つの内側接合部30が、略L字状に形成されて中央部に配置されている。
ここで、基布20、21は、ノンコート基布を使用してもよいが、耐熱性や気密性を有する樹脂やゴム等の被覆層が設けられたコーティング基布を使用してもよく、この場合には、被覆層側の面を対向させた状態で互いに接合される。また、このエアバッグ装置1では、各接合部22、30を、それぞれ基布20、21を接着剤により接着した接着剤層と、接着剤層中に設けられた基布20、21を縫製した縫製部とから構成し、基布20、21同士を接着剤と縫製とにより接合している。更に、内側接合部30に、対向する基布20、21同士を縫製して形成した、気室10を区画しつつ所定方向に延びる第1縫製部31と、その気室10内で終端する各端部を囲んで保護するための略環状の第2縫製部32とを設け、端部付近の強度の向上や破損の防止等を図っている。
以上のように構成されるエアバッグ2は、車両への取り付け前に、インフレータ等とともに、車両へ取り付け可能な形状に折り畳まれる。その際、このエアバッグ2は、車両へ取り付けられる上縁側が上下方向に蛇腹折りされて蛇腹部が形成され、かつ、展開方向下方の下縁側が下縁部から上縁側に向かって順に、車両外側(図では紙面奥側)に向けてロール折りされて、蛇腹部に連続するロール折り部が形成される。
また、このエアバッグ装置1では、蛇腹部が、ガス導入口4や連結部13を含み、主にインフレータからのガスを気室10内の全体に亘って供給する供給路としても機能する、エアバッグ2の上端部近傍の範囲(図の範囲J)を、車両前後方向に延びる折り目に沿って複数回、交互に逆方向に所定幅で折り曲げて形成される。これに対し、ロール折り部は、各気室11、12の上縁側を除く全体を含み、主に膨張展開時に車両内側壁を覆って乗員と接触する膨張本体部として機能する、エアバッグ2の蛇腹部に続く下方側の範囲(図の範囲R)を、下縁部から所定幅で折り曲げながら上方に向けて順に巻き付けて形成される。また、ここでは、エアバッグ2を、その下縁側の3/4程度の範囲をロール折りし、かつ上縁側の1/4程度の範囲を蛇腹折りした後に、ロール折り部内に蛇腹部を収納するようにして折り畳むようになっている。以下、このエアバッグ2の折り畳み手順について、より詳細に説明する。
図2は、このエアバッグ2の折り畳み手順を順に示す模式図であり、図1の矢印F方向から見たエアバッグ2の断面を模式的に線で示している。
本実施形態では、図示のように、まず、非膨張状態のエアバッグ2を広げて、両基布20、21を重ね合わせて平らに展開する(図2A参照)。次に、エアバッグ2の下縁2D側を、上縁2T側に向けて、かつ車両外側Gとなる側に巻き付けるように折り返して(図2Aの矢印M)、上記した下縁2D側の範囲Rを上方向にロール折りする。
その際、エアバッグ2を、下縁2Dから上縁2T側に向かって、裏側基布21側に所定幅で複数回、折り曲げるようにして順に巻き付け(図2B参照)、下縁2Dを含む部分を内側にしてロール折り部2Rを幅広に形成する。続いて、エアバッグ2の上縁2T側の上記した範囲Jを、ロール折り部2R側又は上縁2T側から他方側に向けて上下方向に、かつ交互に逆方向(図では左右方向)に略一定幅で折り曲げて蛇腹部2J(図2C参照)を形成し、ロール折り部2Rの上に重ね合わせて配置する。
なお、図2では、エアバッグ2の各折り畳み状態を、エアバッグ2間に隙間を開けて模式的に示しているが、実際には、エアバッグ2は互いに重なり合うように折り畳まれている。また、このエアバッグ装置1では、エアバッグ2のロール折り部2Rは、蛇腹部2Jよりも車両幅方向(横方向)(図2Cの矢印H方向)に長くなるようにロール折りされる、即ち、ロール折り部2Rの車両幅方向Hの幅W1が、同方向の蛇腹部2Jの幅W2よりも広く形成(W1>W2)されている。ここでは、ロール折り部2Rの幅W1は、蛇腹部2Jの幅W2に対して2倍以上に形成され、その状態で、相対的に幅狭な蛇腹部2Jが、ロール折り部2Rの略中央部に重ねて配置される。加えて、この状態で、ロール折り部2Rは、車両幅方向断面で見て、車両上下方向に対して、車両幅方向Hにより長くなるようにロール折りされており、その幅W1が折り畳み厚さLよりも広い(W1>L)、断面略楕円形状に形成される。
次に、エアバッグ2は、ロール折り部2Rが、車両幅方向Hの略中間部近傍を中心に上方に折り曲げられて、その両側部が各々上方に折り返される(図2D参照)。このロール折り部2Rにより、蛇腹部2Jを、同じく車両幅方向Hの略中間部近傍を中心に上方に向けて略半分に折り曲げつつ、その両側に沿って下側から包み込んで収納し(図2E参照)、蛇腹部2Jの略全体をロール折り部2R内に配置する。このようにして、エアバッグ2の全体を膨張展開可能に折り畳み、その長手方向の所定箇所に、折り畳み形状の崩れを防止するための破断可能なラッピング材(図示せず)を適宜巻き付けて折り畳み作業を終了する。その後、この折り畳まれた状態のエアバッグ2は、インフレータ等とともに、車両内側壁の上方部に車両前後方向に沿って所定位置に取り付けられる。
図3は、このエアバッグ2を車両に取り付けた状態を示す要部模式図であり、車両のセンターピラー部40における各断面を概略的に示している。
エアバッグ2は、図示のように、折り畳まれた状態(図では実線で示す)で、蛇腹部2Jの上端(取付片3)が、上記した固定手段によりインナーパネル41に固定(図示せず)され、蛇腹部2Jを囲むロール折り部2Rを下側に向けて車両のルーフレール部等に取り付けられる。また、エアバッグ2は、車両内側N(車室側)の全体が、車両内各部に開放可能に取り付けられた、例えば合成樹脂製のトリム50により覆われて、インナーパネル41やトリム50、及び、インナーパネル41を覆うピラーガーニッシュ42の上端部42Aとの間に収納される。
エアバッグ装置1は、このようにして車両に搭載され、車両の衝突時等にインフレータ(図示せず)を作動させてガスを発生させ、そのガスをエアバッグ2内(気室10)に供給する。これにより、気室10内にガスを流入させて各気室11、12を膨張させ、エアバッグ2を、その折り畳み形状を解消させつつ、取付片3側の車両側壁の上方部から、車両の下方向の車室内に向かってカーテン状に膨張展開(図では展開途中の状態を二点鎖線で順に示す)させる。
この膨張展開時に、インフレータからのガスは、ガス導入口4を介してエアバッグ2の蛇腹部2Jに最初に供給され、その蛇腹状の折り畳み形状が上縁2Tから順に解消する。これにより、エアバッグ2は、まず、上縁2T側の蛇腹部2Jが、上方から下方に向かって順にロール折り部2Rを押し出すように展開し、それに応じて、下側のロール折り部2Rの全体を、ロール折り状態のまま、下方のトリム50に向かって押圧する。その際、蛇腹部2Jは、車両幅方向の両側が折り返されたロール折り部2Rにより挟まれて、下側から全体的に包み込まれているため、展開の初期段階では、ロール折り部2Rを両側に開きつつその内側で展開し、ロール折り部2Rを主に下方に押し出しながら順に膨張展開する。
即ち、この蛇腹部2Jは、両側のロール折り部2Rにより車両幅方向の展開が規制され、かつ、その内側でロール折り部2Rを下方に押し出しながら展開しないと蛇腹形状が解消しないため、展開方向が車両下方に方向付けられて、車両幅方向への展開や展開方向のバラツキが抑制される。その結果、ロール折り部2Rは、展開する蛇腹部2Jにより、車両下方の所定方向にバラツキなく押し出されてトリム50に向かって押圧され、その力でトリム50を押し開いて(図では二点鎖線で示す)、車両内側Nの下方に安定してバラツキなく飛び出す。
続いて、エアバッグ2は、蛇腹部2Jが車両下方に向かって更に展開し、その展開に伴いロール折り部2Rへもガスが順次供給されて、ロール折り部2Rが、蛇腹部2Jに続く部分から順に、巻き付け方向と逆方向に解かれて下方に向かって展開する。その際、ロール折り部2Rは、車両外側Gに向けてロール折りされているため、車両外側Gに位置する車両内側壁の窓部等(図3ではピラーガーニッシュ42の車両内側Nの面)に沿って車両下方に向かって展開する。このようにして、エアバッグ装置1は、エアバッグ2の全体を、乗員と車両内側壁との間に膨張展開させ、膨張した気室10により侵入する乗員を受け止めて拘束し、主に頭部を中心に乗員を保護する。
なお、このエアバッグ2では、先に展開する上縁2T側を展開速度が速い蛇腹折りにより折り畳んで蛇腹部2Jを形成し、その範囲を迅速に展開させて、ロール折り部2Rを早期に車両内側Nまで飛び出させ、エアバッグ2の膨張展開速度を速めて展開特性を高めている。加えて、このエアバッグ2は、蛇腹部2Jが膨張展開した状態で、ロール折り部2Rがトリム50から車両内に飛び出るように、蛇腹折りする上縁2T側の長さが設定され、その範囲の上縁2T側が蛇腹折りされて蛇腹部2Jが形成されている。これにより、エアバッグ2は、トリム50内では、ロール折り部2Rのロール折りを維持しつつ蛇腹部2Jだけが展開し、ロール折り部2Rを迅速にトリム50に当てて押し開き、ロール折り部2Rを早期にトリム50内から車室内に飛び出させるようになっている。
また、本実施形態では、蛇腹部2Jは、主にロール折り部2Rを車両下方に向かって押し出すようにトリム50側に展開し、その展開力をロール折り部2Rだけに作用させて、ロール折り部2Rを介してトリム50に開放方向の力を作用させる。このように、エアバッグ2は、蛇腹部2Jからの迅速かつ大きな展開力をロール折り部2Rに作用させ、ロール折り部2Rによりトリム50を押し開きつつ、そこからロール折り部2Rを飛び出させて車両内側Nに迅速に展開する。また、このエアバッグ2は、車両内側Nまで展開する前に、蛇腹部2Jの展開方向が車両幅方向に多少変動して、例えばピラーガーニッシュ42の異なる位置に接触しても、幅広なロール折り部2Rにピラーガーニッシュ42から車両内側Nに逃げる方向の回転力が付与されて確実に車室内に展開する。
図4、図5は、このピラーガーニッシュ42付近におけるエアバッグ2の展開について説明するための要部模式図であり、図3から展開するエアバッグ2等を抜き出して展開の各段階を順に示している。また、図4は、蛇腹部2Jの展開方向(図4Aの矢印U)が車両内側Nに変動したときの状態を、図5は、蛇腹部2Jの展開方向(図5Aの矢印S)が車両外側Gに変動したときの状態を、それぞれ示している。
蛇腹部2Jが車両内側Nよりに展開すると、図4に示すように、エアバッグ2は、ロール折り部2Rが押されて開きながら(図4A参照)、ピラーガーニッシュ42の上方に延びる突出部42Tに向かって展開する。続いて、幅広に開いたロール折り部2R(図4B参照)の中央領域が突出部42Tに接触すると、展開する蛇腹部2Jにより、ロール折り部2Rの突出部42Tよりも車両内側Nの部分が押されて(図4Bの矢印K1)、ロール折り部2Rの全体に同方向の力(図4Bの矢印K2)が作用する。このように、蛇腹部2Jの展開力K1がロール折り部2Rに作用して、ロール折り部2Rに突出部42Tから車両内側Nに向かう方向(図4では時計方向)の回転力K2が発生し、その方向にロール折り部2R全体が回転(図4C参照)して、突出部42Tから車両内側Nに向かって移動(図4Cの矢印K3)する。これにより、ロール折り部2Rが車室内に飛び出し(図4D参照)、蛇腹部2Jの蛇腹折りと、ロール折り部2Rのロール折りが解消しつつ、ピラーガーニッシュ42に沿って上記のように展開する(図4E参照)。
これに対し、蛇腹部2Jが車両外側Gよりに展開すると、図5に示すように、エアバッグ2は、ロール折り部2Rが押されて開きながら(図5A参照)、ピラーガーニッシュ42の上端部42A(ここでは、突出部42Tとインナーパネル41との間)に向かって展開する。続いて、幅広に開いたロール折り部2R(図5B参照)の車両内側Nの部分が突出部42Tに接触すると、蛇腹部2Jに続くロール折り部2Rの車両外側G向きのロール折りが解かれて、突出部42T側に向かう方向の力(図5Bの矢印C1)が作用する。このようにして、ロール折り部2Rに突出部42Tを乗り越える方向(図5では反時計方向)の回転力C1が発生し、その方向にロール折り部2R全体が回転して、突出部42Tを乗り越えて車両内側Nに向かって移動する。これにより、ロール折り部2Rが車室内に飛び出し(図5C参照)、蛇腹部2Jの蛇腹折りと、ロール折り部2Rのロール折りが解消しつつ、ピラーガーニッシュ42に沿って上記のように展開する(図5D、E参照)。
以上説明した本実施形態のエアバッグ2では、最初に展開する上縁2T側を蛇腹折りして蛇腹部2Jを形成したため、展開初期における展開速度を速くして、エアバッグ2をトリム50内で迅速に展開させることができる。同時に、この蛇腹部2Jを、下縁2D側のロール折り部2Rで下側から包み込んで収納するため、上記したように、蛇腹部2Jの展開方向を規制して車両幅方向に対する展開方向のバラツキを抑制でき、蛇腹部2Jを、車両下方の所定方向に向けて確実に展開させることができる。その結果、蛇腹部2Jにより、ロール折り部2Rを、トリム50側に向かって確実、迅速に押し出して、トリム50から車室内に、方向のバラツキを抑制しつつ早期に飛び出させることができ、エアバッグ2を安定して展開させて展開速度を速めることもできる。
しかも、このエアバッグ2では、蛇腹部2Jの折り畳み形状や、折り畳んだ状態での蛇腹部2Jとロール折り部2Rとの間の相対位置にある程度の誤差や変動等が発生しても、蛇腹部2Jの展開方向にバラツキが生じるのを抑制でき、蛇腹部2Jの展開やロール折り部2Rの飛び出しを安定して迅速に行うことができる。また、蛇腹部2Jは、主にロール折り部2Rを車両下方に押し出して、その展開力をロール折り部2Rだけに作用させるため、他の方向への展開や展開力の分散が抑制されて展開が迅速に進行し、エアバッグ2全体の展開速度が速くなる。併せて、蛇腹部2Jを介して、エアバッグ2を展開させるべき方向(ロール折り部2Rの展開方向)にのみガスを供給するので、ガスの圧力等の損失を抑えて、ロール折り部2Rへのガスの供給も早期かつ円滑に行うことができる。
これに伴い、エアバッグ2は、ロール折り部2Rによるトリム50の開放を早期に行え、かつ、ロール折り部2Rの車室内への飛び出しを、方向のバラツキを抑えて早期に行うことができ、その全体に亘って迅速に安定して展開することができる。このとき、エアバッグ2は、ロール折り部2Rが車両外側Gに向けてロール折りされているため、その巻き付け方向に起因して、車両内側壁の窓部等に沿うように車両下方に向かって安定して展開し、膨張した気室10により乗員を確実に受け止めて拘束することができる。また、このエアバッグ2は、上記したように、展開方向前方側に位置するピラーガーニッシュ42等へ引っ掛かることなく確実に車室内に展開できるため、全体に亘って確実に膨張展開して乗員を保護することができる。その結果、例えば乗員の頭部が車両側面の窓に接触した状態(いわゆる、Head On Glass)でエアバッグ2が展開しても、エアバッグ2を乗員の頭部と窓との間に確実に展開させて乗員を保護でき、車両の横転等にも適切に対応することができる。
従って、本実施形態によれば、車両の上方から膨張展開するエアバッグ2に生じる展開方向のバラツキを抑制できるとともに、エアバッグ2を車両内側壁に沿って迅速かつ安定して膨張展開させて、その展開特性を高めることができ、乗員を確実に拘束して保護することができる。加えて、ここでは、エアバッグ2は、蛇腹部2Jが膨張展開した状態で、ロール折り部2Rがトリム50から出るように蛇腹折りされているため、トリム50内では蛇腹部2Jのみが迅速に展開して、ロール折り部2Rを早期にトリム50外へ飛び出させることができる。また、その後は、ロール折り部2Rが上記のように展開するため、エアバッグ2を、より確実に車両内側壁に沿うように展開させて、車両幅方向への展開方向のバラツキを一層抑制することができる。
更に、このエアバッグ装置1では、ロール折り部2Rを、車両上下方向に対して車両幅方向に長くなるように、断面略楕円形状をなす幅広にロール折りしたため、その折り曲げや蛇腹部2Jの包み込みを容易に行うことができる。同時に、このような形状のロール折り部2Rでは、曲率半径の大きい部分が小さい部分よりも展開が速くなるため、断面略円形状のロール折りに対して相対的に展開速度が速くなり、より迅速に展開することができる。また、ピラーガーニッシュ42等へ接触したときにも、略楕円形状のロール折り部2Rの方が車室内へ逃げ易いため、エアバッグ2が確実に展開して展開の遅延を抑制することもできる。
ここで、本実施形態では、インフレータからのガスを、エアバッグ2の気室10内にガス導入口4から直接供給したが、エアバッグ2内にインナーチューブを配置して、インナーチューブを介してガスを供給するようにしてもよい。このインナーチューブは、インフレータから供給されるガスを、エアバッグ2内で各気室11、12に向かって案内して供給する案内部材であり、エアバッグ2内の上縁2T側にガスの供給方向に沿って配置され、その略全長に亘ってガスを案内して供給する。また、インナーチューブは、例えば基布を略筒状に縫製して形成され、ガス導入口4から連結部13内を通して前部気室11まで配置され、ガス導入口4からのガスを、他端側の先端開口から前部気室11内に向かって供給し、かつ後部気室12内の貫通孔から、後部気室12内に向かってガスを供給等する。
このようなインナーチューブを設けた場合には、エアバッグ2は、上縁2T側が、少なくともインナーチューブの全体又は一部(ここでは、インナーチューブの配置位置の全体)を含んで蛇腹折りされる。これにより、蛇腹部2J内のインナーチューブが、ロール折り部2Rよりも先に展開するので、展開したインナーチューブにより、エアバッグ2の車両前後方向の略全長に亘ってガスを確実かつ早期に供給でき、エアバッグ2の展開を円滑化することができる。また、このように、エアバッグ2の略全長に亘ってインナーチューブが先に展開するのに伴い、エアバッグ2の一部に展開遅れが生じるのを防止して、確実、迅速に展開させることもできる。
なお、このエアバッグ装置1では、蛇腹部2Jを車両上側に向けて折り曲げてロール折り部2Rにより包み込んで収納したが、蛇腹部2Jは逆方向に折り曲げてロール折り部2Rの内側に収納するようにしてもよい。
図6は、蛇腹部2Jを逆方向に折り曲げたエアバッグ2の折り畳み状態を示す模式図であり、図2に対応して、エアバッグ2を断面で模式的に示している。
ここでは、図示のように、蛇腹部2Jは、車両幅方向(図では左右方向)の中間部近傍を中心に下方に向けて略半分に折り曲げられている。エアバッグ2は、このように、蛇腹部2Jの両側部が下側に向かって折り曲げられた状態で、ロール折り部2Rを上方に向けて略半分に折り曲げて、ロール折り部2Rにより蛇腹部2Jを下側から包み込んで収納(図2E参照)する。このようにエアバッグ2を折り畳むことで、蛇腹部2Jの折り曲げられた両側部が車両下方に向けられて、供給されるガスの方向も下方に向くため、同方向に向かって蛇腹部2Jが展開して、その車両幅方向のブレをより小さくできる。また、蛇腹部2Jを展開させるガスの向きを車両下方に向けられるので、展開方向の車両幅方向のバラツキを抑制しつつ、蛇腹部2Jを下方に向かってより迅速に展開させることもできる。
本実施形態のエアバッグ装置が備えるエアバッグの要部を模式的に示す正面図である。 本実施形態のエアバッグの折り畳み手順を順に示す模式図である。 エアバッグを車両に取り付けた状態を示す要部模式図である。 ピラーガーニッシュ付近におけるエアバッグの展開について説明するための要部模式図である。 ピラーガーニッシュ付近におけるエアバッグの展開について説明するための要部模式図である。 蛇腹部を逆方向に折り曲げたエアバッグの折り畳み状態を示す模式図である。 従来のエアバッグを備えたエアバッグ装置の例を示す模式図である。
符号の説明
1・・・エアバッグ装置、2・・・エアバッグ、2D・・・下縁、2J・・・蛇腹部、2T・・・上縁、2R・・・ロール折り部、3・・・取付片、4・・・ガス導入口、10・・・気室、11・・・前部気室、12・・・後部気室、13・・・連結部、20、21・・・基布、22・・・外縁接合部、30・・・内側接合部、31・・・第1縫製部、32・・・第2縫製部、40・・・センターピラー部、41・・・インナーパネル、42・・・ピラーガーニッシュ、50・・・トリム。

Claims (5)

  1. 車両内側壁の上方部に車両前後方向に沿って取り付けられる折り畳まれた状態のエアバッグと、エアバッグの車内側を覆うトリムと、エアバッグにガスを供給してトリムから車両下方に向けて膨張展開させるインフレータと、を備えたエアバッグ装置であって、
    エアバッグは、上縁側を蛇腹折りした蛇腹部と、下縁側を車両外側に向けてロール折りした蛇腹部に連続するロール折り部とを有し、ロール折り部が、蛇腹部よりも車両幅方向に長くロール折りされ、かつ上方に折り返されて蛇腹部を下側から包み込んで収納することを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 請求項1に記載されたエアバッグ装置において、
    ロール折り部が、車両上下方向に対して車両幅方向に長くなるようにロール折りされていることを特徴とするエアバッグ装置。
  3. 請求項1又は2に記載されたエアバッグ装置において、
    蛇腹部は、両側部が下側に向かって折り曲げられた状態でロール折り部に収納されていることを特徴とするエアバッグ装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
    エアバッグ内の上縁側に配置され、インフレータから供給されるガスをエアバッグ内で案内するインナーチューブを備え、
    エアバッグは、上縁側が少なくともインナーチューブを含んで蛇腹折りされていることを特徴とするエアバッグ装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載されたエアバッグ装置において、
    エアバッグは、蛇腹部が膨張展開した状態でロール折り部がトリムから出るように上縁側が蛇腹折りされていることを特徴とするエアバッグ装置。
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