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JP5318682B2 - タイヤの加硫方法 - Google Patents
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本発明は、タイヤの加硫方法に関し、詳しくは、タイヤ加硫時における加硫金型の温度低下を抑制するタイヤの加硫方法に関する。
タイヤの加硫成形、特に大型タイヤの加硫成形においては、最近、加硫金型(以下、単に「金型」とも言う)として、多分割セグメントモールド(割りモールド)が使用されている(例えば、特許文献1)。
このような割りモールドの一例を図1に示す。図1は、周方向に複数配置されてタイヤ加硫装置を構成する割りモールド(金型A)の内部構造をコンテナを含めて模式的に示す概略断面図である。
図1に示すように、金型Aは、タイヤ加硫装置が有する上下のプラテン盤4、5により挟まれており、タイヤのサイドウォール部を形成する上下一対のサイドモールド1、2と、タイヤのトレッド部(及びショルダー部)を形成するトレッドセグメント3とを有している。トレッドセグメント3は、周方向に複数分割された割リモールド部であり、その外側にはトレッドセグメント3を外面側から保持するコンテナBの一部であるセクターシュー6が備えられている。そして、セクターシュー6の外周側には上プラテン盤4に固定されたコンテナBの一部であるアクチュエータ7が配置されている。なお、上下のプラテン盤4、5の内部にはプラテンジャケット9が設けられ、アクチュエータ7の内部にはコンテナジャケット8が設けられている。
上記タイヤ加硫装置を用いた生タイヤの加硫は、以下のように行われる。最初に、コンテナジャケット8およびプラテンジャケット9に蒸気等の加熱媒体を導入し、金型Aを加熱する。
次に、アクチュエータ7を図外の駆動手段により、上プラテン盤4の上昇に伴って上昇させる。これに合わせて、セクターシュー6がトレッドセグメント3と共に、径方向外方に移動し、金型Aが開状態になる。
次に、開状態となった金型Aに未加硫の生タイヤを装着し、アクチュエータ7を図外の駆動手段により、上プラテン盤4の下降に伴って下降させる。これに合わせて、セクターシュー6がトレッドセグメント3と共に、径方向内方に移動し、金型Aが閉状態になる。金型Aに装着された生タイヤは、その後、金型Aおよび図示しないブラダーにより熱と圧力を受け、加硫される。
所定の時間、加圧加熱することにより加硫が完了した生タイヤは、金型Aを開状態にした後、金型Aより取り外される。そして、金型Aには次の生タイヤが装着されて、同様の加硫工程が繰り返される。
上記のような従来のタイヤの加硫方法においては、コンテナジャケット8やプラテンジャケット9に導入される蒸気等の加熱媒体の温度、即ちジャケット温度は、加硫作業の開始から終了まで一定の温度となるように設定、制御されていた。
しかしながら、このような従来のタイヤの加硫方法では、ドライサイクル、即ち、加硫タイヤの金型からの取り出しや次の生タイヤの金型への装着等、金型を開状態にしてから閉状態にするまでの時間では、ジャケット温度を一定に保っていても、金型温度が低下することが避けられなかった。このため、次の生タイヤを金型へ装着した後金型を開状態から閉状態にして加硫を開始する際、金型温度を再度上昇させるための時間が必要となり、タイヤ温度を上昇させるために余分な時間が掛かるため、加硫時間を長く設定する必要があり、生産性を悪化させていた。
また、温度の下がった金型では熱膨張が小さくなるため、金型を開状態から閉状態にした際、金型同士の合わせ面に微小の空間が発生する恐れがあり、加硫タイヤにオーバースピューが発生する恐れがあった。このオーバースピューは、外観品質を悪化させると共に、使用時に異常音を発生させる原因ともなる。
これらの問題は、大型タイヤの加硫成形に限らず、小型タイヤの加硫成形においても発生するが、特に大型タイヤの加硫成形において影響が大きく、その改善が求められていた。
特開2005−186277号広報
本発明は、上記の問題に鑑み、特に大型タイヤの加硫成形において、金型が開状態に置かれている場合(ドライサイクル中)であっても、金型温度の低下を抑制して、生産性の悪化を抑制すると共に、加硫タイヤにオーバースピューの発生を抑制して、安定した品質のタイヤ製品を得ることができるタイヤの加硫方法を提供することを課題とする。
本発明に係るタイヤの加硫方法は、
大型生タイヤの加硫を行うタイヤの加硫方法であって、
加硫金型のコンテナジャケットの温度を所定の基準温度に設定して前記生タイヤを加硫するに際して、
先のタイヤの加硫終了から次のタイヤの加硫開始までの時間に加えて、先のタイヤの加硫終了前の15分以内の所定の時間および/または次のタイヤの加硫開始後の10分以内の所定の時間、前記コンテナジャケットの温度を、前記所定の基準温度より2〜7℃上昇させることを特徴とする。
そして、前記のタイヤの加硫方法は、
前記所定の基準温度が、140〜155℃であることを特徴とする。
また、前記のタイヤの加硫方法は、
前記所定の基準温度が、150±5℃であることを特徴とする。
さらに、前記のタイヤの加硫方法は、
前記所定の基準温度が、150±1℃であることを特徴とする。
本発明に係るタイヤの加硫方法によれば、大型タイヤの加硫成形において、先のタイヤの加硫終了から次のタイヤの加硫開始まで、金型が開状態に置かれている場合(ドライサイクル中)であっても、金型温度の低下を抑制することができる。そして、その結果、生産性の悪化を抑制することができると共に、加硫タイヤにおけるオーバースピューの発生を抑制することができ、安定した品質のタイヤ製品を得ることができる。
タイヤ加硫装置を構成する割りモールドの内部構造を模式的に示す概略断面図である。 実験例のタイヤ加硫成型工程におけるジャケット温度の変化を説明する模式図である。 実験例のタイヤの連続加硫工程における金型温度とタイヤ温度の変化を模式的に示す図である。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
本実施の形態は、図1に示される金型Aを備えるタイヤ加硫装置を用い、タイヤサイズ11R22.5(トラック、バス用)のタイヤの加硫を行った例であり、コンテナジャケットの温度(以下、単に「ジャケット温度」と言う)を所定の基準温度(以下、「ジャケット基準値」という)、具体的には前記タイヤの加硫において経験的に定められている150℃に対して所定の時間、具体的には加硫装置開の時間、および前記時間にその前後における特定の時間を合わせた時間、所定の温度上昇させて加硫を行った実施の形態である。なお、比較のため、ジャケット温度をジャケット基準値に合わせて一定とする加硫、およびジャケット温度を本発明で規定される温度以上に上昇させた加硫も行った。
(比較例1)
比較例1は、従来より行っている所定の加硫条件に準拠して、加硫作業中のジャケット温度をジャケット基準値に合わせて一定に維持して、所定の加硫量が得られるように生タイヤの連続加硫を行った例である。
具体的には、ジャケット温度を150℃に設定し、生タイヤの連続加硫を行った。加硫作業中は、加硫の完了に伴うタイヤ交換時、即ち、加硫装置が開状態にある時も、ジャケット温度は、当初の設定温度である150℃を維持するように制御した。
上記したタイヤの連続加硫工程におけるジャケット温度と加硫工程との関係を、図2(a)に示す。図2(a)において、上段はジャケット温度を示し、下段は連続加硫工程の進捗を示している。図2(a)に示すように比較例1では加硫装置開時とタイヤ加硫中のジャケット温度が等しく一定である。
(実施例1)
実施例1では、ジャケット基準値を比較例1と同じ150℃とし、加硫の完了に伴うタイヤ交換時、即ち、加硫装置が開状態から閉状態に至るまでの時間、ジャケット温度を、ジャケット基準値、即ち150℃より2℃上昇させた他は、比較例1と同様にして生タイヤの連続加硫を行った。
(実施例2)
実施例2では、ジャケット基準値を比較例1と同じ150℃とし、加硫の完了に伴うタイヤ交換時、即ち、加硫装置が開状態から閉状態に至るまでの時間に加え、加硫開始後5分間および加硫終了前7分間、ジャケット温度を、ジャケット基準値、即ち150℃より4℃上昇させた他は、比較例1と同様にして生タイヤの連続加硫を行った。
実施例2のタイヤの連続加硫工程におけるジャケット温度と加硫工程との関係を、図2(b)に示す。なお、前記図2(a)と同様、上段はジャケット温度を示し、下段は連続加硫工程の進捗を示している。
(比較例2)
比較例2では、ジャケット温度を、ジャケット基準値より8℃上昇させた他は、実施例2と同様にして生タイヤの連続加硫を行った。
(測定項目)
各比較例および実施例について、連続加硫の途中において、タイヤ交換時における金型の最低温度、加硫開始1分後におけるタイヤ温度、および所要加硫時間、さらに加硫中におけるタイヤ最高温度を測定した。また、加硫後のタイヤにおけるオーバースピューの発生の有無を目視にて確認した。さらに、加硫後のタイヤにおける摩耗性能を測定した。なお、摩耗性能はランボーン摩耗試験法により測定した。
(測定結果)
各比較例および実施例のジャケット温度に関する条件を表1にまとめて示す。また、測定結果を表2に示す。なお、表2において、タイヤ交換時(加硫装置開時)における金型の最低温度、加硫開始1分後におけるタイヤ温度および加硫時間は、それぞれ比較例1における測定値を基準値として、基準値との差で示している。加硫中のタイヤ最高温度は、比較例1における管理温度を基準値として、実測値との差で示している。また、加硫後のタイヤにおける摩耗性能については、比較例1における測定値を100としたときの指数で示している。
Figure 0005318682
Figure 0005318682
表2に示す結果より、少なくとも、加硫装置が開状態から閉状態に至るまでの時間、ジャケット温度を2〜8℃上昇させることにより(実施例1、実施例2、比較例2)、加硫装置開時における金型温度の低下を抑制することができ、加硫開始後も素速くタイヤ温度を上昇させることができることが分かる。そして、加硫中のタイヤ最高温度も高くなり、その結果、加硫時間を低減でき、特に実施例2、比較例2では、充分に低減できることが分かる。
さらに、実施例1、実施例2、比較例2の場合はオーバースピューの発生もなく、実施例1、実施例2では、充分な摩耗性能を得ることができている。なお、比較例2において充分な摩耗性能を得ることができなかったのは、ジャケット温度を8℃上昇させたため、加硫中のタイヤ最高温度が高くなり過ぎて、最適な加硫状態が得られなかったものと推測される。
図3に、比較例1および実施例2における金型温度およびタイヤ温度の変化を示す。なお、図3においては、破線が比較例1を、実線が実施例2を示している。
図3に示すように、比較例1に比べ実施例2では、加硫開始時の金型温度の低下を抑制することができる。この結果、加硫開始後においてタイヤの温度上昇を速くすることができるため、加硫時間の短縮を図ることができる。
上記のように、所定時間ジャケット温度を基準値より2℃以上上昇させることによりオーバースピューの発生を抑制できると共に、加硫時間を短縮することができる。なお、上昇温度が2℃未満ではジャケット温度を上昇させる効果が得られない。また、上記のように上昇温度が8℃では摩耗性能が低下する。このため上昇温度としては、2〜7℃が適当である。また、加硫を速やかに行い、さらにタイヤの性能に悪影響を及ぼさないためには、基準値温度は、150±5℃が好ましく、150±1℃がさらに好ましい。
上記の通り、ジャケット温度を上昇させて金型温度の低下を抑制する効果を発揮させるためには、ジャケット温度の上昇時間を少なくとも加硫装置開の時間とする必要がある。そして、金型温度の低下を抑制する効果をより発揮させるためには、上記の通り、加硫装置開の時間に加えて、前記時間の前後の特定の時間にもジャケット温度を上昇させておくことが好ましい。具体的な時間としては、タイヤの加硫終了前の15分以内の所定の時間および/または次のタイヤの加硫開始後の10分以内の所定の時間を加えた時間とすることが好ましい。タイヤの加硫終了前に上昇させる時間が15分を超えたり、タイヤ加硫開始後に上昇させる時間が10分を超えるとタイヤの温度が過剰に上昇し、タイヤ性能に悪影響を及ぼす恐れがある。このため上記の時間を超えて上昇させることは避ける必要がある。
以上、本実施の形態においては、コンテナジャケット温度を上昇させて金型温度の低下を抑制しているが、プラテンジャケット温度も同時に上昇させて、金型温度の低下を抑制してもよい。なお、この場合の上昇温度としては、1〜4℃程度が好ましい。
A 金型
B コンテナ
1 上サイドモールド
2 下サイドモールド
3 トレッドセグメント
4 上プラテン盤
5 下プラテン盤
6 セクターシュー
7 アクチュエータ
8 コンテナジャケット
9 プラテンジャケット

Claims (4)

  1. 大型生タイヤの加硫を行うタイヤの加硫方法であって、
    加硫金型のコンテナジャケットの温度を所定の基準温度に設定して前記生タイヤを加硫するに際して、
    先のタイヤの加硫終了から次のタイヤの加硫開始までの時間に加えて、先のタイヤの加硫終了前の15分以内の所定の時間および/または次のタイヤの加硫開始後の10分以内の所定の時間、前記コンテナジャケットの温度を、前記所定の基準温度より2〜7℃上昇させることを特徴とするタイヤの加硫方法。
  2. 前記所定の基準温度が、140〜155℃であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤの加硫方法。
  3. 前記所定の基準温度が、150±5℃であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤの加硫方法。
  4. 前記所定の基準温度が、150±1℃であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤの加硫方法。
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