以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における圧電アクチュエータ100の上面図である。同図向かって右方向にx軸、上方向にy軸、紙面手前方向にz軸を設定する。特に断らない限り、横方向というときにはx軸方向、縦方向というときにはy軸方向、高さ方向というときにはz軸方向を意味するものとする。また、上方向とはz軸正方向(紙面手前に向かう方向)、下方向とはz軸負方向(紙面を手前から貫く方向)を意味する。z軸正方向側の面を「上面」、z軸負方向側の面を「下面」とする。
圧電アクチュエータ100は、圧電素子102と、その両端に接続される第1端子電極104、第2端子電極106を備える。以下、第1端子電極104と第2端子電極106をまとめていうときや特に区別しないときには「端子電極」とよぶ。各端子電極は、圧電素子102とはんだや接着剤により接着される。圧電素子102の形状は、横長の長方形、いいかえれば、x軸方向を長辺、y軸方向を短辺とする長方形である。圧電素子102の長辺の長さをX1、短辺の長さをY1とする。特に限定されるものではないが、X1は10cm、Y1は3cmであると想定して説明する。圧電アクチュエータ100の厚みは0.5〜0.8mm程度である。したがって、圧電アクチュエータ100の形状は、ほぼ平板であり、縦横自在に湾曲可能である。圧電素子102の同図向かって左側の短辺を第1辺108、第1辺108に対向する右側の短辺を第2辺110、同図向かって上側の長辺を第3辺112、第3辺112に対向する下側の長辺を第4辺114とする。
圧電素子102の材料は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)やチタン酸バリウム(BaTiO3)等の一般的なものでよい。端子電極の材料は、銅、銀、ステンレス、アルミニウム、リン酸銅、などの金属である。第1端子電極104と第2端子電極106は、いずれも、圧電素子102の短辺側から引き出される電極である。第1辺108から第1端子電極104が引き出され、第2辺110から第2端子電極106が引き出される。短辺側から端子電極を引き出すことにより、端子電極のサイズを比較的小さくできる。金属製の端子電極は剛性があるため、端子電極が小さい方が圧電アクチュエータ100は変位しやすい。もちろん、端子電極を圧電アクチュエータ100の長辺側から引き出してもよい。
圧電アクチュエータ100は共振周波数を有する。共振周波数付近の交流電圧を圧電アクチュエータ100に印加すると、低電圧であっても圧電アクチュエータ100を大きく振動させることができる。この振動が「触覚」を生成する。
圧電アクチュエータ100は、圧電素子の材質や構造に基づく共振周波数だけではなく、その寸法に起因する共振周波数も有する。以下において「共振周波数」というときには、主としてこの寸法に起因する共振周波数を指す。定数m×波長λ÷2=X1の関係が成立するとき、横方向に波長λの定在波が発生する。mは自然数である。いいかえれば、長辺の長さX1が半波長(λ/2)の定数倍となるとき、圧電アクチュエータ100は横方向に共振する。このときの波長λにより長辺についての共振周波数が定まる。縦方向についてもY1に基づく共振周波数が存在する。すなわち、定数n×波長λ÷2=Y1が成立するとき、縦方向に定在波が発生する。mは自然数である。以下、圧電アクチュエータ100の横方向、すなわち、長手方向の共振周波数を「長辺共振周波数fL」、縦方向、すなわち、短手方向の共振周波数を「短辺共振周波数fS」とよぶ。fLは唯一ではなくm個存在する。fSもn個存在する。いいかえれば、圧電アクチュエータ100は、m×n個の共振周波数を有する。また、ある(m,n)の組み合わせについて、m×(λ/2)=X1、n×(λ/2)=Y1を同時に成立させるλが存在するとき、そのときの共振周波数は「長辺共振周波数fL」でもあり、「短辺共振周波数fS」でもある。
圧電アクチュエータ100に長辺共振周波数fLの交流電圧と、短辺共振周波数fSの交流電圧を同時に印加してやれば、圧電アクチュエータ100は縦横両方向に振動する。いいかえれば、圧電アクチュエータ100を平面的に振動させることができる。一般的には、人間は1kHz以上の振動を触感として感じ取ることができるといわれる。本実施形態においては、第1端子電極104と第2端子電極106から、圧電アクチュエータ100にさまざまな周波数にて交流電圧を印加する。なお、印加する交流電圧はサイン波に限らず、パルス波や三角波などでもよい。
第1端子電極104は、互いに向かい合う一対の鈎形状を有する。一つの鈎形状は、第1辺108から横方向に延びる突出部120、縦方向に延びるY屈曲部122、第1辺108に向かって横方向に延びるX屈曲部124に分解できる。突出部120、Y屈曲部122、X屈曲部124の太さは同じであり、長さはそれぞれL3、L2、L1であるとする。第2端子電極106の形状についても同様である。
図2は、圧電アクチュエータ100やタッチパネル130が取り付けられたパネル固定基板132の上面図である。パネル固定基板132上にタッチパネル130が接着され、両者は一体化される。パネル固定基板132の材質は樹脂等の一般的な基板材料である。本実施形態におけるタッチパネル130は抵抗膜四線式であるが、静電容量式等の他方式でもよい。タッチパネル130は透過性である。
パネル固定基板132には、圧電アクチュエータ100のサイズにあわせて、第1切込部138と第2切込部140が設けられる。圧電アクチュエータ100はパネル固定基板132の下面側(タッチパネル130の非接地面側)に設置され、第1端子電極104と第2端子電極106は第1切込部138と第2切込部140からパネル固定基板132の上面側に引き出される。第1端子電極104と第2端子電極106を第1切込部138と第2切込部140に引っ掛けることにより、圧電アクチュエータ100はパネル固定基板132に固定される。第1切込部138と第2切込部140は、同図に示すような切り込み形状であってもよいし、端子電極を挿入可能な貫通孔であってもよい。端子電極の引っ掛け構造については、図4、図5に関連して後に詳述する。
第1切込部138と第2切込部140の内側には、第1給電電極134と第2給電電極136が設置されている。また、第1給電電極134と第2給電電極136は、パネル固定基板132の上面に設置される。したがって、第1端子電極104は第1給電電極134と接触し、第2端子電極106は第2給電電極136と接触する。第1端子電極104と第1給電電極134、第2端子電極106と第2給電電極136ははんだにより接着されてもよい。
第1給電電極134と第2給電電極136から引き出される2本の駆動信号線142は振動制御部150に接続される。また、タッチパネル130用の4本の駆動信号線142も振動制御部150に接続される。合計6本の駆動信号線142は、パネル固定基板132上にITO(Indium Tin Oxide)膜として形成される。
振動制御部150は、タッチパネル130への接触操作を検出する検出機能と、圧電アクチュエータ100に交流電圧を印加する駆動機能を備える機能ブロックである。振動制御部150は、電子回路とそれを制御するソフトウェアの組み合わせとして実現される。タッチパネル130への接触が検出されると、振動制御部150は入力内容を特定する。アイコンを並べて表示させる携帯端末であれば、接触箇所の座標から、どのアイコンがタッチされたかを判定する。そして、入力内容に応じてさまざまな交流電圧を第1給電電極134と第2給電電極136に印加する。振動制御部150は、長辺共振周波数fL近辺の交流電圧と、短辺共振周波数fS近辺の交流電圧を同時に印加可能な1以上の交流電圧源を駆動する。この交流電圧により、圧電アクチュエータ100はさまざまな態様にて振動し、ユーザに触感を与える。圧電アクチュエータ100の振動については、図7(a)から図9(c)に関連して後に詳述する。
図3は、タッチパネル装置200の分解斜視図である。タッチパネル130や圧電アクチュエータ100が固定されたパネル固定基板132は、LCD(Liquid Crystal Display)214の上に重ねられる。その上には、透明フィルム204付きのカバーケース202を重ねる。透明フィルム204とタッチパネル130は透明なので、LCD214の表示内容は透明フィルム204を通して視認可能である。LCD214は、さまざまな入力インタフェースを示す画像を表示する。LCD214の下には回路基板212が設置される。回路基板212は、パネル固定基板132の駆動信号線142を接続するためのLCD用コネクタ208と、LCD214の駆動信号線206を接続するためのタッチパネル用コネクタ210を有する。回路基板212上には、振動制御部150として機能する電子回路が設けられる。底面部は、底面ケース216によってカバーされる。
ユーザが透明フィルム204を介してタッチパネル130に接触すると、振動制御部150は、この接触を検知し、圧電アクチュエータ100を振動させる。圧電アクチュエータ100が振動すると、パネル固定基板132やカバーケース202も振動し、この振動がユーザに触感を与える。パネル固定基板132とLCD214、パネル固定基板132と回路基板212の間には、圧電アクチュエータ100の振動を妨げないように若干の隙間が設けられることが好ましい。
図4は、第1端子電極104がパネル固定基板132に接続される部分の上面拡大図である。第1端子電極104と第2端子電極106の接触構造は同様であるため、ここでは第1端子電極104を対象として説明する。圧電アクチュエータ100は、パネル固定基板132の下面側に設置される。第1端子電極104は第1切込部138からパネル固定基板132の上面側に引き出される。第1端子電極104のX屈曲部124は、第1切込部138の上をそのまま通過して、第1給電電極134と接触する。圧電アクチュエータ100が横方向に振動しても、パネル固定基板132から圧電アクチュエータ100が外れにくい構造となっている。
なお、第1給電電極134を第1切込部138の左側に設置し、Y屈曲部122や突出部120と接触させてもよい。また、圧電アクチュエータ100を、パネル固定基板132の下面側に設置するのではなく、上面側に設置してもよい。この場合には、第1給電電極134や第2給電電極136をパネル固定基板132の下面側に設置してもよい。
図5は、第1端子電極104がパネル固定基板132と接続される部分の側面拡大図である。第1端子電極104は、パネル固定基板132の下面側から第1切込部138を貫通して、パネル固定基板132の上面側に露出する。そして、第1端子電極104のX屈曲部124の先端が、パネル固定基板132の表面に形成された第1給電電極134と接触する。第1端子電極104のうちの第1切込部138を貫通する部分(突出部120の一部)には、同図に示すような傾斜角θ(θ<90°)が設けられる。すなわち、第1端子電極104や第2端子電極106は、圧電素子102から略平行に引き出されたあと、第1切込部138等を貫通する部分において屈曲している。このため、第1端子電極104や第2端子電極106は、その屈曲部分においては圧電素子102のXY平面に対して傾斜角θを有することになる。このような傾斜角θを設けることにより、第1端子電極104やパネル固定基板132の一部に負荷が集中するのを抑制している。
図6は、圧電素子102の上面に第3端子電極174を取り付けたタイプの圧電アクチュエータ100とその取り付け構造を示す斜視図である。圧電素子102の上面に、フック状の第3端子電極174を設けてもよい。圧電素子102本体をパネル固定基板132の下面側に設置し、第3端子電極174を上面側に設置すれば、圧電素子102と第3端子電極174によりパネル固定基板132が上下からクリップのように挟み込まれるようになる。第3端子電極174は、一種の支持部材として機能するため、圧電アクチュエータ100とパネル固定基板132の接合性をいっそう高めることができる。第3端子電極174も、第1端子電極104等と同じく、はんだや接着剤により圧電アクチュエータ100に取り付けられる。第3端子電極174は、「電極」ではなく、単なる支持部材として利用してもよい。この場合においても、この支持部材により、少なくともパネル固定基板132と圧電素子102との接合性が高まるという効果がある。さらに、単なる「支持部材」としてだけではなく、第3端子電極174のような「電極」としても利用すれば、図15等で関連して説明するように、圧電素子102の変形をいっそう多様化させやすくなる。
パネル固定基板132の上面には、第3端子電極174と接触するように第3給電電極176を設置する。この場合には、第1給電電極134、第2給電電極136および第3給電電極176の3つの端子から、圧電アクチュエータ100に交流電圧を印加できる。
圧電素子102の上面の全部または一部を電極としてもよい。第3給電電極176をパネル固定基板132の下面に設置すれば、圧電素子102の上面が第3給電電極176と接触する。この場合にも、第3給電電極176を含む3つの端子から圧電アクチュエータ100に交流電圧を印加できる。
図7(a)〜図7(c)は、圧電アクチュエータ100が変位する態様を模式的に示す側断面図である。図7(a)は、圧電アクチュエータ100が変位していないときの側断面図である。図5に示したように、パネル固定基板132と圧電アクチュエータ100は、共にx軸に平行となっている。図7(b)は、圧電アクチュエータ100が上方向に湾曲するときの側断面図である。圧電素子102の中央が上方向(z軸正方向)に湾曲すると、第1端子電極104の突出部120やY屈曲部122が、パネル固定基板132を押し下げる。圧電素子102自体だけでなく、第1端子電極104や第2端子電極106も、パネル固定基板132に力を与えることになる。図7(c)は、圧電アクチュエータ100が下方向に湾曲するときの側断面図である。圧電素子102の中央部が下方向(z軸負方向)に湾曲すると、第1端子電極104のX屈曲部124が、パネル固定基板132を押し下げる。これにより、パネル固定基板132の下方向への湾曲が付勢される。第2端子電極106についても同様に機能する。
圧電素子102本体だけでなく、剛性を有する端子電極もパネル固定基板132を押しつけることにより、パネル固定基板132は上下に変位する。
以上は、長手方向の振動の場合であるが、短手方向の振動の場合も原理は同じである。圧電アクチュエータ100の短辺が上方向に湾曲するときには、突出部120がパネル固定基板132の上面を押しつける。下方向に湾曲するときには、X屈曲部124がパネル固定基板132の上面を押しつける。
図8(a)および図8(b)は、X屈曲部124の長さL1がX1/2に等しい場合において圧電アクチュエータ100が湾曲するときの側断面図である。L1が大きいほど、パネル固定基板132を押しつける力も強くなる。しかし、L1がX1/2よりも長くなると、X屈曲部124の剛性がパネル固定基板132の変位を阻害する。したがって、L1はX1/2以下であることが好ましい。L1=X1/2であるときには、λ/2=X1となる共振周波数のときだけ、圧電素子102は横方向に共振する。
図9(a)および図9(b)は、X屈曲部124の長さL1がX1/4に等しい場合において圧電アクチュエータ100が湾曲するときの側断面図である。図9(a)は、λ/2=X1となるときの振動を示し、図9(b)は、2×(λ/2)=X1となるときの振動を示す。L1が小さくなると、パネル固定基板132を押しつける力は弱くなるが、複数の長手共振周波数fLにて圧電素子102を横方向に共振させることができる。
図10(a)から図10(f)は、第1端子電極104の形状の各種変形例を示す平面図である。図10(a)の第1端子電極104は、図1の第1端子電極104と似ているが、2つの鈎に分離されている。図10(b)、(c)、(d)も同様である。すなわち、第1辺108のうち、端部152a、bのそれぞれから引き出される一対の電極として第1端子電極104が構成される。図10(b)の第1端子電極104の場合、図10(a)の第1端子電極104と比べて突出部120がx軸負方向に延長されている。図10(c)の場合には、X屈曲部124がx軸負方向に延長されている。図10(d)では、両方が延長されている。図10(b)、(c)、(d)に示す第1端子電極104は、図10(a)に示す第1端子電極104の一部を延長させた形状であるため、パネル固定基板132と接合性が高い。
図10(e)と図10(f)の場合には、第1端子電極104は第1辺108の端部152a、bそれぞれから引き出されるが、その先は連結されており、コの字形状となっている。いいかえれば、X屈曲部124が共通化されている。いずれの場合にも、X屈曲部124によりパネル固定基板132に第1端子電極104を引っ掛けて固定するという点では共通する。
なお、第1端子電極104と第2端子電極106は必ずしも左右対称である必要はない。たとえば、第1端子電極104は図10(a)に示す形状、第2端子電極106は図10(f)に示す形状としてもよい。第1端子電極104等の強度、第1切込部138や第2切込部140の大きさや形状、振動のさせ方等に応じて最適な形状を実験に基づいて適宜選択すればよい。
図11(a)から図11(c)は、各種圧電素子の断面形状を示す図である。図11(a)は、単層圧電素子160を振動させる基本回路図である。単層圧電素子160は、圧電体180の両端を電極172a、172bで挟む形状である。スパッタ法等の既知の方法により、圧電体180に銅や銀などの導電体が形成される。これが、各電極172となる。電極172aと電極172bに交流電圧源170を接続する。交流電圧源170が共振周波数付近の交流電圧を印加すると単層圧電素子160が振動することは上述の通りである。
図11(b)は、二層圧電素子162を振動させる基本回路図である。二層圧電素子162は、二つの単層圧電素子160を重ね合わせた構造を有する。交流電圧源170の一端は中央の電極172dと接続され、他端は電極172cと電極172eに共通接続される。したがって、電極172cと電極172eは同電位となる。
図11(c)は、積層圧電素子164を振動させる基本回路図である。積層圧電素子164は、両端に電極172gと電極172fが設けられるが、それぞれの電極が櫛歯状にかみ合う構造を有する。交流電圧源170の一端は電極172g、他端は電極172fと接続される。
単層圧電素子160の厚みは0.5mm程度であるが、積層圧電素子164になると厚みは0.8mm程度となる。単層圧電素子160には、厚みが小さいため変位が比較的大きい。また、製造コストが低いというメリットもある。その反面、力が弱い。二層圧電素子162は、単層圧電素子160と同方向に変位させれば、単層圧電素子160よりも強い力を出せる。積層圧電素子164は、最も力が強い。ただし、製造コストが高く変位が小さい。
以下においては、単層圧電素子160、二層圧電素子162、積層圧電素子164のそれぞれについて、圧電アクチュエータ100として利用するときの各種電気回路を説明する。以下の図ではわかりやすくするため、各圧電素子を直方体形状にて描いているが、実際には板状である。
図12は、単層圧電素子160を含む圧電アクチュエータ100を振動させる電気回路の第1例を示す図である。圧電体180の下側の電極172bにはんだや接着剤により第1端子電極104を接着する。圧電体180の上側の電極172aに第2端子電極106を同様に接着する。そして、交流電圧源170の一端を第1端子電極104(電極172b)、他端を第2端子電極106(電極172a)に接続する。交流電圧源170は、複数種類の交流電圧を印加することにより、単層圧電素子160を縦横に振動させる。
図13は、単層圧電素子160を含む圧電アクチュエータ100を振動させる電気回路の第2例を示す図である。下側の電極172bには、第1端子電極104と第2端子電極106の両方を接続する。このため、第1端子電極104と第2端子電極106は同電位となる。交流電圧源170の一端を第1端子電極104か第2端子電極106(電極172b)に接続し、他端を単層圧電素子160の電極172aに接続する。電極172aには図6に関連して説明した第3給電電極176が接続される。第1端子電極104と第2端子電極106は図13に示すように別々に形成されてもよいし、一体として形成されてもよい。
図14は、二層圧電素子162を含む圧電アクチュエータ100を振動させる電気回路の第1例を示す図である。二層圧電素子162は、ちょうど2つの単層圧電素子160を重ね合わせた構造となる。電極172dと第1端子電極104を接続する。電極172cと第2端子電極106を接続する。さらに、第2端子電極106と電極172eを短絡する。第2端子電極106を電極172cと電極172eの両方に接続する形態でもよい。この例では、電極172cと電極172eは同電位となる。交流電圧源170の一端を第1端子電極104(電極172d)と接続し、他端を第2端子電極106(電極172c、172e)に接続する。
図15は、二層圧電素子162を含む圧電アクチュエータ100を振動させる電気回路の第2例を示す図である。この例では、複数の交流電圧源170を使用する。電極172dに第1端子電極104が接続される。電極172eに第2端子電極106を接続する。第1端子電極104と第2端子電極106の高さを合わせるため、第2端子電極106の一部を湾曲させてもよい。この例では、二層圧電素子162は、3端子を有する。交流電圧源170aの一端を第2端子電極106(電極172e)に接続し、他端を第1端子電極104(電極172d)に接続する。交流電圧源170bの一端を電極172cに接続し、他端を第1端子電極104(電極172d)に接続する。交流電圧源170aにて二層圧電素子162の下側の圧電素子を振動させ、交流電圧源170bにて上側の圧電素子を振動させてもよい。また、交流電圧源170aは長辺共振周波数fL、交流電圧源170bは短辺共振周波数fSにて、それぞれ周波数の異なる交流電圧を印加してもよい。
図16は、積層圧電素子164を含む圧電アクチュエータ100を振動させる電気回路を示す図である。第1端子電極104を電極172gに接続し、第2端子電極106を電極172fに接続する。交流電圧源170の一端を第1端子電極104(電極172g)に接続し、他端を第2端子電極106(電極172f)に接続する。なお、第1端子電極104と第2端子電極106を一体として形成し、電極172gに共通接続してもよい。この場合には、第1端子電極104、第2端子電極106、電極172gが同電位となる。そして、交流電圧源170の一端を電極172g側と接続し、他端を電極172fに直接接続してもよい。
図17は、分割電極を有する単層圧電素子160を振動させる電気回路の第1例を示す図である。同図に示す単層圧電素子160は、2つに分割されている。このため、電極172aは、電極172p、172qの2つに分割されている。分割された圧電素子にはそれぞれ別々に振動が発生し、全体としてそれらの振動が合成される。第1端子電極104と第2端子電極106は一体として形成され、電極172bに共通接続される。すなわち、第1端子電極104と第2端子電極106は同電位となる。交流電圧源170aの一端は第1端子電極104(電極172b)、他端は電極172qと接続される。交流電圧源170bの一端は第2端子電極106(電極172b)、他端は電極172pと接続される。
図18は、分割電極を有する単層圧電素子160を振動させる電気回路の第2例を示す図である。同図では、電極172aの分割にあわせて、第2端子電極106も第2端子電極106tと106uに分割されている。第1端子電極104は下側の電極172bに接続される。第2端子電極106tは電極172r、第2端子電極106uは電極172sと接続される。交流電圧源170aの一端は第1端子電極104(電極172b)、他端は第2端子電極106t(電極172r)と接続される。交流電圧源170bの一端は第1端子電極104(電極172b)、他端は第2端子電極106u(電極172s)と接続される。
図19は、分割電極を有する二層圧電素子162を振動させる電気回路の第1例を示す図である。二層圧電素子162を構成する2つの単層圧電素子160のうち、上方の単層圧電素子160を分割する。このため、電極172cは、電極172vと172wに分割されている。第1端子電極104は中央の電極172dと接続され、第2端子電極106は下側の電極172eと接続される。交流電圧源170aの一端を第1端子電極104(電極172d)、他端を第2端子電極106(電極172e)に接続する。交流電圧源170bの一端を第1端子電極104(電極172d)、他端を電極172wに接続する。交流電圧源170cの一端を第1端子電極104(電極172b)、他端を電極172vに接続する。
図20は、分割電極を有する二層圧電素子162を振動させる電気回路の第2例を示す図である。二層圧電素子162を構成する2つの単層圧電素子160のうち、下方の単層圧電素子160を分割する。このため、中央の電極172dは、電極172xと172yに分割され、下側の電極172eは、電極172mと172nに分割される。第1端子電極104は第1端子電極104xと104yに分割され、第2端子電極106は第2端子電極106xと106yに分割される。交流電圧源170aの一端を第2端子電極106y(電極172y)、他端を電極172cに接続する。交流電圧源170bの一端を第2端子電極106x(電極172x)、他端を電極172cに接続する。交流電圧源170cの一端を第1端子電極104x(電極172x)、他端を電極172cに接続する。交流電圧源170dの一端を第1端子電極104y(電極172y)、他端を電極172cに接続する。
図21は、圧電アクチュエータ100の取り付け構造の変形例を示す図である。図2では、第1端子電極104や第2端子電極106を、パネル固定基板132の第1切込部138や第2切込部140に引っ掛けることにより圧電アクチュエータ100を固定した。変形例として、第1端子電極104等を圧電アクチュエータ100の両端に引っ掛けてもよい。パネル固定基板132の両側に樹脂ケース178a、bなどが設置される場合には、パネル固定基板132と樹脂ケース178の間に隙間を設けることができる。したがって、この隙間を第1切込部138や第2切込部140の代わりに利用してもよい。
図22は、複数の圧電アクチュエータ100をパネル固定基板132に取り付ける構造を示す上面図である。同図に示すように、4つの圧電アクチュエータ100a、b、c、cをパネル固定基板132の4辺にそれぞれ接続してもよい。複数の圧電アクチュエータ100を使うことにより、パネル固定基板132をより強く振動させることができる。また、各圧電アクチュエータ100のサイズを異ならせることにより、共振周波数の種類が多くなるため、いっそう多様な触感を実現できる。
以上、実施の形態に基づいて、圧電アクチュエータ100と、圧電アクチュエータ100が取り付けられるタッチパネル装置200について説明した。圧電アクチュエータ100は、第1端子電極104と第2端子電極106が鈎形状を有するため、パネル固定基板132に引っ掛けることができる。このため交換しやすく、かつ、確実に固定しやすくなっている。図6のようにフック状の支持部材を設ければ、いっそう圧電アクチュエータ100を安定的に取り付けやすい。圧電アクチュエータ100の交換が容易であるため、形状や材質、構造などが異なる別の圧電アクチュエータ100に取り替えるだけで、表現可能な触感を簡単に変えられる。また、第1端子電極104の形状が異なる圧電アクチュエータ100に取り替えることによっても、触感を微妙に変化させることができる。
短辺の共振周波数と長辺の共振周波数に対応して、複数の交流電圧を同時に印加することにより、圧電アクチュエータ100を平面的に振動させることができる。特に、図10(a)、(b)、(c)、(d)のように、第1端子電極104や第2端子電極106を一対の電極とすれば、短辺方向に振動させやすくなる。図5に示したように、第1端子電極104等に傾斜を設ければ、パネル固定基板132にかかる負荷を分散させやすくなる。
以上、本発明をいくつかの実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。したがって、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
図23は、変形例における圧電アクチュエータの上面図である。第1端子電極104や第2端子電極106の形状については、図1や図10(a)〜図10(f)以外にもさまざまな態様が考えられる。図1や図10(a)〜図10(f)に示した各端子電極は、突出部120、Y屈曲部122およびX屈曲部124を備えたが、変形例として、端子電極はさらに第2Y屈曲部126を備えてもよい。第2Y屈曲部126は、X屈曲部124の先端からy軸正方向に引き出される端子電極の一部である。第2Y屈曲部126の太さは、突出部120等と同一であってもよいし、同一でなくてもよい。鈎形状の折り返し先端部(X屈曲部124の先端部)が長方形面の第1辺108や第2辺110と平行な折り曲げ部(第2Y屈曲部126)を有すると、圧電アクチュエータ100の取り付けの確実性が高まり、振動による触覚生成がいっそう良好となる。
本実施形態においては、第1端子電極104等の鈎形状により圧電アクチュエータ100をパネル固定基板132に固定しているが、変形例としてスナップボタンなど他の方式により固定してもよい。たとえば、第1端子電極104の上面に凸形状のボタン、パネル固定基板132の下面に凹形状のボタンを設け、これらを互いにはめあわせることにより圧電アクチュエータ100をパネル固定基板132に固定してもよい。
圧電素子102は長方形だけでなく、丸形やひし形などそれ以外の形状であってもよい。圧電素子102の形状、構造、材質等は、タッチパネル装置200の使用条件や製造コスト等に鑑みて最適選択されればよい。
圧電アクチュエータ100に印加される2種類の交流電圧(周波数f1、f2)は同時に印加されてもよいし、周波数f1の交流電圧が印加される期間と周波数f2の交流電圧が印加される期間を交互に切り換えてもよい。また、周波数f1の交流電圧の振幅A1と周波数f2の交流電圧の振幅A2を異ならせたり変化させることにより、いっそう多様な触感を実現できる。たとえば、長辺共振周波数fLの交流電圧を強く、短辺共振周波数fSの交流電圧を弱くすれば、横方向の振動の方が大きな平面的な振動が可能となる。