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JP5332454B2 - 画素回路の駆動方法、発光装置および電子機器 - Google Patents
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JP5332454B2 - 画素回路の駆動方法、発光装置および電子機器 - Google Patents

画素回路の駆動方法、発光装置および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、有機EL(Electroluminescence)素子などの発光素子を駆動する技術に関する。
発光素子に供給される駆動電流の電流量を駆動トランジスタが制御する発光装置においては、駆動トランジスタや発光素子の電気的な特性の誤差(目標値からの相違や各素子間のバラツキ)が問題となる。特許文献1には、駆動トランジスタのゲート−ソース間に介在する保持容量の両端間の電圧を、駆動トランジスタの閾値電圧に設定してから階調値に応じた電圧に変化させることで、駆動トランジスタの閾値電圧および移動度の誤差(ひいては駆動電流の電流量の誤差)を補償する技術が開示されている。
特開2007−310311号公報
しかし、特許文献1の技術で駆動電流の誤差が有効に補償されるのは特定の階調値が指定された場合に限定され、階調値によっては駆動電流の誤差を解消できない場合がある。以上の事情に鑑みて、本発明は、複数の階調値について駆動電流の誤差を抑制することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る画素回路の駆動方法は、第1電極および第2電極を有する容量素子と、第2電極にゲートが接続されるPチャネル型の駆動トランジスタと、発光素子と、を具備する画素回路を駆動する方法であって、第1電極に基準電位を供給するとともに、駆動トランジスタを導通させて駆動トランジスタをダイオード接続することで、駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧を駆動トランジスタの閾値電圧に漸近させる第1補償動作を補償期間において実行し、補償期間の経過後の書込期間において、当該画素回路に指定された階調値に応じた階調電位を信号線から第1電極に供給するとともに駆動トランジスタをダイオード接続することで、駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧を、階調値に応じた電圧に変化させるとともに、駆動トランジスタの閾値電圧に漸近させる第2補償動作を、当該階調値に応じて可変に設定された時間長にわたって実行し、書込期間の経過後の駆動期間において、駆動トランジスタのダイオード接続を解除し、そのときの駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧に応じた駆動電流を発光素子に供給する。
以上の方法においては、書込期間における補償動作(第2補償動作)の時間長が階調値(あるいは階調電位)に応じて可変に設定されるから、複数の階調値について駆動電流の誤差を有効に抑制することが可能である。
本発明の好適な態様では、発光素子の一方の電極は駆動トランジスタのドレインに接続され、補償期間および書込期間において、発光素子の他方の電極に第1電位を供給することで、発光素子の閾値電圧を下回るように発光素子の両端間の電圧を設定し、駆動期間において、発光素子の他方の電極に第2電位を供給することで、発光素子の閾値電圧を上回るように発光素子の両端間の電圧を設定する。この態様によれば、発光素子の他方の電極に供給される電位を変化させることで発光素子のオン状態およびオフ状態を切り替えることができるから、発光素子に対する駆動電流の供給の可否を決定するためのスイッチング素子を駆動電流の経路上に設けなくて済む。従って、画素回路の構成を簡素化できるという利点がある。
本発明の好適な態様では、駆動電流の経路上に設けられたスイッチング素子を備え、補償期間および書込期間においてスイッチング素子をオフ状態にする一方、駆動期間においてスイッチング素子をオン状態にすることで駆動電流を前記発光素子に供給する。この態様によれば、補償期間および書込期間においてスイッチング素子はオフ状態であるから、発光素子における電極の電位を変化させなくても発光素子は確実にオフ状態(非発光状態)になる。
以上の態様において、階調電位の供給による駆動トランジスタのゲートの電位の変化量が大きいほど、駆動電流の誤差を抑制できる第2補償動作の時間長が短くなるという傾向を前提とすれば、書込期間において階調電位を供給したときの駆動トランジスタのゲートの電位の変化量が大きいほど第2補償動作の時間長が短くなるように、当該画素回路に指定された階調値に応じて第2補償動作の時間長を可変に設定する。
ところで、階調値が小さいほど、駆動電流の誤差を抑制できる第2補償動作の時間長が長くなるという傾向のもとで、階調値が小さい場合にも駆動電流の誤差を完全に低減しようとすれば、補償動作の時間長を過度に長くする必要がある。そこで、本発明の好適な態様において、階調値が所定値を下回る場合には、補償動作の時間長を、階調値に依存しない所定値に設定する(すなわち補償動作の時間長に上限値を設定する)。以上の方法によれば、階調値が小さい場合にも補償動作の時間長が適度な長さに抑制されるという利点がある。
本発明の好適な態様において、補償期間では、駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧を、第1補償動作によって駆動トランジスタの閾値電圧に設定する。この態様によれば、駆動トランジスタの閾値電圧の誤差が第1補償動作で正確に補償されるという利点がある。なお、駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧が駆動トランジスタの閾値電圧に完全に合致するためには理論上は無限の時間長が必要となるから、本発明において「駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧を駆動トランジスタの閾値電圧に設定する」とは、駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧が駆動トランジスタの閾値電圧に充分に近接した状態(実質的に閾値電圧に到達した状態)を意味する。
本発明の別の態様において、補償期間では、階調値に応じて可変に設定された時間長にわたって第1補償動作を実行する。この態様によれば、第1補償動作および第2補償動作の双方の時間長が階調値に応じて可変に設定されるから、第1補償動作の時間長のみを調整する場合と比較して広い範囲にわたる階調値について駆動電流の誤差を抑制することが可能である。
本発明の第2の態様に係る画素回路の駆動方法は、第1電極および第2電極を有する容量素子と、第2電極にゲートが接続されるPチャネル型の駆動トランジスタと、発光素子と、を各々が含む複数の画素回路を駆動する方法であって、複数の画素回路の各々について、当該画素回路に指定された階調値に応じた階調電位を信号線から当該画素回路の第1電極に供給するとともに駆動トランジスタをダイオード接続することで、当該画素回路の駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧を当該駆動トランジスタの閾値電圧に漸近させる第2補償動作を、第1期間と第2期間とを各々が含む複数の単位期間のうち当該画素回路に対応する単位期間の前記第2期間において、当該階調値に応じて可変に設定された時間長にわたって実行する一方、基準電位を信号線から当該画素回路の第1電極に供給するとともに、駆動トランジスタを導通させて駆動トランジスタをダイオード接続することで、当該画素回路の駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧を当該駆動トランジスタの閾値電圧に漸近させる第1補償動作を、当該画素回路に対応する単位期間の第2期間の開始前の第1期間、および、当該画素回路に対応する単位期間の開始前の2以上の単位期間にわたって実行し、当該画素回路に対応する単位期間の第2期間の経過後に、駆動トランジスタのダイオード接続を解除し、そのときの駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧に応じた駆動電流を発光素子に供給する。
この態様においても、第2補償動作の時間長が階調値(あるいは階調電位)に応じて可変に設定されるから、複数の階調値について駆動電流の誤差を有効に抑制することが可能である。さらに、2以上の単位期間にわたって第1補償動作が実行されるから、駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧を第1補償動作で駆動トランジスタの閾値電圧に充分に近接させることができる。また、共通の信号線が基準電位の供給と階調電位の供給とに兼用されるから、基準電位と階調電位とが別個の配線で各画素回路に供給される構成と比較して、画素回路の構成が簡素化されるという利点もある。なお、第1期間と第2期間との先後および比率や第1補償動作を実行する単位期間の個数は本発明において任意である。
本発明の第3の態様に係る画素回路の駆動方法は、第1電極および第2電極を有する容量素子と、第2電極にゲートが接続されるPチャネル型の駆動トランジスタと、発光素子と、を各々が含む複数の画素回路を駆動する方法であって、複数の画素回路の各々について、当該画素回路に指定された階調値に応じた階調電位を信号線から当該画素回路の第1電極に供給するとともに駆動トランジスタをダイオード接続することで、当該画素回路の駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧を当該駆動トランジスタの閾値電圧に漸近させる第2補償動作を、当該画素回路に対応する前記単位期間において、当該階調値に応じて可変に設定された時間長にわたって実行する一方、基準電位を給電線から当該画素回路の第1電極に供給するとともに、駆動トランジスタを導通させて駆動トランジスタをダイオード接続することで、当該画素回路の駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧を当該駆動トランジスタの閾値電圧に漸近させる第1補償動作を、当該画素回路に対応する単位期間の開始前の2以上の単位期間にわたって実行し、当該画素回路に対応する単位期間の経過後に、駆動トランジスタのダイオード接続を解除し、そのときの駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧に応じた駆動電流を前記発光素子に供給する。
この態様においても、第2補償動作の時間長が階調値(あるいは階調電位)に応じて可変に設定されるから、複数の階調値について駆動電流の誤差を有効に抑制することが可能である。さらに、2以上の単位期間にわたって第1補償動作が連続的に実行されるから駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧を第1補償動作で駆動トランジスタの閾値電圧に充分に接近させることができる。また、第2補償動作の時間長を最長で単位期間の全体の時間長まで設定できる(第2補償動作の時間長の変化幅を充分に確保できる)という利点もある。なお、第1補償動作を実行する単位期間の個数は本発明において任意である。
なお、本発明に係る画素回路の駆動方法において、第1補償動作が複数の単位期間にて実行されるか1個の単位期間にて実行されるか(第1補償動作が行われる期間が複数の単位期間にわたるか、1個の単位期間に包含されるか)は不問であるから、第2の態様および第3の態様に係る駆動方法は、第1の態様に係る駆動方法に包含される。
本発明の第1の態様に係る発光装置は、第1電極および第2電極を有する容量素子と、第2電極にゲートが接続されたPチャネル型の駆動トランジスタと、発光素子と、信号線と第1電極との間に介在する第1スイッチング素子と、駆動トランジスタのゲートとドレインとの間に介在する第2スイッチング素子と、を含む画素回路と、本発明の第1の態様に係る駆動方法を実行する駆動回路とを具備する。第1の態様に係る発光装置によれば、第1の態様に係る駆動方法と同様の効果が実現される。
第1の態様に係る発光装置の好適な態様では、画素回路は、駆動電流の経路上に設けられた第3スイッチング素子をさらに備え、駆動回路は、補償期間および書込期間において第3スイッチング素子をオフ状態にする一方、書込期間の経過後に第3スイッチング素子をオン状態にすることで、駆動電流を発光素子に供給する。
本発明の第2の態様に係る発光装置は、第1電極および第2電極を有する容量素子と、第2電極にゲートが接続されたPチャネル型の駆動トランジスタと、発光素子と、信号線と第1電極との間に介在する第1スイッチング素子と、駆動トランジスタのゲートとドレインとの間に介在する第2スイッチング素子と、を各々が含む複数の画素回路と、本発明の第2の態様に係る駆動方法を実現する駆動回路とを具備する。第2の態様に係る発光装置によれば、第2の態様に係る駆動方法と同様の効果が実現される。
本発明の第3の態様に係る発光装置は、第1電極および第2電極を有する容量素子と、第2電極にゲートが接続されたPチャネル型の駆動トランジスタと、発光素子と、信号線と第1電極との間に介在する第1スイッチング素子と、駆動トランジスタのゲートとドレインとの間に介在する第2スイッチング素子と、給電線と第1電極との間に介在する第4スイッチング素子と、を各々が含む複数の画素回路と、本発明の第3の態様に係る駆動方法を実現する駆動回路とを具備する。第3の態様に係る発光装置によれば、第3の態様に係る駆動方法と同様の効果が実現される。
本発明に係る発光装置は、各種の電子機器に利用される。電子機器の典型例は、発光装置を表示装置として利用した機器である。本発明に係る電子機器としてはパーソナルコンピュータや携帯電話機が例示される。もっとも、本発明に係る発光装置の用途は画像の表示に限定されない。例えば、光線の照射によって感光体ドラムなどの像担持体に潜像を形成するための露光装置(光ヘッド)としても本発明の発光装置が適用される。
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る発光装置のブロック図である。発光装置100は、画像を表示する表示体として電子機器に搭載される。図1に示すように、発光装置100は、複数の画素回路Uが配列された素子部10と、各画素回路Uを駆動する駆動回路30とを具備する。駆動回路30は、走査線駆動回路32と信号線駆動回路34と電位制御回路36とを含んで構成される。駆動回路30は、例えば複数の集積回路に分散して実装される。ただし、駆動回路30の少なくとも一部は、基板上に形成された薄膜トランジスタで構成され得る。
素子部10には、X方向に延在するm本の走査線12と、X方向に交差するY方向に延在するn本の信号線14とが形成される(m,nは自然数)。複数の画素回路Uは、各走査線12と各信号線14との交差に配置されて縦m行×横n列の行列状に配列する。また、素子部10には、走査線12とともにX方向に延在するm本の給電線16が形成される。
走査線駆動回路32は、所定の順番で順次にアクティブレベル(ローレベル)になる走査信号GA(GA[1]〜GA[m])を各走査線12に出力することで各画素回路Uを行単位で順次に選択する。電位制御回路36は、電位VCT(VCT[1]〜VCT[m])を生成して各給電線16に出力する。
信号線駆動回路34は、画素回路Uの動作を規定する信号S(S[1]〜S[n])を生成して各信号線14に出力する。図1に示すように、信号線駆動回路34は、各信号線14に対応するn個の単位回路40を具備する。第j番目(j=1〜n)の単位回路40は信号S[j]を第j番目の信号線14に出力する。例えば、単位回路40は、信号S[j]を、走査線駆動回路32による選択行の第j列目の画素回路Uに指定された階調値Dに対応する電位(以下「階調電位」という)VDATAに設定する。
図2は、画素回路Uの回路図である。図2においては、第i行(i=1〜m)に属する第j列の1個の画素回路Uのみが代表的に図示されている。図2に示すように、素子部10には、X方向に延在する第1制御線20および第2制御線22がm本の走査線12の各々に対応して設けられる。第1制御線20および第2制御線22の各々には、駆動回路30(例えば走査線駆動回路32)から所定の信号が供給される。より具体的には、第1制御線20には初期化信号Grst[i]が供給され、第2制御線22には制御信号GC[i]が供給される。また、図2に示すように、素子部10には、Y方向に延在する初期化線24が信号線14に対応して設けられる。初期化線24には、図示しない電源回路から初期化電位Vrstが供給される。
図2に示すように、画素回路Uは、発光素子Eと、駆動トランジスタTDRと、第1スイッチング素子Tr1と、第2スイッチング素子Tr2と、第3スイッチング素子Tr3と、容量素子C0(容量値cp0)と、保持容量C1(容量値cp1)とを含んで構成される。発光素子Eと駆動トランジスタTDRとは、給電線18と給電線16を結ぶ経路上に直列に接続される。給電線18には電源回路(図示略)から所定の電位VELが供給される。発光素子Eは、相対向する陽極と陰極との間に有機EL材料の発光層を介在させた有機EL素子である。図2に示すように、発光素子Eの陽極は駆動トランジスタTDRに接続され、陰極は給電線16に接続される。図2に示すように、発光素子Eには容量C2(容量値cp2)が付随する。
図2に示すように、駆動トランジスタTDRは、給電線18にソースが接続されるとともにドレインが発光素子Eの陽極に接続されたPチャネル型のトランジスタ(例えば薄膜トランジスタ)である。容量素子C0は、第1電極L1および第2電極L2を有し、第2電極L2は駆動トランジスタTDRのゲートに接続される。第1電極L1と信号線14との間には、Pチャネル型のトランジスタである第1スイッチング素子Tr1が介在する。第1スイッチング素子Tr1のゲートは走査線12に接続される。走査信号GA[i]がローレベルに遷移すると第1スイッチング素子Tr1がオン状態になって第1電極L1と信号線14とが導通する一方、走査信号GA[i]がハイレベルに遷移すると第1スイッチング素子Tr1はオフ状態になって第1電極L1と信号線14とが非導通になる。
図2に示すように、駆動トランジスタTDRのゲートと初期化線24との間には、Pチャネル型のトランジスタである第2スイッチング素子Tr2が介在する。第2スイッチング素子Tr2のゲートは第1制御線20に接続される。初期化信号Grst[i]がローレベルに遷移すると第2スイッチング素子Tr2がオン状態になって駆動トランジスタTDRのゲートと初期化線24とが導通する一方、初期化信号Grst[i]がハイレベルに遷移すると第2スイッチング素子Tr2がオフ状態になって駆動トランジスタTDRのゲートと初期化線24とが非導通になる。
図2に示すように、駆動トランジスタTDRのゲートとドレインとの間には、Pチャネル型のトランジスタである第3スイッチング素子Tr3が介在する。第3スイッチング素子Tr3のゲートは第2制御線22に接続される。制御信号GC[i]がローレベルに遷移すると第3スイッチング素子Tr3がオン状態になって駆動トランジスタTDRのゲートとドレインとが導通する一方、制御信号GC[i]がハイレベルに遷移すると第3スイッチング素子Tr3がオフ状態になって駆動トランジスタTDRのゲートとドレインとが非導通になる。
図2に示すように、駆動トランジスタTDRのゲートとソースとの間には、保持容量C1が介在する。保持容量C1は、駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧を保持するための手段であり、保持容量C1の一方の電極は駆動トランジスタTDRのゲートに接続され、他方の電極は給電線18に接続される。
次に、図3を参照して、第i行に属する第j列目の画素回路Uに着目して駆動回路30の動作(画素回路Uを駆動する方法)を説明する。図3に示すように、走査線駆動回路32は、垂直走査期間内の第i番目の単位期間H[i]にて走査信号GA[i]をローレベルに設定する。走査信号GA[i]がローレベルに設定されると、第i行に属するn個の画素回路Uの第1スイッチング素子Tr1が同時にオン状態に遷移する。
図3に示すように、単位期間H[i]は、初期化期間PRSと補償期間PCPと書込期間PWRとを含む。初期化期間PRSにおいては、駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGを初期化することで駆動トランジスタTDRを導通させる。初期化期間PRSの経過後の補償期間PCPにおいては、駆動トランジスタTDRをダイオード接続することで、駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSを駆動トランジスタTDRの閾値電圧VTHに漸近させる。補償期間PCPの経過後の書込期間PWRにおいては、駆動トランジスタTDRの電圧VGSを、補償期間PCPにて設定された電圧から画素回路Uに対して指定された階調値Dに応じた電圧に変化させるとともに駆動トランジスタTDRの閾値電圧VTHに漸近させる。書込期間PWRの経過後の駆動期間PDRにおいては、駆動トランジスタTDRの電圧VGSに応じた駆動電流IDRを発光素子Eに供給する。発光素子Eは、駆動電流IDRに応じた輝度で発光する。以下では、初期化期間PRSと補償期間PCPと書込期間PWRと駆動期間PDRとに区分して、画素回路Uの具体的な動作を説明する。
[1]初期化期間PRS(図4)
図3に示すように、駆動回路30(例えば走査線駆動回路32)は、初期化信号Grst[i]をローレベルに設定する。従って、図4に示すように、第2スイッチング素子Tr2がオン状態に遷移し、駆動トランジスタTDRのゲートは第2スイッチング素子Tr2を介して初期化線24に導通する。これにより、駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGは、初期化電位Vrstに設定される。また、駆動トランジスタTDRのソースの電位VSは一定の電位VEL(>Vrst)に維持される。従って、駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSが定電位VELと初期化電位Vrstとの差分の電圧VGS1(=VEL−Vrst)に初期化される。
初期化電位Vrstは、以下の数式(1)のように、駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGS1が駆動トランジスタTDRの閾値電圧VTHを充分に上回るように設定される。従って、初期化期間PRSにおいては、駆動トランジスタTDRはオン状態になる。
VGS1=VEL−Vrst≫VTH ……(1)
図3に示すように、電位制御回路36は、給電線16に出力する電位VCT[i]を第1電位VCT1に設定する。第1電位VCT1は、以下の数式(2)のように、給電線18の電位VELとの差分の電圧(=VEL−VCT1)が発光素子Eの閾値電圧VTH_OLEDを充分に下回るように設定される。従って、初期化期間PRSにおいては、発光素子Eがオフ状態(非発光状態)になる。
VEL−VCT1≪VTH_OLED ……(2)
また、図3に示すように、駆動回路30は、制御信号GC[i]をローレベルに設定する。従って、図4に示すように、第3スイッチング素子Tr3がオン状態に遷移し、駆動トランジスタTDRのドレインとゲートとは第3スイッチング素子Tr3を介して接続(ダイオード接続)される。前述したように、駆動トランジスタTDRのゲートは第2スイッチング素子Tr2を介して初期化線24と導通するから、駆動トランジスタTDRのドレインは、第3スイッチング素子Tr3および第2スイッチング素子Tr2を介して初期化線24と導通する。これにより、駆動トランジスタTDRのドレインの電位は初期化電位Vrstに設定(リセット)される。
前述したように駆動トランジスタTDRはオン状態であり、発光素子Eはオフ状態であるから、駆動トランジスタTDRのソースとドレインとの間を流れる電流Idsが、駆動トランジスタTDRのドレインから、第3スイッチング素子Tr3および第2スイッチング素子Tr2を介して初期化線24へ流れる。電流Idsは、以下の数式(3)で表現される。数式(3)のμは駆動トランジスタTDRの移動度である。また、W/Lは、駆動トランジスタTDRのチャネル長Lに対するチャネル幅Wの相対比であり、Coxは、駆動トランジスタTDRのゲート絶縁膜の単位面積あたりの容量である。
Ids=1/2・μ・W/L・Cox・(VGS−VTH) ……(3)
さらに、図3および図4に示すように、信号線駆動回路34は信号S[j]を基準電位VREFに設定する。初期化期間PRSにおいて第1スイッチング素子Tr1はオン状態であるから、容量素子C0における第1電極L1は第1スイッチング素子Tr1を介して信号線14に導通する。従って、第1電極L1の電位は基準電位VREFに設定される。一方、容量素子C0における第2電極L2の電位(駆動トランジスタTDRのゲートの電位VG)は初期化電位Vrstに設定されるから、容量素子C0の両端間の電圧はVREF−Vrstに保持される。
[2]補償期間PCP(図5)
図3に示すように、補償期間PCPが開始すると、駆動回路30は、初期化信号Grst[i]をハイレベルに設定する。従って、図5に示すように、第2スイッチング素子Tr2がオフ状態に遷移する。一方、制御信号GC[i]がローレベルに維持されることで、駆動トランジスタTDRは引き続きダイオード接続される。また、電位制御回路36は電位VCT[i]を第1電位VCT1に維持し、信号線駆動回路34は信号S[j]を基準電位VREFに維持する。
従って、数式(3)の電流Idsは、第3スイッチング素子Tr3を介して駆動トランジスタTDRのゲートへ流れ込む。これにより、容量素子C0、保持容量C1に電荷が充電され、図3に示すように駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGは徐々に上昇する。駆動トランジスタTDRのソースの電位VSは給電線18の電位VELに固定されるから、駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSはゲートの電位VGの上昇とともに低下する。数式(3)から理解されるように電圧VGSが低下して閾値電圧VTHに接近するほど電流Idsは減少する。したがって、補償期間PCPにおいては、駆動トランジスタTDRの電圧VGSを、初期化期間PRSにて設定された電圧VGS1(VGS1=VEL−Vrst)から経時的に低下して閾値電圧VTHに漸近させる動作(以下「第1補償動作」という)が実行される。補償期間PCPの時間長は、駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSが補償期間PCPの終点にて閾値電圧VTHに充分に近接する(理想的には合致する)ように設定される。従って、駆動トランジスタTDRは、補償期間PCPの終点にて殆どオフ状態になる。
[3]書込期間PWR(図6)
図3に示すように、書込期間PWRは待機期間PWR1と動作期間PWR2とに区分される。待機期間PWR1は、書込期間PWRの始点から時間長taが経過するまでの期間であり、動作期間PWR2は、書込期間PWRの残余の期間(待機期間PWR1の終点から書込期間PWRの終点までの時間長tbの期間)である。動作期間PWR2の時間長tbは、画素回路Uに指定された階調値Dに応じて可変に設定される。すなわち、図3に示すように、階調値Dが高階調(高輝度)を指定する場合の時間長tbは、階調値Dが低階調(低輝度)を指定する場合の時間長tbと比較して短い。書込期間PWRの時間長は固定値であるから、待機期間PWR1の時間長taは時間長tb(階調値D)に応じて変化する。なお、動作期間PWR2の時間長tbの設定については後述する。
図3に示すように、待機期間PWR1では補償期間PCPの状態が維持される。すなわち、容量素子C0の第1電極L1に対する基準電位VREFの供給が継続されたまま、駆動トランジスタTDRは、第1補償動作で電圧VGSが閾値電圧VTHに設定された結果としてオフ状態を維持する。
図3および図6に示すように、時間長taが経過して動作期間PWR2の始点が到来すると、信号線駆動回路34は信号S[j]を階調電位VDATAに変化させる。階調電位VDATAは、画素回路U(発光素子E)に指定された階調値Dに応じて可変に設定される。第1スイッチング素子Tr1は書込期間PWRでもオン状態を維持するから、容量素子C0における第1電極L1の電位は、待機期間PWR1における基準電位VREFから階調電位VDATAに変化する。そして、駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGは第1電極L1の電位の変化量△V1(△V1=VREF−VDATA)に応じて変化する。動作期間PWR2では、駆動トランジスタTDRが待機期間PWR1に引き続きダイオード接続されて駆動トランジスタTDRのゲートとドレインとが導通するから、動作期間PWR2の開始の直後におけるVGの変化量は、第1電極L1の電位の変化量△Vを容量素子C0と保持容量C1と発光素子Eに付随する容量C2との容量比に応じて分割した電圧(△V1・cp0/(cp0+cp1+cp2))に相当する。
したがって、動作期間PWR2の開始の直後における駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGS2は、以下の数式(4)のように表現される。数式(4)における電圧VINは、第1電極L1に階調電位VDATAを供給したときの駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGの変化量(△V1・cp0/(cp0+cp1+cp2))に相当する。
VGS2=VTH+ΔV1・cp0/(cp0+cp1+cp2)
=VIN+VTH ……(4)
以上のように電圧VGS2が階調電位VDATA(さらに詳細には階調電位VDATAと基準電位VREFとの差分)に応じて閾値電圧VTHを上回る電圧に設定されることで、駆動トランジスタTDRはオン状態に変化する。
前述したように、動作期間PWR2においては駆動トランジスタTDRはダイオード接続されるから、数式(3)の電流Idsは、第3スイッチング素子Tr3を介して駆動トランジスタTDRのゲートに流れ込む。これにより、図3に示すように駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGは徐々に上昇する。駆動トランジスタTDRのソースの電位VSは電位VELに固定されるから、駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSはゲートの電位VGの上昇とともに低下する。すなわち、補償期間PCPと同様に、書込期間PWRの動作期間PWR2においては、駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSを、階調電位VDATAの供給で設定された電圧VGS2から閾値電圧VTHに漸近させる動作(以下「第2補償動作」という)が実行される。従って、動作期間PWR2の終点(書込期間PWRの終点)においては、図3に示すように、駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSが、式(4)の電圧VGS2よりも△V2だけ低い数式(5)の電圧VGS3に設定される。電圧△V2は、第2補償動作による駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGの変化量に相当する。
VGS3=VGS2−ΔV2
=VIN+VTH−ΔV2 ……(5)
電圧VGS3は、階調電位VDATAおよび時間長tbに応じて変化する。したがって、動作期間PWR2の時間長tbを階調値Dに応じて制御する動作は、動作期間PWR2の終点における電圧VGS3を階調値Dに応じて可変に制御する動作としても把握される。
動作期間PWR2の始点から駆動トランジスタTDRがオン状態に変化するまでの時間長は充分に短いから、動作期間PWR2の時間長tbは第2補償動作が実行される時間長に相当する。時間長tbは、動作期間PWR2の終点における駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGS3が、閾値電圧VTHと同等の電圧(階調値Dが最低階調を指定する場合)または閾値電圧VTHを上回る電圧となる範囲内で設定される。すなわち、階調値Dが最低階調以外の階調を指定する場合には動作期間PWR2の終点にて駆動トランジスタTDRはオン状態を維持する。
[4]駆動期間PDR(図7)
図3に示すように、駆動期間PDRが開始すると、駆動回路30は走査信号GA[i]をハイレベル(非アクティブレベル)に変化させる。したがって、図7に示すように、第i行目の各画素回路Uの第1スイッチング素子Tr1はオフ状態に変化し、容量素子C0の第1電極L1に対する電位の供給が停止する。また、図3に示すように、駆動回路30は制御信号GC[i]をハイレベルに設定する。従って、第3スイッチング素子Tr3はオフ状態に遷移し、駆動トランジスタTDRのダイオード接続が解除される。
さらに、図3および図7に示すように、電位制御回路36は、給電線16に出力する電位VCT[i]を第2電位VCT2に設定する。第2電位VCT2は、以下の数式(6)のように、給電位線18の電位VELとの差分の電圧(=VEL−VCT2)が発光素子Eの閾値電圧VTH_OLEDを充分に上回るように設定される。
VEL−VCT2≫VTH_OLED ……(6)
そうすると、数式(3)の電流Idsが発光素子Eへ向かって流れて容量C2が充電される。したがって、駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSが数式(5)の電圧VGS3に維持されたまま、容量C2の両端間の電圧(駆動トランジスタTDRのドレインの電位)が徐々に増加する。そして、容量C2の両端間の電圧が発光素子Eの閾値電圧VTH_OLEDに到達した時点で電流Idsが駆動電流IDRとして発光素子Eに供給される。駆動電流IDRは以下の数式(7)で表現される。
IDR=1/2・μ・W/L・Cox・(VGS3−VTH)
=1/2・μ・W/L・Cox・{(VIN+VTH−△V2)−VTH}
=K・(VIN−△V2) ……(7)
K=1/2・μ・W/L・Cox
以上のように駆動電流IDRは、階調電位VDATAを反映した電圧VGS3に応じた電流量に制御されるから、発光素子Eは階調電位VDATA(すなわち階調値D)に応じた輝度で発光する。発光素子Eの発光は、走査信号GA[i]が次にアクティブレベルとなる初期化期間PRSの開始まで継続される。
数式(7)に示すように、駆動電流IDRは閾値電圧VTHに依存しない。したがって、各画素回路Uの駆動トランジスタTDRの閾値電圧VTHに誤差がある場合でも、駆動電流IDRは階調電位VDATAに対応した目標値に設定される。
ここで、数式(7)の電圧ΔV2(第2補償動作による駆動トランジスタTDRのゲート−ソース間の電圧VGSの変化量)は駆動トランジスタTDRの移動度μに依存する。さらに詳述すると、駆動トランジスタTDRの移動度μが大きいほど電圧ΔV2は増加する。以上のように駆動トランジスタTDRの移動度μが第2補償動作で駆動電流IDRに反映されるから、駆動トランジスタTDRの移動度μに起因した駆動電流IDRの誤差を、書込期間PWR(動作期間PWR2)における第2補償動作で補償することが可能である。
しかし、第2補償動作の時間長tbを、階調値Dに依存しない所定値に固定した構成(以下「対比例」という)のもとでは、以下に説明するように、駆動トランジスタTDRの移動度μの誤差を有効に補償できるのが、特定の階調値D(階調電位VDATA)を指定した場合に制限されるという問題がある。
図8は、対比例における階調電位VDATAと駆動電流IDRの電流量の誤差との相関を示すグラフである。図8の横軸は、基準電位VREFを基準値とした階調電位VDATAの電圧値を意味し、図8の縦軸は、同じ階調値Dが指定された場合の駆動電流IDRの電流量の最大値と最小値との相対比(最大誤差比)を意味する。図8から理解されるように、第2補償動作の時間長tbを固定値とした場合、階調電位VDATAが所定値VD0に設定された場合には駆動電流IDRの誤差は確かに低減されるが、階調電位VDATAが所定値VD0から離れるほど駆動電流IDRの誤差が増大する。すなわち、対比例においては、階調電位VDATAの広い範囲にわたって駆動電流IDRの誤差を解消することが困難であるという問題がある。
図9は、本形態の動作期間PWR2の時間長tbと駆動電流IDRの誤差(最大誤差比)との関係を、階調電位VDATAを変化させた複数の場合(VD1<VD2<VD3<VD4<VD5)について図示したグラフである。駆動電流IDRの誤差が最小となる時間長tbは階調電位VDATAに応じて相違するという傾向が図9から見出される。すなわち、階調電位VDATAが低いほど、駆動電流IDRの誤差が最小となる時間長tbは短くなる。以上の知見から、本形態においては、動作期間PWR2の時間長tbを階調値D(階調電位VDATA)に応じて可変に設定することで、階調電位VDATAの高低に拘わらず駆動電流IDRの誤差を抑制する。例えば、階調電位VDATAが図9の電位VD1に設定される場合には時間長tbが所定値T1に設定され、階調電位VDATAが電位VD1よりも高い電位VD2に設定される場合には時間長tbが所定値T2(T2>T1)に設定されるといった具合である。
次に、動作期間PWR2内の第2補償動作について詳細に検討する。第2補償動作の実行中に駆動トランジスタTDRのソース−ドレイン間に流れる電流Idsと、電流Idsで充電される容量(容量素子C0、保持容量C1、容量C2)の容量値との間には、以下の数式(8)の関係が成立する。数式(8)におけるCは、容量素子C0と保持容量C1と容量C2との容量値の合計(C=cp0+cp1+cp2)である。
Ids=dQ/dt=C・(dVD/dt) ……(8)
また、駆動トランジスタTRのドレインの電位VDの時間的な変化が電圧ΔV2の時間的な変化と同等であること(dVD/dt=dΔV2/dt)を考慮すると、数式(7)と数式(8)とから以下の数式(9)が導出される。なお、数式(9)における電圧ΔV2(t)は、第2補償動作の開始(動作期間PWR2の始点)から経過した時間tに応じて数式(7)の電圧ΔV2が変化することを意味する。
C(dΔV2/dt)=K(VIN−ΔV2(t)) ……(9)
動作期間PWR2の始点(t=0)において電圧ΔV2(t)(ΔV2(0))がゼロであるという条件のもとで数式(9)を積分すると、動作期間PWR2の終点(t=tb)における駆動トランジスタTDRのソース−ドレイン間の電流Ids(tb)を表す以下の数式(10)が導出される。
Figure 0005332454
数式(10)の係数Kは、数式(7)に併記したように駆動トランジスタTDRの移動度μを含むから、移動度μの誤差の程度を表す指標に相当する。駆動期間PDRにて発光素子Eに供給される駆動電流IDRは数式(10)の電流Ids(tb)に依存するから、駆動電流IDRの誤差を最小化するためには、係数K(移動度μ)の変動に対する電流Ids(tb)の誤差を最小化する必要がある。そして、係数Kの変動に対して電流Ids(tb)の誤差が最小となるのは、数式(10)を係数Kで微分した結果がゼロとなる場合である。以上の条件から数式(11)が導出される。
Figure 0005332454
したがって、第2補償動作による駆動電流IDRの補償の効果が最大となる条件は以下の数式(12)で表現される。
C=KVINtb ……(12)
数式(12)の電圧VINは階調電位VDATAに応じて設定されるから、階調電位VDATAと動作期間PWR2の時間長tbとについて、図9を参照して説明したのと同様の条件(階調電位VDATAが低いほど時間長tbを短くする)が数式(12)からも確認される。さらに詳述すると、電圧VINと動作期間PWR2の時間長tbとの乗算値(あるいは階調電位VDATAと時間長tbとの乗算値)が所定値となる場合に、第2補償動作による駆動電流IDRの補償の効果が最大となる。
図9および数式(12)を参照して説明した以上の知見から、本形態においては、階調電位VDATAと時間長tbとの関係を図10のように設定する。図10に示すように、階調電位VDATAが低い(階調電位VDATAの供給による駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSの変化量VINが高い)ほど、動作期間PWR2の時間長tbは短い時間に設定される。さらに詳述すると、数式(12)から理解されるように、階調電位VDATA(電圧VIN)と時間長tbとの乗算値が所定値となる(時間長tbが階調電位VDATAに対して反比例する)ように時間長tbが設定される。例えば、複数種の階調電位VDATAの各々に対応する時間長tbは、当該階調電位VDATAに応じて設定される駆動電流IDRの誤差が例えば1%以下に低減(理想的には最小化)されるように設定される。
ただし、駆動電流IDRの誤差を最小化するための時間長tbは階調電位VDATAが高いほど長いから、階調電位VDATAが充分に高い場合(例えば最低階調が指定された場合)にも駆動電流IDRの誤差を厳密に最小化しようとすれば、時間長tbを過度に長い時間に設定する必要がある。そこで、本形態の信号線駆動回路34は、図10に示すように、所定値を下回る階調値Dが指定された場合(階調電位VDATAが図10の電位VD_thを上回る場合)、動作期間PWR2の時間長tbを、階調値Dに依存しない所定値tmaxに設定(クリップ)する。最大値tmaxは、駆動トランジスタTDRの電圧VGSが第2補償動作で閾値電圧VTHまで低下するのに必要な時間長よりも短い時間に制限される。以上の構成によれば、書込期間PWR(さらには単位期間H)を短くすることが可能である。
図3を参照して説明したように、書込期間PWR内の第2補償動作は、信号S[j]が基準電位VREFから階調電位VDATAに変化することで開始する。そこで、信号線駆動回路34の各単位回路40は、信号S[j]を基準電位VREFから階調電位VDATAに変化させる時点を階調値Dに応じて調整することで、動作期間PWR2の時間長tb(待機期間PWR1の時間長ta)を可変に制御する。
図11は、信号線駆動回路34の単位回路40のブロック図である。図11においては信号S[j]を生成および出力する1個の単位回路40のみが代表的に図示されている。図11に示すように、単位回路40は、電位生成部42と電位選択部44と時間調整部46とを含んで構成される。第j番目の画素回路Uの階調値Dが電位生成部42と時間調整部46とに供給される。
電位生成部42は、階調値Dに応じた階調電位VDATAを生成する。例えば、電圧出力型のD/A変換器が電位生成部42として利用される。電位選択部44には、電源回路(図示略)が生成した基準電位VREFと電位生成部42が生成した階調電位VDATAとが供給される。電位選択部44は、基準電位VREFと階調電位VDATAとの何れかを選択的に信号S[j]として信号線14に出力する。さらに詳述すると、電位選択部44は、初期化期間PRSおよび補償期間PCPと書込期間PWRの待機期間PWR1において基準電位VREFを出力し、書込期間PWRの動作期間PWR2にて階調電位VDATAを出力する。
時間調整部46は、電位選択部44が信号S[j]の電位を基準電位VREFから階調電位VDATAに変更する時期(すなわち待機期間PWR1と動作期間PWR2との境界)を階調値Dに応じて可変に制御する。例えば、書込期間PWRの始点にて計数を開始するとともに計数値が階調値Dに応じた数値に到達した時点(計数の開始から時間長taが経過した時点)で電位の切替(VREF→VDATA)の指示を電位選択部44に出力するカウンタが時間調整部46として利用される。時間調整部46が時間長tbを最大値tmaxに制限する点は前述のとおりである。
図12は、本形態における階調電位VDATAと駆動電流IDRの誤差との関係(実線)を示すグラフである。図12においては、対比例における階調電位VDATAと駆動電流IDRの誤差との相関(図8)が破線で併記されている。図12に示すように、本形態によれば、第2補償動作の時間長tbが階調値Dによらず固定された対比例(例えば特許文献1)と比較して、階調電位VDATAの広い範囲にわたって駆動電流IDRの誤差が抑制されるという利点がある。
なお、図12において階調電位VDATAの高位側の領域で駆動電流IDRの誤差が僅かに増加しているのは、時間長tbの上限を最大値tmaxに制限した影響と考えられる。もっとも、駆動電流IDRの誤差が高位側で増加しているとは言っても、対比例と比較して駆動電流IDRの誤差が大幅に改善されることは図12から明白である。
駆動電流IDRの誤差の主要因は駆動トランジスタTDRの閾値電圧VTHおよび移動度μの誤差である。閾値電圧VTHの誤差は、駆動トランジスタTDRの電圧VGSを閾値電圧VTHに設定する第1補償動作で補償されるから、第2補償動作は、駆動トランジスタTDRの移動度μの誤差を補償するための動作として把握される。すなわち、本形態においては、駆動トランジスタTDRの移動度μの誤差が階調電位VDATAの広い範囲にわたって補償されるように、動作期間PWR2の時間長tbが階調値Dに応じて可変に制御される。
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、第1実施形態における態様と同じ符号を付して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
第1実施形態においては、単位期間H[i]内の補償期間PCPにて第i行の各画素回路Uについて第1補償動作を実行した。しかし、駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSが閾値電圧VTHに到達するまでに相当の時間が掛かる場合、単位期間H[i]を長時間に設定する必要がある。そして、単位期間H[i]が長期化するほど画素回路Uの高精細化(行数の増加)が制約されるという問題がある。そこで、本形態においては、複数の単位期間Hにわたって第1補償動作を実行することで、単位期間Hの時間長を短縮しながら駆動トランジスタTDRの電圧VGSを確実に閾値電圧VTHに設定する。なお、本実施形態における画素回路Uの構成は第1実施形態と同じである。
図13は、画素回路Uを駆動する方法を説明するためのタイミングチャートである。図13の部分(A)に示すように、複数の単位期間H(……,H[i-4],H[i-3],H[i-2],H[i-1],H[i],H[i+1],……)の各々は第1期間h1と第2期間h2とに区分される。第1期間h1は単位期間Hの前半の期間であり、第2期間h2は単位期間Hの後半の期間である。駆動回路30は、画素回路Uに対する階調電位VDATAの供給と第2補償動作と(図13の部分(B)の「補償[2]」)を単位期間Hの第2期間h2毎に行単位で順次に実行する。すなわち、単位期間H[i]の第2期間h2が第i行の各画素回路Uの書込期間PWRに相当する。
図13の部分(A)に示すように、単位期間H[i]の第2期間h2にて走査信号GA[i]がローレベル(アクティブレベル)に設定されて第i行の各画素回路Uにおける第1スイッチング素子Tr1はオン状態に制御される。また、制御信号GC[i]がローレベルに設定されて第i行の各画素回路Uの第3スイッチング素子Tr3はオン状態に設定される。これにより、第i行の各画素回路Uの駆動トランジスタTDRがダイオード接続される。一方、単位期間H[i]の第2期間h2のうち始点から時間長taが経過した時点(動作期間PWR2の始点)で信号S[j]は基準電位VREFから第i行の画素回路Uの階調電位VDATA[i]に変化する。したがって、図13の部分(A)に示すように、第i行の各画素回路Uにおいては、単位期間H[i]の第2期間h2のうち階調値Dに応じた時間長tbにわたって第2補償動作が実行される。
また、駆動回路30(例えば走査線駆動回路32)は、第i行の各画素回路Uの初期化動作(図13の部分(B)における「初期化」)と第1補償動作(図13の部分(B)における「補償[1]」)とを単位期間H[i]の第2期間h2の開始前の複数の第1期間h1および第2期間h2にて実行する。まず、単位期間H[i]の4個前の単位期間H[i−4]の第1期間h1において、駆動回路30は、初期化信号Grst[i]をローレベルに設定することで第i行の各画素回路Uの第2スイッチング素子Tr2をオン状態に設定する。したがって、第i行の各画素回路Uにおける駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSは、単位期間H[i-4]の第1期間h1を初期化期間PRSとして、数式(1)の電圧VGS1(VGS1=VEL−Vrst)に設定される。すなわち、単位期間H[i-4]の第1期間h1が第i行の各画素回路Uの初期化期間PRSに相当する。なお、第1スイッチング素子Tr1および第3スイッチング素子Tr3がオン状態に設定される点、信号S[j]が基準電位VREFに設定される点、電位VCT[i]が第1電位VCT1に設定される点は、第1実施形態の初期化期間PRSと同じである。
図13の部分(A)に示すように、単位期間H[i-4]の第2期間h2から単位期間H[i]の第1期間h1にわたって制御信号GC[i]がローレベルに設定されることで駆動トランジスタTDRがダイオード接続されるから、第i行の各画素回路Uにおいては、単位期間H[i-4]の第2期間h2から単位期間H[i]の第1期間h1にわたって第1補償動作が実行される。すなわち、単位期間H[i-4]の第2期間h2から単位期間H[i]の第1期間h1までの期間が第i行の各画素回路Uの補償期間PCPに相当する。
すなわち、図13の部分(A)に示すように、単位期間H[i-4]の第2期間h2から単位期間H[i]の第1期間h1にわたって、駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGは時間の経過とともに上昇する。ただし、図13の部分(A)に示すように、第1期間h1の開始の直後において駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGは低下する。電位VGの低下について詳述すると以下のとおりである。
単位期間H[i-4]から単位期間H[i]の各々の第1期間h1にて走査信号GA[i]がローレベルに設定され、信号S[j]は基準電位VREFに設定されるから、第i行の各画素回路Uの第1電極L1の電位は基準電位VREFに設定される。一方、単位期間H[i-4]から単位期間H[i-1]の各々の第2期間h2にて走査信号GA[i]はハイレベルに設定されるから、第i行の各画素回路Uの第1電極L1は信号線14から切り離されて電気的にフローティング状態になる。単位期間H[i-4]から単位期間H[i-1]の各々の第2期間h2において信号線14に供給される信号S[j]は、第i行以外の画素回路Uの階調電位VDATAに設定されているが、第i行の各画素回路Uの第1スイッチング素子Tr1はオフ状態に設定されるため、当該階調電位VDATAは第i行の各画素回路Uには供給されない。
したがって、第i行の各画素回路Uの第1電極L1の電位VL1は、図13の部分(A)に示すように、単位期間H[i-4]から単位期間H[i]の各々の第1期間h1では基準電位VREFに維持され、単位期間H[i-4]から単位期間H[i-1]の各々の第2期間h2では駆動トランジスタTDRのゲート(第2電極L2)の電位VGの変化に連動して変化(上昇)する。すなわち、第1期間h1が開始すると、第1電極L1の電位VL1は、当該第1期間h1の直前の第2期間h2の終点での電位から電位VREFまで変化量△VLだけ低下する。従って、第1期間h1の開始の直後の時点では、第1電極L1の電位の変化量△VLに連動して駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGが変化量△VGだけ低下する。
第1期間h1の開始の直後における第1電極L1の電位の変化量△VL1は、当該第1期間h1の直前の第2期間h2における駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGの上昇量に依存する。第2期間h2における駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGの上昇量は、駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSが閾値電圧VTHに漸近するほど(すなわち第1補償動作の開始からの時間が経過するほど)減少するから、図13の部分(A)に示すように、第1期間h1の開始の直後における第1電極L1の電位VL1の変化量△VL1は、第1補償動作の開始(本実施形態では単位期間H[i-4]の第2期間h2の始点)から時間が経過するほど減少していく。したがって、第1期間h1の開始の直後における駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGの変化量△VGは時間の経過とともに減少していく。以上のようにVGの変化量△VGは時間の経過とともに減少するから、第1期間h1の開始のたびに電位VGが低下するにも拘わらず、単位期間H[i-4]〜単位期間H[i]という期間にわたってみれば、ゲート・ソース間の電圧VGSは閾値電圧VTHに充分に漸近する。
以上に説明したように、第i行の各画素回路Uにおいては、単位期間U[i]の第1期間h1、および、単位期間U[i]の開始前の複数の単位期間Uにわたって第1補償動作が実行されることで駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSが閾値電圧VTHに設定される。したがって、第1補償動作を1個の単位期間H内で実行する第1実施形態と比較すると、単位期間Hの時間長が短い場合であっても、駆動トランジスタTDRの電圧VGSが閾値電圧VTHに到達するのに充分な時間長を第1補償動作のために確保できるという利点がある。
図13の部分(A)に示すように、単位期間H[i]が経過すると、走査信号GA[i]がハイレベル(非アクティブレベル)に設定されて第1スイッチング素子Tr1はオフ状態に変化する。また、制御信号GC[i]がハイレベルに設定されて第3スイッチング素子Tr3はオフ状態に変化し、駆動トランジスタTDRのダイオード接続が解除される。さらに、給電線16に出力される電位VCT[i]が第2電位VCT2に設定される。したがって、第1実施形態と同様に、数式(7)の駆動電流IDRが給電線18から駆動トランジスタTDRを経由して発光素子Eに供給される。第i行の画素回路Uについて説明した以上の動作が各行についても同様に反復される。
<C:第3実施形態>
図14は、本発明の第3実施形態に係る画素回路Uの回路図である。図14においては、第i行に属する第j列の1個の画素回路Uのみが代表的に図示されている。図14に示すように、素子部10には、X方向に延在する第3制御線26がm本の走査線12の各々に対応して設けられる。第3制御線26には、駆動回路30(例えば走査線駆動回路32)から発光制御信号GEL[i]が供給される。
図14に示すように、画素回路Uは、駆動電流IDRの経路上に介在する第4スイッチング素子Tr4をさらに備える。図14に示すように、Pチャネル型のトランジスタである第4スイッチング素子Tr4は、駆動トランジスタTDRのドレインと発光素子Eとの間に介在し、第4スイッチング素子Tr4のゲートは第3制御線26に接続される。発光制御信号GEL[i]がローレベルに遷移すると第4スイッチング素子Tr4がオン状態になって駆動トランジスタTDRのドレインと発光素子Eの陽極とが導通する一方、発光制御信号GEL[i]がハイレベルに遷移すると第4スイッチング素子Tr4がオフ状態になって駆動トランジスタTDRのドレインと発光素子Eの陽極とが非導通になる。
図15は、本実施形態に係る発光装置の動作を示すタイミングチャートである。本実施形態において、発光制御信号GEL[i]および電位VCT[i]の制御以外の制御動作は、第2実施形態と同じである。図15の部分(A)に示すように、単位期間H[i]の4個前の単位期間H[i-4]の第1期間h1(初期化期間PRSに相当)において、駆動回路30は、発光制御信号GEL[i]をローレベルに設定する。従って、図14に示す第4スイッチング素子Tr4はオン状態に遷移し、駆動トランジスタTDRのドレインと発光素子Eの陽極とが第4スイッチング素子Tr4を介して導通する。前述したように、初期化期間PRSにおいて、駆動トランジスタTDRのドレインは第3スイッチング素子Tr3および第2スイッチング素子Tr2を介して初期化線24に導通するから、発光素子Eの陽極は、第4スイッチング素子Tr4と第3スイッチング素子Tr3と第2スイッチング素子Tr2とを介して初期化線24に導通する。従って、図15の部分(A)に示すように、発光素子Eの陽極の電位VAは、駆動トランジスタTDRのドレインとともに初期化電位Vrstに設定(リセット)される。
図15の部分(A)に示すように、給電線16に出力する電位VCT[i]は、全ての単位期間Hにわたって第2電位VCT2に設定される。そして、第2電位VCT2および初期化電位Vrstは、以下の数式(13)のように、両者の差分の電圧が発光素子Eの閾値電圧VTH_OLEDを充分に下回るように設定される。従って、単位期間H[i-4]の第1期間h1(初期化期間PRS)において、発光素子Eの両端間の電圧は閾値電圧VTH_OLEDを充分に下回り、発光素子Eはオフ状態(非発光状態)になる。
Vrst−VCT2≪VTH_OLED ……(13)
図15の部分(A)に示すように、駆動回路30は、単位期間H[i-4]の第1期間h1の経過後から単位期間H[i]が経過するまでの期間にわたって発光制御信号GEL[i]をハイレベルに設定する。従って、第4スイッチング素子Tr4はオフ状態に遷移するから、駆動トランジスタTDRのドレインと発光素子Eの陽極とは非導通になり、発光素子Eはオフ状態(非発光状態)に維持される。
前述したように、単位期間H[i]の第2期間h2のうち始点から時間長taが経過した時点(動作期間PWR2の始点)で第1電極L1の電位は基準電位VREFから階調電位VDATAへ変化する。本実施形態では、単位期間H[i]において第4スイッチング素子Tr4はオフ状態に維持されるから、駆動トランジスタTDRのドレインと発光素子Eの陽極とは非導通であり、単位期間H[i]の第2期間h2のうち始点から時間長taが経過した時点におけるVGの変化量は、発光素子Eに付随する容量C2の容量値(cp2)に依存しない。従って、単位期間H[i]の第2期間h2のうち始点から時間長taが経過した時点におけるVGの変化量は、第1電極L1の電位の変化量△V1(=VREF−VDATA)を容量素子C0と保持容量C1との容量比に応じて分割した電圧(△V1・cp0/(cp0+cp1))に相当する。本実施形態では、単位期間H[i]の第2期間h2のうち始点から時間長taが経過した時点(動作期間PWRの開始の直後)における駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGS2を表す式は、数式(4)に代えて以下の数式(14)のように表現される。
VGS2=VTH+ΔV1・cp0/(cp0+cp1) ……(14)
数式(14)および数式(4)から理解されるように、電圧VGS2を階調値Dに応じた所望の値に設定するために必要な基準電位VREF1と階調電位VDATAとの変化幅は、本実施形態の方が第1実施形態および第2実施形態に比べて小さくて済むという利点がある。
図15の部分(A)に示すように、単位期間H[i]が経過して単位期間H[i+1]が開始すると、駆動回路30は、発光制御信号GEL[i]をローレベルに設定する。従って、第4スイッチング素子Tr4はオン状態に遷移し、駆動トランジスタTDRのドレインと発光素子Eの陽極とが第4スイッチング素子Tr4を介して導通する。そして、数式(3)の電流Idsが第4スイッチング素子Tr4を介して発光素子Eの陽極へ流れることで、図15の部分(A)に示すように電位VAが上昇し、発光素子Eの両端間の電圧(=VA−VCT2)が発光素子Eの閾値電圧VTH_OLEDに到達すると、電流Idsが駆動電流IDRとして発光素子Eに供給される。
ところで、単位期間H[i+1]の開始前の単位期間H[i-4]〜H[i](補償期間PCPや書込期間PWRに相当する期間)において発光素子Eが発光してしまうと、表示画像のコントラストが低下するという問題がある。第1実施形態〜第3実施形態においては、補償期間PCPおよび書込期間PWRにて発光素子Eが確実にオフ状態(非発光状態)に維持されるから、画素におけるコントラストの低下を抑制できるという利点がある。
第1実施形態や第2実施形態においては電位VCT[i]を変化させることで発光素子Eの発光を停止させたのに対し、本実施形態においては、第4スイッチング素子Tr4をオフすることで補償期間PCPおよび書込期間PWRでの発光素子Eの発光を停止させるから、電位VCT[i]を変化させる必要がない。したがって、第1実施形態や第2実施形態と比較して、電位制御回路36の動作や構成が簡素化されるという利点がある。もっとも、第1実施形態や第2実施形態においては、発光素子Eの発光を強制的に停止させる第4スイッチング素子Tr4を設ける必要が無いから、第3実施形態と比較して画素回路Uの構成が簡素化sれるという利点がある。
<D:第4実施形態>
図16は、本発明の第4実施形態における画素回路Uの回路図である。図16に示すように、画素回路Uは、第3実施形態の画素回路Uに第5スイッチング素子Tr5を追加した構成である。第5スイッチング素子Tr5は、第1電極L1と給電線28との間に介在して両者の電気的な接続(導通/非導通)を制御するPチャネル型のトランジスタである。給電線28には基準電位VREFが供給される。すなわち、上述の各実施形態においては画素回路Uに対する基準電位VREFの供給に信号線14を兼用したのに対し、本形態においては信号線14とは別個の給電線28を利用して各画素回路Uに基準電位VREFを供給する。
素子部10内には、m本の走査線12の各々に対応してX方向に延在するm本の第4制御線50が設けられる。図16に示すように、第i行目の各画素回路Uにおける第5スイッチング素子Tr5のゲートは第i行目の第4制御線30に接続される。各第4制御線50には駆動回路30(例えば走査線駆動回路32)から制御信号GB(GB[1]〜GB[m])が供給される。
図17は、画素回路Uを駆動する方法を説明するためのタイミングチャートである。図17の部分(B)に示すように、駆動回路30は、画素回路Uに対する階調電位VDATAの供給と第2補償動作とを単位期間H毎に行単位で順次に実行する。すなわち、単位期間H[i]が第i行の各画素回路Uの書込期間PWRに相当する。
図17の部分(A)に示すように、駆動回路30は、単位期間H[i]において、走査信号GA[i]および制御信号GC[i]をローレベルに設定する一方、発光制御信号GEL[i]および制御信号GB[i]をハイレベルに設定する。したがって、第1スイッチング素子Tr1および第3スイッチング素子Tr3はオン状態となり、第4スイッチング素子Tr4および第5スイッチング素子Tr5はオフ状態となる。一方、信号線駆動回路34は、単位期間H[i]の始点から時間長taが経過した時点で信号S[j]を基準電位VREFから階調電位VDATA[i]に変化させる。したがって、図16の部分(A)に示すように、第i行の各画素回路Uにおいては、単位期間H[i]内の時間長tbにわたって第2補償動作が実行される。
また、駆動回路30は、第i行の各画素回路Uについて、単位期間H[i-4]を初期化期間PRSとして初期化動作を実行するとともに単位期間H[i-3]〜H[i-1]を補償期間PCPとして第1補償動作を実行する。まず、図17の部分(A)に示すように、単位期間H[i-4]において、駆動回路30は、初期化信号Grst[i]をローレベルに設定することで第i行の各画素回路Uの第2スイッチング素子Tr2をオン状態に設定する。したがって、第i行の各画素回路Uにおける駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSは、単位期間H[i-4]を初期化期間PRSとして、数式(1)の電圧VGS1(VGS1=VEL−Vrst)に設定される。なお、第1スイッチング素子Tr1、第3スイッチング素子Tr3および第4スイッチング素子Tr4がオン状態に設定される点は、第3実施形態の初期化期間PRSと同じである。さらに、駆動回路30は、制御信号GB[i]をローレベルに設定することで第5スイッチング素子Tr5をオン状態に制御する。したがって、第i行の各画素回路Uの第1電極L1には、給電線30から第5スイッチング素子Tr5を介して基準電位VREFが供給される。
単位期間H[i-3]〜H[i-1]の各々においても、単位期間H[i-4]と同様に、第5スイッチング素子Tr5がオン状態に制御され、第i行の各画素回路Uの第1電極L1には給電線30から第5スイッチング素子Tr5を介して基準電位VREFが供給される。また、第3スイッチング素子Tr3はオン状態に設定されて駆動トランジスタTDRはダイオード接続される。したがって、図17の部分(B)に示すように、第i行の各画素回路Uにおいては、単位期間H[i-3]〜H[i-1]にわたって継続的に第1補償動作が実行される。一方、第1スイッチング素子Tr1はオフ状態に設定される。従って、各信号線14は、単位期間H[i-4]〜H[i-1]にて第i行の画素回路Uから切り離され、第(i-4)行〜第(i-1)行の各画素回路Uに対する階調電位VDATAの供給に利用される。また、第4スイッチング素子Tr4はオフ状態に設定されて発光素子Eはオフ状態に維持される。
本実施形態において、第1電極L1の電位VL1は、補償期間PCP(単位期間H[i-3]〜H[i-1])にわたって基準電位VREFに維持される。このため、第1補償動作の途中で駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGが低下することはないから、本実施形態によれば、駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSを、第2実施形態および第3実施形態に比べて速やかに閾値電圧VTHに漸近させることができるという利点がある。
単位期間H[i]が経過すると、走査信号GA[i]がハイレベル(非アクティブレベル)に設定されて第1スイッチング素子Tr1はオフ状態に変化する。また、制御信号GC[i]がハイレベルに設定されて第3スイッチング素子Tr3はオフ状態に変化し、駆動トランジスタTDRのダイオード接続が解除される。さらに、発光制御信号GEL[i]がローレベルに設定されて第4スイッチング素子Tr4はオン状態に遷移し、駆動トランジスタTDRのドレインと発光素子Eの陽極とが第4スイッチング素子Tr4を介して導通する。したがって、第3実施形態と同様に、数式(7)の駆動電流IDRが給電線18から駆動トランジスタTDRを経由して発光素子Eに供給される。第i行の画素回路Uについて説明した以上の動作が各行についても同様に反復される。
以上の形態においては、複数(3個)の単位期間H(単位期間H[i-3]〜単位期間H[i-1])にわたって第1補償動作が実行される。したがって、第2実施形態および第3実施形態と同様に、第1補償動作の時間長の確保と単位期間Hの短縮とを両立することが可能である。
なお、第2実施形態および第3実施形態においては、共通の信号線14を利用して基準電位VREFの供給(期間h1)と階調電位VDATAの供給(期間h2)とが単位期間Hにて時分割で実行されるから、書込期間PWRとして利用できるのは単位期間H内の期間h2のみである。したがって、第2補償動作の時間長tbの最大値は期間h2の時間長(例えば単位期間Hの半分)に制約される。一方、本形態においては、信号線14とは別の給電線30が初期化動作や第1補償動作における基準電位VREFの供給に利用されるから、単位期間Hの全体を書込期間PWRとして利用できる。したがって、第2補償動作の時間長tbを最長で単位期間Hの時間長まで設定できる(すなわち時間長tbの変化幅を充分に確保できる)という利点がある。もっとも、第2実施形態および第3実施形態においては、基準電位VREFの供給と階調電位VDATAの供給とに共通の信号線14が兼用されるから、第3実施形態と比較して、素子部10内の構成が簡素化される(配線数が削減される)という利点がある。
<E:第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。第1実施形態においては、書込期間PWRにおける第2補償動作の時間長tbを階調値Dに応じて可変に制御する構成を例示した。本形態においては、第2補償動作の時間長tbの制御に加えて、補償期間PCPにおける第1補償動作の時間長を階調値Dに応じて可変に制御する。画素回路Uの構成は第1実施形態(図2)と同様である。
図18は、本実施形態に係る画素回路Uの動作を示すタイミングチャートである。図18に示すように、補償期間PCPは動作期間PCP1と保持期間PCP2とに区分される。動作期間PCP1は、補償期間PCPの始点(初期化期間PRSの終点)から時間長t1が経過するまでの期間であり、保持期間PCP2は補償期間PCPの残余の期間(動作期間PCP1の終点から補償期間PCPの終点までの期間)である。動作期間PCP1の時間長t1は、動作期間PWR2の時間長tbと同様に、画素回路Uに指定された階調値Dに応じて可変に設定される。すなわち、図18に示すように、階調値Dが高階調(高輝度)を指定する場合の時間長t1は、階調値Dが低階調(低輝度)を指定する場合の時間長t1と比較して短い。
図18に示すように、動作期間PCP1においては、第1実施形態の補償期間PCPと同様に、駆動トランジスタTDRを導通させてダイオード接続することで、駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSを閾値電圧VTHに漸近させる第1補償動作が実行される。ただし、第1実施形態においては電圧VGSが閾値電圧VTHに合致するまで第1補償動作を継続したのに対し、本形態においては、電圧VGSが閾値電圧VTHに到達する前の保持期間PCP2の始点(補償期間PCPの始点から時間長t1が経過した時点)にて第1補償動作が停止する。第1補償動作の停止を以下に詳述する。
図18に示すように、保持期間PCP2が開始すると、信号線駆動回路34は信号S[j]を基準電位VREF2に変化させる。基準電位VREF2は基準電位VREFを上回る。第1スイッチング素子Tr1は動作期間PCP1に引続きオン状態を維持するから、容量素子C0における第1電極L1の電位は基準電位VREFから基準電位VREF2へ変化する。そして、駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGは、第1電極L1の電位の変化量△V3(△V3=VREF2-VREF)に応じて変化(上昇)する。保持期間PCP2の開始の直後におけるVGの変化量は、第1電極L1の電位の変化量△V3を容量素子C0と保持容量C1と容量C2との容量比に応じて分割した電圧(△V3・cp0/(cp0+cp1+cp2))に相当する。従って、保持期間PCP2の開始の直後における駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSbは、動作期間PCP1の終点における駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSaを利用して、以下の数式(15)のように表現される。
VGSb=VGSa−ΔV3・cp0/(cp0+cp1+cp2) ……(15)
基準電位VREF2は、数式(15)の電圧VGSbが駆動トランジスタTDRの閾値電圧VTHを下回るように設定される。したがって、保持期間PCP2にて容量素子C0の第1電極L1の電位を基準電位VREFから基準電位VREF2へ変化させることで駆動トランジスタTDRはオフ状態に遷移する。すなわち、駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSを閾値電圧VTHに漸近させる第1の補償動作は保持期間PCP2の開始とともに停止し、駆動トランジスタTDRの電圧VGSは、保持期間PCP2の終点が到来するまで数式(15)の電圧VGSbに保持される。
図18に示すように、書込期間PWRの待機期間PWR1では、直前の保持期間PCP2から引続いて信号S[j]が基準電位VREF2に維持される。そして、動作期間PWR2が開始すると、信号線駆動回路34は、信号S[j]を階調電位VDATAに変化させる。この動作は、信号S[j]を補償期間PCPの動作期間PCP1と同様の基準電位VREFに変化させる動作と、第1実施形態と同様に信号S[j]を基準電位VREFから階調電位VDATAに変化させる動作との合成である。したがって、動作期間PWR2の開始の直後における駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGS2は、動作期間PCP1の終点にて第1補償動作が終了したときの電圧VGSaに復帰してさらにVINだけ変化したものと同等のレベルになる。以後の動作は第1実施形態と同様である。
動作期間PCP1の時間長t1と動作期間PWR2の時間長tbとの合計時間Tと駆動電流IDRの誤差との相関を調査すると、図10に例示した時間長tbと駆動電流IDRの誤差との相関と同様に、駆動電流IDRの誤差が最小となる合計時間Tが階調電位VDATA毎に個別に特定される。例えば、階調電位VDATAが低いほど、駆動電流IDRの誤差が最小となる合計時間Tは短くなる。時間長t1および時間長tbは、以上の手順で階調電位VDATA毎に特定された合計時間Tを分割した数値に設定される。ただし、時間長t1は、駆動トランジスタTDRの電圧VGSが第1補償動作で閾値電圧VTHに到達するまでの時間よりも短い時間長に設定され、時間長tbは、電圧VGSが第2補償動作で閾値電圧VTHに到達するまでの時間よりも短い時間長に設定される。
動作期間PCP1の時間長t1の制御は、図11と同様の構成で実現される。すなわち、電位選択部44が基準電位VREFを基準電位VREF2に変化させる時点を、時間調整部46が階調値Dに応じて可変に設定する。時間長t1に上限値が設定される点も時間長tbと同様である。
以上の形態においては、第2補償動作の時間長tbに加えて第1補償動作の時間長t1も階調値Dに応じて可変に制御されるから、時間長tbのみを制御する第1実施形態と比較して補償動作の時間長の変化幅を広く確保できる。したがって、さらに広い範囲にわたる階調電位VDATAについて駆動電流IDRの誤差を抑制することが可能となる。
なお、図18においては、直前の保持期間PCP2から引続いて待機期間PWR1でも信号S[j]を基準電位VREF2に維持し、動作期間PWR2の始点にて信号S[j]を基準電位VREF2から階調電位VDATAに変化させたが、例えば図19に示すように、信号S[j]を、書込期間PWRの待機期間PWR1にて基準電位VREFに設定してから動作期間PWR2の始点で階調電位VATAに変化させる構成を採用することもできる。図19においては、書込期間PWR(待機期間PWR1)が開始すると、信号線駆動回路34は、信号S[j]を、補償期間PCPの動作期間PCP1と同様の基準電位VREFに変化させる。待機期間PWR1では補償期間PCPにおける動作期間PCP1の状態になるから、駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧VGSは、動作期間PCP1の終点における電圧VGSaに復帰したのちに駆動トランジスタTDRの閾値電圧VTHに漸近する。つまり、補償期間PCPの動作期間PCP1に加えて書込期間PWRTの待機期間PWR1でも第1補償動作が実行される。図19に示すように、待機期間PWR1の終点(第2補償動作の開始の直前)における駆動トランジスタTDRのゲート・ソース間の電圧はVGScとなる(VGSc<VGSa)。以後の動作は第1実施形態と同様である。
<F:変形例>
以上の各形態は様々に変形される。各形態に対する変形の具体的な態様を以下に例示する。なお、以下の例示から2以上の態様を任意に選択して組み合わせてもよい。
(1)変形例1
第1実施形態および第2実施形態では、給電線16の電位VCT[i]を変化させることで発光素子Eのオン状態およびオフ状態を切り替えているが、第3実施形態および第4実施形態のように、駆動電流IDRの経路上にスイッチング素子(例えば第4スイッチング素子Tr4)を設け、当該スイッチング素子のオン状態およびオフ状態を切り替えることで発光素子Eの発光を制御してもよい。
(2)変形例2
第3実施形態および第4実施形態では、第4スイッチング素子Tr4のオン状態およびオフ状態を切り替えることで発光素子Eの発光を制御しているが、第1実施形態および第2実施形態のように、第4スイッチング素子Tr4を設けずに給電線16の電位VCT[i]を変化させることで発光素子Eのオン状態およびオフ状態を切り替えてもよい。
(3)変形例3
第3実施形態および第4実施形態では、初期化期間PRSにおいて第4スイッチング素子Tr4をオン状態にしたが、例えば初期化期間PRSにおいて第4スイッチング素子Tr4をオフ状態にし、駆動電流IDRを発光素子Eに対して供給する期間(駆動期間PDR)においてのみ第4スイッチング素子Tr4をオン状態にすることもできる。
(4)変形例4
画素回路U内に設けられる各スイッチの導電型は任意である。例えば、第1スイッチング素子Tr1〜第5スイッチング素子Tr5の全部または一部をNチャネル型のトランジスタで構成することもできる。
(5)変形例5
以上の各形態のように、複数の画素回路Uが行列状に配列された構成のもとで各画素回路Uを行単位で時分割に駆動する場合には各画素回路U内に第1スイッチング素子Tr1が必要である。しかし、例えば複数の画素回路UがX方向に沿って1行のみに配列された構成においては、時分割での複数行の選択という動作が不要であるから、画素回路U内の第1スイッチング素子Tr1は不要となる。複数の画素回路Uが1行のみに配列された発光装置100は、例えば、電子写真方式の画像形成装置(印刷装置)において感光体ドラムなどの像担持体を露光する露光装置として好適に採用される。
(6)変形例6
以上の各形態においては発光素子Eに付随する容量C2を利用したが、図20に示すように容量CXを容量C2とともに利用する構成も好適である。容量CXの電極e1は、駆動トランジスタTDRと発光素子Eとを結ぶ経路上(駆動トランジスタTDRのドレイン)に接続される。容量CXの電極e2は、所定の電位が供給される配線に接続される。以上の構成においては、数式(4)や数式(15)における容量値cp2が容量CXと発光素子Eの容量C2との合計値となる。したがって、数式(4)の電圧VGS2や数式(15)の電圧VGSbを容量CXに応じて調整することが可能である。
(7)変形例7
有機EL素子は発光素子の例示に過ぎない。例えば、無機EL素子やLED(Light Emitting Diode)素子などの発光素子を配列した発光装置にも以上の各態様と同様に本発明が適用される。本発明における発光素子は、電流の供給で階調(輝度)が変化する要素である。
<G:応用例>
次に、以上の各態様に係る発光装置100を利用した電子機器について説明する。図21ないし図23には、発光装置100を表示装置として採用した電子機器の形態が図示されている。
図21は、発光装置100を採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、各種の画像を表示する発光装置100と、電源スイッチ2001やキーボード2002が設置された本体部2010とを具備する。発光装置100は有機EL素子を発光素子Eとして使用しているので、視野角が広く見易い画面を表示できる。
図22は、発光装置100を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002と、各種の画像を表示する発光装置100とを備える。スクロールボタン3002を操作することによって、発光装置100に表示される画面がスクロールされる。
図23は、発光装置100を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す斜視図である。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002と、各種の画像を表示する発光装置100とを備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった様々な情報が発光装置100に表示される。
なお、本発明に係る発光装置が適用される電子機器としては、図21から図23に例示した機器のほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。また、本発明に係る発光装置の用途は画像の表示に限定されない。例えば、電子写真方式の画像形成装置において露光により感光体ドラムに潜像を形成する露光装置としても本発明の発光装置は利用される。
第1実施形態に係る発光装置のブロック図である。 画素回路の回路図である。 発光装置の動作のタイミングチャートである。 初期化期間における画素回路の様子を示す回路図である。 補償期間における画素回路の様子を示す回路図である。 書込期間における画素回路の様子を示す回路図である。 駆動期間における画素回路の様子を示す回路図である。 対比例における階調電位と駆動電流の誤差との相関を示すグラフである。 動作期間の時間長と駆動電流の誤差との相関を示すグラフである。 階調電位と動作期間の時間長との相関を示すグラフである。 信号線駆動回路内の単位回路のブロック図である。 第1実施形態の効果を説明するためのグラフである。 第2実施形態に係る発光装置の動作を示すタイミングチャートである。 第3実施形態における画素回路の回路図である。 第3実施形態に係る発光装置の動作を示すタイミングチャートである。 第4実施形態における画素回路の回路図である。 第4実施形態に係る発光装置の動作を示すタイミングチャートである。 第5実施形態に係る発光装置の動作を示すタイミングチャートである。 第5実施形態の変形例に係る発光装置の動作を示すタイミングチャートである。 変形例に係る画素回路の回路図である。 電子機器(パーソナルコンピュータ)の斜視図である。 電子機器(携帯電話機)の斜視図である。 電子機器(携帯情報端末)の斜視図である。
符号の説明
100……発光装置、10……素子部、12……走査線、14……信号線、16……給電線、30……駆動回路、32……走査線駆動回路、34……信号線駆動回路、36……電位制御回路、40……単位回路、42……電位生成部、44……電位選択部、46……時間調整部、U……画素回路、TDR……駆動トランジスタ、Tr1……第1スイッチング素子、Tr2……第1スイッチング素子、Tr3……第3スイッチング素子、Tr4……第4スイッチング素子、Tr5……第5スイッチング素子、E……発光素子、H……単位期間、PSL……選択期間、PRS……初期化期間、PCP……補償期間、PCP1……動作期間、PCP2……保持期間、PWR……書込期間、PWR1……待機期間、PWR2……動作期間、PDR……駆動期間、VDATA……階調電位。

Claims (14)

  1. 第1電極および第2電極を有する容量素子と、
    前記第2電極にゲートが接続されるPチャネル型の駆動トランジスタと、
    第1スイッチング素子と、
    第2スイッチング素子と、
    発光素子と、
    を具備する画素回路を駆動する方法であって、
    第1期間において、信号線に設定した基準電位をオン状態の前記第1スイッチング素子を介して前記第1電極に供給するとともに、前記駆動トランジスタのドレインとゲートとをオン状態の前記第2スイッチング素子を介して接続して、前記駆動トランジスタを導通させ
    前記第1期間の経過後の第2期間において、当該画素回路に指定された階調値に応じた階調電位を前記信号線からオン状態の前記第1スイッチング素子を介して前記第1電極に供給するとともに前記駆動トランジスタのドレインとゲートとをオン状態の前記第2スイッチング素子を介して接続し、
    前記第2期間の経過後の第3期間において、前記第2スイッチング素子をオフ状態にして前記駆動トランジスタのドレインとゲートとの接続を解除し、そのときの前記駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧に応じた駆動電流を前記発光素子に供給し、
    前記階調電位の供給による前記駆動トランジスタのゲートの電位の変化量が大きいほど前記第2期間の時間長が短くなるように、前記信号線に供給する電位を前記基準電位から前記階調電位に変更する時期を前記階調値に応じて制御する、
    画素回路の駆動方法。
  2. 前記発光素子の一方の電極は前記駆動トランジスタのドレインに接続され、
    前記第1期間および前記第2期間において、前記発光素子の他方の電極に第1電位を供給することで、前記発光素子の閾値電圧を下回るように前記発光素子の両端間の電圧を設定し、
    前記第3期間において、前記発光素子の他方の電極に第2電位を供給することで、前記発光素子の閾値電圧を上回るように前記発光素子の両端間の電圧を設定する、
    請求項1に記載の画素回路の駆動方法。
  3. 前記駆動電流の経路上に設けられた第3スイッチング素子を備え、
    前記第1期間および前記第2期間において前記第3スイッチング素子をオフ状態にする一方、前記第3期間において前記第3スイッチング素子をオン状態にすることで前記駆動電流を前記発光素子に供給する、
    請求項1に記載の画素回路の駆動方法。
  4. 前記階調値が所定値を下回る場合には、前記第2期間の時間長を、前記階調値に依存しない所定値に設定する、
    請求項1から請求項の何れかに記載の画素回路の駆動方法。
  5. 前記第1期間において、前記駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧を、前記駆動トランジスタの閾値電圧に設定する、
    請求項1から請求項の何れかに記載の画素回路の駆動方法。
  6. 前記階調電位の供給による前記駆動トランジスタのゲートの電位の変化量が大きいほど前記第1期間の時間長が長くなるように、前記第1期間の時間長は設定されてなる、
    請求項1から請求項3の何れかに記載の画素回路の駆動方法。
  7. 第1期間と第2期間とを各々が含む複数の単位期間において、
    第1電極および第2電極を有する容量素子と、
    第1スイッチング素子と、
    第2スイッチング素子と、
    前記第2電極にゲートが接続されるPチャネル型の駆動トランジスタと、
    発光素子と、を各々が含む複数の画素回路を駆動する方法であって、
    前記複数の画素回路の各々について、
    前記複数の単位期間のうち当該画素回路に対応する第1単位期間における前記第1期間、および、前記第1単位期間の開始前の2以上の単位期間において、信号線に設定した基準電位をオン状態の前記第1スイッチング素子を介して当該画素回路の前記第1電極に供給するとともに、前記駆動トランジスタのドレインとゲートとをオン状態の前記第2スイッチング素子を介して接続して、前記駆動トランジスタを導通させ、
    前記第1単位期間における前記第2期間において、当該画素回路に指定された階調値に応じた階調電位を前記信号線からオン状態の前記第1スイッチング素子を介して当該画素回路の前記第1電極に供給するとともに前記駆動トランジスタのドレインとゲートとをオン状態の前記第2スイッチング素子を介して接続し、
    前記第1単位期間における前記第2期間の経過後に、前記第2スイッチング素子をオフ状態にして前記駆動トランジスタのドレインとゲートとの接続を解除し、そのときの前記駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧に応じた駆動電流を前記発光素子に供給し、
    前記階調電位の供給による前記駆動トランジスタのゲートの電位の変化量が大きいほど前記第2期間の時間長が短くなるように、前記信号線に供給する電位を前記基準電位から前記階調電位に変更する時期を前記階調値に応じて制御する、
    画素回路の駆動方法。
  8. 第1電極および第2電極を有する容量素子と、
    前記第2電極にゲートが接続されるPチャネル型の駆動トランジスタと、
    第1スイッチング素子と、
    第2スイッチング素子と、
    第3スイッチング素子と、
    発光素子と、を各々が含む複数の画素回路を駆動する方法であって、
    前記複数の画素回路の各々について、
    第1期間において、給電線から当該画素回路の前記第1電極にオン状態の前記第3スイッチング素子を介して基準電位を供給するとともに、前記駆動トランジスタのドレインとゲートとをオン状態の前記第2スイッチング素子を介して接続して、前記駆動トランジスタを導通させ
    第2期間において、信号線に設定した基準電位をオン状態の前記第1スイッチング素子を介して前記第1電極に供給するとともに、前記駆動トランジスタのドレインとゲートとをオン状態の前記第2スイッチング素子を介して接続して、前記駆動トランジスタを導通させ、
    前記第2期間の経過後の第3期間において、当該画素回路に指定された階調値に応じた階調電位を前記信号線からオン状態の前記第1スイッチング素子を介して当該画素回路の前記第1電極に供給するとともに前記駆動トランジスタのドレインとゲートとをオン状態の前記第2スイッチング素子を介して接続し、
    前記第3期間の経過後に、前記第2スイッチング素子をオフ状態にして前記駆動トランジスタのドレインとゲートとの接続を解除し、そのときの前記駆動トランジスタのゲート・ソース間の電圧に応じた駆動電流を前記発光素子に供給し、
    前記階調電位の供給による前記駆動トランジスタのゲートの電位の変化量が大きいほど前記第3期間の時間長が短くなるように、前記信号線に供給する電位を前記基準電位から前記階調電位に変更する時期を前記階調値に応じて制御する、
    画素回路の駆動方法。
  9. 画素回路と、前記画素回路を駆動する駆動回路とを具備し、
    前記画素回路は、
    第1電極および第2電極を有する容量素子と、
    前記第2電極にゲートが接続されたPチャネル型の駆動トランジスタと、
    発光素子と、
    信号線と前記第1電極との間に介在する第1スイッチング素子と、
    前記駆動トランジスタのゲートとドレインとの間に介在する第2スイッチング素子と、を備え、
    前記駆動回路は、
    第1期間において、前記信号線に供給する電位を基準電位に設定するとともに前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子をオン状態にし、
    前記第1期間経過後の第2期間において、前記信号線に供給する電位を前記基準電位から当該画素回路に指定された階調値に応じた階調電位に設定するとともに、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子をオン状態に維持し、
    前記第2期間の経過後の第3期間において、前記第2スイッチング素子をオフ状態に
    前記階調電位の供給による前記駆動トランジスタのゲートの電位の変化量が大きいほど前記第2期間の時間長が短くなるように、前記信号線に供給する電位を前記基準電位から前記階調電位に変更する時期を前記階調値に応じて制御する
    発光装置。
  10. 前記駆動回路は、
    少なくとも前記基準電位又は前記階調電位を選択して前記信号線に出力する電位選択部と、
    前記電位選択部が前記基準電位から前記階調電位に変更する時期を階調値に応じて制御する時間調整部と、
    を有する請求項9に記載の発光装置。
  11. 前記画素回路は、前記駆動電流の経路上に設けられた第3スイッチング素子をさらに備え、
    前記駆動回路は、
    前記第1期間および前記第2期間において前記第3スイッチング素子をオフ状態にする一方、前記第2期間の経過後に前記第3スイッチング素子をオン状態にすることで、前記駆動電流を前記発光素子に供給する、
    請求項9又は請求項10に記載の発光装置。
  12. 複数の画素回路と、第1期間と第2期間とを各々が含む複数の単位期間において前記各画素回路を駆動する駆動回路とを具備し、
    前記複数の画素回路の各々は、
    第1電極および第2電極を有する容量素子と、
    前記第2電極にゲートが接続されたPチャネル型の駆動トランジスタと、
    発光素子と、
    信号線と前記第1電極との間に介在する第1スイッチング素子と、
    前記駆動トランジスタのゲートとドレインとの間に介在する第2スイッチング素子と、を備え、
    前記駆動回路は、前記複数の画素回路の各々について、
    前記複数の単位期間のうち当該画素回路に対応する第1単位期間における前記第1期間、および、前記第1単位期間の開始前の2以上の単位期間において、前記信号線に供給する電位を基準電位に設定するとともに、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子をオン状態にし、
    前記第1単位期間における前記第2期間において、当該画素回路に指定された階調値に応じた階調電位を前記信号線に供給するとともに前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子をオン状態にし、
    前記第1単位期間における前記第2期間の経過後に、前記第2スイッチング素子をオフ状態にし、
    前記階調電位の供給による前記駆動トランジスタのゲートの電位の変化量が大きいほど前記第2期間の時間長が短くなるように、前記信号線に供給する電位を前記基準電位から前記階調電位に変更する時期を前記階調値に応じて制御する、
    発光装置。
  13. 複数の画素回路と、前記各画素回路を駆動する駆動回路とを具備し、
    前記複数の画素回路の各々は、
    第1電極および第2電極を有する容量素子と、
    前記第2電極にゲートが接続されたPチャネル型の駆動トランジスタと、
    発光素子と、
    信号線と前記第1電極との間に介在する第1スイッチング素子と、
    前記駆動トランジスタのゲートとドレインとの間に介在する第2スイッチング素子と、
    給電線と前記第1電極との間に介在する第4スイッチング素子と、を備え、
    前記駆動回路は、前記複数の画素回路の各々について、
    第1期間において、前記給電線に基準電位を供給するとともに、前記第2スイッチング素子および前記第4スイッチング素子をオン状態にし、前記第1スイッチング素子をオフ状態にし、
    第2期間において、前記信号線に供給する電位を基準電位に設定するとともに前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子をオン状態にし、前記第4スイッチング素子をオフ状態にし、
    前記第2期間経過後の第3期間において、当該画素回路に指定された階調値に応じた階調電位を前記信号線に供給するとともに、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子をオン状態にし、前記第4スイッチング素子をオフ状態にし、
    前記第3期間の経過後に、前記第2スイッチング素子をオフ状態に
    前記階調電位の供給による前記駆動トランジスタのゲートの電位の変化量が大きいほど前記第3期間の時間長が短くなるように、前記信号線に供給する電位を前記基準電位から前記階調電位に変更する時期を前記階調値に応じて制御する、
    発光装置。
  14. 請求項12または請求項13に記載の発光装置を具備する電子機器。
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