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JP5338376B2 - 車両の乗降アシスト構造 - Google Patents
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Description

本発明は、車両の乗降アシスト構造に関する。
従来、開閉扉で形成された乗降口を通じて車室内に対して乗員が乗降することのできる自動車等の車両において、乗員が車両内外へ乗降するときに乗降動作を補助するものとして、例えば、車両の各部位に装着したアシストグリップが知られている。このアシストグリップは、車両内の装備品であるピラー、車室天井面、ドア、前席シートバックの背面等に装着されている。このアシストグリップは、乗員の姿勢保持の場合や車室内の移動の際の補助として使用することができる。
また、特許文献1のように、車両の装備品としては常備されないが、乗降時においてのみ装着されて乗降の補助として使用される乗降補助具が知られている。この乗降補助具は、丸棒状の把持部と、ドアロックストライカーの係合体に引掛ける取付体から構成されている。そして、車両の開閉扉が開放時に、この乗降補助具を車両のドアロックストライカーに装着して乗員が把持部を使用して乗降動作を容易とするものである。
また、特許文献2のように、乗降を補助する車両用シートが設けられたものが知られている。この車両シートは、シート本体を回転させて車室外方側へ移動可能とすることにより、乗員の車両への乗降を楽に行えるようにするものである。
特開2004−65331号公報 特開2008−62877号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載の乗降補助具は、乗降のたびにドアロックストライカーへの装着が必要となり、装着の煩わしさがある。また、この乗降補助具を取り付けたままドアを閉めるとドアと干渉して、乗降補助具、車両のドア共に破損のおそれが危惧される。
また、上記した特許文献2に記載の車両用シートは、乗降が楽に行えるものであるがシート本体の回転に要する装備品が大がかりなものとなってしまい、製造コストが増加するといった問題がある。
また、上記したアシストグリップは、乗員の姿勢保持の場合や車室内の移動の際の補助として使用されるが、乗員が乗降口を通じて車室内を乗降する動作(すなわち、乗車する際の着座動作又は乗降口を通じて降車する際の起立動作)をする場合においては、このグリップは使用されない。そのため、乗員の乗降動作(着座動作又は起立動作)は、開放されたドア内面のドアトリムと乗降口の開口縁位置とに手を掛けて体を支える動作(例えば、降車時の起立動作では、車両側方へ体を押し上げる方向への動作)によって行われる。
ここで、乗降口の開口縁位置には、開閉扉の閉鎖時に車室内への水の浸入を防ぐシール部構造が施されており、このシール部構造位置より車室外方は汚れている。そのため、乗員の乗降動作の際に乗降口の開口縁位置に手を掛けると乗員の手が汚れるという問題があった。
また、乗降時の乗員は不安定な姿勢であるため、乗降動作時は安定した部位に手を掛けて姿勢を保持したい。ところが、上記した乗降口の開口縁位置は、手を掛けることを考慮した形状ではないため手が掛かりにくい形状をしているのが一般的である。そのため、乗降動作時に安定した部位に手を掛けることができずに姿勢の保持が困難となる場合がある。
そこで、本発明者は鋭意検討の結果、乗員が乗降動作をする時に、上記乗降口の開口縁位置に変えて、安定した部位に手を掛ける構造を設ければ、より一層、乗員の乗降を補助をすることができ、手が汚れることもないことに着目した。
而して、本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、開閉扉で形成された乗降口を通じて車室内に対して乗員が乗降することのできる自動車等の車両であって、乗員が乗降動作をする時に、安定した部位に手を掛けて乗員の乗降を補助することができる車両の乗降アシスト構造を車室内に設けることにある。
上記課題を解決するために、本発明の車両の乗降アシスト構造は次の手段をとる。
先ず、第1の発明は、開閉扉で形成された乗降口を通じて車室内に対して乗員が乗降することのできる自動車等の車両であって、前記乗降口の開口縁位置には前記開閉扉の閉鎖時に車室内への水の浸入を防ぐシール部構造が施されており、該シール部構造位置より車室内の位置であって、乗員が前記乗降口を通る際に乗降を容易とするために乗員が手を掛けることのできる車室内のシート等の装備品の表面位置に手を掛けることのできる凹部が形成されており、該凹部に乗員が手を掛けて乗降することができることを特徴とする。
この第1の発明によれば、シール部構造位置より車室内の位置であって、乗員が前記乗降口を通る際に乗降を容易とするために乗員が手を掛けることのできる車室内のシート等の装備品の表面位置に手を掛けることのできる凹部が形成されている。この凹部は、乗員が乗降する時に安定して手を掛けられる部位である。そのため、より一層乗員の乗降を補助することができる。また、この凹部は車室内に設けられたものであるため手を掛けても手が汚れることがない。また、車室内のシート等の装備品の表面位置において、凸状形成ではなく、凹部によって形成されているものである。凸状に形成されていると乗員に接触するおそれがあり、着座時や乗降時における快適性を阻害するおそれがあるが、凹部によって形成されていることから快適性を阻害するおそれがない。また、車室内のシート等の装備品の表面に凹部を形成するものであり、新たな部品の増加を抑制することができ、コスト面においても有効である。
次に、第2の発明は、上述した第1の発明において、前記開閉扉はヒンジによる回転扉であり、前記手を掛けることのできる凹部は該回転扉が面したシートバックの側部面に形成されていることを特徴とする。
この第2の発明によれば、この車両の乗降アシスト構造は、開閉扉がヒンジによる回転扉である場合に有効である。すなわち、この回転扉の回転範囲は全開した状態でも、乗降口を完全には開放状態にできない場合がある。よって、乗降口が完全には開放状態に無く、限られた乗降スペースから乗降する状態では、乗員は乗降の際に不安定な姿勢で乗降をしなければならない。ここで、乗員が乗降時に不安定な姿勢であっても、回転扉が面したシートバックの側部面に形成された凹部に安定して手を掛けて姿勢を保持することができるため乗降動作時の乗降補助をすることができる。
次に、第3の発明は、上述した第1の発明又は第2の発明のいずれかにおいて、前記乗降口の下部位置には車両のタイヤハウスが形成されており、乗降口の開口面積が下方位置より上方位置が相対的に広く形成されており、該広い位置の箇所に前記手を掛けることのできる凹部が形成されていることを特徴とする。
この第3の発明によれば、この車両の乗降アシスト構造は、乗降口の下部位置には車両のタイヤハウスが形成されており、乗降口の開口面積が下方位置より上方位置が相対的に広く形成された場合の乗降口において更に有効である。すなわち、乗降口の下部位置には車両のタイヤハウスが形成されていることから、乗降口の下方位置の開口面積は狭く設定されている。そのため、乗員が乗降口を通じて車室内を乗降する動作において、乗員は脚部を置く位置が制限され、不安定な姿勢で乗降をしなければならない。ここで、手を掛けることのできる凹部は、乗降口の開口面積が下方位置より上方位置における相対的に広く形成された位置に形成されている。そのため、乗員が乗降動作をする時に、安定した部位に手を掛けて乗員の乗降を補助することができる。
本発明は上記各発明の手段をとることにより次の効果を得ることができる。
先ず、上記第1の発明の車両の乗降アシスト構造によれば、シール部構造位置より車室内の位置であって、乗員が前記乗降口を通る際に乗降を容易とするために乗員が手を掛けることのできる車室内のシート等の装備品の表面位置に手を掛けることのできる凹部が形成されている。この凹部は、乗員が乗降する時に安定して手を掛けられる部位である。そのため、より一層乗員の乗降を補助することができる。また、この凹部は車室内に設けられたものであるため手を掛けても手が汚れることがない。また、車室内のシート等の装備品の表面位置において、凸状形成ではなく、凹部によって形成されているものである。凸状に形成されていると乗員に接触するおそれがあり、着座時や乗降時における快適性を阻害するおそれがあるが、凹部によって形成されていることから快適性を阻害するおそれがない。また、車室内のシート等の装備品の表面に凹部を形成するものであり、新たな部品の増加を抑制することができ、コスト面においても有効である。
次に、上記第2の発明の車両の乗降アシスト構造によれば、この車両の乗降アシスト構造は、開閉扉がヒンジによる回転扉である場合に有効である。すなわち、この回転扉の回転範囲は全開した状態でも、乗降口を完全には開放状態にできない場合がある。よって、乗降口が完全には開放状態に無く、限られた乗降スペースから乗降する状態では、乗員は乗降の際に不安定な姿勢で乗降をしなければならない。ここで、乗員が乗降時に不安定な姿勢であっても、回転扉が面したシートバックの側部面に形成された凹部に安定して手を掛けて姿勢を保持することができるため乗降動作時の乗降補助をすることができる。
次に、上記第3の発明の車両の乗降アシスト構造は、乗降口の下部位置には車両のタイヤハウスが形成されており、乗降口の開口面積が下方位置より上方位置が相対的に広く形成された場合の乗降口において更に有効である。すなわち、乗降口の下部位置には車両のタイヤハウスが形成されていることから、乗降口の下方位置の開口面積は狭く設定されている。そのため、乗員が乗降口を通じて車室内を乗降する動作において、乗員は脚部を置く位置が制限され、不安定な姿勢で乗降をしなければならない。ここで、手を掛けることのできる凹部は、乗降口の開口面積が下方位置より上方位置における相対的に広く形成された位置に形成されている。そのため、乗員が乗降動作をする時に、安定した部位に手を掛けて乗員の乗降を補助することができる。
実施例1に係る車両の乗降アシスト構造を車室内方側から見た全体構成を示した斜視図である。 実施例1に係る車室外方側から車両の乗降アシスト構造を使用して乗員が乗降動作の例を示した斜視図である。 実施例1に係る車両の乗降アシスト構造の骨格構成を示した分解斜視図である。 実施例1に係る車両の乗降アシスト構造の図3のIV−IV線断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態の実施例について図面を用いて説明する。
始めに、実施例1の車両用シート10の車両の乗降アシスト構造の構成について、図1から図3を用いて説明する。
また、図3は、図示上手前側のシートはシートの全体図を示しており、図示上奥側のシートはシートバック30の骨格等の内部構成を示すものである。これに伴い、シートバック30の骨格等の内部構成を強調して図示し、ヘッドレスト70、シートクッション20、シートバック30の構成については細線にて図示している。また、各図において、矢印で示すFWD、UPRは車両用シート10の前方、上方を示している。
本実施例1の説明において、先ずこの車両の乗降アシスト構造の全体概要を説明した上で、構造の詳細の説明を行う。また、本実施例1の車両の乗降アシスト構造おいては、車両の乗降口12に面した車両用シート10のシートバック30の表面位置に手を掛けることのできる凹部60が形成されている構成に特徴を有している。その他の部分については特に変更を要しないのでその説明は省略することがある。
本実施例1の車両の乗降アシスト構造は、車両の1列目や2列目等の座席の何れにおいても採用されるものである。なお、本実施例の車両の乗降アシスト構造は、車両の2列目に配設される後部座席における構成を示したものである。
図1は、実施例1に係る車両の乗降アシスト構造を車室内方側から見た全体構成を示した斜視図である。図1に図示されるように、車両の後部座席の車両用シート10は、主に着座者の着座部となるシートクッション20と、着座者の背凭れとなるシートバック30と、着座者の頭もたれとなるヘッドレスト70から構成されている。
車両外方側の側面には、乗員が乗降することのできる乗降口12が形成されている。この乗降口12には、車両前方側に設置されたヒンジ15によって車両の外方側且つ前後方向に回転可能な回転扉14が構成されている。乗降口12は、この回転扉14が車両前方方向に回転して開放されてできた開口部18によって構成されている。
この乗降口12の開口部18は、この回転扉14の外形形状と略同一に形成されている。また、乗降口12の開口面積は、下方位置(乗員が着座した状態における脚部側)より上方位置(乗員が着座した状態における上半身側)が相対的に広く形成されている。これは、車室内の側壁が後輪のタイヤの上方を覆うカバーが車室内方に張り出したタイヤハウス80が形成されているため、乗降口12の下部位置は、このタイヤハウス80を回避する形状に形成されていることによるものである。
そのため、乗降口12の下方位置は、開口面積が制限されて狭く形成されており、乗員の乗降動作において乗員の脚部の移動範囲が制限され、また脚部を地面に置く位置も制限される。よって乗員は、不安定な姿勢で乗降動作をすることとなる。
そのため、この車室内には、乗員が乗降口12を通る際に乗降を容易とするための車両の乗降アシスト構造として、乗員が手を掛けることのできる凹部60が形成されている。
この手を掛けることのできる凹部60は、乗員の乗降動作において手を掛けることができる車両装備品としてシートバック30が選択されている。凹部60は、このシートバック30において回転扉14に面した側部の表面位置に形成されている。また、凹部60の形成位置は、乗降口12の開口部18の上方位置(乗員が着座した状態における上半身側)である広い位置に形成されている。
図2は、実施例1に係る車室外方側から車両の乗降アシスト構造を使用して乗員が乗降動作の例を示した斜視図である。図2に図示されるように、乗降口12の開口縁位置には回転扉14の閉鎖時に車室内への水の浸入を防ぐシール部構造16が施されている。上記手を掛けることのできる凹部60は、シール部構造16の位置より車室内の位置であって、乗員の乗降動作において手を掛けることができる車両装備品としてのシートバック30に形成されている。
凹部60を形成するための各構成について説明する。
図3は、実施例1に係る車両の乗降アシスト構造の骨格構成を示した分解斜視図である。
図3に図示されるように、上記手を掛けることのできる凹部60が形成される位置は、乗員の乗降動作において手を掛けることができる車両装備品のうちシートバック30が選択されている。この凹部60は、このシートバック30において回転扉14に面した側部の表面位置に形成されている。また、凹部60の形成位置は、乗降口12の開口部18の上方位置(乗員が着座した状態における上半身側)である広い位置に形成されている。
シートバック30について説明する。
図3に図示されるように、乗員の乗降動作において手を掛けることができる車両装備品としてシートバック30が選択されている。この凹部60は、このシートバック30において回転扉14に面した側部の表面位置に形成されている。また、凹部60の形成位置は、乗降口12の開口部18の上方位置(乗員が着座した状態における上半身側)である広い位置に形成されている。
図3に図示されるように、シートバック30は、着座者の背凭れ部として構成されるものであり、概略、バックフレーム32、凹部形成ブラケット50、背面パネル40、パッド部材42、表皮44を備えて構成されている。
ここで、この車両用シート10に対応する車室内の側壁は、タイヤの上方を覆うカバーが車室内方に張り出したタイヤハウス80を有する構成とされている。そのため、シートバック30の側部の車両外方側の形状は、タイヤハウス80を回避するためにシートバック30の側部下方が切り欠かれて形成されている。
また、乗員が後席に着座しない後席不使用時においては、シートバック30を前倒しにして倒伏しシートバック30の背面側の面を荷物等の載置台として活用できるように、シートバック30の下端部は起倒回動可能に枢支されている。
バックフレーム32について説明する。
図3に図示されるように、バックフレーム32は、シートバック30の骨組みを構成するものであって、全体が略四角状の枠状に構成されている。具体的に、このバックフレーム32は、金属パイプが略四角状に折曲加工されたパイプフレーム34によって構成されている。このパイプフレーム34が、後述する背面パネル40と適宜のスポット溶接等によって剛結合されて構成される。
パイプフレーム34の上辺のパイプフレーム上方部位34aは、シートバック30の肩部の剛性を担っている。パイプフレーム34の下辺のパイプフレーム下方部位34bは、シートバック30の下端部の剛性を担っている。また、シートバック30の左右両辺のパイプフレーム側方部位34cはシートバック30の側部の剛性を担っている。
また、図3に図示されるように、シートバック30は、上記したタイヤハウス80と干渉しないで車両前方FWD方向へ前倒しに倒伏可能な起倒回動ができるように構成されている。これに伴い、上記したバックフレーム32のパイプフレーム34は、タイヤハウス80を回避するために側部下方が切り欠かれるように折り曲げ形成されている。
凹部形成ブラケット50について説明する。
図3に図示されるように、この凹部形成ブラケット50は、シートバック30の側部の表面形状を形成すると共に、手を掛けることができる凹部60を構成するために骨格となるものであり、バックフレーム32に取り付けられるものである。この凹部形成ブラケット50は、剛性を有した板状部材で形成されるものであり本実施例1においては、熱可塑性樹脂等の合成樹脂による射出成形品が選択されている。
詳しくは、この凹部形成ブラケット50は、シートバック30の側部の表面形状を形成すると共に、手を掛けることができる凹部60が形成されている。
そして、この凹部形成ブラケット50は、バックフレーム32のパイプフレーム34のパイプフレーム側方部位34cの位置において適宜に折り曲げ加工されたワイヤフレーム52によって結合されている。
この凹部60は、シートバック30側部の一部分を縦に切り欠いた形状に形成されている。また、切り欠き部の下方部の部位が切り欠き方向に略直行した支持面62を有する。 この支持面62が乗員が乗降動作の際に手を掛ける部位である。
図4は、本実施例1に係る車両の乗降アシスト構造の図3のIV−IV線断面図である。図4に図示されるように、この支持面62は、乗員の手の小指側から、手の甲の三分の一を置くことができる範囲に設定されている。一般成人における手の掛かりを確保することを考慮すると、図4に図示されるDの寸法は少なくとも30mmの深さがあることが望ましい。
また、シートバック30の側部における凹部60の形成される高さは、乗降口12の開口部18の上方位置(乗員が着座した状態における上半身側)に対応する範囲に形成されている。これは、乗員が乗降口12を通じて車室内を乗降する動作において、不安定な姿勢の際に安定した部位に手を掛けて乗員の乗降を補助することができる範囲として設定されているものである。この凹部60の支持面62は、一般成人が乗降の際に安定した部位として手を掛けることができる範囲を考慮すると図2に図示されるHの寸法は地面から700mm〜900mmの高さに形成されていることが望ましい。
次に、パッド部材42及び表皮44について説明する。
図示は省略されているが、パッド部材42は、発泡ウレタン等の弾性材料で形成されている。パッド部材42はバックフレーム32に被せ付けられており、また、パッド部材42の表面はシートバック30の表面(背凭れ面)の外形形状として形成されており、表皮44で被覆されている。
次に、背面パネル40について説明する。
図1から図4に図示されるように、この背面パネル40は、シートバック30の骨格の一部を担うと共に、背面側の剛性を確保することで背面側からの衝撃が着座者に伝達されないように構成されている。また、この背面パネル40は剛性を有すと共に平坦な面形状に形成されている。これは、シートバック30を前倒しにして倒伏し、背面パネル40の背面側の面を荷物等の載置台として活用できるようにするためである。
また、この背面パネル40は、背面側からの衝撃に耐えうる剛性を有した材質による板状部材で構成されている。また、背面パネル40は、バックフレーム32の背面側を覆う事ができる形状であり、且つ、略平坦な面形状に形成されている。そして、バックフレーム32と一体に結合されて構成されている。
また、図示を省略するが、シートバック30には、シートバック30を起立姿勢状態に保持するために車体側壁部分と固定保持する保持機構が備えられている。この保持機構を解除して、シートバック30を前倒しにして倒伏し、シートバック30の背面側の面を荷物等の載置台として活用できる。
上記構成からなる本実施例における車両の乗降アシスト構造の使用態様は次の通りである。
この乗降動作において、乗員が乗降口12を通じて降車する際の起立動作を例にして説明する。図2に図示されるように、乗員は、着座姿勢状態から体の下半身を乗降口12方向にねじって脚部を車室内から地面に移動する。次に脚部を地面に接地させた後に、一方の手を車両のドアトリムに設けられたアームレストに手を掛け、もう一方をシートバック30の凹部60に手を掛ける。次に、乗員は両手を使って車両側方へ体を押し上げる方向に力をいれて体を起立させる。こうして、乗員は、降車する際の起立動作を行う。なお、乗員が乗降口12を通じて乗車する際の着座動作は上記した起立動作の反対の動作を行うこととなる。
これらの構成によれば、シール部構造16の位置より車室内の位置であって、乗員が前記乗降口12を通る際に乗降を容易とするために乗員が手を掛けることのできる車室内のシート等の装備品の表面位置に手を掛けることのできる凹部60が形成されている。この凹部60は、乗員が乗降する時に安定して手を掛けられる部位である。そのため、より一層乗員の乗降を補助することができる。また、この凹部60は車室内に設けられたものであるため手を掛けても手が汚れることがない。また、車室内のシート等の装備品の表面位置において、凸状形成ではなく、凹部60によって形成されているものである。凸状に形成されていると乗員に接触するおそれがあり、着座時や乗降時における快適性を阻害するおそれがあるが、凹部60によって形成されていることから快適性を阻害するおそれがない。また、車室内のシート等の装備品の表面に凹部60を形成するものであり、新たな部品の増加を抑制することができ、コスト面においても有効である。
また、上記実施例の車両の乗降アシスト構造は、開閉扉がヒンジ15による回転扉14である場合であり、有効に機能する。すなわち、この回転扉14の回転範囲は全開した状態でも、乗降口12を完全には開放状態にできない。この場合、乗降口12が完全には開放状態に無く、限られた乗降スペースから乗降する状態では、乗員は乗降の際に不安定な姿勢で乗降をしなければならない。ここで、乗員が乗降時に不安定な姿勢であっても、回転扉14が面したシートバックの側部面に形成された凹部60に安定して手を掛けて姿勢を保持することができるため乗降動作時の乗降補助をすることができる。
また、上記実施例の車両の乗降アシスト構造は、乗降口12の下部位置には車両のタイヤハウス80が形成されており、乗降口12の開口面積が下方位置より上方位置が相対的に広く形成された乗降口12となっており更に有効に機能する。すなわち、乗降口12の下部位置には車両のタイヤハウス80が形成されていることから、乗降口12の下方位置の開口面積は狭く設定されている。そのため、乗員が乗降口12を通じて車室内を乗降する動作において、乗員は脚部を置く位置が制限され、不安定な姿勢で乗降をしなければならない。ここで、手を掛けることのできる凹部60は、乗降口12の開口面積が下方位置より上方位置における相対的に広く形成された位置に形成されている。そのため、乗員が乗降動作をする時に、安定した部位に手を掛けて乗員の乗降を補助することができる。
本発明の車両の乗降アシスト構造は、本実施の形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
例えば、本実施例1においては、凹部60は、シートバックの側部面に形成されるものについて示したがこれに限定されるものではない。この凹部は、乗員が乗降口12を通る際に乗降を容易とするために乗員が手を掛けることのできる車室内のシート等の装備品の表面位置であれば良く、車両の車室内の側壁部位等の車室内の各種装備品に適用できるものである。
また、本実施例1においては、乗降口12の開閉扉は、ヒンジ15による回転扉14である構成について示したがこれに限定されるものではない。例えば、乗降口の開閉扉がスライドドアの構成のものについても適用できるものである。
また、本実施例1では、凹部60における乗員が手を掛ける支持面62は水平に形成されたものについて示したがこれに限定されるものではない。この支持面は、乗員の乗降動作(着座動作又は起立動作)において乗員が手を掛けて体を支える動作方向を支持する向きに形成されていればよい。例えば、降車時の起立動作では、乗員が立ち上がるときに車両側方へ体を押し上げる動作方向を支持する向きに形成されていればよい。
また、本実施例1では、この凹部60における乗員が手を掛ける支持面62の面形状について平坦なものについて示したが、これに限定されるものではない。この支持面は、乗員の乗降動作(着座動作又は起立動作)において乗員が手を掛けて体を支える面形状であれば、表面が凹凸上に形成されたものでもよいし、屈曲面、湾曲面、段差面等の各種の面形状が適用できるものである。
また、本実施例1においては、常時凹部60が形成されたものについて示したがこれに限定されるものではない。例えば、凹部60と、この凹部の形成位置の表皮44との間に弾性体を配設する。常時は、この弾性体の付勢力によって車室内のシート等の装備品の表面形状を保持している。また、乗員が乗降動作の際には、この凹部60に配設された弾性体の付勢力に抗して乗員の手による押圧力で凹部60に手を掛けることができるものであってもよい。これによれば、車室内のシート等の装備品の外観上における意匠性を損なうこともなく、乗員の乗降時における凹部としての乗降アシスト機能を発揮することができる。なお、この場合においては、乗員がこの凹部の配設位置を外観上特定できるようにすることに留意することが考えられる。
また、本実施例1においては、凹部60を構成するために、凹部形成ブラケット50をワイヤフレーム52によって結合する構成について示したがこれに限定されるものではない。剛性を有した板状部材で形成されるものであれば、金属製のものでも良い。取り付け方法もワイヤフレーム52に限定されるものではなく、溶接、ボルトとナット等による締結する構造であってもよい。
10 車両用シート
12 乗降口
14 回転扉
15 ヒンジ
16 シール部構造
18 開口部
20 シートクッション
30 シートバック
32 バックフレーム
34 パイプフレーム
34a パイプフレーム上方部位
34b パイプフレーム下方部位
34c パイプフレーム側方部位
40 背面パネル
42 パッド部材
44 表皮
50 凹部形成ブラケット
52 ワイヤフレーム
60 凹部
62 支持面
70 ヘッドレスト
80 タイヤハウス
FWD 車両前方
UPR 車両上方

Claims (3)

  1. 開閉扉で形成された乗降口を通じて車室内に対して乗員が乗降することのできる自動車等の車両であって、
    前記乗降口の開口縁位置には前記開閉扉の閉鎖時に車室内への水の浸入を防ぐシール部構造が施されており、
    該シール部構造位置より車室内の位置であって、乗員が前記乗降口を通る際に乗降を容易とするために乗員が手を掛けることのできる車室内のシート等の装備品の表面位置に手を掛けることのできる凹部が形成されており、該凹部に乗員が手を掛けて乗降することができる構成であり、
    前記開閉扉はヒンジによる回転扉であり、前記手を掛けることのできる凹部は該回転扉が面したシートバックの側部面に形成されており、
    前記シートバックは、凹部形成ブラケットを備えており、
    該凹部形成ブラケットは、前記シートバックの側部の表面形状を形成すると共に、手を掛けることができる凹部が形成されており、前記前記シートバックの骨組として構成されるバックフレームに取り付けられていることを特徴とする車両の乗降アシスト構造。
  2. 請求項1に記載の車両の乗降アシスト構造であって、
    前記乗降口の下部位置には車両のタイヤハウスが形成されており、乗降口の開口面積が下方位置より上方位置が相対的に広く形成されており、該乗降口の開口面積が下方位置より上方位置が相対的に広く形成される位置に前記手を掛けることのできる凹部が形成されていることを特徴とする車両の乗降アシスト構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両の乗降アシスト構造であって、
    前記シートバックは、表皮が被覆されており、
    前記凹部と、該凹部の形成位置の表皮との間に弾性体が配設されており、
    常時は、前記弾性体の付勢力によって前記シートバックの側部の表面形状を保持しており、乗員が乗降動作する際には、前記凹部に配設された弾性体の付勢力に抗して乗員の手による押圧力で凹部に手を掛けることが可能となる構成であることを特徴とする車両の乗降アシスト構造。
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