JP5338970B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は内燃機関のクランクシャフトの回転を、内燃機関内の冷却水を循環させるウォータポンプへ伝達する内燃機関の制御装置に関する。
任意にウォータポンプの駆動、停止を行える可変ウォータポンプを備えるエンジンが知られている。このようなエンジンでは、エンジンの暖機時に冷却水の循環を停止することによりエンジンの早期暖機を図り、燃費、エミッションの向上を図る。可変ウォータポンプとして、既に電動ウォータポンプが採用されているが、電動ウォータポンプはコストが高く、多くの電力を要求するので高容量のバッテリーの搭載が必要であった。
電動ウォータポンプの他にも、電磁クラッチによりエンジン駆動軸とウォータポンプ駆動軸の係合、開放を行い、圧送する水量を変更する電磁クラッチ式の可変ウォータポンプがある。この電磁クラッチ式の可変ウォータポンプは、電動ウォータポンプよりもコストが低く、電動ウォータポンプの代替技術として注目されている。
このような電磁クラッチ式の可変ウォータポンプを改良したものが特許文献1に開示されている。特許文献1のウォータポンプは低負荷で電磁クラッチのコイルへ通電し、ウォータポンプによる冷却液の送給量を減少する。
しかしながら、電磁クラッチ式の可変ウォータポンプはクラッチの係合、開放によりクラッチ板の磨耗が進むため、係合、開放を頻繁に行う運転を続けていくと、クラッチ板が滑り、クラッチの係合が行えなくなる。特にエコランを行う車両では、エンジンの始動、停止を頻繁に行うため、エンジンの始動、停止に併せてウォータポンプのクラッチの係合、開放を行うならば、クラッチの磨耗が進行し、クラッチの係合が行えなくなることが考えられる。このようにクラッチの係合が行えなくなると、ウォータポンプが運転不能になるため、エンジンのオーバーヒートを引き起こす原因となる。
そこで、本発明は、クラッチの係合により動力が伝達されて稼働するウォータポンプを備えたエンジンにおいて、クラッチの係合と開放によるクラッチ板の磨耗を抑制し、クラッチを信頼性の高い状態に維持することを課題とする。
かかる課題を解決する本発明の内燃機関の制御装置は、自動停止、及び自動始動を行う内燃機関のクランクシャフトの回転を前記内燃機関内の冷却水を循環させるウォータポンプへ伝達する内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関の始動要求時に前記クラッチの係合または開放を決定する決定手段と、前記内燃機関のクランキング開始前に、前記クラッチを前記決定手段の決定結果に基づく係合状態とする制御手段と、を備えたことを特徴とする。このような構成により、クランクシャフトが回転を開始する前に、クラッチの係合、または開放を行い、クラッチの磨耗を抑制し、クラッチを信頼性の高い状態に維持することができる。
このような内燃機関の制御装置において、前記決定手段は、前記内燃機関の始動要求時における前記内燃機関の暖機状態に基づき、前記クラッチの係合または開放を決定することができる。これにより、内燃機関が既に暖機完了している場合には、前記クラッチを係合してクランキングを行うことにより、クラッチの磨耗を抑制できる。
このような内燃機関の制御装置において、前記クラッチのクラッチ板の磨耗状態を推定する推定手段を備え、前記推定手段により前記クラッチ板の磨耗量が所定値以上と判断されるとき、前記クラッチの開放を禁止する構成とすることができる。このような構成とすることにより、クラッチが係合された状態で維持されるため、クラッチの開放と係合の繰り返しによる余計な磨耗を抑制できる。
上記推定手段を備える内燃機関の制御装置において、前記内燃機関の暖機時においてクラッチの開放を禁止する構成とすることができる。このような構成とすることにより、クランキング後のクランクシャフトの回転中にクラッチを係合することが回避できるため、クラッチの磨耗を抑制できる。
上記推定手段を備える内燃機関の制御装置において、前記推定手段は前記クラッチの係合回数に基づいて、前記クラッチの磨耗量を推定することができる。これにより、係合回数が増加するほど、クラッチの磨耗量が増加することが推定できる。
このような内燃機関の制御装置において、前記クラッチのクラッチ板の磨耗状態を推定する推定手段と、前記内燃機関の自動停止、及び自動始動を行うシステムと、を備え、前記推定手段により前記クラッチ板の磨耗量が所定値以上と判断されるとき、前記システムによる前記内燃機関の自動停止、及び自動始動を禁止する構成とすることができる。このような構成とすることにより、頻繁に内燃機関を停止することがなくなるため、クラッチの係合と開放の繰り返しが減少し、クラッチの磨耗が抑制できる。
このような内燃機関の制御装置において、前記内燃機関の自動停止、及び自動始動を行うシステムと、バッテリーの電圧状態に基づいて、前記内燃機関の自動停止及び自動始動の実行可否を判断する判断手段と、を備えた構成とすることができる。このような構成とすることにより、電力が不足する場合、クラッチを開放してクラッチの磨耗を抑制できる。
このような内燃機関の制御装置において、前記内燃機関の自動停止、及び自動始動を行うシステムを有し、前記システムによる前記内燃機関の自動始動時にバッテリーの電圧が所定値以下の場合、前記内燃機関のクランキング開始以前における前記クラッチの係合を禁止する構成とすることができる。このような構成とすることにより、電力不足で係合中のクラッチが緩み、クラッチ板が滑ることにより進行する磨耗を抑制できる。
本発明の内燃機関の制御装置は、クランクシャフトが回転を開始する前に、クラッチの係合、または開放を行うことにより、クラッチの磨耗を抑制し、クラッチを信頼性の高い状態に維持することができる。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の制御装置1を組み込んだエンジン100の概略構成を示した説明図である。エンジン100は例えば車両に搭載されて運転される。エンジン100はエンジン本体3、ラジエータ4、リザーバタンク5、ヒータコア6、サーモスタット7を備えている。エンジン本体3内には冷却水が通過するウォータジャケット8が形成されており、ウォータポンプ2、ラジエータ4、リザーバタンク5、ヒータコア6、サーモスタット7、ウォータジャケット8は冷却水が循環するように、冷却水の通路を形成する配管9で接続されている。
制御装置1はECU(Electronic Control Unit)10を備えている。ECU10は、CPU(中央演算装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)、入出力ポートを双方向バスで接続した公知の形式のデジタルコンピュータからなり、エンジン100の制御のために設けられている各種センサや作動装置と信号をやり取りしてエンジン100を制御するようになっている。本実施形態において、ECU10は、ウォータジャケット8内の水温を計測する水温センサ11、吸気温を計測する吸気温センサ12、エンジン100の回転速度を計測するエンジン回転センサ13、アクセルの開度を計測するアクセル開度センサ14、バッテリー15の電流を計測する電流センサ16と電気的に接続されている。また、バッテリー15にはオルタネータ17が電気的に接続されている。ECU10は、これらのセンサからの信号を受けて、エンジン100の各種情報を取得しエンジン100の状態を把握する。ECU10はエンジン100の状態に基づき、エンジン100の自動停止、自動始動を行う、いわゆるエコランを実行することができる。また、ECU10は後述するウォータポンプ2のコイル27と電気的に接続されている。ECU10はエンジン100の状態に基づいて、ウォータポンプ2への通電を切り替える。
次に、ウォータポンプ2について詳細に説明する。ウォータポンプ2は、ウォータジャケット8や配管9で構成される通路内の冷却水を循環させる。ウォータポンプ2は、ベルト26によりエンジン本体3のクランクシャフト18と接続されており、クランクシャフト18の回転が伝達されて稼働する。
図2は、ウォータポンプ2の概略構成を示した断面図である。ウォータポンプ2は、シャフト21と、シャフト21の一端に連結されたインペラ22と、クラッチ部20を備えている。シャフト21はベアリング23により支持されている。インペラ22はウォータジャケット8内に位置する。シャフト21が回転することによりインペラ22が回転して冷却水が流動し、冷却通路内の冷却水が循環する。クラッチ部20は、プーリ24、コイル27、アーマチュア28、板バネ29を備えている。
プーリ24はシャフト21の半径方向外周側に配置されている。プーリ24はベアリング25に支持されて、シャフト21と同一の軸を中心に回転自在となるように配置されている。このプーリ24の半径方向外周側には、ベルト26が架けられている。このベルト26を介してクランクシャフト18の回転がプーリ24へ伝達されるように構成されている。さらに、プーリ24の内部にはコイル27が配置されている。
さらに、シャフト21には、インペラ22が連結された側とは反対側の端部にアーマチュア28が配置されている。アーマチュア28は、シャフト21の一部である固定部210と板バネ29とを介してシャフト21に組み付けられ、シャフト21からの距離がプーリ24内部のコイル27にほぼ等しくなるように配置されている。さらに、このアーマチュア28のプーリ24側にクラッチ板211が固定されている。また、アーマチュア28は鉄、ニッケル、コバルト、その他強磁性を有する合金等の材料で形成されており、コイル27がECU10から電流を供給されて磁界を発生すると、アーマチュア28がプーリ24側に引き寄せられてクラッチ板211がプーリ24に接続し係合する。クラッチ板211がプーリ24に係合した状態でクランクシャフト18が回転する場合、動力が伝達されてシャフト21が回転する。このように、シャフト21がクランクシャフト18から動力を得て回転することにより、ウォータポンプ2が冷却水を循環させる。一方、クラッチ板211を開放する場合は、コイル27への通電を停止する。これにより、板バネ29の付勢によりアーマチュア28が元の位置へ戻り、クラッチ板211がプーリ24から離間する。
このような構成の制御装置1は、クラッチ部20の係合と開放とを切り替えることにより、ウォータポンプ2の運転(水流し)と停止(水止め)とを切り替える。ECU10は、ウォータポンプ2を運転するか否かを判断し、クラッチ部20を係合するか開放するかを決定し、この決定に従い、クラッチ部20の係合、開放を切り替える。
次に、ECU10によるウォータポンプ2の運転判断、及びクラッチ部20の切替に関する制御について説明する。図3はウォータポンプ2の運転判断、及びクラッチ部20の切替の制御フローである。以下、図3のフローに従って説明する。
ECU10はステップS11において、エンジン100の始動要求を取得する。すなわち、本制御はエンジンの始動要求により開始する。ECU10はステップS11の処理を終えるとステップS12へ進む。
ECU10はステップS12において、水止め実施領域か否かを判断する。水止め実施領域か否かはエンジン冷却水の温度により決定する。すなわち、ECU10はエンジン100の始動要求時におけるエンジン100の暖機状態に基づき、クラッチ部20の係合または開放を決定する。具体的には、ECU10は、水温センサ11の取得する冷却水の温度情報に基づき、エンジン100が暖機完了温度に達していないと判断すると水止め実施領域であると判断する。
ECU10はステップS12において、YESと判断する場合、すなわち、水止め実施領域内であると判断すると、ステップS13へ進む。
ECU10はステップS13において、コイル27への通電を停止し、クラッチ部20を開放する。これにより、この後にエンジン100がクランキングを開始する時点でクランクシャフト18の回転が開始してもウォータポンプ2は停止した状態である。このように始動後に水止めをする場合、エンジン100のクランキング開始以前にクラッチ部20を開放しておく。これにより、始動後のクラッチの係合回数を減少することができるので、クラッチ板211の磨耗を抑制する。ECU10はステップS13の処理を終えるとステップS15へ進む。
一方、ECU10はステップS12において、NOと判断する場合、すなわち、水止め実施領域内でないと判断すると、ステップS14へ進む。
ECU10はステップS14において、コイル27へ通電し、クラッチ部20を係合する。これにより、この後にクランキングを行い、クランクシャフト18の回転が開始することにより、回転動力がベルト26を介してウォータポンプ2のシャフト21へ伝達されて、ウォータポンプ2の運転が開始する。このように始動と同時に水流しをする場合、エンジン100のクランキング開始以前にクラッチ部20を係合しておく。クランキング後にクラッチ部20を係合すると、クランクシャフト18とウォータポンプ2のシャフト21との間に回転差があるため、クラッチ板211の磨耗が進行する。このように、エンジン100のクランキング開始以前にクラッチ部20を係合することにより、クラッチ板211の磨耗を抑制する。ECU10はステップS14の処理を終えるとステップS15へ進む。
ECU10はステップS15において、エンジン100のクランキングを開始する。すなわち、エンジン100が始動する。ECU10はステップS15の処理を終えるとリターンとなる。
上記制御において、ECU10は、冷却水の循環が必要と判断する場合、ステップS12において水止め実施領域内と判断する場合であっても、エンジン100のクランキング開始以前にクラッチ部20を係合し、ウォータポンプ2を運転する。このような冷却水の循環が必要と判断される場合は、例えば、ウォータジャケット8内の冷却水の沸騰を防止する場合、水温センサ11による感温制御を実行する場合、ヒータの稼働が要求された場合、その他エンジン100のオーバーヒートの原因となる状態が生じる場合をいう。
また、ECU10はクラッチ部20のクラッチ板211の磨耗状態を推定し、クラッチ板211の磨耗量が所定値以上と判断した場合、エンジン暖機時のクラッチ部20の開放、及びエコランを禁止することとしてもよい。例えば、ECU10は、クラッチ部20の係合回数をカウントし、クラッチ部20の係合回数が所定値を超えた場合、クラッチ板211の磨耗量が所定値以上となると判断することにする。ECU10は、クラッチ部20の係合回数が所定値を超えた場合、エンジン100のクランキング開始以前にクラッチ部20を係合し、エンジン100の暖機中における水止めの実施を中止する。水止めを行った場合には、水止め後にクラッチ部20を係合するため、クラッチ板211の磨耗の進行を防ぐことができないが、エンジン100のクランキング開始以前にクラッチ部20を係合し、水止めを中止することにより、クラッチ板211の磨耗を抑制できる。
不用意にクラッチ部20の係合と開放とを繰り返す行為はクラッチ板211の磨耗を進行させる。クラッチ板211の磨耗が進行するとクランクシャフト18からウォータポンプ2のシャフト21へ動力が伝達できず、ウォータポンプ2が駆動できなくなり、エンジン100がオーバーヒートを起こす恐れがある。クラッチ板211の磨耗が進行し、係合が不能になる前に、クラッチ板211の磨耗の原因となる水止め制御、及びエコランを禁止することにより、オーバーヒートを未然に防ぐことができる。さらに、暖機過程における水止めも禁止することにより、クラッチ板211の磨耗の防止効果が向上する。
一般的にクラッチ板211の磨耗量はエンジン100の寿命に基づき設計されるが、エコランのように始動、停止を繰り返す場合、推定された係合回数を超えることが予想される。クラッチは係合回数で磨耗状態を予測することができ、係合回数をECU10に記憶することにより磨耗限界を予測し、水止めによるクラッチ係合、エコランを禁止する。
ここで、エンジン100の水止め時期と水流し時期の一例を示す。図4は、エンジン100の水止め時期と水流し時期の一例を示した説明図である。図4の縦軸はエンジン100の冷却水温度を示し、図4の横軸はエンジン100の始動からの経過時間を示している。図4では、エンジン100の始動から暖機が完了するまでの間、水止めしている。すなわち、制御装置1は、エンジン100の始動(クランキング)以前にクラッチ部20を開放し、暖機完了時にクラッチ部20を係合する処理を行っている。なお、エンジン始動後の水止め、水流しの実行判断は、エンジン100の冷却水温度、回転数、および燃料噴射量に基づき行われる。図5はエンジン100のクランキング後の水止め実施領域を示した説明図である。図5の縦軸はエンジン回転数を示し、図5の横軸はエンジン冷却水温度を示している。エンジン回転数の値とエンジン冷却水温度の値とが、図5中に示した斜線部の水止め実施領域に含まれる場合、水止めを実行する。すなわち、クラッチ部20を開放する。また、燃料噴射量が所定の値を超える場合、エンジン本体3の温度が高温になることが推定されるため、エンジン回転数の値とエンジン冷却水温度の値とが水止め実施領域に含まれる場合であっても、制御装置1は水流しを実行する。ここで用いる燃料噴射量は、エンジン回転数やアクセル開度など、エンジンの状態を示す各種情報からECU10により算出される。
以上のように、制御装置1は、エンジン100の始動要求時にクラッチ部20の係合または開放を決定し、クランクシャフト18が回転を開始する前に、クラッチ部20の状態を切り替える。これにより、クラッチ板211の磨耗を抑制し、高い信頼性のもと、ウォータポンプ2の運転、停止を実行する。
次に、本実施の形態の制御装置1における他の制御処理について説明する。制御装置1のECU10は、本制御処理において、バッテリー15の状態に基づいてクラッチ部20の係合、開放を判断する。図6はECU10により実行されるバッテリー15の状態に基づくクラッチ部20の係合、開放の制御フローである。以下、図6のフローに従って説明する。
ECU10はステップS21において、エンジンの始動要求を取得する。すなわち、本制御はエンジンの始動要求により開始する。ECU10はステップS21の処理を終えるとステップS22へ進む。
ECU10はステップS22において、バッテリー15の電圧が所定値以上か否かを判断する。または、バッテリー15の電流が所定値以上か否かを判断することにしてもよい。バッテリー15の電圧は電流センサ16を用いて判断する。バッテリー15の電圧が低下している場合、電流センサ16が計測する電流の値も低下する。このため、電流センサ16の値に基づいて、バッテリー15の電圧の低下を判断できる。また、バッテリー15が劣化している場合もバッテリー15の電圧が低下するため、同様に電流センサ16によりバッテリー15の劣化を判断できる。なお、電流センサ16に代えて電圧センサを用いてもよい。
ECU10はステップS22において、YESと判断する場合、すなわち、バッテリー15の電圧が所定値以上であると判断すると、ステップS23へ進む。なお、バッテリー15の電流値で判断する場合、ECU10は、バッテリー15の電流が所定値以上であると判断するとステップS23へ進む。
ECU10はステップS23において、通常制御の処理を実行する。ここでの通常制御とは、上記のウォータポンプ2の運転判断、及びクラッチ部20の切替制御におけるステップS12〜ステップS15の処理である。ECU10はステップS23の処理を終えるとステップS24へ進む。
ECU10はステップS24において、クラッチ部20の係合回数をメモリに記憶する。係合回数により、クラッチ板211の磨耗状態を判断することができる。ECU10はステップS24の処理を終えるとリターンとなる。
ところで、ECU10はステップS22において、NOと判断する場合、すなわち、バッテリー15の電圧が所定値以上でないと判断すると、ステップS25へ進む。なお、電流値で判断する場合、ECU10は、バッテリー15の電流が所定値以上でないと判断すると、ステップS25へ進む。
ECU10はステップS25において、クラッチ部20を開放し、水止めを行うとともに、エコランを禁止する。さらに、パネル上の警告灯を点灯させてドライバーに異常を通知する。バッテリー15の電圧が低下している状態では、クラッチ部20の係合が緩むことにより、クラッチ板211が滑り、磨耗が進行するおそれがあるため、クラッチ部20を開放し、エコランも中止する。ECU10はステップS25の処理を終えると、ステップS26へ進む。
ECU10はステップS26において、エンジン100のクランキングを開始する。すなわち、エンジン100が始動する。ECU10はステップS26の処理を終えるとステップS27へ進む。
ECU10はステップS27において、バッテリー15の電圧が復帰したか否かを判断する。ステップS26において、クランキングが開始されるため、オルタネータ17の発電によりバッテリー15の電圧が復帰する場合がある。ECU10はステップS27において、YESと判断する場合、すなわち、バッテリー15の電圧が復帰した場合、ステップS23へ進む。
一方、ECU10はステップS27において、NOと判断する場合、すなわち、バッテリー15の電圧が復帰していない場合、ステップS28に進む。
ECU10はステップS28において、エンジンの始動後、所定時間経過したか否かを判断する。エンジン100の始動後、所定時間経過した場合、エンジン100の暖機が進行していることが考えられるため、冷却水を循環させるためにウォータポンプ2の運転を行うための制御へ進む。ECU10はステップS28でYESと判断する場合、すなわち、エンジン100の始動後、所定時間経過している場合、ステップS23へ進む。
ECU10は、ステップS28において、NOと判断する場合、すなわち、エンジン100の始動後、所定時間が経過していない場合、再度、ステップS27へ進む。従って、バッテリー15の電圧が復帰しておらず、エンジン100の始動後、所定時間経過していない場合、ステップS27、ステップS28の処理を繰り返す。
以上の制御について、詳細に説明する。バッテリー15の電圧が低下することにより、始動時にエンジン100のスタータに電圧が印加され、大きな電力が消費されるため、コイル27へ通電する電流が減少する。このため、クラッチ部20の係合状態を維持することができず、クラッチ板211がプーリ24に対して滑り、磨耗を進行させる場合がある。このようなコイル27への通電が減少することによるクラッチ部20の係合が維持できなくなる状態は、クラッチ板211が滑っているのか否かの判断が困難であり、クラッチ板211の磨耗限界を判断することを阻害する要因になる。このため、磨耗限界を超えてしまい、ウォータポンプ2を運転できなくなる場合や、逆に磨耗限界まで余裕があるのにもかかわらず、クラッチ部20の係合、開放を停止してしまい、燃費向上の効果を損なう場合が発生する。本制御では、このようなコイル27への通電が減少することにより、クラッチ板211が滑ることを防止する。これにより、クラッチ板211の磨耗限界の予測精度を向上し、ウォータポンプ2の運転不能を防ぐとともに、ウォータポンプ2の運転停止による暖機向上、及び燃費向上効果を得る。
また、バッテリー15の電圧が低下した状態では、エンジン100の始動時におけるクラッチ部20の係合をキャンセルし、エンジン100の始動後、オルタネータ17で発電し、バッテリー15の電圧が復帰し安定した後、クラッチ部20の係合を行う。この場合の利点として係合回数は増えるものの予測不能なクラッチ磨耗を防ぐことができる。
同様に、バッテリー15の劣化が考えられる場合も、バッテリー15の電圧が低下しているため、クランキング時には、クラッチ板211を開放して、動作し、バッテリー15の電圧が安定した後にクラッチ部20の係合を行う。これにより、クラッチ板211の予測不能な磨耗を防止する。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
例えば、本実施の形態では、電磁式のクラッチについて説明したが、電磁式以外のクラッチでも同様の方針で同様の制御を実施することができる。
1 制御装置
2 ウォータポンプ
20 クラッチ部
211 クラッチ板
3 エンジン本体
10 ECU
15 バッテリー
18 クランクシャフト
100 エンジン
2 ウォータポンプ
20 クラッチ部
211 クラッチ板
3 エンジン本体
10 ECU
15 バッテリー
18 クランクシャフト
100 エンジン
Claims (8)
- 自動停止、及び自動始動を行う内燃機関のクランクシャフトの回転を前記内燃機関内の冷却水を循環させるウォータポンプへ伝達する内燃機関の制御装置であって、
前記内燃機関の始動要求時に前記クラッチの係合または開放を決定する決定手段と、
前記内燃機関のクランキング開始前に、前記クラッチを前記決定手段の決定結果に基づく係合状態とする制御手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1記載の内燃機関の制御装置において、
前記決定手段は、前記内燃機関の始動要求時における前記内燃機関の暖機状態に基づき、前記クラッチの係合または開放を決定することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1または2記載の内燃機関の制御装置において、
前記クラッチのクラッチ板の磨耗状態を推定する推定手段を備え、
前記推定手段により前記クラッチ板の磨耗量が所定値以上と判断されるとき、前記クラッチの開放を禁止することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項3記載の内燃機関の制御装置において、
前記内燃機関の暖機時において前記クラッチの開放を禁止することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項3または4記載の内燃機関の制御装置において、
前記推定手段は前記クラッチの係合回数に基づいて、前記クラッチの磨耗量を推定することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1乃至5のいずれか一項記載の内燃機関の制御装置において、
前記クラッチのクラッチ板の磨耗状態を推定する推定手段と、
前記内燃機関の自動停止、及び自動始動を行うシステムと、
を備え、
前記推定手段により前記クラッチ板の磨耗量が所定値以上と判断されるとき、前記システムによる前記内燃機関の自動停止、及び自動始動を禁止することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1乃至6のいずれか一項記載の内燃機関の制御装置において、
前記内燃機関の自動停止、及び自動始動を行うシステムと、
バッテリーの電圧状態に基づいて、前記内燃機関の自動停止及び自動始動の実行可否を判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1乃至6のいずれか一項記載の内燃機関の制御装置において、
前記内燃機関の自動停止、及び自動始動を行うシステムを有し、
前記システムによる前記内燃機関の自動始動時にバッテリーの電圧が所定値以下の場合、前記内燃機関のクランキング開始以前における前記クラッチの係合を禁止することを特徴とする内燃機関の制御装置。
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