本発明においてその目的を達成するに好ましい装置の構成を以下に詳述する。まず、本発明に用いる熱処理装置の概略を図を用いて説明する。図1は本発明の熱処理装置の一例を示した断面斜視図である。
原料供給手段(8)に供給されたトナー粒子は、圧縮気体供給手段(不図示)により供給される圧縮気体により加速され、原料料供給手段(8)出口部に設けられた、第1のノズル(9)と第2のノズル(10)とで形成される空間を通過して、装置内において径方向外側に向けて環状に噴射される。更に原料供給手段(8)内部には、管状部材1(6)及び管状部材2(7)が設けられ、各々の管状部材内部にも圧縮気体が供給される。管状部材1(6)内を通過した圧縮気体は、第1ノズル(9)と第2ノズル(10)とで形成される空間を通過する。管状部材2(7)は、第2ノズル(10)を貫通し、第2ノズル(10)内側において、管状部材2(7)出口部より第2ノズル(10)の内面に向けて圧縮気体が噴射される。
本装置において、原料供給手段(8)の外周面に近接あるいは水平方向に対して距離を隔てた位置に環状に熱風供給手段(2)が設けられている。更にその外側及び下流側には、熱処理されたトナーを冷却、更には装置内の温度上昇によりトナー粒子の合一、融着を防止するための冷風供給手段1(3)、2(4)及び3(5)が設けられている。
熱風供給手段(2)は、水平方向において原料供給手段(8)の外周部に対して距離を隔てた位置に環状に設けられている。これは第1及び第2ノズルの出口部分が、供給される熱風によって熱せられ、出口部分から噴射されるトナー粒子が溶融、付着するのを防ぐためである。
本装置では、冷風供給手段1(3)、2(4)、3(5)から供給される冷風は、装置水平断面において各々複数に分割導入されるのが望ましい。本実施例では4分割導入される仕組みとなっている。これは装置内の風の流れを均一に制御しやすくするためであり、4分割された導入路における冷風の風量は独立して制御可能である。
本発明の装置において、原料供給手段(8)出口部に設けられた第1ノズル(9)の原料供給方向下流端は、熱風供給手段(2)下流端よりも下方若しくは同じに位置するのがより望ましい。
これは熱処理装置内に噴射されたトナー粒子が、第1ノズル(9)及び第2ノズル(10)出口部において乱流を発生し、装置上部へと巻き上がる流れとなり、熱風供給手段(2)より供給される熱によりトナー粒子が溶融した際に装置上部に滞留しやすくなり、熱処理されたトナー粒子が長く存在し、合一しやすい状態をつくりだしてしまうためである。加えて巻き上がる流れにのった溶融したトナー粒子が装置上面に付着した場合、融着につながることも懸念される。
加えて第1ノズル(9)の下流端と第2ノズル(10)の下流端の位置においては、鉛直方向で同じ若しくは、第2ノズル(10)の方が下流側に位置することがより望ましい。
これは第1ノズル(9)の方が上流側に位置した場合、圧縮気体により搬送されたトナー粒子が、第1ノズル(9)及び第2ノズル(10)により形成される空間を通過する際に熱風に向けて環状に噴射される状態が小さく、供給される熱風を通過するトナー粒子が減っていくことが挙げられる。逆に第2ノズル(10)が第1ノズル(9)よりも下方に位置すると、第1ノズル(9)及び第2ノズル(10)で形成される空間の出口部分は装置外側に向いており、熱風に向けてトナー粒子がより噴射されやすくなるため、十分に熱処理され平均円形度が高くなる傾向となる。
装置内に噴射されたトナー粒子は、熱風供給手段(2)より供給された熱風に向けて噴射され熱処理されることで球形化される。
更に、熱球形化装置として、本発明の装置を用いる場合のために、トナー粒子の融着防止を目的として、原料供給手段(8)の外周部、装置外周部、熱風供給手段内周部、回収手段外周部には、冷却ジャケットが設けられている。尚該冷却ジャケットには冷却水(好ましくはエチレングリコール等の不凍液)を導入することが望ましい。
また原料供給手段(8)と第1ノズル(9)とは一体的に構成され、かつ冷却ジャケット化されることで冷却効率を高めることができる。原料供給手段(8)上流部から第1ノズル(9)に至る原料供給路において、原料供給手段(8)上流端の径よりも第1ノズル(9)に接続する部分の径の方が小さく設計されている。いわゆるテーパー形状となっていることがより好ましい。これは供給されたトナー粒子が、一度第1ノズル(9)入り口において、流速が加速されるため、よりトナー粒子の分散を補助することが可能となるためである。
装置内に供給される熱風は、熱風供給手段(2)出口部における温度C(℃)が100≦C≦450であることが望ましい。
温度が100℃未満の場合にはトナー粒子の球形化処理にばらつきが生じる場合があり、トナーの転写性の面で好ましくない。また、450℃を超える場合には溶融状態が進みすぎる事でトナー粒子同士の合一が進み、トナーの粗大化や融着が生じる場合があり好ましくない。
熱処理されたトナー粒子は、冷風供給手段1(3)により冷却される。この時、装置内の温度管理、トナー粒子の表面状態をコントロールする目的で、装置の本体側面に設けた冷風供給手段2(4)から冷風を導入しても良い。冷風供給手段2(4)の出口部はスリット形状、ルーバー形状、多孔板形状、メッシュ形状等を用いる事ができ、導入方向は中心方向へ水平、装置壁面に沿う方向か、目的に応じて選択可能である。
この時、上記冷風供給手段1(3)内及び冷風供給手段2(4)内の温度E(℃)は−20≦E≦20であることが好ましい。これら冷風温度が−20℃未満の場合には装置内の温度が下がりすぎてしまい、本来の目的である熱による球形化が十分に為されず、トナーの転写性能を向上させることができない場合があり、好ましくない。また、20℃を超える場合には、装置内における熱風ゾーンの制御が不十分かつ冷却効率が低下し、粒子同士の合一が進み、トナー粒子の粗大化が生じる場合があり好ましくない。
本発明の装置には、冷却されたトナー粒子が回収手段(13)に移送されるのを補助するため及び回収手段を冷却するための冷却搬送手段(冷風供給手段)(5)が設けられている。
回収手段(13)の下流側にはブロワー(不図示)が設けられ、ブロワーにより吸引搬送される構成となっている。
本装置において、装置内に供給される圧縮気体及び熱風及び冷風の流量の総量QINと、ブロワーにより吸引される風量QOUTの関係は、QIN≦QOUTの関係となるように調整されるのが好ましい。
これは、QIN>QOUTの場合、装置内の圧力が正圧となり、噴射されたトナー粒子が装置内に滞留しやすくなり、熱を過剰に受け合一粒子の増加及び装置内での融着の増加につながるためである。
次に、図を用いて、球形化装置内に具備した原料供給手段及び各ノズルについて説明する。図2は本発明による原料供給手段(8)及び各ノズル(9、10)の一例を示した部分断面斜視図である。
図に示す通り、原料供給手段(8)は筒状であり、出口部において第1ノズル(9)を有する構造を取っている。原料供給手段(8)の上流側から第1ノズル(9)に至る経路は、上流から下流に向かってテーパー状に絞られた形状となっている。更に原料供給手段(8)は全体がジャケット化されており、冷却機構も具備する。
第1ノズル(9)の内側には第2ノズル(10)が設けられている。
原料供給手段(8)軸中心部には、管状部材1(6)が設けられ、管状部材1(6)の下端は第2ノズル(10)の上端部より上方まで設けられた構成となっており、管状部材1(6)内には圧縮気体が導入され、第2ノズル(10)の外面に向けて圧縮気体が噴射される。噴射された圧縮気体により、第1ノズル(9)と第2ノズル(10)とで形成される空間を通過したトナー粒子は加速されかつより分散され装置内に噴射される。
更に管状部材1(6)の内側には管状部材2(7)が設けられ、管状部材2(7)は第2ノズル(10)と接続する。管状部材2(7)は第2ノズル(10)を貫通し、内面まで達しており、下流端において、第2ノズル(10)内面に向けて圧縮気体を噴射する噴射手段(11、12)が具備される。第1ノズル(9)と第2ノズル(10)とからなる空間から噴射されたトナー粒子が、その出口部において第2ノズル(10)内面に向かって巻き上がる流れを発生させることがある。その巻き上がる流れにのったトナー粒子が第2ノズル(10)の内面に付着し、融着を発生させることがあるため第2ノズル(10)内面に向けて圧縮気体を噴射している。加えて上記巻き上がる流れに乗ったトナー粒子は、供給される熱風に当たることができないため、未処理の状態となるので、未処理トナー粒子を作り出さないためにも、第2ノズル(10)内面に圧縮気体を導入し、トナー粒子の拡散状態を維持する。噴射手段として用いているのはスピニングノズル(11)或いはスプレーノズル(12)(いずれもスプレーイングシステムジャパン(株)製)等が用いられる。
原料供給手段(8)の軸中心鉛直断面において、前記第1ノズル(9)と前記第2ノズル(10)における各々の稜線が、原料供給方向上流から下流に向かって広がる角度αとβとの関係は、α≦βであることがより望ましい。これは噴射されるトナー粒子の流速を維持もしくは加速させるために必要となるためあり、このような関係にすることで噴射されたトナー粒子の拡散状態を良好に保つことが可能となる。加えてαとβは各々、20≦α≦120(°)、40≦β≦140(°)であることが望ましい。
更に、第2ノズル(10)は、その下流端部において、連続的或いは断続的に径方向に広がる形状(返し部(10A))を有しているものがより好ましい(図2)。本構成にすることで、供給される熱風に対してより早い段階でトナー粒子が通過可能となり、熱処理後の冷却も十分に行え、より合一粒子の増加を抑えることが可能となる。
上記α、βともに角度が範囲を超えて小さい場合には、噴射されたトナー粒子が十分に拡散されない場合があり、熱処理が十分になされない可能性がある。それ故、熱処理されたトナー粒子の平均円形度が低下する傾向を示すようになる。逆に角度が範囲を超えて大きい場合には、噴射されたトナー粒子が乱流により巻き上がる気流にのって装置上部での付着、融着につながる可能性がある。それ故、トナー粒子の合一が増加し、粗大粒子の増加傾向を示すようになる。それを防止するために、原料供給手段をより下方に下げることで融着などは防止することができるが、その場合には熱風供給手段(2)からの距離が離れるために、こちらも熱処理が十分にできなくなる可能性がある。
上述の構成の装置を用いてトナー粒子を球形化するメカニズムについて図3を用いて説明する。
原料供給手段(8)より放射状に拡散されたトナー粒子は、その外側から環状に供給された熱風により形成された熱処理ゾーンを通過することで球形化処理され、冷風1(3)及び冷風2(4)により冷却される。さらに詳しく説明すると、第1ノズル(9)と第2ノズル(10)により形成された空間を通過するトナー粒子は、管状部材1(6)より供給される圧縮気体により、その流速がさらに加速され、より広く装置内に拡散する。この際にノズル出口部においては、乱流が発生し、とくに第2ノズル(10)内側に巻き込むような気流が発生する。そのために本発明では、第2ノズル(10)の内面に向けて圧縮気体を流す構成をとることで、この乱流による巻き上がりを防止している。このようにすることで熱処理されたトナー粒子が合一や融着することなく、かつ均一に球形化処理される。加えて上記巻き上がる流れに乗ったトナー粒子は、供給される熱風に当たることができないため、未処理の状態となるので、未処理トナー粒子を作り出さないためにも、第2ノズル(10)内面に圧縮気体を導入し、トナー粒子の拡散状態を維持する。
次に、本発明のトナーを製造する手順について説明する。本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤、ワックス、及び任意の材料を溶融混練し、これを冷却して粉砕し、必要に応じて粉砕物の球形化処理や分級処理を行い、これに必要に応じて流動化剤を混ぜることによって製造することが可能である。
以下に具体例を示す。
まず、原料混合工程では、トナー内添剤として、少なくとも樹脂、着色剤及びワックスを所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等がある。
更に、上記で配合し、混合されたトナー原料を溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中に着色剤等を分散させる。その溶融混練工程では、例えば、加圧ニーダー、バンバリィミキサー等のバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。近年では、連続生産できる等の優位性から、一軸又は二軸押出機が主流となっており、例えば、神戸製鋼所社製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型二軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製二軸押出機、ブス社製コ・ニーダー等が一般的に使用される。更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
そして一般的には上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕され、更に、川崎重工業社製のクリプトロンシステム、日清エンジニアリング社製のスーパーローター等で粉砕され、粉砕品を得る。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)等の分級機等の篩分機を用いて分級し、分級品を得る。
本発明のトナーは、上記粉砕品を得た後、図1で表される表面改質装置を用いて、表面改質を行い、続いて分級をすることにより得られ、または、上記分級品の表面改質を行うことより得られる。
更に、外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナーと公知の各種外添剤を所定量配合し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合する方法が挙げられる。
なお、本発明の表面改質装置を用いた表面改質工程は上記分級後であっても良いし、外添処理後でもよい。
尚、上記粉砕品または分級品または外添品を本表面改質装置に定量供給する定量供給工程は、定量供給機FS型(粉研パウテックス社製)、ファイントロンFT(ホソカワミクロン社製)などの供給機から供給された上記粉砕品または分級品または外添品を、圧縮空気にて搬送することで行われる。
本発明の重量平均径(D4)が4μm以上12μm以下のトナーの製造方法としては、一般的な製造装置を用いて、微粉砕または分級、外添されたトナー粒子またはトナーを本表面改質装置にて処理し、所望の円形度及び粒子径が得られれば、特に限定するものではない。重量平均径(D4)が4μm未満のトナー粒子またはトナーを処理する場合、処理量と装置稼働条件のバランス取りが困難な場合がある。また、重量平均径(D4)が12μm超えのトナー粒子またはトナーを処理する場合も同様である。
次に本発明のトナーの製造方法に用いるトナー構成材料について説明する。
本発明で用いられる結着樹脂としては、公知の樹脂が用いられるが、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン誘導体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族石油樹脂が挙げられ、これらの樹脂は単独もしくは混合して用いても良い。
これらの中で、本発明の結着樹脂として好ましく用いられる重合体としては、スチレン系共重合体とポリエステルユニットを有する樹脂である。
スチレン系共重合体に用いる重合性モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。例えば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如き不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体。
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明ではポリエステルユニットを有する樹脂が特に好ましく用いられる。
前記「ポリエステルユニット」とは、ポリエステルに由来する部分を意味し、ポリエステルユニットを構成する成分としては、具体的には、2価以上のアルコールモノマー成分と2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分が挙げられる。
本発明に用いられるトナーは、これらのポリエステルユニットを構成する成分を原料の一部とし、縮重合された部分を有する樹脂を用いることができる。
例えば、2価以上のアルコールモノマー成分として、具体的には、2価アルコールモノマー成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコールモノマー成分としては、例えばソルビット、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
2価のカルボン酸モノマー成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6乃至18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
3価以上のカルボン酸モノマー成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸等が挙げられる。
また、その他のモノマーとしては、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類等が挙げられる。
本発明で使用される着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;磁性体;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調整したものが挙げられる。
マゼンタトナー用着色顔料しては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、150、163、166、169、177、184、185、202、206、207、209、220、221、238、254、269;C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35が挙げられる。
着色剤には、顔料単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点から好ましい。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.Iソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの如きの塩基性染料。
シアントナー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、2、3、7、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66;C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチルを1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料。
イエロー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74,83、93、95、97,109、110、111、120、127、128、129、147、155、168、174、180、181、185、191;C.I.バットイエロー1、3、20が挙げられる。また、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、ソルベントイエロー162などの染料も使用することができる。
また、上記トナーにおいて、結着樹脂に予め、着色剤を混合し、マスターバッチ化させたものを用いることが好ましい。そして、この着色剤マスターバッチとその他の原材料(結着樹脂及びワックス等)を溶融混練させることにより、トナー中に着色剤を良好に分散させることが出来る。
結着樹脂に着色剤を混合し、マスターバッチ化させる場合は、多量の着色剤を用いても着色剤の分散性を悪化させず、また、トナー粒子中における着色剤の分散性を良化し、混色性や透明性等の色再現性が優れる。また、転写材上でのカバーリングパワーが大きいトナーを得ることが出来る。また、着色剤の分散性が良化することにより、トナー帯電性の耐久安定性が優れ、高画質を維持した画像を得ることが可能となる。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは0.1乃至30質量部であり、より好ましくは0.5乃至20質量部であり、最も好ましくは3乃至15質量部である。
本発明においては、トナーの性能を向上させる目的で、トナー粒子に、流動化剤、転写助剤、帯電安定化剤などの外添剤をヘンシェルミキサーの如き混合機で混合して用いることができる。
また、流動化剤としては、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものであれば、どのようなものでも使用可能である。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;酸化チタン微粉末、アルミナ微粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ;それらをシラン化合物、及び有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカを使用することが可能である。
また酸化チタン微粉末であれば、硫酸法、塩素法、揮発性チタン化合物例えばチタンアルコキシド,チタンハライド,チタンアセチルアセトネートの低温酸化(熱分解,加水分解)により得られる酸化チタン微粒子が用いられる。結晶系としてはアナターゼ型,ルチル型,これらの混晶型,アモルファスのいずれのものも用いることができる。
そしてアルミナ微粉末であれば、バイヤー法、改良バイヤー法、エチレンクロルヒドリン法、水中火花放電法、有機アルミニウム加水分解法、アルミニウムミョウバン熱分解法、アンモニウムアルミニウム炭酸塩熱分解法、塩化アルミニウムの火焔分解法により得られるアルミナ微粉体が用いられる。結晶系としてはα,β,γ,δ,ξ,η,θ,κ,χ,ρ型、これらの混晶型、アモルファスのいずれのものも用いられ、α,δ,γ,θ,混晶型,アモルファスのものが好ましく用いられる。
前記微粉体は、その表面がカップリング剤やシリコーンオイルによって疎水化処理をされていることがより好ましい。
微粉体の表面の疎水化処理方法は、微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的、または物理的に処理する方法である。
上記疎水化処理方法として好ましい方法は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粒子を有機ケイ素化合物で処理する方法である。そのような方法に使用される有機ケイ素化合物の例は、以下のものが挙げられる。ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
上記流動化剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが流動性付与性の観点で好ましい。トナー100質量部に対して流動化剤0.1乃至8.0質量部、好ましくは0.1乃至4.0質量部使用するのが良い。
本発明においては、ドット再現性をより向上させるために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが、また長期にわたり安定した画像が得られるという点で好ましい。
磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉、或いは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、フェライト等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)、一般に公知のものを使用できる。
本発明のトナーを磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際のキャリア混合比率は、現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
上記トナーの各種物性の測定法について以下に説明する。
<粒度分布の測定>
粒度分布については、種々の方法によって測定できるが、本発明においてはコールター・カウンターのマルチサイザーを用いて行った。
<重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、分析/個数統計値(算術平均)画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
<微粉量の算出方法>
トナー中の個数基準の微粉量(個数%)は、以下のようにして算出する。
例えば、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は、前記のMultisizer 3の測定を行なった後、(1)専用ソフトでグラフ/個数%に設定して測定結果のチャートを個数%表示とし、(2)書式/粒径/粒径統計画面における粒径設定部分の「<」にチェック、その下の粒径入力部に「4」を入力する。そして、(3)分析/個数統計値(算術平均)画面を表示したときの「<4μm」表示部の数値が、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%である。
<粗粉量の算出方法>
トナー中の体積基準の粗粉量(体積%)は、以下のようにして算出する。
例えば、トナー中の10.0μm以上の粒子の体積%は、前記のMultisizer 3の測定を行なった後、(1)専用ソフトでグラフ/体積%に設定して測定結果のチャートを体積%表示とし、(2)書式/粒径/粒径統計画面における粒径設定部分の「>」にチェック、その下の粒径入力部に「10」を入力する。そして、(3)分析/体積統計値(算術平均)画面を表示したときの「>10μm」表示部の数値が、トナー中の10.0μm以上の粒子の体積%である。
<トナー粒子の平均円形度の測定>
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定・解析条件で測定した。
具体的な測定方法としては、イオン交換水20mlに、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を適量加えた後、測定試料0.02gを加え、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製など)を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とした。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測して、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径2.00μm以上、200.00μm以下に限定し、トナー粒子の平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke Scientific社製5200Aをイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用し、解析粒子径を円相当径2.00μm以上、200.00μm以下に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<トナーの比表面積BETの測定>
BET比表面積は、比表面積測定装置Tristar3000(島津製作所社製)を用いて行う。
トナーの比表面積は、BET法にしたがって、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて、比表面積を算出する。比表面積の測定前には、試料管に資料を約2g精秤し、室温で24時間真空引きを行う。真空引き後、サンプルセル全体の質量を測定し、空サンプルセルとの差から試料の正確な質量を算出する。
BET測定装置のバランスポート及び分析ポートに空のサンプルセルをセットする。次に、所定の位置に液体窒素の入ったデュワー瓶をセットし、飽和蒸気圧(P0)測定コマンドにより、P0を測定する。P0測定終了後、分析ポートに調製されたサンプルセルをセットし、サンプル質量及びP0を入力後、BET測定コマンドにより測定を開始する。後は自動でBET比表面積が算出される。
<トナーの吸熱ピーク数及び最大吸熱ピークの極大温度の測定>
温度曲線:昇温I(30℃乃至200℃、昇温速度10℃/min)
降温I(200℃乃至30℃、降温速度10℃/min)
昇温II(30℃乃至200℃、昇温速度10℃/min)
トナーの最大吸熱ピークは、示差走査熱量計(DSC測定装置)DSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
測定試料は3乃至7mg、好ましくは4乃至5mgを精密に秤量する。それをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下(23℃/50%RH)で測定を行う。
吸熱ピーク数は、昇温IIの過程のピークトップ数とする。最大吸熱ピーク温度は、昇温IIの過程でのピークの中で、吸熱が最も大きいピークのトップとなる温度を測定する。
<GPCによる分子量(メインピーク)の測定(トナー)>
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)によるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.5質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を100μm注入して測定する。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、103乃至2×106の分子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラムを複数組み合わせるのが良く、例えば、Waters社製のμ−styragel 500、103、104、105の組み合わせや、昭和電工社製のshodex KA−801、802、803、804、805、806、807の組み合わせが好ましい。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の、分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。
以下、本発明の実施例および比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例及び比較例を検討するために用いられたトナー粒子について説明する。
処方A
・ポリエステルユニットを有する樹脂(重量平均分子量(Mw)82000,数平均分子量(Mn)3400、ピーク分子量(Mp)8200) 100質量部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピーク温度78℃) 5質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1.0質量部
・C.I.ピグメンブルー15:3 5質量部
<トナー粒子A−1>
上記処方Aの材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した後、温度120℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られたトナー粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて粉砕し、トナー微粒子を得た。
更に得られたトナー微粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、6.2μm≦D4≦6.8μm、20個数%≦粒径4.0μm以下のトナー粒子≦35個数%、1.0体積%≧粒径10.0μm以上のトナー粒子となるように装置条件を調整することで分級した。
得られたトナー粒子は重量平均粒径(D4)が6.2μm、粒径4.0μm以下のトナー粒子が26.7個数%であり、粒径10.0μm以上のトナー粒子が0.2体積%であった。更に、FPIA3000にて円形度を測定した結果、平均円形度が0.935であった。
<トナー粒子A−2>
上記処方Aにて得られたトナー微粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、8.2μm≦D4≦8.8μm、20個数%≦粒径4.0μm以下のトナー粒子≦35個数%、1.0体積%≧粒径10.0μm以上のトナー粒子となるように装置条件を調整することで分級した。
得られたトナー粒子は重量平均粒径(D4)が8.5μm、粒径4.0μm以下のトナー粒子が22.7個数%であり、粒径10.0μm以上のトナー粒子が0.8体積%であった。更に、FPIA3000にて円形度を測定した結果、平均円形度が0.938であった。
処方B
・ポリエステルユニットを有する樹脂(重量平均分子量(Mw)82000,数平均分子量(Mn)3400、ピーク分子量(Mp)8200) 100質量部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピーク温度78℃) 2質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1.0質量部
・C.I.ピグメンブルー15:3 5質量部
<トナー粒子B−1>
上記処方Bの材料を処方Aと同様の製法にて、トナー微粒子を得た。
更に得られたトナー微粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、6.2μm≦D4≦6.8μm、20個数%≦粒径4.0μm以下のトナー粒子≦35個数%、1.0体積%≧粒径10.0μm以上のトナー粒子となるように装置条件を調整することで分級した。
得られたトナー粒子は重量平均粒径(D4)が6.2μm、粒径4.0μm以下のトナー粒子が25.7個数%であり、粒径10.0μm以上のトナー粒子が0.4体積%であった。更に、FPIA3000にて円形度を測定した結果、平均円形度が0.936であった。
<トナー粒子B−2>
上記処方Bにて得られたトナー微粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、8.2μm≦D4≦8.8μm、20個数%≦粒径4.0μm以下のトナー粒子≦35個数%、1.0体積%≧粒径10.0μm以上のトナー粒子となるように装置条件を調整することで分級した。
得られたトナー粒子は重量平均粒径(D4)が8.5μm、粒径4.0μm以下のトナー粒子が23.3個数%であり、粒径10.0μm以上のトナー粒子が0.7体積%であった。更に、FPIA3000にて円形度を測定した結果、平均円形度が0.937であった。
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
図1に示した装置を用いてトナー粒子の球形化処理を行った。
第1ノズルの下端の最外径はΦ77、第2ノズルの下端の最外径はΦ71とし、また管状部材1の最外径はΦ15mm、管状部材2の最外径はΦ8mmとし、また熱風供給手段及び冷風1の供給部分は装置の内径をΦ450mmとした。熱風供給手段出口部は、内径φ200mm、外径φ300mmとし、冷風供給手段1は、内径φ350mm、外径φ450mmに配置した。
尚、本実施例においては、原料供給手段及び第1ノズルは一体的に構成され、かつジャケット化されている。
更に、第1ノズルの稜線角度α=40°、第2ノズルの稜線角度β=60°とし、第2ノズルの下端部には返し部が設けられている。
第1ノズルの下端と第2ノズルの下端の鉛直距離(H1)は5mmである。また第1ノズルの下端と熱風供給手段出口部との鉛直距離(H2)は10mmである。尚、H1及びH2は装置下方側をプラスとし、上方側に位置する場合はマイナス表示とした。
噴射手段としてはスピニングノズルを用いた。
上記構成の装置を用いて、トナー粒子A−1を熱処理した。
このときの運転条件は、フィード量(F)=15kg/hr、熱風温度(T1)=250℃、熱風風量(Q1)=6.0m3/min、冷風1総量(Q2)=3.0m3/min、冷風2総量(Q3)=1.0m3/min、冷風3総量(Q4)=3.0m3/min、冷風温度(T2)=5℃、ブロワ−風量(Q5)=23.0m3/min、インジェクション流量(IJ)=2.4m3/min、管状部材1内流量(K1)=0.4m3/min、管状部材2内流量(K2)=0.2m3/minであり、運転時間は1時間とした。
これら運転条件については表1にまとめ、装置構成については表2にまとめた。
このとき得られた球形化処理トナー粒子の粒度分布は、重量平均粒径が、6.4μmであり、粒径4.0μm以が25.8個数%であり、10.0μm以上が4.8体積%であった。また平均円形度は0.982であった。
次に、フィード量(F)を40kg/hrに変更し、その他の運転条件は変更せずに熱処理を行った。
このとき得られた球形化処理トナー粒子の粒度分布は、重量平均粒径が、6.7μmであり、粒径4.0μm以が23.9個数%であり、10.0μm以上が7.7体積%であった。また平均円形度は0.978であった。
夫々得られた粒度分布において、10.0μm以上の数値に着目して以下の基準にて評価した。
(評価基準1)
処理量を増加させた際の10.0μm以上のトナー粒子の増加率(=40kg/hr時の体積%−15kg/hr時の体積%)が
A:0(体積%)以上3.0(体積%)未満
B:3.0(体積%)以上5.0(体積%)未満
C:5.0(体積%)以上10.0(体積%)未満
D:10.0(体積%)以上15.0(体積%)未満
E:15.0(体積%)以上
(評価基準2)
装置内における融着の有無
無し:○
有り:×
評価基準1、2により評価した結果、フィード量を増加させた際にも、融着の発生も無く、10.0μm以上のトナー粒子の増加を抑制することができた。またフィード量を増加しても平均円形度の低下も小さく抑えられている。
これらの結果を表3にまとめた。
<実施例2>
本実施例では、トナー粒子A−2を用いた以外は、実施例1と同様にして球形化処理を行った。運転条件及び装置構成は表1及び2に示す通りである。
結果は表3に示す通りである。
<実施例3>
本実施例では、トナー粒子B−1を用いた以外は、実施例1と同様にして球形化処理を行った。運転条件及び装置構成は表1及び2に示す通りである。
結果は表3に示す通りである。
<実施例4>
本実施例では、トナー粒子B−2を用いた以外は、実施例1と同様にして球形化処理を行った。運転条件及び装置構成は表1及び2に示す通りである。
結果は表3に示す通りである。
<実施例5乃至27>
実施例1の装置において、装置構成を表2に示すように変更した以外は同様にして球形化処理を行った。運転条件は表1に示す通り。
結果は表3に示す通りである。
<比較例1>
本比較例では、図5に示した装置を用いて球形化処理を行った。トナー粒子供給ノズルは16個を配置している。
使用したトナー粒子はトナー粒子A−1である。
まず、フィード量=15kg/hr、熱風温度=250℃、熱風流量=12.0m3/min、冷風=5.0m3/min、インジェクション流量=3.0m3/minとした。運転時間は1時間とした。
このとき得られた球形化処理トナー粒子の粒度分布は、重量平均粒径が、6.5μmであり、粒径4.0μm以が25.1個数%であり、10.0μm以上が6.9体積%であった。また平均円形度は0.979であった。
次に、フィード量=40kg/hrとし、それ以外の運転条件は同様にして球形化処理を行った。
このとき得られた球形化処理トナー粒子の粒度分布は、重量平均粒径が、7.5μmであり、粒径4.0μm以が23.4個数%であり、10.0μm以上が17.3体積%であった。また平均円形度は0.973であった。
結果は表3に示す通りである。
<比較例2>
比較例1において、トナー粒子をトナー粒子A−2に変更した以外は同様にして球形化処理を行った。
結果は表3に示す通りである。
<比較例3>
比較例1において、トナー粒子をトナー粒子B−1に変更した以外は同様にして球形化処理を行った。
結果は表3に示す通りである。
<比較例4>
比較例1において、トナー粒子をトナー粒子B−2に変更した以外は同様にして球形化処理を行った。
結果は表3に示す通りである。
本比較例においては、ワックスの添加部数を増やした処方(処方A)の方で、フィード量を増加させた際の10.0μm以上のトナー粒子の増加の割合がより大きくなる傾向を示した。これは熱風に対してノズルから供給されたトナー粒子が分散不十分な状態で供給されるために、そもそも凝集したトナー粒子が熱処理されることで粗大粒子が増えることによる。ワックス添加部数が多くなればなる程、熱処理によるワックスの染み出しが多くなり、合一の影響を受け易くなる傾向にある。また本比較例を実施例と比べると、供給する熱風流量やインジェクション流量が多く、製造エネルギーの面からも好ましくないと考えられる。
<比較例5>
本比較例では、図6に示した装置を用いて球形化処理を行った。
使用したトナー粒子はトナー粒子A−1である。
まず、フィード量=15kg/hr、熱風温度=350℃、熱風流量=10.0m3/min、冷風=10.0m3/min、インジェクション流量=3.0m3/minとした。運転時間は1時間とした。
このとき得られた球形化処理トナー粒子の粒度分布は、重量平均粒径が、6.6μmであり、粒径4.0μm以が24.9個数%であり、10.0μm以上が8.3体積%であった。また平均円形度は0.980であった。
次に、フィード量=40kg/hrとし、それ以外の運転条件は同様にして球形化処理を行った。
このとき得られた球形化処理トナー粒子の粒度分布は、重量平均粒径が、8.1μmであり、粒径4.0μm以が22.1個数%であり、10.0μm以上が21.2体積%であった。また平均円形度は0.971であった。
更に、フィード量が40kg/hrにおける運転終了後装置内を観察したところ、トナー粒子供給ノズル下部に設けた拡散板にトナーの融着が認められた。このことは比較的短時間のサイクルでメンテナンスを要することを示唆しており、生産安定性の面で懸念がある。
結果は表3に示す通りである。
<比較例6>
比較例5において、トナー粒子をトナー粒子A−2に変更した以外は同様にして球形化処理を行った。
フィード量が40kg/hrにおける運転終了後装置内を観察したところ、トナー粒子供給ノズル下部に設けた拡散板にトナーの融着が認められた。このことは比較的短時間のサイクルでメンテナンスを要することを示唆しており、生産安定性の面で懸念がある。
結果は表3に示す通りである。
<比較例7>
比較例5において、トナー粒子をトナー粒子B−1に変更した以外は同様にして球形化処理を行った。
結果は表3に示す通りである。
<比較例8>
比較例5において、トナー粒子をトナー粒子B−2に変更した以外は同様にして球形化処理を行った。
結果は表3に示す通りである。
本比較例においては、ワックスの添加部数を増やした処方(処方A)の方で、フィード量を増加させた際の10.0μm以上のトナー粒子の増加の割合がより大きくなる傾向を示した。これはトナー粒子供給ノズルが熱風の中に挿入されているため、ノズル出口部に熱がこもり、そのためにトナー粒子が合一し、粗大粒子が増えることによる。ワックス添加部数が多くなればなる程、熱処理によるワックスの染み出しが多くなり、合一の影響を受け易くなる傾向にある。
また本比較例を実施例と比べると、供給する熱風流量や冷風流量、インジェクション流量が多く、熱風温度も高く、製造エネルギーの面からも好ましくないと考えられる。