本発明の熱処理装置は、
該粉体粒子の熱処理が行われる円筒状の内周面を有する処理室と;
該処理室に該粉体粒子を搬送するための搬送気体によって該粉体粒子を供給するための粉体粒子供給手段と;
供給された該粉体粒子を熱処理するための熱風を供給する熱風供給手段と;
該熱処理された該粉体粒子を冷却するための冷風を供給する冷風供給手段と;
該処理室に設けられた、該熱風と供給された該粉体粒子の流れを規制するための規制手段と;
該熱処理された該粉体粒子を該処理室外に排出する排出口とを有し、
該熱風供給手段は、該熱風の旋回速度と下降速度を調整する旋回部材を具備し、
該規制手段は、該熱風、もしくは、該熱風と該粉体粒子と該搬送気体より成る混合気体の下降速度を規制するように該円筒形状の処理室の中心軸上に、排出口側端部から、原料供給手段側端部に向けて突出するように配置された断面が円形である柱状部材であり、
該粉体粒子供給手段は、円筒状の該処理室の中心軸と直行する断面と該粉体粒子供給手段出口から導入される該粉体粒子の導入方向とにより成される角度α(°)が、
17(°)≦α≦37(°)
を満足し、該冷風供給手段は、円筒状の該処理室の中心軸と直行する断面と該冷風供給手段出口から導入される該冷風の導入方向とにより成される角度β(°)が、
17(°)≦β≦37(°)
を満足することを基本構成としている。
以下、好ましい実施の形態を挙げて上記構成の本発明を更に詳細に説明する。
まず、本発明に用いる熱処理装置の概略を、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7を用いて説明する。
図1は本発明による熱処理装置の一例を示した概略的斜視図である。また、図2は図1における、A−A’面での概略的断面図である。さらに図3は、本発明の熱処理装置に用いられる、熱風を螺旋状に旋回させるための旋回部材である。さらに図4は、本発明の熱処理装置に用いられる略円錐状の熱風分配部材の概略的断面図である。さらに図5は、本発明の熱処理装置に用いられる粉体供給手段の導入口の数を示す概略的断面図である。図6は、本発明の熱処理装置に用いられる粉体粒子供給手段から導入される粉体粒子とその搬送流体の導入方向を説明する概略的図である。図7は、本発明の熱処理装置に用いられる冷風供給手段から導入される冷風の導入方向を説明する概略的図である。
図1、図2に示したように、本発明の熱処理装置は、処理室1と、粉体粒子供給手段2と、熱風供給手段3と、冷風供給手段4と、規制手段5と、排出口6を持つ。
本発明の熱処理装置において、処理室1の形状は円筒形状であればよいが、処理室の内径T(mm)は、250(mm)≦T≦900(mm)であることが好ましい。処理室の内径が上記の範囲内であれば、熱処理粒子を効率よく製造することができる。処理室の内径T(mm)がT<250(mm)となると、処理室における粉体粒子の粉塵濃度が増加してしまい、粉体粒子の処理量を増加させることができない場合がある。また、900(mm)<Tとなると、ブロワーやヒーター、冷風発生装置などの熱処理装置の付帯設備を大型化しなくてはならず、トナーの製造エネルギー上好ましくない場合がある。
さらに処理室1の壁面は、粉体粒子の融着を防止するために、冷却ジャケットによって冷却されていることが好ましい。冷却ジャケットには冷却水(好ましくはエチレングリコール等の不凍液)を導入することが望ましく、冷却ジャケットの表面温度が40(℃)以下であることが好ましい。冷却ジャケットで冷却された処理室1の壁面の温度が40℃以下であることにより、ワックスを含有するトナー用粉体粒子を熱処理する際に、粉体粒子の表面にワックスが染み出し、付着力が増加しても、熱処理装置内のトナーの融着を軽減することができる。
本発明の熱処理装置における粉体粒子を熱処理するための熱風は、熱風供給手段3から供給される。
近年要求されるトナーの転写性の向上に対応するためには、熱処理されたトナー用粉体粒子の平均円形度は0.960以上であることが好ましく、更に好ましくは0.965以上であることが求められる。
このため、処理室内に供給される熱風は、熱風供給手段3の出口部における温度N(℃)が100(℃)≦N≦300(℃)であることが好ましい。熱風供給手段の出口部における温度が上記の範囲内であれば、粉体粒子を加熱しすぎることによる粉体粒子の融着や合一を防止しつつ、粉体粒子を均一に球形化処理することが可能となる。
尚、温度N(℃)が、N<100(℃)となると、粉体粒子の球形化が十分にできない場合がある。また、300(℃)<Nとなると、処理温度が高温すぎて、装置内で粉体粒子が融着することがある。
また、図3に示したように、本発明の熱風供給手段3は、熱風を処理室1において螺旋状に旋回させるための旋回部材8を具備している。
本発明の熱処理装置において、熱風を旋回させるための旋回部材8は、処理室内に熱風を螺旋状に旋回させて導入することができる構成であればよい。その構成としては、図3に示したように、熱風を旋回させるための旋回部材8が、複数のブレード9を有しており、その枚数や角度により、熱風の旋回を制御することができる。また、図3に示したように、本発明の熱処理装置において、熱風は複数のブレード9の間から螺旋状に導入されるため、その枚数が多いほどブレード間の隙間G(mm)が狭くなり、供給される熱風の流速が速くなる。本発明において、例えば処理室の内径Tが450mmの場合は、ブレードの隙間G(mm)は、5mm≦G≦40mmが好ましい。G<5mmでトナー用粉体粒子の熱処理を行う場合、熱風の流速が速すぎて熱処理温度を高温化しなくてはならない場合がある。また、40mm<Gの場合、処理室に導入された熱風の旋回速度が遅くなるため、粉体粒子に十分な遠心力を与えることができなくなり、熱処理時の粉体粒子の合一粒子が増加してしまう場合がある。
処理室内部に供給されたトナーは旋回流によって遠心力を受けながら熱処理される。その結果、粉体粒子の粒子同士の衝突が少なくなり、熱処理時の粉体粒子の合一粒子が減少し、形状の揃ったトナーを得ることができる。
また、本発明の熱処理装置の熱風供給手段の出口3aは、柱状部材5の上端部に対向している。また、この柱状部材は、その上端部の中心部に、供給された熱風を周方向に分配するための略円錐形状の分配部材7を具備している。
また、略円錐状の分配部材は図4に示したように、その断面が上流から下流に向けて広がっていればよく、7−aのように三角形であってもよいし、7−bのように台形であってもよい。さらには、図4の7−cに示したような形でもよいが、より熱風を均一分配できるのはその断面が三角形のときである。尚、図4の7−a、7−bに示した底辺の角度θ°は、5°≦θ≦85°が好ましく、さらに好ましいのは、30°≦θ≦75°のときである。
本発明の熱処理装置の熱風供給部がこのような構成をとることにより、熱風供給手段から供給された熱風は、円筒形状の処理室を均一に旋回しながら流れるようになる。
なお、熱風供給手段の旋回部材から処理室に導入された熱風の風速Vh(m/s)は、25(m/s)≦Vh≦85(m/s)であることが好ましい。熱風の流速が上記の範囲内であれば、トナーに与えるせん断力が向上し、より分散した状態で粉体粒子が熱処理される。
また、旋回部材から処理室に導入された熱風の風速Vh(m/s)が、Vh<25(m/s)となると、処理室における熱風旋回が弱まるため、粉体粒子が十分に回転せず、粉体粒子の分散が向上しない場合がある。また、85(m/s)<Vとなると、処理室における熱風の流速が速くなりすぎ、十分な熱処理が行われない場合がある。
本発明の熱処理装置において、粉体粒子を処理室に供給するための粉体粒子供給手段は、図2の粉体供給手段2に示すように熱風供給手段出口部3aよりも下流の装置外周部に複数設けられることを特徴とする。
また、粉体供給手段2は、処理室の側面に設けられており、粉体粒子は、高圧エア供給ノズル(図示せず)から供給される搬送流体により搬送され、処理室に供給される。
また、図5に示すように、該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように該処理室の外周部に設けられた本発明の熱処理装置の粉体供給手段の数は、好ましくは2〜16箇所であり、より好ましくは5〜12箇所である。該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように該処理室の外周部に設けられた粉体供給手段が5〜12から導入されると、熱処理時に、処理量を増加させても、熱処理した後のトナー用粉体粒子の平均円形度を保ちつつ、粉体粒子の合一粒子の増加を抑制することができる。
例えば処理室の内径Tが450mmの場合は、該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように該処理室の外周部に設けられた粉体粒子供給手段の数が、8箇所であることが好ましい。
該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように該処理室の外周部に設けられた粉体粒子供給手段の数が5〜12箇所であると、処理室に導入された粉体粒子は粉塵濃度が低下した状態で、かつ、隣り合う粉体粒子供給手段からの粉体粒子の流れに重なることによって生じる粉塵濃度の濃淡ができず、均一な熱処理を行うことが可能となり、熱処理に必要な熱量を減少させることができる。
該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように該処理室の外周部に設けられた粉体粒子供給手段の導入口の数が5より少ないと、トナーの処理量を同一にすると、1口当たりの粉塵濃度が増加するため溶融した粒子と粒子が合一してできる粗大化した粒子の割合が増加することがある。
一方で、該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように該処理室の外周部に設けられた粉体粒子供給手段の導入口の数が12箇所より多くなると、隣り合う粉体粒子供給手段の導入口の距離が短くなり、粉体粒子供給手段から導入される粉体粒子同士の一部が重なり合うため粉塵濃度に濃淡が生じ、均一な熱処理ができなくなることがある。
また、内径Tが450mmの場合は、該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように該処理室の外周部に設けられた粉体粒子供給手段の数が、8箇所であると、回旋しながら下降する熱風に対して隙間なく粉体粒子を供給することができ、熱風から粉体粒子への熱移動が効率的となる場合がある。
つまり、内径Tが、250(mm)≦T≦900(mm)の範囲において、同一温度では該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように該処理室の外周部に設けられた粉体粒子供給手段の導入口数が5〜12箇所であると熱処理後のトナー粒子の円形度は高くなる。さらには、装置外周部から処理室内に供給されるよう構成されているため、処理室内における旋回する熱風との接触時間が増加し効率よく熱処理を行うことが可能となる。
また、回旋しながら下降する熱風の流れに対して角度を持って、粉体粒子とその搬送流体を導入すると、「熱風」と、「粉体粒子とその搬送流体」が衝突する部分で、流量の多い「熱風」が、「粉体粒子とその搬送流体」を押すことになる。
円筒状の該処理室の中心軸と直行する断面と該粉体粒子供給手段出口から導入される該粉体粒子の導入方向とにより成される角度より、円筒状の該処理室の中心軸と直行する断面と熱風の下降する角度の方が深い時、「熱風」は、「粉体粒子とその搬送流体」の熱風供給手段側を押すことになる。一方、円筒状の該処理室の中心軸と直行する断面と該粉体粒子供給手段出口から導入される該粉体粒子の導入方向とにより成される角度より、円筒状の該処理室の中心軸と直行する断面と熱風の下降する角度の方が浅い時、「熱風」は、「粉体粒子とその搬送流体」の排出口側を押すことになる。
「熱風」に押される「粉体粒子とその搬送流体」の部分では、粉体粒子の粉塵密度が上昇し、かつ、粒子の軌跡が乱れやすくなる。このため、溶融した粉体粒子同士が衝突する確率が増加し、合一して粗大化した粒子の割合が増加することがある。
そこで、本発明熱処理装置の粉体粒子供給手段では、図6において、円筒状の処理室の中心軸(図6の12)と直行する断面11(11は断面であるが、図6では、断面が線に縮退する方向から見ている)と粉体粒子供給手段出口から導入される粉体粒子の導入方向13とにより成される角度α(°)が、
17(°)≦α≦37(°)
を満足している。これによって、回旋しながら下降する熱風の流れに対して、粉体粒子とその搬送流体が成す角度の差が低減され、もしくは、角度が一致して、合一粒子の割合を低減する上で好ましい。より好ましくは、
22(°)≦α≦32(°)
を満足することである。
これは、α=0(°)の時、特別に融着が生じやすい処方の粉体粒子で粉体粒子供給手段出口での熱風の向きと円筒状の処理室の中心軸と直行する断面との角度を確認したところ、粉体粒子供給手段出口部での熱風の角度は22°〜32°である。これを基に、製作上の誤差も加味して、粉体粒子供給手段の角度αの範囲を
17(°)≦α≦37(°)
とした。
また、内径Tが450mmの場合は、α=27(°)であると、27(°)の角度を持って下降する熱風の角度と一致するため好ましい。
本発明の粉体粒子供給手段では、粉体粒子とその搬送流体が通るダクトの中心は、円筒状の処理室と粉体粒子供給手段が接続する断面の中心を通り、処理室の中心軸と直行する断面の成す角度はα(°)であることを特徴とする。
α(°)が37(°)より大きい場合、隣り合ったトナー導入口から導入される粉体粒子とその搬送流体間の距離が広くなり、粉体粒子と混合せずに下降する熱風の割合が多くなることがあり、熱風から粉体粒子への熱移動の効率が低下する。このため粉体粒子が十分に熱処理されないので、十分に熱処理を行うために熱風の温度を上昇する必要がある。しかしながら、熱風温度をより高温にすると合一して粗大化する粉体粒子の割合が増加し、粉体粒子供給手段出口部で融着が発生することがあるので好ましくない。
α(°)が17(°)より小さい場合、熱風の流れに対して角度を持って粉体粒子とその搬送流体が導入されることになり、混合する部分での流れ場に乱れが生じる。乱れが生じた結果、粒子と粒子が衝突する確率が上昇し、合一して粗大化する粒子の割合が増加することがあるので好ましくない。
本発明の熱処理装置において、熱処理された粉体粒子を冷却するための、冷風供給手段は、図1、2の冷風供給手段4に示すように粉体粒子供給手段出口部よりも下流に配置されることを特徴とする。
冷風供給手段を、粉体粒子供給手段より下流側に配置させることにより、導入された冷風が処理室内の熱処理ゾーンを過剰に冷却してしまうことがなく、粉体粒子の球形化に必要な熱処理温度が過剰になることを防止する。
冷風供給手段4から供給される温度R(℃)は−50℃≦R≦30℃であることが好ましい。冷風の温度が上記の範囲内であれば、粉体粒子を効率的に冷却することができ、粉体粒子の均一な球形化処理を阻害することなく、粉体粒子の融着や合一を防止することができる。
また、本発明の熱処理装置の冷風供給手段4は処理室の外周部に冷風供給手段から供給された冷風が処理室の内周面に沿って供給されるように図10に示すように該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように複数箇所に設けられていることが好ましい。該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように該処理室の外周部に設けられた冷風供給手段の数は、粉体粒子の供給手段の数と同じか、それ以上であることが好ましい。
具体的には、該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように該処理室の外周部に設けられた粉体粒子供給手段の数が4箇所の時は、該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように冷風供給手段の数は、4箇所以上であることが好ましい。より好ましくは4〜16箇所である。また、該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように粉体粒子供給手段の数が8箇所の時は、該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように該処理室の外周部に設けられた冷風供給手段の数は8箇所以上であることが好ましい。より好ましくは8〜16箇所である。
該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように粉体粒子供給手段の導入口数が4箇所で、該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように該処理室の外周部に設けられた冷風供給手段の数が4箇所より少ない場合、該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように粉体粒子供給手段から導入された粉体粒子は、その断面形状は拡大・縮小、形状変化しながらも粉体粒子の軌跡を維持しながら、熱風と混合し混合流体として下降する。この混合流体は、冷風供給手段部分まで下降すると冷風と混合して冷却されるが、4箇所より導入された4本の粉体粒子の集団に対して冷風供給手段の数が少ないと、すぐに直接冷却される粉体粒子の集団と、すぐに直接冷却されない粉体粒子の集団が生じる。この結果、冷却にばらつきが生じ、かつ、流れに乱れが生じ、冷却されず、軌道から離れた粒子とその他の粒子が衝突、合一して粗大化した粒子の割合が増加することがあるので好ましくない。
該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように該処理室の外周部に設けられた粉体粒子供給手段の数が4箇所で、該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように該処理室の外周部に設けられた冷風供給手段の数が16箇所より多いが、冷風流量が同一の場合、該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように冷風供給手段からの冷風の流速が混合流体の流速に比較して遅くなることがある。この結果、冷風導入手段部分で流れに乱れが生じ、軌道から離れた粒子とその他の粒子が衝突、合一して粗大化した粒子の割合が増加することがあるので好ましくない。
該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように該処理室の外周部に設けられた粉体粒子供給手段の導入口数が8箇所で、該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように該処理室の外周部に設けられた冷風供給手段の数が8箇所より少ない場合、該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように粉体粒子供給手段から導入された粉体粒子は、その断面形状は拡大・縮小、形状変化しながらも粉体粒子の軌跡を維持しながら、熱風と混合し混合流体として下降する。この混合流体は、冷風供給手段部分まで下降すると冷風と混合して冷却されるが、8箇所より導入された8本の粉体粒子の集団に対して冷風供給手段の数が少ないと、すぐに直接冷却される粉体粒子の集団と、すぐに直接冷却されない粉体粒子の集団が生じる。この結果、冷却にばらつきが生じ、かつ、流れに乱れが生じ、冷却されず、軌道から離れた粒子とその他の粒子が衝突、合一して粗大化した粒子の割合が増加することがあるので好ましくない。
該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように粉体粒子供給手段の導入口数が8箇所で、該円筒状の処理室の中心軸と直交する同一断面上に存在するように冷風供給手段の数が16箇所より多いが、冷風流量が同一の場合、冷風供給手段からの冷風の流速が混合流体の流速に比較して遅くなることがある。この結果、冷風導入手段部分で流れに乱れが生じ、軌道から離れた粒子とその他の粒子が衝突、合一して粗大化した粒子の割合が増加することがあるので好ましくない。
粉体粒子とその搬送流体は、熱風の下降する角度と同じになるように処理室に導入され回旋しながら下降する。この熱風と、粉体粒子とその搬送流体によって構成される混合流体の下降する角度に対して、冷風供給手段からの冷風が角度を持って処理室に導入されると、冷風が導入された部分の流れ場が乱れ、粉体粒子は冷却される前に粒子が衝突・合一して粗大化した粒子となることがある。
そのため本発明の如く、円筒状の処理室の中心軸と直行する断面と冷風供給手段出口から導入される該粉体粒子の導入方向を混合流体の下降する角度を合わせることにより、冷風供給手段出口での粉体粒子の流れが乱れることなく、合一粒子の割合を低減することができる。
本発明熱処理装置の冷風供給手段では、図7において、円筒状の処理室の中心軸(図7の15)と直行する断面14(14は断面であるが、図7では、断面が線に縮退する方向から見ている)と冷風供給手段出口から導入される冷風の導入方向16とにより成される角度β(°)が、
17(°)≦β≦37(°)
を満足している。これによって、回旋しながら下降する混合流体の向きと冷風が成す向きが同一、もしくは、混合流体の向きと冷風が成す向きによる角度の差が小さくなり、合一粒子の割合を低減する上で好ましい。
より好ましくは、
22(°)≦β≦32(°)
を満足することである。
ちなみに、α=0(°)の装置構成で、特別に融着が生じやすい処方の粉体粒子で冷風供給手段出口での熱風の下降する向きと円筒状の処理室の中心軸と直行する断面との角度の差を確認したところ、冷風供給手段出口部での熱風の角度は22°〜32°であった。これを基に製作上の誤差も加味して、冷風供給手段は
17(°)≦β≦37(°)
とした。
また、内径Tが450mmの場合は、β=27(°)であると、27(°)の角度を持って下降する混合流体の角度と一致するため好ましい。
本発明の冷風供給手段では、冷風が通るダクトの中心は、円筒状の処理室と粉体粒子供給手段が接続する断面の中心を通り、処理室の中心軸と直行する断面の成す角度はβ(°)であることを特徴とする。
粉体粒子の流れが乱れると、衝突・合一する粒子が増え、粗大化した粒子の割合が増えるので、乱れが少ない流れ場が好ましい。
α(°)とβ(°)は、
α−10(°)≦β(°)≦α+10(°)
であると、粉体粒子の導入から冷却終了まで乱れの少ない流れ場となるため、粗粉割合を低減できるので好ましい。より好ましくは、
α(°)とβ(°)は、
α−5(°)≦β(°)≦α+5(°)
である。
β(°)が37(°)より大きい場合、隣り合った冷風導入口から導入される冷風と冷風の隙間が広くなり、隙間を通過する粉体粒子の割合が増加する。その結果、粉体粒子の冷却開始までの時間にばらつきが生じ、冷却されない粒子が他の粒子に衝突・合一して粗大化した粒子の割合が増えることがあるので好ましくない。
β(°)が17(°)より小さい場合、高温の粉体粒子の流れに対して角度を持って冷風が導入されることになり、混合する部分で流れ場に乱れが生じる。乱れが生じた結果、粒子と粒子が衝突する確率が上昇し、合一して粗大化する粒子の割合が増加することがあるので好ましくない。
さらに、導入された冷風の風量や温度は独立して制御可能であることが好ましい。たとえば、図1に示したように、冷風供給手段が同一周方向とはならないように2段以上設けられていることが好ましい。この場合、図1に示したように、1段目の冷風(4−1)と2段目の冷風(4−2)は処理室内に導入された粉体粒子を冷却するための冷風、3段目(4−3)は装置底面の粉体粒子を冷却するため冷風と、機能分離することができる。
さらに処理室の下端部側から熱処理された粉体粒子を排出する排出口は、図1、2の排出口6に示すように、旋回された粉体粒子の旋回方向を維持するように、処理室の外周部に設けられていることを特徴とする。
これによって、装置内の旋回流を維持することができ、粉体粒子にかかる遠心力によって、粉体粒子の流れを規制するための規制手段5への付着、融着が軽減される。なお、本発明の熱処理装置においては、粉体粒子回収手段は装置内の最下端に、旋回流を維持する方向にあればよい。なお、排出口の先にはブロワー(不図示)が設けられ、ブロワーにより吸引搬送される構成となる。
本発明の熱処理装置において、装置内に供給される圧縮エア、熱風及び冷風の流量の総量QINと、ブロワーにより吸引される風量QOUTの関係は、QIN≦QOUTの関係となるように調整されるのが好ましい。QIN≦QOUTであれば、装置内の圧力が負圧となるため、処理室内のトナー粒子が装置外に排出されやすくなり、トナー粒子が過剰に熱を受けることを防止できる。その結果、合一した粉体粒子の増加や装置内での融着を防止することができ長期の使用においても安定してトナーを製造できる。
また、本発明の熱処理装置においては、粉体粒子の流れを規制するために図2の規制手段5の如き断面が円形状である柱状部材を処理室の下端部から上端部に向けて突出するように処理室の中心軸上に配置させることが好ましい。
これにより、粉体粒子回収手段側端部のトナー流速が速くなり、粉体粒子の排出性を向上させることができるとともに、回収部における付着や融着、粉体粒子の合一を防止することができる。
本発明の熱処理装置において、粉体粒子の流れを規制するための規制手段5が、処理室に占める割合V(体積%)は、5体積%≦V≦60体積%であることが好ましい。上記範囲内であることにより、処理室における粉体粒子の流速を制御することができ、粉体粒子の分散性や排出性が向上するものと考えられる。粉体粒子の流れを規制するための規制手段5が、処理室に占める割合V(体積%)は、V<5体積%となると、処理室におけるトナーの旋回が弱まるため、粉体粒子に十分な遠心力がかからず、粉体粒子の分散が向上しない場合がある。また、60体積%<Vとなると、処理室における粉体粒子の流速が速くなりすぎ、十分な熱処理が行われない場合がある。
なお、柱状部材は、粉体粒子の融着を防止するために、冷却ジャケットを設けることが好ましい。更に冷却ジャケットには冷却水(好ましくはエチレングリコール等の不凍液)を導入することが望ましく、冷却ジャケットの表面温度が40℃以下であることが好ましい。
次に、本発明のトナー粒子製造装置を用いて、トナーを製造する手順について説明する。
まず、原料混合工程では、トナー原料として、少なくとも樹脂、着色剤を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ヘンシェルミキサー(日本コークス社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)等がある。
更に、混合したトナー原料を溶融混練工程にて、溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中の着色剤等を分散させる。混練装置の一例としては、TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);ニーデックス(日本コークス社製)等が挙げられるが、連続生産できる等の優位性から、バッチ式練り機よりも、1軸または2軸押出機といった連続式の練り機が好ましい。
更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕され、更に、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)等で微粉砕され、トナー微粒子を得る。
得られたトナー微粒子は、分級工程にて、所望の粒径を有するトナー用粉体粒子に分級される。分級機としては、ターボプレックス、ファカルティ、TSPセパレータ、TTSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)等がある。
続いて、得られたトナー用粉体粒子を熱処理工程で本発明の熱処理装置を用いて球形化処理を行う。
本発明のトナーの製造方法においては、熱処理工程の前に、得られたトナー用粉体粒子に必要に応じて無機微粒子等を添加しても構わない。トナー用粉体粒子に無機微粒子等を添加する方法としては、トナー用粉体粒子と公知の各種外添剤を所定量配合し、ヘンシェルミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス社製)、スーパーミキサー、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)等の粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合する。
本発明のトナーの製造方法では、熱処理工程の前に、トナー用粉体粒子に無機微粉体が添加されていることで、トナー用粉体粒子に流動性が付与され、処理室に導入されたトナー用粉体粒子がより均一に分散して熱風と接触することが可能となり、均一性に優れたトナーを得ることができる。
本発明のトナーの製造方法では、熱処理後に粗大な粒子が存在する場合、必要に応じて、分級によって粗大粒子を除去する工程を有していても構わない。粗大粒子を除去する分級機としては、ターボプレックス、TSPセパレータ、TTSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)等が挙げられる。
さらに、熱処理後、必要に応じて、粗粒等を篩い分けるために、例えば、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ハイボルター(東洋ハイテック社製)等の篩分機を用いても良い。
尚、本発明の熱処理工程は上記微粉砕後であっても良いし、分級後でもよい。
次に本発明のトナーの製造方法に用いるトナー構成材料について説明する。
本発明で用いられる結着樹脂としては、公知の樹脂が用いられるが、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン誘導体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族石油樹脂が挙げられ、これらの樹脂は単独もしくは混合して用いても良い。
これらの中で、本発明の結着樹脂として好ましく用いられる重合体としては、スチレン系共重合体とポリエステルユニットを有する樹脂である。
スチレン系共重合体に用いる重合性モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。例えば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如き不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体。
更に、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
更に、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明ではポリエステルユニットを有する樹脂が特に好ましく用いられる。前記「ポリエステルユニット」とは、ポリエステルに由来する部分を意味し、ポリエステルユニットを構成する成分としては、具体的には、2価以上のアルコールモノマー成分と2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分が挙げられる。
本発明に用いられるトナーは、これらのポリエステルユニットを構成する成分を原料の一部とし、縮重合された部分を有する樹脂を用いることができる。
例えば、2価以上のアルコールモノマー成分として、具体的には、2価アルコールモノマー成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコールモノマー成分としては、例えばソルビット、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
2価のカルボン酸モノマー成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6乃至18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
3価以上のカルボン酸モノマー成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸等が挙げられる。
また、その他のモノマーとしては、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類等が挙げられる。
本発明で使用される着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;磁性体;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調整したものが挙げられる。
マゼンタトナー用着色顔料しては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、150、163、166、169、177、184、185、202、206、207、209、220、221、238、254、269;C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35が挙げられる。
着色剤には、顔料単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点から好ましい。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.Iソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの如きの塩基性染料。
シアントナー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、2、3、7、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66;C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチルを1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料。
イエロー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74,83、93、95、97,109、110、111、120、127、128、129、147、155、168、174、180、181、185、191;C.I.バットイエロー1、3、20が挙げられる。また、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、ソルベントイエロー162などの染料も使用することができる。
また、上記トナーにおいて、結着樹脂に予め、着色剤を混合し、マスターバッチ化させたものを用いることが好ましい。そして、この着色剤マスターバッチとその他の原材料(結着樹脂及びワックス等)を溶融混練させることにより、トナー中に着色剤を良好に分散させることが出来る。
結着樹脂に着色剤を混合し、マスターバッチ化させる場合は、多量の着色剤を用いても着色剤の分散性を悪化させず、また、トナー粒子中における着色剤の分散性を良化し、混色性や透明性等の色再現性が優れる。また、転写材上でのカバーリングパワーが大きいトナーを得ることが出来る。また、着色剤の分散性が良化することにより、トナー帯電性の耐久安定性が優れ、高画質を維持した画像を得ることが可能となる。
本発明のトナーに用いられるワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
これらのワックスの中でも、低温定着性、耐ホットオフセット性を向上させるという観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス、もしくはカルナバワックスの如き脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。本発明においては、耐ホットオフセット性がより向上する点で、炭化水素系ワックスがより好ましい。
本発明では、ワックスは、結着樹脂100質量部あたり1質量部以上20質量部以下で使用されることが好ましい。
また、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度が上記範囲内であるとトナーの保存性と耐ホットオフセット性を両立できるため好ましい。
本発明においては、熱処理工程の前に、トナー用粉体粒子に、流動化剤、転写助剤、帯電安定化剤などをヘンシェルミキサーの如き混合機で混合して用いることができる。
また、流動化剤としては、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものであれば、どのようなものでも使用可能である。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;酸化チタン微粉末、アルミナ微粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ;それらをシラン化合物、及び有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカを使用することが可能である。
また酸化チタン微粉末であれば、硫酸法、塩素法、揮発性チタン化合物例えばチタンアルコキシド,チタンハライド,チタンアセチルアセトネートの低温酸化(熱分解,加水分解)により得られる酸化チタン微粒子が用いられる。結晶系としてはアナターゼ型,ルチル型,これらの混晶型,アモルファスのいずれのものも用いることができる。
そしてアルミナ微粉末であれば、バイヤー法、改良バイヤー法、エチレンクロルヒドリン法、水中火花放電法、有機アルミニウム加水分解法、アルミニウムミョウバン熱分解法、アンモニウムアルミニウム炭酸塩熱分解法、塩化アルミニウムの火焔分解法により得られるアルミナ微粉体が用いられる。結晶系としてはα,β,γ,δ,ξ,η,θ,κ,χ,ρ型、これらの混晶型、アモルファスのいずれのものも用いられ、α,δ,γ,θ,混晶型,アモルファスのものが好ましく用いられる。
前記微粉体は、その表面がカップリング剤やシリコーンオイルによって疎水化処理をされていることがより好ましい。
微粉体の表面の疎水化処理方法は、微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的、または物理的に処理する方法である。
上記疎水化処理方法として好ましい方法は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粒子を有機ケイ素化合物で処理する方法である。そのような方法に使用される有機ケイ素化合物の例は、以下のものが挙げられる。ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン。
上記流動化剤は単独で用いても、複数種を組合せて用いても良い。
また、上記流動化剤は、トナー用粉体粒子100質量部に対して流動化剤0.1乃至8.0質量部、好ましくは0.1乃至4.0質量部使用するのが良い。添加量が0.1質量部未満ではトナー用粉体粒子に流動性を付与することができなく、好ましくない。また、4.0質量部を超える場合ではトナー用粉体粒子と無機微粉体の混合が困難になり、トナー用粉体粒子の熱処理の生産上好ましくない。
尚、上記の添加剤は、外添工程で外添剤として用いても良い。
上記トナーの各種物性の測定方法及び、以下の実施例中で測定した各種物性の測定方法に関して以下に説明する。
<重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<微粉量の算出方法>
トナー中の個数基準の微粉量(個数%)は、前記のMultisizer 3の測定を行った後、データを解析することにより算出する。
例えば、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は、以下の手順で算出する。まず、専用ソフトでグラフ/個数%に設定して測定結果のチャートを個数%表示とする。そして、「書式/粒径/粒径統計」画面における粒径設定部分の「<」にチェックし、その下の粒径入力部に「4」を入力する。「分析/個数統計値(算術平均)」画面を表示したときの「<4μm」表示部の数値が、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%である。
<粗粉量の算出方法>
トナー中の体積基準の粗粉量(体積%)は、前記のMultisizer 3の測定を行った後、データを解析することにより算出する。
例えば、トナー中の10.0μm以上の粒子の体積%は、以下の手順で算出する。まず、専用ソフトでグラフ/体積%に設定して測定結果のチャートを体積%表示とする。そして、「書式/粒径/粒径統計」画面における粒径設定部分の「>」にチェックし、その下の粒径入力部に「10」を入力する。「分析/体積統計値(算術平均)」画面を表示したときの「>10μm」表示部の数値が、トナー中の10.0μm以上の粒子の体積%である。
<平均円形度の測定方法>
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上39.69μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
尚、本発明の実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<円形度が0.990以上の粒子の割合の算出方法>
本発明において、円形度が0.990以上の粒子の割合は、円形度の分布を示す指標として用いており、頻度(%)で表わされる。具体的には、FPIA−3000によって測定したトナーの平均円形度における、頻度テーブルの範囲1.00の頻度(%)の値と、0.990−>1.000の頻度(%)の値を足した値を用いた。
以下、本発明の実施例および比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(トナー用粉体粒子Aの製造例)
ポリエステルユニットを有する樹脂:100質量部
(重量平均分子量(Mw):82450、平均分子量(Mn):3650、ピーク分子量:(Mp)8550)
パラフィンワックス:4質量部
(最大吸熱ピーク温度78℃)
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物:1.0質量部
C.I.ピグメントブルー15:3.5質量部
上記の処方の材料をヘンシェルミキサーFM−75型(日本コークス社製)で混合した後、温度を120℃に設定した二軸混練機PCM−30型(池貝鉄工社製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物とし、得られた粗砕物を、機械式粉砕機T−250(ターボ工業社製)にて粉砕し、粉体微粒子を得た。続いて、得られた粉体微粒子を、ファカルティF−300(ホソカワミクロン社製)により分級し、粉体粒子とした。
さらに、下記材料をヘンシェルミキサーFM−75型(日本コークス社製)に投入し、回転羽根の周速を50.0m/secとし、混合時間3分で混合することにより、粉体粒子の表面に、シリカと酸化チタンを付着させたトナー用粉体粒子を得た。
粉体粒子:100質量部
シリカ:3.5質量部
(ゾルゲル法で作成したシリカ微粒子にヘキサメチルジシラザン処理1.5質量%で表面処理した後、分級によって所望の粒度分布に調整したもの。)
酸化チタン:0.5質量部
(アナターゼ形の結晶性を有するメタチタン酸を表面処理したもの。)
このとき得られたトナー用粉体粒子は、重量平均粒径(D4)が6.7μm、粒径4.0μm以下の粒子が25.5個数%であり、粒径10.0μm以上の粒子が2.5体積%であった。
更に、FPIA3000にて平均円形度を測定した結果、平均円形度が0.946であった。
以下、これをトナー用粉体粒子Aとする。
これらの結果を表1にまとめた。
(トナー用粉体粒子Bの製造例)
本製造例では、パラフィンワックスの添加量を6質量部にした以外は、トナー用粉体粒子Aと同様の製造方法にて、トナー用粉体粒子Bを得た。このとき得られたトナー用粉体粒子Bの重量平均粒径(D4)、粒径4.0μm以下の粒子の割合、粒径10.0μm以上の粒子の割合、平均円形度を測定した結果を表1にまとめた。
(トナー用粉体粒子Cの製造例)
本製造例では、パラフィンワックスの添加量を8質量部にした以外は、トナー用粉体粒子Aと同様の製造方法にて、トナー用粉体粒子Cを得た。このとき得られたトナー用粉体粒子Cの重量平均粒径(D4)、粒径4.0μm以下の粒子の割合、粒径10.0μm以上の粒子の割合、平均円形度を測定した結果を表1にまとめた。
〔実施例1〕
本実施例では、図1、図2に示した熱処理装置を用い、トナー用粉体粒子Aを熱処理した。この際、装置の内径を450mm、断面が円形状の柱状部材である規制手段5の外径を330mmとした。
原料供給手段の数は8箇所とし、処理室の中心軸と直行する同一断面上に45°間隔に配置した。また、円筒状の処理室の中心軸と直行する断面と粉体粒子供給手段出口から導入される粉体粒子の導入方向とにより成される角度α(°)を27°とした。
さらに、原料供給手段ダクトの縦の長さを80mm、横の長さを10mmとすることにより、原料供給手段ダクトの断面積を800mm2とし、原料供給手段ダクトの総断面積を6400mm2とした。
尚、高圧エア供給ノズルから供給される搬送流体の流量は、それぞれ0.45m3/minであった。
また、図2の略円錐状の熱風分配部材7の角度は、60°とした。
さらに、図3の線形部材を用い、旋回部材のブレード間の最小間隔Gを9.5mm、高さを30mm、ブレード枚数を22枚、熱風供給手段の出口の断面積を6270mm2とした。
冷風は、図1に示したように3段で供給し、第一冷風、第二冷風供給手段の数を8箇所とし、処理室の中心軸と直行する同一断面上に45°間隔に配置した。また、円筒状の処理室の中心軸と直行する断面と冷風供給手段出口から導入される冷風の導入方向とにより成される角度β(°)を27°とした。第三冷風供給手段の数は3箇所とし、1箇所の排出口と合わせて処理室の中心軸と直行する同一断面上に90°間隔に配置した。
また、粉体供給手段出口下端から第一冷風供給手段上端までの距離は230mmとした。
冷風供給手段ダクトの縦の長さを80mm、横の長さを10mmとすることにより、冷風供給手段ダクトの断面積を800mm2とし、第一冷風供給手段ダクトの総断面積を6400mm2とした。また、第二冷風供給手段ダクトの総断面積を6400mm2とした。第三冷風供給手段ダクトの総断面積を2400mm2とした。
一方、排出口断面積は縦の長さ125mm、横の長さを50mmとし、断面積は6250mm2とした。
この時の装置構成を装置構成1とした。表2に装置構成1の基本条件を示す。後述の格装置構成についても表2に示されている。
上記装置構成1を用いて、トナー用粉体粒子Aの処理量(kg/h)を150kg/hとして、トナー用粉体粒子Aを熱処理し、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。
この時の条件は、熱風温度170℃、熱風風量28.0m3/minであった。第一冷風の流量は、8.0m3/minを8分割し、それぞれ1.0m3/minの冷風を処理室内に供給した。同様に、第二冷風の流量は、8.0m3/minを8分割し、それぞれ1.0m3/minの冷風を処理室内に供給した。第三冷風は、4.5m3/minを3分割し、それぞれ1.5m3/minの冷風を処理室内に供給した。
尚、以上の運転条件を運転条件1とする。
このとき得られたトナー用表面改質粉体粒子は、重量平均粒径(D4)が6.8μm、粒径4.0μm以下の粒子が24.4個数%、粒径10.0μm以上の粒子が3.6体積%であり、粗大な粒子が非常に少ないトナー用表面改質粉体粒子であった。
次に、1時間の運転後、トナー用粉体粒子Aの供給を止め、融着状況を確認したところ、融着物が全く認められないレベルであった。
次に、同じく装置構成1を用いて、トナー用粉体粒子Aの処理量(kg/hr)を220kg/hrとして、トナー用粉体粒子Aを熱処理し、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。
この時の条件は、運転条件1で、処理量を増加しても平均円形度0.965のトナーを得られるように熱風温度を200℃として処理を行った。このとき得られたトナー用表面改質粉体粒子は、重量平均粒径(D4)が6.9μm、粒径4.0μm以下の粒子が24.1個数%、粒径10.0μm以上の粒子が3.9体積%であった。
また、150kg/h処理時と比較して、220kg/h処理時での粒径10.0μm以上の粒子の体積%での増加は0.3%であり、処理量を増加しても、粗大な粒子が非常に少ないトナー用表面改質粉体粒子であった。
尚、得られたトナー用表面改質粉体粒子と、熱処理装置及び、熱処理システムに対する評価は下記の基準で行った。
<粗粉量に対する評価>
得られた熱処理後のトナー用粉体粒子の粗粉量を、熱処理後に含有する粗大な粒子の指標として用い、表面改質粒子中の10.0μm以上の粒子の割合s(体積%)を下記の基準で判断した。
A:s<5.0
B:5.0≦s<10.0
C:10.0≦s<15.0
D:15.0≦s<20.0
E:20.0≦s
<処理量を増加した時の粗粉量の増加に関する評価>
220kg/h処理時の粗粉割合、及び150kg/h処理時の粗粉量の差Δs(体積%)をとり、本発明の熱処理装置における処理量の増加させやすさの指標とし、処理量下記の基準で判断した。
A:2.0<Δs
B:2.0≦Δs<4.0
C:4.0≦Δs<6.0
D:6.0≦Δs<8.0
E:8.0≦Δs
<熱処理装置の融着に対する評価>
各実施例の条件で1時間運転後、トナー用粉体粒子Bの供給を止め、工業用ビデオスコープ「IPLEX SA II R」(オリンパス社製)のスコープ部を熱処理装置側面や粉体粒子輸送経路配管の点検口(不図示)から挿入し、融着状況を確認し、下記の基準で判断した。
A:融着物が全く認められないレベル
B:融着物が僅かに認められるが、運転上支障のないレベル
C:融着が認められるが、運転上支障のないレベル
D:融着が認められ、運転ができなくなるレベル
E:大きな融着物が認められ、運転ができなくレベル
これらの結果を表3にまとめた。
〔実施例2〕
本実施例では、図1、図2に示した熱処理装置の装置構成1で、トナー用粉体粒子B、運転条件1で熱風温度を180℃として熱処理した。その結果トナー処理量(kg/hr)は、150kg/hrで、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。トナー用粉体粒子Bは、ワックス添加量が6質量部とトナー用粉体粒子Aより増えたため、平均円形度0.965を得るための処理温度が高くなった。
次に、同じく装置構成1を用いて、トナー用粉体粒子Bの処理量(kg/hr)を220kg/hrとして、トナー用粉体粒子Bを熱処理し、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。
この時の条件は、運転条件1で、処理量を増加しても平均円形度0.965のトナーを得られるように熱風温度を210℃として処理を行った。
処理温度は実施例1よりも高くなったが、装置底部に熱処理されたトナー用熱処理粒子が滞留せず、融着が全くなく、合一粒子が抑制され、実施例1にはやや劣るものの粗粉量も非常に少なくなり、所望の円形度が得られた。このため、処理量を150kg/hから220kg/hrに増加させても粗粉の増加が非常に少なかった。
これらの結果を表3にまとめた。
〔実施例3〕
本実施例では、図1、図2に示した熱処理装置の装置構成1で、トナー用粉体粒子C、運転条件1で熱風温度を190℃として熱処理した。その結果トナー処理量(kg/hr)は、150kg/hrで、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。トナー用粉体粒子Cは、ワックス添加量が8質量部とトナー用粉体粒子Bより増えたため、平均円形度0.965を得るための処理温度が実施例1、実施例2と比較して高くなった。
次に、同じく装置構成1を用いて、トナー用粉体粒子Cの処理量(kg/hr)を220kg/hrとして、トナー用粉体粒子Cを熱処理し、平均円形度0.965のトナー用熱処理粒子を得た。
この時の条件は、運転条件1で、処理量を増加しても平均円形度0.965のトナーを得られるように熱風温度を220℃として処理を行った。
処理温度は実施例1、実施例2よりも高くなったが、装置底部に熱処理されたトナー用熱処理粒子が滞留せず、融着が全くなく、合一粒子が抑制され、実施例1、実施例2には劣るものの粗粉量も非常に少なくなり、所望の円形度が得られた。このため、処理量を150kg/hrから220kg/hrに増加させても粗粉の増加が非常に少なかった。
これらの結果を表3にまとめた。
〔実施例4〕
本実施例では、トナー用粉体粒子Cを使用して、装置構成1で冷風供給手段の傾きを、円筒状の処理室の中心軸と直行する断面と冷風供給手段出口から導入される冷風の導入方向とにより成される角度β(°)を17(°)とした。この装置構成を装置構成2とする。
運転条件は、運転条件1で処理量が150kg/hr処理の時は、熱風温度を190℃、処理量が220kg/hr処理の時は、熱風温度を220℃として熱処理した。
これらの結果を表3にまとめた。
冷風の傾きが熱風の下降する角度より浅くなったことによって、実施例3に比較して装置内の流れがやや乱れ、衝突・合一して粗大化する粒子の割合が若干増えたが、粗粉割合の増加量が非常に少なく、大量にトナーを処理することができた。また、装置内の融着も全くなかった。
〔実施例5〕
本実施例では、トナー用粉体粒子Cを使用して、装置構成1で冷風供給手段の傾きを、円筒状の処理室の中心軸と直行する断面と冷風供給手段出口から導入される冷風の導入方向とにより成される角度β(°)を37(°)とした。この装置構成を装置構成3とする。
運転条件は、運転条件1で処理量が150kg/hr処理の時は、熱風温度を190℃、処理量が220kg/hr処理の時は、熱風温度を220℃として熱処理した。
これらの結果を表3にまとめた。
冷風の傾きが熱風の下降する角度より深くなったことによって、冷風供給手段部分で冷風部分を通過するトナー用粉体粒子と冷風部分を通過しないトナー用粉体粒子とが出てきた。後者の冷風部分を通過しないトナー用粉体粒子Cは、溶融した状態でその他の粒子と衝突・合一する確率が高く、粗大化した粒子の割合を増加する原因となる。しかし、粗粉割合の増加量は少なく、大量にトナーを処理するこができた。また、装置内の融着は全くなかった。
〔実施例6〕
本実施例では、トナー用粉体粒子Cを使用して、装置構成3で円筒状の処理室の中心軸と直行する断面と粉体粒子供給手段出口から導入される粉体粒子の導入方向とにより成される角度α(°)を17°とした。この装置構成を装置構成4とする。
運転条件は、運転条件1で処理量が150kg/hr処理の時は、熱風温度を190℃、処理量が220kg/hr処理の時は、熱風温度を220℃として熱処理した。
これらの結果を表3にまとめた。
トナー用粉体粒子の傾きが熱風の下降する角度より浅くなったことによって、実施例5に比較して装置内の流れが乱れ、衝突・合一して粗大化する粒子の割合が増えた。その結果、粗粉割合の変化量も増えたが、大量にトナーを処理するこができた。また、装置内の融着が若干見られた。
〔実施例7〕
本実施例では、トナー用粉体粒子Cを使用して、装置構成4で円筒状の処理室の中心軸と直行する断面と粉体粒子供給手段出口から導入される粉体粒子の導入方向とにより成される角度α(°)を37°とした。この装置構成を装置構成5とする。
運転条件は、運転条件1で処理量が150kg/hr処理の時は、熱風温度を210℃、処理量が220kg/hr処理の時は、熱風温度を240℃として熱処理した。
これらの結果を表3にまとめた。
トナー用粉体粒子の傾きが熱風の下降する角度より深くなったことによって、隣り合ったトナー導入口から導入される粉体粒子間の距離が広くなり、粉体粒子と粉体粒子の隙間を粉体粒子と混合せずに下降する熱風が多くなり、熱風から粉体粒子への熱移動の効率が低下したため、平均円形度0.965のトナーを得るために熱風温度を上昇する必要があった。このため、衝突・合一して粗大化する粉体粒子の割合が増加した。この結果、粗粉割合の変化量も増加し、粉体粒子供給手段出口部で融着が若干見られた。
〔実施例8〕
本実施例では、トナー用粉体粒子Cを使用して、装置構成5で、第一冷風供給手段の数と第二冷風供給手段の数をそれぞれ4箇所とし、処理室の中心軸と直行する同一断面上に90°間隔に配置した。この装置構成を装置構成6とする。
運転条件は、運転条件1で処理量が150kg/hr処理の時は、熱風温度を210℃、処理量が220kg/hr処理の時は、熱風温度を240℃として熱処理した。また、第一冷風の流量は、8.0m3/minを4分割し、それぞれ2.0m3/minの冷風を処理室内に供給した。同様に、第二冷風の流量は、8.0m3/minを4分割し、それぞれ2.0m3/minの冷風を処理室内に供給した。この運転条件を運転条件2とする。
これらの結果を表3にまとめた。
冷風供給手段の数が粉体粒子供給手段の数より少なくなったことにより、冷風供給手段部分で冷風部分を通過する粉体粒子と冷風部分を通過しない粉体粒子ができ、冷風の流速が速くなったことによって、冷風部分を通過した粉体粒子は、冷風部分を通過しない粉体粒子よりも下降する速さが速くなり粒子集団が分離することになり、粒子の流れが乱れるようになった。この結果、冷風部分を通過しない粉体粒子は、その他の粒子と衝突・合一し粗大化した粒子の割合が増加した。粗粉割合の増加量も多く、装置内に軽微な融着が見られるようになった。
〔比較例1〕
本比較例では、トナー用粉体粒子Cを使用して、装置構成6で円筒状の処理室の中心軸と直行する断面と粉体粒子供給手段出口から導入される粉体粒子の導入方向とにより成される角度α(°)を16°とした。また、冷風供給手段の傾きを、円筒状の処理室の中心軸と直行する断面と冷風供給手段出口から導入される冷風の導入方向とにより成される角度β(°)を16(°)とした。この装置構成を装置構成7とする。
運転条件は、運転条件2で処理量が150kg/hr処理の時は、熱風温度を190℃、処理量が220kg/hr処理の時は、熱風温度を220℃として熱処理した。
これらの結果を表3にまとめた。
トナー用粉体粒子の導入方向と冷風の導入方向が、風の下降する角度より浅くなったことと、冷風供給手段の数が粉体粒子供給手段の数より少なくなったことにより、粒子の流れが乱れたのと、冷却までの時間が長い粒子の割合が増えたことにより、その他の粒子と衝突・合一し粗大化した粒子の割合が増加した。特に、処理量が増加すると粗大化した粒子の割合が増加した。また、軽微な融着物が装置内に見られた。
〔比較例2〕
本比較例では、トナー用粉体粒子Cを使用して、装置構成7で、冷風供給手段の傾きを、円筒状の処理室の中心軸と直行する断面と冷風供給手段出口から導入される冷風の導入方向とにより成される角度β(°)を38(°)とした。この装置構成を装置構成8とする。
運転条件は、運転条件2で処理量が150kg/hr処理の時は、熱風温度を190℃、処理量が220kg/hr処理の時は、熱風温度を220℃として熱処理した。
これらの結果を表3にまとめた。
比較例1よりも、冷風の傾きが熱風の下降する角度より深くなったことによって、冷風供給手段部分で冷風部分を通過するトナー用粉体粒子と冷風部分を通過しないトナー用粉体粒子とが出てくる。後者の冷風部分を通過しないトナー用粉体粒子は、溶融した状態でその他の粒子と衝突・合一する確率が高く、粗大化した粒子の割合を増加する原因となり、処理量が増加した時の粗大化した粒子の割合が増加した。また、軽微な融着物が装置内に見られた。
〔比較例3〕
本比較例では、トナー用粉体粒子Cを使用して、装置構成7で、粉体粒子供給手段の傾きを、円筒状の処理室の中心軸と直行する断面と冷風供給手段出口から導入される冷風の導入方向とにより成される角度α(°)を38(°)とした。この装置構成を装置構成9とする。
運転条件は、運転条件2で処理量が150kg/hr処理の時は、熱風温度を220℃、処理量が220kg/hr処理の時は、熱風温度を250℃として熱処理した。
これらの結果を表3にまとめた。
比較例1よりも、トナー用粉体粒子の傾きが熱風の下降する角度より深くなったことによって、隣り合ったトナー導入口から導入される粉体粒子間の距離が広くなり、粉体粒子と粉体粒子の隙間を粉体粒子と混合せずに下降する熱風の割合が多くなり、熱風から粉体粒子への熱移動の効率が低下したため、平均円形度0.965のトナーを得るために熱風温度を上昇する必要があった。このため、衝突・合一して粗大化する粉体粒子の割合が増加した。この結果、粗粉割合の変化量も増加し、粉体粒子供給手段出口部で融着が見られた。
〔比較例4〕
本比較例では、トナー用粉体粒子Cを使用して、装置構成9で、冷風供給手段の傾きを、円筒状の処理室の中心軸と直行する断面と冷風供給手段出口から導入される冷風の導入方向とにより成される角度β(°)を38(°)とした。この装置構成を装置構成10とする。
運転条件は、運転条件2で処理量が150kg/hr処理の時は、熱風温度を220℃、処理量が220kg/hr処理の時は、熱風温度を250℃として熱処理した。
これらの結果を表3にまとめた。
比較例3よりも、冷風の傾きが熱風の下降する角度より深くなったことによって、冷風供給手段部分で冷風部分を通過するトナー用粉体粒子と冷風部分を通過しないトナー用粉体粒子とが出てくる。後者の冷風部分を通過しないトナー用粉体粒子は、溶融した状態でその他の粒子と衝突・合一する確率が高く、粗大化した粒子の割合を増加する原因となり、処理量が増加した時の粗大化した粒子の割合が増加した。また、融着物が装置内に見られた。
〔比較例5〕
本比較例では、トナー用粉体粒子をトナー用粉体粒子Cにし、図8に示した装置構成11の熱処理装置で熱処理を実施し、評価した。
本装置構成は、排気口が一口のストレート排気で、原料供給口が一つでトナー用粉体粒子と熱風とが同方向に旋回して装置内に供給される構成となっている。また、冷風はスリットを設けることによって装置の壁面をストレートに導入される第一冷風と、排出口を冷却するために接線方向から導入される第二冷風が設けられている。
結果を表3にまとめた。
本装置構成では、高圧エア供給ノズルから供給される搬送流体の流量を3.6m3/minとし、第一冷風の流量を、8.0m3/min、第二冷風を、4.0m3/minを処理室内に供給した。
結果、平均円形度0.965を得る温度が高く、150kg/hrで300℃、220kg/hで350℃となった。
処理温度が高温になったため、処理量を150kg/hから220kg/hに増加させたところ、粗粉が大きく増加した。
装置内の熱風、トナー用粉体粒子、冷風の流れが乱れ、均一でないため、合一粒子が増加し、粗粉量が大きく増加した。更に、本装置構成では、処理量が多く、処理温度が高いと、装置内に大きな融着がみられた。
〔比較例6〕
本比較例では、トナー用粉体粒子をトナー用粉体粒子Cにし、図9に示した装置構成12の熱処理装置で熱処理を実施し、評価した。
本装置構成12は、装置構成11の熱風供給部と原料供給部を改造し、トナー用粉体粒子と熱風が逆方向に旋回して装置内に供給される構成となっている。また、熱風と原料供給部の関係は図8のように、原料供給部の内側から熱風が供給される構成となっている。
結果を表3にまとめた。
本比較例では、装置構成12を用いてワックス添加量が8質量部のトナー用粉体粒子を比較例3と同様に熱処理した。
本装置構成では、高圧エア供給ノズルから供給されるインジェクションエア流量を3.6m3/minとし、トナー用粉体粒子Cを装置内に供給した。
結果、平均円形度0.965を得る温度が高く、150kg/hで350℃、220kg/hで350℃となった。
また220kg/hr処理では熱風温度を400℃まで上げても平均円形度0.965を得ることが出来なかった。このため280kg/hr処理時の粗粉量、融着の評価及び150kg/hr処理時粗粉量との差分であるΔsの評価を行う事ができなかった。
また、装置内の熱風とトナー用粉体粒子の流れが逆のため、合一粒子が増加し、粗粉量が大きく増加した。更に、本装置構成では、処理量が多く、処理温度が高い運転条件では、装置排出口部に大きな融着がみられた。
〔参考例1〕
本参考例では、トナー用粉体粒子Cを使用して、装置構成6で円筒状の処理室の中心軸と直行する断面と粉体粒子供給手段出口から導入される粉体粒子の導入方向とにより成される角度α(°)を10°とした。また、冷風供給手段の傾きを、円筒状の処理室の中心軸と直行する断面と冷風供給手段出口から導入される冷風の導入方向とにより成される角度β(°)を0(°)とした。この装置構成を装置構成13とする。
運転条件は、運転条件2で処理量が150kg/hr処理の時は、熱風温度を190℃、処理量が220kg/hr処理の時は、熱風温度を220℃として熱処理した。
これらの結果を表3にまとめた。
本参考例では、ワックス添加量が8質量部のトナー用粉体粒子を150kg/hr、および220kg/hrの処理量で熱処理した。
トナー用粉体粒子の導入方向と冷風の導入方向が、風の下降する角度より浅くなったことと、冷風供給手段の数が粉体粒子供給手段の数より少ないことより、粒子の流れが乱れ、冷却までの時間が長い粒子の割合が増えた。この結果、比較例1よりも、その他の粒子と衝突・合一し粗大化した粒子の割合が増加した。特に、処理量が増加すると粗大化した粒子の割合が増加した。また、軽微な融着物が装置内に見られた。
〔参考例2〕
本参考例では、トナー用粉体粒子Cを使用して、装置構成13で円筒状の処理室の中心軸と直行する断面と粉体粒子供給手段出口から導入される粉体粒子の導入方向とにより成される角度α(°)を0°とした。
運転条件は、運転条件2で処理量が150kg/hr処理の時は、熱風温度を190℃、処理量が220kg/hr処理の時は、熱風温度を220℃として熱処理した。
これらの結果を表3にまとめた。
本参考例では、ワックス添加量が8質量部のトナー用粉体粒子を150kg/hr、および220kg/hrの処理量で熱処理した。
トナー用粉体粒子の導入方向と冷風の導入方向が、風の下降する角度より浅くなったことと、冷風供給手段の数が粉体粒子供給手段の数より少ないことより、粒子の流れが乱れ、冷却までの時間が長い粒子の割合が増えた。この結果、比較例1よりも、その他の粒子と衝突・合一し粗大化した粒子の割合が増加した。特に、処理量が増加すると粗大化した粒子の割合が増加した。また、軽微な融着物が装置内に見られた。
参考例1の傾きよりトナー用粉体粒子の傾きが、熱風の下降する角度より浅くなったことによって、参考例1に比較して装置内の流れが乱れ、衝突・合一して粗大化する粒子の割合が増えた。その結果、粗粉割合の変化量も増え、装置内の融着が若干見られた。
<参考例3>
本参考例では、装置構成14で、トナー用粉体粒子Aを熱処理した。運転条件は、運転条件1である。
トナー用粉体粒子のワックス添加部数が4部となったことにより、比較例2と比較して、熱風温度は低下し、粗粉割合が低下した。また装置内部には軽微な融着が見られたが、粗粉割合の変化量は減少し、220kg/hr処理することができた。
これらの結果を表2にまとめた。