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JP5368264B2 - 改良された籾殻燻燃器 - Google Patents
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Description

本発明は農業や野菜等の園芸に好適な籾殻燻炭の製造に有用であり、環境や省力化にも配慮された燻燃器に関するものである。
籾殻は燻炭とすることで多孔質性となり農作物に甚だ優れた土壌構造を形成することができる。この籾殻燻炭は育苗において優れた特性を有していることは昔から知られていたがその製造が意外に困難なため期待されたほど利用はされてこなかった。従来から使用されているタンク状の籾殻燻燃器は、その底部は密閉されており上蓋方式となっている。上蓋には煙突が接続されている。改良されたものは空気の吸入量を調節できるように煙突が任意の角度でセットできる仕組みになっている。燻燃器の側面上部に着火口があり着火確認用の覗き窓兼用となっている。この着火口は着火を確認後は閉められる。燻燃器の下部側壁には空気取入口が設けられ、燃焼用空気を吸入するが、籾殻燃焼が完了すると空気取入口の蓋を閉じて窒息消火により燻炭化する構造になっている。燻燃器の内部は穴付き円板で上下に仕切られ、円板の下部は空気室、円板の上部は籾殻用空間となる。燻燃器は燻炭製品の取り出しを容易にするために2点支持脚で宙吊りに設置する。燻炭の取り出しにあたっては煙突を取り外し後、上蓋をはずし、燻燃器本体を反転させ、燻炭を取り出している。また、籾殻燻炭製造と同時に煙突から液化した籾酢を回収する。
次に従来から行なわれている籾殻燻炭の製造方法と消火方法を述べる。
燻燃器の上蓋を取り外し、穴付き円板とその受台を燻燃器内にセットする。燻燃器の上部から籾殻を投入する。投入後、籾殻の表面部に灯油を噴霧する。上蓋と煙突を取り付け後着火口から点火具で点火し、籾殻を着火する。燻燃の終了は通常燻燃器の下部の空気吸入口のピンチコックが作動し吸入口の蓋が閉じられることで完了する。
煙突と上蓋を取り外し、燻燃器本体を反転させて燻炭を落下させ取り出す。取り出した燻炭は完全に消火していないので散水して冷却し製品化する。
これまでに出願された籾殻の燻燃装置の主なものとしては、特許文献1から4がある。文献1は、筒型燃焼炉の上部から点火して下方からの空気により逐次下方に着火燻燃状態を継続させ、燃焼が最下部に至った時点で、空気を遮断しその後はその保有熱によって炭化を完了させるものである。この方法は、未燃焼物の周囲は常に新鮮な空気であるため容易に着火し、しかも燃焼気体の通過する部分は高温ではあるが燃焼気体がすでに大部分の酸素を消費したものであるためそれ以上の燃焼は抑制され、燻燃を継続させることができる。燃焼が最下部に至った時点より下部から灰化が行なわれ始めるが、この時に流入空気を遮断し、いわゆるケシツボ状態にすることで灰化は防止され、炉内の熱によって下部の炭化を完了させることができる。文献2は、文献1の燻炭の製造時に、内容物が炭化されると自動的に空気取入れ口を遮断することで窯内の燃焼を中止して常に燻燃の状態を監視する必要を無くしたものである。文献3は煙突を傾斜角度調節により空気の吸入量および木酢の採取量の調節を可能にしたものである。また文献4は燻燃器の中央部に給気筒を設けて燃焼を均一化させ、木酢液を効率よく得ようとするものである。
特開昭58−1780号 実開昭62−170745号 特開平3−258895号 特開平9−78071号
従来、燻燃器の点火作業は、木片や紙等を燃やして籾殻層の上部に置くことで点火していたが、現在は灯油等を籾殻層の上部に噴霧後、ライター等で点火する方法が一般的であるが、着火が難しい。また点火時爆発混合気を生成する安全面の問題や、着火確認する際に顔面を火傷することもあった。一方、籾殻等を燻燃器に入れて燻燃をする際に特に重要なことは、燻燃器の中心部と周辺部で温度分布ができないようにできるだけ同じ温度を維持したまま、上層、中層、下層と燃焼層が移動させることである。しかるに従来の燻燃器は、点火時から最上層部を均一に加熱することができず、また1バッチ毎危険な点火作業が必要である等の問題点があった。
これら、点火時の安全面を改善し、均一な燻燃を進行させることが従来からの大きな課題であった。
また、金属製の燻燃器を使用する場合、金属壁に近い、いわゆる籾殻周辺部の燃焼が早く進行する関係で、燻燃器周辺の籾殻が燻炭化しても中心部の籾殻は燃え残りが残っているという問題があった。中心部を完全に燻炭化させた場合は、周辺部の籾殻は灰化してしまう。そのため、燻燃器下部中央部の燻燃の進行を促進させて、周辺部と中央部が同時期に燻燃を完了させれば、燃え残りも灰分も少ない燻炭が得られ大変望ましい。
本発明は、初回に一回着火すればその後は点火具による着火作業が不要となるとともに、燻燃が極めて良好に開始され、均一な燻燃が可能であり、さらに排煙中の籾酢の回収も良好な燻燃器の提供をするものである。
つまり本発明の籾殻燻燃器は、投入した籾殻の上面に点火して下方に燃焼を進行させる構造の籾殻燻燃器において、燻燃器が、底部が開放された本体部と、本体部の下部に設けた燻炭受け皿からなり、本体部の上部には煙突につながるタール除去器を有し、燻炭受け皿の底板には、多数の空気孔が開けられていることを第1の特徴とする。
燻炭受け皿は水平方向に移動し、取り外しが可能である。
また、燻炭受け皿の内部には籾殻受台が設置されている。この籾殻受台には、中央部寄りに複数個の籾殻落下用孔と、それぞれの籾殻落下用孔と孔の境界部に燻炭落下用スリットが設けられ、当該受台は燻炭受け皿の高さに合わせた受台台脚により支えられているのが第2の特徴である。
第3の特徴として、籾殻入りカセットをタール除去器と煙突の間の側管に挿入し、燻燃器からの排煙を通過させ、籾酢の回収率を上げられることである。
さらに、燻炭受け皿の側壁には把手が設けられ、燻炭受け皿は把手を掴み、引出しガイドに沿って水平方向に引き出し可能とされていることが第4の特徴である。
まず、第1の特徴から説明する。燻燃器は上部の本体部と下部の燻炭受け皿からなる。このような構造とすることにより、簡素な構造となり、材料費や製作費が極めて安価ですむ。また、燻炭受け皿の底板に多数の空気孔が設けられ、底板が燻炭受け皿であると同時に空気導入口も兼ねている。燻炭受け皿で採取した高温の燻炭は次の燻燃器の着火用として使用される。つまり、次の燻燃器の上部から高温の燻炭を投入し、充てんされた籾殻の最上層部に数センチの厚さに敷き詰める。これにより着火作業がより安全に、また燻燃が全体に均一な状態で開始され、進行する。
第2の特徴は、燻炭受け皿の内部には中央部寄りに複数個の籾殻落下用孔と、それぞれの籾殻落下用孔の境界部に燻炭落下用スリットが設けられた籾殻受台が設置可能にされている点である。当該受台は燻炭受け皿の高さに合わせた受台台脚により支えられている。この籾殻受台を設けることで燻燃器下部中央部の燻燃が周辺部と同じ時間に完了できる。
つまり、籾殻受台上の籾殻は燻燃が始まる前から籾殻落下用孔から落下し、燻炭受け皿の底板に円錐状に積み上がる。燻燃が終了近くになると燃焼中の燻炭が燻炭落下用スリットから落下し、円錐状に積み上がった籾殻の下部周辺部に着火し燻燃が開始されるので燻燃の完了が周辺部とほぼ同時期にできる。
第3の特徴は、籾殻入りカセットが側管に挿入可能にされている点である。
燻燃器から発生する排煙は、籾殻を通過する際に、さらにタールが除去されまた排煙は冷却され、籾酢がほぼ完全に除去回収される。また排煙の無色化にも効果がある。さらに籾殻の充てん割合を変えることにより、燻燃時間を調節可能である。そのため籾殻カセットには数個の仕切りを設け、仕切り内に任意に籾殻が充てん可能にしてある。つまり、夜半に開始した燻燃の場合は籾殻の充てん割合を上げることにより燻燃の完了時間を遅らせることが可能となり、燻炭の取り出し作業は翌朝から行なうことも可能である。
第4の特徴は、燻炭受け皿が引出しガイドにより簡単に取り出し可能なことである。つまり、燻燃最終期になった時点で燻炭受け皿の把手を引っ張れば簡単に燻燃器本体から引出し可能である。燻燃の最終期は燻燃器の側板に開けた孔に差し込んだ木片が燃えて落下することから判断できる。この引き出しガイドにより労力が低減され、燻炭取り出し時の火傷等危険防止にもなる。この引き出しガイドは燻炭受け皿の底板と地面間に空気が通る充分な隙間を作る。空気流入のための隙間を作るため、底板下部にキャスターを付けることも可能である。なお、燻炭受け皿は移動可能になっていることから燻炭受け皿と本体部には若干隙間が生じるため、受け皿と燻燃器本体部が完全に密着するように、楔を、受け皿と地面、または受け皿と引出しガイドの間に差し込み使用する。
本発明の燻燃器をさらに詳しく説明する。燻燃器本体は200Lから500L程度の大きさの円筒形を基本としている。ただし、本発明の燻燃器では極めて均一に燻燃が進行するため、燻燃器は円筒形に限定されず、直方体でも十分利用可能である。また、容量も更に上げることも可能である。燻燃器本体上部には、直径が約30cm程度の開口部を設け、内部に邪魔板を内蔵する円筒体、つまりタール除去器をこの開口部に設置する。タール除去器は円筒体に限定されず、角形にすることも可能である。タール除去器の上部は密閉されているが、底部と側面上部は開口されており、底部は燻燃器本体へ、また側面上部は煙突へ繋がる側管と接続されている。従って、燻燃器で発生した排煙はこの円筒体、つまりタール除去器を通過し、内蔵された邪魔板で排煙に同伴するタールを除去する。邪魔板はタールが流下するように中央部を低くしてある。タール除去器を通過した排煙は側管を通り、煙突から大気に排出される。側管に挿入された籾殻入りカセットにより籾酢の回収率が上がる。なお、タール除去器には側管が固定されており、しかも図1や図3で分かるように籾酢が流れ落ちるように若干下方に傾斜して取り付けられている。本発明では、タール除去器は燻燃器本体と取り外し式を採用しているが、タール除去器と燻燃器本体を固着し、燻燃器の天板に籾殻投入口を設けることもできる。籾殻投入の作業面では後者の方がいいが、本発明の方式はタール除去器の内部の汚れ除去ができる点が便利である。
燻炭受け皿内にセットされる籾殻受台を上から見た図の例を図4、図6に示す。
図4のように、受台の中心と、中心からほぼ15cm半径方向に複数の籾殻落下用孔19が開けられている。また、その籾殻落下用孔と孔の境界部にL字型の燻炭落下用スリットも開けられている。籾殻落下用孔の直径は30から80mm程度であり、燻炭落下用スリットの幅は5から10mm程度である。籾殻は30mm以上の孔では落下するが、30mm以下では孔が詰まり易くなる。50mm程度が好適である。また、燻炭は5mm幅以上のスリットがあれば落下するが、8mm程度が好適である。従って、この籾殻受台を燻炭受け皿にセットし、籾殻を投入した場合、図5のように籾殻が落下し、燻炭受け皿に円錐状に堆積する。図6は、籾殻受台のスリットをI字型にしたものである。スリットの形状は図4や図6以外にもT字型など可能である。
また、燻燃が最終段階に入った時の燻炭受け皿の状態を図7に示す。図7は燻炭受け皿の横断面図である。
籾殻受台上部の燻燃が開始され、燻炭化すると燻炭落下用スリットから燻炭が落下し始め、燻炭受け皿の底部に溜まり、籾殻の燃焼が裾野部から開始される。この仕組みにより燻燃器下部の籾殻の燻炭化が周辺部とほぼ同時期に完了する。
燻燃器本体の下部に設置された燻炭受け皿はその底板に約10mm程度の空気穴を多数有する金属板で作られ、引き出しガイド上をスライドさせることで取外しが可能である。燻燃が完了すると燻炭受け皿を引き出し、受け皿内にある高温の燻炭を、着火用燻炭として使用する。残りの籾殻燻炭は燻燃器下部から落下するので、そのまま袋詰めする。落下する燻炭は比較的低温であり窒息消火できる。
本発明の燻燃器を使用することにより、簡単な構造で籾殻の燃焼が全面にわたり極めて均一に行われる。従って得られる籾殻燻炭は未燃部分や完全燃焼部分がなく極めて品質に優れた製品が得られる。燃焼が均一に進行することから、燻燃器は円筒形だけでなく直方体の使用も可能となり、製作費を低減できる。また、籾酢の回収も良好であり、排煙も無色化できる。燻炭受け皿に採取する着火用の燻炭の取り出しも引出しガイドを使用することで容易である。
また、点火時の顔面の火傷や爆発の危険性もなくなる。さらに燻燃器を宙吊りにして反転させ燻炭を取り出す作業や複数作業員も不要となる。取り出した燻炭を水で消火する作業も必要がない。高温の最下部の燻炭は着火用に除去されるので、残りの比較的低温の燻炭はそのまま袋詰めすれば自動的に窒息消火できる。
本発明による籾殻燻炭の製造方法を図に基づいて説明する。
図1が燻燃器全体の外観図である。燻燃器本体1からタール除去器4をはずし、燻燃器1に原料の籾殻を投入する。投入された籾殻は本体部2を満たし、一部は籾殻受台14の籾殻落下用孔19を通過して燻炭受け皿3に溜まる。本体部には上部から約20cm程度の空間を確保する。投入が終わったら着火用籾殻を準備し、本体部の上部に数センチ均一に均して敷き詰める。着火用籾殻は初回だけは、燻炭受け皿内で籾殻に着火し燻燃器内に挿入して種火をつくる。2回目以降は燻炭受け皿に取得された高温の燻炭を使用する。この着火操作により籾殻の上層部が満遍なく着火燃焼を開始する。タール除去器4を燻燃器本体部2に取り付け、側管9に煙突5を差し込み取り付ける。側管には籾殻を入れたカセット12を挿入する。本体部の籾殻の燻燃は上部から下部に均一に進行する。また、排煙は、タール除去器を通り、煙突から大気に放出される。煙突先端には雨除け用の傘が付いている。側管9の下部に付けられた籾酢取出口10から籾酢が回収される。側管9の籾殻カセットにより高品質の籾酢が回収できる。
着火材が籾殻燻炭であり、灯油や木材ではないので燃焼が極めて均一で良好である。また煙突から排出される排煙は側管に内蔵された籾殻カセットにより黒煙が殆ど発生しない。燻燃の進行は燻燃器側面の温度を測定することで確認できる。煙突の側管からは液化した籾酢が回収できる。燻燃が完了したかどうかは、燻燃器本体側板の孔に差し込んだ木片が燃えて落下することで判断できる。燻燃が完了した段階で、燻炭受け皿を引き出し、同時に燻燃器本体から製品となる籾殻燻炭を落下、回収する。籾殻燻炭はそのままビニール袋等に袋詰めでき、窒息消火することができる。
二回目以降は、燻炭受け皿で採取した高温の籾殻燻炭を着火材として利用できる。このように本発明の燻燃器を利用することで、作業が極めて容易となり、一回毎の点火作業もないため危険性もほとんど無くなった。また、排煙も黒煙がない無色透明であり、製造される籾酢の品質は良好でありまた籾殻燻炭は未燃分が無く灰分が少ない極めて均一な製品となる。また、燻炭受け皿部の底板には空気孔を有し、底板から燃焼用空気が導入され、構造的にも簡素で無駄がない。
本発明の籾殻燻燃器は、農業や野菜などの園芸に好適な籾殻燻炭の製造に広範に利用可能である。また籾殻酢は、土壌殺菌剤、野菜栽培の消毒剤、防臭剤として利用できる。
燻燃器全体の外観図 燻炭受け皿 タール除去器と側管、煙突の内部 籾殻受台上面図(L字型スリット型) 燻炭受け皿と籾殻受台に籾殻が堆積した時の上面図 籾殻受台上面図(I字型スリット型) 燻炭受け皿と籾殻受台に籾殻と燻炭が堆積した時の横断面図
1 燻燃器
2 本体部
3 燻炭受け皿
4 タール除去器
5 煙突
6 把手
7 支柱
8 引き出しガイド
9 側管
10 籾酢取出口
11 邪魔板
12 籾殻カセット
13 空気孔
14 籾殻受台
15 受台台脚
16 籾殻
17 燻炭
18 燻炭落下用スリット
19 籾殻落下用孔
20 燻炭受け皿底板

Claims (3)

  1. 投入した籾殻の上面に点火して下方に燃焼を進行させる構造の籾殻燻燃器において、燻燃器が、引き出しガイドに立設した支柱に固定され底部が開放された本体部と、本体部の下部に設けられ把手により引き出しガイドに沿って水平方向に引き出し可能な燻炭受け皿からなり、本体部の上部には煙突につながるタール除去器を有し、燻炭受け皿の底板には、多数の空気孔が開けられていることを特徴とする籾殻燻燃器
  2. 籾殻入りカセットが、タール除去器と煙突の間に設けられた側管に挿入可能にされていることを特徴とする請求項1の籾殻燻燃器
  3. 燻炭受け皿の内部に、燻炭受け皿に内接する円板と円板を支える台脚を持つ籾殻受台を有し、籾殻受台の中央部寄りに、30〜80mm径の籾殻落下用孔が複数個開けられ、また籾殻落下用孔と孔の境界部に5〜10mm幅の燻炭落下用線状スリットが開けられていることを特徴とする請求項1の籾殻燻燃器
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