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JP5395724B2 - セルロースアシレートフィルムとその製造方法、位相差フィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
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セルロースアシレートフィルムとその製造方法、位相差フィルム、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、セルロースアシレートフィルムとその製造方法、位相差フィルム、それらを含む偏光板及び液晶表示装置、特にVA(vertical aligned)モードの液晶表示装置に関する。
液晶表示装置の表示特性は近年ますます高まっており、特に大型のテレビ用の液晶表示装置として有力なVAモード液晶表示装置では、液晶セルの表示面側及びバックライト側に2枚の偏光板の吸収軸を互いに直交させて配置し、さらにそれぞれの偏光板と液晶セルとの間に、光学的に2軸性の位相差フィルムを配置することで、より広い視野角が実現できること、すなわち表示特性を向上できることが知られている。
このような位相差フィルムとしては、優れた光学性能、具体的には位相差フィルムの面内レターデーションRe(nm)及び厚み方向のレターデーションRth(nm)を発現させることができるセルロースアシレートフィルムが近年注目されており、位相差フィルムとして液晶表示装置に用いられている。また、近年では、液晶表示装置の使用環境が多様化してきており、屋外をはじめとした湿度変化の大きい環境下で安定した表示特性を示すことが求められてきている。
このようなセルロースアシレートには、各種添加剤を添加することで、フィルム特性を改良できることが知られている。ベンゾグアナミン樹脂などのアミノ樹脂や、アミノ樹脂前駆体についても、セルロースアシレートフィルムに添加することができ、特許文献1および2には実際に用いた例が検討されている。特許文献1には、アミノ樹脂前駆体であるベンゾグアナミン樹脂前駆体と、架橋剤をセルロースアシレートドープに添加して、その後重縮合および架橋結合させ、製膜した実施例が記載されている。同文献によれば、ベンゾグアナミン樹脂前駆体をセルロースアシレートのOH基と架橋させることで、温湿度変化に対する耐久性を改善することができることが記載されている。しかしながら、特許文献1には、ホルムアルデヒドを用いてベンゾグアナミンをメチロール化させて得られたベンゾグアナミン樹脂前駆体を添加した例しか記載されておらず、その他のアルデヒドを用いてベンゾグアナミン前駆体を調製することは記載されていなかった。また、ベンゾグアナミン樹脂を重縮合させた状態でセルロースアシレートドープに添加した例についても記載されていなかった。
特許文献2には、アミノ樹脂前駆体である架橋剤をセルロースエステルの添加剤として用いることが記載されている。同文献の実施例ではメラニンをホルムアルデヒドで処理して調製したヘキサメトキシメチルメラニン(CYMEL(登録商標)303)を架橋剤(アミノ樹脂前駆体)として用いた例しか記載されておらず、ベンゾグアナミン樹脂やその前駆体を用いた例は記載されていなかった。また、同文献では、セルロースアシレートのヒドロキシル基を全て架橋剤で架橋反応させることが好ましいと記載されており、アミノ樹脂を重縮合させた状態でセルロースアシレートドープに添加した例についても記載されていなかった。
特開2007−23157号公報 特表2008−546011号公報
このような状況のもと、本発明者らは、使用環境の湿度の変化に対するReおよびRthの変動(以下、ReおよびRthの湿度依存性とも言う)を抑えることを目的として、種々の添加剤を用いたときのセルロースアシレートフィルムの上記特性について検討を行った。
そこで、本発明者らは、特許文献1および2に記載のホルムアルデヒドを用いてメチロール化されているアミノ樹脂前駆体を、各文献に記載されている方法にしたがってセルロースアシレートドープに添加してフィルムを製膜し、光学特性の湿度依存性などを検討した。しかしながら、これらの文献に記載のアミノ樹脂前駆体を用いた場合、得られたセルロースアシレートフィルムは塩化メチレンなどの一般的な有機溶媒への再溶解性が低く、製造適性上好ましくないことが分かった。また、ReおよびRthの湿度依存性についても不満が残るものであることがわかった。
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、使用環境の湿度の変化に対するReおよびRthの変動を抑制することができ、かつ再溶解性が良好であるセルロースアシレートフィルムおよびその製造方法を提供することにある。
このような知見に基づき、本発明者らは、ReおよびRthの湿度依存性を改良でき、かつ再溶解性が良好となる添加剤について鋭意研究したところ、ある特定の置換基を有する1,3,5−トリアジン環を有するアミノ樹脂を、ホルムアルデヒド以外の特定のアルデヒドを用いて重縮合して得られた重合体を添加剤としてセルロースアシレートドープに添加すると、顕著にReおよびRthの湿度依存性が改良され、かつ、再溶解性も良好となることを見出すに至った。
具体的には、前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] 下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体と、セルロースアシレートとを含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
Figure 0005395724
(式中、R1は、炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表し、R2は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表す。)
[2] 前記一般式(1)中、前記R1が炭素数2以上のアルキル基またはアリール基であることを特徴とする[1]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[3] 前記一般式(1)中、前記R1がフェニル基であることを特徴とする[1]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[4] 前記一般式(1)中、前記R2がアルキル基またはアリール基であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
[5] 前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体の重量平均分子量が500〜10000であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
[6] 前記セルロースアシレートが、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体と架橋構造を形成していないことを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
[7] 前記セルロースアシレートを構成するセルロースのヒドロキシル基が、アシル基のみで置換されていることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
[8] 前記セルロースアシレートの総アシル置換度が1.5〜3であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
[9] 下記一般式(2)で表される化合物および下記一般式(3)で表される化合物(但し、その他の化合物を共重合成分として用いてもよい)を重縮合させて重合体を合成する工程と、該重合体とセルロースアシレートを混合してドープを調製する工程と、該ドープを溶液流延製膜してセルロースアシレートフィルムを得る工程とを含むことを特徴とする、セルロースアシレートフィルムの製造方法。
Figure 0005395724
(式中、R11は、炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表す。)
一般式(3)
12−CHO
(式中、R12は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表す。)
[10] 前記重合体を合成する工程を、酸性物質存在下で行うことを特徴とする[9]に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
[11] 前記重合体を合成する工程を、溶媒不存在下で行うことを特徴とする[9]または[10]に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
[12] 前記重合体を合成する工程終了後の前記重合体が、セルロースアシレートのヒドロキシル基と架橋反応可能な官能基を含まないように制御して前記重合体を合成することを特徴とする[9]〜[11]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
[13] セルロースのヒドロキシル基をアシル化剤によりアシル化して前記セルロースアシレートを調製する工程を含み、前記セルロースのヒドロキシル基が前記アシル化剤以外と反応しない条件下で前記セルロースアシレートフィルムを得ることを特徴とする[9]〜[12]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
[14] [9]〜[13]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法で製造されたことを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
[15] [1]〜[8]および[14]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムを含むことを特徴とする位相差フィルム。
[16] 偏光子と、[15]に記載の位相差フィルムを含むことを特徴とする偏光板。
[17] [16]に記載の偏光板を含むことを特徴とする液晶表示装置。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、使用環境の湿度の変化に対するReおよびRthの変動を抑制することができ、かつ再溶解性が良好であるため、液晶表示装置における位相差フィルム、偏光板に好適に用いることができ、特に本発明の液晶表示装置に好適に用いることができる。
本発明の液晶表示装置の一例の構成を示す模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、位相差膜及び液晶層等の各部材の光学特性を示す数値、数値範囲、及び定性的な表現(例えば、「同等」、「等しい」等の表現)については、液晶表示装置やそれに用いられる部材について一般的に許容される誤差を含む数値、数値範囲及び性質を示していると解釈されるものとする。
[セルロースアシレートフィルム]
本発明のセルロースアシレートフィルム(以下、本発明のフィルムとも言う)は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体と、セルロースアシレートとを含有することを特徴とする。
Figure 0005395724
(式中、R1は、炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表し、R2は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表す。)
このような構成をとることにより、本発明のフィルムは、使用環境の湿度の変化に対するReおよびRthの変動を抑制することができ、かつ再溶解性が良好となる。
いかなる理論に拘泥するものでもないが、セルロースアシレートフィルムのReおよびRthの湿度依存性はセルロースアシレートのアシル置換基に存在するカルボニル基に水分子が配位することにより、セルロースアシレートの複屈折性が変化することで生じていると推測される。同様にいかなる理論に拘泥するものでもないが、本発明に用いられる前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体は、水素結合性基を適当な位置に有するため、セルロースアシレートのカルボニル基または水酸基に効果的に相互作用し、高湿状態での水分子のセルロースアシレートへの接近を阻害することができる。すなわち、本発明は1,3,5−トリアジン環を有する化合物の構造、特に置換基を適当な位置に配置することに着目したものである。
以下、本発明のフィルムの好ましい態様について説明する。
<一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体>
まず、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体について説明する。なお、本明細書中において、アルキル基などの炭化水素基は、本発明の趣旨に反さない場合、直鎖であっても、分枝であってもよい。
Figure 0005395724
(一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体の構造)
前記R1は炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表し、炭素数2以上のアルキル基またはアリール基であることが好ましく、フェニル基であることが湿度依存性改良の観点からより好ましい。
前記R1がアルキル基である場合、炭素数2〜20であることが好ましく、炭素数2〜12であることがより好ましく、炭素数2〜8であることが特に好ましい。
前記R1がアルケニル基である場合、炭素数2〜20であることが好ましく、炭素数3〜15であることがより好ましく、炭素数6〜12であることが特に好ましい。
前記R1がアルキニル基である場合、炭素数2〜20であることが好ましく、炭素数3〜15であることがより好ましく、炭素数6〜12であることが特に好ましい。
前記R1がアリール基である場合、炭素数6〜24であることが好ましく、炭素数6〜18であることがより好ましく、炭素数6であることが湿度依存性改良の観点から特に好ましい。
前記R1が複素環基である場合、炭素数4〜23であることが好ましく、炭素数4〜17であることがより好ましく、炭素数5であることが湿度依存性改良の観点から特に好ましい。
前記R1はさらに置換基を有していても、有していなくともよいが、さらに置換基を有していないことが、湿度依存性改良の観点から好ましい。
前記R1が有していてもよい置換基としては、以下の置換基Tを挙げることができる。前記置換基Tとしては、例えばアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8のものであり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜30、より好ましくは6〜20、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜6であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜16、特に好ましくは0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルチオ基などが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメシル基、トシル基などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素原子数3〜40、より好ましくは3〜30、特に好ましくは3〜24であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
前記一般式(1)中、前記R2は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表し、湿度依存性改良および再溶解性改善の観点から、アルキル基またはアリール基であることが好ましい。ここで、一般的に従来用いられていたアミノ樹脂では、ホルムアルデヒドを介して、いわゆるメチロール連結により、重縮合させていた。すなわち、前記一般式(1)におけるR2が水素原子であることが一般的であった。本発明では、前記一般式(1)におけるR2を水素原子から、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基に変更することで、有機溶媒への溶解性、特に塩化メチレンなどの塩素系溶媒とアルコールを併用した溶媒への溶解性、より特に塩化メチレン/メタノールへの溶解性が顕著に高まることを見出し、完成に至ったものである。このような前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体(アミノ樹脂)は、ホルムアルデヒドがその他のアルデヒドに比較して安価であり、ホルムアルデヒドを用いたメチロール連結の反応性が高いことなどから従来ほとんど用いられていなかった。また、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体は、光学フィルム分野においても用いられていなかった。
前記R2がアルキル基である場合、炭素数1〜20であることが好ましく、炭素数1〜12であることがより好ましく、炭素数1〜8であることが特に好ましい。
前記R2がアルケニル基である場合、炭素数2〜20であることが好ましく、炭素数3〜15であることがより好ましく、炭素数6〜12であることが特に好ましい。
前記R2がアルキニル基である場合、炭素数2〜20であることが好ましく、炭素数3〜15であることがより好ましく、炭素数6〜12であることが特に好ましい。
前記R2がアリール基である場合、炭素数6〜24であることが好ましく、炭素数6〜18であることがより好ましく、炭素数6であることが湿度依存性改良の観点から特に好ましい。
前記R2が複素環基である場合、炭素数4〜23であることが好ましく、炭素数4〜17であることがより好ましく、炭素数5であることが湿度依存性改良の観点から特に好ましい。
前記R2はさらに置換基を有していても、有していなくともよく、該置換基としては前記置換基Tを挙げることができる。
(一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体の重量平均分子量)
前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体は、重量平均分子量が500〜10000であることが好ましく、1000〜5000であることがより好ましく、1000〜3000であることが特に好ましい。なお、重量平均分子量は、東ソー(株)製の「HLC−8120GPC」を用いて、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒とするポリスチレン換算GPC測定によりポリスチレンの分子量標準品と比較して求めることができる。
また、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体は、低分子のベンゾグアナミンなどの化合物と比較して、製膜時に揮散性が低く、製造装置の保全の観点から好ましい。特に、後述する本発明のセルロースアシレートフィルムの製造方法において、延伸工程で加熱するとき(特に180℃以上に加熱するとき)に低分子の化合物よりも好ましい。
なお、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体の重合度については特に制限はなく、2〜30量体であることが好ましく、3〜20量体であることがより好ましく、4〜10量体であることが特に好ましい。
(一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体の添加量)
前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体の添加量は、セルロースアシレートフィルムに対して、50質量%以下とすることが好ましく、0.5〜30質量%とすることがより好ましく、2〜20質量%とすることが特に好ましく、3〜15質量%とすることがさらに好ましい。このように、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体は、これまでに報告されている湿度依存性改良剤に比較して少量の使用で十分湿度依存性を改良することができる。
(一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体の製造方法)
本発明のセルロースアシレートフィルムに含有される前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体の製造方法は、特に限定はなく、公知の方法により製造することができる。その中でも、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体は、後述する本発明のセルロースアシレートフィルムの製造方法にしたがって、合成されることが好ましい。
<セルロースアシレート>
本発明のセルロースアシレートフィルムは、セルロースアシレートを含有する。以下、本発明のフィルムに好ましく用いることができるセルロースアシレートについて説明する。
本発明のフィルムは、セルロースアシレートを主成分として含有することが好ましい。ここで「主成分として含有する」とは、セルロースアシレートフィルムの材料として用いられているセルロースアシレートが1種である場合は、当該セルロースアシレートをいい、複数種である場合は、最も高い割合で含有されるセルロースアシレートをいう。セルロースには、β−1,4結合しているグルコース単位当り、2位、3位及び6位に遊離の水酸基がある。
セルロースアシレート原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば、丸澤、宇田著、「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」日刊工業新聞社(1970年発行)や発明協会公開技報公技番号2001−1745号(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができ、前記セルロースアシレートフィルムに対しては特に限定されるものではない。
前記セルロースアシレートフィルムは、セルロースアシレートのアシル基は特に制限はないが、アセチル基、プロピオニル基またはブチリル基であることが好ましく、アセチル基であることがより好ましい。
前記セルロースアシレートの総アシル置換度は1.5〜3であることが好ましく、1.8〜3であることがより好ましく、2.0〜3であることが特に好ましい。
具体的には、下記式(i)〜(iii)を同時に満たすセルロースアシレートを含有することが好ましい。
式(i) 2.0≦A+B≦3
式(ii) 1.0≦A≦3
式(iii) 0≦B≦1.0
(式(i)〜式(iii)中、Aはアセチル基の置換度、Bはプロピオニル基の置換度とブチリル基の置換度の合計を表す。)
式(i)を満足する、A+Bが2.0以上のセルロースアシレートを用いると、親水性がある程度低くなるためにセルロースアシレートを溶解するための溶媒として好ましく用いられる塩化メチレンに溶解しやすくなり、かつ、フィルムが通常の湿度下で安定となる。
前記セルロースアシレートフィルムは、前記セルロースアシレートのアシル置換度が、下記式(iv)〜(vi)を同時に満たすことがより好ましい。
式(iv) 2.0≦A+B≦3
式(v) 1.5≦A≦3
式(vi) B=0
(式(iv)〜式(vi)中、Aはアセチル基の置換度、Bはプロピオニル基の置換度とブチリル基の置換度の合計を表す。)
セルロースアシレート中のアセチル置換度、プロピオニル置換度およびブチリル置換度はそれぞれ、セルロースの構成単位((β)1,4−グリコシド結合しているグルコース)に存在している、3つの水酸基がアセチル化ならびにプロピオニル化及び/又はブチリル化されている割合をそれぞれ意味する。なお、本明細書では、セルロースアシレートのアセチル基、プロピオニル基、及びブチリル基の置換度は、セルロースの構成単位質量当りの結合脂肪酸量を測定して算出することができる。測定方法は、「ASTM D817−91」に準じて実施する。
前記セルロースアシレートは、350〜800の質量平均重合度を有することが好ましく、370〜600の質量平均重合度を有することがさらに好ましい。また本発明に用いるセルロースアシレートは、70000〜230000の数平均分子量を有することが好ましく、75000〜230000の数平均分子量を有することがさらに好ましく、78000〜120000の数平均分子量を有することがよりさらに好ましい。
(セルロースアシレートの合成方法)
前記セルロースアシレートは、アシル化剤として酸無水物や酸塩化物を用いて合成できる。工業的に最も一般的な合成方法としては、以下の通りである。綿花リンタや木材パルプなどから得たセルロースをアセチル基並びにプロピオニル基及び/又はブチリル基に対応する有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)又はそれらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)を含む混合有機酸成分でエステル化し、目的のセルロースアシレートを合成することができる。
(セルロースアシレートと前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体のフィルム中における存在態様)
本発明のフィルムは、前記セルロースアシレートが、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体と架橋構造を形成していないことが好ましい。具体的には、前記セルロースアシレートを構成するセルロースのヒドロキシル基が、アシル基のみで置換されていることが好ましい。このようにセルロースアシレートと前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体がフィルム中で架橋していないと、セルロースアシレートフィルムの有機溶媒への溶解性を高めることができ、好ましい。
<他の添加剤>
本発明のセルロースアシレートフィルムは、種々の目的により、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体以外の添加剤を含有していてもよい。これらの添加剤は、当該セルロースアシレートフィルムを溶液製膜法で製造する場合は、高分子樹脂ドープ、例えばセルロースアシレートドープ中に添加することができる。添加のタイミングについては特に制限はない。添加剤は、高分子(例えば、セルロースアシレート)と相溶(溶液製膜法ではセルロースアシレートドープ中に可溶)な剤から選択する。添加剤は、セルロースアシレートフィルムの光学特性の調整及びその他の特性の調整等を目的として添加される。
(可塑剤)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、可塑剤を含有しているのが、製膜性などが改善されるので好ましい。可塑剤として、糖類及びその誘導体からなる化合物群から選択される糖類系可塑剤、又はジカルボン酸類とジオール類との重縮合エステル及びその誘導体からなるオリゴマー類から選択されるオリゴマー系可塑剤を使用すると、セルロースアシレートフィルムの環境湿度耐性が改善されるので好ましい。具体的には、湿度に依存したRthの変動を軽減することができる。糖類系可塑剤及びオリゴマー系可塑剤の双方を併用すると、湿度に依存したRthの変動の軽減効果が高くなる。
(糖類系可塑剤)
上記した通り、本発明のセルロースアシレートフィルムは、糖類及びその誘導体からなる化合物群から選択される少なくとも1種の化合物を、含有しているのが好ましい。中でも、1〜10量体の糖類及びその誘導体からなる化合物群から選択される化合物は、可塑剤として好ましい。その例には、国際公開を2007/125764号パンフレットの[0042]〜[0065]に記載のグルコース等の糖のOHの一部又は全部の水素原子がアシル基に置換された糖誘導体が含まれる。糖類系可塑剤の添加量は、主成分であるセルロースアシレートに対して、0.1質量%以上20質量%未満であるのが好ましく、0.1質量%以上10質量%未満であるのがより好ましく、0.1質量%以上7質量%未満であるのがさらに好ましい。
(オリゴマー系可塑剤)
上記した通り、本発明のセルロースアシレートフィルムは、オリゴマー類から選択されるオリゴマー系可塑剤を含有しているのが好ましい。オリゴマー系可塑剤の好ましい例には、ジオール成分とジカルボン酸成分との重縮合エステル及びその誘導体(以下、「重縮合エステル系可塑剤」という場合がある)、並びにメチルアクリレート(MA)のオリゴマー及びその誘導体(以下、「MAオリゴマー系可塑剤」という場合がある)が含まれる。
前記重縮合エステルは、ジカルボン酸成分とジオール成分との重縮合エステルである。ジカルボン酸成分は、1種のジカルボン酸のみからなっていても、又は2種以上のジカルボン酸の混合物であってもよい。中でも、ジカルボン酸成分として、少なくとも1種の芳香族性ジカルボン酸及び少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸を含むジカルボン酸成分を用いるのが好ましい。一方、ジオール成分についても1種のジオール成分のみからなっていても、又は2種以上のジオールの混合物であってもよい。中でも、ジオール成分として、エチレングリコール及び/又は平均炭素原子数が2.0より大きく3.0以下の脂肪族ジオールを用いるのが好ましい。
前記時カルボン酸成分中の前記芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸との比率は、芳香族ジカルボン酸が5〜70モル%であることが好ましい。上記範囲であると、フィルムの光学特性の環境湿度依存性を低減できるとともに、製膜過程でブリードアウトの発生を抑制できる。前記ジカルボン酸成分中の芳香族ジカルボン酸は、より好ましくは10〜60モル%であり、20〜50モル%であることがさらに好ましい。
芳香族ジカルボン酸の例には、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,8−ナフタレンジカルボン酸及び2,6−ナフタレンジカルボン酸等が含まれ、フタル酸、及びテレフタル酸が好ましい。脂肪族ジカルボン酸の例には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が含まれ、中でも、コハク酸、及びアジピン酸が好ましい。
前記ジオール成分は、エチレングリコール及び/又は平均炭素数が2.0より大きく3.0以下のジオールである。前記ジオール成分中、エチレングリコールが50モル%であることが好ましく、75モル%であることがより好ましい。脂肪族ジオールとしては、アルキルジオール又は脂環式ジオール類を挙げることができ、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール、ジエチレングリコール等があり、これらはエチレングリコールとともに1種又は2種以上の混合物として使用されることが好ましい。
前記ジオール成分は、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、及び1,3−プロパンジオールであるのが好ましく、特に好ましくはエチレングリコール、及び1,2−プロパンジオールである。
また、前記重縮合エステル系可塑剤としては、前記重縮合エステルの末端のOHがモノカルボン酸とエステルを形成している当該重縮合エステルの誘導体であるのが好ましい。両末端OH基の封止に用いるモノカルボン酸類としては、脂肪族モノカルボン酸が好ましく、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸及びその誘導体等が好ましく、酢酸又はプロピオン酸がより好ましく、酢酸が最も好ましい。重縮合エステルの両末端に使用するモノカルボン酸類の炭素数が3以下であると、化合物の加熱減量が大きくならず、面状故障の発生を低減することが可能である。また、封止に用いるモノカルボン酸は2種以上を混合してもよい。前記重縮合エステルの両末端は酢酸又はプロピオン酸による封止されているのが好ましく、酢酸封止により両末端がアセチルエステル残基となっている重縮合エステルの誘導体が特に好ましい。
前記重縮合エステル及びその誘導体は、数平均分子量は700〜2000程度のオリゴマーであることが好ましく、800〜1500程度がより好ましく、900〜1200程度がさらに好ましい。なお、重縮合エステルの数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定、評価することができる。
以下の表1に、重縮合エステル系可塑剤の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0005395724
前記重縮合エステルは、常法により、ジカルボン酸成分とジオール成分とのポリエステル化反応もしくはエステル交換反応による熱溶融縮合法、又はジカルボン酸成分の酸クロライドとグリコール類との界面縮合法のいずれかの方法によっても容易に合成し得るものである。また、本発明に係る重縮合エステルについては、村井孝一編者「可塑剤 その理論と応用」(株式会社幸書房、昭和48年3月1日初版第1版発行)に詳細な記載がある。また、特開平05−155809号、特開平05−155810号、特開平5−197073号、特開2006−259494号、特開平07−330670号、特開2006−342227号、特開2007−003679号各公報などに記載されている素材を利用することもできる。
前記重縮合エステル系可塑剤の添加量は、主成分であるセルロースアシレートの量に対し0.1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがさらに好ましく、3〜15質量%であることがよりさらに好ましい。
なお、重縮合エステル系可塑剤が含有する原料及び副生成物、具体的には、脂肪族ジオール、ジカルボン酸エステル、及びジオールエステル等、のフィルム中の含有量は、1%未満が好ましく、0.5%未満がより好ましい。ジカルボン酸エステルとしては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジ(ヒドロキシエチル)、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジ(ヒドロキシエチル)、アジピン酸ジ(ヒドロキシエチル)、コハク酸ジ(ヒドロキシエチル)等が挙げられる。ジオールエステルとしては、エチレンジアセテート、プロピレンジアセテート等が挙げられる。
本発明のセルロースアシレートフィルムに用いられる可塑剤としては、メチルメタクリレート(MA)オリゴマー系可塑剤も好ましい。MAオリゴマー系可塑剤と前記糖類系可塑剤との併用も好ましい。併用の態様では、MAオリゴマー系可塑剤と糖類型可塑剤とを質量比で1:2〜1:5の割合で使用するのが好ましく、1:3〜1:4の割合で使用するのがより好ましい。MAオリゴマー系可塑剤の一例は、下記繰り返し単位を含むオリゴマーである。
Figure 0005395724
重量平均分子量は、500〜2000程度が好ましく、700〜1500程度がより好ましく、800〜1200程度であるのがさらに好ましい。
また、MAオリゴマー系可塑剤は、MA単独のオリゴマーの他、MAから誘導体される上記繰り返し単位とともに、他のモノマーから誘導される繰り返し単位の少なくとも1種を有するオリゴマーであってもよい。前記他のモノマーの例には、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル(i−、n−)、アクリル酸ブチル(n−、i、s−、t−)、アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、アクリル酸ヘキシル(n、i−)、アクリル酸ヘプチル(n−、i−)、アクリル酸オクチル(n−、i−)、アクリル酸ノニル(n−、i−)、アクリル酸ミリスチル(n−、i−)、アクリル酸(2−エチルヘシル)、アクリル酸(ε−カプロラクトン)、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−メトキシエチル)、アクリル酸(2−エトキシエチル)等、ならびに上記アクリル酸エステルをメタクリル酸エステルにかえたモノマーが含まれる。また、スチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレンなどの芳香環を有するモノマーを利用することもできる。前記他のモノマーとしては、芳香環を持たない、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマーが好ましい。
また、MAオリゴマー系可塑剤が、2種以上の繰り返し単位を有するオリゴマーである場合は、X(親水基を有するモノマー成分)及びY(親水基を持たないモノマー成分)からなり、X:Y(モル比)が1:1〜1:99のオリゴマーが好ましい。
これらのMA系オリゴマーは、特開2003−12859号公報に記載されている方法を参考にして合成することができる。
(高分子可塑剤)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、前述した糖類系可塑剤、重縮合エステル系可塑剤、及びMMAオリゴマー系可塑剤とともに、又はそれに代えて、他の高分子系可塑剤を含有していてもよい。他の高分子系可塑剤としては、ポリエステルポリウレタン系可塑剤、脂肪族炭化水素系ポリマー、脂環式炭化水素系ポリマー、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリN−ビニルピロリドン等のビニル系ポリマー、ポリスチレン、ポリ4−ヒドロキシスチレン等のスチレン系ポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、フェノール−ホルムアルデヒド縮合物、尿素−ホルムアルデヒド縮合物、酢酸ビニル、等が挙げられる。
(少なくとも2つの芳香環を有する化合物)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、少なくとも2つの芳香環を有する化合物を含有していてもよい。当該化合物は、セルロースアシレートフィルムの光学特性を調整する作用がある。例えば、本発明のセルロースアシレートフィルムを光学補償フィルムとして用いる場合、光学特性、特にReを好ましい値に制御するには、延伸が有効である。Reの上昇はフィルム面内の屈折率異方性を大きくすることが必要であり、一つの方法が延伸による主鎖配向の向上である。また、屈折率異方性の大きな化合物を添加剤として用いることで、さらにフィルムの屈折率異方性を上昇することが可能である。例えば上記の2つ以上の芳香環を有する化合物は、延伸によりポリマー主鎖が並び、それに伴い該化合物の配向性も向上し、所望の光学特性に制御することが容易となる。
少なくとも2つの芳香族環を有する化合物としては、例えば特開2003−344655号公報に記載のトリアジン化合物、特開2002−363343号公報に記載の棒状化合物、特開2005−134884及び特開2007−119737号公報に記載の液晶性化合物等が挙げられる。より好ましくは、上記トリアジン化合物又は棒状化合物である。少なくとも2つの芳香族環を有する化合物は2種以上を併用して用いることもできる。なお、少なくとも2つの芳香環を有する化合物の分子量は、300〜1200程度であることが好ましく、400〜1000であることがより好ましい。
少なくとも2つの芳香族環を有する化合物の添加量は、セルロースアシレートに対して質量比で0.05%〜10%が好ましく、0.5%〜8%がより好ましく、1%〜5%がさらに好ましい。また、前記2つの芳香族環を有する化合物は、本発明に用いられる前記一般式(1)または(2)で表される化合物を兼ねていてもよい。一方、前記2つの芳香族環を有する化合物が、1,3,5−トリアジン環構造を有するものの前記一般式(1)または(2)を満たさない場合は、湿度依存性改良の観点から、該2つの芳香族環を有する化合物の添加量は、セルロースアシレートに対して質量比で0.05%〜10%が好ましく、0.5%〜8%がより好ましく、1%〜5%が特に好ましい。
(光学異方性調整剤)
また、本発明のセルロースアシレートフィルムは、光学異方性調整剤を含有していてもよい。例えば、特開2006−30937号公報の23〜72頁に記載の「Rthを低減させる化合物」が例に挙げられる。
(マット剤微粒子)
前記セルロースアシレートフィルムには、マット剤を添加してもよい。マット剤として使用される微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子はケイ素を含むものが、濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)などの市販品を使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
2次平均粒子径の小さな粒子を有するセルロースアシレートフィルムの製造方法には、微粒子の分散液を用いることができる。例えば、セルロースアシレートフィルムを例に挙げると、微粒子の分散液を調製する際にいくつかの手法が考えられる。例えば、溶剤と微粒子を撹拌混合した微粒子分散液をあらかじめ調製し、この微粒子分散液を別途用意した少量のセルロースアシレート溶液に加えて撹拌溶解し、さらにメインのセルロースアシレートドープ液と混合する方法がある。この方法は二酸化珪素微粒子の分散性がよく、二酸化珪素微粒子が更に再凝集し難い点で好ましい調製方法である。ほかにも、溶剤に少量のセルロースアシレートを加え、撹拌溶解した後、これに微粒子を加えて分散機で分散を行い、これを微粒子添加液とし、この微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する方法もある。いずれの方法を利用してもよいし、またこれらの方法に限定されるものでもない。
上記調製方法に使用される溶剤は、低級アルコール類としては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースアシレートの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
(低分子可塑剤、劣化防止剤、剥離剤)
前記セルロースアシレートフィルムには、各調製工程において用途に応じた、上述した以外の種々の添加剤(例えば、低分子可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、剥離剤、赤外吸収剤、など)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開2001−151901号公報などに記載されている。さらにまた、赤外吸収染料としては例えば特開2001−194522号公報に記載されている。またその添加する時期は、ドープ調製工程においていずれのタイミングで添加してもよいが、ドープ調製工程の最後のタイミングで添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、セルロースアシレートフィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開2001−151902号などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。これらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
<セルロースアシレートフィルムの諸特性>
(ReおよびRth)
本発明のセルロースアシレートフィルムの光学特性の好ましい範囲は、用途に応じて変動する。VAモード液晶表示装置に利用される態様では、Re(589)が30nm〜200nmであり、及びRth(589)が70nm〜400nmであるのが好ましく;Re(589)が30nm〜150nmであり、及びRth(589)が100nm〜300nmであるのがより好ましい。さらには、Re(589)が40nm〜100nmであり、及びRth(589)が100nm〜250nmであることがさらに好ましい。
本明細書において、Re(λ)及びRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーション(nm)及び厚さ方向のレターデーション(nm)を表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(X)及び式(XI)よりRthを算出することもできる。
Figure 0005395724
注記:
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。また、式中、nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚を表す。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
本発明において、位相差膜等の「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。また、屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域のλ=589nmでの値である。
(Reの湿度依存性およびRthの湿度依存性)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、フィルムを25℃・相対湿度10%にて12時間調湿したときのRe、Rth(それぞれRe(10%)、Rth(10%)とも言う)と、25℃・相対湿度80%にて12時間調湿したときのRe、Rth(それぞれRe(80%)、Rth(80%)とも言う)の変動が小さい。このように光学特性の湿度依存性を向上させることで、使用環境の湿度が変化する条件下においてもReおよびRthの変動が抑制され、前記好ましい範囲のレテターデーションを発揮することができ、使用環境の湿度が変化する条件下での使用にも好適な高分子、特にセルロースアシレートフィルムを得ることができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、Reの湿度依存性(ΔRe=Re(10%)−Re(80%))が、15nm未満であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましく、9nm以下であることが特に好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムはRthの湿度依存性(ΔRth=Rth(10%)−Rth(80%))が、30nm以下であることが好ましく、25nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることが特に好ましく、16nm以下であることがより特に好ましい。
(膜厚)
本発明のセルロースアシレートフィルムを液晶表示装置の部材等、薄型化が望まれる装置の部材として利用する態様では、膜厚は薄いほうが好ましいが、一方、膜厚が薄すぎるとその用途に要求される光学特性を達成できない。液晶表示装置の光学補償フィルムや偏光板保護フィルムとして利用する態様では、膜厚は20〜80μm程度であるのが好ましい。より好ましくは、25〜70μm程度であり、さらに好ましくは30〜60μm程度である。
<セルロースアシレートフィルムの用途>
本発明のセルロースアシレートフィルムは、種々の用途に用いることができる。例えば、液晶表示装置の位相差フィルム(以下、光学補償フィルムとも言う)、偏光板の保護フィルム、その他の用途のフィルム等に利用することができる。
また、本発明のセルロースアシレートフィルムを複数枚積層したり、本発明のセルロースアシレートフィルムと本発明外のフィルムとを積層したりしてReやRthを適宜調整して光学補償フィルムとして用いることもできる。フィルムの積層は、粘着剤や接着剤を用いて実施することができる。
(ハードコートフィルム、防眩フィルム、反射防止フィルム)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、場合により、ハードコートフィルム、防眩フィルム、反射防止フィルムへ適用してもよい。LCD、PDP、CRT、EL等のフラットパネルディスプレイの視認性を向上する目的で、本発明のセルロースアシレートフィルムの片面又は両面にハードコート層、防眩層、反射防止層の何れか或いは全てを付与することができる。このような防眩フィルム、反射防止フィルムとしての望ましい実施態様は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)54頁〜57頁に詳細に記載されており、本発明のセルロースアシレートフィルムにおいても好ましく用いることができる。
[位相差フィルム]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、位相差フィルムとして用いることができる。なお、「位相差フィルム、または光学補償フィルム」とは、一般に液晶表示装置等の表示装置に用いられ、光学異方性を有する光学材料のことを意味し、光学補償シートなどと同義である。液晶表示装置において、光学補償フィルムは表示画面のコントラストを向上させたり、視野角特性や色味を改善したりする目的で用いられる。
[セルロースアシレートフィルムの製造方法]
本発明のセルロースアシレートフィルムの製造方法(以下、本発明の製造方法とも言う)は、下記一般式(2)で表される化合物および下記一般式(3)で表される化合物(但し、その他の化合物を共重合成分として用いてもよい)を重縮合させて重合体を合成する工程と、該重合体とセルロースアシレートを混合してドープを調製する工程と、該ドープを溶液流延製膜してセルロースアシレートフィルムを得る工程とを含む。
Figure 0005395724
(式中、R11は、炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表す。)
一般式(3)
12−CHO
(式中、R12は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表す。)
<重合体を合成する工程>
まず、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体を合成する工程について説明する。本発明のセルロースアシレートフィルムの製造方法では、前記一般式(2)で表される化合物および前記一般式(3)で表される化合物を重縮合させて重合体を合成する。従来、アミノ樹脂をセルロースアシレートフィルムに添加する場合、アミノ樹脂の前駆体(重縮合する前の化合物)をセルロースアシレートドープに添加し、その後で重縮合や架橋を行っていた。本発明の製造方法では、従来の方法とは異なり、一度前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体(アミノ樹脂)を合成した後で、重合体をセルロースアシレートドープに添加することを特徴とする。このようにあらかじめアミノ樹脂を合成した後でセルロースアシレートドープに添加することで、アミノ樹脂とセルロースアシレートが互いに架橋することを防ぐことができる。その結果、得られるセルロースアシレートフィルムは有機溶媒への溶解性が良好となり、好ましい。
(一般式(2)で表される化合物)
まず、一般式(2)で表される化合物について説明する。
Figure 0005395724
(式中、R11は、炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表す。)
前記一般式(2)におけるR11は、前記一般式(1)におけるR1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
前記一般式(2)で表される化合物は、分子量が200〜2000であることが好ましく、300〜1800であることがより好ましく、400〜1500であることが特に好ましい。
前記一般式(2)で表される化合物の入手方法としては、合成または商業的に入手することができる。本発明において好ましく用いられる製造方法としては、例えば米国特許第3,478,026公報やChem. Eur. J. 2005, 11, 6616−6628に記載されているようにジシアノジアミドとニトリル化合物とを水酸化カリウム等の無機塩基存在下にてアルコール中で加熱することでトリアジン環を形成する方法や、Tetrahedron 2000,56,9705−9711に記載されているように塩化シアヌルを原料としてグリニャール化合物とアミン化合物を段階的に置換反応させていく方法や、有機合成化学協会誌 1967,第25巻第11号,1048−1051に記載されているようにイミドイルグアニジンとカルボン酸クロリドまたはエステルの反応によりモノアミノ−ジ置換−s−トリアジン類を合成する方法を用いることができる。
以下に前記一般式(2)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は以下の具体例によって限定されるものではない。
Figure 0005395724
(一般式(3)で表される化合物)
次に、一般式(3)で表される化合物について説明する。
一般式(3)
12−CHO
(式中、R12は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表す。)
前記一般式(3)におけるR12は、前記一般式(1)におけるR2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
以下に前記一般式(3)で表される化合物の具体例としては、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒドなどを挙げることができるが、本発明はこれらの具体例によって限定されるものではない。
前記一般式(3)で表される化合物の好ましい添加量は、前記一般式(2)で表される化合物に対して、2/1〜20/1(モル比)であることが好ましく、4/1〜15/1(モル比)であることがより好ましく、5/1〜10/1(モル比)であることが環境負荷の少なくなる観点から特に好ましい。
(重縮合反応)
本発明の製造方法では、前記重合体を合成する工程を、酸性物質存在下で行うことが反応性を高める観点から好ましい。
前記酸性物質としては、一般的な酸触媒と知られている公知の無機酸や公知の有機酸を挙げることができる。前記酸触媒は、例えば、酢酸、乳酸、コハク酸、シュウ酸、マレイン酸、デカンジカルボン酸、(メタ)アクリル酸等のカルボン酸類;パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレン(ジ)スルホン酸等のスルホン酸類;ジメチルリン酸、ジブチルリン酸、ジメチルピロリン酸、ジブチルピロリン酸等の有機アルキルリン酸エステル化合物などが挙げられる。これらの有機酸のうち硬化性の点から、スルホン酸類、なかでもドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ジノニルナフタレン(ジ)スルホン酸が特に好ましい。一方、無機酸としても特に制限はないが、その中でも、パラトルエンスルホン酸を用いることが特に好ましい。
上記の酸触媒はブロック剤でブロックして用いてもよく、前記ブロック剤としては特開2007−23157号公報に記載がある。また、酸触媒の市販品についても特開2007−23157号公報に記載がある。
前記酸触媒の添加量は、フィルム乾燥温度、乾燥時間に拠るため一概に決められないが、アミノ樹脂前駆体に対して0.1〜10.0質量%、好ましくは0.2〜8.0質量%、より好ましくは0.3〜5.0質量%が好適である。0.1%以上であれば、硬化が十分に進行し、10.0質量%以下であればドープの液安定性が不良になるなどの問題が生じない。
本発明の製造方法では、前記重合体を合成する工程を、溶媒不存在下で行うことが好ましい。従来の一般的なアミノ樹脂では、ホルムアルデヒドをアルデヒド源として用いていたが、本発明の製造方法では、ホルムアルデヒドを用いずに、前記一般式(3)で表されるアルデヒドをアミノ樹脂の重縮合に用いることを特徴とする。このような前記一般式(3)で表されるアルデヒドは、溶媒存在下では前記一般式(2)で表される化合物との重縮合の反応速度がホルムアルデヒドと比較して大幅に遅いため、無溶媒下で両者を直接反応させることが好ましい。
具体的には、溶媒不存在下において、前記一般式(2)で表される化合物と、前記一般式(3)で表される化合物との混合物中に、酸触媒を添加後、加熱還流を行う態様で重縮合させることが好ましい。このように加熱還流を行うことが、反応速度の向上の観点から好ましい。
なお、本発明の製造方法では後述するとおり、溶媒不存在下において酸触媒を添加することが好ましいが、前記酸触媒は水和物であってもよい。例えば、前記酸触媒の水和物の好ましい例としては、スルホン酸類の水和物を挙げることができ、パラトルエンスルホン酸・一水和物がより好ましい。また、溶媒不存在下において水和物である酸触媒を添加する場合であっても加熱還流を行うことが、反応速度の向上の観点から好ましい。
一方、本発明の製造方法は製造コストをある程度度外視すれば、前記重合体を合成する工程を溶媒不存在下において行う態様に限定されるものではない。
また、本発明の製造方法では、前記重合体を合成する工程終了後の前記重合体が、セルロースアシレートのヒドロキシル基と架橋反応可能な官能基を含まないように制御して前記重合体を合成することが好ましい。前記セルロースアシレートのヒドロキシル基と架橋反応可能な官能基としては、アルデヒド類(例えば、ホルムアルデヒドや、未反応の前記一般式(3)で表される化合物)などの架橋反応が可能な化合物由来の官能基(例えば、アルデヒド基など)や、アミノ樹脂前駆体が有するメチロール基(−CH2OH基)や、アミノ樹脂前駆体の重縮合反応が一部進行した後の中間体が有するメチロール基や、前記一般式(2)で表される化合物と前記一般式(3)で表される化合物との重縮合反応の進行が不十分な場合の前記一般式(3)で表される化合物由来の反応性基を挙げることができる。
このように制御して重合体を合成することで、セルロースアシレートドープ中に反応性のアミノ樹脂前駆体を存在させず、本発明のセルロースアシレートフィルムにおいてセルロースアシレートとアミノ樹脂が架橋することを防ぐことができる。前記重合体が、セルロースアシレートのヒドロキシル基と架橋反応可能な官能基を含まないように制御する方法としては、前述した加熱還流の他、重縮合を完全に進行させるための公知の方法などを挙げることができる。
また、本発明のセルロースアシレートフィルムの製造方法では、セルロースのヒドロキシル基をアシル化剤によりアシル化して前記セルロースアシレートを調製する工程を含み、前記セルロースのヒドロキシル基が前記アシル化剤以外と反応しない条件下でセルロースアシレートフィルムを得ることが、セルロースアシレートのヒドロキシル基と架橋反応可能な官能基を有する化合物をセルロースアシレートと混合する前に取り除く観点から、好ましい。
具体的には、前記重合体を合成する工程において、前記重合体を含む反応混合物から前記重合体を分取する工程を含むことが、好ましい。得られた反応混合物から前記重合体を分取する方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができ、例えば、ろ過や洗浄を挙げることができる。
また、前記重合体をろ取および/または洗浄した後に、得られた前記重合体の粗生成物を、該重合体を溶解可能な溶液に溶解させた後で、再沈殿させることが好ましい。前記重合体を溶解可能な溶媒としては特に制限はないが、例えば酢酸エチル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルムなどを挙げることができ、その中でも酢酸エチルが好ましい。前記重合体を再沈殿させるための溶媒としては特に制限はないが、例えばヘキサン、トルエン、キシレンなどを挙げることができ、その中でもヘキサンが好ましい。
また、再沈殿させた後の前記重合体を乾燥する工程を含むことが好ましい。このように再沈殿後の前記重合体を乾燥した後でセルロースアシレートと混合することが、揮発性のアルデヒド類(例えば、ホルムアルデヒドや、未反応の前記一般式(3)で表される化合物)を取り除く観点から、好ましい。
その他、前記一般式(1)で表される重合体の純度を高めるための公知の濃縮方法や、前記一般式(2)で表される化合物の未反応物もしくは前記一般式(3)で表される化合物の未反応物を取り除くことが可能な公知の方法を用いてもよい。また、前記一般式(2)で表される化合物と前記一般式(3)で表される化合物との重縮合反応が完全に進行しなかった場合には、重縮合反応をさらに進行させるための後処理や、重縮合反応が一部進行した後の中間体が有する反応性の官能基を保護する処理を用いてもよい。
<ドープを調製する工程>
本発明のセルロースアシレートフィルムは、溶液製膜法(ソルベントキャスト法)によって製膜されたフィルムであるのが好ましい。ソルベントキャスト法では、ポリマーを有機溶媒に溶解して調製されたドープを、金属等からなる支持体の表面にキャストして、乾燥して製膜する。その後、膜を支持体面から剥ぎ取り、延伸処理することで製造される。
(溶媒)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、一般的にセルロースアシレートフィルムの溶液製膜に用いられる溶媒に対する再溶解性が良好である。前記一般的にセルロースアシレートフィルムの溶液製膜に用いられる溶媒としては、塩素系有機溶媒を主溶媒とする塩素系溶媒と塩素系有機溶媒を含まない非塩素系溶媒を挙げることができ、いずれをも用いることができる。
本発明に用いられるセルロースアシレートの溶液を作製するに際しては、主溶媒として塩素系有機溶媒が好ましく用いられる。本発明においては、セルロースアシレートが溶解し流延,製膜できる範囲において、その目的が達成できる限りはその塩素系有機溶媒の種類は特に限定されない。これらの塩素系有機溶媒は、好ましくはジクロロメタン、クロロホルムである。特にジクロロメタンが好ましい。また、塩素系有機溶媒以外の有機溶媒を混合することも特に問題ない。その場合は、ジクロロメタンは有機溶媒全体量中少なくとも50質量%使用することが必要である。本発明で塩素系有機溶剤と併用される他の有機溶媒について以下に記す。すなわち、好ましい他の有機溶媒としては、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、アルコール、炭化水素などから選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトン、エーテルおよびアルコールは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を同時に有していてもよい。二種類以上の官能基を有する溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテート等が挙げられる。炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノン等が挙げられる。炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等が挙げられる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノール等が挙げられる。
また塩素系有機溶媒と併用されるアルコールとしては、好ましくは直鎖であっても分枝を有していても環状であってもよく、その中でも飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの水酸基は、第一級〜第三級のいずれであってもよい。アルコールの例には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノールおよびシクロヘキサノールが含まれる。なおアルコールとしては、フッ素系アルコールも用いられる。例えば、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなども挙げられる。さらに炭化水素は、直鎖であっても分岐を有していても環状であってもよい。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水
素のいずれも用いることができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽和であってもよい。炭化水素の例には、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが含まれる。
塩素系有機溶媒と他の有機溶媒との組合せ例としては以下の組成を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
・ジクロロメタン/メタノール/エタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/メタノール/プロパノール(80/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン(80/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/イソプロパノール(75/10/10/5/7、質量部)
・ジクロロメタン/シクロペンタノン/メタノール/イソプロパノール(80/10/5/8、質量部)
・ジクロロメタン/酢酸メチル/ブタノール(80/10/10、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロヘキサノン/メタノール/ヘキサン(70/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール (50/20/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/1、3ジオキソラン/メタノール/エタノール (70/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/ジオキサン/アセトン/メタノール/エタノール (60/20/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブタノール/シクロヘキサン (65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール (70/10/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘキサン (65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール (65/20/10/5、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール (65/20/10/5、質量部)、
などを挙げることができる。
次に、セルロースアシレートの溶液を作製するに際して好ましく用いられる非塩素系有機溶媒について記載する。本発明においては、セルロースアシレートが溶解し流延,製膜できる範囲において、その目的が達成できる限り、非塩素系有機溶媒は特に限定されない。本発明で用いられる非塩素系有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテルから選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが挙げられる。炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが挙げられる。炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが挙げられる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが挙げられる。
以上のセルロースアシレートに用いられる非塩素系有機溶媒については、前述のいろいろな観点から選定されるが、好ましくは以下のとおりである。すなわち、非塩素系溶媒としては、前記非塩素系有機溶媒を主溶媒とする混合溶媒が好ましく、互いに異なる3種類以上の溶媒の混合溶媒であって、第1の溶媒が酢酸メチル、酢酸エチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、アセトン、ジオキソラン、ジオキサンから選ばれる少なくとも一種あるいは或いはそれらの混合液であり、第2の溶媒が炭素原子数が4〜7のケトン類またはアセト酢酸エステルから選ばれ、第3の溶媒として炭素数が1〜10のアルコールまたは炭化水素、より好ましくは炭素数1〜8のアルコールから選ばれる、混合溶媒である。なお第1の溶媒が、2種以上の溶媒の混合液である場合は、第2の溶媒がなくてもよい。第1の溶媒は、さらに好ましくは酢酸メチル、アセトン、蟻酸メチル、蟻酸エチルあるいはこれらの混合物であり、第2の溶媒は、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセチル酢酸メチルが好ましく、これらの混合溶媒であってもよい。
第3の溶媒であるアルコールは、直鎖であっても分枝を有していても環状であってもよく、その中でも飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの水酸基は、第一級〜第三級のいずれであってもよい。アルコールの例には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノールおよびシクロヘキサノールが含まれる。なおアルコールとしては、フッ素系アルコールも用いられる。例えば、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなども挙げられる。さらに炭化水素は、直鎖であっても分岐を有していても環状であってもよい。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用いることができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽和であってもよい。炭化水素の例には、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが含まれる。これらの第3の溶媒であるアルコールおよび炭化水素は単独でもよいし2種類以上の混合物でもよく特に限定されない。第3の溶媒としては、好ましい具体的化合物は、アルコールとしてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、およびシクロヘキサノール、シクロヘキサン、ヘキサンを挙げることができ、特にはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールである。
以上の3種類の混合溶媒の混合割合は、混合溶媒全体量中、第1の溶媒が20〜95質量%、第2の溶媒が2〜60質量%さらに第3の溶媒が2〜30質量%の比率で含まれることが好ましく、さらに第1の溶媒が30〜90質量%であり、第2の溶媒が3〜50質量%、さらに第3のアルコールが3〜25質量%含まれることが好ましい。また特に第1の溶媒が30〜90質量%であり、第2の溶媒が3〜30質量%、第3の溶媒がアルコールであり3〜15質量%含まれることが好ましい。以上の本発明で用いられる非塩素系有機溶媒は、さらに詳細には発明協会公開技報公技番号2001−1745号(2001年3月15日発行、発明協会)p.12−16に詳細に記載されている。
好ましい非塩素系有機溶媒の組合せは以下挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール/ブタノール(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール/プロパノール(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(81/8/7/4、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(82/10/4/4、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(80/10/4/6、質量部)
・酢酸メチル/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/イソプロパノール(75/10/10/5/7、質量部)、
・酢酸メチル/シクロペンタノン/メタノール/イソプロパノール(80/10/5/8、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/ブタノール(85/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/シクロペンタノン/アセトン/メタノール/ブタノール(60/15/15/5/6、質量部)、
・酢酸メチル/シクロヘキサノン/メタノール/ヘキサン(70/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール (50/20/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/1、3−ジオキソラン/メタノール/エタノール (70/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/ジオキサン/アセトン/メタノール/エタノール (60/20/10/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブタノール/シクロヘキサン (65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ギ酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール (50/20/20/5/5、質量部)、
・ギ酸メチル/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘキサン (65/10/10/5/5/5、質量部)、
・アセトン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール (65/20/10/5、質量部)、
・アセトン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール (65/20/10/5、質量部)、
・アセトン/1,3−ジオキソラン/エタノール/ブタノール (65/20/10/5、質量部)、
・1、3−ジオキソラン/シクロヘキサノン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール (55/20/10/5/5/5、質量部)
などをあげることができる。
更に下記の方法で調整したセルロースアシレート溶液を用いることもできる。
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(81/8/7/4、質量部)でセルロースアシレート溶液を作製しろ過・濃縮後に2質量部のブタノールを追加添加する方法
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(84/10/4/2、質量部)でセルロースアシレート溶液を作製しろ過・濃縮後に4質量部のブタノールを追加添加する
方法
・酢酸メチル/アセトン/エタノール(84/10/6、質量部)でセルロースアシレート溶液を作製しろ過・濃縮後に5質量部のブタノールを追加添加する方法
本発明に用いるドープには、上記非塩素系有機溶媒以外に、ジクロロメタンを全有機溶媒量の10質量%以下含有させてもよい。
以上の溶媒の中でも、特に本発明のセルロースアシレートフィルムは、ドープ調製時の溶媒として塩素系有機溶媒とアルコールを併用した溶媒を用いたときの再溶解性が良好であるため、該好ましく用いることができる。その中でも、塩化メチレンを含む溶媒を用いることが好ましく、少なくとも塩化メチレンとメタノールを併用した溶媒を用いることが好ましい。
<ドープを溶液流延製膜する工程>
ソルベントキャスト法を利用したセルロースアシレートフィルムの製造例については、米国特許第2,336,310号、同2,367,603号、同2,492,078号、同2,492,977号、同2,492,978号、同2,607,704号、同2,739,069号及び同2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号及び同736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号及び同62−115035号等の記載を参考にすることができる。また、前記セルロースアシレートフィルムは、延伸処理を施されていてもよい。延伸処理の方法及び条件については、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号 等に記載の例を参考にすることができる。
[偏光板]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、偏光板(本発明の偏光板)の保護フィルムとして用いることができる。本発明の偏光板の一例は、偏光膜とその両面を保護する二枚の偏光板保護フィルム(透明フィルム)からなり、本発明のセルロースアシレートフィルムを少なくとも一方の偏光板保護フィルムとして有する。本発明のセルロースアシレートフィルムが支持体として利用され、その表面に液晶組成物からなる光学異方性層を有する態様について、偏光板の保護フィルムとして利用する場合は、支持体である本発明のセルロースアシレートフィルムの裏面(光学異方性層が形成されていない側の面)を偏光膜の表面に貼り合せるのが好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムを前記偏光板保護フィルムとして用いる場合、本発明のセルロースアシレートフィルムには前記表面処理(特開平6−94915号公報、同6−118232号公報にも記載)を施して親水化しておくことが好ましく、例えば、グロー放電処理、コロナ放電処理、又は、アルカリ鹸化処理などを施すことが好ましい。特に、本発明のセルロースアシレートフィルムがセルロースアシレートフィルムの場合には、前記表面処理としてはアルカリ鹸化処理が最も好ましく用いられる。
また、前記偏光膜としては、例えば、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬して延伸したもの等を用いることができる。ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬して延伸した偏光膜を用いる場合、接着剤を用いて偏光膜の両面に本発明のセルロースアシレートフィルムの表面処理面を直接貼り合わせることができる。本発明の製造方法においては、このように前記セセルロースアシレートフィルムが偏光膜と直接貼合されていることが好ましい。前記接着剤としては、ポリビニルアルコール又はポリビニルアセタール(例えば、ポリビニルブチラール)の水溶液や、ビニル系ポリマー(例えば、ポリブチルアクリレート)のラテックスを用いることができる。特に好ましい接着剤は、完全鹸化ポリビニルアルコールの水溶液である。
一般に液晶表示装置は二枚の偏光板の間に液晶セルが設けられるため、4枚の偏光板保護フィルムを有する。本発明のセルロースアシレートフィルムは、4枚の偏光板保護フィルムのいずれに用いてもよいが、本発明のセルロースアシレートフィルムは、液晶表示装置における偏光膜と液晶層(液晶セル)の間に配置される保護フィルムとして、特に有用である。また、前記偏光膜を挟んで本発明のセルロースアシレートフィルムの反対側に配置される保護フィルムには、透明ハードコート層、防眩層、反射防止層などを設けることができ、特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムとして好ましく用いられる。
[液晶表示装置]
本発明のセルロースアシレートフィルム、ならびそれを利用した光学補償フィルム及び偏光板は、様々な表示モードの液晶表示装置に用いることができる。以下にこれらのフィルムが用いられる各液晶モードについて説明する。これらのモードのうち、本発明のセルロースアシレートフィルム、並びにそれを利用した光学補償フィルム及び偏光板は、特にVAモードの液晶表示装置に好ましく用いられる。これらの液晶表示装置は、透過型、反射型及び半透過型のいずれでもよい。
図1に、本発明の液晶表示装置の一例の断面模式図を示す。なお、図1中、上を観察者(表示面)側、下をバックライト側とする。
図1のVAモード液晶表示装置は、液晶セルLC(上側基板1、下側基板3、及び液晶層5、からなる)と、液晶セルLCを挟持して配置される一対の上側偏光板P1及び下側偏光板P2とを有する。なお、偏光膜は、双方の表面に保護フィルムを有する偏光板として液晶表示装置に組み込まれるのが一般的であるが、図1では、偏光膜の外側保護フィルムは省略した。偏光板P1及びP2は、それぞれ偏光膜8a及び8bを有し、その吸収軸9a及び9bを互いに直交方向にして配置されている。液晶セルLCはVAモードの液晶セルであり、黒表示時には、図1に示す通り、液晶層5はホメオトロピック配向になる。上側基板1と下側基板3は、それぞれ内面に、配向膜(図示せず)と電極層(図示せず)を有し、さらに観察者側の基板1の内面には、カラーフィルタ層(図示せず)を有する。
上側基板1と上側偏光膜8aとの間、及び下側基板3と下側偏光膜8bとの間には、位相差膜10a及び10bがそれぞれ配置されている。位相差膜10a及び10bは、本発明のセルロースアシレートフィルムである。位相差膜10a及び10bは、その面内遅相軸11a及び11bを、上側偏光膜8a及び下側偏光膜8bのそれぞれの吸収軸9a及び9bと直交にして配置される。即ち、位相差膜10a及び10bは、それぞれの遅相軸を直交にして配置される。本発明のセルロースアシレートフィルムからなる位相差膜10a及び10bは、黒表示時の斜め方向に生じる光漏れ及びカラーシフトの軽減に寄与する。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[合成例1:化合物A〜Dの合成]
原料として、ベンゾグアナミン20g、ベンズアルデヒド73gを用い、以下の溶媒、触媒、その他製造条件のもと、以下の方法にしたがって、化合物Aを合成した。
ベンゾグアナミン(20g,107mmol)とベンズアルデヒド(73g,690mmol)との混合物中に撹拌しながら、パラトルエンスルホン酸・一水和物(0.5g,2.6mmol)を添加し、3時間加熱還流した。室温まで冷却後、反応混合物をヘキサン(300mL)にゆっくり加え、析出物をろ過で採取し、ヘキサンで洗浄した。得られた粗生成物を酢酸エチルに再溶解した溶液をヘキサンに滴下することで再沈殿させ、ろ過により採取・乾燥した。
その結果、目的の化合物A(収量25.1g、収率85%)を得た。化合物Aの重量平均分子量は1480であった。
化学構造はNMRスペクトル、MSスペクトルおよび元素分析で確認した。
化合物A
Figure 0005395724
また、化合物Aの合成と同様にして、化合物BおよびCを合成した。化合物BおよびCの重量平均分子量はそれぞれ1260、1900であった。
化合物B
Figure 0005395724
化合物C
Figure 0005395724
また、以下のようにして共重合させた以外は化合物Aの合成と同様にして、化合物Dを合成した。
ベンゾグアナミン(30g,0.160mmol)、ベンズアルデヒド(89.1g,840mmol)、ブチルアルデヒド(20.2g,280mmol)の混合物に撹拌しながらパラトルエンスルホン酸・一水和物(0.1g,0.53mmol)を添加し、3時間加熱還流した。
化合物Dの重量平均分子量は1100であった。但し、化合物D中、かっこの右下の数値は、共重合比(モル比)を表す。
化合物D
Figure 0005395724
[実施例1]
(セルロースアシレートフィルムの作製)
下記表2に記載のセルロースアシレート100質量部に対して、前記化合物Aを下記表2に記載の添加量(4質量%)となるように添加し、溶媒である塩化メチレン、410質量部、メタノール、45質量部中に混合して、セルロースアシレート(具体的には、セルロースアセテート)溶液を調製した。この溶液を、バンド流延機を用いて流延し、得られたウェブをバンドから剥離し、その後140℃の条件下、TD方向(フィルム幅方向)に35%延伸した後、乾燥して、膜厚50μmのセルロースアシレートフィルム(具体的には、セルロースアセテート)フィルムを作製した。これを実施例1のフィルムとして用いた。
[実施例2〜9および比較例1〜3]
用いた添加剤の種類と添加量を下記表2に記載のとおりに変えた以外は実施例1のフィルムと同様にして、下記表2に示す実施例2〜9のフィルムを作製した。一方、比較例1のフィルムとして、添加剤を無添加のフィルムを製造した。また、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの縮合体(重合体)として、特開平9−194555記載の実施例6の方法に倣って合成したものを添加剤として用いて比較例2のフィルムを製造した。更にまた、ドープ中でセルロースアシレートと架橋反応させる前駆体として、以下に示す構造の比較化合物1を添加剤として用いて、比較例3のフィルムを製造した。
Figure 0005395724
(ReおよびRthの湿度依存性)
得られた各実施例および比較例のフィルムについて、幅方向3点(中央、端部(両端からそれぞれ全幅の5%の位置))を長手方向に10mごとに3回サンプリングし、3cm角の大きさのサンプルを9枚取り出し、下記の方法にしたがって求めた各点の平均値から求めた。
サンプルフィルムを25℃・相対湿度10%にて12時間調湿後、自動複屈折計(KOBRA−21ADH:王子計測機器(株)製)を用いて、25℃・相対湿度60%において、フィルム表面に対し垂直方向および遅相軸を回転軸としてフィルム面法線から+50°から−50°まで10°刻みで傾斜させた方向から波長590nmにおける位相差を測定することから、面内レターデーション値(Re)と膜厚方向のレターデーション値(Rth)とを算出した。また、25℃・相対湿度80%にて12時間調湿した以外は上記の方法と同様にしてReとRthを測定して算出した。これらの値をもとに、Reの湿度依存性(ΔRe(10%−80%))とRthの湿度依存性(ΔRth(10%−80%))とを算出した。
その結果を下記表2に示す。
(再溶解性)
再溶解性を評価するため、得られたセルロースアシレートフィルムの塩化メチレン/メタノール混合溶媒への溶解性を以下の方法にしたがって判断し、評価した。その結果を下記表2に記載した。
セルロースアシレートフィルム100質量部を、塩化メチレン492質量部、メタノール54質量部に加え、膨潤させた後、室温にて12時間撹拌した。溶解性を目視により以下のように評価した。
◎:透明
○:若干濁りあり
△:白濁
×:不溶物あり
Figure 0005395724
上記表2に示す結果から、本発明のフィルムはいずれも再溶解性が良好であり、各比較例のフィルムと比較してReおよびRthの湿度依存性が良好であることが分かった。また、ホルムアルデヒドとベンゾグアナミンとの縮合体(重合体)、すなわち一般式(1)におけるR2を水素原子とした縮合体(重合体)を用いた比較例2では該縮合体(重合体)が溶媒に不溶であり、白濁したフィルムしか得られず評価できなかった。比較例3ではセルロースフィルムが溶媒に再溶解しなかった。
1 液晶セル上側基板
3 液晶セル下側基板
5 液晶層(液晶分子)
8a、8b 偏光板の保護フィルム
9a、9b 偏光板の保護フィルム吸収軸
10a、10b 位相差膜(本発明のセルロースアシレートフィルム)
11a、11b 位相差膜(本発明のセルロースアシレートフィルム)吸収軸
P1、P2 偏光板
LC 液晶セル

Claims (16)

  1. 下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体と、セルロースアシレートとを含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
    Figure 0005395724
    (式中、R1は、炭素数2以上のアルキル基またはアリール基を表し、R2は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表す。)
  2. 前記一般式(1)中、前記R1がフェニル基であることを特徴とする請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
  3. 前記一般式(1)中、前記R2がアルキル基またはアリール基であることを特徴とする請求項1または2に記載のセルロースアシレートフィルム。
  4. 前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体の重量平均分子量が500〜10000であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
  5. 前記セルロースアシレートが、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体と架橋構造を形成していないことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
  6. 前記セルロースアシレートを構成するセルロースのヒドロキシル基が、アシル基のみで置換されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
  7. 前記セルロースアシレートの総アシル置換度が1.5〜3であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
  8. 下記一般式(2)で表される化合物および下記一般式(3)で表される化合物(但し、その他の化合物を共重合成分として用いてもよい)を重縮合させて重合体を合成する工程と、
    該重合体とセルロースアシレートを混合してドープを調製する工程と、
    該ドープを溶液流延製膜してセルロースアシレートフィルムを得る工程とを含むことを特徴とする、セルロースアシレートフィルムの製造方法。
    Figure 0005395724
    (式中、R11は、炭素数2以上のアルキル基またはアリール基を表す。)
    一般式(3)
    12−CHO
    (式中、R12は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表す。)
  9. 前記重合体を合成する工程を、酸性物質存在下で行うことを特徴とする請求項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  10. 前記重合体を合成する工程を、溶媒不存在下で行うことを特徴とする請求項またはに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  11. 前記重合体を合成する工程終了後の前記重合体が、セルロースアシレートのヒドロキシル基と架橋反応可能な官能基を含まないように制御して前記重合体を合成することを特徴とする請求項10のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  12. セルロースのヒドロキシル基をアシル化剤によりアシル化して前記セルロースアシレートを調製する工程を含み、
    前記セルロースのヒドロキシル基が前記アシル化剤以外と反応しない条件下で前記セルロースアシレートフィルムを得ることを特徴とする請求項11のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  13. 請求項12のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法で製造されたことを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
  14. 請求項1〜および13のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムを含むことを特徴とする位相差フィルム。
  15. 偏光子と、請求項14に記載の位相差フィルムを含むことを特徴とする偏光板。
  16. 請求項15に記載の偏光板を含むことを特徴とする液晶表示装置。
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