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JP5409644B2 - 同期機起動装置 - Google Patents
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JP5409644B2 - 同期機起動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、同期機起動装置に関し、特に、同期機の回転子位置を検出する同期機起動装置に関する。
発電機および電動機等の同期機を起動するための同期機起動装置が開発されている。従来、同期機起動装置では、同期機の回転子の位置を近接スイッチ等により検出する機械式分配器が用いられている。しかしながら、機械式分配器は壊れやすく、また、配線が多いためにノイズの影響を受けやすい。
このような機械式分配器を不要とするための同期機起動装置の一例が特開2006−271038号公報(特許文献1)に開示されている。すなわち、この同期発電機起動装置は、サイリスタなどの他励素子からなる他励式コンバータと、コンバータにより得られる直流電力を交流電力に変換するサイリスタなどの他励素子からなる他励式インバータとを備え、インバータにより得られる交流電力による同期発電機を起動する。そして、この同期発電機起動装置は、同期発電機の電機子端子の電圧を検出する交流電圧検出器と、インバータから同期発電機の電機子に流し込まれるインバータ出力電流を検出する交流電流検出器と、出力電流検出器からのインバータの交流電流検出値と、第一の同期発電機回転速度推定値から、同期発電機の界磁電流により同期発電機の電機子巻線に誘起される誘起電圧の、第一の基準位相に対する同相成分と直交成分を演算する誘起電圧演算回路と、誘起電圧演算回路からの誘起電圧の第一の基準位相の直交成分をゼロとするような第二の基準位相と第二の同期発電機回転速度推定値を出力するPLL回路とを備える。そして、この同期発電機起動装置は、PLL回路の出力である第二の基準位相に基づき、所定の制御進み角のインバータのゲートパルスを生成するとともに、第二の基準位相を、誘起電圧演算回路の第一の基準位相に入力し、第二の同期発電機回転速度推定値を誘起電圧演算回路の第一の同期発電機回転速度推定値に入力する。
特開2006−271038号公報
起動時において同期機の電機子に供給される電圧は、定常時の定格電圧と比べてたとえば1/1000と非常に小さい。このため、特許文献1記載の構成では、起動時において同期機の電機子に供給される電圧を高精度で検出し、回転子の位置を正確に検出することが困難であることから、同期機を安定して起動することができない場合がある。
それゆえに、本発明の目的は、同期機を安定して起動することが可能な同期機起動装置を提供することである。
この発明のある局面に係わる同期機起動装置は、供給された電力を交流電力に変換して同期機の電機子に供給する電力変換部と、同期機の電機子に供給される交流電圧を検出する交流電圧検出部と、検出された交流電圧に基づいて、同期機の回転子位置を検出する回転子位置検出部と、検出された回転子位置に基づいて、電力変換部を制御する電力変換制御部とを備え、回転子位置検出部は、検出された交流電圧に基づいて、同期機の電機子に供給される交流電圧のレベルが所定値になるタイミングを示す第1の位置信号を出力するレベル監視部と、回転子位置を示す推定位相と検出された交流電圧とに基づいて推定位相の誤差を算出し、算出された位相誤差に基づいて推定位相を算出し、算出した推定位相を示す第2の位置信号を出力するフィードバック演算部と、第1の位置信号または第1の位置信号に基づいて得られる位置信号と、第2の位置信号とを受けて、受けた2つの位置信号のいずれか一方を選択し、同期機の回転子位置を示す信号として電力変換制御部へ出力する選択回路とを備える。
好ましくは、回転子位置検出部は、さらに、所定周波数を有する交流信号である第3の位置信号を出力する交流信号生成部を備え、選択回路は、第1の位置信号、第2の位置信号および第3の位置信号のいずれか1つを選択し、同期機の回転子位置を示す信号として電力変換制御部へ出力する。
より好ましくは、回転子位置検出部は、さらに、第1の位置信号を交流信号生成部へ出力するか否かを切り替える切り替え回路を含み、交流信号生成部は、切り替え回路から受けた第1の位置信号に基づいて第3の位置信号の位相を調整する。
より好ましくは、選択回路は、第1の位置信号を選択し、その後、交流信号生成部が第1の位置信号に基づいて第3の位置信号の位相を調整した後、第3の位置信号を選択する。
より好ましくは、回転子位置検出部は、さらに、第3の位置信号をフィードバック演算部へ出力するか否かを切り替える切り替え回路を含み、フィードバック演算部は、切り替え回路から受けた第3の位置信号に基づいて第2の位置信号の位相を調整する。
より好ましくは、選択回路は、第3の位置信号を選択し、その後、フィードバック演算部が第3の位置信号に基づいて第2の位置信号の位相を調整した後、第2の位置信号を選択する。
より好ましくは、選択回路は、第1の位置信号、第3の位置信号および第2の位置信号をこの順番で選択して電力変換制御部へ出力する。
より好ましくは、交流信号生成部は、同期機の待機時における回転子の予め定められた回転速度に対応する周波数を有する第3の位置信号を出力する。
より好ましくは、選択回路は、検出された交流電圧のレベルに基づいて、第1の位置信号および第3の位置信号をこの順番で選択して電力変換制御部へ出力する。
より好ましくは、選択回路は、検出された交流電圧のレベルが所定値以上となってから所定時間経過した時、第1の位置信号の選択を解除して第3の位置信号を選択する。
より好ましくは、選択回路は、検出された交流電圧のレベルに基づいて、第3の位置信号および第2の位置信号をこの順番で選択して電力変換制御部へ出力する。
より好ましくは、選択回路は、検出された交流電圧のレベルが所定値以上となってから所定時間経過した時、第3の位置信号の選択を解除して第2の位置信号を選択する。
好ましくは、回転子位置検出部は、さらに、第1の位置信号をフィードバック演算部へ出力するか否かを切り替える切り替え回路を含み、フィードバック演算部は、切り替え回路から受けた第1の位置信号に基づいて第2の位置信号の位相を調整する。
より好ましくは、選択回路は、第1の位置信号を選択し、その後、フィードバック演算部が第1の位置信号に基づいて第2の位置信号の位相を調整した後、第2の位置信号を選択する。
好ましくは、選択回路は、第1の位置信号および第2の位置信号をこの順番で選択して電力変換制御部へ出力する。
好ましくは、選択回路は、検出された交流電圧のレベルに基づいて、第1の位置信号および第2の位置信号をこの順番で選択して電力変換制御部へ出力する。
より好ましくは、選択回路は、検出された交流電圧のレベルが所定値以上となってから所定時間経過した時、第1の位置信号の選択を解除して第2の位置信号を選択する。
好ましくは、回転子位置検出部は、さらに、所定周波数を有する交流信号である第3の位置信号を出力する交流信号生成部と、第1の位置信号を交流信号生成部へ出力するか否かを切り替える切り替え回路とを含み、交流信号生成部は、切り替え回路から受けた第1の位置信号に基づいて第3の位置信号の位相を調整し、選択回路は、第2の位置信号および第3の位置信号のいずれか一方を選択し、同期機の回転子位置を示す信号として電力変換制御部へ出力する。
より好ましくは、選択回路は、第3の位置信号および第2の位置信号をこの順番で選択して電力変換制御部へ出力する。
より好ましくは、選択回路は、検出された交流電圧のレベルに基づいて、第3の位置信号および第2の位置信号をこの順番で選択して電力変換制御部へ出力する。
より好ましくは、選択回路は、検出された交流電圧のレベルが所定値以上となってから所定時間経過した時、第3の位置信号の選択を解除して第2の位置信号を選択する。
より好ましくは、回転子位置検出部は、さらに、第3の位置信号をフィードバック演算部へ出力するか否かを切り替える切り替え回路を含み、フィードバック演算部は、切り替え回路から受けた第3の位置信号に基づいて第2の位置信号の位相を調整する。
より好ましくは、選択回路は、第3の位置信号を選択し、その後、フィードバック演算部が第3の位置信号に基づいて第2の位置信号の位相を調整した後、第2の位置信号を選択する。
より好ましくは、交流信号生成部は、同期機の待機時における回転子の予め定められた回転速度に対応する周波数を有する第3の位置信号を出力する。
好ましくは、同期機起動装置は、さらに、同期機の電機子に供給される交流電流を検出する交流電流検出部を備え、フィードバック演算部は、回転子位置を示す推定位相、回転子の推定回転速度ならびに検出された交流電圧および交流電流に基づいて同期機の電機子に誘起される誘起電圧を算出し、算出した誘起電圧に基づいて推定位相の誤差を算出し、算出された位相誤差に基づいて推定位相および推定回転速度を算出し、算出した推定位相を示す第2の位置信号を出力する。
本発明によれば、同期機を安定して起動することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置の構成を示す図である。 回転子位置検出部11の構成を示す図である。 PLL部22の構成を概念的に示す図である。 PLL部22によって生成される位相信号PH1および位置信号POS1の波形を示す図である。 PLL部22による位相信号PH1の位相調整を示す図である。 PLL部23の構成を示す図である。 回転子位置検出部の動作を示すタイムチャートである。 回転子位置検出部11の変形例の構成を示す図である。 回転子位置検出部11の変形例のPLL回路34における積分部の構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る回転子位置検出部の構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るPLL回路34における積分部の構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る同期機起動装置における積分部の変形例の構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る回転子位置検出部の構成を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る回転子位置検出部の構成を示す図である。
符号の説明
1 コンバータ、2 インバータ、3 直流リアクトル、8 交流電圧検出器、9 交流電流検出器、11,81,82,83,84 回転子位置検出部、12 基準正弦波演算器、13 ゲートパルス発生器、14 β指令回路、19 インバータ制御部(電力変換制御部)、21 ゼロクロス検出部(レベル監視部)、22 PLL部(交流信号生成部)、23 PLL部(フィードバック演算部)、31,32 三相二相変換回路、33 誘起電圧演算回路、34 PLL回路、71 電力変換部、101 同期機起動装置、SEL 選択回路、SW1〜SW7 切り替え回路、INT 積分器、35,PGEN 位置信号生成器。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置の構成を示す図である。
図1を参照して、同期機起動装置101は、電力変換部71と、交流電圧検出器8と、交流電流検出器9と、回転子位置検出部11と、インバータ制御部(電力変換制御部)19とを備える。電力変換部71は、コンバータ1と、インバータ2と、直流リアクトル3とを含む。インバータ制御部19は、基準正弦波演算器12と、ゲートパルス発生器13と、β指令回路14とを含む。
同期機4およびモータMは、軸SHを介して接続されている。同期機4はたとえば同期発電機または同期電動機であり、電機子および回転子を有する。モータMは、同期機4の待機時、所定速度で回転する。この回転速度は低速であり、たとえば数rpmである。これに対して、通常時の回転速度は3000rpm〜3600rpmである。このため、起動時に同期機4の電機子に印加される電圧は、前述のように定常時の1/1000と非常に小さく、交流電圧検出器8による検出電圧は歪んでいる場合も多いことから、正確に検出することは困難である。
コンバータ1は、サイリスタなどの複数の素子からなり、交流電源e1からの交流電力を直流電力に変換する。
インバータ2は、サイリスタなどの複数の素子からなり、コンバータ1により得られる直流電力を交流電力に変換して同期機4の電機子に供給することにより、同期機4を駆動する。
コンバータ1およびインバータ2は、直流リアクトル3を介して接続されている。インバータ2の交流側は同期機4の電機子に接続されている。
交流電圧検出器8は、同期機4の電機子に供給される三相交流電圧を検出し、電圧検出値V1,V2,V3を回転子位置検出部11へ出力する。
交流電流検出器9は、同期機4の電機子に供給される三相交流電流を検出し、電流検出値I1,I2,I3を回転子位置検出部11へ出力する。
回転子位置検出部11は、交流電圧検出器8および交流電流検出器9から受けた各検出値に基づいて、同期機4の回転子位置(位相)を検出し、同期機4の回転子位置を示す回転子位置信号POSをインバータ制御部19へ出力する。
インバータ制御部19は、回転子位置検出部11から受けた回転子位置信号POSに基づいてインバータ2を制御する。
インバータ制御部19において、基準正弦波演算器12は、回転子位置検出部11から受けた位置信号POSに基づいて、基準正弦波sinφを出力する。
β指令回路14は、制御進み角指令値βを演算し、ゲートパルス発生器13へ出力する。
ゲートパルス発生器13は、基準正弦波演算器12から受けた基準正弦波sinφと、β指令回路14から受けた制御進み角指令値βとに基づいて、インバータ2における各素子へゲートパルスを出力する。
図2は、回転子位置検出部11の構成を示す図である。
図2を参照して、回転子位置検出部11は、ゼロクロス検出部(レベル監視部)21と、PLL(Phase Locked Loop)部(交流信号生成部)22と、PLL部(フィードバック演算部)23と、選択回路SELと、切り替え回路SW3とを含む。選択回路SELは、切り替え回路SW1およびSW2を含む。
ゼロクロス検出部21は、交流電圧検出器8から受けた電圧検出値V1,V2,V3に基づいて、同期機4の電機子に供給される交流電圧のゼロクロス検出を行なう。すなわち、ゼロクロス検出部21は、同期機4の電機子に供給される交流電圧のレベルが略ゼロボルトになるタイミングを検出し、検出したタイミングを示す検出信号ZDETを出力する。また、ゼロクロス検出部21は、検出信号ZDETから推定される同期機4の回転子の位相を示す検出信号SETを出力する。
切り替え回路SW3は、ゼロクロス検出部21から受けた検出信号SETをPLL部22へ出力するか否かを切り替える。
PLL部22は、所定周波数FIを有する交流信号である位置信号POS1を出力する。ここで、所定周波数FIは、同期機4の待機時における回転子の予め定められた回転速度に対応する周波数である。また、PLL部22は、切り替え回路SW3から受けた検出信号SETに基づいて位置信号POS1の位相を調整する。
図3は、PLL部22の構成を概念的に示す図である。図4は、PLL部22によって生成される位相信号PH1および位置信号POS1の波形を示す図である。図5は、PLL部22による位相信号PH1の位相調整を示す図である。
図3〜図5を参照して、PLL部22は、積分器INTと、位置信号生成器PGENとを含む。積分器INTは、初期周波数FIに相当する値を積分して位相θに変換し、位相信号PH1として出力する。また、積分器INTは、位相θが360°になると0°にリセットする。すなわち、位相信号PH1は、振幅を位相θとする交流信号である。また、積分器INTは、ゼロクロス検出部21から受けた検出信号SETが示す30°、90°、150°等の角度に基づいて、位相θを補正する。位置信号生成器PGENは、積分器INTから受けた位相信号PH1の示す位相に基づいて位置信号POS1を生成する。図4に示すように、たとえば、位置信号生成器PGENは、位相信号PH1を従来の機械式分配器と同様のパルス状の交流信号に変換し、位置信号POS1として出力する。より詳細には、たとえば、位置信号POS1は、位相信号PH1の示す位相が360°から0°に遷移した時に論理ローレベルから論理ハイレベルへ立ち上がり、位相信号PH1の示す位相が180°に遷移した時に論理ハイレベルから論理ローレベルへ立ち下がる。
PLL部22では、最初は任意のタイミングで位相θの増加が開始されるが、検出信号SETを受けて位相θが調整され、同期機4の電機子に供給される交流電圧と同期する、すなわち位相が一致するようになる。
再び図2を参照して、PLL部23は、同期機4の回転子位置を示す推定位相すなわち後述する位相信号PH2と交流電圧検出器8から受けた電圧検出値V1,V2,V3および交流電流検出器9から受けた電流検出値I1,I2,I3とに基づいて推定位相の誤差を算出し、算出された位相誤差に基づいて推定位相すなわち後述する位相信号PH2を算出する。そして、PLL部23は、算出した推定位相すなわち後述する位相信号PH2から得られる位置信号POS2を出力するとともに算出した推定位相と新たに交流電圧検出器8から受けた電圧検出値V1,V2,V3および新たに交流電流検出器9から受けた電流検出値I1,I2,I3とに基づいて推定位相の誤差を新たに算出するフィードバック演算を行なう。
図6は、PLL部23の構成を示す図である。
図6を参照して、PLL部23は、三相二相変換回路31および32と、誘起電圧演算回路33と、PLL回路34と、位置信号生成器35とを含む。
三相二相変換回路31は、基準位相φに基づいて、交流電圧検出器8から受けた電圧検出値V1、V2、V3を三相二相変換(d−q変換)する。
三相二相変換回路32は、基準位相φに基づいて、交流電流検出器9から受けた電流検出値I1、I2、I3を三相二相変換(d−q変換)する。
誘起電圧演算回路33は、三相二相変換回路31によって変換された電圧値VdおよびVqならびに三相二相変換回路32によって変換された電流値IdおよびIqに基づいて、同期機4の電機子に誘起される誘起電圧を演算する。
三相二相変換回路31および32によって電圧および電流の座標変換すなわち三相二相変換を行なうためには、同期機4の回転子の回転に同期した基準位相が必要になる。ところが、機械式分配器などの位置センサが無い場合、この信号が直接得られない。
そこで、本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置では、三相二相変換回路31および32は、同期機起動装置101の起動時に基準位相φの初期値が与えられ、座標変換を行なう。
そして、誘起電圧演算回路33は、三相二相変換回路31および32によって変換されたd−q軸上の電圧値および電流値に基づいて同期機4のd軸(同相成分)一q軸(直交成分)上での電機子の誘起電圧を計算する。誘起電圧を計算するためには、回転速度ωが必要になるが、位置センサがないため、同期機起動装置101の起動時に同期機4の回転速度ωの初期値が誘起電圧演算回路33に与えられる。
誘起電圧演算回路33によって計算された誘起電圧のq軸成分Zqすなわち基準位相φに対する直交成分がゼロでない場合には、計算結果が基準位相φに対してずれている。この誘起電圧のq軸成分Zqが、同期機4における回転子の推定位相の誤差に相当する。そこで、誘起電圧のq軸成分Zqがゼロとなるような制御を行なうPLL回路34を設ける。PLL回路34は、誘起電圧のq軸成分Zqがゼロになるような回転速度ωすなわち同期機4の回転子の推定回転速度と、基準位相φすなわち同期機4の回転子の推定位相とを算出する。
PLL回路34によって算出された基準位相φは、三相二相変換回路31および32にフィードバックされ、また、位置信号生成器35へ出力される。そして、位置信号生成器35によって機械式分配器と同様のパルス状波形を有する位置信号POS2が選択回路SELへ出力される。三相二相変換回路31および32は、以後、PLL回路34からの基準位相φに基づいて三相二相変換を行なう。
また、PLL回路34によって算出された回転速度ωは、誘起電圧演算回路33に与えられる。誘起電圧演算回路33は、以後、PLL回路34からの回転速度ωに基づいて、誘起電圧(同相成分)Zdおよび誘起電圧(直交成分)Zqを演算する。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置では、PLL部23は、同期機4の回転子位置を示す推定位相と交流電圧検出器8から受けた電圧検出値V1,V2,V3および交流電流検出器9から受けた電流検出値I1,I2,I3とに基づいて推定位相の誤差を算出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。PLL部23は、同期機4の回転子位置を示す推定位相と交流電圧検出器8から受けた電圧検出値V1,V2,V3とに基づいて推定位相の誤差を算出する構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置では、PLL回路34は、誘起電圧のq軸成分Zqのみに基づいて回転速度ωおよび基準位相φを算出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。PLL回路34は、q軸成分Zqおよびd軸成分Zdに基づいて回転速度ωおよび基準位相φを算出する構成であってもよい。このような構成により、さらに正確な演算が可能となる。
再び図2を参照して、選択回路SELは、検出信号ZDET、位置信号POS1および位置信号POS2のいずれか1つを選択し、同期機4の回転子位置を示す回転子位置信号POSとしてインバータ制御部19へ出力する。
図7は、回転子位置検出部の動作を示すタイムチャートである。
以下の選択回路SELによる選択、および切り替え回路SW3のオン・オフは、たとえば同期機4の電機子において生成されるかまたは同期機4の電機子に供給される交流電圧および交流電流の監視結果等に基づいて制御される。
図7を参照して、ターニングすなわちインバータ2の起動前においては、まず、選択回路SELは、ゼロクロス検出部21からの検出信号ZDETを選択する。すなわち、検出信号ZDETが回転子位置信号POSとして基準正弦波演算器12へ出力される。
このとき、切り替え回路SW3はオンされており、PLL部22は、ゼロクロス検出部21から検出信号SETを受けてゼロクロス検出部21と同期し、ゼロクロス検出部21からの検出信号ZDETと周波数および位相が略等しい位置信号POS1を出力する。
次に、インバータ2が起動されるタイミングT2の直前のタイミングT1において、選択回路SELは、PLL部22からの位置信号POS1を選択する。すなわち、位置信号POS1が回転子位置信号POSとして基準正弦波演算器12へ出力される。
また、タイミングT1においては、切り替え回路SW3がオフされるため、PLL部22はゼロクロス検出部21と同期せず、自走状態となる。
ここで、同期機4の起動時においては、前述のように同期機4の電機子に供給される電圧は非常に小さい。このため、インバータ2の起動直後において、ゼロクロス検出部21はインバータ2のスイッチングノイズの影響を受けやすい。すなわち、ゼロクロス検出部21がゼロクロス点を誤検出してしまい、図7のNZで示すように誤った検出信号ZDETを出力してしまう。
しかしながら、本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置では、タイミングT1においてPLL部22からの位置信号POS1を選択し、かつPLL部22を自走状態とする構成により、インバータ2のスイッチングノイズの影響を防ぐことができる。
また、タイミングT1より前において切り替え回路SW3をオンしてPLL部22とゼロクロス検出部21との同期をとることにより、自走状態における位置信号POS1と同期機4の電機子に供給される交流電圧の位相とを略一致させることができる。なお、選択回路SELは、同期機4の電機子に供給される電圧が所定値より大きくなる時をタイミングT1とし、PLL部22からの位置信号POS1を選択する構成であってもよい。これにより、同期機4の励磁が行なわれた後、同期機4の電機子に供給される電圧のレベルが、ゼロクロス検出を行なうために十分な大きさとなった状態において、PLL部22がゼロクロス検出部21と同期をとることができる。
また、起動直後は同期機4の回転速度が低速であるため、同期機4の電機子に供給される交流電圧の周期が長い場合がある。このため、選択回路SELは、同期機4の電機子に供給される電圧が所定値より大きくなってから所定時間経過した時をタイミングT1とし、PLL部22からの位置信号POS1を選択する構成であってもよい。この所定時間は、ゼロクロス検出を正確に行なうことが可能となるような時間が設定される。これにより、同期機4の電機子に供給される電圧をより正確に検出することができる。
次に、インバータ2が起動されるタイミングT2から所定時間経過したタイミングT3において、選択回路SELは、PLL部23からの位置信号POS2を選択する。すなわち、位置信号POS2が回転子位置信号POSとして基準正弦波演算器12へ出力される。
インバータ2が起動されるタイミングT2から所定時間経過したタイミングT3では、同期機4の電機子に供給される交流電圧の振幅は起動時と比べて大きくなることから、インバータ2のスイッチングノイズの影響はほぼなくなり、同期機4の電機子に供給される交流電圧および交流電流を用いてより正確に回転子位置を推定することができ、同期機4を安定して回転させることができる。
なお、選択回路SELは、インバータ2が起動されるタイミングT2の後、同期機4の電機子に供給される電圧が所定値を超えた時をタイミングT3とし、PLL部23からの位置信号POS2を選択する構成であってもよい。
また、選択回路SELは、インバータ2が起動されるタイミングT2の後、同期機4の電機子に供給される電圧が所定値を超えてから所定時間経過した時をタイミングT3とし、PLL部23からの位置信号POS2を選択する構成であってもよい。
ここで、回転子位置検出部11の機能をソフトウェアによって実現する、たとえば同期機起動装置101において各種制御を行なうDSP(Digital Signal Processor)等に回転子位置検出部11の機能を組み込むことにより、製造コストを低減することができる。
また、同期機4およびモータMが設置される場所に分配器を取り付ける手間を省くことができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置では、回転子位置検出部11は、ゼロクロス検出部21と、PLL部22と、PLL部23とを含み、同期機4の起動時、回転子位置検出信号POSとして、ゼロクロス検出部21からの検出信号ZDET、PLL部22からの位置信号POS1およびPLL部23からの位置信号POS2をこの順番で選択する構成であるとしたが、これに限定するものではない。回転子位置検出部11がPLL部22を備えない構成であっても、すなわち、同期機4の起動時、回転子位置検出信号POSとして、ゼロクロス検出部21からの検出信号ZDETおよびPLL部23からの位置信号POS2をこの順番で選択する構成であっても、起動時において同期機4の電機子に供給される電圧を高精度で検出することができるため、同期機4を安定して起動することが可能である。
なお、回転子位置検出部11がPLL部22を備えない場合においても、タイミングT3は、タイミングT2から所定時間経過した時、タイミングT2の後であって同期機4の電機子に供給される電圧が所定値を超えた時、およびタイミングT2の後であって同期機4の電機子に供給される電圧が所定値を超えてから所定時間経過した時のいずれかに設定することができる。
図8は、回転子位置検出部11の変形例の構成を示す図である。
図8を参照して、回転子位置検出部81は、ゼロクロス検出部(レベル監視部)21と、PLL部(交流信号生成部)22と、PLL部(フィードバック演算部)23と、選択回路SELと、切り替え回路SW3とを含む。選択回路SELは、切り替え回路SW1およびSW2を含む。
交流電圧検出器8による検出電圧がインバータ2の起動直後におけるスイッチングノイズの影響を受けにくい場合には、選択回路SELが、PLL部22からの位置信号POS1を省略し、ゼロクロス検出部21からの検出信号ZDETをPLL部23からの位置信号POS2に直接切り替えることも可能である。
ここで、切り替え回路SW3は、ゼロクロス検出部21から受けた検出信号SETをPLL部22および23へ出力するか否かを切り替える。
PLL部23は、切り替え回路SW3から受けた検出信号SETに基づいて位置信号POS2の位相を調整する。
図9は、回転子位置検出部11の変形例のPLL回路34における積分部の構成を示す図である。
図9を参照して、PLL回路34は、積分部72を含む。積分部72は、図3に示すPLL部22と同様の構成を有する。すなわち、積分器INTは、PLL回路34によって算出された回転速度ωを積分して位相θに変換し、基準位相φすなわち位相信号PH2として出力する。また、積分器INTは、位相θが360°になると0°にリセットする。また、積分器INTは、ゼロクロス検出部21から受けた検出信号SETが示す30°、90°、150°等の角度に基づいて、位相θを補正する。
積分部72では、最初は任意のタイミングで位相θの増加が開始されるが、検出信号SETを受けて位相θが調整され、同期機4の電機子に供給される交流電圧と同期する、すなわち位相が一致するようになる。
再び図8を参照して、たとえば、選択回路SELは、検出信号ZDETを選択し、その後、PLL部23が検出信号SETに基づいて位置信号POS2の位相を調整した後、位置信号POS2を選択する。
このような構成により、回転子位置検出部81では、検出信号ZDETから位置信号POS2へ切り替えた後、同期機4の電機子に供給される交流電圧および同期機4の電機子に誘起される電圧に位置信号POS2を早期に同期させることができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置では、電力変換部71は、コンバータ1と、インバータ2と、直流リアクトル3とを含む構成であるとしたが、これに限定するものではない。電力変換部71は、コンバータ1、インバータ2および直流リアクトル3の代わりに、マトリックスコンバータ等、供給された電力を交流電力に変換して同期機4の電機子に供給する何らかの回路を含む構成であればよい。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る同期機起動装置と比べて位置信号POS2の初期位相の調整機能を変更した同期機起動装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る同期機起動装置と同様である。
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る回転子位置検出部の構成を示す図である。
図10を参照して、回転子位置検出部82は、本発明の第1の実施の形態に係る回転子位置検出部11と比べて、さらに、切り替え回路SW4を含む。
切り替え回路SW4は、PLL部22から受けた位相信号PH1をPLL部23へ出力するか否かを切り替える。
PLL部23は、切り替え回路SW4から受けた位相信号PH1に基づいて位置信号POS2の位相を調整する。
たとえば、選択回路SELは、位置信号POS1を選択し、その後、PLL部23が位相信号PH1に基づいて位置信号POS2の位相を調整した後、位置信号POS2を選択する。
図11は、本発明の第2の実施の形態に係るPLL回路34における積分部の構成を示す図である。
図11を参照して、PLL回路34は、積分部73を含む。積分部73は、図3に示すPLL部22と同様の構成を有する。すなわち、積分器INTは、PLL回路34によって算出された回転速度ωを積分して位相θに変換し、基準位相φすなわち位相信号PH2として出力する。また、積分器INTは、位相θが360°になると0°にリセットする。また、積分器INTは、PLL部22から受けた位相信号PH1が示す角度に基づいて、位相θを補正する。
積分部73では、最初は任意のタイミングで位相θの増加が開始されるが、位相信号PH1を受けて位相θが調整され、同期機4の電機子に供給される交流電圧と同期する、すなわち位相が一致するようになる。
ところで、位相信号PH2は、交流電圧検出器8から受けた電圧検出値V1,V2,V3および交流電流検出器9から受けた電流検出値I1,I2,I3に基づいて生成される。インバータ2が起動されるタイミングT2から所定時間経過したタイミングT3において、選択回路SELによる選択が位置信号POS1から位置信号POS2へ切り替えられる。このタイミングT3は、同期機4の電機子に供給される交流電圧の振幅が十分に大きくなるまでの過渡期にあるため、積分部73を任意のタイミングで動作させると、同期機4の電機子に供給される交流電圧および同期機4の電機子に誘起される電圧に位置信号POS2が同期するまでに時間を要する場合がある。
しかしながら、本発明の第2の実施の形態に係る同期機起動装置では、位相信号PH2の初期値を位相信号PH1に合わせることにより、PLL部23による同期機4の回転子位置推定を、同期機4の電機子に供給される交流電圧および同期機4の電機子に誘起される電圧と略一致した位相から開始することができる。すなわち、位置信号POS1から位置信号POS2へ切り替えた後、同期機4の電機子に供給される交流電圧および同期機4の電機子に誘起される電圧に位置信号POS2を早期に同期させることができる。
図12は、本発明の第2の実施の形態に係る同期機起動装置における積分部の変形例の構成を示す図である。
図12を参照して、積分部74は、積分器INTと、切り替え回路SW5,SW6,SW7とを含む。積分部73は、PLL部22および23によって共有されている。
より詳細には、切り替え回路SW5は、所定周波数FIを積分器INTに与えるかPLL回路34によって算出された回転速度ωを積分器INTに与えるかを切り替える。
切り替え回路SW6は、ゼロクロス検出部21から受けた検出信号SETを積分器INTに与えるか否かを切り替える。
切り替え回路SW7は、積分器INTからの位相θを位相信号PH1として位置信号生成器へ出力するか位相信号PH2として位置信号生成器へ出力するかを切り替える。
積分部74は、図3に示すPLL部22と同様の構成を有する。すなわち、積分器INTは、切り替え回路SW5から与えられた所定周波数FIまたは回転速度ωを積分して位相θに変換して出力する。また、積分器INTは、位相θが360°になると0°にリセットする。また、積分器INTは、ゼロクロス検出部21から受けた検出信号SETが示す30°、90°、150°等の角度に基づいて、位相θを補正する。
積分部74では、最初は任意の初期位相から位相θの増加が開始されるが、検出信号SETを受けて位相θが調整され、同期機4の電機子に供給される交流電圧と同期する、すなわち位相が一致するようになる。
次に、積分部74の動作について説明する。
まず、選択回路SELがPLL部22からの位置信号POS1を選択しているときには、切り替え回路SW5,SW6,SW7を端子a側に切り替える。すなわち、切り替え回路SW5は所定周波数FIを積分器INTに与え、切り替え回路SW6はゼロクロス検出部21から受けた検出信号SETを積分器INTに与え、切り替え回路SW7は積分器INTからの位相θを位相信号PH1として位置信号生成器へ出力する。
次に、選択回路SELがPLL部23からの位置信号POS2を選択するのと同時に、切り替え回路SW5,SW7を端子b側に切り替え、切り替え回路SW6を開放状態とする。すなわち、切り替え回路SW5は、PLL回路34によって算出された回転速度ωを積分器INTに与え、切り替え回路SW6は、ゼロクロス検出部21から受けた検出信号SETを積分器INTに与えず、切り替え回路SW7は、積分器INTからの位相θを位相信号PH2として位置信号生成器へ出力する。
このように、積分部74によれば、PLL部22および23における積分部を共通化することができるため、小型化を図ることができる。また、図10に示す回転子位置検出部82と比べて、PLL部22および23間において位相信号PH1を受け渡すことが不要となる。すなわち、積分器INTは、選択回路SELによる選択が位置信号POS1から位置信号POS2へ切り替えられるタイミングT3の直前の積分結果をそのまま引き継いで積分動作を行なえばよい。このような構成により、回路構成の簡略化を図ることができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る同期機起動装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る同期機起動装置と比べて回転子位置信号POSとして検出信号ZDETを選択しない構成とした同期機起動装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る同期機起動装置と同様である。
図13は、本発明の第3の実施の形態に係る回転子位置検出部の構成を示す図である。
図13を参照して、回転子位置検出部83は、本発明の第1の実施の形態に係る回転子位置検出部11と比べて、選択回路SELが切り替え回路SW1を含まない構成である。
選択回路SELは、位置信号POS1および位置信号POS2のいずれか一方を選択し、同期機4の回転子位置を示す回転子位置信号POSとしてインバータ制御部19へ出力する。
再び図7を参照して、ターニングすなわちインバータ2の起動前においては、まず、選択回路SELは、PLL部22からの位置信号POS1を選択する。すなわち、位置信号POS1が回転子位置信号POSとして基準正弦波演算器12へ出力される。
このとき、切り替え回路SW3はオンされており、PLL部22は、ゼロクロス検出部21から検出信号SETを受けてゼロクロス検出部21と同期し、ゼロクロス検出部21からの検出信号ZDETと周波数および位相が略等しい位置信号POS1を出力する。
次に、インバータ2が起動されるタイミングT2の直前のタイミングT1において、切り替え回路SW3がオフされる。このため、PLL部22はゼロクロス検出部21と同期せず、自走状態となる。
ここで、同期機4の起動時においては、前述のように同期機4の電機子に供給される電圧は非常に小さい。このため、インバータ2の起動直後において、ゼロクロス検出部21はインバータ2のスイッチングノイズの影響を受けやすい。すなわち、ゼロクロス検出部21がゼロクロス点を誤検出してしまい、図7のNZで示すように誤った検出信号ZDETを生成してしまうことにより、誤った検出信号SETを出力してしまう。
しかしながら、本発明の第3の実施の形態に係る同期機起動装置では、タイミングT1においてPLL部22を自走状態とする構成により、インバータ2のスイッチングノイズの影響を防ぐことができる。
また、タイミングT1より前において切り替え回路SW3をオンしてPLL部22とゼロクロス検出部21との同期をとっているため、自走状態においても位置信号POS1と同期機4の電機子に供給される交流電圧の位相とを略一致させることができる。なお、回転子位置検出部83は、同期機4の電機子に供給される電圧が所定値より大きくなる時をタイミングT1とし、PLL部22を自走状態とする構成であってもよい。これにより、同期機4の励磁が行なわれた後、同期機4の電機子に供給される電圧のレベルが、ゼロクロス検出を行なうために十分な大きさとなった状態において、PLL部22がゼロクロス検出部21と同期をとることができる。
また、起動直後は同期機4の回転速度が低速であるため、同期機4の電機子に供給される交流電圧の周期が長い場合がある。このため、回転子位置検出部83は、同期機4の電機子に供給される電圧が所定値より大きくなってから所定時間経過した時をタイミングT1とし、PLL部22を自走状態とする構成であってもよい。この所定時間は、ゼロクロス検出を正確に行なうことが可能となるような時間が設定される。これにより、同期機4の電機子に供給される電圧をより正確に検出することができる。
次に、インバータ2が起動されるタイミングT2から所定時間経過したタイミングT3において、選択回路SELは、PLL部23からの位置信号POS2を選択する。すなわち、位置信号POS2が回転子位置信号POSとして基準正弦波演算器12へ出力される。
インバータ2が起動されるタイミングT2から所定時間経過したタイミングT3では、同期機4の電機子に供給される交流電圧の振幅は起動時と比べて大きくなることから、インバータ2のスイッチングノイズの影響はほぼなくなり、同期機4の電機子に供給される交流電圧および交流電流を用いてより正確に回転子位置を推定することができ、同期機4を安定して回転させることができる。
なお、選択回路SELは、インバータ2が起動されるタイミングT2の後、同期機4の電機子に供給される電圧が所定値を超えた時をタイミングT3とし、PLL部23からの位置信号POS2を選択する構成であってもよい。
また、選択回路SELは、インバータ2が起動されるタイミングT2の後、同期機4の電機子に供給される電圧が所定値を超えてから所定時間経過した時をタイミングT3とし、PLL部23からの位置信号POS2を選択する構成であってもよい。
本発明の第3の実施の形態に係る同期機起動装置では、PLL部22は、ゼロクロス検出部21から受けた検出信号SETに基づいて位置信号POS1の位相を調整する。これにより、回転子位置信号POSとしてゼロクロス検出部21からの検出信号ZDETを選択しなくても、回転子位置信号POSとして位置信号POS1を選択することで同期機4の回転子位置を良好に検出することが可能である。このような構成により、選択回路SELが切り替え回路SW1を含まない構成とすることができるため、同期機起動装置の小型化を図ることができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る同期機起動装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第4の実施の形態>
本実施の形態は、第3の実施の形態に係る同期機起動装置と比べて位置信号POS2の初期位相の調整機能を変更した同期機起動装置に関する。以下で説明する内容以外は第3の実施の形態に係る同期機起動装置と同様である。
図14は、本発明の第4の実施の形態に係る回転子位置検出部の構成を示す図である。
図14を参照して、回転子位置検出部84は、本発明の第3の実施の形態に係る回転子位置検出部83と比べて、さらに、切り替え回路SW4を含む。
切り替え回路SW4は、PLL部22から受けた位相信号PH1をPLL部23へ出力するか否かを切り替える。
PLL部23は、切り替え回路SW4から受けた位相信号PH1に基づいて位置信号POS2の位相を調整する。
たとえば、選択回路SELは、位置信号POS1を選択し、その後、PLL部23が位相信号PH1に基づいて位置信号POS2の位相を調整した後、位置信号POS2を選択する。
回転子位置検出部84のPLL回路34における積分部73および74の構成および動作は本発明の第2の実施の形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
その他の構成および動作は第3の実施の形態に係る同期機起動装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (24)

  1. 供給された電力を交流電力に変換して同期機の電機子に供給する電力変換部と、
    前記同期機の電機子に供給される交流電圧を検出する交流電圧検出部と、
    前記検出された交流電圧に基づいて、前記同期機の回転子位置を検出する回転子位置検出部と、
    前記検出された回転子位置に基づいて、前記電力変換部を制御する電力変換制御部とを備え、
    前記回転子位置検出部は、
    前記検出された交流電圧に基づいて、前記同期機の電機子に供給される交流電圧のレベルが所定値になるタイミングを示す第1の位置信号を出力するレベル監視部と、
    前記回転子位置を示す推定位相と前記検出された交流電圧とに基づいて前記推定位相の誤差を算出し、前記算出された位相誤差に基づいて前記推定位相を算出し、前記算出した推定位相を示す第2の位置信号を出力するフィードバック演算部と、
    所定周波数を有する交流信号である第3の位置信号を出力する交流信号生成部と、
    前記第1の位置信号または前記第1の位置信号に基づいて得られる位置信号と、前記第2の位置信号と、前記第3の位置信号とを受けて、前記受けたつの位置信号のいずれか1つを選択し、前記同期機の回転子位置を示す信号として前記電力変換制御部へ出力する選択回路とを備える同期機起動装置。
  2. 前記回転子位置検出部は、さらに、
    前記第1の位置信号を前記交流信号生成部へ出力するか否かを切り替える切り替え回路を含み、
    前記交流信号生成部は、前記切り替え回路から受けた前記第1の位置信号に基づいて前記第3の位置信号の位相を調整する請求項1に記載の同期機起動装置。
  3. 前記選択回路は、前記第1の位置信号を選択し、その後、前記交流信号生成部が前記第1の位置信号に基づいて前記第3の位置信号の位相を調整した後、前記第3の位置信号を選択する請求項2に記載の同期機起動装置。
  4. 前記回転子位置検出部は、さらに、
    前記第3の位置信号を前記フィードバック演算部へ出力するか否かを切り替える切り替え回路を含み、
    前記フィードバック演算部は、前記切り替え回路から受けた前記第3の位置信号に基づいて前記第2の位置信号の位相を調整する請求項1に記載の同期機起動装置。
  5. 前記選択回路は、前記第3の位置信号を選択し、その後、前記フィードバック演算部が前記第3の位置信号に基づいて前記第2の位置信号の位相を調整した後、前記第2の位置信号を選択する請求項4に記載の同期機起動装置。
  6. 前記選択回路は、前記第1の位置信号、前記第3の位置信号および前記第2の位置信号をこの順番で選択して前記電力変換制御部へ出力する請求項1に記載の同期機起動装置。
  7. 前記交流信号生成部は、前記同期機の待機時における前記回転子の予め定められた回転速度に対応する周波数を有する第3の位置信号を出力する請求項1に記載の同期機起動装置。
  8. 前記選択回路は、前記検出された交流電圧のレベルに基づいて、前記第1の位置信号および前記第3の位置信号をこの順番で選択して前記電力変換制御部へ出力する請求項1に記載の同期機起動装置。
  9. 前記選択回路は、前記検出された交流電圧のレベルが所定値以上となってから所定時間経過した時、前記第1の位置信号の選択を解除して前記第3の位置信号を選択する請求項8に記載の同期機起動装置。
  10. 前記選択回路は、前記検出された交流電圧のレベルに基づいて、前記第3の位置信号および前記第2の位置信号をこの順番で選択して前記電力変換制御部へ出力する請求項1に記載の同期機起動装置。
  11. 前記選択回路は、前記検出された交流電圧のレベルが所定値以上となってから所定時間経過した時、前記第3の位置信号の選択を解除して前記第2の位置信号を選択する請求項10に記載の同期機起動装置。
  12. 供給された電力を交流電力に変換して同期機の電機子に供給する電力変換部と、
    前記同期機の電機子に供給される交流電圧を検出する交流電圧検出部と、
    前記検出された交流電圧に基づいて、前記同期機の回転子位置を検出する回転子位置検出部と、
    前記検出された回転子位置に基づいて、前記電力変換部を制御する電力変換制御部とを備え、
    前記回転子位置検出部は、
    前記検出された交流電圧に基づいて、前記同期機の電機子に供給される交流電圧のレベルが所定値になるタイミングを示す第1の位置信号を出力するレベル監視部と、
    前記回転子位置を示す推定位相と前記検出された交流電圧とに基づいて前記推定位相の誤差を算出し、前記算出された位相誤差に基づいて前記推定位相を算出し、前記算出した推定位相を示す第2の位置信号を出力するフィードバック演算部と、
    前記第1の位置信号または前記第1の位置信号に基づいて得られる位置信号と、前記第2の位置信号とを受けて、前記受けた2つの位置信号のいずれか一方を選択し、前記同期機の回転子位置を示す信号として前記電力変換制御部へ出力する選択回路とを備え、
    前記回転子位置検出部は、さらに、
    前記第1の位置信号を前記フィードバック演算部へ出力するか否かを切り替える切り替え回路を含み、
    前記フィードバック演算部は、前記切り替え回路から受けた前記第1の位置信号に基づいて前記第2の位置信号の位相を調整する同期機起動装置。
  13. 前記選択回路は、前記第1の位置信号を選択し、その後、前記フィードバック演算部が前記第1の位置信号に基づいて前記第2の位置信号の位相を調整した後、前記第2の位置信号を選択する請求項12に記載の同期機起動装置。
  14. 前記選択回路は、前記第1の位置信号および前記第2の位置信号をこの順番で選択して前記電力変換制御部へ出力する請求項1に記載の同期機起動装置。
  15. 前記選択回路は、前記検出された交流電圧のレベルに基づいて、前記第1の位置信号および前記第2の位置信号をこの順番で選択して前記電力変換制御部へ出力する請求項1に記載の同期機起動装置。
  16. 前記選択回路は、前記検出された交流電圧のレベルが所定値以上となってから所定時間経過した時、前記第1の位置信号の選択を解除して前記第2の位置信号を選択する請求項15に記載の同期機起動装置。
  17. 前記回転子位置検出部は、さらに
    前記第1の位置信号を前記交流信号生成部へ出力するか否かを切り替える切り替え回路とを含み、
    前記交流信号生成部は、前記切り替え回路から受けた前記第1の位置信号に基づいて前記第3の位置信号の位相を調整し、
    前記選択回路は、前記第2の位置信号および前記第3の位置信号のいずれか一方を選択し、前記同期機の回転子位置を示す信号として前記電力変換制御部へ出力する請求項1に記載の同期機起動装置。
  18. 前記選択回路は、前記第3の位置信号および前記第2の位置信号をこの順番で選択して前記電力変換制御部へ出力する請求項17に記載の同期機起動装置。
  19. 前記選択回路は、前記検出された交流電圧のレベルに基づいて、前記第3の位置信号および前記第2の位置信号をこの順番で選択して前記電力変換制御部へ出力する請求項18に記載の同期機起動装置。
  20. 前記選択回路は、前記検出された交流電圧のレベルが所定値以上となってから所定時間経過した時、前記第3の位置信号の選択を解除して前記第2の位置信号を選択する請求項19に記載の同期機起動装置。
  21. 前記回転子位置検出部は、さらに、
    前記第3の位置信号を前記フィードバック演算部へ出力するか否かを切り替える切り替え回路を含み、
    前記フィードバック演算部は、前記切り替え回路から受けた前記第3の位置信号に基づいて前記第2の位置信号の位相を調整する請求項17に記載の同期機起動装置。
  22. 前記選択回路は、前記第3の位置信号を選択し、その後、前記フィードバック演算部が前記第3の位置信号に基づいて前記第2の位置信号の位相を調整した後、前記第2の位置信号を選択する請求項21に記載の同期機起動装置。
  23. 前記交流信号生成部は、前記同期機の待機時における前記回転子の予め定められた回転速度に対応する周波数を有する第3の位置信号を出力する請求項17に記載の同期機起動装置。
  24. 前記同期機起動装置は、さらに、
    前記同期機の電機子に供給される交流電流を検出する交流電流検出部を備え、
    前記フィードバック演算部は、前記回転子位置を示す推定位相、前記回転子の推定回転速度ならびに前記検出された交流電圧および交流電流に基づいて前記同期機の電機子に誘起される誘起電圧を算出し、前記算出した誘起電圧に基づいて前記推定位相の誤差を算出し、前記算出された位相誤差に基づいて前記推定位相および前記推定回転速度を算出し、前記算出した推定位相を示す第2の位置信号を出力する請求項1に記載の同期機起動装置。
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