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JP5416401B2 - 射出成形用金型及び樹脂成形品の製造方法 - Google Patents
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射出成形用金型及び樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、第1樹脂部と第2樹脂部との間にインサートシートが埋設される樹脂成形品の製造に用いることができる射出成形用金型に関する。
従来、インサート部としての芯材を埋設させた樹脂成形品がある。
上記樹脂成形品の製造に用いることができる射出成形用金型は、芯材の一方面側に対応する第1キャビティ面が形成された第1型と、芯材の他方面側に対応する第2キャビティ面が形成された第2型と、その第2型の内部を型締め方向に出退可能なスライド型と、芯材の側方に位置して樹脂を射出するゲートとを備えている。
上記射出成形用金型を用いて樹脂成形品が製造されている。具体的には、先ず、第1型と第2型とを型開きして芯材を所定位置に配置する。次に、第1型と第2型とを型締めして芯材の端部を挟持する。スライド型を進出させて芯材を保持する。このとき、芯材の一方面と第1キャビティ面との間に第1キャビティが形成されると共に、芯材の他方面と第2キャビティ面との間に第2キャビティが形成される。その後、ゲートから樹脂を射出すると、射出された樹脂が第1キャビティ及び第2キャビティに分かれて充填される。射出された樹脂が溶融しているうちにスライド型を引退させる。スライド型が引退した体積の分だけゲートから樹脂を射出する。樹脂が固化したのち第1型と第2型とを型開きして樹脂成形品を取り出す。このようにして、芯材を埋設させた樹脂成形品を製造する。(例えば、特許文献1参照)。
しかし、インサート部が剛性の小さいインサートシートである場合、ゲートから樹脂を射出すると、射出された樹脂が第1キャビティ及び第2キャビティに分かれて充填される。このとき、インサートシートの一方側及び他方面上を同時に通る樹脂によってインサートシートが引っ張られてインサートシートがずれたりしわがよったりする。このため、インサート部が剛性の小さいインサートシートである場合、インサートシートを埋設する成形品の製造は困難である。
そこで、インサートシートを埋設させた樹脂成形品を製造するための射出成型用金型が本出願人において先に提案されている。具体的には、上記射出成型用金型は、第1樹脂部の表面に対応する第1キャビティ面が形成された第1型と、第1樹脂部の表面に対応する第2キャビティ面が形成された第2型と、第1樹脂を射出する第1ゲートと、第2樹脂を射出する第2ゲートとを備えている。第1型と、第2キャビティ面に沿ってインサートシートが配置された第2型とを相対移動させることにより、インサートシートの一方面と第1キャビティ面との間に第1キャビティを形成する。第1ゲートから第1キャビティに第1樹脂を射出して第1樹脂部を形成する。前記形成された第1樹脂部にインサートシートが固着する。その後、前記固着した第1樹脂部を保持する第1型と第2型とを相対移動させることにより、インサートシートの他方面と第2キャビティ面との間に第2キャビティを形成する。第2ゲートからそのインサートシートにおける第1樹脂が固着した部分に向けて第2樹脂を直接流して第2キャビティに射出するか、もしくは、第2ゲートからインサートシートの端部における外側で第1樹脂と一体となった部分を通過させて第2キャビティに第2樹脂を射出する。第2樹脂が固化したのち第1型と第2型とを型開きして樹脂成形品を取り出す。このようにして、インサートシートを埋設させた樹脂成形品を製造する。
特開平4−16316号公報
上記改良技術では、第1樹脂が、第2キャビティ面に配置されたインサートシートの一方面上を通り、その後、第2樹脂が、第1樹脂部に固着されたインサートシートの他方面上を通るので、樹脂がインサートシートの一方側及び他方面上を同時に通るのに較べて、インサートシートが引っ張られてインサートシートがずれたりしわがよったりすることを防止できる。このため、インサート部がインサートシートである場合にも対応できる利点を有する。しかし、第2樹脂注入時にインサートシートが第2樹脂の熱によって溶融して、いわゆるゲート飛びと称する現象が発生する虞があり、いまだ改善の余地があった。
つまり、高温の第2樹脂が、射出時にインサートシートの一部に直撃すると、第2樹脂の熱がインサートシートの一部に伝わる一方、インサートシートに固着した第1樹脂の断熱作用によりインサートシートの一部に加わった熱が逃げず、そのインサートシートが高温になって溶融することになる。
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、インサートシートに第2樹脂注入を行なうときに、ゲート飛びを防止できる射出成形用金型及び樹脂成形品の製造方法を提供する点にある。
本発明の射出成形用金型は、第1樹脂部と第2樹脂部との間にインサートシートが埋設される樹脂成形品の製造に用いることができるものであって、
その第1特徴構成は、前記第1樹脂部の表面に対応する第1キャビティ面が形成された第1型と、前記第1樹脂部の表面に対応する第2キャビティ面が形成された第2型と、
前記第1型と、前記第2キャビティ面に沿って前記インサートシートが配置された前記第2型とを相対移動させることにより前記第1樹脂部に対応する第1キャビティが形成され、その第1キャビティに第1樹脂を射出する第1ゲートと、前記インサートシートが固着した前記第1樹脂部を保持する第1型と、前記第2型とを相対移動させることにより前記第2樹脂部に対応する第2キャビティ及びその第2キャビティに接続されるゲート空間が形成され、そのゲート空間を介して前記第2キャビティに第2樹脂を射出する第2ゲートとを備え、前記ゲート空間は、前記第1樹脂部より外方に突出するインサートシートの突出片を受け入れると共に、その突出片が前記第1型に沿って接触するように配置可能に構成してある点にある。
又、本発明の樹脂成形品の製造方法は、第1樹脂部と第2樹脂部との間にインサートシートが埋設されるものであって、
その第1特徴手段は、型開きした状態で、前記第2キャビティ形成時に前記突出片が前記第1型の表面に沿って接触しながら前記ゲート空間に突出するように、前記インサートシートを前記第2キャビティに沿って配置する工程と、前記配置された第2型と前記第1型とを型締めして前記第1キャビティを形成する工程と、前記形成された第1キャビティに前記第1ゲートから前記第1樹脂を射出して前記第1樹脂部を形成する工程と、前記形成された第1樹脂部に前記インサートシートが固着した後、前記第1型に前記第1樹脂部を保持させたまま、前記第1型と前記第2型とを相対移動させて前記第2キャビティを形成する工程と、前記形成された第2キャビティに、前記突出片の上面を流れるように前記第2ゲートから前記ゲート空間を介して前記第2樹脂を射出して前記第2樹脂部を形成する工程とを備えた点にある。
本発明によれば、第2樹脂の射出時に、第2樹脂がゲート空間を通ってインサートシートに接触する。インサートシートにおける突出片近傍の箇所は高温になり易く、インサートシートが溶融し易い。しかし、本構成では、突出片近傍の熱を突出片を通して第1型に拡散することにより、インサートシートの過熱が防止され、インサートシートの溶融を防止することができる。
本発明の第2特徴構成は、前記ゲート空間は、前記第2樹脂の流れから退避するように前記突出片の先端が収納される段部を含む点にある。
本発明によれば、第2樹脂の射出時に、第2樹脂が突出片の先端に直接当たることを回避できる。その結果、インサートシートの位置がずれてインサートシートに浮きやめくれが生じるのを防止することができる。
本発明の第3特徴構成は、前記ゲート空間は、前記第2樹脂の流れ方向と直交する平面で切断したときの断面積が、全長に亘ってほぼ一定となるように構成された点にある。
例えば、ゲート空間の一部に断面積が小さいボトルネックが存在すると、そのボトルネックを通る第2樹脂の流速が速くなり、インサートシートに浮きやめくれが生じ易くなる。又、断面積が小さい箇所を通る第2樹脂に剪断熱が発生してインサートシートが溶融し易くなる。しかし、ゲート空間の断面積が全長に亘って略等しくしてあるので、インサートシートの溶融や、インサートシートの浮きやめくれを防止できる。
本発明の第4特徴構成は、前記第2樹脂を射出するときに、前記第1型の表面に沿って接触するように配置された前記突出片を固定する固定手段を更に備えた点にある。
本発明によれば、固定手段により突出片を第1型の表面に沿って接触させた状態が維持されるので、第2樹脂の射出時にインサートシートの位置がずれてインサートシートに浮きやめくれが生じることを防止できる。
本発明の第5特徴構成は、前記第1型に対するパーティング面を有し、内部を前記第2型が型締め方向に摺動し、内周壁の一部が前記第2樹脂部の表面に対応する第3キャビティ面を構成する第3型を更に備えた点にある。
本発明によれば、第2型にインサートシートを配置し、第1型と第2型及び第3型とを型締めすると、第1型及び第3型のパーティング面が密着し、第1型の第1キャビティ面と第2型に配置されたインサートシートの一方面との間に第1キャビティが形成される。第1キャビティに第1樹脂を射出して第1樹脂部を形成する。第3型の内部を第2型が摺動すると、第1型が保持する第1樹脂部に固着されたインサートシートの他方面と第2型の第2キャビティ面と第3型の第3キャビティ面との間に第2キャビティが形成される。そのため、型締め方向からみて第2樹脂部の外形を第1型の外形より小さくすることができる。
〔第1実施の形態〕
以下、本発明に係る射出成型用金型について説明する。
本発明に係る射出成形用金型により、図8に示すように、第1樹脂部23と第2樹脂部26との間にインサートシートSが埋設される樹脂成形品を製造することができる。
図1〜図4に示すように、射出成型用金型は、第1パーティング面1bが形成された固定型1(第1型の一例)と、固定型1に対向する状態で設けられたスライド型2(第2型の一例)と、固定型1に対向すると共にスライド型2の周りを囲む状態で設けられた、第2パーティング面3a(パーティング面の一例)が形成された可動型3(第3型の一例)とを備えている。固定型1のスライド型2側の面の中央には、凹部4が形成され、その凹部4の表面が第1樹脂部23の表面に対応する第1キャビティ面1aを構成する。スライド型2の固定型1側の面が第2樹脂部26の表面に対応する第2キャビティ面2aを構成する。可動型3の内周壁3bの固定型1側の端部が第2樹脂部26の表面に対応する環状の第3キャビティ面を構成する。
尚、図1(a)は、平面視における固定型1を示す図である。図1(b)は、図1(a)のI−I矢視側断面図である。図2(b)は、平面視におけるスライド型2及びそのスライド型2の周りを囲む可動型3を示す図である。図2(a)は、図2(b)のI−I矢視側断面図である。図3は、スライド型2及び可動型3の要部斜視図を示すものであり、詳しくは、スライド型2については、斜め下方からそのスライド型2の一方側に形成された第2キャビティ面2aを示す図であり、可動型3については、斜め下方からその可動型3の一方側に形成された第2パーティング面3aを示す図である。図4は、固定型1の要部斜視図を示すものであり、詳しくは、固定型1については、斜め上方からその固定型1の他方側に形成された第1キャビティ面1aと第1パーティング面1bを示す図である。
前記固定型1は、図1〜図4に示すように、略直方体状に構成され、他方面(スライド型2及び可動型3に対向する面)の中央部に形成された凹部4と、他方面の辺部の中央部に形成された直方体状の凸部5とを備えている。これにより、凸部5における凹部4の側の第1側面5aと、第1パーティング面1bにおける凹部4と凸部5とで挟まれた第1部分1cとの間に第1段部31(段部の一例)が形成されている。凹部4の表面がキャビティ面1aを構成する。第1キャビティ面1aには第1樹脂を射出する第1ゲート6が設けられている。凸部5には第2樹脂を射出する第2ゲート7が設けられている。
前記スライド型2は、図2、図3に示すように、略直方体状の本体部8の側面の中央に型締め方向に沿う断面形状が矩形状の突状部9を設けて構成されている。本体部8の一方側には第2キャビティ面2aが形成されている。突状部9の一方側には第2キャビティ面2aに接続する第1面9a、第1面9aに直交する状態で接続する第2面9b、第2面9bに直交する状態で接続する第3面9cが形成されている。これにより、第1面9bと第3面9cとの間に第2段部32が形成されている。尚、第1樹脂がスムーズに流れるように第2キャビティ面2aと第1面9aとが面一になっていることが好ましい。インサートシートSの他方面が第2キャビティ面2aに接触すると共に、インサートシートSの突出片10の基端側における他方面が第1面9aに接触するように配置されている。突出片10の幅を突状部9の幅と同じ幅又はそれよりもやや小さい幅にしてある。第3面9cから型締め方向に突出可能なスライドピン11(固定手段の一例)が設けられている。スライドピン11のスライド操作機構としては、例えば、スライド型2に取り付けたピストンシリンダや、固定型1に連動する連動機構等を用いることができる。
前記可動型3は、図2、図3、図7、図8に示すように、略直方体状に構成され、内部空間をスライド型2が型締め方向に摺動可能に構成されている。可動型3の内周壁3bの一部が第2樹脂部26の表面(側面)に対応する第3キャビティ面3cを構成する。可動型3の内周壁3bには、型締め方向に沿う断面形状が矩形状の凹溝12が設けられ、突状部9を収容可能に構成されている。可動型3の一方側には凹溝12の端部に接続する断面形状が矩形状の切欠13が設けられている。
前記インサートシートSは、基体シート(図示しない)上に図柄層(図示しない)が形成されて構成されている。
上記基体シートには、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、アクリル(PMMA)等の樹脂シート、金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハン等のセルロース系シート等の材質が使用される。
上記図柄層は、樹脂をバインダーとして顔料や染料等の着色剤を含有した着色インキにより形成される。バインダーとして使用される樹脂は、ポリビニル系樹脂、ポリアミド(PA)系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル(PMMA)系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂等が挙げられる。図柄層は、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷等により基体シート上に印刷される。又、図柄として金属光沢を表現したいときには、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金法等により形成される金属薄膜層により図柄層を構成する。図柄層は、表現したい図柄に応じて全面的に設定したり部分的に設定する。図柄層の他、例えば図柄層を保護する保護層や、層間密着性を向上させる機能層を設けてもよい。
次に、本発明に係る樹脂成形品の製造方法について説明する。
〔インサートシート配置工程〕
図2に示すように、ロボット装置(図示しない)又は人手により、固定型1とスライド型2及び可動型3とを型開きした状態で、第2キャビティ24の形成時に突出片10が固定型1の第1部分1cに沿って接触しながらゲート空間25に突出するように、インサートシートSを第2キャビティ面2aに接触するように配置する。このとき、突出片10の幅を突状部9の幅と同じ又はそれよりもやや小さい幅にしてあるので、突出片10が可動型3の凹溝12に当接してインサートシートSのずれを規制する。これにより、インサートシートSの位置決め及び配置が容易に行える。尚、吸引手段(図示しない)によりインサートシートSをスライド型2の第2キャビティ面2aに設けられた吸引口(図示しない)から吸引して、インサートシートSを第2キャビティ面2aに固定させてもよい。
〔第1キャビティ形成工程〕
固定型1とスライド型2及び可動型3とを型締めする。このとき、図5に示すように、固定型1の凸部5の上面5bが可動型3の切欠13及びスライド型2の突状部9の第3面9cに接する。固定型1の第1部分1cがスライド型2の突状部9の第1面9aにインサートシートSの突出片10の基端側を介して接する。固定型1の凸部5の第1側面5aとスライド型2の突状部9の第2面9bとの間には隙間d2が形成される。これにより、第1部分1c、第1側面5a、第2面9b、第3面9cとで囲まれる直方体状の空間21が形成される。図1〜図4に示すように、固定型1の第1パーティング面1bが可動型3の第2パーティング面3aに接する。これにより、インサートシートSの一方面と第1キャビティ面1aとの間に第1キャビティ22が形成される。尚、本実施形態ではスライドピン11がインサートシートSの突出片10を保持しているが、必ずしもスライドピン11がインサートシートSの突出片10を保持する必要は無く、スライドピン11が突出片10に接触していなくてもよい。尚、このとき、固定型1の第1部分1cに位置決めピン(図示しない)を設けるとともに、突出片10にその位置決めピンに対応して嵌合可能な穴(図示しない)を設けると、インサートシートSの位置決め及び配置が容易に行えることに加えて、後述する第2樹脂の射出時において、インサートシートSに浮きやめくれが生じるのを防止することができる。
〔第1樹脂部形成工程〕
図6に示すように、第1樹脂流路33を介して第1ゲート6から第1キャビティ22に第1樹脂を射出する。時間の経過と共に射出された第1樹脂が冷却固化して、インサートシートSの一方側に第1樹脂部23が形成される。インサートシートSが第1樹脂部23に固着して第1樹脂部23の硬さが所定の硬さになるまで保圧する。尚、インサートシートSは、図柄層が形成された面が第1樹脂部23に固着する向きに配置してもよく、この反対向きに配置してもよい。
〔第2キャビティ形成工程〕
図7、図8に示すように、インサートシートSが第1樹脂部23に固着したのち、固定型1に第1樹脂部23を保持させた状態でスライド型2を他方側に移動する。スライドピン11がスライド型2の移動と共に突出して突出片10の一方面が第1部分1cに接触する状態を維持する。このとき、インサートシートSの他方面と、第2キャビティ面2aと、第3キャビティ面3cとで囲まれた第2キャビティ24が形成されると共に、その第2キャビティ24と第2ゲート7とを連通するゲート空間25が形成される。固定型1の凸部5の上面5bとスライド型2の突状部9の第3面9cとの間、固定型1の第1部分1cとスライド型2の突状部9の第1面9aとの間には、夫々隙間d1、隙間d3が形成される。固定型1の凸部5の第1側面5aとスライド型2の突状部9の第2面9bとの間の隙間d2は変化しない。これにより、隙間d2の幅は隙間d1、d3の幅(スライド型2のコアバック量)に略等しくなるようにしてある。このため、ゲート空間25の断面積が全長に亘って略等しくなる。第1側面5aと第1部分1cとの間に形成された第1段部31に突出片10の先端が収納されている。
〔第2樹脂部形成工程〕
図8に示すように、第2樹脂流路34を介して第2ゲート7からゲート空間25を通って第2キャビティ24に第2樹脂を射出する。このとき、第2樹脂は、突出片10と第1面9aとで挟まれた隙間d3を通る。高温の第2樹脂の熱が突出片10に伝導したとしても、突出片10の一方面が第1部分1cに接触しているので、当該熱は固定型1に拡散する。このため、インサートシートSが過熱することはなく、インサートシートSの基体シート及び図柄層の溶融を防止することができる。しかも、第1側面5aと第1部分1cとの間に形成された第1段部31に突出片10の先端が収納されているので、第2樹脂が突出片10の先端に直接当たることを回避できる。その結果、第2樹脂の注入時にインサートシートSの位置がずれてインサートシートSに浮きやめくれが生じるのを防止することができる。加えて、例えば、隙間d2の幅が隙間d1、d3の幅に較べて狭いと、隙間d2を通る第2樹脂の流速が速くなり、インサートシートSに浮きやめくれが生じ易くなる。又、隙間d2を通る第2樹脂に剪断熱が発生してインサートシートSの基体シート及び図柄層が溶融し易くなる。しかし、隙間d1〜d3の幅を略等しくしてあるので、そのようなインサートシートSの基体シート及び図柄層の溶融や、インサートシートSの浮きやめくれを防止できる。時間の経過と共に射出された第2樹脂が冷却固化して、インサートシートSの他方側に第2樹脂部26が形成される。インサートシートSが第2樹脂部26に固着して第2樹脂部26の硬さが所定の硬さになるまで保圧する。
尚、第1樹脂と第2樹脂とは、同じ色、同じ硬度、同じ材料の樹脂であってもよいが、異なる色、異なる硬度、異なる材料の樹脂であってもよい。要するに、第1樹脂と第2樹脂とは、同一の樹脂であってもよいが、異なる樹脂であってもよい。例えば、第1樹脂をポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂とABS樹脂とのアロイとし、第2樹脂をアクリル(PMMA)樹脂としてもよい。特に、第1樹脂をABS樹脂とし、第2樹脂をアクリル(PMMA)樹脂とすると、ABS樹脂は成形性が高いため2材成形を良好に行える。しかも、ABS樹脂の軟化温度がアクリル(PMMA)樹脂の軟化温度より低くても、インサートシートSの存在により、アクリル(PMMA)樹脂を注入するときにABS樹脂が変形することを抑制できる。
〔樹脂成形品取り出し工程〕
固定型1とスライド型2及び可動型3とを型開きして、インサートシートSの一方面に第1樹脂部23が形成され、インサートシートSの他方面に第2樹脂部26が形成された樹脂成形品を取りだす。以上の工程を繰り返すことにより樹脂成形品を連続的に製造する。本発明の射出成形用金型は、固定型1と、スライド型2とを備え、スライド型2をバックさせるだけの簡単な構成で樹脂成形品を製造できることに加えて、大きな樹脂成形品を容易に製造できる利点がある。
〔別実施の形態〕
(1)上記実施の形態では、インサートシートSの一方面に第1樹脂部23が形成され、インサートシートSの他方面に第2樹脂部26が形成された樹脂成形品を製造する構成を例示した。しかし、このような構成に限られるものではなく、インサートシートSの一方面に第1樹脂部23が形成され、インサートシートSの他方面に第2樹脂部26が形成され、当該第2樹脂部26の他方面に第3樹脂部が形成された樹脂成形品を製造する構成としてもよい。要するに、本発明は、多材の樹脂注入を行って多材成形品を製造する方法においても適用可能である。
(2)上記実施形態では、第2キャビティ24の形成時に、固定手段11が、型締め方向に突出して突出片10の縁部を固定するスライドピン11である構成を例示した。しかし、このような構成に限られるものではなく、固定手段11が、ゲート空間25の内部に収容され、突出片10の縁部を固定型1の側に押え付けて固定するスライド駒であったり、突出片10を固定型1の第1部分1cに設けられた吸引口から吸引して、突出片10を固定型1に固定させる吸引手段であってもよい。さらに、スライド型2及び固定型1とにより突出片10の縁部を挟持して固定手段11を構成してもよい。
(3)上記実施形態では、第1ゲート6を固定型1の第1キャビティ面1aに設ける構成を例示した。しかし、このような構成に限られるものではなく、第1ゲート6を固定型1の第1パーティング面1bに設けてもよく、あるいは、第1ゲート6をスライド型2や可動型3に設けてもよい。
(4)上記実施形態では、固定型1、スライド型2、可動型3等を備える構成を例示したが、可動型3を備えなくてもよい。具体的には、図9に示すように、スライド型2が固定型1の側面に接した状態で周縁部から一方側に突出する突出部27を設けてもよい。スライド型2にインサートシートSを配置し、スライド型2をスライド移動させると、図9(a)に示すように、スライド型2に配置されたインサートシートSの一方面と固定型1の第1キャビティ面1aとの間に第1キャビティ22が形成される。第1キャビティ22に第1樹脂を射出して第1樹脂部23を形成する。スライド型2をスライド移動させると、図9(b)に示すように、スライド型2の第2キャビティ面2aと固定型1が保持する第1樹脂部23に固着されたインサートシートSの他方面との間に第2キャビティ24が形成される。このように、スライド型2に突出部27を設けるだけの簡素な構成でしかもスライド型2をスライド移動させるだけの簡単な操作で第1キャビティ22や第2キャビティ24を形成できる。
(5)上記実施形態では、空間21が直方体状である構成を例示したが、空間21が断面形状が平行四辺形の柱状であってもよい。要するに、ゲート空間25の断面積が該ゲート空間25の全長に亘って略等しくなるような空間21であればよい。
本発明は、インサートシートが埋設される樹脂成形品の製造に用いることができる各種射出成形用金型に適応可能である。
固定型の平面図及び側断面図 スライド型及び可動型の平面図及び側断面図 スライド型及び可動型の要部斜視図 固定型の要部斜視図 固定型並びにスライド型及び可動型の側断面図 固定型並びにスライド型及び可動型の側断面図 固定型並びにスライド型及び可動型の側断面図 固定型並びにスライド型及び可動型の側断面図 別実施形態における固定型並びにスライド型の側断面図
符号の説明
1a 第1キャビティ面
2a 第2キャビティ面
3a パーティング面
3b 内周壁
3c 第3キャビティ面
6 第1ゲート
7 第2ゲート
11 固定手段
21 空間
22 第1キャビティ
23 第1樹脂部
24 第2キャビティ
25 ゲート空間
26 第2樹脂部
31 段部
1 第1型
2 第2型
3 第3型
S インサートシート

Claims (6)

  1. 第1樹脂部と第2樹脂部との間にインサートシートが埋設される樹脂成形品の製造に用いられる射出成形用金型であって、
    前記第1樹脂部の表面に対応する第1キャビティ面が形成された第1型と、
    前記第樹脂部の表面に対応する第2キャビティ面が形成された第2型と、
    前記第1型と、前記第2キャビティ面に沿って前記インサートシートが配置された前記第2型とを相対移動させることにより、前記第1樹脂部に対応する、前記インサートシートの一方面と前記第1キャビティ面との間の第1キャビティが形成され、その第1キャビティに第1樹脂を射出する第1ゲートと、
    前記インサートシートが固着した前記第1樹脂部を保持する第1型と、前記第2型とを相対移動させることにより、前記第2樹脂部に対応する、前記インサートシートの他方面と前記第2キャビティ面との間の第2キャビティと、その第2キャビティに接続されるゲート空間が形成され、そのゲート空間を介して前記第2キャビティに第2樹脂を射出する第2ゲートとを備え、
    前記ゲート空間は、前記第1樹脂部より外方に突出する前記インサートシートの突出片を受け入れると共に、その突出片が前記第1型に沿って接触するように配置される、射出成形用金型。
  2. 前記ゲート空間は、前記第2樹脂の流れから退避するように前記突出片の先端が収納される段部を含む、請求項1記載の射出成形用金型。
  3. 前記ゲート空間は、前記第2樹脂の流れ方向と直交する平面で切断したときの断面積が、全長に亘って一定となるように構成された、請求項2記載の射出成形用金型。
  4. 前記第2樹脂を射出するときに、前記第1型の表面に沿って接触するように配置された前記突出片を固定する固定手段を更に備えた、請求項1から請求項3のいずれかに記載の射出成形用金型。
  5. 前記第1型に対するパーティング面を有し、内部を前記第2型が型締め方向に摺動し、内周壁の一部が前記第2樹脂部の表面に対応する第3キャビティ面を構成する第3型を更に備えた、請求項1から請求項4のいずれかに記載の射出成形用金型。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の射出成形用金型を用いた、第1樹脂部と第2樹脂部との間にインサートシートが埋設される樹脂成形品の製造方法であって、
    型開きした状態で、前記第2キャビティ形成時に前記突出片が前記第1型の表面に沿って接触しながら前記ゲート空間に突出するように、前記インサートシートを前記第2キャビティに沿って配置する工程と、
    前記配置された第2型と前記第1型とを型締めして、前記インサートシートの一方面と前記第1キャビティ面との間の前記第1キャビティを形成する工程と、
    前記形成された第1キャビティに前記第1ゲートから前記第1樹脂を射出して前記第1樹脂部を形成する工程と、
    前記形成された第1樹脂部に前記インサートシートが固着した後、前記第1型に前記第1樹脂部を保持させたまま、前記第1型と前記第2型とを相対移動させて、前記インサートシートの他方面と前記第2キャビティ面との間の前記第2キャビティを形成する工程と、
    前記形成された第2キャビティに、前記突出片の上面を流れるように前記第2ゲートから前記ゲート空間を介して前記第2樹脂を射出して前記第2樹脂部を形成する工程とを備えた、樹脂成形品の製造方法。
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