JP5416631B2 - アルミニウム電極配線用のガラス組成物と導電性ペースト、そのアルミニウム電極配線を具備する電子部品、及び、この電子部品の製造方法 - Google Patents
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Description
前記粉末となる前記ガラス組成物には、本発明のアルミニウム電極配線用のガラス組成物が用いられていることを特徴としている。
前記粒子を基板に固定する前記ガラス組成物には、本発明のアルミニウム電極配線用のガラス組成物が用いられていることを特徴としている。
塗布した前記導電性ペーストを焼成して、アルミニウム電極配線を形成する電子部品の製造方法であることを特徴としている。
[ガラス組成物の軟化流動に関する検討]
第1の実施形態では、ガラス組成物のガラス系に対する軟化流動に関して検討した。
表2の実施例1〜5と比較例1〜8に示すガラス系の組成を有するガラス組成物(酸化物)を作製した。実施例1〜4と比較例2〜8のガラス系の組成には、RoHS指令の禁止物質である鉛(Pb)を含ませていない。実施例5には、主成分としてではなく添加物として鉛(Pb)を含ませている。比較例1には、主成分として鉛(Pb)を含ませている。
実施例2では、主成分のバナジウム(V)に対して、添加物として、アルカリ土類金属のバリウム(Ba)とストロンチウム(Sr)を加え、さらに、アルカリ金属のセシウム(Cs)とカリウム(K)を加えている。
実施例3では、主成分のバナジウム(V)に対して、添加物として、アルカリ土類金属のバリウム(Ba)とカルシウム(Ca)を加え、さらに、アルカリ金属のルビジウム(Rb)とカリウム(K)を加えている。
実施例4では、主成分のバナジウム(V)に対して、添加物として、アルカリ土類金属のバリウム(Ba)を加え、さらに、アルカリ金属のセシウム(Cs)とナトリウム(Na)を加え、さらに、アンチモン(Sb)を加えている。
実施例5では、主成分のバナジウム(V)に対して、添加物として、アルカリ土類金属のバリウム(Ba)を加え、さらに、アルカリ金属のセシウム(Cs)を加え、さらに、鉛(Pb)を加えている。
比較例2では、ガラス主成分酸化物を酸化ビスマス(Bi2O3)とし、主成分のビスマス(Bi)に対して、添加物として、ガラス化元素のボロン(B)とシリコン(Si)を加え、さらに、亜鉛(Zn)と、アルカリ土類金属のバリウム(Ba)と、アルカリ金属のカリウム(K)を加えている。
比較例3では、ガラス主成分酸化物を酸化錫(SnO)とし、主成分の錫(Sn)に対して、添加物として、ガラス化元素のリン(P)を加え、さらに、亜鉛(Zn)を加えている。
比較例4では、ガラス主成分酸化物を五酸化バナジウム(V2O5)とし、主成分のバナジウム(V)に対して、添加物として、ガラス化元素のリン(P)を加え、さらに、鉄(Fe)と、アルカリ金属のカリウム(K)を加えている。
比較例5では、ガラス主成分酸化物を五酸化バナジウム(V2O5)とし、主成分のバナジウム(V)に対して、添加物として、ガラス化元素のリン(P)を加え、さらに、タングステン(W)と、アルカリ土類金属のバリウム(Ba)を加えている。
比較例6では、ガラス主成分酸化物を酸化テルル(TeO2)とし、主成分でありガラス化元素でもあるテルル(Te)と主成分であるバナジウム(V)に対して、添加物として、アルカリ土類金属のバリウム(Ba)と、亜鉛(Zn)を加えている。
比較例7では、ガラス主成分酸化物を五酸化バナジウム(V2O5)とし、主成分のバナジウム(V)に対して、添加物として、ガラス化元素のリン(P)とテルル(Te)を加え、さらに、アルカリ土類金属のバリウム(Ba)と、タングステン(W)と、鉄(Fe)を加えている。
比較例8では、ガラス主成分酸化物を酸化亜鉛(ZnO)とし、主成分の亜鉛(Zn)と主成分であるバナジウム(V)に対して、添加物として、ガラス化元素のボロン(B)を加えている。
アンチモン(Sb)の原料化合物としては、三酸化アンチモン(Sb2O3)を用いたが、四酸化アンチモン(Sb2O4)を用いてもよい。
実施例1〜5と比較例1〜8のそれぞれで作製したガラス組成物の成形体の軟化流動試験を行った。軟化流動試験では、アルミナ(Al2O3)基板上で、ガラス組成物の成形体を加熱することによって軟化流動させ、その軟化性と流動性の程度によって軟化流動性を評価した。加熱条件としては、加熱温度を500℃、600℃、700℃、800℃の4通りに変えて試験した。加熱では、それぞれの加熱温度に保持した電気炉に、ガラス組成物の成形体を1分間入れ、取り出した。取り出したガラス組成物の成形体を目視で観察し、軟化流動性を評価した。評価基準としては、良好な流動性が得られた場合(軟化性・流動性共に良好)には「○」とし、良好な流動性は得られなかったが、軟化していた場合(軟化性良好、流動性不良)には「△」とし、軟化していない場合(軟化性・流動性共に不良)には「×」とする基準を用いた。
加熱温度が600℃では、実施例1〜3、実施例5、比較例1〜3、比較例5〜8のガラス組成物において、軟化性と流動性は良好であり、「○」の評価であった。加熱温度が600℃では、実施例4、比較例4のガラス組成物において、良好な軟化性が見られたが、良好な流動性は見られず、「△」の評価であった。
加熱温度が500℃では、比較例6、比較例7のガラス組成物において、軟化性と流動性は良好であり、「○」の評価であった。加熱温度が500℃では、実施例1〜5、比較例1〜3、比較例5のガラス組成物において、良好な軟化性が見られたが、良好な流動性は見られず、「△」の評価であった。加熱温度が500℃では、比較例4、比較例8のガラス組成物において、良好な軟化性も流動性も見られず、「×」の評価であった。
前記より、表2に示す実施例1〜5のガラス組成物では、表1に示すガラス化元素、シリコン(Si)、ボロン(B)、リン(P)、テルル(Te)バナジウム(V)を含んでいないのにも関わらず、ガラス化元素を含んだ比較例1〜8と同程度の軟化流動性を確保することができた。これは、実施例1〜5のガラス組成物にアルカリ土類金属とアルカリ金属を添加したことで、ガラス化が促進され、軟化点が低下したためと考えられる。軟化点が低下したので、実施例1〜5では、700℃以上で良好な軟化流動性が得られ、実施例1〜3と実施例5では、600℃以上で良好な軟化流動性が得られた。
導電性ペーストは、実施例1〜5と比較例1〜8のそれぞれで作製したガラス組成物毎に作製した。バルク状のガラス組成物を、スタンプミルを用い粉砕して、粒径5μm以下のガラス組成物の粉末(酸化物の粉末)を作製した。ガラス組成物の粉末の平均粒径(D50)は、略2μmであった。
太陽電池セルは、実施例1〜5と比較例1〜8のそれぞれで作製したガラス組成物毎、すなわち、導電性ペースト毎に作製した。
実施例1〜5と比較例1〜8のガラス組成物毎に作製した太陽電池セル10の変換効率の測定を行った。測定では、ソーラーシュミレータを用いた。測定結果の変換効率を、表3に示す。
実施例2のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、17.8%であった。
実施例3のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、17.7%であった。
実施例4のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、17.2%であった。
実施例5のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、17.4%であった。
比較例1のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、16.9%であった。
比較例2のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、16.3%であった。
比較例3のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、15.6%であった。
比較例4のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、15.9%であった。
比較例5のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、15.8%であった。
比較例6のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、15.4%であった。
比較例7のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、15.6%であった。
比較例8のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、15.3%であった。
[ガラス組成物を構成する酸化物の組成比に関する検討]
第2の実施形態では、ガラス組成物を構成する酸化物の組成比に関して検討した。
表4の実施例G−01〜G−16に示す組成を有するガラス組成物(酸化物)を作製した。主成分の酸化物はバナジウム(V)を含む五酸化バナジウム(V2O5)とした。また、ガラス組成物(酸化物)には、アルカリ土類酸化物と、アルカリ金属酸化物とを含有させた。アルカリ土類酸化物としては、カルシウム(Ca)を含む酸化カルシウム(CaO)と、ストロンチウム(Sr)を含む酸化ストロンチウム(SrO)と、バリウム(Ba)を含む酸化バリウム(BaO)を含有させた。アルカリ金属酸化物としては、ナトリウム(Na)を含む酸化ナトリウム(Na2O)、カリウム(K)を含む酸化カリウム(K2O)、ルビジウム(Rb)を含む酸化ルビジウム(Rb2O)、セシウム(Cs)を含む酸化セシウム(Cs2O)を含有させた。なお、表4中の組成の重量%の値は、原料化合物中に含まれる正味のバナジウム(V)、アルカリ土類金属、アルカリ金属の元素3種の重量から前記3種の酸化物の重量をいわゆる酸化物換算で算出し、その3種の換算値(3種の酸化物の重量)の比から重量%を算出している。
実施例G−02では、ガラス組成物(酸化物)の組成比を、五酸化バナジウム(V2O5)75重量%、アルカリ土類酸化物の酸化バリウム(BaO)20重量%、アルカリ金属酸化物の酸化セシウム(Cs2O)5重量%とした。
実施例G−03では、ガラス組成物(酸化物)の組成比を、五酸化バナジウム(V2O5)75重量%、アルカリ土類酸化物の酸化バリウム(BaO)15重量%、アルカリ金属酸化物の酸化カリウム(K2O)5重量%と酸化セシウム(Cs2O)5重量%とした。
実施例G−04では、ガラス組成物(酸化物)の組成比を、五酸化バナジウム(V2O5)70重量%、アルカリ土類酸化物の酸化バリウム(BaO)20重量%、アルカリ金属酸化物の酸化カリウム(K2O)5重量%と酸化セシウム(Cs2O)5重量%とした。
実施例G−05では、ガラス組成物(酸化物)の組成比を、五酸化バナジウム(V2O5)65重量%、アルカリ土類酸化物の酸化バリウム(BaO)25重量%、アルカリ金属酸化物の酸化カリウム(K2O)10重量%とした。
実施例G−06では、ガラス組成物(酸化物)の組成比を、五酸化バナジウム(V2O5)60重量%、アルカリ土類酸化物の酸化バリウム(BaO)40重量%とした。
実施例G−07では、ガラス組成物(酸化物)の組成比を、五酸化バナジウム(V2O5)60重量%、アルカリ土類酸化物の酸化バリウム(BaO)30重量%、アルカリ金属酸化物の酸化ナトリウム(Na2O)1重量%と酸化カリウム(K2O)7重量%と酸化セシウム(Cs2O)2重量%とした。
実施例G−08では、ガラス組成物(酸化物)の組成比を、五酸化バナジウム(V2O5)55重量%、アルカリ土類酸化物の酸化バリウム(BaO)45重量%とした。
実施例G−09では、ガラス組成物(酸化物)の組成比を、五酸化バナジウム(V2O5)55重量%、アルカリ土類酸化物の酸化バリウム(BaO)35重量%、アルカリ金属酸化物の酸化カリウム(K2O)10重量%とした。
実施例G−10では、ガラス組成物(酸化物)の組成比を、五酸化バナジウム(V2O5)55重量%、アルカリ土類酸化物の酸化カルシウム(CaO)5重量%と酸化ストロンチウム(SrO)5重量%と酸化バリウム(BaO)20重量%、アルカリ金属酸化物の酸化ナトリウム(Na2O)2重量%と酸化カリウム(K2O)5重量%と酸化ルビジウム(Rb2O)3重量%と酸化セシウム(Cs2O)5重量%とした。
実施例G−11では、ガラス組成物(酸化物)の組成比を、五酸化バナジウム(V2O5)50重量%、アルカリ土類酸化物の酸化バリウム(BaO)35重量%、アルカリ金属酸化物の酸化カリウム(K2O)10重量%と酸化セシウム(Cs2O)5重量%とした。
実施例G−12では、ガラス組成物(酸化物)の組成比を、五酸化バナジウム(V2O5)50重量%、アルカリ土類酸化物の酸化バリウム(BaO)25重量%、アルカリ金属酸化物の酸化カリウム(K2O)10重量%と酸化ルビジウム(Rb2O)5重量%と酸化セシウム(Cs2O)5重量%とした。
実施例G−13では、ガラス組成物(酸化物)の組成比を、五酸化バナジウム(V2O5)45重量%、アルカリ土類酸化物の酸化ストロンチウム(SrO)10重量%と酸化バリウム(BaO)25重量%、アルカリ金属酸化物の酸化ナトリウム(Na2O)3重量%と酸化カリウム(K2O)10重量%と酸化セシウム(Cs2O)7重量%とした。
実施例G−14では、ガラス組成物(酸化物)の組成比を、五酸化バナジウム(V2O5)40重量%、アルカリ土類酸化物の酸化ストロンチウム(SrO)5重量%と酸化バリウム(BaO)35重量%、アルカリ金属酸化物の酸化ナトリウム(Na2O)2重量%と酸化カリウム(K2O)8重量%と酸化ルビジウム(Rb2O)5重量%と酸化セシウム(Cs2O)5重量%とした。
実施例G−15では、ガラス組成物(酸化物)の組成比を、五酸化バナジウム(V2O5)35重量%、アルカリ土類酸化物の酸化カルシウム(CaO)5重量%と酸化ストロンチウム(SrO)10重量%と酸化バリウム(BaO)30重量%、アルカリ金属酸化物の酸化ナトリウム(Na2O)4重量%と酸化カリウム(K2O)10重量%と酸化セシウム(Cs2O)6重量%とした。
実施例G−16では、ガラス組成物(酸化物)の組成比を、五酸化バナジウム(V2O5)30重量%、アルカリ土類酸化物の酸化カルシウム(CaO)10重量%と酸化ストロンチウム(SrO)10重量%と酸化バリウム(BaO)25重量%、アルカリ金属酸化物の酸化ナトリウム(Na2O)5重量%と酸化カリウム(K2O)10重量%と酸化ルビジウム(Rb2O)5重量%と酸化セシウム(Cs2O)5重量%とした。
実施例G−01〜G−16のそれぞれで作製したガラス組成物の特性温度の測定を行い、結晶化開始温度を求めた。特性温度の測定では、示差熱分析(DTA)装置(真空理工株式会社製、型式:DT−1500)を用いた。標準試料としてα-アルミナ(Al2O3)を用い、標準試料と供試材(実施例G−01〜G−16毎のガラス組成物の粉末)の質量を、それぞれ1gとした。測定では、大気雰囲気中で標準試料と供試材を昇温し、昇温速度を5℃/minとした。特性温度の測定(DTA測定)から、DTAカーブが得られ、DTAカーブでは、発熱ピークが測定された。この発熱ピークの開始温度(接線法による、発熱ピークによる上昇開始前のDTAカーブの接線と、発熱ピークの前半において上昇するDTAカーブの接線とが交わるときの温度)を、ガラス組成物の結晶化開始温度と定義し求めた。
結晶化開始温度が、400℃〜500℃の中低温領域に属した実施例は、実施例G−11、実施例G−13、実施例G−14であった。これらの実施例は、結晶相を発生させやすい傾向にあるといえる。
結晶化開始温度が、500℃〜600℃の中高温領域に属した実施例は、実施例G−06、実施例G−16であった。これらの実施例は、結晶相を発生させにくい傾向にあるといえる。
結晶化開始温度が、600℃〜の高温領域に属した実施例は、実施例G−08、実施例G−15であった。これらの実施例は、結晶相を発生させにくい傾向にあるといえる。
実施例G−01〜G−16のそれぞれで作製したガラス組成物の軟化流動試験を行った。ガラス組成物の粉末(酸化物の粉末)を押し固めて、直径10mm、厚さ5mmの円柱形でガラス組成物の成形体を作製した。そして、ガラス組成物の軟化流動性を、第1の実施形態と同様な試験で評価した。軟化流動性は、ガラス組成物で、アルミニウム電極配線(導電性ペースト)中のアルミニウム粒子を基板に接着するのに必須の性質であり、ガラス組成物を十分に軟化流動させるためには、できるだけ低温で、軟化性と流動性が発現することが望ましい。
実施例G−05、実施例G−07、実施例G−12で、加熱温度が500℃と600℃と700℃と800℃の全てで、軟化性と流動性が良好であり、「○」の評価が得られた。これらの実施例は、軟化流動性を発現させやすい傾向にあるといえる。
実施例G−04、実施例G−09〜G−11、実施例G−13で、加熱温度が500℃で、良好な軟化性が見られたが、良好な流動性は見られず、「△」の評価であったが、加熱温度が600℃と700℃と800℃で、軟化性と流動性が良好であり、「○」の評価が得られた。これらの実施例は、軟化流動性を発現させやすい傾向にあるといえる。
実施例G−14で、加熱温度が500℃で、良好な軟化性も流動性も見られず、「×」の評価であったが、加熱温度が600℃と700℃と800℃で、軟化性と流動性が良好であり、「○」の評価が得られた。この実施例は、軟化流動性を発現させやすい傾向にあるといえる。
実施例G−01、実施例G−02、実施例G−03で、加熱温度が500℃と600℃で、良好な軟化性も流動性も見られず、「×」の評価であったが、加熱温度が700℃と800℃で、軟化性と流動性が良好であり、「○」の評価が得られた。これらの実施例は、加熱温度が600℃でも、良好な軟化流動性が見られず、軟化流動性を発現させにくい傾向にあるといえる。
実施例G−06、実施例G−08、実施例G−15、実施例G−16で、加熱温度が500℃と600℃で、良好な軟化性も流動性も見られず、「×」の評価であったが、加熱温度が700℃で、良好な軟化性が見られたが、良好な流動性は見られず、「△」の評価であり、加熱温度が800℃で、軟化性と流動性が良好であり、「○」の評価が得られた。これらの実施例は、加熱温度が600℃でも、良好な軟化流動性が見られず、軟化流動性を発現させにくい傾向にあるといえる。
ガラス組成物の耐水性試験は、加熱温度800℃の軟化流動試験後の、実施例G−01〜G−16毎のガラス組成物を、50℃の純水に8時間浸漬させることで行った。この後、ガラス組成物を目視で観察し、その腐食状態から耐水性を判定した。判定基準としては、外観上ほとんど変化が認められない場合を、「○」の評価とし、変化が明らかに認められた場合を、「×」の評価とする基準を用いた。アルミニウム電極配線に用いられるガラス組成物であるので、高い耐水性が望まれる。
導電性ペーストは、実施例G−01〜G−16のそれぞれで作製したガラス組成物毎に作製した。バルク状のガラス組成物を、スタンプミルを用い粉砕して、ガラス組成物の粉末(酸化物の粉末)を作製した。ガラス組成物の粉末の平均粒径(D50)は、1μm〜2μmであった。導電性ペーストに含有させる金属粒子として、平均粒径(D50)略3μmであり、カルシウム(Ca)を少量含むアルミニウム(合金)粒子を用いた。導電性ペーストには、アルミニウム(合金)粒子100重量部に対して、ガラス組成物(酸化物)の粉末を、1重量部混合した。第2の実施形態では、第1の実施形態に比べて、ガラス組成物の粉末の平均粒径(D50)を1μm〜2μmに小さくしたことに伴い、アルミニウム(合金)粒子に対するガラス組成物(酸化物)の粉末の混合量を、1重量部に減らした。導電性ペーストの作製上の他の作製条件は、第1の実施形態と同じにした。
太陽電池セルは、実施例G−01〜G−16のそれぞれで作製したガラス組成物毎、すなわち、導電性ペースト毎に作製した。第2の実施形態では、半導体基板1にボロン(B)を含有した多結晶シリコン基板(p形半導体基板)を用いた。その多結晶シリコン基板のサイズは、150mm角で、厚み200μmとした。そして、第1の実施形態の太陽電池セル10の製造方法と同様の製造方法で太陽電池セルを作製した。
表6に示すように、太陽電池セルの評価としては、変換効率の測定と、密着性試験と、太陽電池セルの耐水性試験を行った。まず、実施例G−01〜G−16のガラス組成物毎に作製した太陽電池セルの変換効率の測定を行った。測定では、ソーラーシュミレータを用いた。測定結果の変換効率を、表6に示す。
実施例G−02のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、14.9%であった。
実施例G−03のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、15.5%であった。
実施例G−04のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、16.1%であった。
実施例G−05のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、16.3%であった。
実施例G−06のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、15.4%であった。
実施例G−07のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、16.5%であった。
実施例G−08のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、15.2%であった。
実施例G−09のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、16.5%であった。
実施例G−10のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、16.2%であった。
実施例G−11のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、16.6%であった。
実施例G−12のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、16.4%であった。
実施例G−13のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、16.5%であった。
実施例G−14のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、16.1%であった。
実施例G−15のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、15.8%であった。
実施例G−16のガラス組成物を用いた太陽電池セルの変換効率は、15.5%であった。
[導電性ペーストにおけるガラス組成物の含有量に関する検討]
第3の実施形態では、導電性ペーストにおけるガラス組成物の含有量に関して検討した。
実施例H−01〜H−13の導電性ペースト用のガラス組成物としては、表4の実施例G−11のガラス組成物と同じ組成のガラス組成物を、第2の実施形態と同様の製造方法で作成した。また、粉砕して粉末化したガラス組成物の平均粒径(D50)は、略1μmであった。
導電性ペーストに含有させる金属粒子として、平均粒径(D50)略3μmであるアルミニウム粒子を用いた。導電性ペーストには、アルミニウム粒子100重量部に対して、ガラス組成物(酸化物)の粉末を、実施例H−01〜H−13毎に、0重量部から30重量部まで変化させて混合した。また、アルミニウム粒子とガラス組成物(酸化物)の粉末からなる固形分の含有量が75重量%前後になるように、バインダ樹脂であるエチルセルロースと、溶剤であるα‐テルピネオールを含有させた。導電性ペーストの作製上の他の作製条件は、第1の実施形態と同じにした。
同様に、実施例H−02のガラス組成物の(ガラス)含有量は、0.1重量部であった。
実施例H−03のガラス組成物の(ガラス)含有量は、0.2重量部であった。
実施例H−04のガラス組成物の(ガラス)含有量は、0.3重量部であった。
実施例H−05のガラス組成物の(ガラス)含有量は、0.5重量部であった。
実施例H−06のガラス組成物の(ガラス)含有量は、1.0重量部であった。
実施例H−07のガラス組成物の(ガラス)含有量は、1.5重量部であった。
実施例H−08のガラス組成物の(ガラス)含有量は、2.0重量部であった。
実施例H−09のガラス組成物の(ガラス)含有量は、5.0重量部であった。
実施例H−10のガラス組成物の(ガラス)含有量は、10.0重量部であった。
実施例H−11のガラス組成物の(ガラス)含有量は、15.0重量部であった。
実施例H−12のガラス組成物の(ガラス)含有量は、20.0重量部であった。
実施例H−13のガラス組成物の(ガラス)含有量は、30.0重量部であった。
アルミニウム電極配線は、実施例H−01〜H−13のそれぞれで作製した導電性ペースト毎に作製した。第3の実施形態では、アルミニウム電極配線の基板として、25mm角の多結晶シリコン(Si)基板(厚み200μm)と、アルミナ(Al2O3)基板(厚み1.0mm)を用いた。導電性ペーストを、シリコン(Si)基板と、アルミナ(Al2O3)基板に、スクリーン印刷で塗布し、乾燥させた。乾燥後、赤外線急速加熱炉にて大気中で800℃まで急速に加熱し、10秒間保持する焼成を行うことで、アルミニウム電極配線を形成した。
表7に示すように、アルミニウム電極配線の評価としては、シリコン(Si)基板とアルミナ(Al2O3)基板に対するアルミニウム電極配線の密着性試験と、アルミニウム電極配線の耐水性試験と、アルミニウム電極配線の比抵抗測定を行った。密着性試験と耐水性試験は、第2の実施形態と同様に評価した。また、比抵抗測定では、室温にて四端子法によって、アルミニウム電極配線の電気抵抗を測定し、別途、測定したアルミニウム電極配線の膜厚を用いて比抵抗を算出した。
[アルミニウム電極配線のプラズマディスプレイパネルのアドレス電極への適用に関する検討]
第4の実施形態では、アルミニウム電極配線のプラズマディスプレイパネルのアドレス電極への適用に関して検討した。
まず、アルミニウムと少量のシリコンを溶融し、水アトマイズ法にて球状のシリコンを少量含むアルミニウム(合金)粒子を形成した。導電性ペースト用の、このアルミニウム(合金)粒子の平均粒径(D50)は、略1μmとした。
次に、プラズマディスプレイパネルを作製した。まず、導電性ペーストを、スクリーン印刷法によって、背面板13の全面に塗布し、大気中150℃で乾燥させた。塗布した面にマスクを付け、紫外線を照射することによって、余分な箇所を除去し、アドレス電極21を背面板13上に形成した。次に、市販の銀ペーストを、スクリーン印刷法によって、前面板12の全面に塗布し、大気中150℃で乾燥させた。フォトリソグラフィ法とエッチング法によって銀ペーストの塗布膜の余分な箇所を除去して、表示電極20のパターニングを行った。
(外観検査)
アドレス電極21の周りの外観検査を行った。アドレス電極21と背面板13の界面部や、アドレス電極21と誘電体層24の界面部には、空隙の発生や変色は認められなかった。外観上良好な状態でプラズマディスプレイパネル11を作製することができた。
続いて、作製したプラズマディスプレイパネル11の点灯実験を行った。プラズマディスプレイパネル11のセル16を点灯(発光)させるために、点灯させたいセル16の表示電極20とアドレス電極21との間に電圧を印加してセル16内にアドレス放電を行い、希ガスをプラズマ状態に励起してセル16内に壁電荷を蓄積させた。次に、表示電極20の対に一定の電圧を印加することで、壁電荷が蓄積されたセル16のみに表示放電が起こり紫外線22を発生させた。そして、この紫外線22を利用して蛍光体17〜19を発光させ、画像(情報)を表示させた。
2 拡散層
3 反射防止層
4 受光面電極配線
5 裏面電極(アルミニウム電極配線)
6 出力電極
7 合金層
10 太陽電池セル(電子部品)
11 プラズマディスプレイパネル(電子部品)
12 前面板(基板)
13 背面板(基板)
15 封着材料
16 セル
20 表示電極(アルミニウム電極配線)
21 アドレス電極(アルミニウム電極配線)
22 紫外線
23、24 誘電体層
Claims (19)
- アルミニウム(Al)より仕事関数が小さい元素のガラスから構成されることを特徴とするアルミニウム電極配線用のガラス組成物。
- アルミニウムより仕事関数が小さい元素の前記ガラスは、少なくとも、
バナジウム(V)の酸化物と、
アルカリ土類金属の酸化物とから構成されることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム電極配線用のガラス組成物。 - アルミニウムより仕事関数が小さい元素の前記ガラスは、少なくとも、
バナジウム(V)の酸化物と、
アルカリ土類金属の酸化物と、
アルカリ金属の酸化物とから構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム電極配線用のガラス組成物。 - 前記アルカリ土類金属の元素としては、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)及びバリウム(Ba)の元素の内、少なくともバリウムを含む1種以上であり、
前記アルカリ金属の元素としては、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)及びセシウム(Cs)の元素の内、少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項3に記載のアルミニウム電極配線用のガラス組成物。 - 前記バナジウムの元素が五酸化バナジウム(V2O5)として含まれているとした場合に、前記五酸化バナジウムを40〜70重量%含み、
前記アルカリ土類金属の元素Rnが化学式RnOで表される酸化物として含まれているとした場合に、前記化学式RnOで表される酸化物を20〜40重量%含み、
前記アルカリ金属の元素Rが化学式R2Oで表される酸化物として含まれているとした場合に、前記化学式R2Oで表される酸化物を10〜20重量%含むことを特徴とする請求項4に記載のアルミニウム電極配線用のガラス組成物。 - アルミニウム電極配線の焼成の際に、内部に微結晶が析出することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のアルミニウム電極配線用のガラス組成物。
- 500℃以下の温度で結晶化し、700℃以下の温度で軟化流動することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のアルミニウム電極配線用のガラス組成物。
- 400℃以下の温度で結晶化し、600℃以下の温度で軟化流動することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のアルミニウム電極配線用のガラス組成物。
- 不可避の成分以外に、鉛(Pb)を含まないことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のアルミニウム電極配線用のガラス組成物。
- アルミニウム及び/又はアルミニウムを含む合金からなる複数の粒子と、ガラス組成物からなる粉末とが、溶剤に溶けたバインダ樹脂中に分散しているアルミニウム電極配線用の導電性ペーストであって、
前記粉末となる前記ガラス組成物には、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のアルミニウム電極配線用のガラス組成物が用いられていることを特徴とするアルミニウム電極配線用の導電性ペースト。 - 前記粉末は、前記粒子の100重量部に対して、0.2〜20重量部の割合で含まれていることを特徴とする請求項10に記載のアルミニウム電極配線用の導電性ペースト。
- 前記粉末は、前記粒子の100重量部に対して、0.2〜2重量部の割合で含まれていることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載のアルミニウム電極配線用の導電性ペースト。
- アルミニウム及び/又はアルミニウムを含む合金からなる複数の粒子と、前記粒子を基板に固定するガラス組成物とを有するアルミニウム電極配線を具備する電子部品であって、
前記粒子を基板に固定する前記ガラス組成物には、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のアルミニウム電極配線用のガラス組成物が用いられていることを特徴とする電子部品。 - 前記ガラス組成物の内部には、微結晶が析出していることを特徴とする請求項13に記載の電子部品。
- 前記ガラス組成物は、前記粒子の100重量部に対して、0.2〜20重量部の割合で含まれていることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の電子部品。
- 前記基板は、p型半導体を有し、
前記p型半導体に、前記アルミニウム電極配線が形成されていることを特徴とする請求項13乃至請求項15のいずれか1項に記載の電子部品。 - 前記基板がpn接合を有する太陽電池セルであることを特徴とする請求項16に記載の電子部品。
- 請求項13乃至請求項15のいずれか1項に記載の電子部品において、
その電子部品がディスプレイパネルであることを特徴とする電子部品。 - アルミニウム及び/又はアルミニウムを含む合金からなる複数の粒子と、アルミニウムより仕事関数が小さい元素のガラスから構成されるガラス組成物からなる粉末とが、溶剤に溶けたバインダ樹脂中に分散している導電性ペーストを基板に塗布し、
塗布した前記導電性ペーストを焼成して、アルミニウム電極配線を形成することを特徴とする電子部品の製造方法。
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