JP5424259B2 - 太陽電池および太陽電池モジュール - Google Patents
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Description
(構成)
図1、図2を参照して、本発明に基づく実施の形態1における太陽電池について説明する。本実施の形態における太陽電池の断面図を図1に示し、この太陽電池の平面図を図2に示す。太陽電池51は、湿式太陽電池である。太陽電池51は、透光性基板1と、この透光性基板1と平行に配置された支持基板2と、透光性基板1と支持基板2との間において互いに離隔するように配置された光電変換部5および対極6と、光電変換部5および対極6に接しつつ透光性基板1と支持基板2との間に配置された電解質部7と、長軸81および長軸81に垂直な短軸82によって規定しうる領域である電解質配置領域11内に電解質部7を留めるように電解質部7を取り囲んで封止する封止部4とを備える。電解質配置領域11の長軸81方向の少なくとも一方の端部には電解質部7と外部とを連通する第1開口部8が設けられている。電解質配置領域11の長軸81方向の中間部には電解質部7と外部とを連通する1以上の第2開口部9が設けられている。第1および第2開口部8,9は封止されている。対極6は導電性を有する。
本実施の形態における太陽電池51の受光面は、図1における下側の面すなわち透光性基板1の下面である。したがって、光12は、図1に示すように入射して透光性基板1および透明導電膜3を透過して光電変換部5に至る。その結果、発電が行なわれる。
以下に、本実施の形態における太陽電池の各構成要素について詳細に説明する。
太陽電池の受光面を構成する透光性基板1の材料としては、たとえば、ソーダガラス、溶融石英ガラス、結晶石英ガラスなどのガラス基板、可撓性フィルムなどの耐熱性樹脂板などが採用可能である。また、透光性基板1は、厚さ0.2〜5mmで、250℃以上の耐熱性を有するものが好ましい。
受光面側の透明導電膜3の材料としては、少なくとも後述する増感色素に実効的な感度を有する波長の光を実質的に透過するものであればよく、必ずしもすべての波長域の光に対して透過性を有するものである必要はない。透明導電膜3の材料としては、たとえば、ITO(インジウム−スズ複合酸化物)、フッ素ドープされた酸化スズ、ボロン、ガリウムまたはアルミニウムがドープされた酸化亜鉛、ニオブがドープされた酸化チタンなどの透明導電性金属酸化物が挙げられる。あるいは、透明導電膜3は、金、銀、アルミニウム、インジウム、白金、カーボン(カーボンブラック、グラファイト、ガラス炭素、アモルファス炭素、ハードカーボン、ソフトカーボン、カーボンホイスカー、カーボンナノチューブ、フラーレン)などの不透明材料を薄膜化することによって透光性をもたせたものであってもよい。ただし、透明導電膜3に金属材料を用いる場合、電解液に腐食される材料もあるので、腐食防止のために、透明導電膜3のうち電解液と接触する部分に腐食に強い材料をコーティングしておいてもよい。
本実施の形態では、触媒層と、集電電極の機能を有する導電層とを合わせたものを「対極」と呼ぶものとする。ここでいう触媒層は、触媒能を有し、後述する電解質部の酸化還元反応を活性化させる働きを有する。触媒層が高い導電性を有する場合、または、導電層が触媒能を有する場合は、それぞれ単独で対極とすることができる。
上述のように光電変換部5は色素が吸着された多孔質の素材で形成される。光電変換部5は多孔質半導体層であってもよい。
(1)スクリーン印刷法、インクジェット法などにより、半導体粒子を含有するペーストを導電層上に塗布した後、焼成する方法、
(2)所望の原料ガスを用いたCVD(Chemical Vapor Deposition)法またはMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法などにより、導電層上に成膜する方法、
(3)原料固体を用いたPVD(Physical Vapor Deposition)法、蒸着法、スパッタリング法などにより、導電層上に成膜する方法、
(4)ゾル−ゲル法、電気化学的な酸化還元反応を利用した方法などにより、導電層上に成膜する方法などが挙げられる。
多孔質半導体層に吸着して光増感剤として機能する色素としては、種々の可視光領域および/または赤外光領域に吸収をもつ有機色素、金属錯体色素などが挙げられ、これらの色素のうちから1種または2種以上を選択的に用いることができる。
「電解質部」とは、多孔質光電変換部と触媒層との間に充填される電解質が充填される部分である。電解質は、太陽電池の完成時点では液体であるとは限らず、固体であってもよい。したがって、電解質部は、電荷を輸送できる導電性材料で構成される電解質が占める部分である。電解質としては、液体電解質または固体電解質を用いることができる。
本実施の形態では、電解質として液体状態のものを用いたので、電解質部は「電解液部」となっている。電解液部は電解質部の一形態である。「電解液配置領域」は、電解質配置領域の一形態である。電解液中の酸化還元種の元となる材料としては、
○ LiI、NaI、KI、CsI、CaI2などの金属ヨウ化物とI2との組み合わせ;
○ テトラアルキルアンモニウムヨーダイド類、ピリジニウムヨーダイド類、イミダゾリウムヨーダイド類など4級アンモニウム化合物のヨウ化物塩などのヨウ化物とI2との組み合わせ;
○ LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr2などの金属臭化物とBr2との組み合わせ;
○ テトラアルキルアンモニウムブロマイド類、ピリジニウムブロマイド類など4級アンモニウム化合物の臭化物塩などの臭化物とBr2との組み合わせ;
が挙げられる。また、上記の酸化還元種の元となる材料は2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、LiIとI2との組み合わせ、または、イミダゾリウムヨーダイドとI2との組み合わせ、または、LiIとイミダゾリウムヨーダイドとI2との組み合わせが好ましい。
封止部4は封止材によって形成される。封止材は、電解質の揮発と太陽電池セル内への水などの浸入を防止するために重要である。また、封止材は、(1)支持体に作用する落下物や応力(衝撃)を吸収する、(2)長期にわたる使用時において支持体に作用するたわみなどを吸収する、といった目的からも重要である。
(太陽電池モジュール)
図10、図11を参照して、本発明に基づく実施の形態2における太陽電池モジュールについて説明する。本発明に基づく太陽電池モジュールは、これまでに説明してきた太陽電池を1つ以上含む複数の太陽電池が連結した構成を含む太陽電池モジュールである。すなわち、連結された複数の太陽電池のうちの全てが上述の太陽電池である必要はなく、1つ以上が上述の太陽電池であればよい。全てが上述の太陽電池であってもよい。連結された太陽電池同士の電気的接続は直列になされている。
本実施の形態における太陽電池モジュールであれば、各太陽電池セルを作製する際に、第1開口部に加えて設けられた第2開口部を通じて太陽電池セル内部の減圧を行なうことが可能となるので、効率よく減圧を行なうことができる。また、第1開口部に加えて設けられた第2開口部から太陽電池セル全体への電解液注入を行なうことが可能となるので、太陽電池セル全体への十分な電解液浸透が容易になり、電解液の注入に要する時間を短縮することが可能となる。各太陽電池セルにおいてこのように作業時間短縮ができるので、太陽電池モジュールの全体としても作製に要する時間を短縮することができる。
太陽電池モジュールの構成の第1の変形例を図12に示す。図12には太陽電池モジュール502が模式的に示されている。太陽電池モジュール502においては、隣接する太陽電池同士は互いに裏返しとなるように連結されている。このような構成の太陽電池モジュールであれば、表裏両面からの光を発電に用いることができる。
太陽電池モジュールの構成の第2の変形例を図13に示す。図13には太陽電池モジュール503が模式的に示されている。太陽電池モジュール503においては、各太陽電池は、受光面側の基板に光電変換部と対極との両方が設置されている。
実施の形態1で説明した太陽電池のさらに具体的な実施例について、以下に説明する。
本発明に基づく太陽電池として色素増感太陽電池を作製した。その製造方法を以下に具体的に示す。この色素増感型太陽電池は、図1、図2に示した構造のものである。ただし、第2開口部9の数は図1、図2に示したとおりとは限らない。実施例においては、比較のために、後述する第2開口部9の配列密度すなわちNの値を変えて複数通りの太陽電池を作製した。
実施例1〜5に示したNの値を0として同様に太陽電池の作製を行なった。ここで作製する太陽電池も色素増感太陽電池であることに相違ない。製造方法は、実施例1〜5に関して説明したのと同様である。
実施例1のようにN=4として、実施例6〜12の太陽電池52を作製した。太陽電池52は色素増感太陽電池である。電解質配置領域の長手方向の寸法は約1mであるので、第2開口部は図14に示すように約25cm間隔で3ヶ所に設けられることとなる。これら3ヶ所の開口部を順に第2開口部9a,9b,9cと呼んで区別することとする。
実施例1のようにN=4として作製した太陽電池に相当する太陽電池セルが、図5に示したように表裏が交互となるように合計5個直列に接続され、集積化された構造の太陽電池モジュールを作製した。これを実施例13と呼ぶものとする。この太陽電池モジュールは、色素増感太陽電池モジュールである。その製造方法を以下に説明する。
実施例13の条件に従いつつ、第2開口部を設けない形の太陽電池モジュールを比較例として作製した。この比較例においては、電解質配置領域の一方の端部の1ヶ所のみに第1開口部を設けて、その第1開口部から減圧と電解液注入との両方を行なった。
以上の実施例における測定結果を考慮した場合、第2開口部の配列密度は、Nが3以上であればNが2以下の場合に比べて顕著に優れていることがわかる。表1によれば、N=3,5,7,8のいずれであっても真空到達時間および注入時間を短く抑えることができ、かつ、光電変換効率が十分に良いことがわかる。ただし、第2開口部の数が多すぎると開口部をあける作業および開口部を封止する作業が増えてしまい、効率が悪いこととなる。作業工程の増加を考慮した場合、N=7が上限といえる。したがって、本発明に基づく太陽電池で、電解質部が、酸化還元種と前記酸化還元種を溶解可能な溶媒とを含む電解液を含む場合においては、前記長軸に沿った前記1以上の第2開口部の配列密度は1m当たり3個以上7個以下であることが好ましい。
電解質部を構成する電解質は、液体電解質であっても固体電解質であってもよいことは既に述べたが、溶融塩電解液であってもよい。電解質が溶融塩電解液である場合は、電解質部は溶融塩電解液部と呼ぶことができる。電解質配置領域は、溶融塩電解液領域と呼ぶことができる。
○ LiI、NaI、KI、CsI、CaI2などの金属ヨウ化物とI2との組み合わせ;
○ テトラアルキルアンモニウムヨーダイド類、ピリジニウムヨーダイド類、イミダゾリウムヨーダイド類など4級アンモニウム塩のヨウ化物とI2との組み合わせ;
○ LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr2などの金属臭化物とBr2との組み合わせ;
○ テトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイドなど4級アンモニウム塩の臭化物とBr2との組み合わせ;
が挙げられる。また、上記の酸化還元種の元となる材料は2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、LiIとI2との組み合わせ、または、イミダゾリウムヨーダイドとI2との組み合わせ、または、LiIとイミダゾリウムヨーダイドとI2との組み合わせが好ましい。
(実施例21〜27)
本発明に基づく太陽電池として溶融塩電解液を用いた色素増感太陽電池を作製した。その製造方法を以下に具体的に示す。この色素増感型太陽電池は、図1、図2に示した構造のものである。ただし、第2開口部9の数は図1、図2に示したとおりとは限らない。ここでは、比較のために、後述する第2開口部9の配列密度すなわちNの値を変えて複数通りの太陽電池を作製した。Nの定義は実施例1〜5の説明箇所で述べたとおりである。実施例としての基板をN=2,3,5,7,8,11,17となるようにそれぞれ別個に作製した。
実施例21〜27に示したNの値を0として同様に太陽電池の作製を行なった。ここで作製する太陽電池も色素増感太陽電池であることに相違ない。これらの太陽電池における電解質は溶融塩電解液である。製造方法は、実施例21〜27と同様である。
実施例21に準じてセルを作製し、N=4として実施例28〜34の太陽電池52を作製した。太陽電池52は色素増感太陽電池である。電解液配置領域の長手方向の寸法は約1mであるので、第2開口部は図14に示したように3ヶ所に設けられることとなる。実施例6〜12と同様に、これら3ヶ所の開口部を順に第2開口部9a,9b,9cと呼んで区別することとする。
実施例15に相当するものを、電解質として上述の溶融塩電解液を用いて作製した。これを実施例35とする。実施例35の色素増感太陽電池モジュールについて、真空到達時間および注入時間を調べた。その結果、2.0分、注入時間は90.1秒であった。また、AM1.5、照射強度100mW/cm2の擬似太陽光照射下での光電変換効率を調べた結果、4.25となった。
実施例35の条件に従いつつ、第2開口部を設けない形の太陽電池モジュールを比較例として作製した。この比較例においては、電解液配置領域の一方の端部の1ヶ所のみに第1開口部を設けて、その第1開口部から減圧と溶融塩電解液の注入との両方を行なった。
以上の実施例21〜35における測定結果を考慮した場合、第2開口部の配列密度は、Nが6以上であればNが2以下の場合に比べて顕著に優れていることがわかる。表3によれば、N=3,5,7,8,11,17のいずれであっても真空到達時間および注入時間を短く抑えることができ、かつ、光電変換効率が十分に良いことがわかる。ただし、第2開口部の数が多すぎると開口部をあける作業および開口部を封止する作業が増えてしまい、効率が悪いこととなる。作業工程の増加を考慮した場合、N=17が上限といえる。したがって、本発明に基づく太陽電池で、電解質部が酸化還元種と前記酸化還元種を溶解可能な溶媒とを含む溶融塩電解液を含む場合においては、前記長軸に沿った前記1以上の第2開口部の配列密度は1m当たり6個以上17個以下であることが好ましい。
Claims (6)
- 透光性基板と、
前記透光性基板と平行に配置された支持基板と、
前記透光性基板と前記支持基板との間において互いに離隔するように配置された光電変換部および対極と、
前記光電変換部および前記対極に接しつつ前記透光性基板と前記支持基板との間に配置された電解質部と、
長軸および前記長軸に垂直な短軸によって規定しうる領域である電解質配置領域内に前記電解質部を留めるように前記電解質部を取り囲んで封止する封止部とを備え、
前記電解質配置領域の前記長軸方向の少なくとも一方の端部に前記電解質部と外部とを連通する第1開口部が設けられており、
前記電解質配置領域の前記長軸方向の中間部において少なくとも一部が前記光電変換部に重なる位置に前記電解質部と外部とを連通する1以上の第2開口部が設けられており、
前記第1および第2開口部は封止されている、太陽電池。 - 前記第2開口部は前記支持基板に設けられている、請求項1に記載の太陽電池。
- 前記電解質部は、酸化還元種と前記酸化還元種を溶解可能な溶媒とを含む電解液を含み、前記長軸に沿った前記第2開口部の配列密度は長さ1m当たり3個以上7個以下である、請求項1または2に記載の太陽電池。
- 前記電解質部は、酸化還元種と前記酸化還元種を溶解可能な溶融塩とを含む溶融塩電解液を含み、前記長軸に沿った前記第2開口部の配列密度は長さ1m当たり6個以上17個以下である、請求項1または2に記載の太陽電池。
- 前記酸化還元種は、ヨウ化物塩とI2との組合せ、または、臭化物塩とBr2との組合せのいずれかを含む、請求項3または4に記載の太陽電池。
- 請求項1から5のいずれかに記載の太陽電池を含めた複数の太陽電池が連結した構成を含む、太陽電池モジュール。
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