Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
JP5437783B2 - 光学フィルム、その製造方法、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
[go: Go Back, main page]

JP5437783B2 - 光学フィルム、その製造方法、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

光学フィルム、その製造方法、偏光板および液晶表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5437783B2
JP5437783B2 JP2009281221A JP2009281221A JP5437783B2 JP 5437783 B2 JP5437783 B2 JP 5437783B2 JP 2009281221 A JP2009281221 A JP 2009281221A JP 2009281221 A JP2009281221 A JP 2009281221A JP 5437783 B2 JP5437783 B2 JP 5437783B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
optical film
present
dope
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009281221A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011123316A (ja
Inventor
淳 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2009281221A priority Critical patent/JP5437783B2/ja
Publication of JP2011123316A publication Critical patent/JP2011123316A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5437783B2 publication Critical patent/JP5437783B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Description

本発明は光学フィルム、その製造方法、および該光学フィルムを用いた偏光板および液晶表示装置に関する。特に、位相差フィルムなどの光学フィルムとして好ましく用いることができる光学フィルムに関する。
近年、液晶表示装置のTV用途が進行し、画面サイズの大型化に伴う高画質化と低価格化および薄型化が益々求められている。特にVAモードの液晶表示装置は比較的コントラストが高く、比較的製造の歩留まりが高いことからTV用の液晶表示装置として最も一般的なものとなっている。
しかしながら、VAモードの液晶表示装置を黒表示した場合には、液晶表示画面の法線方向においてはほぼ完全な黒色表示ができるものの、液晶表示画面の斜め方向から黒表示した画面を観察すると光漏れが発生して背景の黒表示ができないために視野角が狭くなるという問題があった。そのため、近年では、偏光板保護フィルムにさらにレターデーションを発現させて光学補償能を付与し、液晶表示装置に組み込んだときに単独で視野角補償ができ、かつ薄型化に寄与できる光学フィルムが求められている。また、液晶表示装置のさらなる表示性能の改善も依然として求められており、コントラストをさらに上昇させることができる光学フィルムが求められている。
一方、従来から、様々な光学フィルムが液晶表示装置用途として用いられており、様々な添加剤を添加した光学フィルムが知られている。このような光学フィルムは様々な製膜方法で製造されているが、代表的な方法として熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させたドープを支持体上に流涎して製膜する溶液製膜法が知られている。このような溶液製膜法で製造される場合、フィルム搬送特性の改善などの目的からマット剤を添加したドープを用いる方法が知られている。このようなマット剤は、ハンドリング適性と密接に対応しており、添加量が少ないとフィルムにシワやキシミが発生し、搬送性に問題を生じて製造の歩留まりが悪化しやすい。一方、マット剤の添加量を増加すると製造される光学フィルムのヘイズが添加量に応じて高くなることが知られており、ヘイズが高い光学フィルムを液晶表示装置に用いると、画像表示時のコントラストが低下してしまうという問題があった。
このように、ハンドリング適性が良好であり、液晶表示装置に組み込んだときに単独で視野角特性を改善できる程度に高い光学発現性を有し、かつ画像表示時のコントラストを上昇させることができる光学フィルムが求められていた。
ここで、マット剤の添加量を制御したときの光学フィルムの特性を検討した例が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。まず、特許文献1には、マット剤を含む置換度2.86のセルロースアセテートドープを共流延により製膜し、合計40μm程度の膜厚の表面層がセルロースアセテート100質量部に対して0.026質量部マット剤含むフィルムを、163℃でフィルム搬送方向に直交する方向に1.41倍延伸した例が開示されている。同文献では、好ましい動摩擦係数として、0.2〜1.0が記載されているが、マット剤濃度0.026質量%のフィルムでは、実際に測定してみると動摩擦係数は、3.5以上であり、優れた搬送性が得られなかった。また,同文献の得られたフィルムのヘイズ値については言及されておらず、実際に測定してみると、1.5以上であり、光学フィルムとして不適であった。さらに片面に、異方性塗布膜が設けることで位相差を発現させておりハンドリング適性の改善と低ヘイズ化、光学特性の両立について検討されていなかった。また、該フィルムを液晶表示装置に組み込んだときのコントラストへの影響についても何ら言及されていなかった。
特許文献2には、全アシル置換度が2.90のセルロースアセテートを表面層および内部層に用い、合計10μm程度の膜厚の表面層にセルロースアシレートに対して0.15〜0.25質量%のマット剤を含み、内部層にマット剤を0.0001〜0.05質量%含むフィルムを、120℃〜135℃でフィルム搬送方向に直交する方向に1.05倍延伸した例が開示されている。同文献では、このような態様により、全ヘイズ値を0.2%以下に低下させられることができていたものの、動摩擦係数は0.48〜0.57程度と高くなっており、ハンドリング適性の改善と低ヘイズ化を両立できていなかったことがわかった。また、同文献では得られたフィルムのレターデーションの発現性についても言及はない。なお、全アシル置換度が2.65のセルロースアシレート・プロピオネートを表層および内部層に用いた例も記載されているが、同様の傾向であった。
特許文献3には、セルローストリアセテートを表面層および内部層に用い、合計10〜20μm程度の膜厚の表面層のみにセルローストリアセテートに対して0.03〜1.0質量%マット剤を含むフィルムを、140℃で乾燥し、延伸工程を実施しなかった例が開示されている。同文献では、このような態様により、動摩擦係数を0.001〜0.36に抑えることが記載されていたものの、全ヘイズ値については言及されておらず、ハンドリング適性の改善と低ヘイズ化の両立について検討されていなかった。また、同文献ではフィルムを延伸することすら開示も示唆もされていないため、同文献に記載されるフィルムは、レターデーションはほとんど発現していないと予想されるものであった。
このように、ハンドリング適性が良好であり、液晶表示装置に組み込んだときに単独で視野角特性を改善できる程度に高い光学発現性を有し、かつ画像表示時のコントラストを上昇させることができる光学フィルムは知られていなかった。また、マット剤の添加量を規定して共流延によって製膜するだけでは上記要求を全て満たす特性のフィルムは製造できていなかったため、そのような特性を有するフィルムの製造方法についても知られていなかったのが実情であった。
特開2009−222994号公報 特許第4036014号 特開2001−71418号公報
本発明は、上記特性を全て満たすフィルムを得ることを目的としたものである。すなわち、本発明が解決しようとする課題は、ハンドリング適性が良好であり、液晶表示装置に組み込んだときに単独で視野角特性を改善できる程度に高い光学発現性を有し、かつ画像表示時のコントラストを上昇させることができる光学フィルムを提供することにある。
上記課題のもと、本発明者が鋭意検討を行い、特別な製造方法で製造した場合に得られた光学フィルムのマット剤濃度を蛍光X線分析(以下、XRFと言う)により測定をし、また、動摩擦係数を測定した。その結果、マット剤濃度が特定のXRF強度の範囲に制御されており、かつ動摩擦係数が特定の範囲の制御されている上記光学フィルムは、驚くべきことに、ハンドリング適性と低ヘイズ化を両立できていることを見出すに至った。また、上記特別な製造方法で製造した場合に得られた光学フィルムは、高い光学発現性も同時に達成できていたことが判明した。
すなわち、本発明者は、ハンドリング適性が良好であり、液晶表示装置に組み込んだときに単独で視野角特性を改善できる程度に高い光学発現性を有し、かつ画像表示時のコントラストを上昇させることができる光学フィルムを製造できることを初めて見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、以下の手段により上記課題を解決した。
[1] 熱可塑性樹脂を含み、フィルム表面のXRF測定を実施したときのXRF強度が0.6〜15であり、全ヘイズ値が0.1〜1.0%であり、内部ヘイズ値が0.07%未満であり、かつフィルムの両表面における動摩擦係数が0.3〜3.5であり、下記式(1)を満たすことを特徴とする光学フィルム。
式(1): 25nm≦Re≦140nm
(式(1)中、Reは波長590nmで測定したフィルム面内方向のレターデーション値を表す。)
[2] 下記式(1’)を満たすことを特徴とする[1]に記載の光学フィルム。
式(1’): 30nm≦Re≦100nm
(式(1’)中、Reは波長590nmで測定したフィルム面内方向のレターデーション値を表す。)
[3] 下記式(2)を満たすことを特徴とする[1]または[2]に記載の光学フィルム。
式(2): 80nm≦Rth≦300nm
(式(2)中、Rthは波長590nmで測定したフィルム膜厚方向のレターデーション値を表す。)
[4] 前記熱可塑性樹脂がセルロースアシレート樹脂であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の光学フィルム
[5] 前記セルロースアシレート樹脂の全アシル置換度が2.1〜2.6であることを特徴とする[4]に記載の光学フィルム。
[6] コア層と、該コア層の両面に少なくとも1層ずつの表層が積層されていることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[7] 前記コア層と前記表層が、いずれもセルロースアシレート樹脂を含むことを特徴とする[6]に記載の光学フィルム。
[8] 前記コア層と、前記表層がそれぞれ全アシル置換度の異なるセルロースアシレート樹脂を含むことを特徴とする[6]に記載の光学フィルム。
[9] 前記コア層に含まれるセルロースアシレート樹脂の全アシル置換度が2.1〜2.6であることを特徴とする[7]または[8]に記載の光学フィルム。
[10] 内部ヘイズが0.03%未満であることを特徴とする[1]〜[9]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[11] 光学異方性層が積層されていないことを特徴とする[1]〜[10]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[12] 熱可塑性樹脂と該熱可塑性樹脂に対して0.03質量%〜0.15質量%の無機微粒子を含むドープを流涎して、光学フィルムの少なくとも一方の最外層となるフィルムを形成する工程と、該最外層となるフィルムを含む光学フィルムを、延伸温度A±10℃でフィルム搬送方向に直交する方向に20〜40%延伸する工程を含むことを特徴とする光学フィルムの製造方法(但し、前記Aは、残留溶媒量が0%のときのセルロースアシレートの動的粘弾性tanδを測定した際にtanδがピークを示す温度(単位:℃)を表す)。
[13] 該最外層となるフィルムを含む光学フィルムの全膜厚が30〜160μmとなるように制御する工程を含むことを特徴とする[12]に記載の光学フィルムの製造方法。
[14] 前記熱可塑性樹脂としてセルロースアシレート樹脂を用いることを特徴とする[12]または[13]に記載の光学フィルムの製造方法。
[15] 表層用ドープとコア層用ドープを、該コア層用ドープの両面に前記表層用ドープが積層されるように逐次流延または同時共流延することを特徴とする[12]〜[14]のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
[16] 表層用ドープとコア層用ドープを、該コア層用ドープの両面に前記表層用ドープが積層されるように同時共流延することを特徴とする[12]〜[14]のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
[17] 両方の前記表層用ドープが、無機微粒子を前記熱可塑性樹脂に対して0.03重量%〜0.15重量%含むことを特徴とする[15]または[16]に記載の光学フィルムの製造方法。
[18] 前記表層の合計膜厚が0.5〜9μmとなるように制御する工程を含むことを特徴とする[15]〜[17]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[19] [12]〜[18]のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法で製造されたことを特徴とする光学フィルム。
[20] [1]〜[11]および[19]のいずれか一項に記載の光学フィルムを少なくとも1枚用いたことを特徴とする偏光板。
[21] [1]〜[11]および[19]のいずれか一項に記載の光学フィルムを少なくとも1枚用いたことを特徴とする液晶表示装置。
本発明によれば、ハンドリング適性が良好であり、液晶表示装置に組み込んだときに単独で視野角特性を改善できる程度に高い光学発現性を有し、かつ画像表示時のコントラストを上昇させることができる光学フィルムおよびその製造方法を提供することができる。また、本発明のフィルムを用いた本発明の液晶表示装置は、視野角特性が改善されており、画像表示時のコントラストが高い。
共流延用ダイを用いて同時共流延により3層構造の積層光学フィルムを流涎製膜するときの一例を示す概略図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。本明細書中において、本発明のフィルムが溶液流延製膜で製造されたとき、支持体に接していた側のフィルム表面をバンド面と言い、支持体に接していなかった側のフィルム表面をエア面と言う。
[光学フィルム]
本発明の光学フィルム(以下、本発明のフィルムとも言う)は、熱可塑性樹脂を含み、フィルム表面のXRF測定を実施したときのXRF強度が0.6〜15であり、全ヘイズ値が0.1〜1.0%であり、内部ヘイズ値が0.07%未満であり、かつフィルムの両表面における動摩擦係数が0.3〜3.5であり、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
式(1): 25nm≦Re≦140nm
(式(1)中、Reは波長590nmで測定したフィルム面内方向のレターデーション値を表す。)
以下、本発明のフィルムについて説明する。
(フィルム表面のXRF測定)
本発明のフィルムは、フィルム表面のXRF測定を実施したときのXRF強度が0.6〜15である。前記XRF強度は、エア面側のXRF強度と、バンド面側のXRF強度の2種を測定することが可能であるが、本発明のフィルムは、XRF強度がエア面側およびバンド面側共に0.6〜15である。前記XRF強度が0.6以上であると、光学フィルムの全ヘイズと動摩擦係数を本発明の範囲にでき、ハンドリング適性を改善することができる。さらに液晶表示装置に組み込んだときのコントラストも上昇させることができる。前記XRF強度が15以下であると、光学フィルムの全ヘイズを維持したまま動摩擦係数を本発明の範囲にでき、光学フィルムの滑りを良くしてハンドリング適性を改善することができる。
前記XRF強度は、0.6〜10であることが好ましく、0.6〜5であることがより好ましい。
本発明におけるXRF強度は、以下の方法で測定した値のことを表す。
蛍光X線分析装置(XRF;X−ray FluorescenceSpectrometer)を用いて、検量線法によりSi原子の量(Si mg/m2)として測定される。検量線を作成するための標準試料は、既知量のSi原子を含む珪酸ナトリウム水溶液を、アルミニウム基板の上の30mmφの面積内に均一に滴下後、乾燥させたものが用いられる。蛍光X線分析装置の機種としては特に限定はないが、本発明においては、理学電機工業(株)製RIX3000を用い、下記条件にてSi−Kαスペクトルのピーク高さより測定したSi原子の量を採用している。
装置 :理学電機工業(株)製RIX3000
X線管球 :Rh
測定スペクトル :Si−Kα
管電圧 :50kV
管電流 :50mA
スリット :COARSE
分光結晶 :RX4
検出器 :F−PC
分析面積 :30mmφ
ピーク位置(2θ) :144.75deg.
バックグランド(2θ):140.70deg.、146.85deg.
積算時間 :80秒/sample
なお、上記の測定条件の場合、XRF測定によって読み取ることができるマット剤濃度は、フィルム表面からフィルム膜厚方向に向けて20μmまでの平均値となる。
(ヘイズ)
本発明のフィルムは、全ヘイズ値が0.1〜1.0%である。前記全ヘイズ値が0.1〜1.0%であると、光学フィルムを液晶表示装置に組み込んだときのコントラストを上昇させることができる。
前記全ヘイズ値は、0.15〜0.8%であることが好ましく、0.2〜0.7%であることがより好ましい。全ヘイズが0.2%以上であると、ロールフィルムの送り出し、巻き取りのためのハンドリング時にハンドリングロールとの滑りを確保でき、傷が生じにくくなり、ハンドリング適性を改善することができる。また、長尺のロール状態で保存中に表裏面が密着しないようにもなる。さらに、フィルムは他の基板やフィルムとの間の密着性についても向上し、けん化処理する場合のけん化時間も短くなる。
本発明のフィルムは、内部ヘイズが0.07%未満である。本明細書中、内部ヘイズとは、フィルム中に最も多く含まれる熱可塑性樹脂の屈折率±0.02以内の屈折率を有するオイルを用い、該オイルでフィルム両表面を覆って測定した表面散乱成分を除外したヘイズ値である。
内部ヘイズが0.07%未満であると偏光板に組み込んだときのコントラストが高くなり好ましい。コントラスト低下を抑制するためには内部ヘイズは、0.03%未満がより好ましい。
(動摩擦係数)
本発明のフィルムは、フィルムの両表面における動摩擦係数が0.3〜3.5である。前記動摩擦係数が0.3以上であればフィルム搬送時のキシミを改善でき、ハンドリング適性を改善することができる。また、前記動摩擦係数が3.5以下であればフィルム搬送時の滑り性を改善でき、ハンドリング適性を改善することができる。
前記動摩擦係数は、0.3〜3.0以下であることが好ましく、0.3〜2.0であることがより好ましい。特に動摩擦係数が3.0以下であると、顕著にハンドリング適性が改善されるため好ましい。
本明細書中、動摩擦係数は、フィルム試料100mm×200mm及び75mm×100mmの試料を23℃、相対湿度65%、2時間調湿し、テンシロン引張試験機(RTA−100、オリエンテック(株)製)にて大きいフィルムを台の上に固定し、200gの重りを付けた小さいフィルムを載せた。重りを水平方向に引張り、動いている時の力Fを測定し、下記式より動摩擦係数μkを算出した。
F=μk×W(W:重りの重さ(Kgf))
(レターデーション(Re、Rth))
本発明のフィルムは、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
式(1): 25nm≦Re≦140nm
前記式(1)中、Reは波長590nmで測定したフィルム面内方向のレターデーション値を表す。本発明のフィルムはReが25nm以上であることで、液晶表示装置に組み込んだときに視野角特性を改善することができる。
また、本発明のフィルムは、下記式(1’)を満たすことがコントラスト上昇および視野角特性改善の観点から好ましい。
式(1’): 30nm≦Re≦100nm
さらに、下記式(1’’)を満たすことがさらなるコントラスト上昇および視野角特性改善の観点からより好ましい。
式(1’’): 40nm≦Re≦100nm
本発明のフィルムは、下記式(2)を満たすことがVA型液晶表示装置に実装した際のコントラスト上昇の観点から好ましい。
式(2): 80nm≦Rth≦300nm
(式(2)中、Rthは波長590nmで測定したフィルム膜厚方向のレターデーション値を表す。)
本発明のフィルムは、Rthが90〜270nmであることがより好ましく、100〜250nmであることが特に好ましい。
フィルムのレターデーション値は、その用途に応じて好ましい範囲は異なる。
本発明のフィルムのレターデーション値は、25nm≦Re≦140nm、かつ、80nm≦Rth≦300nmであることが好ましい。また、30nm≦Re≦100nm、かつ、80nm≦Rth≦300nmであることがより好ましく、40nm≦Re≦100nm、かつ、90nm<Rth<270nmであることが特に好ましく、45nm<Re<80nm、かつ、100nm<Rth<250nmであることがより特に好ましい。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(A)及び式(B)よりRthを算出することもできる。
Figure 0005437783
注記:
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を現す。
式(A)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。
式(B)
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはWRはnx、ny、nzを算出する。
なお、本明細書において、特に断らない限り、測定波長は590nmとする。
<熱可塑性樹脂>
本発明の光学フィルムは熱可塑性樹脂を含む。本発明の光学フィルムは、前記熱可塑性樹脂としてセルロースアシレート樹脂を含むことが好ましい。
(セルロースアシレート樹脂)
本発明に用いられるセルロースアシレート樹脂は、特に定めるものではない。アシレート原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば、丸澤、宇田著、「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」日刊工業新聞社(1970年発行)や発明協会公開技報公技番号2001−1745号(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができる。
まず、本発明に好ましく用いられるセルロースアシレートについて詳細に記載する。セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位および6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部を炭素数2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位、3位および6位に位置するセルロースの水酸基がエステル化している割合(100%のエステル化は置換度1)を意味する。
全アシル置換度、即ち、DS2+DS3+DS6は2.1〜2.9が好ましく、より好ましくは2.1〜2.8であり、特に好ましくは光学特性の発現の観点から、少なくとも1層に含まれるセルロースアシレートの全アシル置換度が2.1〜2.6である。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)は0.08〜0.66が好ましく、0.15〜0.60、さらに好ましくは0.20〜0.45である。ここで、DS2はグルコース単位の2位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「2位のアシル置換度」とも言う)であり、DS3は3位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「3位のアシル置換度」とも言う)であり、DS6は6位の水酸基のアシル基による置換度である(以下、「6位のアシル置換度」とも言う)。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)は全アシル置換度に対する6位のアシル置換度の割合であり、以下「6位のアシル置換率」とも言う。
本発明のフィルムに用いられるアシル基は1種類だけでもよいし、あるいは2種類以上のアシル基が使用されていてもよい。本発明のフィルムは、炭素数2〜4のアシル基を置換基として有することが好ましい。2種類以上のアシル基を用いるときは、そのひとつがアセチル基であることが好ましく、炭素数2〜4のアシル基としてはプロピオニル基またはブチリル基が好ましい。2位、3位および6位の水酸基のアセチル基による置換度の総和をDSAとし、2位、3位および6位の水酸基のプロピオニル基またはブチリル基による置換度の総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は2.3〜2.6であることが好ましい。DSA+DSBの値は2.35〜2.55、かつDSBの値は0.10〜1.70であることがより好ましく、さらに好ましくはDSA+DSBの値は2.40〜2.50、かつDSBの値は0.5〜1.2である。DSAとDSBの値を上記の範囲にすることで環境湿度によるRe値、Rth値の変化の小さいフィルムが得ることができ好ましい。
すなわち、本発明のフィルムに用いられるセルロースアシレート樹脂は、セルロースアセテートであることが、自然への還元性および環境負荷の観点から、好ましい。
さらにDSBはその28%以上が6位水酸基の置換基であるが、より好ましくは30%以上が6位水酸基の置換基であり、31%以上が6位水酸基の置換基であることがさらに好ましく、特には32%以上が6位水酸基の置換基であることも好ましい。これらのフィルムにより溶解性の好ましい溶液が作製でき、特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。さらに粘度が低くろ過性のよい溶液の作成が可能となる。
本発明におけるセルロースアシレートの炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリル基でもよく特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましい例としては、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、イソブタノイル基、tert−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、tert−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などがより好ましく、特に好ましくはプロピオニル基、ブタノイル基である。
セルロ−スのアシル化において、アシル化剤としては、酸無水物や酸クロライドを用いた場合、反応溶媒である有機溶媒としては、有機酸、例えば、酢酸、メチレンクロライド等が使用される。
触媒としては、アシル化剤が酸無水物である場合には、硫酸のようなプロトン性触媒が好ましく用いられ、アシル化剤が酸クロライド(例えば、CH3CH2COCl)である場合には、塩基性化合物が用いられる。
最も一般的なセルロ−スの混合脂肪酸エステルの工業的合成方法は、セルロ−スをアセチル基および他のアシル基に対応する脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、吉草酸等)またはそれらの酸無水物を含む混合有機酸成分でアシル化する方法である。
本発明に用いるセルロースアシレートは、例えば、特開平10−45804号公報に記載されている方法により合成できる。
(フィルムの層構造)
本発明のフィルムは、1層からなっていても、2層以上からなっていてもよい。
本発明のフィルムは、コア層と、該コア層の両面に少なくとも1層ずつの表層が積層されていることがより好ましい。すなわち、本発明のフィルムは、3層以上の積層構造を有している態様が、光学補償フィルムとして所望の光学特性を実現させる工程における自由度向上の観点から好ましい。なお、前記コア層とは、最も膜厚の厚い層のことをいう。
また、本発明のフィルムが2層以上からなる積層フィルムの場合、本発明のフィルムは、共流延されてなることが好ましい。
本発明のフィルムは、前記表層に無機微粒子を含むことが、フィルムの全ヘイズを高くし、フィルムの表面粗さを大きくする観点から好ましい。
また、本発明のフィルムは、前記コア層用が無機微粒子を全く含まないことが、フィルムの内部ヘイズを低くする観点から好ましい。
本発明のフィルムが2層以上からなる場合、各層の間に接着剤または粘着剤を含まないことが、製造プロセスの削減の観点から好ましく、このような層構造のフィルムは後述する積層流延法によって製造することができる。
なお、接着剤または粘着剤を介して接着された複層構造のフィルムを製造するときに用いられる接着剤や粘着剤としては、例えば特開平11?295527号公報に記載がある。
本発明のフィルムが前記熱可塑性樹脂としてセルロースアシレート樹脂を含み、かつ2層以上からなる場合は、前記コア層と前記表層が、いずれもセルロースアシレート樹脂を含むことが光学特性発現の観点から好ましい。また、各層中におけるセルロースアシレートのアシル基置換度は均一であってもよく、複数のセルロースアシレートを一つの層に混在させてもよい。本発明では、前記コア層と、前記表層がそれぞれ全アシル置換度の異なるセルロースアシレート樹脂を含むことが、光学特性の発現とハンドリング適性を両立する観点から好ましい。
本発明のフィルムに含まれるセルロースアシレート樹脂の全アシル置換度の平均値は、2.1〜2.6であることが好ましく、2.2〜2.5であることがより好ましく、2.3〜2.48であることが特に好ましい。
本発明のフィルムが2層以上からなる場合、コア層に含まれる前記セルロースアシレート樹脂の全アシル置換度の平均値が2.1〜2.6を満たすことが、光学特性発現の観点から特に好ましい。
前記コア層に含まれる前記セルロースアシレート樹脂の全アシル置換度の平均値は、2.2〜2.5であることがより好ましく、2.3〜2.48であることが特に好ましい。
本発明のフィルムは、前記コア層と、前記表層がそれぞれ置換度の異なるセルロースアシレート樹脂を含むことが好ましい。
前記表層に含まれるセルロースアシレート樹脂の全アシル置換度は、2.6〜2.9であることがより好ましく、2.65〜2.85であることが特に好ましい。
本発明のフィルムには、光学異方性層が積層されていないことが好ましい。本発明のフィルムは高い面内方向のレターデーションReを発現しているため、光学異方性層を積層していなくとも、液晶表示装置に組み込んだときに視野角特性を改善することができる。なお、前記光学異方性層としては一般的に光学フィルム用途において従来公知の光学異方性層を挙げることができ、特にVAモード用の位相差フィルムに用いられていた従来公知の光学異方性層を挙げることができ、例えば、重合性液晶性化合物を重合させて得られる層である。
(膜厚)
本発明のフィルムの厚さ(2層以上からなる場合は合計膜厚)は、30〜160μmであることが好ましい。フィルムの全膜厚を制御することで、フィルムのRe発現量と、全ヘイズを本発明の範囲に制御することができ、その中でも特にフィルムのRe発現量を本発明の範囲に制御するために重要となる。前記膜厚は、用いる偏光板の種類等によって適宜定めることができるが、好ましくは35〜155μmであることがより好ましく、40〜140μmであることが特に好ましく、40〜100μmより特に好ましく、フィルムの厚さを60μm以下とすることにより、コストを下げることができ好ましい。
本発明のフィルムが2層以上からなる場合における各層の膜厚は、フィルムの全膜厚(表層の膜厚+コア層の膜厚)に対する、前記表層の膜厚の膜厚比が0.005〜0.20であることが好ましく、0.005〜0.15であることがより好ましく、0.01〜0.10であることが特に好ましい。
<添加剤>
本発明のフィルム中には、添加剤として、無機微粒子(マット剤)、非リン酸エステル系の化合物;レターデーション調整剤(レターデーション発現剤およびレターデーション低減剤);フタル酸エステル、リン酸エステル系の化合物などの可塑剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤などの添加剤を加えることもできる。
(無機微粒子)
本発明のフィルムは、少なくとも一方の最外層に無機微粒子を含むことが前記XRF強度を本発明の範囲に制御する観点から好ましく、両方の最外層に無機微粒子を含むことがより好ましい。
本発明のフィルムには、無機微粒子(マット剤)を加えることが好ましい。本発明に使用される無機微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウムを挙げることができる。無機微粒子はケイ素を含むものが、濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径が5〜30nmであるものがフィルムの全ヘイズを本発明の範囲に制御できる観点から、より好ましい。見かけ比重は10〜100g/リットル以上であるものが好ましく、30〜80g/リットル以上であるものがさらに好ましい。
本発明のフィルムが2層の積層構造であるときは、前記無機微粒子は少なくとも一方の最外層に含まれる。また、本発明のフィルムが3層以上の積層構造であるときは、前記無機微粒子は前記表層の両方に含まれることが好ましい。
これらの微粒子は、通常平均粒子径が0.1〜3.0μmの2次粒子を形成し、これらの微粒子はフィルム中では、1次粒子の凝集体として存在し、フィルム表面に0.1〜3.0μmの凹凸を形成させる。2次平均粒子径は0.2μm〜1.5μmが好ましく、0.4μm〜1.2μmがさらに好ましく、0.6μm〜1.1μmが最も好ましい。1次、2次粒子径はフィルム中の粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子に外接する円の直径をもって粒子サイズとした。また、場所を変えて粒子200個を観察し、その平均値をもって平均粒子径とした。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)などの市販品を使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976およびR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でアエロジルR972が、無機微粒子分散溶液を作製する際の凝集性の観点から特に好ましい。
本発明において2次平均粒子径の小さな粒子を有するフィルムを得るために、微粒子の分散液を調製する際にいくつかの手法が考えられる。例えば、溶剤と微粒子を撹拌混合した微粒子分散液をあらかじめ作成し、この微粒子分散液を別途用意した少量のセルロースアシレート溶液に加えて撹拌溶解し、さらにメインのセルロースアシレートドープ液と混合する方法がある。この方法は二酸化珪素微粒子の分散性がよく、二酸化珪素微粒子がさらに再凝集しにくい点で好ましい調製方法である。ほかにも、溶剤に少量のセルロースエステルを加え、撹拌溶解した後、これに微粒子を加えて分散機で分散を行い、これを微粒子添加液とし、この微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する方法もある。本発明はこれらの方法に限定されないが、二酸化珪素微粒子を溶剤などと混合して分散するときの二酸化珪素の濃度は5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%がさらに好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度が高い方が添加量に対する液濁度は低くなり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
最終的なセルロースアシレートフィルム中の前記XRF強度測定から算出される表層のマット剤濃度は、コア層と該コア層の両面に少なくとも1層ずつの表層が積層されている態様のフィルムの場合は、エア面側で0.6〜12であることが好ましく、1.0〜8.0であることがより好ましく、1.5〜4.0であることが特に好ましい。また、バンド面側で0.6〜12であることが好ましく、1.0〜8.0であることがより好ましく、1.5〜4.0であることが特に好ましい。
最終的なセルロースアシレートフィルム中の前記XRF強度測定から算出される表層のマット剤濃度は、単層の態様のフィルムの場合は、エア面側で0.6〜12であることが好ましく、2〜10であることがより好ましく、4〜8であることが特に好ましい。また、バンド面側で0.6〜12であることが好ましく、2〜10であることがより好ましく、4〜8であることが特に好ましい。
使用される溶剤は低級アルコール類としては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースエステルの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
(非リン酸エステル系の化合物)
本発明のフィルムは、リン酸エステル系の化合物または非リン酸エステル系のポリエステル系の化合物を含むことが、湿熱耐久性時にフィルムから添加剤が泣き出す現象を抑え、かつ、本発明の奏する効果のうちヘイズを低減できる観点からも好ましい。以下、本発明のフィルムに用いることができる添加剤について詳細に説明する。
本発明のフィルムは、前記低置換度層中に、非リン酸エステル系の化合物を含むことが好ましい。このような非リン酸エステル系の化合物を含むことにより、本発明のフィルムは白化しにくくなるという効果を奏する。
また、本明細書中、「非リン酸エステル系の化合物」とは、「エステル結合を有する化合物であって、該エステル結合に寄与する酸がリン酸以外である化合物」のことを言う。すなわち、「非リン酸エステル系の化合物」は、リン酸を含まず、エステル系である、化合物を意味する。
また、前記非リン酸エステル系の化合物は、低分子化合物であっても、ポリマー(高分子化合物)であってもよい。以下、ポリマー(高分子化合物)である非リン酸エステル系の化合物のことを、非リン酸エステル系ポリマーとも言う。
前記非リン酸エステル系の化合物としては、セルロースアシレートフィルムの添加剤として公知の高分子量添加剤および低分子量添加剤を広く採用することができる。添加剤の含量は、セルロース系樹脂に対して、1〜35質量%であることが好ましく、4〜30質量%であることがより好ましく10〜25質量%であることがさらに好ましい。
本発明のフィルムに非リン酸エステル系の化合物として用いられる高分子量添加剤は、その化合物中に繰り返し単位を有するものであり、数平均分子量が700〜10000のものが好ましい。高分子量添加剤は、溶液流延法において、溶媒の揮発速度を速める機能や、残留溶媒量を低減する機能も有する。さらに、機械的性質向上、柔軟性付与、耐吸水性付与、水分透過率低減等のフィルム改質の観点で、有用な効果を示す。
ここで、本発明における非リン酸エステル系の化合物である高分子量添加剤の数平均分子量は、より好ましくは数平均分子量700〜8000であり、さらに好ましくは数平均分子量700〜5000であり、特に好ましくは数平均分子量1000〜5000である。
以下、本発明に用いられる非リン酸エステル系の化合物である高分子量添加剤について、その具体例を挙げながら詳細に説明するが、本発明で用いられる非リン酸エステル系の化合物である高分子量添加剤がこれらのものに限定されるわけでないことは言うまでもない。
非リン酸エステル系の化合物である高分子系添加剤としては、ポリエステル系ポリマー(脂肪族ポリエステル系ポリマー、芳香族ポリエステル系ポリマー等)、ポリエステル系成分と他の成分の共重合体などが挙げられ、脂肪族ポリエステル系ポリマー、芳香族ポリエステル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー(脂肪族ポリエステル系ポリマー、芳香族ポリエステル系ポリマー等)とアクリル系ポリマーの共重合体およびポリエステル系ポリマー(脂肪族ポリエステル系ポリマー、芳香族ポリエステル系ポリマー等)とスチレン系ポリマーの共重合体が好ましく、少なくとも共重合成分の1つとして芳香族環を含有するポリエステル化合物であることがより好ましい。
前記脂肪族ポリエステル系ポリマーとしては、炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸と、炭素数2〜12の脂肪族ジオール、炭素数4〜20のアルキルエーテルジオールから選ばれる少なくとも1種類以上のジオールとの反応によって得られるものであり、かつ反応物の両末端は反応物のままでもよいが、さらにモノカルボン酸類やモノアルコール類またはフェノール類を反応させて、所謂末端の封止を実施してもよい。この末端封止は、特にフリーなカルボン酸類を含有させないために実施されることが、保存性などの点で有効である。本発明のポリエステル系ポリマーに使用されるジカルボン酸は、炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸残基または炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸残基であることが好ましい。
本発明で好ましく用いられる炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。
これらの中でも好ましい脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である。特に好ましくは、脂肪族ジカルボン酸成分としてはコハク酸、グルタル酸、アジピン酸である。
前記高分子量添加剤に利用されるジオールは、例えば、炭素数2〜20の脂肪族ジオール、炭素数4〜20のアルキルエーテルジオールから選ばれるものである。
炭素原子2〜20の脂肪族ジオールとしては、アルキルジオールおよび脂環式ジオール類を挙げることができ、例えば、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用される。
好ましい脂肪族ジオールとしては、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールであり、特に好ましくはエタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールである。
炭素数4〜20のアルキルエーテルジオールとしては、好ましくは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレンエーテルグリコールおよびポリプロピレンエーテルグリコールならびにこれらの組み合わせが挙げられる。その平均重合度は、特に限定されないが好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜10であり、さらには2〜5であり、特に好ましくは2〜4である。これらの例としては、典型的に有用な市販のポリエーテルグリコール類としては、カーボワックス(Carbowax)レジン、プルロニックス(Pluronics)レジンおよびニアックス(Niax)レジンが挙げられる。
本発明においては、特に末端がアルキル基あるいは芳香族基で封止された高分子量添加剤であることが好ましい。これは、末端を疎水性官能基で保護することにより、高温高湿での経時劣化に対して有効であり、エステル基の加水分解を遅延させる役割を示すことが要因となっている。
本発明のポリエステル添加剤の両末端がカルボン酸やOH基とならないように、モノアルコール残基やモノカルボン酸残基で保護することが好ましい。
この場合、モノアルコールとしては炭素数1〜30の置換、無置換のモノアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、イソノニルアルコール、tert−ノニルアルコール、デカノール、ドデカノール、ドデカヘキサノール、ドデカオクタノール、アリルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族アルコール、ベンジルアルコール、3−フェニルプロパノールなどの置換アルコールなどが挙げられる。
好ましく使用され得る末端封止用アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、イソオクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコールであり、特にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソブタノール、シクロヘキシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、ベンジルアルコールである。
また、モノカルボン酸残基で封止する場合は、モノカルボン酸残基として使用されるモノカルボン酸は、炭素数1〜30の置換、無置換のモノカルボン酸が好ましい。これらは、脂肪族モノカルボン酸でも芳香族環含有カルボン酸でもよい。好ましい脂肪族モノカルボン酸について記述すると、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、カプリル酸、カプロン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸が挙げられ、芳香族環含有モノカルボン酸としては、例えば安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−tert−アミル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸等があり、これらはそれぞれ1種または2種以上を使用することができる。
かかる前記高分子量添加剤の合成は、常法により上記脂肪族ジカルボン酸とジオールおよび/または末端封止用のモノカルボン酸またはモノアルコール、とのポリエステル化反応またはエステル交換反応による熱溶融縮合法か、あるいはこれら酸の酸クロライドとグリコール類との界面縮合法のいずれかの方法によっても容易に合成し得るものである。これらのポリエステル系添加剤については、村井孝一編者「添加剤 その理論と応用」(株式会社幸書房、昭和48年3月1日初版第1版発行)に詳細な記載がある。また、特開平05−155809号、特開平05−155810号、特開平5−197073号、特開2006−259494号、特開平07−330670号、特開2006−342227号、特開2007−003679号各公報などに記載されている素材を利用することもできる。
前記芳香族ポリエステル系ポリマーは、前記ポリエステルポリマーに芳香環を有するモノマーを共重合することによって得られる。芳香環を有するモノマーとしては、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、炭素数6〜20の芳香族ジオールから選ばれる少なくとも1種類以上のモノマーである。
炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,8−ナフタレンジカルボン酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸等がある。これらの中でも好ましい芳香族ジカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、である。
炭素数6〜20の芳香族ジオールとしては、特に限定されないがビスフェノールA、1,2−ヒドロキシベンゼン、1,3−ヒドロキシベンゼン、1,4−ヒドロキシベンゼン、1,4−ベンゼンジメタノールが挙げられ、好ましくはビスフェノールA、1,4−ヒドロキシベンゼン、1,4−ベンゼンジメタノールである。
本発明では、芳香族ポリエステル系ポリマーは前述のポリエステルに芳香族ジカルボン酸または芳香族ジオールのそれぞれの少なくとも一種類を組み合わせて用いられるが、その組み合わせは特に限定されるものではなく、それぞれの成分を数種類組み合わせても問題ない。本発明においては、前述のように、特に末端がアルキル基あるいは芳香族基で封止された高分子量添加剤であることが好ましく、封止には前述の方法を使用することができる。
本発明では非リン酸エステル系の化合物以外のレターデーション低減剤として、例えば、リン酸エステル系の化合物や、セルロースアシレートフィルムの添加剤として公知のエステル系以外の化合物を広く採用することができる。
高分子系レターデーション低減剤としては、リン酸ポリエステル系ポリマー、スチレン系ポリマーおよびアクリル系ポリマーおよびこれら等の共重合体から選択され、アクリル系ポリマーおよびスチレン系ポリマーが好ましい。また、スチレン系ポリマー、アクリル系ポリマーといった、負の固有複屈折を有するポリマーを少なくとも一種含まれることが好ましい。
非リン酸エステル系以外の化合物である低分子量レターデーション低減剤としては、以下を挙げることができる。これらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に劣化防止剤の混合などである。さらにまた、赤外吸収染料としては例えば特開平2001−194522号公報に記載されている。またその添加する時期はセルロースアシレート溶液(ドープ)作製工程において何れで添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。さらにまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。
非リン酸エステル系以外の化合物である低分子量レターデーション低減剤としては、特に限定されないが、詳細は特開2007−272177号公報の[0066]〜[0085]に記載されている。
特開2007−272177号公報の[0066]〜[0085]に一般式(1)として記載される化合物は、以下の方法にて作成することができる。
該公報一般式(1)の化合物は、スルホニルクロリド誘導体とアミン誘導体との縮合反応により得ることができる。
特開2007−272177号公報一般式(2)に記載の化合物は、縮合剤(例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)など)を用いた、カルボン酸類とアミン類との脱水縮合反応、またはカルボン酸クロリド誘導体とアミン誘導体との置換反応などにより得ることができる。
前記レターデーション低減剤は、Rth低減剤であることが好適なNzファクターを実現する観点からより好ましい。前記レターデーション低減剤のうち、Rth低減剤としては、アクリル系ポリマーおよびスチレン系ポリマー、特開2007−272177号公報一般式(3)〜(7)の低分子化合物などを挙げることができ、その中でもアクリル系ポリマーおよびスチレン系ポリマーが好ましく、アクリル系ポリマーがより好ましい。
レターデーション低減剤は、セルロース系樹脂に対し、0.01〜30質量%の割合で添加することが好ましく、0.1〜20質量%の割合で添加することがより好ましく、0.1〜10質量%の割合で添加することが特に好ましい。
上記添加量を30質量%以下とすることにより、セルロース系樹脂との相溶性を向上させることができ、白化を抑制させることができる。2種類以上のレターデーション低減剤を用いる場合、その合計量が、上記範囲内であることが好ましい。
(可塑剤)
本発明に用いられる可塑剤としては、セルロースアシレートの可塑剤として知られる多くの化合物も有用に使用することができる。可塑剤としては、リン酸エステル系化合物またはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステル系化合物の例には、トリフェニルホスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。
(レターデーション発現剤)
本発明のフィルムは、レターデーション発現剤を含んでいても含んでいなくても所望の面内方向のレターデーションを発現させることができるが、さらにレターデーション発現剤を含んでいてもよい。レターデーション発現剤を採用することにより、低延伸倍率で高いRe発現性を得られる。レターデーション発現剤の種類としては、特に定めるものではないが、棒状または円盤状化合物からなるものや、前記非リン酸エステル系の化合物のうちレターデーション発現性を示す化合物を挙げることができる。上記棒状または円盤状化合物としては、少なくとも二つの芳香族環を有する化合物をレターデーション発現剤として好ましく用いることができる。
二種類以上のレターデーション発現剤を併用してもよい。
レターデーション発現剤は、250〜400nmの波長領域に最大吸収を有することが好ましく、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
レターデーション発現剤としては、例えば特開2004−50516号公報、特開2007−86748号公報に記載されている化合物を用いることができるが、本発明はこれらに限定されない。
円盤状化合物としては、例えば欧州特許出願公開第0911656A2号明細書に記載の化合物、特開2003−344655号公報に記載のトリアジン化合物、特開2008−150592号公報[0097]〜[0108]に記載されるトリフェニレン化合物も好ましく用いることもできる。
円盤状化合物は、例えば特開2003−344655号公報に記載の方法、特開2005−134884号公報に記載の方法等、公知の方法により合成することができる。
前述の円盤状化合物の他に直線的な分子構造を有する棒状化合物も好ましく用いることができ、例えば特開2008−150592号公報[0110]〜[0127]に記載される棒状化合物を好ましく用いることができる。
溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて最大吸収波長(λmax)が250nmより長波長である棒状化合物を、二種類以上併用してもよい。
棒状化合物は、文献記載の方法を参照して合成できる。文献としては、Mol. Cryst. Liq. Cryst., 53巻、229ページ(1979年)、同89巻、93ページ(1982年)、同145巻、111ページ(1987年)、同170巻、43ページ(1989年)、J. Am. Chem. Soc.,113巻、1349ページ(1991年)、同118巻、5346ページ(1996年)、同92巻、1582ページ(1970年)、J. Org. Chem., 40巻、420ページ(1975年)、Tetrahedron、48巻16号、3437ページ(1992年)を挙げることができる。
(偏光板)
また、本発明のフィルムは、本発明のフィルムを少なくとも一枚用いる偏光板に応用することができる。
前記偏光板は、偏光子と、該偏光子の片面に本発明のフィルムを有することが好ましい。本発明の光学補償フィルムと同様、前記偏光板の態様は、液晶表示装置にそのまま組み込むことが可能な大きさに切断されたフィルム片の態様の偏光板のみならず、連続生産により、長尺状に作製され、ロール状に巻き上げられた態様(例えば、ロール長2500m以上や3900m以上の態様)の偏光板も含まれる。大画面液晶表示装置用とするためには、上記した通り、偏光板の幅は1470mm以上とすることが好ましい。
前記偏光板の具体的な構成については、特に制限はなく公知の構成を採用できるが、例えば、特開2008−262161号公報の図6に記載の構成を採用することができる。
(液晶表示装置)
本発明のフィルムは、前記偏光板を有する液晶表示装置に応用することができる。
前記液晶表示装置は液晶セルと該液晶セルの両側に配置された一対の偏光板を有する液晶表示装置であって、前記偏光板の少なくとも一方が本発明の偏光板であることを特徴とするIPS、OCBまたはVAモードの液晶表示装置であることが好ましい。
前記液晶表示装置の具体的な構成としては特に制限はなく公知の構成を採用できる.また、特開2008−262161号公報の図2に記載の構成も好ましく採用することができる。
[光学フィルムの製造方法]
本発明の光学フィルムの製造方法(以下、本発明の製造方法とも言う)は、熱可塑性樹脂と該熱可塑性樹脂に対して0.03質量%〜0.15質量%の無機微粒子を含むドープを流涎して、光学フィルムの少なくとも一方の最外層となるフィルムを形成する工程と、該最外層となるフィルムを含む光学フィルムを、延伸温度A±10℃でフィルム搬送方向に直交する方向に20〜40%延伸する工程を含むことを特徴とする(但し、前記Aは、残留溶媒量が0%のときのセルロースアシレートの動的粘弾性tanδを測定した際にtanδがピークを示す温度を表す)。
本発明の製造方法によれば、従来知られていなかったハンドリング適性が良好であり、液晶表示装置に組み込んだときに単独で視野角特性を改善できる程度に高い光学発現性を有し、かつ画像表示時のコントラストを上昇させることができる本発明の光学フィルムを製造することができる。
本発明のフィルムは、溶液製膜法(ソルベントキャスト法)により製造される。ソルベントキャスト法を利用したセルロースアシレートフィルムの製造例については、米国特許第2,336,310号、同2,367,603号、同2,492,078号、同2,492,977号、同2,492,978号、同2,607,704号、同2,739,069号及び同2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号及び同736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号及び同62−115035号等の公報を参考にすることができる。また、本発明のフィルムは、延伸処理を施されるが、本明細書中で規定される以外の延伸処理の方法及び条件については、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号等の公報を参考にすることができる。
<ドープの調製>
ソルベントキャスト法では、熱可塑性樹脂を有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造することができる。
有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステルおよび炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが含まれる。
炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
ハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25〜75モル%であることが好ましく、30〜70モル%であることがより好ましく、35〜65モル%であることがさらに好ましく、40〜60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
2種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
一般的な方法で熱可塑性樹脂溶液を調製できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常温または高温)で、処理することを意味する。溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法および装置を用いて実施することができる。なお、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特に、メチレンクロリド)を用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂の量は、得られる溶液中に10〜40質量%含まれるように調整することが好ましい。熱可塑性樹脂の量は、10〜30質量%であることがさらに好ましい。前記熱可塑性樹脂は、本発明のフィルムにおける好ましい範囲と同様であり、セルロースアシレート樹脂または環状オレフィン樹脂であることが好ましく、セルロースアシレート樹脂であることがより好ましく、セルロースアセテートであることが特に好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、本発明のフィルムに好ましく添加できる添加剤として挙げた添加剤の中から、任意の添加剤を添加しておいてもよい。また、本発明の製造方法では、前記ドープが、無機微粒子を含む。
溶液は、常温(0〜40℃)で熱可塑性樹脂と有機溶媒とを攪拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体的には、熱可塑性樹脂と有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60〜200℃であり、さらに好ましくは80〜110℃である。
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
容器内部に攪拌翼を設けて、これを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶媒中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
<流延方法>
溶液の流延方法としては、調製されたドープを加圧ダイから金属支持体上に均一に押し出す方法、一旦金属支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法、逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があるが、加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるが、いずれも好ましく用いることができる。また、加圧ダイによる方法を用いる場合、公知の方法の中でも膜厚を高度に調節できる方法がより好ましい。またここで挙げた方法以外にも、従来知られているセルローストリアセテート溶液を流延製膜する種々の方法で実施することができ、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することにより、それぞれの公報に記載の内容と同様の効果が得られる。
本発明の製造方法では、熱可塑性樹脂と該熱可塑性樹脂に対して0.03質量%〜0.15質量%の無機微粒子を含むドープを流涎して、光学フィルムの少なくとも一方の最外層となるフィルムを形成する。この最外層となるフィルムは、本発明のフィルムが単層である場合はそのまま本発明のフィルムとなる。一方、本発明のフィルムが2層以上からなる場合は、本発明のフィルムの少なくとも一方の最外層となり、本発明のフィルムの両方の最外層となることが好ましい。
また、前記最外層となるフィルムを形成するためのドープ中に含まれる無機微粒子は、本発明のフィルムを共流延により製膜する場合は、該ドープ中の熱可塑性樹脂に対して0.03質量%〜0.15質量%であり、0.04〜0.15質量%であることが好ましく、0.05質量%〜0.15質量%であることがより好ましく、0.06〜0.14質量%であることが特に好ましく、0.06〜0.12質量%であることがより特に好ましい。
一方、本発明のフィルムを単層で製膜する場合は、該ドープ中の熱可塑性樹脂に対して0.03質量%〜0.15質量%であり、0.03〜0.10質量%であることが好ましく、0.03〜0.07質量%であることがより好ましく、0.04質量%〜0.05質量%であることが特に好ましい。
本発明の製造方法は、前記最外層となるフィルムを含む光学フィルムの全膜厚が30〜160μmとなるように制御する工程を含むことが好ましい。この範囲に、熱可塑性樹脂と該熱可塑性樹脂に対して0.03質量%〜0.15質量%の無機微粒子を含むドープを流涎して得られた光学フィルムの少なくとも一方の最外層となるフィルムの全膜厚を制御することで、フィルムのRe発現量と、全ヘイズを本発明の範囲に制御することができ、その中でも特にフィルムのRe発現量を本発明の範囲に制御するために重要となる。
本発明の製造方法では、前記最外層となるフィルムを含む光学フィルムの全膜厚が35〜155μmでとなるように制御することがより好ましく、40〜140μmであることが特に好ましく、40〜100μmであることがより特に好ましい。
(共流延)
本発明のフィルムが2層以上からなる場合は、その形成においては同時共流延(重層同時流延)法、逐次流延法、塗布法などの積層流延法を用いることが好ましく、同時共流延法および逐次流延法がより好ましく、同時共流延法を用いることが、安定製造および生産コスト低減の観点から特に好ましい。
共流延法および逐次流延法により製造する場合には、まず、各層用の熱可塑性樹脂溶液(ドープ)を調製する。本発明の製造方法では、表層用ドープとコア層用ドープを、該コア層用ドープの両面に前記表層用ドープが積層されるように逐次流延または同時共流延することが好ましく、同時共流延することがより好ましい。
すなわち、本発明の製造方法では、前記熱可塑性樹脂と該熱可塑性樹脂に対して0.03質量%〜0.15質量%の無機微粒子を含むドープと、熱可塑性樹脂を含む少なくとも1種のコア層用ドープを、該コア層用ドープの両面に前記熱可塑性樹脂と該熱可塑性樹脂に対して0.03質量%〜0.15質量%の無機微粒子を含むドープが積層されるように逐次流延または同時共流延することが好ましい。本発明の製造方法では、前記熱可塑性樹脂と該熱可塑性樹脂に対して0.03質量%〜0.15質量%の無機微粒子を含むドープと、熱可塑性樹脂を含む少なくとも1種のコア層用ドープを、該コア層用ドープの両面に前記熱可塑性樹脂と該熱可塑性樹脂に対して0.03質量%〜0.15質量%の無機微粒子を含むドープが積層されるように同時共流延することがより好ましい。
本発明の製造方法では、前記表層用ドープの少なくとも一方が無機微粒子を前記熱可塑性樹脂に対して0.03重量%〜0.15重量%含んでいればよい。本発明の製造方法では、XRFを用いたマット剤濃度測定におけるエア面側XRF強度とバンド面側XRF強度を共に改善し、かつ、動摩擦係数が改善する観点から、両方の前記表層用ドープが無機微粒子を前記熱可塑性樹脂に対して0.03重量%〜0.15重量%含むことが特に好ましい。
本発明の製造方法では、前記表層の合計膜厚が0.5〜9μmとなるように制御する工程を含むことが、得られる光学フィルムのXRFを用いたマット剤濃度測定におけるXRF強度を改善し、該光学フィルムを液晶表示装置に組み込んだときのコントラストを上昇させることができる観点から好ましい。前記表層の合計膜厚は、0.5〜8μmであることがより好ましく、1〜7μmであることが特に好ましく、1.5〜6μmであることがより特に好ましい。
本発明の製造方法では前記熱可塑性樹脂としてはセルロースアシレート樹脂を用いることが好ましい。その場合、本発明の製造方法では、前記熱可塑性樹脂と該熱可塑性樹脂に対して0.03質量%〜0.15質量%の無機微粒子を含むドープと、前記コア層用ドープがそれぞれ置換度の異なるセルロースアシレート樹脂を含むことがより好ましい。
本発明の製造方法では、前記コア層用ドープに含まれる前記セルロースアシレート樹脂の全アシル置換度の平均値が2.1〜2.6を満たすことが好ましく、より好ましい範囲は本発明のフィルムの説明における好ましい範囲と同様である。
同時共流延法(重層同時流延)では、流延用金属支持体(バンドまたはドラム)の上に、各層(2層あるいはそれ以上でもよい)各々の流延用ドープを別のスリットなどから同時に押出す流延用ギーサからドープを押出して、各層同時に流延し、適当な時期に金属支持体から剥ぎ取って、乾燥しフィルムを成形する流延法である。 HYPERLINK "http://www6.ipdl.inpit.go.jp/Tokujitu/tjitemdrw.ipdl?N0000=231&N0500=4E#N/;=?=9=%3e9%3e///&N0001=4&N0552=9&N0553=000043" \t "tjitemdrw" 図1に、共流延ギーサ3を用い、流延用金属支持体4の上に表層用ドープ1とコア層用ドープ2を3層同時に押出して流延する状態を断面図で示した。
逐次流延法は、流延用金属支持体の上にまず前記最外層用のドープを流延用ギーサから押出して、流延し、乾燥あるいは乾燥することなく、その上に第2層用(コア層用)の流延用ドープを流延用ギーサから押出して流延する要領で、必要なら第3層以上まで逐次ドープを流延・積層して、適当な時期に金属支持体から剥ぎ取って、乾燥しフィルムを成形する流延法である。
一方、塗布法は、一般的には、コア層のフィルムを溶液製膜法によりフィルムに成形し、表層に塗布する塗布液を調製し、適当な塗布機を用いて、片面ずつまたは両面同時にフィルムに塗布液を塗布・乾燥して積層構造のフィルムを成形する方法である。
例えば前述の可塑剤、紫外線吸収剤、無機微粒子(マット剤)等の添加剤濃度が異なるドープを共流延して、各層で添加剤濃度が異なる積層構造の光学フィルムを作製することもできる。無機微粒子は、表層用ドープ中における濃度を高くし、コア層用ドープ中における濃度を低くすることができる。本発明の製造方法では、表層用ドープが無機微粒子を含むことが好ましく、前記コア層用ドープが無機微粒子を全く含まないことが内部へイズを低くする観点からより好ましい。
可塑剤、紫外線吸収剤は表層用ドープよりもコア層用ドープのみに多くいれることができ、コア層用ドープのみにいれてもよい。また、コア層用ドープと表層用ドープで可塑剤、紫外線吸収剤の種類を変更することもできる。また、剥離剤を金属支持体側の表層用ドープにのみ含有させることも好ましい態様である。また、冷却ドラム法で金属支持体を冷却して溶液をゲル化させるために、表層用ドープに貧溶媒であるアルコールをコア層用ドープより多く添加することも好ましい。表層用ドープとコア層用ドープのTgが異なっていてもよく、表層用ドープのTgよりコア層用ドープのTgが低いことが好ましい。また、流延時の熱可塑性樹脂を含む溶液の粘度も表層用ドープとコア層用ドープで異なっていてもよく、表層用ドープの粘度がコア層用ドープの粘度よりも小さいことが好ましいが、コア層用ドープの粘度が表層用ドープの粘度より小さくてもよい。
また、本発明の製造方法では、表層用ドープとコア層用ドープに含まれる熱可塑性樹脂が異なっていることも好ましい。熱可塑性樹脂としてセルロースアシレート樹脂を用いる場合、表層用ドープとコア層用ドープにそれぞれ含まれるセルロースアシレート樹脂の全アシル置換度は異なっていることが好ましい。
本発明のフィルムを製造するのに使用される、エンドレスに走行する金属支持体としては、表面がクロムメッキによって鏡面仕上げされたドラムや表面研磨によって鏡面仕上げされたSUS(ステンレス)ベルト(バンドといってもよい)を用いることが好ましい。使用される加圧ダイは、金属支持体の上方に1基又は2基以上の設置でもよい。好ましくは1基又は2基である。2基以上設置する場合には、流延するドープ量をそれぞれのダイに種々な割合にわけてもよく、複数の精密定量ギアポンプからそれぞれの割合でダイにドープを送液してもよい。流延に用いられるセルロースアシレート溶液の温度は−10〜55℃が好ましく、より好ましくは25〜50℃である。その場合、工程のすべての溶液温度が同一でもよく、又は工程の各所で異なっていてもよい。異なる場合は、流延直前で所望の温度であればよい。
<延伸処理>
本発明の製造方法では、該最外層となるフィルムを含む光学フィルムを、延伸温度A±10℃でフィルム搬送方向に直交する方向に20〜40%延伸する工程を含むことを特徴とする(但し、前記Aは、残留溶媒量が0%のときのセルロースアシレートの動的粘弾性tanδを測定した際にtanδがピークを示す温度を表す)。本発明のフィルムの製造方法では、熱可塑性樹脂と該熱可塑性樹脂に対して0.03質量%〜0.15質量%の無機微粒子を含むドープを流涎して得られた光学フィルムの少なくとも一方の最外層となるフィルムを含む光学フィルムを、上記特定の条件で延伸する処理を含むことで、搬送性の改善と低ヘイズ化の両立ができ、かつReを高く発現させることができる。
本発明のフィルムの製造方法における上記特定の条件でのフィルムの延伸方向はフィルム搬送方向に直交する方向(幅方向、TD方向)であるが、本発明の趣旨に反しない限りにおいてフィルム搬送方向にも延伸してもよい。
前記Aは、バイブロンにより残留溶媒量0%のセルロースアシレートの動的粘弾性tanδを測定した際にtanδがピークを示した温度であり、フィルムごとに固有の温度である。動的粘弾性を測定する際に用いるバイブロンとしては特に制限はないが、例えば、IT計測制御株式会社製、商品名DVA200を用いることができる。
本発明の製造方法では、前記熱可塑性樹脂としてセルロースアシレート樹脂を用い、前記延伸工程においてフィルム搬送方向に直交する方向に25〜40%延伸することが本発明のフィルムのReを好ましい範囲に制御する観点からより好ましく、フィルム搬送方向に直交する方向に30〜40%延伸することが特に好ましい。
前記フィルム搬送方向に直交する方向への延伸時の温度は、前記延伸温度A−10℃〜前記延伸温度A+10℃であることが好ましく、前記延伸温度A−5℃〜前記延伸温度A+5℃であることが特に好ましい。
フィルム搬送方向に直交する方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。フィルム搬送方向(長手方向)の延伸の場合、例えば、フィルムの搬送ローラーの速度を調節して、フィルムの剥ぎ取り速度よりもフィルムの巻き取り速度の方を速くするとフィルムは延伸される。フィルム搬送方向に直交する方向の延伸の場合、フィルムの幅をテンターで保持しながら搬送して、テンターの幅を徐々に広げることによってもフィルムを延伸できる。フィルムの乾燥後に、延伸機を用いて延伸すること(好ましくはロング延伸機を用いる一軸延伸)もできる。
光学フィルムを偏光子の保護膜として使用する場合には、偏光板を斜めから見たときの光漏れを抑制するため、偏光子の透過軸と光学フィルムの面内の遅相軸を平行に配置する必要がある。連続的に製造されるロールフィルム状の偏光子の透過軸は、一般的に、ロールフィルムの幅方向に平行であるので、前記ロールフィルム状の偏光子とロールフィルム状の光学フィルムからなる保護膜を連続的に貼り合せるためには、ロールフィルム状の保護膜の面内遅相軸は、フィルムの幅方向に平行であることが必要となる。従って幅方向により多く延伸することが好ましい。また延伸処理は、製膜工程の途中で行ってもよいし、製膜して巻き取った原反を延伸処理してもよいが、本発明の製造方法では残留溶媒を含んだ状態で延伸を行うため、製膜工程の途中で延伸することが好ましい。
<乾燥>
光学フィルムの製造に係わる、金属支持体上におけるドープの乾燥は、一般的には、金属支持体(ドラム又はベルト)の表面側、つまり金属支持体上にあるウェブの表面から熱風を当てる方法、ドラム又はベルトの裏面から熱風を当てる方法、温度コントロールした液体をベルトやドラムのドープ流延面の反対側である裏面から接触させて、伝熱によりドラム又はベルトを加熱し表面温度をコントロールする裏面液体伝熱方法などがあるが、裏面液体伝熱方式が好ましい。流延される前の金属支持体の表面温度は、ドープに用いられている溶媒の沸点以下であれば何度でもよい。しかし乾燥を促進するためには、また金属支持体上での流動性を失わせるためには、使用される溶媒の内の最も沸点の低い溶媒の沸点より1〜10℃低い温度に設定することが好ましい。なお流延ドープを冷却して乾燥することなく剥ぎ取る場合はこの限りではない。
フィルム厚さの調整は、所望の厚さになるように、ドープ中に含まれる固形分濃度、ダイの口金のスリット間隙、ダイからの押し出し圧力、金属支持体速度等を調節すればよい。
<巻き取り>
以上のようにして得られた、光学フィルムの長さは、1ロール当たり100〜10000mで巻き取るのが好ましく、より好ましくは500〜7000mであり、さらに好ましくは1000〜6000mである。光学フィルムの幅は、0.5〜5.0mが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0mであり、さらに好ましくは1.0〜2.5mである。巻き取る際、少なくとも片端にナーリングを付与するのが好ましく、ナーリングの幅は3mm〜50mmが好ましく、より好ましくは5mm〜30mm、高さは0.5〜500μmが好ましく、より好ましくは1〜200μmである。これは片押しであっても両押しであってもよい。
一般的に、大画面表示装置において、斜め方向のコントラストの低下および色味付きが顕著となるので、本発明のフィルムは、特に大画面液晶表示装置に用いるのに適している。大画面用液晶表示装置用の光学補償フィルムとして用いる場合は、例えば、フィルム幅を1470mm以上として成形するのが好ましい。また、本発明の光学補償フィルムには、液晶表示装置にそのまま組み込むことが可能な大きさに切断されたフィルム片の態様のフィルムのみならず、連続生産により、長尺状に作製され、ロール状に巻き上げられた態様のフィルムも含まれる。後者の態様の光学補償フィルムは、その状態で保管・搬送等され、実際に液晶表示装置に組み込む際や偏光子等と貼り合わされる際に、所望の大きさに切断されて用いられる。また、同様に長尺状に作製されたポリビニルアルコールフィルム等からなる偏光子等と、長尺状のまま貼り合わされた後に、実際に液晶表示装置に組み込む際に、所望の大きさに切断されて用いられる。ロール状に巻き上げられた光学補償フィルムの一態様としては、ロール長が2500m以上のロール状に巻き上げられた態様が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、以下に記載される実施例10、15〜19は、それぞれ参考例10、15〜19と読み替えるものとする。
本発明では、下記の測定方法により測定を行った。
(XRF強度および、算出マット剤濃度)
XRF強度の測定は、本発明のフィルム試料40mm×80mmを60℃相対湿度90%の環境下で、本明細書中に記載の方法によりエア面側とバンド面側のそれぞれについて行った。得られたXRF強度を下記表6および7に記載した。
また、マット剤濃度と膜厚を規定した標準サンプルをもとに、XRF強度とマット剤濃度に関する下記表1に記載の検量線を作成した。上記にて得られた測定値から、エア面側とバンド面側のそれぞれについてマット剤濃度を下記表1に記載の検量線を用いて算出した。得られた結果を下記表6および7に記載した。
なお、表1中、XがXRFで算出された強度を表し、Yが膜厚(単位:μm)を表す。
Figure 0005437783
(全ヘイズ)
全ヘイズの測定は、本発明のフィルム試料40mm×80mmを、25℃、相対湿度60%で、ヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)でJIS K−6714に従って測定した。その結果を下記表6および7に示す。
(内部ヘイズ)
まず本発明のフィルム試料40mm×80mmの屈折率をアッベ屈折計((株)アタゴ社製の『アッベ屈折計2−T』)により測定した。
次に、フィルム試料の表面及び裏面に、フィルム中に最も多く含まれる熱可塑性樹脂の屈折率±0.02以内の屈折率を有するオイルを数滴添加し、厚さ1mmのガラス板(ミクロスライドガラス品番S 9111、MATAUNAMI製)を2枚用いて裏表より挟んで、完全に2枚のガラス板と得られたフィルムを光学的に密着し、全ヘイズを除去した状態でヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)によってJIS K−6714に従ってヘイズを測定し、別途測定したガラス板2枚の間にオイルのみを挟んで測定したヘイズを引いた値をフィルムの内部ヘイズとして算出した。
実施例および比較例で得られたセルロースアシレート樹脂を用いたフィルム試料は屈折率が1.48〜1.49であったため、屈折率1.48の流動パラフィンを用いて測定した。
また、本発明では上記方法で30回測定を行い、その平均値を内部へイズとした。その結果を下記表6および7に示す。
(動摩擦係数)
得られたフィルムのキシミ測定による動摩擦係数を本明細書中に記載の方法で測定した。その結果を下記表6および7に記載した。
(ハンドリング適性)
幅1mのフィルムを作製し,両側に荷重10kgの重しを付け、0.1mΦのパスロールを50cm、5往復させた後、フィルムの表面を顕微鏡観察した際の傷の状態および上記フィルムに対してヘイズ測定をした結果を下記分類にしたがってレベル分けした。その結果を下記表6および7に記載した。
○:表面に傷がなく、ヘイズ値が上昇しない。
△:顕微鏡で表面の傷が確認されるが、ヘイズ値が上昇しない。
×:表面に傷が有り、ヘイズ値の上昇が0.3%未満。
××:表面に傷が有り、ヘイズ値の上昇が0.3%以上。
(光学発現性)
KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)で上記の方法によりReおよびRthを波長590nmで計測した。その結果を下記表6および7に記載した。
[A:共流延フィルム]
2層以上からなるフィルムを製造した実施例および比較例については、以下の方法で光学フィルムを製膜した。
(1)合成によるセルロースアシレート樹脂の調製
表1に記載のアシル置換度のセルロースアシレートを調製した。触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、カルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。その後、硫酸触媒量、水分量および熟成時間を調整することで全置換度と6位置換度を調整した。熟成温度は40℃で行った。さらにこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
(2)ドープ調製
<2−1>コア層用ドープ
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、さらに90℃に約10分間加熱した後、平均孔径34μmのろ紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例1のコア層用ドープ
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・セルロースアセテート(置換度2.41) 100.0質量部
・添加剤B 18.5質量部
・メチレンクロライド 365.5質量部
・メタノール 54.6質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
添加剤Aについては特開2009−222994号公報の化合物D−1である。以下に前記添加剤Aの構造を添加剤HおよびIの構造とあわせて記載する。
Figure 0005437783
Figure 0005437783
Figure 0005437783
添加剤B〜Gについては下記表2に記載のものである。なお、下記表2中、EGはエチレングリコールを、PGはプロピレングリコールを、BGはブチレングリコールを、TPAはテレフタル酸を、PAはフタル酸を、AAはアジピン酸を、SAはコハク酸をそれぞれ示している。
また、前記添加剤の添加量は、各コア層用ドープ中に含まれる熱可塑性樹脂に対する質量%である。
Figure 0005437783
<2−2>表層用セルロースアシレートドープ
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、さらに90℃に約10分間加熱した後、平均孔径34μmのろ紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例1の表層用ドープ
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・セルロースアセテート(置換度2.81) 100.0質量部
・化合物B 11.0質量部
・マット剤(アエロジルR972) 0.035質量部
・メチレンクロライド 365.5質量部
・メタノール 54.6質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
Figure 0005437783
下記表4および5に示したようにセルロースアシレート樹脂の全アシル置換度、マット剤種類やマット剤添加量を変更した以外は実施例1の表層用ドープと同様にして、その他の表層用ドープを調製した。
(3)共流延
前記コア層用ドープと、前記表層用ドープを下記表4および5に記載の膜厚のコア層および表層にそれぞれなるように、同時共流延した。なお、バンドはSUS製であった。
(4)延伸
得られたウェブ(フィルム)をバンドから剥離し、クリップに挟み、フィルム全体の質量に対する残留溶媒量が30〜5%の状態のときに固定端一軸延伸の条件で、下記表4および5に記載の延伸温度および延伸倍率でテンターを用いてフィルム搬送方向に直交する方向(横方向)に延伸した。
その後にフィルムからクリップを外して130℃で20分間乾燥させた。このとき、延伸後の膜厚が表4および5に記載の膜厚(単位:μm)になるように、流延膜厚を調整した。表4および5に示した組成のフィルムを作製し、その製造適性を判断する目的で、ロール幅1280mm、ロール長2600mmのロールを上記条件で最低24ロール作製した。連続で製造した24ロールの中の1ロールについて100m間隔で長手1mのサンプル(幅1280mm)を切り出して各測定を行った。
[B:単層フィルム]
単層フィルムを製造したその他の実施例および比較例については、以下の方法で光学フィルムを製膜した。
(1)セルロースアシレート樹脂の調製
共流延フィルムの製造と同様の方法により、セルロースアシレート樹脂を調製した。なお、下記表4および5中に記載の「プロピオニル」は、全アシル置換度が2.36のセルロースアセテートプロピオネート樹脂であった、プロピオニル置換度が0.8であるものを表す。
(2)ドープ調製
<2−1> 熱可塑性樹脂溶液
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、さらに90℃に約10分間加熱した後、平均孔径34μmのろ紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
比較例9のセルロースアシレート溶液
――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記表4および5に記載の熱可塑性樹脂 100.0質量部
下記表4および5に記載の添加剤B 18.5質量部
メチレンクロライド 403.0質量部
メタノール 60.2質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
<1−2> マット剤分散液
次に上記方法で作成したセルロースアシレート溶液を含む下記組成物を分散機に投入し、マット剤分散液を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
比較例9のマット剤分散液
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・マット剤(アエロジルR972) 0.2質量部
・メチレンクロライド 72.4質量部
・メタノール 10.8質量部
・セルロースアシレート溶液 10.3質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記比較例9のセルロースアシレート溶液を100質量部、比較例9のマット剤分散液をセルロースアシレート樹脂に対して無機微粒子が0.02質量部となる量を混合し、製膜用ドープを調製した。
下記表5に示したように熱可塑性樹脂の種類、添加剤添加量、マット剤添加濃度を変更した以外は比較例9のドープと同様にして、その他の各実施例および比較例のドープを調製した。
(3)流延
上述のドープを、下記表5に記載の膜厚となるように、バンド流延機を用いて流延した。なお、バンドはSUS製であった。
(4)延伸
得られたウェブ(フィルム)をバンドから剥離し、クリップに挟み、フィルム全体の質量に対する残留溶媒量が30〜5%の状態のときに固定端一軸延伸の条件で、下記表5に記載の延伸温度および延伸倍率でテンターを用いてフィルム搬送方向に直交する方向(横方向)に延伸した。
その後にフィルムからクリップを外して130℃で20分間乾燥させた。このとき、延伸後の膜厚が表5に記載の膜厚(単位:μm)になるように、流延膜厚を調整した。表5および7に示した組成のフィルムを作製し、その製造適性を判断する目的で、ロール幅1280mm、ロール長2600mmのロールを上記条件で最低24ロール作製した。連続で製造した24ロールの中の1ロールについて100m間隔で長手1mのサンプル(幅1280mm)を切り出して各測定を行った。
[C:偏光板の作成]
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を作製した。作製した各実施例および比較例のフィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の片側に貼り付けた。なお、ケン化処理は以下のような条件で行った。
1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を調製し、55℃に保温した。0.005mol/Lの希硫酸水溶液を調製し、35℃に保温した。各実施例および比較例で作製したフィルムを上記の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬した後、水に浸漬し水酸化ナトリウム水溶液を十分に洗い流した。次いで、上記の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。最後に試料を120℃で十分に乾燥させた。
市販のセルローストリアシレートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の反対側に貼り付け、70℃で10分以上乾燥した。
偏光子の透過軸と各実施例および比較例のフィルムの遅相軸とは平行になるように配置した。偏光子の透過軸と市販のフィルムの遅相軸とは直交するように配置した。
(偏光板加工後の実装時のコントラスト)
BRAVIA−KDL40V5(商品名、SONY(株)社製)の液晶セルから偏光板を剥がした。実施例:偏光板の作成で得られた偏光板に、各実施例および比較例のフィルムの偏光子とは逆側に粘着剤を貼り付け、各実施例または比較例のフィルム/粘着剤/液晶セルの順になるようにこの液晶セルに対して貼り合わせた。この液晶表示装置に対して、コントラストを測定した。その結果を下記表6および7に記載した。
Figure 0005437783
Figure 0005437783
Figure 0005437783
Figure 0005437783
表4〜7より、本発明のフィルムは、ハンドリング適性が良好であり、液晶表示装置に組み込んだときに単独で視野角特性を改善できる程度に高い光学発現性を有し、かつ画像表示時のコントラストを上昇させることができていたことがわかった。
一方、比較例1は表層用ドープ中のマット剤濃度を本発明の範囲を下回る添加量としたものであり、得られた光学フィルムはXRF強度、全ヘイズおよび動摩擦係数がいずれも本発明の範囲外であり、ハンドリング適性と実装時のコントラストが悪いことがわかった。
比較例2は表層用ドープ中のマット剤濃度を本発明の範囲を上回る添加量としたものであり、得られた光学フィルムはXRF強度が本発明の範囲外であり、実装時のコントラストが悪いことがわかった。
比較例3は、比較例1よりもさらに表層用ドープ中のマット剤濃度を減らして0としたものであり、得られた光学フィルムはXRF強度および全ヘイズが本発明の範囲外であり、ハンドリング適性と実装時のコントラストが悪いことがわかった。
比較例4は、延伸温度を本発明の範囲を下回る温度としたものであり、得られたフィルムは全ヘイズが本発明の範囲を外れ、実装時のコントラストが悪いことがわかった。
比較例5は、延伸温度を本発明の範囲を上回る温度としたものであり、得られたフィルムは動摩擦係数が本発明の範囲を外れ、ハンドリング適性と実装時のコントラストが悪いことがわかった。
比較例6は、フィルム製造条件のうち,マット剤濃度を0.026質量%としたものであり、得られたフィルムは動摩擦係数が本発明の範囲を外れ、ハンドリング適性と実装時のコントラストが悪いことがわかった。
比較例9および11は、単層流延において、マット剤濃度を本発明の範囲を下回る添加量としたものであり、得られた光学フィルムは全ヘイズおよび動摩擦係数が本発明の範囲を外れ、ハンドリング適性が悪いことがわかった。
比較例10および12は、単層流延において、マット剤濃度を本発明の範囲を上回る添加量としたものであり、得られた光学フィルムはXRF強度および動摩擦係数が本発明の範囲を外れ、実装時のコントラストが悪いことがわかった。
比較例13は、延伸倍率を本発明の範囲を下回る倍率としたものであり、得られたフィルムはReが本発明の範囲を外れ、実装時のコントラストが悪いことがわかった。
比較例14は、延伸倍率を本発明の範囲を上回る倍率としたものであり、得られたフィルムは全ヘイズが本発明の範囲を外れ、ハンドリング適性と実装時のコントラストが悪いことがわかった。
比較例15および16は、特開2009−222944号公報に記載のフィルムNO.1をそれぞれ追試したものであり、得られた異方性層塗工前の比較例15のフィルムは動摩擦係数、光学特性が本発明の範囲をはずれ、異方性層塗工後の比較例16のフィルムは、塗工側の動摩擦係数が本発明の範囲をはずれることがわかった。
1 表層用ドープ
2 コア層用ドープ
3 共流延ギーサ
4 流延用支持体

Claims (12)

  1. コア層と、該コア層の両面に少なくとも1層ずつの表層が積層されている光学フィルムであって、該光学フィルムは、
    熱可塑性樹脂を含み、
    フィルム表面のXRF測定を実施したときのXRF強度が0.6〜15であり、
    全ヘイズ値が0.1〜1.0%であり、
    内部ヘイズ値が0.07%未満であり、かつ
    フィルムの両表面における動摩擦係数が0.3〜3.5であり、
    下記式(1)および下記式(2)を満たす、光学フィルム。
    式(1): 25nm≦Re≦140nm
    (式(1)中、Reは波長590nmで測定したフィルム面内方向のレターデーション値を表す。)
    式(2): 80nm≦Rth≦300nm
    (式(2)中、Rthは波長590nmで測定したフィルム膜厚方向のレターデーション値を表す。)
  2. 下記式(1')を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
    式(1'): 30nm≦Re≦100nm
    (式(1')中、Reは波長590nmで測定したフィルム面内方向のレターデーション値を表す。)
  3. 前記熱可塑性樹脂がセルロースアシレート樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルム
  4. 前記セルロースアシレート樹脂の全アシル置換度が2.1〜2.6であることを特徴とする請求項に記載の光学フィルム。
  5. 前記コア層と前記表層が、いずれもセルロースアシレート樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  6. 前記コア層と、前記表層がそれぞれ全アシル置換度の異なるセルロースアシレート樹脂を含むことを特徴とする請求項に記載の光学フィルム。
  7. 前記コア層に含まれるセルロースアシレート樹脂の全アシル置換度が2.1〜2.6であることを特徴とする請求項またはに記載の光学フィルム。
  8. 内部ヘイズが0.03%未満であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  9. 光学異方性層が積層されていないことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  10. 前記表層の合計膜厚が0.5〜9μmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学フィルムを少なくとも1枚用いたことを特徴とする偏光板。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学フィルムを少なくとも1枚用いたことを特徴とする液晶表示装置。
JP2009281221A 2009-12-11 2009-12-11 光学フィルム、その製造方法、偏光板および液晶表示装置 Active JP5437783B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009281221A JP5437783B2 (ja) 2009-12-11 2009-12-11 光学フィルム、その製造方法、偏光板および液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009281221A JP5437783B2 (ja) 2009-12-11 2009-12-11 光学フィルム、その製造方法、偏光板および液晶表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011123316A JP2011123316A (ja) 2011-06-23
JP5437783B2 true JP5437783B2 (ja) 2014-03-12

Family

ID=44287249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009281221A Active JP5437783B2 (ja) 2009-12-11 2009-12-11 光学フィルム、その製造方法、偏光板および液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5437783B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5869820B2 (ja) * 2011-09-30 2016-02-24 富士フイルム株式会社 セルロースアシレート積層フィルムとその製造方法、偏光板および液晶表示装置
WO2013145560A1 (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 コニカミノルタ株式会社 光学フィルムの製造方法及び光学フィルム、偏光板、液晶表示装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3425484B2 (ja) * 1995-02-03 2003-07-14 富士写真フイルム株式会社 セルロースアセテート積層フイルムおよびその製造方法
JP2003212927A (ja) * 2002-01-24 2003-07-30 Jsr Corp 光学透明材料およびその用途
JP2003291161A (ja) * 2002-04-04 2003-10-14 Fuji Photo Film Co Ltd 溶液製膜方法及びその製造物
JP2004268281A (ja) * 2003-03-05 2004-09-30 Fuji Photo Film Co Ltd セルロースアシレートフィルム及び溶液製膜方法、偏光板、光学補償フィルム、液晶表示装置、写真感光材料
JP2006030425A (ja) * 2004-07-14 2006-02-02 Konica Minolta Opto Inc 位相差フィルム、その製造方法、及び位相差フィルムを用いて作製した偏光板
JP2007279083A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Fujifilm Corp 光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP2009249386A (ja) * 2008-04-01 2009-10-29 Fujifilm Corp セルロースアシレートフィルム、偏光板、液晶表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011123316A (ja) 2011-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011132496A (ja) プラスチックフィルム、その製造方法、偏光板および液晶表示装置
JP5134029B2 (ja) セルロースアシレートフィルムとその製造方法、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置
JP5631241B2 (ja) 樹脂フィルムとその製造方法、偏光板および液晶表示装置
JP5701716B2 (ja) 偏光板保護フィルム、偏光板および液晶表示装置
JP2011118339A (ja) セルロースアシレート積層フィルム、セルロースアシレート積層フィルムの製造方法、偏光板および液晶表示装置
JP2011105924A (ja) セルロースエステルフィルム、光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置
JP5156067B2 (ja) セルロースアシレートフィルム
JP2011118222A (ja) セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置
JP2012181516A (ja) セルロースエステルフィルム、偏光板、液晶表示装置、及びセルロースエステルフィルムの製造方法
JP5384314B2 (ja) セルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP5490653B2 (ja) 光学フィルムおよびその製造方法、偏光板、液晶表示装置
JP2012025804A (ja) ポリマーフィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP5325083B2 (ja) 光学フィルム、光学フィルムの製造方法、偏光板および液晶表示装置
JP5437783B2 (ja) 光学フィルム、その製造方法、偏光板および液晶表示装置
JP5156133B2 (ja) セルロースアシレートフィルムの製造方法
JP5539021B2 (ja) Ipsモード又はffsモード液晶表示装置
JP2013028755A (ja) 樹脂フィルムとその製造方法、偏光板および液晶表示装置
JP2011183759A (ja) セルロースアセテートフィルムとその製造方法、偏光板および液晶表示装置
JP2011246622A (ja) 光学フィルムとその製造方法、偏光板、液晶表示装置
JP2009265643A (ja) 延伸フィルム、延伸フィルムの製造方法、および偏光板
JP6421094B2 (ja) 光学フィルム、光学フィルムの製造方法、偏光板及び液晶表示装置
JP2013076872A (ja) セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置
JP5993327B2 (ja) セルロースアセテートブチレートフィルム、偏光板および液晶表示装置
JP5837470B2 (ja) セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置
JP2012215706A (ja) セルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120705

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5437783

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250